1【提出理由】

当社は、2025年3月25日開催の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)1,655,200株を1株に併合する株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする2025年4月22日開催予定の当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決定いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

 

2【報告内容】

1.株式併合の目的及び理由

当社が2025年1月31日に公表した「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」(以下「当社プレスリリース」といいます。)でお知らせいたしましたとおり、ビー・エックス・ジェイ・ビー・ツー・ホールディング株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全て(但し、当社が所有する自己株式、及び当社の代表取締役社長であり筆頭株主でもある森豊隆氏(以下「森氏」といいます。)が所有する当社株式(4,779,450株)のうち、担保権が設定されている1,655,200株を除きます。)を取得し、当社の株主を公開買付者及び森氏のみとするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を開始することを決定しております。

  そして、当社が2025年3月5日に公表した「ビー・エックス・ジェイ・ビー・ツー・ホールディング株式会社による当社株券等に対する公開買付けの結果並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」でお知らせしましたとおり、公開買付者は2025年2月3日から2025年3月4日まで本公開買付けを行い、その結果、2025年3月11日をもって、当社株式8,943,452株(議決権所有割合(注):73.88%)を保有するに至りました。

(注)「議決権所有割合」の計算においては、当社が2025年2月7日に提出した「2025年3月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)」に記載された2024年12月31日現在の当社の発行済株式総数(12,338,365株)から当社が所有する自己株式数(233,112株)を控除した株式数(12,105,253株)に係る議決権の数(121,052個)を分母として計算し、小数点以下第三位を四捨五入しております。

  上記のとおり、本公開買付けは成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式、及び森氏が所有する当社株式(4,779,450株)のうち、担保権が設定されている1,655,200株を除きます。)を取得することができなかったことから、当社に対して、当社の株主を公開買付者及び森氏のみとするための株式併合(以下「本株式併合」といいます。)の実施を要請いたしました。そのため、当社は、当社プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本臨時株主総会において、株主の皆さまのご承諾をいただくことを条件として、当社株式1,655,200株を1株に併合する本株式併合を実施することといたしました。本株式併合により、公開買付者及び森氏以外の株主の皆さまの所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。

 

本株式併合を含む本取引の目的及び背景の詳細は、当社プレスリリースにおいてお知らせしましたとおりですが、以下に改めてその概要をご説明申し上げます。なお、以下の記載のうち、公開買付者及び森氏に関する記載については、公開買付者及び森氏から受けた説明に基づいております。

 

(1)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程

当社は、1997年4月に、東京都千代田区神田駿河台において治験施設支援事業(以下「SMO事業」といいます。)を目的に株式会社アイロムとして設立され、2006年10月に当社の主力事業のひとつであるSMO事業を新設分割によって当社が新たに設立した連結子会社である株式会社アイロムに承継することで、持株会社体制への移行を実現させると同時に当社は「株式会社アイロムホールディングス」に商号変更しました。その後、2015年7月にグループ事業の推進及びグループ企業各社の管理機能を担うことを明らかにするため、当社は「株式会社アイロムグループ」に商号変更し現在に至ります。

また、当社株式は、2003年10月に株式会社ジャスダック証券取引所に上場し、2005年1月に東京証券取引所一部への上場を経て、現在は、2022年4月に行われた東京証券取引所の市場区分見直しに伴い東京証券取引所プライム市場に上場しております。

当社のグループは、当社、連結子会社16社、及び関連会社1社(以下「当社グループ」といいます。)で構成されております。当社グループは、「憂いなき未来のために。」をブランドプロミスに掲げ、より良い医療環境実現のため、医療関連分野における総合的な医療サポート企業として、全ての人々が健康であり続けることによる持続可能な社会の実現を目指し、グループ各社・各事業間のシナジーにより生み出される総合力を強みに事業のサステナビリティの向上を図り、医療の発展への更なる貢献と、それを通じた人々の健康と生活の質の向上に取り組んでおります。

当社グループを取り巻く事業環境は日進月歩で変化し、再生医療をはじめとした新技術の開発の増加及びグローバル化、開発期間の短縮化、並びに開発手法の変化等により、臨床試験に対するニーズも多様化しています。「ドラッグ・ラグ」や「ドラッグ・ロス」といった問題も顕在化しており、日本の医薬品開発環境における課題の解決や激しい環境変化に対する迅速かつ適切な対応が求められております。具体的には、医薬品の開発はがんや難治性疾患等の疾患分野の開発が増加しており、そのような疾患の治療法として遺伝子治療や再生医療等の医薬品開発が進められております。加えて、難治性疾患領域や再生医療等の医薬品開発は、早い段階から患者さんを含めた臨床試験を実施する傾向があり、早期臨床試験実施施設ではより高い品質や多面にわたる役割が求められております。さらに、医薬品開発における創薬技術は、低分子医薬品からバイオ医薬品や遺伝子治療、再生医療等に多様化しており、バイオ医薬品市場の拡大や遺伝子治療製剤の開発、iPS細胞を用いた臨床試験が進められております。

このような経営環境の下、当社グループは、創業以来の中核事業であるSMO事業及びCRO事業の拡大を推進するとともに、グループ戦略として、SMO事業及びCRO事業で創出される資金を原資として、先端医療事業及び創薬事業における医薬品や先端医療技術の開発、メディカルサポート事業のノウハウを活かした設備投資等を行うことで、各事業の事業基盤を強化し、多様化・高度化する市場の要求に応えることができる製品・サービスの品質向上及び研究開発力の強化を実現しております。具体的には、SMO事業において、専門医療センターや大学病院等の基幹病院との提携を拡大し、あらゆる疾患領域の試験の受託が可能な体制を構築するとともに、がんや難治性疾患等の試験と比較して1試験あたりの規模が大きい、生活習慣病等のプライマリー領域の試験の受託も推進しております。CRO事業においても、日本・オーストラリア両国にて保有する臨床試験実施施設において、欧米や日本を含むアジア・オセアニア地域の製薬企業等の早期段階の医薬品開発の支援を行うことに加え、受託業務の拡大や統計解析分野の強化に継続的に取り組んでおり、医師主導治験をはじめとする複数の新規試験を受託することで事業基盤の強化を図っております。先端医療事業及び創薬事業では、上記グループ戦略に基づきSMO事業及びCRO事業で創出される資金を原資として、ワクチンやバイオシミラー等の研究開発を推進しております。また、先端医療事業において、iPS細胞作製キット「CytoTune-iPS」のライセンス事業が拡大しており、複数の企業と新規ライセンス契約を締結するとともに、締結済のライセンス契約に基づく当該技術の再実施権が行使されるなど、ライセンス事業により基盤技術であるセンダイウイルスベクターを用いた新たな事業機会の創出に取り組んでおります。

一方で森氏は、上記のような大きく変化する経営環境の中で、当社グループを取り巻く医薬品・医療機器等の開発業界はグローバル化や開発期間の短縮化が進むとともに、開発手法の変化により、臨床試験に対するニーズの多様化が続いている中で、医療機関におけるSMO事業の需要は拡大しており、SMO事業においては人材の確保が課題になっていると考え、また、希少疾患やがん領域において難易度の高い治験が増加していくことが見込まれ、人材教育についても引き続き今後の重要課題となるものと予想しているとのことです。CRO事業においても同様のトレンドを背景として伝統的な業態からの改革を求められる局面に差し掛かっていると理解していたとのことです。

そのような状況に加え、米国主導での医薬品開発が主流となり、グローバル大手製薬企業も医薬品開発の地として日本への関与を強めている中で、森氏は、当社グループの更なる企業価値向上のためには競争力のあるグローバルな体制を構築し、案件を獲得していくことが重要であると考えていたとのことです。具体的にはSMO事業を基盤とし、SMO事業で培ったノウハウを生かして国内外にサービスを提供するハイブリッド型総合臨床開発支援をCRO事業で推進し、国内外のCRO事業の買収を通じたグローバルな事業基盤拡大を通じた成長を実現し、海外、特にアジアにおけるヘルスケアプラットフォームに進化することで、当社グループの企業価値向上に繋がると考えているとのことです。

かかる考えの下、森氏は当社グループの企業価値を向上させる手法の選択肢として、当社グループがこれまで実行・検討してきた事業変革の更なる加速と、長期的・持続的な事業改革を可能とすべく、独力で当社グループの企業価値を向上させる手法のみならず、戦略的パートナーとの提携により当社グループの企業価値を向上させる手法の可能性についても2021年9月上旬頃から模索し始めたとのことです。

森氏が、戦略的パートナーとの提携を含む外部の経営資源のいかなる活用方法があるのかを含めて様々な戦略的オプションを検討している中、かねてより日本国内の投資先について調査・検討を行っていたブラックストーンは、大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を介して森氏との間で2022年1月下旬に面談の機会を得て、当社グループの経営施策について幅広に意見交換を行ったとのことです。この面談において、ブラックストーンは、ブラックストーンによる投資先企業に対する一般的な経営支援の概要、ブラックストーンのグローバル及び日本における医薬・製薬業界への投資実績に関して説明を行うとともに、森氏と当社グループの経営戦略に対する初期的な方向性について、意見交換を行ったとのことです。

その後、森氏は、ブラックストーンが当社グループの事業に深い知見を有していることを認識し、引き続き意見交換を行うことが有用であると判断したことから、ブラックストーンとの間で、当社グループの経営施策の方向性及び非公開化を含めた様々な資本政策についての協議を継続する方針とし、森氏とブラックストーンは、2022年1月下旬から2024年2月下旬にかけて、当社グループが属する医薬品・製薬業界の事業環境、当該環境を踏まえた経営施策の方向性、ブラックストーンが実施する当社グループへの経営支援として想定される内容及び最適な資本構成について、複数回にわたる意見交換を実施してきたとのことです。

当該協議の中で、森氏は、今後も当社グループの既存事業を成長させつつ、事業を多角化するためには、より一層の外部支援が重要であるというブラックストーンとの共通の見解を持ち、世界中にネットワークを有し、国内外で医薬品・製薬事業における多彩な投資実績を有するブラックストーンを高く評価したとのことです。ブラックストーンのグローバルかつ他業界にわたる知見・経験・ネットワークを活用することで、質の高い人材獲得・育成が可能となり、また、競合他社やグローバル大手企業に対抗できる競争力のあるグローバルな経営体制の構築にも繋がり、グローバル規模のヘルスケアプラットフォームへの進化の実現が可能となると考え、加えて、ブラックストーンのメンバーからの高いコミットメントも感じられたため、2024年2月下旬、ブラックストーンが当社グループの信頼できる最適なパートナーであると判断するに至ったとのことです。

なお、森氏は、ブラックストーンとの協議と並行して、2022年1月下旬から2022年8月上旬に大和証券を介して他のプライベート・エクイティ・ファンド複数社とも複数回にわたって面談を行い、当社グループの経営政策の方向性及び非公開化を含めた資本政策について提案を受けたものの、当該提案の内容、当社グループ事業への理解度及びこれまでの投資実績を総合的に勘案し、当社グループの今後の事業を成長させるためのサポートを受けるパートナーとしては、ヘルスケア領域を最注力領域の一つと定め、企業への投資のみならず、医薬品の研究開発段階に資金を提供する世界最大級のライフサイエンスファンド(以下「BXLS」といいます。)を有するブラックストーンがより適切であると判断したとのことです。

一方で、ブラックストーンは、当社グループが、SMO業界の黎明期より医療・製薬業界の根幹を成す臨床試験において20年以上にわたり医療機関を支援した歴史を有し、国内でトップ水準の事業基盤が構築されていること、業界をリードする技術開発力を有していること、及び医療現場の最前線で医師・看護師への価値提供にこだわり続ける企業文化が根付いていること等を高く評価していた中で、当社グループが今後中長期的なさらなる成長、企業価値向上を実現するためには、海外事業の拡大やM&Aによる非連続的な成長を含む各種施策が必要であり、一連の施策を迅速に実行していくためには社内の経営資源に限定せず、社外からの人材や経営ノウハウを活用することが有益であると考え、当社グループが非公開化してブラックストーンをパートナーとし、ブラックストーンが有する知見やネットワークを活用して経営改革を推進することで、例えば最適なリソース配置や営業戦略の高度化によるSMO事業の更なる拡大や、ブラックストーンのネットワークを活かしたCRO受託機会の拡大等にも繋がり、当社グループ単独では成し得ない当社グループの新たな成長が実現でき、より事業規模の大きなヘルスケアサービスプラットフォームへの進化にも期待ができると考えたとのことです。ブラックストーンは、具体的には以下のような価値提供が可能であると考えているとのことです。

(a)当社グループの継続的な成長に向けた支援

 ブラックストーンは、当社グループが属する業界においては、がんや希少疾患といった難易度の高い治験が増加する中で、治験の複雑化、症例数の少ない小規模試験の増加及び被験者リクルーティングの難化が進んでおり、それに伴い、患者を効率よく集められる国際共同治験が増加し、求められる人材の量・質の多様化が進んでいると認識しているとのことです。ブラックストーンは、今後も国際共同治験の増加が見込まれる中、効率的な案件獲得が重要であると考えており、ブラックストーンのヘルスケア領域における深い知見や国内外のネットワークを活用し、当社グループのSMO事業及びCRO事業に対してグローバルで競争力のある営業体制の構築を推進し、長期的及び持続的な成長を実現するための支援を行う方針とのことです。

 具体的には、ブラックストーンは、BXLSを傘下に持ち、BXLSを通じて上市前の後期臨床試験(第Ⅱ相及び第Ⅲ相)の医薬品に対して開発資金を提供しており、豊富な経験、ネットワークを有しているとのことですが、がん領域の治験は国際共同治験が主である中で、効率的な案件獲得のために、がんや希少疾患を含む幅広いBXLS投資案件の当社グループへの紹介や、BXLSの人的リソース、ネットワークを活用した顧客開拓並びにブラックストーンの投資先との事業提携の検討に取り組む方針とのことです。

 

(b)M&Aによる非連続な成長機会の探索

 ブラックストーンは、森氏との協議を通じて、国際共同治験の比率が高まり、グローバル大手CROも日本への関与を強めている中で、当社グループの今後の中長期的な成長、企業価値向上の実現のためには、国内外でのM&Aによる非連続な成長が必要であると認識しているとのことです。ブラックストーンは、当社グループがグローバル大手CROに対抗できるよう、ブラックストーンのグローバルでのM&Aの経験やネットワークを活かし、日本のみならず海外での買収機会の探索から買収の実行支援にわたるワンストップのM&A支援をする方針とのことです。

 

(c)組織力強化に向けた取組み

 上記(a)や(b)を実現するために、ブラックストーンは、当社グループの組織力強化に向けた取組みを推進するとのことです。具体的には、データアナリティクスを活用し、AIによって退職リスクが高いと判定された社員に対して配置換え等の離職防止対策を行うことで、離職率低下に繋げていくことを考えているとのことです。また、ブラックストーンのネットワークを活用した外部の経営人材の招聘や外部アドバイザーの活用も推進することで、当社の事業領域における専門性、事業経験や潜在顧客ネットワークを拡張し、更なる成長に繋げていく方針とのことです。加えて、当社グループの成長を後押しし、経営参画へのモチベーションの向上を促す観点から、業績及び企業価値の成長に見合ったインセンティブ・プランの構築を検討しているとのことです。なお、2025年1月31日時点においてインセンティブ・プランの具体的な内容は未定とのことです。

 上記の施策を通じて、ブラックストーンは、当社グループの組織力をさらに強化する方針とのことです。

 

ブラックストーンは、2024年2月下旬、ブラックストーン、公開買付者、公開買付者親会社、森氏及び当社(以下、これらを総称して「公開買付関係者等」といいます。)から独立したファイナンシャル・アドバイザーとして大和証券を、公開買付関係者等から独立したリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所をそれぞれ選任し、2024年2月27日に、当社に対して、ブラックストーンが公開買付者となり、公開買付けを通じて当社株式の非公開化を行うことについて初期的な意向を表明するとともに、今後の正式な提案に向けて必要な情報の提供を受けるためのデュー・ディリジェンスの実施協力を依頼する提案書(以下「初期提案書」といいます。)を提出し、同日、当社から、必要な体制を構築した上で、提案内容を検討する旨及びデュー・ディリジェンスに協力する旨の連絡を受領したとのことです。なお、初期提案書において、ブラックストーンは、ブラックストーンに加えて森氏が公開買付者となるいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)となる可能性も含めて検討している旨にも言及したとのことです。

その後、ブラックストーンは、2024年3月上旬から当社に関するデュー・ディリジェンスを開始し、当社の事業及び財務の状況を総合的に分析し、検討を進め、森氏だけでなく、当社との間でも本公開買付けの具体化に向けた協議を重ねたとのことです。

 

(2)検討体制の構築の経緯

 当社は、2024年2月27日にブラックストーンから本取引に関する協議・交渉の申入れを受けるとともに、同日に初期提案書の提出を受けました。当社は同日に本取引の実施に向けた協議・交渉に応じる旨及びデュー・ディリジェンスに協力する旨を回答し、また初期提案書において、ブラックストーンに加えて森氏が公開買付者となるいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)のための本取引の一環として行われる可能性も含めて検討している旨にも言及されていたことから構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、下記「3.(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、本取引の公正性を担保すべく、2024年3月11日に公開買付関係者等及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとしてシティユーワ法律事務所を、公開買付関係者等から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社KPMG FAS(以下「KPMG」といいます。)を選任いたしました。

 また、本取引については、森氏と、当社又は当社の一般株主との間に構造的な利益相反が存在することを踏まえ、本取引の是非や取引条件の妥当性についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、当社は、2024年3月11日に、初期提案書に記載された本取引の提案を検討するための特別委員会を設置いたしました。

 

(3)検討・交渉の経緯

 上記(2)記載の体制の下、当社は、初期提案書に記載された本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、また、本特別委員会との間で事前に交渉方針を相談・検討するとともに、公開買付者から本取引の条件についての提案を受けたときに具体的な提案金額や提案理由に関する意見や指示を受ける等、交渉上重要な局面における本特別委員会による意見、指示、要請等を受けて、シティユーワ法律事務所及びKPMGの助言を受けながら、森氏及びブラックストーンとの間で複数回に亘る協議を重ねた上で本取引の妥当性について検討してまいりました。

 具体的には、当社は、森氏及びブラックストーンから、2024年4月17日に、本公開買付価格を1株当たり2,400円とする旨の提案を受けた後、2024年4月19日、森氏及びブラックストーンに対して、本特別委員会の意見も踏まえた上で、シティユーワ法律事務所及びKPMGからの助言も受けながら検討した結果、本公開買付価格として提案された2,400円は当社の事業内容や財務情報等を踏まえた当社株式の本源的価値との関係において極めて不十分な価格であること、近時の他のMBO事例におけるプレミアム水準との比較においても十分な水準ではないことから、本公開買付価格の引上げに加え、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定することを要請いたしました。その後、森氏及びブラックストーンから、2024年5月1日に、当社に対して、本公開買付価格を2,700円とする提案に加え、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定は、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性があること、公開買付者及び当社において、特別委員会の設置及び法令に定められた20営業日を上回る30営業日以上の公開買付期間の設定を含む十分な他の公正性担保措置が実施されることで、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、本公開買付けにおいては買付予定数の下限をマジョリティ・オブ・マイノリティ条件となる株式数には設定しない予定であること、また、本公開買付けの決済開始日前を基準日とする配当(2024年3月期期末配当を含みます。)が実施されないことを前提としている旨の回答を受けました。当社は、KPMGから受けた当社株式の株式価値に係る試算結果の報告内容及び本特別委員会の意見を踏まえた上で、2024年5月2日に、森氏及びブラックストーンに対して、本公開買付価格として提案された2,700円は依然として当社の少数株主にとって十分なものとは評価できず、加えてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定を行わない場合においては、より高い本公開買付価格を含めた取引条件を当社の少数株主に提示することが本公開買付けの成立の安定性を担保するものであるとして、本公開買付価格の引上げを再度要請いたしました。そして、森氏及びブラックストーンから、2024年5月7日に、当社に対して、本公開買付価格を2,800円とする提案に加え、最終の検討結果としてこれ以上の本公開買付価格の引上げは困難である旨の回答を受けました。当社は、シティユーワ法律事務所及びKPMGからの助言及び本特別委員会の意見を踏まえた上で、2024年5月9日に、森氏及びブラックストーンに対して、本公開買付価格として提案された2,800円は、当社の本源的価値は一定程度評価されており、また、足許の当社の市場株価に対するプレミアム水準という観点においても、類似取引事例と比較して一般的な水準であると認識するものの、当社が考える本源的価値が最大限評価されていない可能性があると懸念していることから、当社が考える当社の本源的価値に対する認識を説明するとともに、森氏及びブラックストーンが考える当社の本源的価値に対する認識の説明を要請することに加え、その他未提案の事項があれば提案を求める旨を要請いたしました。当社からのかかる要請を受けて、森氏及びブラックストーンから、2024年5月10日に、森氏及びブラックストーンが考える当社事業計画の各セグメントへの見立てについての考えを受けるとともに、当社の将来性や事業の成長性に対して疑いはなく、当社が2024年5月9日に当社から説明した当社の本源的価値に対する認識も理解した上での提案であることからも更なる提案価格の引上げは困難であるため、本公開買付価格を2,800円に維持するという提案に加えて、本公開買付けについては、本クリアランスの取得が完了している必要があるものの、本クリアランスに係る手続及び対応に一定期間を要することが見込まれることから、本公開買付けは本クリアランスの取得完了後、速やかに実施することを予定している旨回答を受けました。その後、森氏及びブラックストーンに対して、2024年5月10日、最終的な意思決定は本特別委員会の答申を踏まえた上で2024年5月13日付の当社取締役会決議を経てなされるという前提の下、同日時点における当社の意見として本公開買付価格を2,800円とする旨の提案を受諾する旨を回答いたしました。

 さらに、当社は、リーガル・アドバイザーであるシティユーワ法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2024年5月10日付答申書の提出を受けました。

 

(4)判断の内容

 当社は、シティユーワ法律事務所から受けた法的助言及びKPMGから2024年5月10日付で取得した本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。当社としては、当社グループを取り巻く事業環境は日々変化し、再生医療をはじめとした新技術の開発の増加及びグローバル化、開発期間の短縮化、並びに開発手法の変化等により、臨床試験に対するニーズも多様化しており、また、「ドラッグ・ラグ」や「ドラッグ・ロス」といった問題も顕在化しており、日本の医薬品開発環境における課題の解決や激しい環境変化に対して、迅速かつ適切な対応が求められていると認識しております。このような経営環境の下、当社グループは、具体的に以下のように経営課題を捉えた上で、各経営課題に対する施策に取り組んでおります。

 

(a)収益力の向上

 当社グループは、新しい医薬品・医療技術の発展に貢献すべく、遺伝子治療や再生医療といった先端医療分野における自社開発や受託製造、開発支援等に注力しておりますが、先端医療事業及び創薬事業において安定した収益を確保するには相応の時間がかかるものであり、SMO事業・CRO事業・メディカルサポート事業での、収益力の向上が課題であると考えております。これについては、SMO事業において、開発ニーズの高い領域をターゲットに案件の獲得に努めるとともに、支援内容に応じた適切な受託単価の設定や人的資源の適正配置により収益及び利益の向上を図っております。CRO事業においては、海外及び国内における早期臨床試験の受託拡大に努めるとともに、アカデミアや再生医療等製品の新規臨床試験の受託を拡大するための取組みを強化しております。また、メディカルサポート事業において、クリニックモール事業における運営施設の収益性の向上を図っております。先端医療事業においては、iPS細胞作製キットの販売やiPS細胞を作製する技術の特許実施許諾に関わるライセンス事業の推進による収益確保に加え、iPS細胞培養上清液を原料に用いた化粧品の販売及び一般用医薬品、医薬部外品等の販売を行うEC事業により、収益及び利益の拡大を図っております。さらに、当社グループの優れた遺伝子導入技術を用いた遺伝子治療製剤や遺伝子編集技術など、新たな医薬品・再生医療等製品の創出に努めるとともに、主要パイプラインの早期ライセンスアウトを目指しております。

 

(b)資金調達

 当社グループでは、人材の確保や研究開発等のための継続的な投資を行っております。これらの投資は今後の成長のために必要なものと考えており、製薬企業等との共同研究による開発資金の確保や金融機関・資本市場等を通じた資金調達の可能性を必要に応じて検討しております。

 

(c)内部管理体制の整備

 当社グループは従来から、取締役に対する監督機能の強化並びに経営の透明性の向上等、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでおり、意思決定の透明性・迅速性を高めるべく内部管理体制の整備を行っております。また、当社グループはM&A等により業容拡大を図っており、新たにグループ化した関係会社等と理念やビジョン等を共有し、人材・組織・インフラ等の統合を含む実質的な経営統合を早期に実現することが重要と考えております。そのような中、関係会社等の業務の適正を確保するため、関係会社管理規程を定めております。さらに、定期的に業務、業績及びその他重要な事項に関する報告を求めるとともに、業務又は業績に重要な影響を及ぼし得る事項については、当社の事前承認を必要とする体制を確保することで、関係会社等の経営内容を的確に把握し、管理する内部環境整備に努めております。

 

(d)業務品質の確保

 医薬品開発を取り巻く環境は日進月歩で変化し、再生医療をはじめとした新技術の開発の増加や開発のグローバル化、開発期間の短縮化、並びに開発手法の変化等により、臨床試験に対するニーズも多様化し、そのような変化に伴い、倫理性・科学性・信頼性等の品質に係る関連法規制も複雑化・厳格化していると考えております。当社グループでは、創業以来、品質を確保するためのプロセス構築と管理を重視しており、プロセスを可視化し、常に検証・改善するとともに、グループ内の業務手順を統一することで、高いレベルでの品質の標準化と迅速な試験実施支援に努めております。

 

(e)人材の確保

 SMO事業におけるCRC・SMAやCRO事業におけるCRA・DM、先端医療事業における研究開発・ベクター製造・細胞培養加工等の人材等、各事業の成長に適した人材の確保が必要であり、当社グループでは、人材の採用及び人材育成を重要な課題と考えて取り組んでおります。

 

 そして、公開買付者は、協議・交渉の過程において、当社について、今後中長期的な企業価値向上の実現のためには、海外事業の拡大やM&Aによる非連続的な成長を含む各種施策を通じた競争力のあるグローバルな体制の構築が必要であると認識しており、ブラックストーンが有する知見やネットワークを活用して経営改革を推進することで、最適なリソース配置や営業戦略の高度化によるSMO事業の更なる拡大や、ブラックストーンのネットワークを活かしたCRO受託機会の拡大等にも繋がり、当社グループ単独では成し得ない当社グループの新たな成長が実現でき、より事業規模の大きなヘルスケアサービスプラットフォームへの進化にも期待ができると考えていることを当社に対して伝達し、当社としても、これらの施策は、当社が認識する経営課題に対する取組みの加速及び当社の中長期的な更なる企業価値向上のために積極的に推進していくべき施策であると認識しております。

 上記を踏まえ、当社は、本取引が当社グループの中長期的な企業価値向上に資するものと判断いたしました。

 なお、当社が当社株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用や知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられます。

 しかしながら、当社の現在の財務状況や昨今の間接金融における低金利環境等に鑑みると、今後数年間においてはエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれません。加えて、当社の社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等は事業活動を通じて獲得される部分もあること、また、当社が非公開化することにより、人材確保に影響が生じることは考え得るものの、当社がこれまで培ってきたブランド力・知名度により、当社の非公開化が人材確保に与える影響は大きくないと考えられること、更に、コーポレートガバナンス・コード等への対応のために増加を続けていた上場維持費用や金融商品取引法上の開示及び監査対応に係るリソース及び費用、IR関連費用等株主対応に関する経営資源を他の経営課題の解決に振り分けることが可能になる等の理由から、非公開化のデメリットは限定的であると考えております。

 そのため、当社は、2024年5月13日開催の取締役会において、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。

 

 当社は、このような協議・検討の過程において、本公開買付価格が、(a)KPMGによる当社株式の算定結果のうち、市場株価平均法に基づく算定結果のレンジの上限を上回っており、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの範囲内であること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である2024年5月10日の東京証券取引所プライム市場における当社株価の終値1,850円に対して51.35%、過去1ヶ月間の終値単純平均値1,811円に対して54.61%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,837円に対して52.42%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,912円に対して46.44%のプレミアムがそれぞれ加算されており、近時の他のMBO事例(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保にむけて―」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2024年4月15日までに公開買付けが成立した非公開化を目的としたMBO案件の事例、56件(公開買付け未実施・不成立の事例及び対象会社の賛同又は応募推奨がない事例は除外))におけるプレミアム水準の中央値(公表日の前営業日の終値に対して42.44%、公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して45.18%、公表日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して45.52%、公表日の前営業日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して48.57%。小数点以下第三位を四捨五入。)と比較し、公表日の前営業日の終値、公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値、公表日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムについては、同種事例を上回っていることから、遜色ない合理的なプレミアムが付された価格であると評価できること、(c)利益相反を解消するための措置が取られていること等、一般株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)本公開買付価格が、上記利益相反を解消するための措置が取られた上で、当社と森氏及びブラックストーンとの間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること、より具体的には、KPMGによる当社株式の株式価値に係る算定結果の内容や、シティユーワ法律事務所による本取引に関する意思決定の過程及び方法その他の留意点についての法的助言等を踏まえ、かつ、本特別委員会による意見、指示、要請等を受けた上で森氏及びブラックストーンとの間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた結果として、当初提示額(1株2,400円)よりも、1株当たり400円(16.7%)(小数点以下第二位を四捨五入)引き上げられた価格で提案された価格であること、(e)本公開買付価格が、本特別委員会から取得した2024年5月10日付答申書においても妥当であると判断されていることから、当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

 以上より、当社は、本取引が当社の企業価値向上に資するものであり、かつ本公開買付価格を含む本取引に係る諸条件が妥当なものであると判断したため、2024年5月13日開催の取締役会において、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。

 また、上記の2024年5月13日付の取締役会においては、本公開買付けが開始される際に、当社が設置した本特別委員会に対して、本特別委員会が当社取締役会に対して提出した2024年5月10日付答申書の意見に変更がないか否か検討し、当社取締役会に対し、2024年5月10日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえて、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議いたしました。

 その後、公開買付者は、本公開買付けの実施に向けて、オーストラリアにおける競争法に基づき必要な手続に関する現地法律事務所のアドバイスを得ながら、かかる手続の完了に向けて関係当局等との交渉を進めていたとのことですが、2024年6月20日付当社プレスリリース及び2024年11月8日付公開買付者プレスリリースにおいてお知らせしていましたとおり、それぞれ同日時点でかかる手続及び対応が完了していないとのことでした。また、2024年11月8日付公開買付者プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、公開買付者は、ACCCの最終的な判断は2025年2月6日までに公表される予定である旨、当該当局から通知を受けていたとのことです。

 その後、当社は、2024年12月20日付公開買付者プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、2024年12月20日に、公開買付者より、本公開買付けの決済日後11ヶ月以内に、当社が直接又は間接に保有するCMAXの株式の全てを第三者へ譲渡すること等を条件に、2024年12月20日、ACCCから、本公開買付けに係る本クリアランスの取得を完了し、オーストラリアの競争法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けの開始の前提条件がいずれも充足されることが見込まれる、2025年1月下旬を目途に、本公開買付けを開始することを予定している旨の連絡を受けました。

 当社は、公開買付者が2024年6月中旬頃を目途に本公開買付けを開始することを目指していたことを受け、2024年6月13日から審議を再開し、2025年1月30日までに開催された計5回(約3時間)の特別委員会において、各委員に対して、公開買付者における本クリアランスの取得状況を共有しました。本特別委員会は、改めて、当社に対して、2024年5月13日以降、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、追加諮問事項について検討を行った結果、2024年5月13日以降、2025年1月30日までの事情を勘案しても2024年5月10日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年1月30日に、当社取締役会に対して、2024年5月10日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がない旨の追加答申書を提出いたしました。

 その上で、当社は、本特別委員会から提出された追加答申書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年1月31日時点においても、2024年5月13日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。

 

2.本株式併合の割合

  当社株式について、1,655,200株を1株に併合いたします。

 

3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠

(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法

 ① 会社法第235条第1項又は第2項において準用する同法第234条第2項のいずれかの規定による処理を予定しているかの別及びその理由

上記「1.株式併合の目的及び理由」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者及び森氏以外の株主の皆さまの所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(その合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を売却し、その売却により得られた代金を株主の皆さまに対して、その端数に応じて交付いたします。

当該売却について当社は、本株式併合が、当社の株主を公開買付者及び森氏のみとすることを目的とする本取引の一環として行われるものであること、及び当社が2025年5月12日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買取人が現れる可能性は低いことに鑑み、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て公開買付者に売却することを予定しております。

この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおりに得られた場合には、株主の皆さまの所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である2,800円を乗じた金額に相当する金銭を各株主の皆さまに交付できるような価格に設定する予定です。ただし、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあります。

 

 ② 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者の氏名又は名称

   ビー・エックス・ジェイ・ビー・ツー・ホールディング株式会社

 

 ③ 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性

   公開買付者は、本株式併合により生じる端数の合計数に相当する当社株式の取得に要する資金を、株式会社みずほ銀行、株式会社三菱UFJ銀行及び三井住友信託銀行株式会社からの借入れ並びにBlackstone Capital Partners Asia II L.P.より、BXJB Holdings (CYM) L.P.(以下「BXファンド」といいます。)及びビー・エックス・ジェイ・ビー・ワン・ホールディング株式会社(以下「公開買付者親会社」といいます。)を経由して行われる出資又は融資により賄うことを予定しているとのことです。

当社は、本公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類として提出された、株式会社みずほ銀行からの借入れに関する2025年1月31日付融資証明書、株式会社三菱UFJ銀行からの借入れに関する2025年1月31日付融資証明書及び三井住友信託銀行株式会社からの借入れに関する2025年1月31日付融資証明書を確認するとともに、BXファンド及び公開買付者親会社を経由して行われる出資又は融資の方法により資金提供を行う旨の2025年1月31日付資金提供証明書を確認することによって、公開買付者の資金確保の方法を確認しております。

また、公開買付者によれば、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払に支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、また、今後発生する可能性も認識していないとのことです。

したがって、当社は、公開買付者による端数相当株式の売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法は相当であると判断しております。

 

 ④ 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み

   当社は、本株式併合の効力発生後、2025年5月下旬を目途に会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を売却することについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動し得ますが、当社は、当該裁判所の許可を得て、2025年6月下旬を目途に当社株式を売却し、その後、当該売却によって得られた代金を株主の皆さまに交付するために必要な準備を行った上で、2025年8月下旬を目途に、当該売却代金を株主の皆さまに交付することを見込んでおります。当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主の皆さまへの交付が行われるものと判断しております。なお、当該売却代金は、本株式併合の効力発生の前日である2025年5月13日時点の当社の最終の株主名簿における各株主の皆さまに対し、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付する予定です。

 

(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠

   本株式併合においては、上記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」の「① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、株主の皆さまの所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である2,800円を乗じた金額に相当する金銭を、株主の皆さまに交付することを予定しております。

当社は、本公開買付価格について、(a)KPMGによる当社株式の算定結果のうち、市場株価平均法に基づく算定結果のレンジの上限を上回っており、また、DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内であること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である2024年5月10日の東京証券取引所プライム市場における当社株価の終値1,850円に対して51.35%、過去1ヶ月間の終値単純平均値1,811円に対して54.61%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,837円に対して52.42%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,912円に対して46.44%のプレミアムがそれぞれ加算されており、近時の他のMBO事例(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保にむけて―」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2024年4月15日までに公開買付けが成立した非公開化を目的としたMBO案件の事例、56件(公開買付け未実施・不成立の事例及び対象会社の賛同又は応募推奨がない事例は除外))におけるプレミアム水準の中央値(公表日の前営業日の終値に対して42.44%、公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して45.18%、公表日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して45.52%、公表日の前営業日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して48.57%。小数点以下第三位を四捨五入。)と比較し、公表日の前営業日の終値、公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値、公表日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムについては、同種事例を上回っていることから、遜色ない合理的なプレミアムが付された価格であると評価できること、(c)下記記載の利益相反を解消するための措置が取られていること等、一般株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)本公開買付価格が、上記利益相反を解消するための措置が取られた上で、当社と森氏及びブラックストーンとの間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること、より具体的には、KPMGによる当社株式の株式価値に係る算定結果の内容や、シティユーワ法律事務所による本取引に関する意思決定の過程及び方法その他の留意点についての法的助言等を踏まえ、かつ、本特別委員会による意見、指示、要請等を受けた上で森氏及びブラックストーンとの間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた結果として、当初提示額(1株2,400円)よりも、1株当たり400円(16.7%)(小数点以下第二位を四捨五入)引き上げられた価格で提案された価格であること、(e)本公開買付価格が、本特別委員会から取得した2024年5月10日付答申書においても妥当であると判断されていることから、当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

また、当社は、本取引が当社の企業価値向上に資するものであり、かつ本公開買付価格を含む本取引に係る諸条件が妥当なものであると判断したため、2024年5月13日開催の取締役会において、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。また、上記の2024年5月13日付の取締役会においては、本公開買付けが開始される際に、当社が設置した本特別委員会に対して、本特別委員会が当社取締役会に対して提出した2024年5月10日付答申書の意見に変更がないか否か検討し、当社取締役会に対し、2024年5月10日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえて、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議いたしました。その後、公開買付者は、本公開買付けの実施に向けて、オーストラリアにおける競争法に基づき必要な手続に関する現地法律事務所のアドバイスを得ながら、かかる手続の完了に向けて関係当局等との交渉を進めていたとのことですが、2024年6月20日付当社プレスリリース及び2024年11月8日付公開買付者プレスリリースにおいてお知らせしていましたとおり、それぞれ同日時点でかかる手続及び対応が完了していないとのことでした。また、2024年11月8日付公開買付者プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、公開買付者は、ACCCの最終的な判断は2025年2月6日までに公表される予定である旨、当該当局から通知を受けていたとのことです。その後、当社は、2024年12月20日付公開買付者プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、2024年12月20日に、公開買付者より、本公開買付けの決済日後11ヶ月以内に、当社が直接又は間接に保有するCMAXの株式の全てを第三者へ譲渡すること等を条件に、2024年12月20日、ACCCから、本公開買付けに係る本クリアランスの取得を完了し、オーストラリアの競争法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けの開始の前提条件がいずれも充足されることが見込まれる、2025年1月下旬を目途に、本公開買付けを開始することを予定している旨の連絡を受けました。当社は、公開買付者が2024年6月中旬頃を目途に本公開買付けを開始することを目指していたことを受け、2024年6月13日から審議を再開し、2025年1月30日までに開催された計5回(約3時間)の特別委員会において、各委員に対して、公開買付者における本クリアランスの取得状況を共有しました。本特別委員会は、改めて、当社に対して、2024年5月13日以降、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、追加諮問事項について検討を行った結果、2024年5月13日以降、2025年1月30日までの事情を勘案しても2024年5月10日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年1月30日に、当社取締役会に対して、2024年5月10日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がない旨の追加答申書を提出いたしました。その上で、当社は、本特別委員会から提出された追加答申書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年1月31日時点においても、2024年5月13日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。以上より、当社は、2025年1月31日、会社法第370条による取締役会決議(書面決議)により、当社の利害関係を有しない取締役(取締役合計16名のうち、森氏を除く取締役15名)の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。

その後、本臨時株主総会の招集を決議した2025年3月25日開催の取締役会の開催時点に至るまでに、本取引に関する当社の判断の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。

以上より、当社は端数処理により株主の皆さまに交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。

 

(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置

   当社は、本公開買付けを含む本取引がいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当するものであり、構造的な利益相反の問題が存在するために、当社の一般株主の皆様の保護を目的として、本取引における本公開買付価格の公正性の担保、本取引の実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の観点から本取引の公正性を担保する措置の一つとして、意思決定の恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性のある意思決定過程を確立するため、以下の措置を実施いたしました。

   なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

 

 ① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

   当社は、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会における意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付関係者等及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてKPMGに当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年5月10日付で本株式価値算定書を取得しております。なお、KPMGは、公開買付関係者等の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係るKPMGに対する報酬は、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりKPMGを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また本特別委員会は、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関につき、独立性及び専門性に問題がないこと及び本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを、第1回の本特別委員会において確認しております。

 

KPMGは、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討した結果、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法及び将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を用いてそれぞれ株式価値の算定を行い、当社はKPMGから2024年5月10日付で本株式価値算定書を取得しました。なお、当社は、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、KPMGから本公開買付価格の妥当性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。上記の各手法において算定された当社株式1株当たりの価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。

 

市場株価平均法 :1,811円から1,912円

DCF法  :2,506円から3,339円

 

市場株価平均法では、本公開買付けに関する当社取締役会決議の前営業日にあたる2024年5月10日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値1,850円、基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,811円、基準日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値1,837円及び基準日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値1,912円を基に、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,811円から1,912円までと算定しております。

DCF法では、当社の2025年3月期から2029年3月期までの5期分の事業計画(以下「本事業計画」といいます。なお、森氏は本事業計画の作成に一切関与しておりません。)における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として当社が2025年3月期より将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、事業リスクを考慮した適切な割引率で現在価値に割り引いて当社の株式価値を算定し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を2,506円から3,339円と算定しております。なお、割引率には加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital:WACC)を使用しております。加重平均資本コストは、資本資産価格モデル(Capital Asset Pricing Model:CAPM)により見積もった資本コストと、節税効果控除後の予想調達金利により見積もった負債コストを、当社及び類似上場会社の情報により見積もられた株主資本構成比率で加重平均することにより計算しており、8.5%~9.5%を採用しております。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法を採用し、永久成長率法では成長率を0.4%~1.4%としております。

KPMGがDCF法による算定の前提とした本事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。

本事業計画には、対前年度比較において大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年3月期において、2024年3月期に見込んでおりましたSMO事業における一部の大型案件の受注が2025年3月期に後ろ倒しとなったことから、営業利益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。また2027年3月期において、2026年3月期までは既存設備の維持更新投資のみではなく、先端医療事業において製造設備等の大規模な設備投資を予定している一方で、2027年3月期以降は主に既存設備の維持更新投資のみを予定していることから、設備投資額の減少に伴うフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。さらに2028年3月期において、創薬事業における新製品の開発完了及び上市に伴うパイプラインの拡充により、営業利益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。なお、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味しておりません。

(単位:百万円)

 

2025年

3月期

2026年

3月期

2027年

3月期

2028年

3月期

2029年

3月期

売上高

20,765

22,197

24,436

27,282

29,042

営業利益

2,669

3,429

3,598

5,254

6,208

EBITDA

3,903

4,700

4,923

6,579

7,533

フリー・キャッシュ・フロー

1,093

1,234

2,511

3,885

4,801

 

KPMGは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて当社の財務予測に関する情報については、森氏を除く当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。但し、KPMGは、算定の基礎とした当社の本事業計画について、複数回、当社と質疑応答を行い、その作成経緯及び当社の現状を把握した上で、それらに不合理な点がないかという観点から、当社の本事業計画の合理性を確認しております。また、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。

 

② 当社における独立した法律事務所からの助言

  当社は、本公開買付価格の公正性その他の本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、公開買付関係者等から独立したリーガル・アドバイザーとしてシティユーワ法律事務所を選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、シティユーワ法律事務所は、公開買付関係者等の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、シティユーワ法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。本特別委員会は、当社が選任したリーガル・アドバイザーにつき、独立性及び専門性に問題がないこと及び本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを、第1回の本特別委員会において確認しております。

 

③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得

(i)特別委員会の設置等の経緯

 当社は、本公開買付けを含む本取引がいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当するものであり、構造的な利益相反の問題が存在するために、当社の一般株主の皆様の保護を目的として、本取引における本公開買付価格の公正性の担保、本取引の実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の観点から本取引の公正性を担保する措置の一つとして、意思決定の恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性のある意思決定過程を確立するため、公開買付関係者等及び当社から独立し、高度の識見を有すると考えている前田豊司氏(当社社外取締役)、小駒皆子氏(当社社外取締役)、佐々木秀次氏(当社社外取締役監査等委員)、髙橋壮志氏(当社社外取締役監査等委員)の4名によって構成される本特別委員会を設置することを、2024年3月11日の取締役会において決議いたしました。当社は当初からこの4名を本特別委員会の委員として選任しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。また当社は、取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(a)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む。)、(b)本取引の条件の公正性・妥当性、(c)本取引に係る手続の公正性、(d)当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明すること及び当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非、及び(e)当社取締役会における本取引についての決定が、当社の少数株主にとって不利益なものではないか(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問し、これらの点についての答申を当社に提出することを嘱託いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会を、当社取締役会から独立した合議体として位置づけ、当社取締役会は、本取引に関する意思決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が当社取締役会に対し、本公開買付けに賛同すべきでない、当社の株主に対する応募推奨をすべきでないと判断した場合には、当社取締役会は、これに従って、前者の場合は本公開買付けへの賛同意見の表明は行わないこと、後者の場合は当社の株主に対する応募推奨を行わないこととすることを決議しております。さらに、本特別委員会に対しては、(i)必要に応じて取引条件等について提案者と交渉を行う(当社及びそのアドバイザーを通じた間接的な交渉を含む。)権限、(ⅱ)当社の費用負担のもと、特別委員会のアドバイザーを選任する権限(当社の取締役会がその選定を追認した当社法務アドバイザーとしてのシティユーワ法律事務所及び当社ファイナンシャル・アドバイザー兼第三者評価機関としてのKPMGを事後的に承認する権限を含む。)、(ⅲ)当社の役職員から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限を付与することを決議しております。

 なお、本特別委員会の各委員に対しては、固定報酬が支払われることとされており、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。

(ⅱ)特別委員会における検討等の経緯

 本特別委員会は、2024年3月14日より2024年5月10日までの間に合計8回開催され、本諮問事項についての協議及び検討を行いました。

 具体的には、本特別委員会は、まず、2024年3月14日、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてのKPMG、並びにリーガル・アドバイザーとしてのシティユーワ法律事務所について、公開買付関係者等及び当社からの独立性及び専門性に問題がないことを確認し、それぞれを当社のアドバイザーと選任することを承認しております。また、本特別委員会は、必要に応じて当社のアドバイザー等から専門的助言を得ることとし、本特別委員会として独自にアドバイザー等を選任しないことを確認しております。さらに、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制についても、当社から説明を受けた上で、独立性の観点から問題がない旨も確認しております。

 その上で、本特別委員会は、シティユーワ法律事務所から、特別委員会の設置が求められる背景、特別委員会の役割等についての説明を受け、本取引に関する意思決定の過程、方法その他の本取引に関する意思決定にあたっての留意事項等についての法的助言を踏まえ、本取引における手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。

 また、本特別委員会は、当社から、当社の経営環境・経営課題、これに対する森氏及びブラックストーンの提案する本取引及び施策の意義、有効性等について確認し、質疑応答を行っております。また、公開買付者及び当社より提出された各検討資料その他必要な情報・資料等の収集及び検討を行うとともに、森氏及びブラックストーンに対して書面で質問し、回答を受けた上で、KPMG及びシティユ-ワ法律事務所と共に、森氏及びブラックストーンとの面談によるヒアリング調査を行っております。これらによって、当社の経営環境・経営課題及びこれに対する森氏及びブラックストーンの認識の確認、本取引の内容、背景、意義・目的、本取引後に検討している施策の内容、本取引及び当該施策が当社の企業価値に与える影響、公開買付者及び当社が意思決定をするに至る経緯・検討経緯の妥当性その他本取引に関連する事項について、説明を受けるとともに、本取引の目的や背景、本取引を行うことを必要と考える理由、本取引実施後の経営体制及び実施予定の施策等について質疑応答を行いました。

 さらに、本特別委員会は、当社の本事業計画について、公開買付関係者等から独立した者によって作成されていることを確認するとともに、当社から重要な前提条件について説明を受け、最終的な本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認し、承認しております。その上で、KPMGから、当社株式の本株式価値算定書について説明を受け、当該価値算定の前提等に関するヒアリング調査をしました。

 また、2024年4月17日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり2,400円とする提案を受領して以降、森氏及びブラックストーンと当社との間における本取引の条件に係る協議・交渉において、当社から本特別委員会に対して、その経緯及び内容等について適示に報告を行った上で、本特別委員会は、KPMGによる当社株式の株式価値の算定結果、公開買付者との交渉方針等を踏まえた助言、並びにシティユーワ法律事務所からの本取引における手続の公正性を確保するための対応等についての法的助言を踏まえて、本公開買付価格についての検討を行い、交渉方針を当社に伝達する等、森氏及びブラックストーンとの交渉過程に積極的に関与しております。

 さらに、本特別委員会は、シティユーワ法律事務所から、複数回、当社が公表又は提出予定の本公開買付けに係るプレスリリース及び意見表明報告書の各ドラフト、並びに公開買付者が提出予定の本公開買付けに係る公開買付届出書のドラフトの内容について説明を受け、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。

(ⅲ)特別委員会における判断内容

 本特別委員会は、以上のような経緯の下、本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2024年5月10日付答申書を提出いたしました。

(a)答申内容

1 本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は正当かつ合理的なものと認められると考える。

2 本公開買付けにおける本公開買付価格を含む本取引の条件の公正性及び妥当性は確保されていると考える。

3 本公開買付けを含む本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への配慮がなされていると認められると考える。

4 上記①から③を踏まえると、当社取締役会が、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨することは相当であると考える。

5 上記①から③を踏まえると、当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をすることは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える。また、本公開買付け後に予定されている当社株式を非公開化することを目的とする株式併合を決定することは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える。

(b)答申の理由

 以下の点より、本特別委員会は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであり、本公開買付けを含む本取引の目的は合理的と認められると判断するに至った。

1 当社グループは、収益力の向上、資金調達、内部管理体制の整備、業務品質の確保及び人材の確保といった経営課題を有しているところ、本取引の目的は、今後中長期的な企業価値向上の実現のために、海外事業の拡大やM&Aによる非連続的な成長を含む各種施策を通じた競争力のあるグローバルな体制の構築が必要であることから、ブラックストーンが有する知見やネットワークを活用して経営改革を推進することで、最適なリソース配置や営業戦略の高度化によるSMO事業の更なる拡大や、ブラックストーンのネットワークを活かしたCRO受託機会の拡大等、当社グループ単独では成し得ない当社グループの新たな成長を実現させ、より事業規模の大きなヘルスケアサービスプラットフォームに進化させることにあるが、本特別委員会としても、当社が認識する当社を取り巻く経営環境及び経営課題に不合理的な点はなく、本取引の目的には合理性があるものと思料する。

2 当社、ブラックストーン及び森氏は、本取引に伴う当社グループの継続的な成長に向けた支援、M&Aによる非連続な成長機会の探索及び組織力強化に向けた取組みといった企業価値の向上のための施策等に関して、複数回にわたり両社の間で協議を行い、また、本特別委員会においても、本取引に伴い当社に生じる企業価値の向上について、当社取締役副社長松島正明、当社取締役副社長渡辺潔及び取締役小島修一から説明を受けるとともに、本特別委員会において、上記の説明者に対して、具体的な内容や効果、その実現可能性等に関して質疑応答等を行ったものの、その内容は合理的な内容であったことから、本特別委員会は、当社並びに森氏及びブラックストーンが両社間の協議の結果想定する当社の企業価値の向上のための施策については、その内容は合理的な内容であり、本取引により一定の企業価値の向上が見込まれるものと考える。

 

 以下の点より、本特別委員会は、本公開買付価格を含む本取引の条件の公正性及び妥当性は確保されていると判断するに至った。

1 株式価値算定書の算定手法である市場株価平均法及びDCF法は、現在の実務に照らして一般的、合理的な手法であると考えられ、その選定にあたり恣意性は認められず、DCF法においては、その算定内容も現在の実務に照らして妥当なものであると考えられること、当該DCF法の算定の基礎とした当社の本事業計画について、当社からその内容及び作成経緯等について説明を受け、その作成目的、作成手続及びその内容について、特に不合理な点がないと考えられること、及び、本公開買付価格は、市場価格から見れば相応のプレミアムが付されていると評価でき、また、KPMGによる市場株価平均法による算定結果の上限値を超え、かつDCF法による算定結果のレンジの範囲内にあることから、合理性を有する。

2 森氏及びブラックストーンとの交渉は、本特別委員会において決定された交渉方針の下で、その指示に従って行われ、かかる交渉の結果として当初提案から16.7%(400円)(小数点以下第二位を四捨五入)の価格の引き上げを実現した。

3 本取引の方法に不合理な点は認められない。

 

 以下の点より、本特別委員会は、本取引において、公正な手続を通じた当社の少数株主の利益への十分な配慮はなされていると判断するに至った。

1 当社取締役会は、公開買付者、公開買付者親会社、ブラックストーン及び森氏から独立した本特別委員会を設置している。

2 当社は、公開買付者、公開買付者親会社、ブラックストーン及び森氏から独立したリーガル・アドバイザーであるシティユーワ法律事務所並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるKPMGから助言を受けている。

3 本特別委員会は、当社が選任したリーガル・アドバイザー並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから専門的助言を受けている。

4 当社はKPMGから本株式価値算定書を取得している。

5 森氏が本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、特別利害関係人として、本取引に係る取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、かつ、当社の立場で本取引の協議及び交渉に一切参加していない。

6 利益相反のおそれのある当社代表取締役社長の森氏を本取引に係る取引条件に関する協議・交渉過程及び当社株式の価値算定の基礎となる当社の本事業計画の作成過程に関与させない体制を構築している。

7 公開買付期間が法令に定められた最短期間(20営業日)よりも長期(30営業日)に設定されるとともに、当社は公開買付者との間で、本取引の公表後において、当社が公開買付者以外の者(対抗的買収提案者)と接触することを制限するような合意は一切行なっておらず、いわゆる間接的マーケット・チェックが行われていると認められる。

8 本取引については強圧性の問題が生じないように配慮の上、スクイーズアウト手続の適法性も確保されているといえる。

 

 その後、2024年6月20日及び2024年11月8日付で公表した「株式会社アイロムグループ(証券コード2372)に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」(以下、それぞれ「2024年6月20日付公開買付者プレスリリース」、「2024年11月8日付公開買付者プレスリリース」といいます。)においてお知らせしていましたとおり、同国における競争法に基づく手続及び対応に時間を要したことから、それぞれ同日時点でかかる手続及び対応が完了していないとのことでした。また、2024年11月8日付公開買付者プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、ブラックストーンは、ACCCの最終的な判断は2025年2月6日までに公表される予定である旨、当該当局から通知を受けていたとのことです。

 その後、当社は、2024年12月20日付公開買付者プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、2024年12月20日に、公開買付者より、本公開買付けの決済日後11ヶ月以内に、当社が直接又は間接に保有するCMAXの株式の全てを第三者へ譲渡すること等を条件に、2024年12月20日、ACCCから、本公開買付けに係る本クリアランスの取得を完了し、オーストラリアの競争法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けの開始の前提条件がいずれも充足されることが見込まれる、2025年1月下旬を目途に、本公開買付けを開始することを予定している旨の連絡を受けました。

 本特別委員会は、当社に対して、2024年5月13日以降、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、追加諮問事項について検討を行った結果、2024年5月13日以降、2025年1月30日までの事情を勘案しても2024年5月10日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年1月30日に、当社取締役会に対して、2024年5月10日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がない旨の追加答申書を提出いたしました。当該追加答申書の内容は以下のとおりです。

(a)答申内容

 当社取締役会に対して、2024年5月13日以降、2025年1月30日までの事情を勘案しても2024年5月10日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことから、同日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更はない。

(b)答申の理由

 本特別委員会は、以下のとおり、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係等の確認をし、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、その目的には正当性・合理性が認められ、当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の公正性・妥当性及び手続の公正性も認められると判断するに至った。

1 CMAX株式譲渡によって、CMAXが当社の子会社でなくなったとしても、ブラックストーンのヘルスケア領域における深い知見や国内外のネットワークを活用し、当社グループのSMO事業及びCRO事業に対してグローバルで競争力のある営業体制の構築を推進することが可能であり、M&Aによる非連続な成長機会の探索及び組織力強化に向けた取組みを実現できることから、本取引が企業価値の向上に資するものであることに変わりがないこと

2 2024年5月13日以降、本公開買付けに係る公開買付価格2,800円を上回る株価の推移は生じていないこと

3 本公開買付けに係る公開買付期間について、2024年5月10日付答申書では「公開買付期間が法令に定められた最短期間(20営業日)よりも長期(30営業日)に設定されるとともに、当社は公開買付者との間で、本取引の公表後において、当社が公開買付者以外の者(対抗的買収提案者)と接触することを制限するような合意は一切行なっておらず、いわゆる間接的マーケット・チェックが行われていると認められる。」と判断したところ、本公開買付けに係る公開買付期間を30営業日から20営業日に変更したとしても、法令に定められた最短期間である20 営業日と同じ期間であるものの、2024年5月13日付で本公開買付けを公表してから本公開買付けを開始するまで、8ヶ月以上(本クリアランスの取得の公表から1ヶ月以上)経過し、本公開買付けの開始まで比較的長期間が確保されており、当社株主による本公開買付けへの応募への適切な判断機会及び公開買付者以外の対抗的買収提案者による買収提案の機会が十分に確保されていると考えられること、並びに、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意をしていないことから、本公開買付けを含む本取引において、公正な手続を通じた当社の一般株主の利益への十分な配慮や間接的なマーケット・チェックが行われていると考えられること

 

④ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認

  当社は、KPMGより取得した本株式価値算定書、シティユーワ法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出を受けた2024年5月10日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引の諸条件について慎重に検討を行いました。

その結果、当社は、2024年5月13日開催の取締役会において、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値向上に資するものであるとともに、本株式価値算定書の算定結果及び本公開買付価格のプレミアム水準、公開買付者との交渉過程並びに本公開買付価格の決定プロセス等に照らし、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを、審議及び決議に参加した当社の利害関係を有しない取締役(取締役合計16名のうち、森氏を除く取締役15名)の全員一致で決議いたしました。

上記の2024年5月13日付取締役会においては、当社の代表取締役社長である森氏は、当社の筆頭株主であり、かつ本再出資が予定されていることから、本取引において特別の利害関係を有しており、当社との間で利益が相反する可能性があることから、本取引の検討に関する議題の審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場においてブラックストーンとの協議及び交渉には一切参加しておりません。

また、上記の2024年5月13日付の取締役会においては、本公開買付けが開始される際に、当社が設置した本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年5月10日付で当社取締役会に対して提出した2024年5月10日付答申書の意見に変更がないか否か検討し、当社取締役会に対し、2024年5月10日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえて、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。その後、2024年6月20日付公開買付者プレスリリース及び2024年11月8日付公開買付者プレスリリースにおいてお知らせしていましたとおり、同国における競争法に基づく手続及び対応に時間を要したことから、それぞれ同日時点でかかる手続及び対応が完了していないとのことでした。また、2024年11月8日付公開買付者プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、ブラックストーンは、ACCCの最終的な判断は2025年2月6日までに公表される予定である旨、当該当局から通知を受けていたとのことです。

その後、当社は、2024年12月20日付公開買付者プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、2024年12月20日に、公開買付者より、本公開買付けの決済日後11ヶ月以内に、当社が直接又は間接に保有するCMAXの株式の全てを第三者へ譲渡すること等を条件に、2024年12月20日、ACCCから、本公開買付けに係る本クリアランスの取得を完了し、オーストラリアの競争法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けの開始の前提条件がいずれも充足されることが見込まれる、2025年1月下旬を目途に、本公開買付けを開始することを予定している旨の連絡を受けました。

本特別委員会は、改めて、当社に対して、2024年5月13日以降、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、追加諮問事項について検討を行った結果、2024年5月13日以降、2025年1月30日までの事情を勘案しても2024年5月10日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年1月30日に、当社取締役会に対して、2024年5月10日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がない旨の追加答申書を提出いたしました。

その上で、当社は、本特別委員会から提出された追加答申書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年1月31日時点においても、2024年5月13日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。

以上より、当社は、2025年1月31日、会社法第370条による取締役会決議(書面決議)により、当社の利害関係を有しない取締役(取締役合計16名のうち、森氏を除く取締役15名)の全員一致で、改めて、本公開買付けに対する賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。

 

⑤ 当社における独立した検討体制の構築

  当社は構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付関係者等から独立した立場で、本取引に係る検討、 交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、森氏は、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、本取引に関する取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付関係者等との協議及び交渉にも一切参加しておりません。本取引に関する検討、交渉及び判断を行う当社の検討体制は、全て公開買付関係者等から独立性の認められる役職員のみで構成することとし、2025年1月31日に至るまでかかる取扱いを継続しております。

公開買付者に対して提示し、かつ、KPMGが当社株式の株式価値の算定において基礎とする本事業計画は、公開買付者から独立した者によって作成されており、最終的な本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について本特別委員会の確認を受け、その承認を受けています。

また、かかる取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制、具体的には本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する役職員の範囲及びその職務(当社の株式価値の評価の基礎となる本事業計画の作成など高い独立性が求められる職務を含みます。)はシティユーワ法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。

 

⑥ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保

公開買付者は、公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)について、20営業日としているものの、本公開買付価格を含む一連の取引条件が公表された後、本公開買付けの開始までの期間が約8ヶ月に亘るため、当社の一般株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会が確保されているとともに、当社株式について公開買付者以外の者(以下、「対抗的買収提案者」といいます。)による買収提案の機会が確保されていると考えているとのことです。

また、公開買付者及び当社の間において、当社による対抗的買収提案者との接触等を過度に制限するような内容の合意は一切行っていないとのことです。このように、上記公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。

 

4.本株式併合がその効力を生ずる日

  2025年5月14日

以 上