当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の基本方針
当社グループは、現在における国内外の経済情勢全般、当社グループの主力事業であるホテルの開発及び運営が必要とする資金の多さ、そして世界で新たな事業機会を生み出している技術革新の速度やその広がり具合を各方面から検討し、現在の当社が置かれている事業環境を分析いたしました。その結果当社グループは、今後の株主価値の継続的かつ発展的な創出のためには、急速に進化する技術を取り入れて当社グループの保有資産及びビジネスモデルをデジタル化するとともに、新たな事業機会に挑戦することが必要であると判断しました。当社グループは新規事業を迅速に拡大することにより、そこから期待される利益を株主に対して実現化出来る企業を目指します。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、企業価値の向上を図るため、利益率重視の考え方から、経常利益の持続的成長を最大の経営目標とし、売上高経常利益率の向上を経営上の重要な指標と考えております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、次期(2025年12月期)以降も、さらなる成長を目指し、引き続き精進していく所存でございます。
当社グループは、事業収益構造改善のための諸施策の実施により、持続的な収支の改善を図るとともに、資本増強に向けた各種施策を推進し、事業面及び財務面での安定化に努めてまいります。
詳細は、「第2 企業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)会社の対処すべき課題」に記載のとおりであります。
(4)会社の対処すべき課題
① 継続企業の前提に関する重要事象等の解消
当社グループは、過年度より継続して営業損失、経常損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しておりましたが、以下の対応策を講じることにより、当連結会計年度において営業損失、経常損失から営業利益、経常利益に転じ、営業キャッシュ・フローのプラスに転じることになりました。また、新株予約権の行使等による資本増強により財務体質も安定しております。
● ビットコイン関連領域での新規事業の開拓
● ホテル事業による業績及び財務の安定化と新規事業の模索
● コスト削減
● 資本政策の促進
このような状況を総合的に判断した結果、現時点において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は解消したと判断しております。
② 今後について
当社は、2024年4月にビットコイン・トレジャリー戦略を採用し、このことが財務パフォーマンスの主要な躍進要因となりました。資本市場戦略の実行とビットコインの蓄積を通じて、当社は大幅な財務内容の増強および事業成長を達成し、アジアを代表する上場ビットコイン・トレジャリー企業としての地位を確立いたしました。
財務ハイライト
● 2024年度の売上高:1,062百万円(前年比306%増)
● 2024年12月31日時点の総資産:30,325百万円(前年度末比1,720%増)
● 営業利益:2017年以来初めて営業黒字を達成。ビットコインへの戦略的資本配分およびビットコインインカム事業の推進が寄与
● 当期純利益:4,439百万円(うち、ビットコイン保有に関連する未実現利益は5,457百万円)
ビットコイン・トレジャリー戦略の実行
2024年、メタプラネットは従来の資産集約型ビジネスからアジアを代表するビットコイン・トレジャリー企業へと完全に移行しました。年間を通じてビットコイン保有量を0から1,762BTCまで増加させ、これは世界の上場企業の中でも最速のペースとなりました。この急速な蓄積は、内部資本、革新的な金融手法、株式連動型資金調達戦略を組み合わせることで実現され、慎重な財務管理を維持しながらビットコインのエクスポージャーを最大化しました。
さらに、アジア市場で過去最大規模のビットコイン資金調達計画「21ミリオン・プラン」の実施により、2025年以降の持続的な財務基盤の拡大が可能となりました。
資本市場戦略
当社は、行使価格修正条項付新株予約権を2,100万株、ディスカウント0%で発行し、世界市場において最も資本効率の高いエクイティファイナンスを実現しました。この仕組みにより、市場価格に対する割引なしでゼロコストの資本調達が可能となり、株主価値を維持しつつ、ビットコイン戦略の実行能力を最大化しています。
この構造により、メタプラネットは資本市場戦略をビットコイン・ファースト戦略と融合させ、従来の企業財務戦略とは一線を画す形を実現しました。
また、この新株予約権発行による推定調達額は約1,166.5億円となり、全額をビットコインの追加取得に充当し、さらなる財務基盤の強化を図ります。
ビットコイン蓄積目標
● 2025年末までに保有量を10,000BTCに増加。
● 2026年末までに21,000BTCに拡大。
メタプラネットは、最も資本効率の高いエクイティファイナンスを確保し、調達資金の100%をビットコイン購入に充当することで、営業費用とビットコイン・トレジャリー運用を完全に分離しています。このアプローチにより、長期的なビットコイン財務基盤の健全性と持続可能性を確保しています。
ビットコインインカム事業と財務管理
2024年12月、メタプラネットはビットコインインカム事業を開始しました。この事業は、オプションプレミアムを活用してビットコインのボラティリティを収益化する、資本効率に優れた構造を備えています。このプログラムは、調達資金および余剰担保を活用し、持続的な収益を生み出すことで財務基盤を強化し、さらなるビットコイン蓄積を加速させます。当社の長期的なビジョンは、ビットコインを最適な準備資産とすることで、株主価値と財務の安定性を向上させることです。メタプラネットは、大規模なビットコイン蓄積を継続しつつ、資本効率を最大化する戦略を推進します。
ビットコイン関連事業の拡大
当社は、ビットコイン普及のリーダーとして、以下の事業を推進しています。
● Bitcoin Magazine Japan
〇 デジタル・紙媒体の両面で事業を拡大し、日本市場でのビットコイン教育・啓蒙活動を強化。
● The Bitcoin Hotel
○ 「ホテル・ロイヤルオーク五反田」のビットコイン統合型ホスピタリティ施設への転換を進行中。ビットコイン導入の拠点として、国内外のビットコイナー向けのコミュニティ形成を促進。
メタプラネットは、ビットコイン教育と普及活動を通じ、アジアのビットコイン経済を牽引していきます。
株主価値へのコミットメント:BTCイールド
メタプラネットは、BTCイールド(発行済完全希薄化株式1株当たりのビットコイン量)の最大化に注力しています。当社は、資本市場へのアクセスを活用し、株式1株当たりのビットコイン増加を推進し、調達資金がすべてビットコイン蓄積につながるようにしています。2024年末時点で、当社のビットコイン保有量は4月時点の時価総額の14倍に達し、これは他の上場企業と比較しても圧倒的な蓄積ペースとなっています。
今後の展望:2025年以降
メタプラネットのミッションは明確です:
● BTCイールドを最大化し、1株当たりのビットコイン保有量を増加させる。
● 資本市場戦略を最適化し、トレジャリー運営を強化する。
● 透明性を高め、業界をリードする開示基準を確立する。
当社は、法定通貨の不確実性から完全に脱却し、ビットコイン蓄積を財務戦略の中心として据えています。
47,000人を超える株主の皆様へ、これは単なる企業戦略ではなく、サトシ・ナカモトが15年以上前に提唱したムーブメントへの本格的なコミットメントです。世界はビットコインが究極の価値保存手段であることを認識し始めており、メタプラネットはこの変革の最前線に立っています。
メタプラネットは、ビットコイン・トレジャリー運用の拡大と企業のビットコイン採用の推進を通じ、グローバルな変革をリードしていきます。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループでは、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めておらず、サステナビリティ関連のリスクおよび機会を監視し、管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続等の体制をその他のコーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりません。
他の重要事項と同様、社長及び常勤取締役が日常的な管理・統制を担いつつ、毎月実施される取締役会及び幹部社員で構成される幹部会に報告され、その監視及び意思決定を行っております。
ガバナンスの詳細については、「
(2)戦略
当社グループでは、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の戦略における、リスク及び機会に対処するための重要な取り組みは検討中であります。
当社グループは、「快適さ(Quality of Living)は自らチョイスする時代へよりよい選択肢を提供できる企業となる」という経営理念を実現するため、株主はじめ、当社を取り巻く多様なステークホルダーとの関係を一層重視すべく取組んでまいります。「
(3)リスク管理
当社グループでは、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連のリスク管理における詳細な記載はいたしません。
今後、サステナビリティの基本方針の策定と併せ、サステナビリティ推進の観点からも管理体制の見直しを検討してまいります。
他の重要なリスクと同様、部門等を通じて、毎月実施される取締役会及び幹部社員で構成される幹部会に状況報告を行うこととしております。さらに、重要なものについては取締役会に報告することとしております。これにより、リスク等の情報の集約を図り、迅速な対処につなげております。
リスク管理の詳細については、「
(4)指標及び目標
当社グループでは、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の指標及び目標の記載はいたしません。
当社では、人材の多様性の確保、人材の育成及び社内環境整備に係る指標について、具体的な取り組みを行っているものの、本報告書提出日現在においては、当該指標についての目標を設定しておりません。
当社グループの事業活動におけるリスクで経営成績又は財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は次のとおりであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避に努めるとともに、発生した場合に適切に対応する所存でありますが、当社グループの予想を超えるリスクが発生した場合には、経営成績又は財政状態に重大な影響を受ける可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
イ)ホテル事業に関するリスク
① 経済情勢及び不動産市場の動向
当社グループの主力事業であるホテル事業は、不動産市場や経済情勢の影響を受けやすい傾向にあります。今後、不動産価格の高騰や取得機会の減少等により、当社のホテル建設計画に遅延が生じた場合、また、景気の低迷による個人のレジャー需要の減少や新規ホテルの開業による客室の供給過剰等により、客室料金や客室稼働率の低下が起こる場合等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 自然災害や人的災害等
当社グループが運営しているホテルが、地震、台風等の自然災害や、事故、火災等の人的災害の発生により、建物や施設に損害を被り、一時的な営業停止による売上減少が発生する可能性があります。
③ 個人情報や機密情報の漏洩
当社グループが保有する個人情報や機密情報の管理保護については、社内体制を整備し厳重に行っており、また情報システムの整備活用についてもデータバックアップ確保など安全対策を行っております。
しかし、不測の事故による情報漏洩やシステムトラブルが顕在化した場合には、当社グループの信用低下となり、業績や財政状況及び業務処理等に影響を及ぼす可能性があります。
イ)ビットコイン保有及びビットコイントレジャリー事業に関するリスク
① ビットコインのボラティリティ:
ビットコインの価格は、需給の動き、規制当局の発表、メディアの影響、技術的変化、広範な経済動向全般など、さまざまな要因によって大きく変動します。この変動は、当社の財務の健全性と経営成果に大きな変動をもたらす可能性があります。
② 規制リスク:
規制の変更または政府の新たな措置は、ビットコインへの投資実行、ビットコインの市場価格、ビットコインの事業運営への活用、および不換紙幣への変換性、などに悪影響を及ぼす可能性があります。
③ セキュリティおよび運用リスク:
当社のビットコイン保管は外部のサービスプロバイダーに依存しています。外部サービスプロバイダーに障害が発生した場合、当社の保有するビットコインの紛失、盗難、破壊につながる可能性があり、当社の資産に重大なリスクが生じます。
④ 採用と使用:
ビットコインは、ETFの導入や主要財務資産としての関心の高まりにより、その受容と使用において時価総額が1兆ドルを超える著しい成長を遂げましたが、その将来的な採用範囲はまだ不透明です。ビットコインがすべての企業、消費者、団体に普遍的に受け入れられるとは限らない可能性や、時間の経過とともに人気が低下し、その価値に影響を与える可能性があります。
万が一このようなリスクが顕在化した場合、ビットコインの価格が下落する可能性があります。その場合には当社は評価損を計上し、連結貸借対照表上は市場価値での評価額を計上することになります。ただ、当社は長期的な視野でビットコインの保有を継続することから、短期での変動による価格下落をもってビットコインを売却することはいたしません。
ハ)その他のリスク
① 株式の追加発行に伴う希薄化
当社は、将来、株式の払込金額が時価を大幅に下回らない限り、株主総会決議によらず、発行可能株式総数のうち未発行の範囲において、株式や新株予約権を追加的に発行する可能性があります。将来における株式や新株予約権の発行は、その時点の時価を下回る価格で行われ、当社普通株式の需給関係に悪影響を及ぼす可能性があり、かつ、株式の希薄化を生じさせる可能性があります。
② 継続企業の前提に関する重要事象等の解消について
当社グループは、過年度より継続して営業損失、経常損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しておりましたが、以下の対応策を講じることにより、当連結会計年度において営業損失、経常損失から営業利益、経常利益に転じ、営業キャッシュ・フローのプラスに転じることになりました。また、新株予約権の行使等による資本増強により財務体質も安定しております。
● ビットコイン関連領域での新規事業の開拓
● ホテル事業による業績及び財務の安定化と新規事業の模索
● コスト削減
● 資本政策の促進
このような状況を総合的に判断した結果、現時点において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は解消したと判断しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
イ)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当連結会計年度は、雇用・所得環境に改善の動きがみられるとともに、円安に伴う外国人観光客の増加等により、景気は緩やかな回復基調となる一方、物価の上昇や不安定な国際情勢もあり、依然として先行きの不透明な状況で推移いたしました。
当連結会計年度より開始したビットコイントレジャリー事業におきましては、中間連結会計期間よりビットコインを購入し、当社の資金管理戦略の一環としてビットコインの保有残高を積み増していくことを進め、プットオプションの売り取引を活用した収益の獲得を実現いたしました。
ホテル事業におきましては、客室の改装や新たな集客施策も進めており、集客率も伸び、安定した売上を計上することができました。しかしながら、本業は好調であったものの、子会社清算に伴う費用の一部を営業費用に計上したために営業損失が発生しております。
そのような状況下において、当連結会計年度における当社グループの業績は、1,062百万円(前期比306.0%増)、売上総利益996百万円(前期比370.6%増)を計上しました。また、売上総利益から販売費及び一般管理費645百万円を差し引いた350百万円の営業利益を計上しました。また、ビットコイン評価益5,457百万円などの営業外収益5,650百万円、株式交付費償却6百万円などの営業外費用として8百万円、債務免除益400百万円の特別利益400百万円を計上し、法人税等調整額1,952百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益4,439百万円を計上しました。
なお、当社は、「BTCイールド」を公式の主要経営指標(KPI)として採用しております。BTCイールドとは、、BTCイールドとは、当社のビットコイン保有総額と完全希薄化発行済普通株式数の比率が比較対象期からどのように増減したかを変化率で表す経営指標(KPI)です。当社は、株主価値の増大を目的としたビットコイン取得戦略のパフォーマンス評価にBTCイールドを採用しています。 BTCゲインは、一定期間における、期間当初に当社が保有していたビットコインの総保有有高に当該期間のBTC イールドを乗じて表すKPIです。この指標は、新株が発行されなかったと仮定した場合のビットコイン総保有高の増加を表します。希薄化の影響を排除することで、BTCゲインは、当社の財務戦略のみによってもたらされたビットコインの純増分を数値化します。 BTC円ゲインは、BTCゲインの円換算額を表すKPIです。BTCゲインに、該当期間の最終日のビットコインの市場価格を乗じて算出されます。これにより、株主及び投資家は現地通貨建ての財務上の影響をより明確に把握することができます。 2024年7月1日から2024年9月30日までの当社のBTCイールドは41.7%でありました。2024年10月1日から2024年12月31日までの当社のBTCイールドは309.8%でありました。当連結会計年度第1四半期である2025年1月1日から2025年3月24日までの当社のBTCイールドは68.3%でありました。
|
2024年6月30日 |
2024年9月30日 |
2024年12月31日 |
2025年3月24日 |
ビットコイン保有枚数 |
141.073 |
398.832 |
1,761.980 |
3,350 |
発行済普通株式 |
18,169,218 |
18,169,218 |
36,268,334 |
44,248,334 |
完全希薄化後発行済株式数 (注1) |
22,769,218 |
45,420,185 |
48,960,417 |
55,310,417 |
完全希薄化発行済株式1株当たりビットコイン(注2) |
0.006196 |
0.008781 |
0.035987 |
0.060567 |
BTCイールド(%、四半期累計) |
- |
41.7% |
309.82% |
68.3% |
BTCゲイン (四半期累計) |
- |
58.86 |
1,235.58 |
1,203.49 |
BTC円ゲイン (百万円、四半期累計) |
- |
\538 |
\18,483 |
\15,107 |
BTC/円 参照価格(注3) |
- |
\9,133,955 |
\14,958,997 |
\12,553,031 |
(注1)完全希薄化後発行済株式数は、(i) 発行済普通株式総数、(ii) 転換社債の転換が仮に行われた場合の潜在株式数、(iii) 発行済ストックオプションの行使による潜在株式数、(iv) 権利行使された新株予約権による株式数、で構成され、それぞれの日付時点におけるものです。米国市場の報告基準に合わせるため、行使価格修正条項付新株予約権は、潜在的な株式の希薄化をより正確に反映させるために、行使後にのみ含めることとします。さらに、At-The-Market(ATM)株式発行の報告基準との整合性を保つため、ビットコイン購入のために発行された割引率 0%の新株予約権は、行使後に売却代金が当社に支払われた時点で、初めて完全希薄化後株式数に反映されます。この手法は、米国における ATM 株式発行を用いた希薄化の測定方法と一致しているため、割引率0%の新株予約権の希薄化を最も正確かつ公平に測定できると考えています。
(注2)完全希薄化発行済株式1株当たりビットコインは、ビットコイン保有量合計を各表示日時点の完全希薄化発行済株式数で除して計算されます。その結果を1,000倍して、1,000株当たりのビットコイン数を表しております。
(注3)BTC/円参照価格は、対象期間の最終日におけるBitflyerでの終値であり、以下のURLに掲載されています:https://bitflyer.com/en-jp/s/closing-price
BTC イールドは、当社のビットコイン保有総額と完全希薄化発行済株式数の比率の前四半期比の変化率を反映する主要経営指標です。当社は、株主の皆様に有益となる手段でビットコインを取得していく戦略の遂行実績を評価するのに役立つKPIとしてBTCイールドを使用してまいります。
BTCゲインは、一定期間における、期間当初に当社が保有していたビットコインの総保有有高に当該期間のBTCイールドを乗じて表すKPIです。この指標は、新株が発行されなかったと仮定した場合のビットコイン総保有高の増加を表します。希薄化の影響を排除することで、BTCゲインは、当社の財務戦略のみによってもたらされたビットコインの純増分を数値化します。
BTC円ゲインは、BTCゲインの円換算額を表すKPIです。BTCゲインに、該当期間の最終日のビットコインの市場価格を乗じて算出されます。これにより、株主及び投資家は現地通貨建ての財務上の影響をより明確に把握することができます。BTC円ゲインは、当社のビットコイン保有高の時価評価による損益を表すものではなく、当社のビットコイン保有高に時価評価損失が発生した場合でも、プラスになることがあります。
本指標において、完全希薄化後発行済株式数には、各期末時点における実際の発行済普通株式総数に、ストックオプションの行使、新株予約権の行使、または転換社債などの転換可能金融商品が将来発行された場合にその転換により発生する可能性のある潜在株式数が含まれます。At-The-Market(ATM)株式発行の報告基準との整合性を保つため、ビットコイン購入のために発行された割引率0%の新株予約権は、行使後に売却代金が当社に支払われた時点で、初めて完全希薄化後株式数に反映されます。この手法は、米国におけるATM株式発行を用いた希薄化の測定方法と一致しているため、割引率 0%の新株予約権の希薄化を最も正確かつ公平に測定できると考えています。
BTC イールドは、行使価格修正条項付新株予約権以外のストック・オプションや新株予約権に付随する権利確定条件や行使価格などの要素は考慮していません。当社は、株主に利益をもたらすと考える方法でビットコインを取得する戦略のパフォーマンスを評価するのに役立つKPIとしてこのBTCイールドを採用してまいります。当社は、このKPIにより、普通株式または普通株式に転換可能な商品を追加発行してビットコインの購入資金を調達するという当社の決定に対する投資家の理解を促進するために役立つと考えております。
これら3つのKPIを採用するにあたり、経営陣は、発行済普通株式より優先される負債およびその他の負債を考慮していないこと、また、すべての負債が借り換えられるか、または将来転換される可能性のある負債の場合には、その条件に従って普通株式に転換されることを前提としていることなど、その限界を認識しております。
さらに、これらのKPIは、営業実績、財務実績、または流動性の指標となることを意図しておらず、またそのように解釈されるべきでもありません。具体的には、BTCイールド、BTCゲイン、及びBTC円ゲインは伝統的な財務の「利回り」の定義には相当しません。また、当社の事業または保有するビットコインによって生み出される収入、ビットコイン投資のリターン、またはその他の類似の財務業績指標を反映するものでもありません。当社普通株式の市場価格は、当社が保有するビットコイン数および実際の発行済み株式数または潜在的株式数以外の多くの要因の影響を受けます。そのため、当社株式は保有ビットコインの市場価値と比較してディスカウントまたはプレミアムで取引される可能性があり、これらのKPIは当社普通株式の取引価格を示唆または予測するものではありません。
前述のとおり、これらのKPIは特定の目的を果たすものであり、ビットコインを取得するために自己資本を使用することが株主にとって有益かどうかを評価するために、経営陣がビットコインの保有に関してのみ利用するものです。これらのKPIの計算においては、ビットコインの購入に使用された資金源の類は考慮しません。当社は、2024年8月6日付の開示で発表した株主割当増資を含め、様々な資金調達活動からの資金を使用してビットコインを取得していることに留意する必要があります。将来、転換社債やその他の負債証券が発行される可能性がある場合、関連する負債を考慮せずにこれらの KPI に影響を与える可能性があります。ビットコインの購入の全てが株式発行を通じて資金調達されるわけではなく、また全ての株式発行がビットコイン買収につながるわけでもないため、この指標は、ビットコイン購入における当社の株式資本の使用がどの程度増価的であるかを過大評価または過小評価する可能性があります。
当社はこれまで普通株式に対して配当金を支払っておらず、これらのKPIを提示することによって、将来的に配当金を支払う意向を示しているわけではありません。また、当社の普通株式を所有することは、当社が保有するビットコインの権益を所有することと同じではありません。投資家は、当社が東京証券取引所に提出した財務諸表およびその他の開示情報に基づいて投資判断をしていただくようお願い申し上げます。これらのKPIは補完的なものであり、代替的なものではありません。これらのKPIは、その具体的な目的と様々な制約を理解した投資家が利用すべきものであります。
② 財政状態の状況
(a) 資産の部
当連結会計年度末の総資産の額は30,325百万円となり、前連結会計年度から28,659百万円増加しました。
流動資産の額は2,685百万円となり、前連結会計年度から2,086百万円増加しております。
これは主に、現金及び預金が258百万円減少した一方、売掛金が8百万円、預け金2,320百万円及びその他流動資産が15百万円増加したことによるものであります。
固定資産の額は27,525百万円となり、前連結会計年度から26,458百万円増加しました。
これは主に、有形固定資産が0百万円、無形固定資産が76百万円及び投資その他の資産が26,381百万円増加したことによるものであります。
(b) 負債の部
当連結会計年度末の負債の額は13,359百万円となり、前連結会計年度から12,845百万円増加しております。
流動負債の額は11,393百万円となり、前連結会計年度から11,015百万円増加しております。
これは主に、1年内償還予定の社債が11,250百万円増加したことによるものであります。
固定負債は1,966百万円となり、前連結会計年度から1,830百万円増加しております。
これは主に、長期借入金が130百万円減少した一方、退職給付に係る負債が2百万円増加及び繰延税金負債が1,958百万円増加したことによるものであります。
(c) 純資産の部
当連結会計年度末における純資産の額は16,965百万円で、前連結会計年度末から15,813百万円増加しております。
これは主に親会社株主に帰属する当期純利益4,439百万円を計上及び、新株予約権の発行及びその行使により、払込資本が11,509百万円増加したためであります。
ロ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ258百万円減少し、294百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって獲得した資金は623百万円(前年同期は571百万円の支出)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益6,393百万円、減価償却費16百万円、ビットコイン評価損益(△は益)△5,457百万円、退職給付に係る負債の増減額(△は減少)2百万円、債務免除益△400百万円及び売上債権の増減額(△は増加)△8百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって支出した資金は23,452百万円(前年同期は2,333百万円の獲得)となりました。その主な要因は、ビットコインの取得による支出△20,907百万円、有形固定資産の取得による支出△16百万円、無形固定資産の取得による支出△76百万円及び預け金の増減額(△は増加)△2,322百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって獲得した資金は22,570百万円(前年同期は1,415百万円の支出)となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出△53百万円、社債の発行による収入12,250百万円、社債の償還による支出△1,000百万円、株式の発行による収入11,509百万円及び自己株式の取得による支出△109百万円等によるものであります。
ハ)生産、受注及び販売の実績
① 仕入実績
仕入実績をセグメント毎に示すと、次の通りです。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
ビットコイン トレジャリー事業 |
― |
― |
ホテル事業 |
66,094 |
50.7 |
合計 |
66,094 |
50.7 |
(注) 金額は、仕入価格によっております。
② 受注実績
サービス業のため、該当事項はありません。
③ 販売実績
販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りです。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
ビットコイン トレジャリー事業 |
691,577 |
― |
ホテル事業 |
370,705 |
41.7 |
合計 |
1,062,283 |
306.0 |
経営者の視点による経営成績等の状況の分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 イ)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、経常利益及び売上高経常利益率であります。
① 経常利益
当期売上高については、当期から開始した新規事業であるビットコイントレジャリー事業691百万円、ホテル事業370百万円となり、総額売上高1,062百万円を計上できたことから、前年より306.0%の増額となりました。
営業利益については、当期から開始した新規事業であるビットコイントレジャリー事業が貢献し、営業利益350百万円を計上できました。経常利益については、ビットコイン評価益5,457百万円を計上したため、経常利益が増え、5,993百万円を計上できました。
② 売上高経常利益率
売上高経常利益率は564.2%となりました。
今後、既存ホテルについては、稼働率と客単価を維持・向上していくとともに、ビットコイン・トレジャリー運用の拡大と企業のビットコイン採用の推進を通じ、グローバルな変革をリードし、拡大することで収益を確保し、また引き続きコスト削減を実現することで経常利益の計上に努めてまいります。
当社グループが目標とする指標についての当連結会計年度と前連結会計年度の実績は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
指標 |
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減率 |
売上高 |
1,062 |
261 |
306.0% |
経常利益及び経常損失(△) |
5,993 |
△414 |
― |
売上高経常利益(損失)率 |
564.2% |
△158.5% |
― |
(注) 記載金額は百万円以下を切り捨てて表示しております。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ロ) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、新株予約権の行使等による資本増強により財務体質も安定して おります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債や収益・費用に影響を与える見積りは、過去の実績や現在の状況並びに入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に用いておりますが、見積り及び仮定には不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。
なお、会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
当社は、2025年1月28日開催の取締役会決議において、下記のとおり、EVO FUND(ケイマン諸島、代表者:マイケル・ラーチ、リチャード・チゾム)(以下「割当予定先」又は「EVO FUND」といいます。)を割当予定先とする第三者割当による第13回乃至第17回新株予約権の締結を決議しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 連結財務諸表等 重要な後発事象 (第三者割当による第13回乃至第17回新株予約権(行使価額修正条項付及び行使停止条項付)の発行及び新株予約権の買取契約の締結)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。