(1)経営方針
当社グループは、「すべての人にインターネット」というコーポレートキャッチのもと、インターネットのインフラ・サービスインフラすなわちインターネットの"場"の提供に経営資源を集中し、「日本を代表する総合インターネットグループ」として、インターネットを豊かに楽しくし、新たなインターネットの文化・産業とお客様の「笑顔」「感動」を創造し、社会と人々に貢献すべく事業活動を行っております。
1.全社戦略
①グループシナジーの追求
当社グループは、当社含む連結114社で企業集団を構成する総合インターネット企業グループです。環境変化の激しいインターネット市場において、「権限の分散」によるスピード経営を実践してまいりました。2025年1月より当社は純粋持株会社に近い立ち位置へ移行し、グループ経営機能を一層強化いたします。これにより、当社グループの創業の精神である「スピリットベンチャー宣言」を含む「GMOイズム」の共有・徹底を図るとともに、グループシナジーの創出を通じて、当社グループのもつ経営資源の効率的な活用を目指してまいります。
②AI活用の加速
当社グループは、2014年に最初のデータサイエンティストを採用して以来、金融関連データの解析をはじめとするAIの研究・開発を推進し、多くの成果を上げてきました。2022年11月の「ChatGPT」の登場により、変わる世界を予感し、いち早くグループ全体でその積極的な活用を開始しました。①時間とコストの節約、②既存サービスの質向上、③AI産業への新サービス提供を軸として、日々最新のAI情報をキャッチアップしながら「AIで未来を創るNo.1企業グループ」の実現に向け取り組んでいます。
③グローバル展開の推進
当社グループでは、ドメイン事業における「.shop」、セキュリティ事業におけるSSLサーバー証明書などが本格的な海外展開を果たしております。今後さらに成長性の高い海外市場を取り込むために、海外市場においても「総合インターネットグループ」としての地位を確立することが重要となります。この点、希少性の高い一文字ドメイン「Z.com」をグループ統一ブランドとして活用することで、インターネットインフラ事業、インターネット金融事業、暗号資産事業の海外展開を加速し、海外市場における事業基盤の確立を目指してまいります。
2.事業戦略
①インターネットインフラ事業
当該セグメントにおいては、顧客ニーズを捉えた商材・サービスを提供するため、開発体制を内製化し、個人・法人・地方公共団体など、お客様がインターネット上で情報発信・経済活動を行うための基盤となるサービスを、ワンストップで提供しております。その大半がストック型の商材であり、当社グループの強固な収益基盤となっております。引き続き、顧客ニーズを捉えたサービスの開発に取り組むとともに、サイバー攻撃対策(サイバーセキュリティ)の付加、運用・サポート体制の拡充などを通じて、顧客満足度の向上を目指します。
②インターネット広告・メディア事業
当該セグメントにおいては、インターネットでビジネスを手掛けるお客様の集客支援サービスを提供しています。複雑化・多面化するインターネット広告市場の変化に対応すべく、アドテクノロジー分野の強化、自社商材・自社メディアの開発強化を進めてまいります。
③インターネット金融事業
当該セグメントにおいては、システムの開発、保守、運用を内製化することでコスト優位性を実現しています。主力商材であるFXでは、取引ツールの強化、取引コスト低減を通じた顧客利便性の向上に加え、グループ会社間のシナジーによる収益性改善の取り組みを通じ、持続的成長を目指します。また、CFDはFXに次ぐ第二の主力商材として台頭しており、さらなる認知度向上に向けたマーケティング施策を行うとともに、他の商品とのクロスセル施策を進めています。
④暗号資産事業
当該セグメントにおいては、マイニング、交換、決済の領域で事業展開しております。主にGMOコインで展開する暗号資産交換事業については、インターネット金融事業で培った技術力・ノウハウを活用することで、暗号資産の交換所・取引所を展開し、国内No.1を目指します。
3.技術開発
インターネット関連技術は、技術の進歩が著しく、競争の激しい分野であり、技術優位性をもって先見的・コスト優位性のあるサービスを継続的に創り出すことが重要な経営課題と捉えています。この点、技術力の源泉は、サービスを創り出すエンジニア・クリエイター・ディレクターであり、当社グループは、エンジニア・クリエイター・ディレクターを「グループの宝」・「人財」として尊重する組織・制度作りに積極的に取り組むことで、その採用・育成に引き続き注力します。なお、エンジニア・クリエイター比率の目標値は60.0%、当期末の値は50.8%となっております。
4.サステナビリティ経営の推進
当社グループは「すべての人にインターネット」をコーポレートキャッチとして掲げ、創業以来一貫してインターネットのインフラ、サービス・インフラというインターネットの"場"の提供に経営資源を集中してまいりました。インフラ事業者としての事業活動を継続すること自体が社会課題の解決につながると考えております。今後もサステナビリティ経営の高度化に努めてまいります。
1.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社株式の売買は市場に委ねられるべきものと考えており、特定グループ(注1)による大規模買付行為(注2)を受け入れるか否かの判断は、最終的には、当社株式を保有する株主の皆様によってなされるべきものと考えております。
そして、大規模買付行為に際して、株主の皆様が大規模買付行為を受け入れるか否かの判断を適切に行うためには、大規模買付者(注3)から一方的に提供される情報のみならず、現に当社の経営を担っている当社取締役会から提供される情報及び当該大規模買付行為に対する当社取締役会の評価・意見等も含めた十分な情報が提供されることが必要不可欠であると考えております。
当社グループは「すべての人にインターネット」のコーポレートキャッチのもと、成長性の高いインターネット市場に経営資源を集中しております。① インターネットインフラ事業、② インターネット金融事業、③ インターネット広告・メディア事業、④ 暗号資産事業を中心として、総合的なインターネットサービスを提供しており、これらの事業はそれぞれが独立したものではなく、相互に有機的に一体として機能することによって相乗効果が生じ、より高い企業価値を創造していると考えております。また、インターネット関連技術は技術革新の進歩が極めて速く、それに応じた業界標準及び顧客ニーズも急速に変化しております。従って、当社の経営は、上記のような事業特性及びインターネットサービスに関する高度な専門知識を前提とした経営のノウハウ、並びに、技術革新に対応するための優れた技術、能力を有する従業員、有機的一体的企業結合体の中で各事業を担うグループ会社、取引先及び顧客等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への理解が不可欠であると考えております。
このような当社の事業に対する理解なくして当社の企業価値の把握は困難であり、株主の皆様が大規模買付者による大規模買付行為を評価するに際しても、大規模買付者から提供された情報だけではなく、当社の事業特性等を十分に理解している当社取締役会の大規模買付行為に対する評価・意見等が適切に提供されることが極めて重要であると考えております。
以上の考え方に基づき、当社取締役会といたしましては、大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を策定した上で、株主の皆様が大規模買付行為に対する判断を行うために必要かつ十分な情報を収集・提供し、また、これを評価・検討して取締役会としての意見を取りまとめて公表することが、当社株主の皆様の共同の利益及び当社の企業価値に資すると考えております。当社取締役会は、大規模買付者に対して大規模買付ルールの遵守を求め、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合であっても当該大規模買付行為が当社株主の皆様の共同の利益及び当社の企業価値を著しく損なうと認められる場合、又は、当社株主総会において株主の皆様のご承認をいただけた場合には、当社取締役会がその時点で適切と考える一定の措置を講じることができるものといたします。
2.当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は上記1.記載の基本方針(以下、「基本方針」といいます。)の実現に資する特別な取り組みとして、以下の取り組みを行っております。当社は、『すべての人にインターネット』をコーポレートキャッチに、たゆまぬベンチャー精神のもと、『インターネットの文化・産業とお客様の笑顔・感動を創造し、社会と人々に貢献する』を企業理念として掲げております。
当社はこの企業理念を具現化するため、すなわち、お客様の笑顔・感動を創造するため、最高のサービスをより多くのお客様に提供することに注力いたしております。
当社グループでは、ドメイン、クラウド・レンタルサーバー(ホスティング)や決済、セキュリティなど数多くの事業(サービス)においてナンバーワンの実績をあげており、そのお客様の多様なニーズ、特にインターネットビジネスに取り組むお客様が求める、導入から活用そして集客までを当社グループで一貫して完結できる基盤が整っております。これらの事業を有機的に結合し、相乗効果を最大化させる取り組みにより企業価値・株主の皆様の共同の利益の向上を目指しております。
3.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財産及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2006年3月13日開催の当社取締役会において、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を決定し、その後、毎年の当社定時株主総会の後最初に開催される当社取締役会の決定により、対応方針を継続してまいりました。そして、当社は、外部環境の変化、経済産業省が2023年8月31日に発表した「企業買収における行動指針」及び近時の裁判例の動向等を十分に検討し、また市場参加者等のご意見も傾聴しながら総合的に判断した結果、2025年3月21日開催の当社定時株主総会の後、同日に開催された当社取締役会において、継続することを決定いたしました(以下、「本対応方針」といいます。)。
本対応方針の有効期間は、その継続を決定した当社取締役会の開催日が属する事業年度に係る当社定時株主総会の後最初に開催される当社取締役会の終結の時までといたします。なお、かかる有効期間の満了前であっても、当社取締役会又は当社株主総会において本対応方針を廃止する旨の決議が行われた場合には、本対応方針はその時点で廃止されるものとします。
当社取締役会は、今後とも当社株主の皆様の共同の利益及び当社の企業価値の維持及び向上の観点から、必要に応じて本対応方針の見直しを図ってまいりたいと考えております。本対応方針の変更等については、速やかに株主の皆様にお知らせします。本対応方針の内容につきましては、以下のとおりです。
①大規模買付ルールの内容
大規模買付ルールは、大規模買付者が、大規模買付行為に先立ち、当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供すること、それに基づき当社取締役会が当該大規模買付行為について評価・検討を行うための期間を設けること、大規模買付者はかかる期間が経過するまで(株主意思確認株主総会(下記②イ(ロ)に定義されます。以下同じです。)が開催される場合には、当該株主意思確認株主総会の終結時まで)大規模買付行為を開始できないことを主な内容としています。大規模買付ルールの概要は、以下のとおりです。
イ 情報提供
大規模買付者には大規模買付行為に先立ち、株主の皆様のご判断及び取締役会の評価・検討のために必要かつ十分な情報(以下、「大規模買付情報」といいます。)を提供していただきます。
大規模買付情報の具体的内容は、大規模買付行為の内容及び態様等によって異なり得るため、大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社宛に、大規模買付ルールに従って大規模買付行為を行う旨の意向表明書をご提出いただくこととします。意向表明書には以下の事項を記載していただきます。
① 大規模買付者の名称及び住所
② 大規模買付者の設立準拠法
③ 大規模買付者の代表者の氏名
④ 大規模買付者の国内連絡先
⑤ 提案する大規模買付行為の概要
⑥ 大規模買付ルールに従う旨の誓約
当社は、上記①乃至⑥全てが記載された意向表明書の受領後5営業日以内(初日不算入)に、当初提出していただくべき大規模買付情報のリストを大規模買付者に交付します。当初提出していただいた情報だけでは大規模買付情報として不足していると考えられる場合には、追加的に情報提供をしていただくことがあります。なお、大規模買付行為の内容及び態様等にかかわらず、以下の項目に関する情報は、原則として、ご提出いただく大規模買付情報の一部に含まれるものとします。
① 大規模買付者及びそのグループの概要
② 大規模買付行為の目的、方法及び内容
③ 大規模買付行為に際しての第三者との間における意思連絡の有無及び意思連絡が存する場合にはその内容
④ 買付対価の算定根拠及び買付資金の裏付け
⑤ 大規模買付者に対する買付資金の供与者の名称その他の概要・属性
⑥ 大規模買付行為完了後に意図する当社及び当社グループの経営方針及び事業計画
⑦ 大規模買付行為完了後に意図する当社及び当社グループの企業価値を持続的かつ安定的に向上させるための施策並びに当該施策が当社及び当社グループの企業価値を向上させることの根拠
⑧ 当社及び当社グループの従業員、取引先、顧客、地域社会その他の利害関係者と当社及び当社グループとの関係について、大規模買付行為完了後に予定する変更の有無及びその内容
なお、大規模買付行為のご提案があった事実及び当社取締役会に提出された大規模買付情報は、株主の皆様のご判断のために必要であると認められる場合には、その全部又は一部を公表します。
ロ 当社取締役会による評価・検討
当社取締役会は、大規模買付行為の評価の難易度に応じて、大規模買付者が当社取締役会に対して大規模買付情報の提供を完了した後、対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社株券等の全ての買付けの場合には60日間(初日不算入)、その他の大規模買付行為の場合には90日間(初日不算入)を、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)として設定します。取締役会評価期間中、当社取締役会は、適宜必要に応じて外部専門家等の助言を得ながら、提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、当社取締役会としての意見を取りまとめ、公表します。また、必要に応じて、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件の改善について交渉し、当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあります。
大規模買付者は、取締役会評価期間が経過するまで(株主意思確認株主総会が開催される場合には、当該株主意思確認株主総会の終結時まで)、大規模買付行為を開始できないものとします。
②大規模買付行為がなされた場合の対応方針
イ 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合
(イ)取締役会の判断により対抗措置を発動する場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社株主の皆様の共同の利益及び当社の企業価値を守ることを目的として、会社法その他の法令及び当社定款が取締役会の権限として認める措置(以下、「対抗措置」といいます。)を講じ、大規模買付行為に対抗することがあります。対抗措置は原則として、新株予約権の無償割当てによるものとしますが、その時点で相当と認められるものを選択することになります。
なお、具体的な対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合には、新株予約権に、対抗措置としての効果を勘案した行使期間及び行使条件(大規模買付者を含む特定グループは当該新株予約権を行使できないものとする等)を設けることがあります。
(ロ)株主意思確認株主総会の決議に基づき対抗措置を発動する場合
上記(イ)の場合のほか、当社取締役会は、(a)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合であっても、対抗措置の発動の是非について株主の皆様のご意思を確認するための株主総会(以下、「株主意思確認株主総会」といいます。)を招集し、対抗措置の発動の是非について株主の皆様のご意思を確認することが適切であると当社取締役会が判断した場合、又は、(b)下記③に定める当社取締役会からの諮問に対して特別委員会が株主意思確認株主総会を招集することを勧告した場合には、株主意思確認株主総会を招集し、対抗措置の発動の是非に関するご判断を株主の皆様に行っていただくことができるものとします。
ロ 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合
(イ)取締役会の判断により対抗措置を発動する場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合、当社取締役会が仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、反対意見の表明、代替案の提示、株主の皆様への説得等を行う可能性は排除しないものの、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。大規模買付者の買付提案に応じるか否かは、株主の皆様において、当該買付提案の内容及びそれに対する当社取締役会の意見及び代替案等をご考慮の上、ご判断いただくこととなります。
ただし、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合であっても、当該大規模買付行為が当社株主の皆様の共同の利益及び当社の企業価値を著しく損なうと認められる場合には、当社取締役会は当社株主の皆様の利益及び当社の企業価値を守るために対抗措置を講じることがあります。
(ロ)株主意思確認株主総会の決議に基づき対抗措置を発動する場合
上記(イ)の場合のほか、当社取締役会は、(a)大規模買付行為が当社株主の皆様の共同の利益及び当社の企業価値を著しく損なうと認められる場合であって、株主意思確認株主総会を招集し、対抗措置の発動の是非について株主の皆様のご意思を確認することが適切であると当社取締役会が判断した場合、又は、(b)下記③に定める当社取締役会からの諮問に対して特別委員会が株主意思確認株主総会を招集することを勧告した場合には、株主意思確認株主総会を招集し、対抗措置の発動の是非に関するご判断を株主の皆様に行っていただくことができるものとします。
ハ 株主意思確認株主総会を招集する場合の取り扱い
当社取締役会は、上記イ(ロ)又はロ(ロ)に従い株主意思確認株主総会を招集する場合には、対抗措置の発動の是非について当該株主意思確認株主総会の決議に従うものとします。
当社取締役会は、株主意思確認株主総会を招集する場合には、取締役会評価期間終了後60日以内に株主意思確認株主総会を開催し、大規模買付行為への対抗措置の発動についての承認に関する議案を上程するものとしますが、事務手続上の理由から60日以内に開催できない場合には、事務手続上可能な最も早い日において開催するものとします。当社取締役会は、株主意思確認株主総会を招集する場合には、当社取締役会が株主意思確認株主総会を招集することが適切であると判断した理由、大規模買付行為に関する当社取締役会の意見、発動すべき具体的な対抗措置の内容、当該対抗措置の発動の必要性・合理性その他株主の皆様のご判断のために必要と認められる事項を株主の皆様にご説明いたします。
大規模買付者は、当社取締役会が株主意思確認株主総会を招集することを決定した場合には、当該株主意思確認株主総会の終結時まで、大規模買付行為を開始することができないものとします。
③対抗措置の合理性・公正性を担保するための手続
イ 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守したか否か、並びに、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合で当社株主の皆様の共同の利益及び当社の企業価値を守るために適切と考える一定の対抗措置を講じる場合においては、大規模買付行為が当社株主の皆様の共同の利益及び当社の企業価値を著しく損なうと認められるか否かについて当社取締役会が最終的判断を行う場合があることから、その判断の合理性・公正性を担保するために、当社は、当社取締役会から独立した機関として、特別委員会を設置いたしました。特別委員会の委員は、3名以上5名以内とし、社外取締役、弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者、投資銀行業務に精通している者及び当社グループ以外の会社の取締役又は執行役としての経験のある社外者等の中から選任されるものとします。
ロ 当社取締役会が対抗措置を発動する場合には、その判断の合理性・公正性を担保するために、以下の手続を経ることとします。
まず、当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、特別委員会に対し、発動すべき具体的な対抗措置の内容を提示した上で、その発動の是非について諮問します。特別委員会は、当該諮問に基づき、当社取締役会に対して対抗措置の発動の是非について勧告(株主意思確認株主総会を招集することの勧告を含みます。)を行います。当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重するものとします。
また、当社取締役会が対抗措置を発動するに際しては、社外取締役3名を含む取締役・監査等委員の全員の賛成を得た上で、取締役全員の一致により決定することとします。また、当社取締役会は、対抗措置の発動の是非について特別委員会に諮問するとともに、大規模買付者の提供する大規模買付情報に基づいて、外部専門家等の助言を得ながら、当該大規模買付者及び当該大規模買付行為の具体的内容並びに当該大規模買付行為が当社株主の皆様の共同の利益及び当社の企業価値に与える影響等を検討するものとします。
なお、当社取締役会は、大規模買付者から提出された情報が大規模買付情報として必要かつ十分であるか否かについて疑義がある場合、又は株主の皆様に対して当社取締役会の代替案を提示する場合、その他当社取締役会が必要と認めた場合には、上記対抗措置の発動の是非以外の事項についても、任意に特別委員会に諮問することができることとし、特別委員会は、当該諮問に基づき、取締役会が諮問する事項について検討し、取締役会に対して勧告を行います。
ハ 上記ロの手続に従って対抗措置を発動した場合であっても、① 大規模買付者が大規模買付行為を中止もしくは撤回した場合、又は、② 対抗措置を発動するか否かの判断の前提となった事実関係等に変動が生じ、かつ、当社株主の皆様の共同の利益及び当社の企業価値の維持及び向上という観点から発動した対抗措置を維持することが客観的に相当でないと考えられる状況に至った場合には、当社取締役会は、当該対抗措置を維持することの是非について、具体的事情を提示した上で、改めて特別委員会に諮問するとともに、外部専門家等の助言を得ながら、発動した対抗措置の中止・撤回等を検討するものとします。特別委員会は、当該諮問に基づき、当社取締役会に対して、当該対抗措置を維持することの是非について勧告を行います。取締役会は、対抗措置を維持するか否かの判断に際し、特別委員会の勧告を最大限尊重するものとします。
上記特別委員会の勧告を踏まえた検討の結果、当社取締役会が当社株主の皆様の共同の利益及び当社の企業価値の維持及び向上という観点から対抗措置を維持することが相当でないと判断するに至った場合には、当社取締役会は、取締役会決議により、対抗措置の中止等の判断を行い、発動した対抗措置を中止・撤回するものとします。
なお、対抗措置として新株予約権の無償割当てを行うことを決議した場合であって、割当期日に係る権利落ち日以降において、当社取締役会が新株予約権の無償割当てを中止する場合、又は、対抗措置を撤回するため割り当てられた新株予約権を当社が無償で取得する場合には、当社株式の価値の希釈化は生じないことから、当社株式の価値の希釈化が生じることを前提にして売買を行った方は、株価の変動により不測の損害を被る可能性があります。
ニ 上記②イ(ロ)及び②ロ(ロ)に記載のとおり、所定の場合には、当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、対抗措置の発動の是非について株主の皆様のご意思を確認するために、株主意思確認株主総会を招集し、対抗措置の発動の是非に関するご判断を株主の皆様に行っていただくことができるものとしております。
④本対応方針の合理性
本対応方針は、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を全て充足しており、かつ、企業価値研究会が2008年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」、経済産業省が2023年8月31日に発表した「企業買収における行動指針」及び近時の裁判例の動向等に十分配慮したものとなっています。
また、本対応方針は、株主の皆様が大規模買付行為に対する判断を行うために必要かつ十分な情報を収集・提供し、また、これを評価・検討して取締役会としての意見を取りまとめて公表することにより、株主の皆様の共同の利益に資するものであると考えております。
その他、上記のとおり、本対応方針は、当社取締役会から独立した組織として特別委員会を設置することとしていること、いわゆるデッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)及びスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではないことから、合理性のあるものであると考えております。
4.上記2.の取り組みについての取締役会の判断
上記2.の取り組みは、当社グループ全体の企業価値を向上させ、それを当社の株式の価値に適正に反映させていくことにより、当社株主の皆様の共同の利益を著しく損なう大規模買付行為が行われる危険性を低減させるものと考えられるため、上記1.の基本方針に沿うものであります。
また、かかる取り組みは、当社グループ全体の企業価値を向上させるための取り組みであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
5.上記3.の取り組みについての取締役会の判断
①上記3.の取り組みは、十分な情報の提供と十分な検討等のための期間の確保の要請に応じない大規模買付者、及び当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を害するおそれのある大規模買付行為を行う大規模買付者に対して対抗措置を発動できることとしております。従いまして、上記3.の取り組みは、上記1.の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして、当社の上記1.の基本方針に沿うものであると考えております。
②上記3.の取り組みは、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を確保することを目的として、大規模買付者に対して、当該大規模買付者が実施しようとする大規模買付行為に関する必要な情報の事前の提供及びその内容の評価・検討等に必要な期間の確保を求めるための取り組みであります。
また、かかる取り組みにおいては、対抗措置の発動について取締役会による恣意的な判断を防止し、その判断の合理性・公正性を担保するために、特別委員会を設置し、特別委員会の勧告を最大限尊重して対抗措置を発動することを定めており、従いまして、上記3.の取り組みは、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、取締役会の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(注)1.「特定グループ」とは、(1)①当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。)及び②その共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)、並びに(2)①当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者及び②その特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)をいいます。
2.「大規模買付行為」特定グループの議決権割合を20パーセント以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定グループの議決権割合が20パーセント以上となるような当社株券等の買付行為(いずれも事前に当社取締役会が同意したものを除きます。)
3.「大規模買付者」注2記載の大規模買付行為を行う者をいいます。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに対する基本方針
私たちGMOインターネットグループは「すべての人にインターネット」をコーポレートキャッチとして掲げ、創業以来一貫してインターネットインフラ、サービス・インフラというインターネットの”場”の提供に経営資源を集中してまいりました。インフラ事業者としての事業活動を継続すること自体が社会課題の解決につながると考え、新たなインターネットの文化・産業とお客様の「笑顔」「感動」を創造し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(2)マテリアリティ
GMOインターネットグループは「すべての人にインターネット」をコーポレートキャッチとして掲げ、創業以来一貫してインターネットのインフラ、サービス・インフラという「なくてはならない」「なくならない」サービスを提供してまいりました。
この「すべての人にインターネット」の実現に向け、企業グループとしてのありたい姿を明確化するとともに、そのありたい姿を具現化するために取り組むべき重要課題(マテリアリティ)について「ステークホルダー」「GMOインターネットグループ」両者視点から検討を行い、「事業を通じた社会課題解決」「経営基盤の強化」の2つに分類される、6つのマテリアリティを特定しました。マテリアリティに対する取り組みを通じて、持続的な企業価値向上・持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
■ありたい姿
コーポレートキャッチである「すべての人にインターネット」を核に、GMOインターネットグループの夢・ビジョン・フィロソフィーを掲げた「スピリットベンチャー宣言」と2051年までを見据えた定量的目標である「55カ年計画」を軸として、これらの実現へ向けた「ありたい姿」を定義しました。
■マテリアリティ
(3)ガバナンス
GMOインターネットグループは自らの社会的責任を果たし、持続可能な社会の実現を目指すために、代表取締役グループ代表会長兼社長執行役員・CEOが委員長、取締役グループ副社長執行役員・CFOがサステナビリティ担当役員となる「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。サステナビリティ推進委員会は各グループ会社(サステナビリティ推進部門、コーポレート部門、事業部門)と密接に連携して、サステナビリティに関する継続的かつ包括的な取り組みを推進し、必要に応じて取締役会・経営会議に提言を行っています。
(4)サイバーセキュリティに関するリスク管理並びに戦略
(リスク管理)
当社グループは、サイバーセキュリティを含む危機事象に対し、平時から対策を講じ、その発生を最小限に抑える取り組みを進めています。さらに、危機事象発生時の連携と対応方針を予め定めており、適切かつ迅速な対応ができるよう体制を整えています。事象発生時には、その重要度に応じて危機管理体制への連携が行われます。重要度に基づき、取締役又はグループ執行役員の責任者が対策会議を招集します。この体制には、当社取締役やグループCISO、グループ各社の社長及び部門責任者が含まれ、グループ全体での対応を可能にしています。また、発生した事象の分析と再発防止策は、グループ全体で定期的に共有しています。
(戦略)
■社内研修・啓発活動
当社グループでは希望者を対象に脆弱性診断教育を行い、積極的にセキュリティについての学習機会を設けており、Webアプリケーションの脆弱性診断に関する教育を行っています。
また、当社では定期的に標的型攻撃メールに対する訓練を実施しています。この訓練では、当社パートナー(従業員)へウイルス付きメールに模した訓練メールを送信し、開封件数や報告状況を集計することで不審メールへの耐性を可視化しています。当社グループは社内研修・訓練を通じてグループ全体のセキュリティリテラシー向上に努めており、インシデントの発生抑制を目指しています。
■脆弱性診断
当社グループでは、近年サイバー攻撃が増加傾向である状況等を受け、グループで提供している全てのサイトの脆弱性診断状況を点検し、実施する取り組みを行いました(2022年)。またこの取り組みをきっかけに、全サイトの脆弱性診断を定期的に実施するための「脆弱性診断ガイドライン」、脆弱性を生まないシステムを設計・開発するための「Webアプリケーションセキュリティ設計実装チェックリスト」を作成し、グループ全社に展開しています。これらはサイバーセキュリティのプロフェッショナルカンパニーであり当社グループのGMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社が監修し、グループ全体で安心安全なサイトを継続的に提供できる仕組みを作っております。
■すべての人に安心・安全なインターネットを
当社グループは多くの人が安心してインターネットを利用できる社会の実現に向け、脆弱性診断等をはじめとしたサイバーセキュリティ関連サービスを提供しています。サービスを提供しているGMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社は国内外のセキュリティコンテストで1位を獲得する世界最強のホワイトハッカー集団です。警察庁から感謝状をいただく等、日本国内のサイバーセキュリティの底上げにも寄与しています。
(5)人的資本に関する戦略並びに指標及び目標
(戦略)
当社グループは、社是・社訓の総称である「GMOイズム」の唱和と実践を通じ、全てのパートナーがその価値を共有する組織を創り上げてきました。さらに当社では、今後も持続可能な企業成長を目指していくため、ひとりひとりのパートナーが活躍できる環境がNo.1サービスを生み出すという考えのもと、チャレンジを続け、ともに成長できる集団の形成を重要課題(マテリアリティ)の一つと位置づけています。当社もしくは当社グループでは「GMOイズム」の考えの元、下のような取り組みを行っています。
■人事制度(4大基本方針)
1.期限が明確な評価期間であること。(四半期評価)
2.公平であること。(360度ヒヤリング)
3.やりたい人が自ら手をあげる仕組みであること。(立候補)
4.ガラス張りであること。(報酬の見える化)
当社は人事制度に4つの基本方針を定めており、それぞれがパートナーのモチベーションとパフォーマンスの向上に大きく寄与しています。これらは、年間目標の設定と四半期ごとの評価、公平性を重視した360度ヒヤリングによる自己成長の機会提供、自主的なキャリア形成と挑戦の選択を促す制度や文化の醸成、及び報酬の透明性を高め、組織とパートナー双方にとって、持続可能な成長を支えるための重要な柱となっています。
■健康経営
当社グループは、スピリットベンチャー宣言において「会社は、仲間・株主・お客様、かかわるすべての方が幸せになるための道具です。バロメーターは笑顔です。」と掲げ、「健康・精神・教養の基礎レベル、社会生活・家庭生活の実現レベル、経済の結果レベル、すべてのエリアでバランスが取れた全人を目指そう。」と謳っております。すなわち、パートナーが心身ともに「健康」であることが、ステークホルダーの「幸せ」の実現及び持続可能な成長には欠かせません。私たちはパートナーの健康維持・増進に取り組む健康経営を推進することで、100年単位で続く企業グループを目指してまいります。
■AI活用による業務効率/リスキリング
当社グループでは、AI技術の積極的な活用を推進しています。この過程で不可欠なのが、AIを使いこなせる人財、すなわち「AI人財」の育成です。GMOインターネットグループでは、パートナーのリスキリングを支援するために、外部講師による実践的なAIセミナーの開催、AIテスト「GMO AIパスポート」の実施、さらには非エンジニアを対象とした3ヶ月間の短期AI人財育成プログラム「虎の穴」など、様々な施策を通じてAI人財の育成に取り組んでいます。これらの施策は、パートナーのリスキリングだけでなくグループ全体の業務効率化を実現し、健全な労働環境の構築にも繋がると考えています。
■つくる人比率
インターネット産業は、技術の進歩が著しく競争の激しい分野であり、圧倒的No.1サービスを継続的に創り出すことが重要な経営課題であると捉えています。この点、当社グループは、サービスを創り出すエンジニア・クリエイター・ディレクターを尊重する組織・制度作りに積極的に取り組んでいます。当社グループでは、全パートナーにおけるエンジニア・クリエイター・ディレクターの比率の目標値を60.0%に設定しています。
(注)1.役員・非常勤役員はグループ総パートナー数に含んでおりません。また、持分法適用会社(GMOあおぞらネット銀行株式会社等)のパートナー数は含んでおりません。
2.「健康経営への取り組み」の実績はGMOインターネットグループ株式会社を対象としております。
3.「グループ定期公募制度」とは、グループ又は各社の新規事業/新規プロジェクト案件において、様々なポジションをグループ全パートナーから募集する制度です。
4.「GMOブレイクスルーオプション」とは、新卒パートナー限定のFA制度です。入社から3年、6年、9年と、3年経過時に、新たなステージへのチャレンジ権を取得し、権利を行使してプレゼンに合格すれば、自身の希望する仕事・部門への異動が可能となります。
以下、当社グループの事業の状況並びに経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項並びにその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生時の対応に努める方針ですが、経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在における当社グループの認識を示すものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありません。
1.事業環境に関するリスク
(1)競合について
当社グループは、ドメイン事業、クラウド・レンタルサーバー(ホスティング)事業、EC支援事業、セキュリティ事業、決済事業、インターネット接続(プロバイダー)事業からなる①「インターネットインフラ事業」、インターネット広告事業、インターネットメディア事業、インターネットリサーチ事業等からなる②「インターネット広告・メディア事業」、オンライン証券取引、外国為替証拠金取引を行う③「インターネット金融事業」、暗号資産のマイニング、交換、決済に関わる事業を行う④「暗号資産事業」、そしてインターネット関連企業を中心とした未上場会社への投資事業を行う⑤「インキュベーション事業」を展開する総合インターネットグループです。
当社グループは、こうした総合的な事業展開による相互シナジーに優位性があると考えておりますが、個々の事業においては、競合他社との競争が激化する可能性があります。すなわち、利用者獲得をめぐる競争が激しくなった場合、当社グループの収益力等が低下する場合があるほか、料金引き下げの必要性に迫られたり、広告宣伝費、設備投資費等の増加を余儀なくされる場合も考えられ、当社グループの事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)技術革新について
インターネット関連技術は、技術の進歩が著しく、また、それに応じた業界標準及び利用者ニーズが急速に変化するため、新サービス・製品も相次いで登場しております。これらの技術革新への対応が遅れた場合、当社グループの提供するサービスの陳腐化により、競合他社に対する競争力の低下を招き、その結果、当社グループの事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおいては、新技術の開発や動向に十分留意するとともに、継続的なシステム投資及びスタッフの能力向上に努めております。
(3)買収(M&A)等について
当社グループでは、新規事業への参入、既存事業の拡大、優れた技術や人財の獲得等を目的として、国内・海外ともに仲間づくり(買収(M&A)や合弁事業)を積極的に展開しております。
買収に伴って生じる様々なリスクを回避あるいは最小化するために、対象企業の契約関係、財務状況の確認など詳細なデューデリジェンスを実施しております。しかしながら、案件の時間的制約などからデューデリジェンスを十分に実施することが困難な場合があります。その結果、対象会社の買収完了後に偶発債務の発生や簿外債務が判明する可能性も否定できません。とりわけ海外マーケットへの進出に当たっては、その性質上、現地政府による規制や法令諸規則の改廃、規制担当官の恣意的な業務執行等により、計画どおりに事業計画を遂行できず、当社グループの業績に影響を与えるほか、投下資本の回収が困難になる可能性もあります。
また、対象会社の重要な人財の流出、顧客流出などが計画に反して生じる可能性があり、当初計画していた経営成績や財務状況などの実現が困難となって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
合弁事業などの展開においても、当社グループは、強力なパートナーシップを構築し、将来のシナジー効果が最大限発揮されるよう事前に綿密な協議を重ねることにより、買収後に関係が悪化するなどのリスクを極力排除するよう努めております。しかしながら、事業開始後において双方の経営方針に差異が生じた結果、期待したシナジー効果が実現できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
2.コンプライアンスに関するリスク
(1)規制及びコンプライアンス体制について
当社グループでは、その事業に関して、以下の各規制の他、会社法、金融商品取引法その他の様々な法律、規則、条例等の規制の適用を受け、また、行政通達内容及び指導等の遵守を求められております。今後、インターネットのさらなる普及やインターネットを利用した新規サービスの創出等により、利用者や関連事業者を対象とする新たな規制の導入、既存の法令等の改正や適用範囲の拡大、何らかの自主規制の要請がなされることにより、当社グループの事業が制約される可能性があります。
当社グループでは、これらの規制等に従うため、コンプライアンス体制の整備、運用及び改善に努めておりますが、コンプライアンス体制の整備等の遅れ等によって適切な対応ができずこれらの規制等への違反・抵触が生じ、監督官庁等から処分や指導を受け、また損害賠償請求や信用の毀損等により、当社グループの事業並びに経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
①電気通信事業法について
本法は、電気通信事業の公共性に鑑み、その運営を適正かつ合理的なものとすることにより、電気通信役務の円滑な提供を確保するとともにその利用者の利益を保護し、もって電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保を図り、公共の福祉を増進することを目的として制定された法律であります。当社は、本法に基づく届出を行った届出電気通信事業者であり、本法により、検閲の禁止、通信の秘密の保護、業務、電気通信設備、設備の接続等について、届出電気通信事業者として、規制を受けております。
なお、2023年の法改正により、特定利用者情報の取り扱いに関する義務、利用者情報の外部送信規制(Cookie規制)が新設されました。
当社は、これらの義務を遵守するため、各種の体制整備等の措置を講じておりますが、これらの対応が十分であるとの保証はなく、行政機関から、指導、勧告等を受けたり、また、契約解約数の増加や契約数の減少等により業績に影響を与える可能性があります。
②風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律について
本法は、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、風俗営業及び性風俗関連特殊営業等について、営業時間、営業区域等を制限し、及び年少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制するとともに、風俗営業の健全化に資するため、その業務の適正化を促進する等の措置を講ずることを目的として制定された法律であり、直接的には風俗営業を行う者を律するものであります。
しかしながら、利用者に対するインターネット接続サービスに伴うサーバースペースの提供、レンタルサーバーサービス等の提供事業者は、自社サーバー上に映像送信型性風俗特殊営業者によりわいせつな映像が記録されていることを知ったときは、当該映像の送信防止措置等を講ずることにつき努力義務を負うこととされ、当社においても、本法の適用を受ける場合があります。当社は、利用者との間の契約約款において、利用者が開設、運営等するホームページの内容に関する責任の所在が利用者にあることを明示しており、かつ、法令の遵守に関して周知徹底を図る等、自主的な規制によって、違法、有害な情報の流通禁止について配慮しておりますが、これらの対応が十分であるとの保証はなく、利用者が開設、運営等するホームページに関して、利用者、閲覧者もしくはその他の関係者、行政機関等から、行政指導、クレーム、損害賠償請求、勧告等を受ける可能性があります。
③不正アクセス行為の禁止等に関する法律について
本法は、電気通信回線を通じて行われる電子計算機に係る犯罪の防止及びアクセス制御機能により実現される電気通信に関する秩序の維持を図り、もって高度情報通信社会の健全な発展に寄与することを目的として制定された法律であり、直接的には電子計算機への不正なアクセスを禁止するものであります。
しかしながら、電気通信回線に接続している電子計算機の動作を管理する者についても不正アクセス行為から防御するため必要な措置を講ずる旨の努力義務が定められております。当社においても、電子計算機の動作を管理する者として、上記規定の適用を受けることとなります。
④特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律について
本法は、インターネット等による情報の流通の拡大に鑑み、特定電気通信による情報の適正な流通に資することを目的として、プロバイダ、サーバーの管理・運営者等の特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示を請求する権利につき定めるものであります。
当社グループは、一部の事業運営を行うに当たり、特定電気通信役務提供者として、本法の適用を受けることになります。特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害があった場合についての当社グループの損害賠償責任は、一定の場合には、この法律により免除されておりますが、同法は、情報発信者の表現活動に影響を及ぼすものであり、当社グループが、同法に定められている送信防止措置等の措置を履践するに際しては、非常に重大かつ適切な判断が求められます。当社グループでは、適切な判断となるよう同法の趣旨に鑑み、慎重な運用に努めておりますが、訴訟等において、その判断が適切でなかったと認定された場合は、利用者もしくはその他の関係者、行政機関等から、行政指導、クレーム、損害賠償請求、勧告等を受ける可能性があります。
⑤特定商取引に関する法律について
本法は、特定商取引(訪問販売、通信販売等)を公正にし、及び購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者等の利益を保護し、併せて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にし、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的として制定された法律であり、事業者名の表示、不当な勧誘行為の禁止や虚偽、誇大な広告の規制等の行政規制の他、クーリングオフや事業者が求め得る損害賠償等の額の制限、広告メールの送信についてオプトイン方式を導入する等の民事ルールを定めております。
本法では、インターネットを利用した通信販売等の取引形態において、返品を巡ってのトラブルや、いわゆる迷惑広告メール問題、クレジットカード情報の漏洩等の問題が発生していることに鑑み、インターネット上の取引についても規制されております。
当社グループの行うメール広告事業及び利用者に対する広告宣伝に関する電子メールの配信については、本法による規制を受けるため、法改正により、同事業の運営及び宣伝広告が制約される可能性があります。
⑥特定電子メールの送信の適正化等に関する法律について
本法は、一時に多数の者に対してなされる営利広告等に関する特定電子メールの送信等による電子メールの送受信上の支障を防止する必要性が生じていることに鑑み、特定電子メールの送信の適正化のための措置等を定めることにより、電子メールの利用についての良好な環境の整備を図る事を目的として2002年に制定された法律で、特定電子メール内での送信者の連絡先等の記載義務等を課するものです。
本法では、特定電子メールの送信に関して、従来のオプトアウト方式に替わるオプトイン方式の導入、法の実効性の強化、国際連携の強化等が定められております。
当社グループの行うメール広告事業及び利用者に対する広告宣伝に関する電子メールの配信については、本法による規制を受けるため、法改正により、同事業の運営及び宣伝広告が制約される可能性があります。
⑦個人情報の保護に関する法律について
本法は、近年の高度情報通信社会の進展に伴う個人情報の利用拡大に鑑み、個人情報の適正な取扱いに関し、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的として、個人情報を取り扱う事業者に対し、個人情報の利用目的の特定と利用の制限、取得の適正性の確保、個人データの正確性や最新性の確保、安全管理措置、第三者への開示や提供制限等に関し、義務を課すものです。
本法により、当社グループは、個人情報の利用等に関し、利用者その他個人情報の提供者に対し適切な説明及び承諾の取得並びに当該個人情報の適正な管理措置等を講じる法律上の義務を負います。
また、当社グループは、本法令の他、個人情報の取扱いに関して、監督官庁又は業界団体が定める個人情報保護に関するガイドライン等を遵守した事業運営を求められます。
⑧青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律について
本法は、インターネットにおいて、青少年にとって有害な情報が多く流通している状況に鑑み、青少年がより安全・安心にインターネットを利用できるようにし、もって青少年の権利の擁護に資することを目的とするものです。
本法により、当社グループの行うインターネット接続サービスや、ホスティングサービス、掲示板サービス等のサーバー管理を伴うサービスについて、フィルタリングサービスの提供、青少年有害情報についての閲覧制限措置を講じる等の努力義務を負います。なお、本法においては、2017年6月23日に公布され、2018年2月1日に施行された改正法により、携帯電話インターネット接続役務提供事業者に対し、新規の携帯電話回線契約時等において、契約締結者が18歳未満の青少年である場合には、携帯電話端末にフィルタリングソフトウエア等の設定を行うことが義務付けられています。
また、本法に基づいて行う情報の削除及び制限は、情報発信者の表現活動に影響を及ぼすものであり、当社グループが、当該情報について青少年有害情報であると認定し、削除又は閲覧規制措置を履践するに際しては、非常に重大かつ適切な判断が求められます。当社グループでは、適切な判断となるよう慎重な運用に努めておりますが、訴訟等において、その判断が適切でなかったと認定された場合は、情報発信者もしくはその他の関係者、行政機関等から、クレーム、損害賠償請求、行政指導、勧告等を受ける可能性があります。
⑨資金決済に関する法律について
本法は、資金決済に関するサービスの適切な実施を確保し、その利用者等を保護するとともに、当該サービスの提供の促進を図るため、前払式支払手段の発行、銀行等以外の者が行う為替取引及び銀行等の間で生じた為替取引に係る債権債務の清算について、登録その他の必要な措置を講じ、もって資金決済システムの安全性、効率性及び利便性の向上に資することを目的とするものです。
前払式支払手段の発行や資金移動を行う場合は、本法に定める届出義務、供託義務等が発生します。当社グループでは、一部のサービスにおいて、お客様のサービス料金のお支払方法の利便性向上等を図るため、自家型の前払式支払手段を発行しており、本法の適用を受けております。
また、暗号資産に関するリスクについては、GMOコイン㈱が暗号資産交換業を営んでいることから、後継「4.各事業に関するリスク(3)インターネット金融事業及び暗号資産事業のうち暗号資産交換事業について」に記載のとおりです。
⑩銀行法について
当社は、関東財務局の許可を受けて、GMOあおぞらネット銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、円普通預金口座の開設の媒介を行っており、本法の適用を受けております。本法が改正されることにより、コンプライアンス体制、情報セキュリティ体制等の変更の必要が生じた場合には、銀行代理業者としての事業内容に影響を与える可能性があります。また、銀行代理業者としての事業活動の適法性、適切性の判断は慎重に行っておりますが、予期せぬ法改正により、本法に違反する事態となった場合には、行政処分等により、当社グループの事業活動及び信用に影響を与える可能性があります。
⑪不当景品類及び不当表示防止法について
本法は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とするものです。
当社グループでは、ウェブサイト等における商品・サービスの内容や価格等の適正な表示、キャンペーン実施時にキャンペーン内容が法令に適合しているかについての確認や、社内での本法に関する研修の実施等に努めております。
しかしながら、利用者が購入した商品・サービスが不良である場合や広告内容に虚偽の記載が含まれる場合、又は利用者や行政・司法機関等により表示が不適切であると判断される場合等において、利用者による当社グループに対する苦情申出、補償要求や集団訴訟の提起や、行政庁による本法に基づく課徴金の納付命令等がなされ、これらにより、当社グループの事業活動及び業績等に重大な影響を与えたり、当社グループの信用毀損につながる可能性があります。
⑫暴力団排除条例について
2011年10月1日に東京都暴力団排除条例が施行されたほか、各自治体において同様の条例が施行されております。これらの条例においては、事業者が事業に関して締結する契約が暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなる疑いがあると認められる場合等に、契約の相手方が暴力団関係者でないかを確認するよう努めること、事業者がその行う事業に係る契約を書面により締結する場合において特約条項を書面に定めるよう努めることが定められています。当該規定は努力義務とされており、また当社グループでは、契約に当たって契約の相手方についての審査の実施、暴力団等でないことの誓約書の提出並びに特約条項の整備等に努めております。しかしながら、警察や暴力団追放運動推進都民センター等の照会体制の不備等により、意図せず暴力団等との取引が行われた場合に、重要な契約の解除や補償問題等が発生する場合には、当社グループの事業の運営及び業績等に重大な影響を及ぼす可能性や当社グループの社会的信用を毀損される可能性があります。
(2)訴訟等の可能性について
当社グループは、サーバー、ドメイン名等のインターネットのインフラの提供に関する事業やドメイン名の運用に関する事業を営んでおります。これらの事業に関連して、近年では、電子メールの送信や情報検索をはじめ、流通分野や金融分野の他あらゆる分野の多種多様な情報、商品、サービスが、インターネットを通じて提供されており、インフラの安定的な運用等は必要不可欠となっております。このような状況において、当社グループでは、無停電電源装置の導入、バックアップシステム等による24時間365日の管理保守体制及びカスタマーサポート体制の構築等による障害対応、セキュリティの確保等、安定したサービス提供とシステム運用に努めております。
しかしながら、天災地変に起因する障害やいわゆるDDos攻撃等の悪意のある第三者による攻撃、当社設備への不正なアクセス等、想定し得る技術的な防御策を超える事由による障害が生じた場合等には、利用者又は第三者に多大な損害を与える可能性があります。このような場合に備え、当社グループのサービス契約約款には免責条項を設ける等の対策を講じておりますが、損害の賠償を求める訴訟等が提起された場合や補償問題等が発生する場合には、当社グループの事業の運営及び業績等に重大な影響を及ぼす可能性や当社グループの社会的信用を毀損される可能性があります。
(3)リスクマネジメントの有効性に関するリスク
当社グループは、様々な事業上のリスクについて、リスクマネジメント方針及び手続の整備、運用及び改善に努めておりますが、新規事業分野への急速な進出や事業の拡大に伴って、予測が困難なリスクが発生する等、既存のリスクマネジメント方針及び手続が有効に機能せず、当社グループの事業並びに経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)当社グループや当社グループの事業領域に関する否定的な報道
当社グループ又は当社グループの事業領域に関する否定的な内容の報道がなされることがあります。当社グループでは、正確な情報を適時に開示、提供することに努めておりますが、報道された内容が正確であるか否かにかかわらず、これらの報道がお客様、お取引先様や投資者等の理解及び認識に悪影響を及ぼし、また当社グループの事業並びに経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは、利用者(本項において従業員等も含む)の個人情報(本項において、いわゆるマイナンバーも含む)をはじめとする各種情報の管理・保管等に関して、規程の策定、社内ネットワークの監視、業務従事者に対する教育、役職員からの誓約書の提出、業務委託先企業に対する管理監督、その他情報セキュリティの確保に関して可能な限りの取り組みを継続的に行っております。しかし、このような情報セキュリティ対策の実施にも関わらず、悪意の第三者による外部から当社グループシステムへの不正アクセスや、内部における情報の不適切な取扱い等によって情報漏洩等が発生した場合、当社グループの事業活動及び業績等に重大な影響を与えたり、当社グループの信用毀損につながる可能性があります。
(6)第三者との取引に関する損害賠償責任等の発生について
当社グループでは、利用者がインターネット上で通信販売サイト構築等を容易に行うことを可能にするサービスや、商品・サービスに関する広告表示、電子メール広告の送信等のサービスを運営、提供しています。
当社グループでは、当社グループがあたかも、当該商品もしくはサービスの販売者もしくは広告主であるかのように、ユーザーに誤認、混同されることのないよう、これらのサービスの利用規約等において、取引における責任及び広告内容等に関する責任が利用者に帰属することを明示して、利用者の同意を得ることをはじめ、ウェブサイト等におけるサービス運営者・提供者の適正な表示等に努めております。
しかしながら、ユーザーが購入した商品の品質又はサービスの質が不良であった場合や、広告内容に虚偽の記載が含まれていた場合、もしくは利用者や行政・司法機関等により表示が不適切であると判断された場合において、多数のユーザーから、補償・返金を求められたり、集団訴訟が提起される等したときは、当社グループの事業活動及び業績等に重大な影響を与えたり、当社グループの信用毀損につながる可能性があります。
3.海外での事業活動に関するリスク
当社グループでは、日本の他、世界各国において、各国の法律、規制、習慣等に従って各種事業を展開しておりますが、輸出入や製造物に関する規制、関税等の租税に関する制度の制定又は改定、その他予期しない法律、政府方針の制定、改定等が行われたり、集団訴訟の提起、多額の損害賠償命令、関連法令等に基づく勧告や手続の執行、又は行政による命令や指導を受けた場合に、当該事業が規制されたり、当社グループの役職員が現地当局により拘束されるなどしたときは、当社グループの財政状況や経営成績に悪影響を与える可能性があります。
また、政変、戦争、テロリズム、クーデター、紛争、暴動、外国軍隊からの一方的な攻撃もしくは占領その他の社会的・政治的混乱等の発生により現地の治安状態が悪化し、事業継続が困難になる可能性があります。さらに、政府等による現地設備の接収、武装集団等による現地設備の襲撃もしくは不法占拠、当社グループの役職員の誘拐・殺害等によっても、当社グループの事業活動及び業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
4.各事業に関するリスク
(1)インターネットインフラ事業について
①ドメイン事業について
ドメインの調整・管理については、米民間の非営利法人であるICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)が一手にとり行っており、同法人の動向によっては、当社の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
②クラウド・レンタルサーバー(ホスティング)事業について
クラウド・レンタルサーバー(ホスティング)事業は、大きな参入障壁がないため、多数の同業他社が存在しており、激しい競合の状況にあります。当社グループは、高度化・多様化する顧客ニーズに対応するため、多ブランド戦略をとっておりますが、価格競争などにより競争環境がさらに激化した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③EC支援事業について
ネットショップ支援(ECプラットフォーム)事業は、EC市場の拡大を背景に、新規参入も続いております。当社グループは、多様化する顧客ニーズに対応するため、多ブランド戦略をとっておりますが、機能面・価格面で競争力を失った場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
次にハンドメイド事業は、スマートフォンの普及などを背景に個人間の電子商取引(CtoC)が主流になる中、手芸や趣味工芸を中心とするハンドメイドマーケットについても、引き続き市場が拡大するものと考えております。しかしながら、作家と購入者間のトラブル等の発生により、CtoCサービスの運営に対する新たな規制の導入がなされた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、競合他社に対し技術開発競争、ブランディングの点で優位性を保てない場合には、想定どおりの成長が見込めない可能性があります。
④セキュリティ事業について
当社グループのセキュリティ事業は、盗聴・改ざん・なりすまし防止(暗号セキュリティ)、サイバー攻撃対策(サイバーセキュリティ)、なりすまし監視・削除支援(ブランドセキュリティ)の3領域に展開しており、いずれも市場の成長が期待される分野です。しかしながら、それぞれの事業領域において、技術革新、競争環境の変化、規制の進展に伴うリスクが存在します。
(ⅰ)盗聴・改ざん・なりすまし防止(暗号セキュリティ)事業
電子認証市場は参入障壁が高く、当社グループを含めた上位企業に市場シェアが集中しています。当社グループは認証局を自ら保有・運用することで競争優位性を確保しています。しかしながら、認証技術の進化や新たな認証手法の登場、無料・低価格サービスの普及、規制や標準化の変化に適切に対応できなかった場合、提供サービスの競争力が低下し、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(ⅱ)サイバー攻撃対策(サイバーセキュリティ)事業
サイバー攻撃の手法や防御技術は、技術革新とともに進化し続けています。当社グループは、国内外のコンテストで優秀な成績を残すホワイトハッカーが多数在籍し、その高度なセキュリティ技術を強みとしています。しかしながら、新たな攻撃手法の出現や防御戦略の変化、企業のセキュリティ方針や業界標準の進展に適切に対応できなかった場合、提供サービスの競争力が低下し、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(ⅲ)なりすまし監視・削除支援(ブランドセキュリティ)事業
ブランドセキュリティ市場は、オンラインブランドの不正利用やフィッシング攻撃の増加を背景に成長が期待されています。当社グループは、ブランド保護に関する専門性と迅速な対応力を強みとしています。しかしながら、デジタル環境の変化に伴うブランド不正利用の進化、競争環境の変化、規制や業界の方針の進展に適切に対応できなかった場合、提供サービスの競争力が低下し、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤決済事業について
決済代行市場は、参入障壁が高いこともあり、当社グループを含め上位各社にシェアが集中しております。「EC市場の拡大」「決済のキャッシュレス化」という良好な事業環境のもと、オンライン・オフライン含めた総合的な決済代行サービスの提供、顧客の売上向上に繋がる付加価値サービスの提供、サービス導入から運用までの一貫した加盟店サポート体制、最新技術を見据えた安定的な基幹システムの構築・運用、並びに東京証券取引所プライム市場の企業であることによる信頼性等により、競合他社との差別化を実現し高成長・高収益を継続できております。
しかしながら、予期せぬシステムダウン等により、サービス提供が困難になった場合には、ブランドに対する信用が失墜し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、金融関連サービスであるトランザクションレンディング、「GMO後払い」といったマネーサービスの提供を通じ信用供与を行っております。与信情報は一定の規定に従い審査をしているものの、予想を超えた未回収が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、事業規模に応じて手元資金が必要となります。
⑥インターネット接続(プロバイダー)事業について
インターネット接続(プロバイダー)事業では、インターネット接続サービスの提供のために利用する回線を電気通信事業者より調達しております。この点、電気通信事業者との契約変更等により取引条件が悪化した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)インターネット広告・メディア事業について
①インターネット広告事業について
インターネット広告市場は、成長中の業界であることから多数の同業他社が存在し、また、新規参入も相次いでおります。当社グループは、サービスの開発、販売力の拡充、技術力の強化により他社との差別化を図っておりますが、競争環境の激化により当社グループの商品・サービスの優位性が他社に劣後する場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、広告代理においては、広告枠や広告商品の仕入れを大手の媒体社に依存しております。このため、媒体社との契約変更等により、取引条件が悪化した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
さらに、アドネットワーク商材においては、スマートフォンなどデバイスに搭載されるOSの仕様変更、ブラウザーの仕様変更、またアドブロックツール等の普及により当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
②インターネットメディア事業について
当社グループは、自社で運営している媒体に掲載された広告収入を主な収益としております。魅力ある新規サービスの投入、既存サービスのリニューアル等を行うことにより、顧客基盤の拡大を図っておりますが、ユーザーの支持が得られない場合には、媒体価値が低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、広告代理店やアドネットワーク事業者を通じて受注掲載していることから、特定の事業者の割合が多くなり、当該事業者側の事情によって掲載方法の指定の変更を受けると、広告掲載量や単価が下落し当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③インターネットリサーチ事業について
ネットリサーチ市場は、既存の調査手法からオンライン調査への切り替えにより、拡大を続けておりますが大きな参入障壁が存在しないことから新規参入も想定されます。当社グループは、自社調査パネルの拡大に加え、戦略的提携により調査パネルの確保を進めるなど他社との差別化を図っておりますが、競争環境の激化により競争力を失った場合には当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)インターネット金融事業及び暗号資産事業のうち暗号資産交換事業について
①法的規制等に関する事項
GMOクリック証券株式会社(以下、GMOクリック証券)、GMOコイン株式会社(以下、GMOコイン)及びGMO外貨株式会社(以下、GMO外貨)は金融商品取引業を営むため、金融商品取引法第29条に基づき、金融商品取引業者の登録を受けており、同法及び関係諸法令等による各種規制並びに監督官庁の監督を受けております。これらの会社は、関係諸法令等の改正・解釈変更、新法令等の施行、監督官庁の政策変更等により、事業活動が制約を受け、又はサービスの内容変更に追加の費用が発生するなどによって、当初の計画どおりに事業を展開できなくなる可能性があり、結果として、これらの会社の事業活動、経営成績及び財政状態にも重大な影響を与える可能性があります。
また、GMOクリック証券は日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会及び日本商品先物取引協会に加入するとともに、東京証券取引所、大阪取引所及び東京金融取引所の取引参加者となっており、GMO外貨は日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会及び日本商品先物取引協会、GMOコインは一般社団法人日本暗号資産等取引業協会及び一般社団法人金融先物取引業協会に加入しており、これらの協会又は取引所の諸規則にも服しております。
これらの会社は、前記の関係諸法令等及び諸規則に則り事業活動を行うようにコンプライアンス体制を整備しておりますが、これらの関係諸法令等又は諸規則に違反する事実が発生した場合には、監督官庁による行政処分、社会的信用の低下及び損害賠償の請求等により、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。また、予期しない諸規則又は業界の自主規制ルール等の制定又は改定等が行われることにより、各社は計画どおりに事業を展開できなくなる可能性があり、規制の内容によっては、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
②自己資本規制比率に関する事項
金融商品取引業者は、金融商品取引法第46条の6に基づき、自己資本規制比率が120%を下回ることがないよう当該比率を維持する必要があります。
2024年12月末日現在におけるGMOクリック証券、GMOコイン及びGMO外貨の自己資本規制比率はそれぞれ上記の基準値を大きく上回っており、120%を下回る可能性は低いものと考えております。自己資本規制比率は、固定化されていない自己資本の額、市場リスク相当額、取引先リスク相当額、基礎的リスク相当額の増減により変動しており、今後の自己資本の額や各リスク相当額の増減度合いによっては大きく低下する可能性があり、その場合には、資本性資金の調達を行わない限り、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
また、GMOクリック証券、GMOコイン及びGMO外貨は、金融商品取引業等に関する内閣府令第123条第1項第21号の4に基づき、ストレステスト(外国為替相場の変動その他の変化があったものとして、当該金融商品取引業者に生ずる最大想定損失額を計算し、経営の健全性に与える影響を分析すること)を毎営業日実施しております。ストレステストの結果、固定化されていない自己資本の額から最大想定損失額を控除して得られる額が負の値となった場合には、リスク量の削減、資本の積増、又はその他の経営の健全性を確保するための措置を検討・実施することとされており、その措置の内容によっては計画どおりに事業を展開できなくなる可能性があり、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
③事業環境に関する事項
インターネット金融事業、暗号資産交換事業においては、株式の現物取引及び信用取引、FX取引、店頭CFD取引等の金融商品取引に関するサービス並びに暗号資産の現物取引及び証拠金取引に関するサービスを提供しております。そのため、当社グループの収益は、株式市場や外国為替市場、暗号資産市場等の相場環境の影響を受けており、これらの市場において、経済情勢、政治情勢、規制の動向、税制の改正等により投資環境が悪化し、顧客の投資意欲が減退した場合には、当社グループにおける金融商品取引、暗号資産取引等の取引高が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
また、国内株式の売買手数料無料化が進む中で、今後、競合他社との間で手数料等の値下げ競争がさらに激化して値下げを実施した場合、その実施に伴う収益の減少を補うだけの取引量の拡大が達成できない場合や収益性の向上を図れない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
そのほか、新たな技術革新や異業種からの新規参入者等の登場により、当社グループを取り巻く事業環境は変化します。当社グループは、顧客ニーズや技術動向を捉え、優秀な人財を確保しつつ、価値ある金融サービスの創造に努めておりますが、新技術や新規参入者への対応が遅れたために当社グループのサービスが陳腐化した場合や、既存の優秀な人財の社外流出等が生じた場合には、業界内での競争力・シェアの低下を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
④市場リスク
インターネット金融事業、暗号資産交換事業に属する各社が提供する店頭FX取引、店頭CFD取引、暗号資産取引等においては、顧客との間で各社が取引の相手方となって取引を行うため、取引の都度、外国為替、証券、商品、暗号資産等の自己ポジションが発生しますが、これらのポジションについては、各社とも他の顧客との売買で相殺するか、カウンターパーティーとの間でカバー取引を行うことにより、相場変動リスクを回避しております。しかしながら、システムトラブル等により、自己ポジションの適切な解消が行われない場合、あるいは、相場の急激な変動やカウンターパーティーとの間でのシステムトラブルの発生等により、カバー取引が適切に行われない場合には、ポジション状況によっては損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
⑤信用リスク
インターネット金融事業、暗号資産交換事業に属する会社が提供する株式信用取引、FX取引、店頭CFD取引及び暗号資産の証拠金取引では、顧客より取引額の一定割合の保証金又は証拠金の差し入れを受けた上で取引を行っております。こうした取引については、顧客に信用を供与する形となるため取引開始時の審査及び日常的な口座状況のモニタリングを通じたリスク把握や担保管理等の与信管理を徹底しており、取引開始後、相場変動により顧客の評価損失が拡大した場合、あるいは代用有価証券の価値が下落して顧客の保証金又は証拠金が必要額を下回った場合には、顧客に対して追加の保証金又は証拠金の差し入れを求めております。顧客がそれに応じない場合は、顧客の取引を強制的に決済することで取引を解消しますが、強制決済による決済損失が保証金又は証拠金を上回る場合には、その不足額を顧客に請求します。しかしながら、顧客がその支払に応じない場合には、その不足額の全部又は一部に対して貸倒損失を負う可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
なお、タイ王国で証券事業を営むタイ子会社は、2024年12月20日付で信用取引サービスの提供を終了しております。信用取引に係る顧客に対する債権のうち、顧客との約定弁済契約に基づく債権に切り替えたものについては、株式の追加差し入れによる担保率の引き上げや不動産など株式以外の追加担保の受け入れにより債権保全を強化しております。しかしながら、約定弁済契約に基づく債権の回収が完了するまでの間に、顧客による返済の遅滞又は担保価値の下落等により当該債権の回収可能性が見込めなくなった場合は、貸倒引当金繰入額の追加計上を行う可能性があり、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
また、カウンターパーティーとの間で行うカバー取引では、取引額に対して一定の証拠金を差し入れて取引を行っております。そうしたカウンターパーティーについては、取引開始時の審査及び事後のモニタリングを行うことで財政状態等の把握に努めており、カウンターパーティーに財政状態の悪化や法的整理などの事態が発生した場合は、当該カウンターパーティーに対して未決済ポジションの解消と証拠金の返還、未受取金額の支払等を請求します。しかしながら、カウンターパーティーがその支払に応じない場合には、その不足額の全部又は一部に対して当社グループは貸倒損失を負う可能性があり、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
⑥コンピュータシステムについて
インターネット金融事業、暗号資産交換事業に属する会社が提供するサービスは、そのほとんどがコンピュータシステムを介して行われているため、システムの安定的な稼働は重要な経営課題であると認識しております。
当社グループは、アプリケーションの改善やハードウェア及びネットワークインフラの増強等、システムの継続的なメンテナンスを実施しておりますが、不測の要因によりシステム障害が発生した場合は、顧客のサービス利用機会の喪失による機会損失の発生や社会的信用の低下による顧客の離反、システム障害により顧客に発生した損害に係る賠償請求等により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。また、システム障害の程度によっては、当社グループの事業継続に支障をきたす可能性があります。
⑦情報セキュリティリスク
インターネット金融事業、暗号資産交換事業に属する会社は、事業活動を通して、顧客や取引先の個人情報及び機密情報等を入手し、並びに顧客資産をお預かりすることがあります。そのため、情報セキュリティの強化は重要な経営課題であると認識しており、これらの情報の取り扱いに関して、職務の分離や各システムへのアクセス管理などの社内体制の強化と社員教育の徹底を図るとともに、社外からの不正アクセスによる個人情報の漏えいや顧客資産の流出などのリスクの顕在化防止に向けて、情報システムのハード面・ソフト面を含めてセキュリティ対策を講じております。
また、当社グループの金融事業及び暗号資産事業においては、顧客より多額の資産をお預かりするのに加えて、サイバー攻撃等のリスクも高いため、これらの事業に係る関係諸法令等及び監督官庁の指針や監督に従い、高い水準のセキュリティ対策を講じております。特に、暗号資産事業を営むGMOコインでは、社内外からの不正アクセスによる暗号資産の流出リスク軽減のために、顧客から預託を受けた暗号資産は法令等に則りインターネットから隔離された「コールドウォレット」にて保管し、ブロックチェーンとの照合を行うなどの対策を講じております。
しかしながら、これらの対策にもかかわらず、サイバー攻撃や不正アクセス、コンピュータウイルスへの感染、その他不測の事態等の発生により、個人情報の漏えい、滅失、毀損、暗号資産を含む顧客資産の外部への流出、重要データの破壊や改ざん、情報システム停止等が発生した場合には、当社グループに対する信頼低下による顧客の離反、監督官庁による行政処分や顧客からの多額の損害賠償の請求等により、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
(4)暗号資産事業について
下記には暗号資産マイニング事業、暗号資産決済事業にかかるリスクを記載しています。なお、暗号資産交換事業については、「4.各事業に関するリスク(3)インターネット金融事業及び暗号資産事業のうち暗号資産交換事業について」を参照ください。
①暗号資産マイニング事業について
当該事業は暗号資産の保有、取引、又はマイニングに関する法的、政治的なリスクにさらされています。今後、法令又は政策の変更等により、暗号資産の保有、取引又はマイニングに制限がなされた場合、当社グループの経営成績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
②暗号資産決済事業(ステーブルコイン発行・償還業)について
(ⅰ)法規制等に関する事項
GMO-Z.com Trust Company Inc.は、日本国外でステーブルコイン発行・償還業を営むため、ニューヨーク州特定目的信託会社を設立し、米国ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)による監督を受けております。ニューヨーク州法、連邦法の改正あるいは新法令の施行、監督官庁による規制内容の変更などにより、期待どおりに事業を展開できなくなる可能性があります。また上記法令や諸規則により事業運営を行っておりますが、これら諸法令等に違反する事実が発生した場合には、行政処分や損害賠償の請求等により、当社並びに当社グループの風評、事業展開、経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(ⅱ)事業環境に関する事項
現時点において、ステーブルコインの定義及びその発行や流通を規制する法令は各国で異なるものと認識しております。当社が発行するステーブルコインの上場先は、財務、コンプライアンス及びセキュリティ等複数の観点からデューデリジェンスを実施の下、選定された取引先でありますが、取引先による法令違反又はそれらに対する規制変更による上場廃止により、当社の事業活動及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(ⅲ)情報セキュリティリスク
当社は事業活動を通じて顧客や取引先の情報を取得・保有しており、情報管理に関する社内体制を整備の上、社員教育を実施し、システムのハード面・ソフト面の両面において情報管理上のリスクを低減するための情報セキュリティ対策を講じております。しかしながら、サイバー攻撃や不正アクセス、コンピュータウイルスへの感染、その他不測の事態等の発生により、個人情報の漏洩や滅失、暗号資産の盗難、重要なデータの破棄や改ざん、システム停止等が発生した場合には、当社並びに当社グループに対する信頼の低下、行政処分や損害賠償の請求等により、当社並びに当社グループの事業活動及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(5)インキュベーション事業について
インキュベーション事業では主に国内外の未上場のIT系ベンチャーへの投資、事業拡大支援、企業価値向上支援などを行っております。投資先の選定に当たっては専門知識を有するメンバーで構成する会議体にて慎重に検討し、また、投資実行後も事業の成長と企業価値の向上に関与する等により、リスク回避に努めております。しかしながら、これらの企業は、その将来性において不確定要因を多数抱えており、国内外の景気動向、インターネット等に係る技術革新、非上場の成長企業を対象としたベンチャーキャピタル市場、株式公開市場の動向株式市場の変化等の影響を受けることから、期待した成果を上げることができず、業績が悪化した場合には、出資等が回収できず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(6)その他事業について
その他事業においては、不動産賃貸・管理事業を展開しております。賃貸用不動産をはじめとして事業用不動産を保有しており、商品企画やサービスの提供によって不動産の競争力強化並びに不動産価値の維持・向上をはかっております。しかしながら、不動産市況の悪化による賃料水準の低下や空室率の上昇などにより、事業用不動産に対する減損処理が必要となった場合、評価損等の発生によって、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
5.代表者への依存について
当社グループの事業は、当社グループの役職員により計画及び運営がなされておりますが、重要な経営陣、特に当社代表取締役グループ代表 会長兼社長執行役員・CEOである熊谷正寿に不測の事態が発生した場合、円滑な事業の推進に支障が生じる可能性があります。
6.人財に関するリスク
当社グループでは、ナンバーワンのサービスの提供を通じて多くのお客様の笑顔・感動を産み出すため、グループの持つ技術力を武器に様々なサービスをフルスクラッチで自社開発しています。このサービスを支えている最大の経営資源は人財であり、各種サービスの品質向上、新規サービスの開発のためには優秀な人財の採用・育成が欠かせません。しかしながら、人財獲得競争の激化により優秀な人財の獲得が困難となった場合、在職する人財の社外流出が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
7.無形資産に関するリスク
(1)知的財産に関するリスク
当社グループは、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権その他の知的所有権の登録もしくはこれらの使用権の許諾を受けることにより、適法な事業運営と法的保護を図っております。しかしながら、当社グループの知的所有権が何らかの理由で法的保護を享受できなかった場合や、法的手続によってその登録や効力の無効、取消しなどの処分が確定した場合などは、当社グループの事業や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは予め第三者の権利を侵害しないよう可能な範囲で先登録権利の調査を実施しておりますが、意図せず調査結果の漏れが判明したり、権利侵害の有無に関わらず和解による高額な金銭の取得を目的として第三者から侵害訴訟などの攻撃を受ける可能性があります。その結果、紛争に対する多額の防御費用、解決費用などが生じたり、当社グループの事業範囲に一定の制限が課せられた場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2)ブランドに関するリスク
当社グループは、No.1戦略の下、多額の広告宣伝費を投入し、「GMO」及び「Z.com」ブランドの確立を図っておりますが、当社グループが実施している諸施策が想定どおりに功を奏しなかった場合や、事業遂行上の第三者とのトラブル、役職員による不正行為の発覚、事実と異なる報道などがあったときは、当社グループの信用を毀損し、顧客吸引力を喪失するなどして、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのブランドが、後発的に、いわゆるネガティブワードと同一又は類似になった場合は、当該ブランドをやむを得ず変更する場合があります。この場合、当社グループの信用を毀損し、顧客吸引力を喪失するなどして、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
8.有価証券投資に係るリスク
当社グループは国内外の株式や債券等を保有しております。その運用については内部統制に基づく社内規程に従って行いリスクの管理に努めておりますが、株式市況の低迷や投資先の経営状況の悪化・破綻などにより、保有する有価証券の評価額が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
9.マーケットに関するリスク
(1)金利変動リスク
当社グループは、主として金融機関からの借入金や社債の発行などによって、必要な資金を調達しています。従って、金融政策や金融市場の変化等により金利が上昇した場合には、調達コストが増加し当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替リスク
当社グループは、海外連結子会社の売上高、費用、資産、負債等について円換算した上で連結財務諸表等を作成しております。また、当社グループの事業の中には、海外の企業に対し外貨による支出を行う形態の事業があります。当社グループは、先物為替予約等のデリバティブを活用したヘッジ取引により為替変動リスクの軽減に努めているものの、外国為替相場の変動が当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
10.資金調達に関するリスク
当社グループが金融機関と締結しているローン契約、シンジケートローン契約、コミットメントライン契約その他の借入契約には、財務制限条項が付帯されている場合があります。従って、当社グループの経営成績、財政状態又は信用力が悪化した場合には、係る条項に基づき期限の利益の喪失や、金利等の引き上げ、追加担保の設定などを迫られることがあります。なお、資金調達の多様化や安定化を図ることを目的とし、発行体格付を2021年1月27日付で取得しておりますが、金融市場環境が不安定な場合や、当社グループの信用力が悪化した場合等において、資金調達が予定どおり行えず、当社グループの事業展開、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
11.システムに関するリスク
当社グループの事業の多くはインターネット関連サービスに特化しており、インターネットへの接続、データセンターの維持管理等の重要な業務の一部を外部委託しているものがあります。何らかの原因による輻輳、当社グループで制御できない領域で発生した障害、悪意のある第三者による不正アクセス、ハードウェア又はソフトウエアの欠陥等(いわゆるバグを含む)により、当社グループのシステムの一部又は全部が正常に作動せず、重要なデータの消滅や書換え、第三者によるデータの不正入手、取引停止等が発生する可能性があります。これらは、当社グループの収益機会の喪失の他、第三者からの多額の損害賠償請求、監督官庁による行政指導、営業停止処分その他の行政処分により、さらに当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
12.内部管理体制に関するリスク
当社グループは、金融商品取引法に規定される内部統制報告制度に伴い、財務報告に関する内部統制を強化するとともに、代表取締役直轄のグループ内部監査担当部門や内部通報制度(GMOヘルプライン制度)の運用等により、内部管理体制の継続的な改善に努めております。しかしながら、事業の急速な拡大やその他の要因により内部管理体制の十分な構築が追いつかない場合や、当社グループの内部統制に重要な不備が生じた場合などは、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
13.自然災害等に関するリスク
地震、雷、台風、津波、悪天候その他の自然災害、もしくは長時間の停電、火災、疾病の蔓延、放射能汚染、強烈な太陽風、隕石の落下、その他の対応困難な災害が発生した場合、当社グループの事業の運営又は継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、あらゆる事態を想定して事業継続のための計画策定などを進めておりますが、これらのリスクの発現による人的、物的損害が甚大な場合は当社グループの事業の継続自体が不可能となる可能性があります。
(経営成績の状況)
当社グループは「すべての人にインターネット」をコーポレートキャッチのもと、1995年の創業以来一貫して、インターネットのインフラ・サービスインフラの提供に経営資源を集中してきました。インターネットの普及とともにインターネット上のデータ量・トランザクション量は級数的に増加し、当社グループの事業機会も拡大し続け、ストック型収益モデルのインターネットインフラ事業が業績を牽引してまいりました。昨今の新型コロナウイルス感染症拡大を機にDXの進展やオンライン消費の定着は不可逆的なトレンドとなり、当社グループのサービスに対するニーズの高まりとともに当社グループの事業機会はより一層拡大しているものと考えています。
このような事業環境のもと、(1)No.1サービスの集合体となっているインターネットインフラ事業は、ドメイン事業を中心に顧客基盤が拡大しています。また、キャッシュレス化の潮流を受けトランザクションの増加により決済事業を中心に業績を牽引しました。(2)インターネット広告・メディア事業は、広告事業で一部業種の広告予算縮小があったものの、メディア事業では自社商材を介した送客支援が好調に推移しました。(3)インターネット金融事業における店頭FX取引では、好調だった前期比で減収となりましたが、取引活性化に向けたスプレッド縮小施策が奏功した影響もあり、高水準を維持しております。CFD取引では、世界情勢を受けたコモディティ価格の動きや、世界的株高をうけ株価指数が好調に推移し取引高は拡大しました。一方、当連結会計年度においてはタイ証券事業での貸倒引当金繰入額約95億円の計上がありました。(4)暗号資産事業は、暗号資産取引高が堅調に推移したことで黒字となりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は277,407百万円(前年同期比7.3%増)、営業利益は46,653百万円(同9.8%増)、経常利益は46,565百万円(同1.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,373百万円(同5.8%減)となりました。
<当連結会計年度(2024年1月~12月)セグメント毎の売上高・営業利益の状況>
(単位:百万円)
①インターネットインフラ事業
当該セグメントにおいては、インターネットビジネスを手掛けるお客様のビジネス基盤となるサービスをワンストップで提供しています。主な商材は、インターネットにおける住所となる「ドメイン」、データを保管するための「サーバー」、ネットショップ導入のためのプラットフォームを提供する「EC支援」、決済システムを提供する「決済」、これら取引の安全を図る「セキュリティ」です。これら5大商材すべてを自社グループ内で開発・提供しており、いずれも国内トップシェアを有しています。この他、個人向けにインターネット接続サービスを提供するインターネット接続(プロバイダー)事業を運営しています。当該セグメントの各事業別の業績は下記のとおりです。
なお、当連結会計年度より、私達の事業・サービスをより多くの方にご理解いただけるように、サブセグメントの名称変更を行っています。すなわち、「クラウド・ホスティング事業」を「クラウド・レンタルサーバー(ホスティング)事業」、「アクセス事業」を「インターネット接続(プロバイダー)事業」へとそれぞれ変更しております。当該名称変更による、セグメント情報に与える影響はありません。
1)ドメイン事業
当該事業は、他のインフラ商材の起点と位置づけており、当社やGMOペパボなどの低価格戦略により顧客基盤の拡大が継続しています。当連結会計年度におけるドメイン登録・更新数は862万件(前年同期比19.9%増)、管理累計ドメイン数は959万件(同10.8%増)となりました。これらの結果、売上高は10,511百万円(同8.5%増)となりました。
2)クラウド・レンタルサーバー(ホスティング)事業
当該事業では、お客様の利用ニーズの多様化に対応するため、当社、GMOグローバルサイン・ホールディングス、GMOペパボなどが共用サーバー、専用サーバー、VPS、クラウドの各サービスにおいて多ブランド展開を行っています。一部の個人向けサーバーの需要が軟調に推移したものの、法人向け商材が好調に推移し、当連結会計年度末の契約件数は112万件(前年同期比0.7%増)と微増いたしました。これらの結果、売上高は21,287百万円(同5.3%増)となりました。
3)EC支援事業
当該事業では、GMOペパボ、GMOメイクショップなどがネットショップ導入のためのプラットフォームを提供するネットショプ支援(ECプラットフォーム)、CtoCハンドメイドマーケット『minne』、オリジナルグッズ作成・販売サービス『SUZURI』、O2O支援サービスなどを展開しています。当連結会計年度末のネットショップ支援(ECプラットフォーム)における有料店舗数は4.7万(前年同期比7.5%減)と減少しましたが、高価格帯プランへの転換が順調にすすみ流通総額は5,213億円(同6.9%増)となりました。一方、『minne』では、低価格帯作品の流通規模の縮小が続いており流通金額は115億円(同11.0%減)となりました。これらの結果、売上高は14,929百万円(同4.6%増)となりました。
4)セキュリティ事業
当該事業では、GMOグローバルサイン・ホールディングスを中核として展開するSSLサーバー証明書、電子契約サービス『電子印鑑GMOサイン』などの盗聴・改ざん・なりすまし防止・ログイン認証強化(暗号セキュリティ)、GMOサイバーセキュリティ byイエラエで展開するサイバー攻撃対策(サイバーセキュリティ)、そしてGMOブランドセキュリティで展開するなりすまし監視・削除支援(ブランドセキュリティ)など、すべてのひとに安心安全なインターネットを提供するセキュリティサービスを展開しています。GMOブランドセキュリティによる収益貢献や、世界的なサイバーセキュリティへの関心の高まりが需要を牽引したことから売上高は18,931百万円(前年同期比3.9%増)となりました。
5)決済事業
当該事業では、GMOペイメントゲートウェイを中核として、総合的な決済関連サービス及び金融関連サービスを提供しています。決済関連サービスは、オンライン課金・継続課金分野におけるEC市場の順調な成長に加え、対面においてもキャッシュレス決済市場の拡大とともに次世代決済プラットフォーム『stera』端末等が普及しトランザクションが順調に推移しました。これらの結果、決済処理件数・決済処理金額が好調に増加し、売上高は75,254百万円(前年同期比15.6%増)となりました。
6)インターネット接続(プロバイダー)事業
当該事業では、当社が個人向けのインターネット接続サービスを提供しています。自社固定回線数は安定的であるもののセールスミックスの変化により当連結会計年度末の契約回線数は220万件(前年同期比2.6%減)と減少いたしました。その結果、売上高は38,998百万円(同3.0%減)となりました。
以上、これらを含めたインターネットインフラ事業セグメントの売上高は184,912百万円(前年同期比7.8%増)、営業利益は35,970百万円(同25.2%増)となりました。
②インターネット広告・メディア事業
当該セグメントにおいては、インターネットビジネスを手掛けるお客様の集客支援サービスを提供しています。当該セグメントの各事業別の業績は下記のとおりです。
1)インターネット広告事業
当該事業では、GMOアドパートナーズ、GMO TECHなどが広告代理、アドプラットフォームの提供など総合的なネット広告サービスを提供しています。広告代理では自社商材の拡販が好調に推移しましたが、一部業種の広告予算の縮小がありました。これらの結果、売上高は15,885百万円(前年同期比9.7%減)となりました。
2)インターネットメディア事業
当該事業では、GMOメディアなどが自社メディアの運営を通じた広告枠の提供、サービスを提供しています。自社商材を介した送客支援が引き続き好調に推移しました。これらの結果、売上高は13,248百万円(前年同期比10.2%増)となりました。
以上、これらを含めたインターネット広告・メディア事業セグメントの売上高は34,071百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益は2,779百万円(同48.2%増)となりました。
③インターネット金融事業
当該セグメントにおいては、GMOフィナンシャルホールディングスの連結子会社であるGMOクリック証券を中核として、個人投資家向けのインターネット金融サービスを展開しています。当連結会計年度末における店頭FX取引口座数は154.5万口座(前年同期比3.7%増)、証券取引口座数は53.5万口座(同2.2%増)と増加しています。店頭FX取引については、好調だった前期比で減収となりましたが、取引活性化に向けたスプレッド縮小施策が奏功した影響もあり、高水準を維持しております。CFD取引では、世界情勢を受けたコモディティ価格の動きや、世界的株高をうけ株価指数が好調に推移し、取引高は拡大しました。
以上、インターネット金融事業セグメントの売上高は43,726百万円(前年同期比7.5%減)、タイ王国での証券事業における貸倒引当金約95億円の計上があり、営業利益は4,330百万円(同68.5%減)となりました。
④暗号資産事業
当該セグメントにおいては、暗号資産の「マイニング」、「交換」、「決済」に関わる事業を展開しています。当該セグメントの各事業別の業績は下記のとおりです。
1)暗号資産マイニング事業
当該事業では、マイニングセンターの運営を行っています。現在、マイニングセンターの稼働が停止しており、売上高は0百万円(前年同期比100.0%減)となりました。なお、固定費は抑制されており業績の下振れリスクは限定的です。
2)暗号資産交換事業
当該事業では、GMOフィナンシャルホールディングスの連結子会社であるGMOコインなどが、暗号資産の現物取引、レバレッジ取引などを提供しています。当連結会計年度末における取引口座数は69.5万口座(前年同期比15.7%増)と、顧客基盤は拡大し続けており、売買代金についても市況の盛り上がりを受けて好調に推移しました。これらの結果、売上高は8,915百万円(同133.1%増)となりました。
以上、これらを含めた暗号資産事業セグメントの売上高は9,131百万円(前年同期比100.5%増)、営業利益は3,404百万円(前年同期は1,271百万円の営業損失)となりました。
⑤インキュベーション事業
当該セグメントにおいては、GMOベンチャーパートナーズを中核として、キャピタルゲインを目的とした国内外のインターネット関連企業への投資、事業拡大への支援、企業価値向上支援を行っています。保有する投資有価証券の売却及び評価損の計上があり、売上高は1,756百万円(前年同期比154.4%増)、営業利益は59百万円(前年同期は140百万円の営業損失)となりました。
(財政状態の状況)
(資産)
当連結会計年度末(2024年12月31日)における資産合計は、前連結会計年度末(2023年12月31日)に比べ393,478百万円増加し、2,151,114百万円となっております。主たる変動要因は、現金及び預金が75,715百万円増加、自己保有暗号資産が15,908百万円増加、利用者暗号資産が242,201百万円増加、投資有価証券が32,123百万円増加、証券業等における顧客資産の変動により諸資産(証券業等における預託金・証券業等における信用取引資産・証券業等における有価証券担保貸付金・証券業等における短期差入保証金・証券業等における支払差金勘定)が25,584百万円減少したことであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ376,269百万円増加し、1,961,067百万円となっております。主たる変動要因は、借入金が70,637百万円増加、社債が10,888百万円増加、預り暗号資産が242,201百万円増加、預り金が39,913百万円増加、証券業等における顧客資産の変動により諸負債(証券業等における預り金・証券業等における信用取引負債・証券業等における受入保証金・証券業等における受取差金勘定・証券業等における有価証券担保借入金)が2,201百万円減少したことであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ17,208百万円増加し、190,047百万円となっております。主たる変動要因は、利益剰余金が6,090百万円増加(親会社株主に帰属する当期純利益の計上により13,373百万円の増加、配当金の支払いにより4,872百万円の減少、自己株式の消却により2,410百万円の減少)、為替換算調整勘定が2,374百万円増加、非支配株主持分が13,407百万円増加、その他有価証券評価差額金が2,792百万円減少したことであります。
(キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度末(2024年12月31日)における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末(2023年12月31日)に比べ77,591百万円増加し、466,509百万円となっております。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、84,735百万円の資金の増加(前年同期は14,914百万円の資金の増加)となりました。これは主に、法人税等の支払により17,689百万円の資金の減少があった一方、税金等調整前当期純利益44,887百万円の計上、預り金の増加により39,885百万円の資金の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、71,499百万円の資金の減少(前年同期は16,363百万円の資金の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却により19,873百万円の資金の増加があった一方、投資有価証券の取得により54,766百万円、有形固定資産の取得により26,111百万円の資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、60,777百万円の資金の増加(前年同期は64,975百万円の資金の増加)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出により15,500百万円、社債の償還による支出により10,223百万円の資金の減少があった一方、長期借入による収入により71,613百万円、社債の発行による収入により20,868百万円の資金の増加があったことによるものです。
該当事項はありません。
当社グループの一部の連結子会社において受注生産を行っておりますが、グループ全体における重要性が乏しいため、前連結会計年度より記載を省略しております。
(注)1.セグメント間の取引は相殺消去しております。
2.主な販売先については、総販売実績の100分の10以上の販売先がないため記載を省略しております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度における売上高は、前年同期比18,764百万円増加し、277,407百万円(7.3%増)となりました。具体的な内容につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(経営成績の状況)」をご参照ください。
②営業費用(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における営業費用は、前年同期比14,582百万円増加し、230,754百万円(6.7%増)となりました。
売上原価は、前年同期比5,752百万円増加し、111,264百万円(5.5%増)となっています。
販売費及び一般管理費は、前年同期比8,830百万円増加し、119,489百万円(8.0%増)となりました。主な項目は以下のとおりです。
人件費(給与及び賞与)は、前年同期比3,104百万円増加し、32,840百万円(10.4%増)となりました。なお、当連結会計年度末における当社グループの従業員数は6,333人(1.3%増)と増加いたしました。
貸倒引当金繰入額は、前年同期比4,071百万円増加し、11,717百万円(53.3%増)となりました。タイ王国で証券事業を展開している連結子会社において、9,583百万円の計上がありました。
③営業外損益
当連結会計年度における営業外収益は前年同期比1,418百万円減少し、6,899百万円、営業外費用は同2,145百万円増加し、6,987百万円となりました。営業外収益では、当期に投資有価証券売却益で1,612百万円の計上、営業外費用では、当期に貸倒引当金繰入額で493百万円の計上がありました。
④特別損益
当連結会計年度における特別利益は前年同期比1,588百万円増加し、1,703百万円、特別損失は同302百万円増加し、3,381百万円となりました。特別利益では、投資有価証券売却益が同1,565百万円増加し、1,646百万円(1,926.3%増)の計上、特別損失では、減損損失が同704百万円増加し、2,611百万円(36.9%増)の計上がありました。
⑤法人税等
当連結会計年度における法人税等は、前年同期比1,230百万円減少し、15,498百万円(7.4%減)となりました。
⑥非支配株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における非支配株主に帰属する当期純利益は、前年同期比3,952百万円増加し、16,015百万円(32.8%増)となりました。主に上場子会社各社の利益が好調に推移しております。
⑦親会社株主に帰属する当期純利益
以上、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比818百万円減少し、13,373百万円(5.8%減)となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5.2021年12月期は営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。
②財務政策
当社グループは、流動性リスクの低減のため、市場環境や長短のバランスを勘案して、金融機関からの借入やリース等による間接調達の他、社債の発行等の直接調達を行い、資金調達手段の多様化を図っております。また、余剰資金に関しては、流動性の高い金融資産で運用しております。
当連結会計年度末における主な有利子負債(インターネット金融事業固有の勘定は除く)は前年同期比で81,305百万円増加し554,873百万円(17.2%増)となっております。内訳は、金融機関からの短期借入金198,079百万円、長期借入金(1年以内返済予定分を含む)214,876百万円、社債(1年以内償還予定分を含む)121,588百万円及び転換社債型新株予約権付社債20,330百万円となっております。
(1)インターネットインフラ事業に関する契約について
(2)インターネット広告・メディア事業に関する契約について
(3)インターネット金融事業に関する契約について
(4)組織再編に関する契約
当連結会計年度の研究開発費の総額は