第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針・経営戦略等

当社グループは、投資家の皆さまに長期的に投資を継続していただくため、その企業価値および株主の皆さまの共同の利益を向上させる取組みとして、下記経営理念に基づき、経営の基本方針を定め、具体的な施策を展開しております。

Ⅰ.経営理念

①経済活動を通して付加価値を生み出し、広く社会に貢献する。

②株主の皆さまをはじめ従業員、取引先、社会などすべてのステークホルダーの信頼と期待に応える。

③企業の発展と永続性確保のため、市場の変化にすばやく対応し、常に顧客指向を「信念」として、その実現のために多種多様な変化に対し、「柔軟」に対応する。

Ⅱ.経営の基本方針

①3つの基本技術(ホースを作る技術、ゴムシートを作る技術、モールド(成形品)を作る技術)をもとに製造した製品を4つの市場(家電、自動車、土木・建築・住宅、産業資材)に供給し、バランスのとれた経営を指向する。

②参加したそれぞれのニッチ市場で高シェアを獲得すべく経営資源の集中化を図る。

③海外で需要のある国に事業を展開し、現地生産、現地販売を基本に最適地での生産を行う。

④技術開発に力を注ぎ、優れた技術により品質、効率、生産スピード等の面で他社との差別化を図る。

Ⅲ.経営の基本方針に基づき実施している具体的施策

①営業部管轄の国内支店の営業活動により、国内売上高の増加(樹脂ホース、ゴムシート等)を推進するとともに、自動車部品を担当するオートモーティブ営業部・営業所、さらには海外事業部と海外子会社のグローバルな活動により、連結売上高の拡大を推進しております。

②取引先のニーズに的確・迅速に対応するため、また収益力を高めるために、開発研究所に資源を投入し、機械・設備能力の向上や新製品の開発などに注力しております。

③常に生産技術を改善・向上させ、工場の生産性向上・合理化を徹底的に進めております。

④品質、安全、環境対策に注力し、環境関連法の遵守、ISOの徹底展開を図っております。

⑤拡大する海外子会社の管理手法を洗練させるため、子会社管理規定を充実させるとともに、当社主導により、各社の在庫管理システムおよびセキュリティシステムを見直し、運用面の向上を常に図っております。

⑥これらの施策を効果的に推進するため、海外子会社と国内との人事ローテーションを計画的、活発に行い、グローバルな人材の育成に努力しております。

⑦金融商品取引法に基づく内部統制については、監査法人の指導の下に内部統制システムを確立させ、内部統制報告書を作成し、チェックを受けております。

Ⅳ.コーポレートガバナンス強化への取組み

当社グループは、経営理念に定める「ステークホルダーの信頼と期待に応える」ため、コーポレートガバナンスの強化に取組んでおります。その一環として、社外取締役2名および監査役3名(うち社外監査役2名)を選任し、重要会議への出席を励行するとともに、監査室を設置することにより、効率的な内部統制システムを構築し、経営の合理化・効率化および職務の適正な遂行を図っております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は、次の経営指標を重視した経営を行っております。

・売上高、営業利益、経常利益の金額(量)と各利益率(質)

・株主資本利益率(ROE)の目標値:8%以上

 

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループを取巻く環境は、国内外ともに大きな変革期にあると考えております。7年前からアベノミクスといわれる金融・経済諸政策が行われておりますが、日本経済の成長力を高めるという当初の思惑通りには進んでおりません。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う混乱、米中貿易摩擦問題、英国EU離脱問題等の不安定要因により、国内外の経済が揺れ動いております。

このように国内外の経済の流れに大きな変化が生じつつある中、少子高齢化などで激化する国内市場での競争に勝ち抜き、変化の激しい国際市場の中でも負けずに成長していくためには、「売上・収益計画の必達」、「連結経営の強化」および「企業体質の強化」が重要であると考えており、下記項目を掲げ、推進してまいります。

なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当社グループでは需要の減少、得意先の生産調整の影響を受け、売上高の減少が見込まれます。

売上・収益計画の必達

・製品の質を高め、お客さまの満足と信頼を得ることにより、ニッチ市場でのシェア拡大を図る

・開発部門、営業部門の創意に満ちた闊達な活動により、新製品・技術を開発し、新しいお客さまを開拓する

・製造拠点における効率化・生産性改善を推進する

・原材料調達能力の強化により、コストの削減を図る

・全社的に「売上の最大化、経費の最小化」に向けた取組みを推進する

連結経営の強化

・材料、部品、金型等について、世界市場を比較した上で、最適グローバル調達を進める

・海外拠点の開発能力およびリスク管理を強化して、収益性を確保する

・海外拠点間の協力体制を構築し、強化する

企業体質の強化

・コーポレートガバナンス、コンプライアンスのさらなる充実

・文書化、標準化のさらなる推進

・新情報システムの構築

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

また、当社はリスク管理規定を定め、当社グループにおいて発生しうるリスクの発生防止に係る管理体制の整備、発生したリスクへの対応等を行っております。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 特定の取引先への依存について

① 販売先

当社グループの売上高の約44%は本田技研工業㈱に対するものであります。この分野(自動車部品)においては、顧客企業の業績変動、予期しない契約の打ち切り、顧客の調達方針の変化、顧客の要求に応じるための値下げ等により、当社グループの経営成績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当該リスクへの対応につきましては、製品の付加価値を向上させ販売先からの信頼を高めるよう努めるとともに、自動車部品以外のホースやゴムシートの拡販にも努めております。

 

② 仕入先

当社グループの成形品部門のうち主として国内の自動車部品の生産については、複数のグループ外仕入先に依存しているため、自動車部品の供給不足が生じないという保証はありません。また、繁忙期には、部品の製造業者は当社グループが必要とする数量を予定どおりに生産できない可能性があり、供給不足、品質管理などの問題が発生し、当社グループの経営成績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があるとともに、顧客企業との関係悪化を引き起こす危険性があります。なお、当該リスクへの対応につきましては、仕入先との良好な関係を維持するとともに、代替生産に対応できる複数の仕入先を確保するよう努めております。

 

(2) 品質問題について

当社グループは、品質保証体制を確立し、高品質な製品の提供に努めておりますが、当社グループ製品の欠陥が原因で、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する補償額を十分にカバーできるという保証はなく、多額のコストの発生等により、当社グループの経営成績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。なお、当該リスクへの対応につきましては、品質管理基準を定め、厳しい管理基準のもとに生産活動を行っております。

 

(3) 海外市場への事業進出

当社グループは、米州・中国・アジア地域など海外市場への事業進出を展開しておりますが、これらの事業活動には、予期しない法律又は規制の変更、人材の採用と確保の難しさ、未整備のインフラが生産活動に悪影響を及ぼす可能性、テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱等のリスクが内在しております。これらのリスクが現実化する場合、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの経営成績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当該リスクへの対応につきましては、代替手段の確保を含めた事業継続計画書を事業所毎に作成しております。

 

(4) 為替レートの変動

当社グループの製品の一部は、海外拠点において生産及び販売されております。主要な海外生産拠点は米国・メキシコ・タイ・マレーシア及び中国であり、当社グループの売上高の約50%は海外拠点におけるものであります。各地域における通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されており、現地通貨価値に変化がなくても為替レートの変動により、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占める米ドルに対する円高)は当社グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの事業に好影響をもたらします。なお、当該リスクへの対応につきましては、為替レートの変動リスクを回避する目的で、必要に応じて為替予約を行っております。

 

(5) 自然災害等のリスクについて

当社グループが展開している地域において地震、水害等の自然災害や新型コロナウイルス感染症等のパンデミックが発生した場合、事業遂行が困難となる可能性があります。当社グループでは、自然災害等に備えた危機管理対策を講じておりますが、想定を上回る規模で発生した場合には、売上高の大幅な減少や多額の復旧費用等の発生により、当社グループの経営成績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当該リスクへの対応につきましては、早期に企業活動を再開・継続するために事業継続計画書を事業所毎に作成しております。

 

(6) 減損損失に係るリスクについて

当社グループの資産の市場価格が著しく下落した場合、又は経営環境の著しい悪化等により収益性が低下した場合には、減損会計の適用により固定資産の減損損失が発生し、当社グループの経営成績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループ各社が各々の需要予測をベースに既生産能力を確認の上個社別に設備投資計画を策定しておりますが、設備投資案件の稟議は当社が採算性を確認し決裁、調整を行うことにより当該リスクの低減に努めております。

 

 

(7) 年金制度について

当社及び一部の連結子会社は、確定給付型の制度として、退職一時金制度及び総合設立型の企業年金基金制度を設けており、割引率等数理計算上で設定される前提条件の変更、年金資産の時価の変動、運用環境の変動等により、当社グループの経営成績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当該リスクへの対応につきましては、確定給付企業年金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行しリスクの軽減を図っております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 業績

当連結会計年度の経済情勢は、国内では良好な雇用環境や各種政策の効果等により期前半は緩やかな回復基調で推移しましたが、期後半は消費税率の引上げや新型コロナウイルスの影響による消費自粛があり、また、海外では米中貿易摩擦や世界経済の不確実性等により、先行きの不透明感が一層強まった状況でありました。

このような環境の下、当社グループの当連結会計年度の業績は、日本、米州、東南アジアのセグメントで売上高が減少した結果、グループ全体の連結売上高は、39,870百万円(前期比3,149百万円 7.3%減少)となりました。

また、利益面につきましては、売上高の減少や新規設備立ち上げに伴う減価償却費の増加などにより、営業利益は1,301百万円(前期比1,001百万円 43.5%減少)、経常利益は1,563百万円(前期比1,023百万円 39.6%減少)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、米国の自動車部品生産拠点に係る固定資産の減損損失の計上及び繰延税金資産の取崩しなどにより、222百万円(前期比1,460百万円 86.8%減少)となりました。

部門ごとの売上高は、ホース部門は10,344百万円(前期比96百万円 0.9%減少)、ゴムシート部門は5,185百万円(前期比183百万円 3.4%減少)、成形品部門は23,102百万円(前期比2,531百万円 9.9%減少)、その他部門は1,237百万円(前期比339百万円 21.5%減少)となりました。

なお、セグメントごとの業績は、(7)経営成績に記載のとおりであります。

 

(2) 財政状態

流動資産は、前連結会計年度末に比べて469百万円減少し、24,547百万円となりました。これは、主として現金及び預金が284百万円減少したこと、受取手形及び売掛金が175百万円減少したこと、棚卸資産が116百万円減少したことによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて476百万円減少し、18,186百万円となりました。これは、主として有形固定資産が214百万円増加したこと、投資有価証券が434百万円減少したこと、繰延税金資産が227百万円減少したことによります。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて945百万円減少し、42,733百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて2,054百万円減少し、7,670百万円となりました。これは、主として電子記録債務が261百万円減少したこと、短期借入金が1,221百万円減少したこと、1年内返済予定の長期借入金が355百万円減少したことによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて1,546百万円増加し、3,969百万円となりました。これは、主として長期借入金が1,300百万円増加したこと、退職給付に係る負債が200百万円増加したことによります。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて437百万円減少し、31,093百万円となりました。これは、主として利益剰余金が117百万円減少したこと、その他有価証券評価差額金が289百万円減少したこと、退職給付に係る調整累計額が144百万円減少したことによります。この結果、1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べて24.11円減少し1,482.70円となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の69.0%から69.4%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ72百万円増加し、当連結会計年度末には8,342百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

営業活動の結果得られた資金は、3,130百万円(前期比387百万円 11.0%減少)となりました。

収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,319百万円、減価償却費2,121百万円であり、支出の主な内訳は、仕入債務の減少額304百万円、法人税等の支払額595百万円であります。

投資活動の結果支出した資金は、2,182百万円(前期比1,935百万円 47.0%減少)となりました。

収入の主な内訳は、定期預金の払戻による収入3,494百万円であり、支出の主な内訳は、定期預金の預入による支出3,083百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出2,648百万円であります。

財務活動の結果支出した資金は、758百万円(前期比210百万円 38.4%増加)となりました。

収入の主な内訳は、短期借入れによる収入650百万円、長期借入れによる収入1,500百万円であり、支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出1,855百万円、長期借入金の返済による支出554百万円、配当金の支払額339百万円であります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資本政策は、株主価値の維持向上を基本方針とし、事業チャンスを迅速かつ確実に捉えることを可能とするため、次の三つのバランスの下に確立しております。

①資本の有効活用:内部留保は戦略的事業投資(新製品開発・海外市場開拓・新規事業開拓)に優先充当

②財務の健全性:経済環境、金融情勢の変化に対応した資金調達の多様化

③株主還元:配当性向を踏まえた安定配当の維持継続

なお、当連結会計年度における資金需要は主に運転資金及び設備投資資金であり、主として営業活動、金融機関からの借入により必要とする資金を調達しております。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じて合理的と思われる方法によって判断を行っておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の事項は、経営者による会計上の見積りの判断が財政状態、経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予想等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点で入手可能な情報を基に見積りを行っております。

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積る等、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

(固定資産の減損)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額または正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 

(6) 生産、受注及び販売

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

日本

12,466,287

△4.2

米州

10,412,225

△15.3

東南アジア

2,068,226

△8.0

中国

4,665,121

△11.1

合計

29,611,860

△9.7

 

(注) 1  金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

当社グループの製品は多種多様にわたり、同種の製品でも仕様(口径・肉厚・長さ等)が一様ではなく、また需要予測に基づく見込生産を行っている製品も多いため、受注実績は記載しておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

日本

20,070,232

△5.0

米州

12,698,179

△15.8

東南アジア

2,430,451

△0.4

中国

4,671,296

+6.7

合計

39,870,160

△7.3

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

本田技研工業㈱

20,761,401

48.3

17,444,094

43.8

 

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(7) 経営成績

当社グループの当連結会計年度の経営成績の概要は、「(1)業績」に記載のとおりであります。

① 為替変動の影響

前連結会計年度からの円の為替レートの変動により、当連結会計年度の売上高は約134百万円減少、営業利益は約3百万円増加したと試算されます。ただし、この試算は、当連結会計年度の外貨建の売上高、売上原価、販売費及び一般管理費を、前連結会計年度末の直物為替相場により円貨に換算して算出したものであり、為替変動に対応した販売価格の変更の影響は考慮されておりません。

② 売上高

売上高は、前連結会計年度の43,020百万円から7.3%減少し、39,870百万円となりました。

③ 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、前連結会計年度の34,426百万円から減少し、32,507百万円となりました。売上高の減少や減価償却費の増加等により、売上高に対する売上原価の比率は1.5ポイント悪化して81.5%となっております。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ228百万円(3.6%)減少し、6,060百万円となりました。これは、運賃及び荷造費が減少したこと並びに研究開発費が減少したことが主因であります。研究開発費は6.5%減少して1,160百万円となり、売上高に対する比率は2.9%となりました。なお、販売費及び一般管理費の対売上高比率は0.6ポイント悪化して15.2%となっております。

④ 営業利益

以上の要因により、営業利益は、前連結会計年度の2,303百万円から43.5%減少し、1,301百万円となりました。

⑤ 営業外収益(費用)

営業外収益(費用)は、前連結会計年度の283百万円の収益(純額)から、261百万円の収益(純額)となりました。受取利息から支払利息を差引いた純額は、前連結会計年度の5百万円の収益から増加し、47百万円の収益となりました。当連結会計年度は、前連結会計年度に比べて円が米ドルに対して高くなったことにより、米ドル建ての貸付金の換算差損が発生しました。

⑥ 経常利益

経常利益は、前連結会計年度の2,587百万円から39.6%減少し、1,563百万円となりました。

⑦ 特別利益(損失)

特別利益(損失)は、前連結会計年度の249百万円の損失(純額)から、243百万円の損失(純額)となりました。特別利益は、当連結会計年度に受取損害賠償金170百万円を計上したため、前連結会計年度の119百万円から増加して222百万円となりました。特別損失は、当連結会計年度に減損損失431百万円を計上したため、前連結会計年度の369百万円から増加して466百万円となりました。

⑧ 税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の2,338百万円から43.5%減少し、1,319百万円となりました。

⑨ 法人税、住民税及び事業税

当連結会計年度は1,319百万円の税金等調整前当期純利益に対して、934百万円の法人税等を計上し、税負担率は70.8%となりました。

⑩ 非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益は、Tigerflex Corporationの非支配株主に帰属する利益からなり、前連結会計年度の155百万円に対し、当連結会計年度は162百万円となりました。

⑪ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,682百万円から86.8%減少し、222百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の84.12円に対し、当連結会計年度は11.13円となりました。

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

① 日本

自動車部品、家電用ホース、産業用ホース、ゴムシートの販売が減少し、売上高は21,553百万円(前期比1,345百万円 5.9%減少)となりました。減収の影響に加え、減価償却費などの増加により、セグメント利益(営業利益)は892百万円(前期比581百万円 39.4%減少)となりました。

 

② 米州

米国では、自動車部品は、収益認識に関する会計処理方法の変更により、得意先からの有償支給部品を売上原価から売上高の減額に変更したことに加えて、販売が減少し、減収減益となりました。産業用ホースは、販売の増加に加えて諸経費が減少し、増収増益となりました。一方、メキシコでは、自動車部品の販売が増加し、増収増益となりました。その結果、売上高は12,709百万円(前期比2,384百万円 15.8%減少)、セグメント損失(営業損失)は197百万円(前期はセグメント利益167百万円)となりました。

 

③ 東南アジア

マレーシアでは、家電用ホースの販売が減少し、減収減益となりました。タイでは、自動車部品の販売が減少しましたが、為替換算上の影響があり、増収減益となりました。その結果、売上高は2,948百万円(前期比4百万円 0.2%減少)、セグメント利益(営業利益)は190百万円(前期比145百万円 43.4%減少)となりました。

 

④ 中国

家電用ホースの販売は減少しましたが、自動車部品の販売が増加し、売上高は5,436百万円(前期比206百万円 3.9%増加)となりました。増収に加えて、原材料費の減少により、セグメント利益(営業利益)は283百万円(前期比48百万円 20.4%増加)となりました。

 

なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染拡大による影響は、全てのセグメントにおいて軽微でありました。

また、当社グループは、売上高、営業利益及び経常利益を主要な目標指標とし、計画した売上高と利益の達成及び更なる増加を目指しております。当連結会計年度の当初計画は、売上高42,200百万円、営業利益2,900百万円、経常利益3,000百万円であり、売上高、営業利益及び経常利益ともに当初計画を下回りました。なお、株主資本利益率(ROE)は0.7%となり目標値を下回りました。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動の特徴は、ゴム・プラスチック製品を開発するためのコア技術(材料、加工、金型、設備)を自社内に持ち、解析技術を駆使することにより、開発スピードと信頼性を高めています。また、コア技術と新たな技術を融合させることにより、独自の製品をタイムリーに提供しています。特に、電動自動車、エネルギー、情報通信、環境対応など新しい技術を必要とする分野に積極的にチャレンジしております。また、工場生産設備の自社設計やコストダウンを目的とした研究開発活動にも取り組んでおります。

グループとして効率的に研究開発活動を行うため、研究開発員は原則として日本の開発研究所に集中しております。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費は1,160,219千円(前期比80,373千円 6.5%減少)であります。

① ホース部門

掃除機・洗濯機・エアコンなどの家電用ホースは、グローバル化によりその地域特有の顧客要求に合わせた製品開発を実施し、海外生産体制を構築しています。また、新たな成形方法を開発し、コスト競争力を高めた製品も提案しています。産業用ホースは、独自のホース成形加工技術と原材料の配合技術をもとに、土木建築や一般産業分野などの多様化する顧客ニーズに対応した製品開発を進めています。今年度は、土木建築市場に対し特殊工法向けホースなどの提案を広く実施しております。

② ゴムシート部門

ゴムシートは、家電、自動車、産業資材等の幅広い分野の顧客要求に対応した開発製品を市場に提供しています。例えば、新規に立ち上げたフロアーシートは、体育館やアリーナ等での床面保護用途で高評価を得ており、今後も軽量化した製品展開を進めます。ウレタンゴムは、環境負荷物質を含まず、強度や耐磨耗等が従来品よりも優れた配合を確立しています。また、融雪マットは、優れた信頼性や耐久性で高評価を得ており、新たに複合化することで融雪能力及び安定性の向上を目指しています。

③ 成形品部門

自動車用部品は、材料設計・機能設計・デザインなどトータルで開発できる体制を構築しています。最近では、排ガス規制や燃費規制の対応として、電動自動車やハイブリッド車、ダウンサイジング車、燃料電池車など次世代の自動車開発が進んでおり、当社はこれらに対応する新たな自動車部品を開発し自動車メーカーに採用されています。また、精密樹脂成形技術を生かし、スーパーエンプラを使用した軽量化部品で金属部品からの代替を提案し採用されています。生産部門においては、省人化の取り組みとして、自動化技術を取り入れた工程の構築を推進し、AI技術やIoT技術を取り入れた生産の効率化を推進しています。

押出し成形品は、独自の金型設計ノウハウと成形技術により、チューブ、丸紐、角紐以外にも、特定用途に応じた複雑な異形押出製品を幅広い分野の市場に提供しています。今年度も、耐熱ガスケット用シリコーンスポンジの異形押出製品など、多くの異形押出製品が採用になり、高評価を得ています。