【連結財務諸表注記】

1.報告企業

株式会社荏原製作所( 以下「当社」という。)は日本に所在する株式会社であり、登記されている本社の住所は東京都大田区です。当連結会計年度(2024年1月1日から2024年12月31日まで)の連結財務諸表は、当社及び連結子会社( 以下「当社グループ」という。)、並びに関連会社及び共同支配企業の持分等により構成されています。当社グループは、対面市場を軸に「建築・産業」、「エネルギー」、「インフラ」、「環境」、「精密・電子」
の5つの事業を行っています。

当社グループの主な事業内容及び主要な活動は、「6.事業セグメント」に記載しています。

 

2.作成の基礎

(1) IFRS会計基準に準拠している旨

当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成しています。当社は、「連結財務諸表規則」第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしていることから、同312条の規定を適用しています。

早期適用していないIFRS会計基準を除き、当社グループの会計方針は2024年12月31日において有効なIFRS会計基準に準拠しています。

本連結財務諸表は、2025年3月27日に代表執行役社長 CEO兼COO 細田 修吾によって承認されています。

 

(2) 測定の基礎

当社グループの連結財務諸表は、「3.重要性がある会計方針」に記載している金融商品等及び「41.超インフレの調整」を除き、取得原価を基礎として作成しています。

 

(3) 機能通貨及び表示通貨

当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満の端数を切り捨てて表示しています。

 

 

 

3.重要性がある会計方針

(1) 連結の基礎

① 子会社

子会社とは、当社グループにより支配されている企業です。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を与える能力を有する場合をいいます。

子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結財務諸表に含まれています。子会社に対する当社グループ持分の一部を処分した後も支配が継続する場合には、当社グループの持分の変動を資本取引として会計処理しており、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しています。

子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、当社グループが適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えてます。

当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。

 

② 関連会社及び共同支配企業

関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配をしていない企業です。関連会社への投資は持分法によって会計処理しています。

共同支配企業とは当社グループを含む複数の当事者が取決めに対する契約上合意された支配を共有し、関連性のある活動に関する意思決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要とする企業をいいます。共同支配企業への投資は持分法によって会計処理しています。

関連会社に対する投資は当初取得原価で認識されています。重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日までの関連会社の損益及びその他の包括利益に対する当社グループの持分は、関連会社に対する投資額の変動として認識しています。

共同支配企業に対する投資は当初取得原価で認識されています。共同支配を有することとなった日から共同支配を喪失する日までの共同支配企業の損益及びその他の包括利益に対する当社グループの持分は、共同支配企業に対する投資額の変動として認識しています。

持分法適用会社の会計方針は、当社グループが適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しています。

損失に対する当社グループの持分が持分法適用会社に対する投資を上回った場合には、その投資の帳簿価額をゼロまで減額し、当社グループが被投資企業に代わって債務を負担し又は支払いを行う場合を除き、それ以上の損失は認識していません。

 

③ 企業結合

当社グループは、取得法に基づき企業結合の会計処理をしています。非支配持分は、取得日における被取得企業の識別可能純資産に対する比例的持分で当初測定しています。

支払対価の公正価値、被取得企業の非支配持分の金額及び段階取得の場合には取得企業が以前より保有していた被取得企業の支配獲得日の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び引受負債の正味価額を上回る場合に、その超過額をのれんとして認識しています。一方、この対価の総額が、識別可能資産及び負債の正味価額を下回る場合、その差額を利得として損益に認識しています。

企業結合に関連して発生した取得費用は、負債性金融商品及び資本性金融商品の発行費用を除き、発生時に費用として処理しています。

企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した連結会計年度末までに完了していない場合には、完了していない項目を暫定的な金額で計上しています。取得日時点で存在し、なおかつそれを知っていたならば取得日で認識した金額の測定に影響したであろう事実及び状況に関する情報を、認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下、「測定期間」)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しています。この新たに得た情報により資産と負債の追加での認識が発生する場合があります。測定期間は最長で1年間です。

 

(2) 外貨換算

① 外貨建取引

外貨建取引は、取引日における為替レートを用いてグループ企業の各機能通貨に換算しています。外貨建貨幣性資産・負債は、報告日の為替レートで機能通貨に換算しています。外貨建の公正価値で測定される非貨幣性資産・負債は、その公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しています。外貨建の取得原価に基づいて測定されている非貨幣性項目は、取引日の為替レートで換算しています。為替換算差額は通常、純損益で認識し、金融費用として表示していますが、非貨幣性項目の評価差額をその他の包括利益として認識する場合は、当該為替部分はその他の包括利益として認識しています。

 

② 在外営業活動体の財務諸表

在外営業活動体の資産・負債は、取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含め、期末日の為替レートで表示通貨に換算しています。在外営業活動体の収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、報告期間の期中平均為替レートで換算しています。為替換算差額はその他の包括利益で認識し、為替換算差額を非支配持分に配分している部分を除き、為替換算調整勘定に累積しています。在外営業活動体の一部又はすべてを処分し、支配、重要な影響力又は共同支配を喪失する場合には、その在外営業活動体に関連する為替換算調整勘定の累積金額を、処分に係る利得又は損失の一部として純損益に組み替えます。当社グループが、子会社の持分を部分的に処分するが、支配は保持する場合、累積金額の一部は適宜非支配持分に再配分します。当社グループが、支配を保持する一方で、関連会社又は共同支配企業を部分的にのみ処分する場合には、累積金額の一部を適宜純損益に組み替えます。なお、超インフレ経済下にある子会社の収益及び費用は、超インフレ会計の適用により決算日の為替レートで表示通貨に換算しています。超インフレ会計の詳細は「41. 超インフレの調整」に記載のとおりです。

 

(3) 金融商品

① 非デリバティブ金融資産

当社グループは、営業債権を、これらの発生日に当初認識しています。その他の金融資産は、当社グループが当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しています。

当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産の所有に係るリスクと経済的便益を実質的にすべて移転する取引において、当該金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転した時に当該金融資産の認識を中止しています。金融資産の所有に伴う実質的にすべてのリスク及び経済的価値を留保も移転もしない取引においては、当社グループは当該金融資産への支配を保持していない場合にその資産の認識を中止するものとしています。

金融資産の分類及び測定モデルの概要は、以下のとおりです。

(ⅰ) 償却原価で測定する金融資産

次の条件がともに満たされる金融資産を償却原価で測定する金融資産に分類しています。

・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。

・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。

償却原価で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しています。また、当初認識後は実効金利法を適用した総額の帳簿価額から減損損失を控除しています。

(ⅱ) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しています。

公正価値で測定する金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類されたもの以外の金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値により測定し、その取得に直接起因する取引コストは、発生時に純損益で認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しています。

 

(ⅲ) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融商品

公正価値で測定する負債性金融商品のうち、次の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。

・契約上のキャッシュ・フローを回収するため、及び売却するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。

・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しています。また、利息、為替差損益及び減損損失は、純損益として認識し、これらを除いた公正価値の変動額をその他の包括利益として認識しています。

また、売買目的ではない資本性金融商品への投資については、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行うことが認められており、当社グループでは金融商品ごとに当該指定を行い、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に分類しています。

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合(もしくは公正価値が著しく低下した場合)にその累積額を利益剰余金に振り替えており、純損益には振り替えていません。なお、配当については、当該配当金が明らかに投資の取得原価の回収を示している場合を除いて純損益として認識しています。

 

② 金融資産の減損

償却原価で測定する金融資産については、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しています。当社グループは、期末日ごとに信用リスクが当初認識時点から著しく増大しているか否かについて判断しており、信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産の全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定し、著しく増大していない場合には、12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しています。ただし重大な金利要素を含んでいない営業債権、契約資産及びリース債権については、上記に関わらず常に全期間の予想信用損失により貸倒引当金の額を測定しています。

信用リスクの著しい増大の有無は、債務不履行発生のリスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行とは、債務者による契約上のキャッシュ・フローの支払いに重大な問題が生じ、金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない状態と定義しています。債務不履行発生のリスクに変化があるかどうかの判断においては、主に外部信用格付け、期日経過の情報等を考慮しています。期末日において金融商品に係る信用リスクが低いと判断された場合、金融商品に係る信用リスクは当初認識から著しく増大していないと判断されます。当社グループでは、原則として30日を超えて支払いが延滞している場合には、信用リスクが著しく増加していると判断しています。これらの判断には、過大なコストや労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しており、当該情報に基づいて反証可能である場合には、信用リスクの著しい増大は生じていないものと判断しています。

債務者の財政状態の著しい悪化、債務者の破産等による法的整理の手続の開始等があった場合には、当該債権は信用減損が発生していると判定しています。将来回収できないことが明らかとなった債権については、金融資産の帳簿価額を直接減額し、対応する貸倒引当金の金額を減額しています。金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しています。貸倒引当金を減額する事象が発生した場合は、貸倒引当金の戻入額を純損益で認識しています。

金融商品の予想信用損失は、次のものを反映する方法で見積っています。

(ⅰ) 一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額

(ⅱ) 貨幣の時間価値

(ⅲ) 過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報

 

 

③ 非デリバティブ金融負債

当社グループでは、金融負債を発生日に当初認識しており、償却原価で測定しています。当初認識時には公正価値からその発行に直接起因する取引コストを減算して測定しています。また、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しています。

金融負債は、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し又は失効となった時に認識を中止しています。

(ⅰ) 条件付対価

条件付対価はその他の金融負債に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に分類しています。公正価値は、将来の業績等を考慮し、支払額を見込んで算定しています。

 

④ デリバティブ及びヘッジ会計

当社グループでは、為替変動リスク、金利変動リスク等をヘッジするために、先物為替予約取引、金利スワップ取引等のデリバティブ取引を行っています。

当社グループでは、ヘッジの開始時においてヘッジ関係並びにヘッジの実施についてのリスク管理目的及び戦略の公式な指定及び文書化を行っています。当該文書にはヘッジ手段の特定、ヘッジの対象となる項目又は取引、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際してのヘッジ手段の有効性の評価方法が含まれています。また、当社グループでは、これらのヘッジについて、ヘッジされたリスクに起因する公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するに際し極めて有効であると見込んでいますが、ヘッジ指定されていた会計期間を通じて実際に極めて有効であったか否かを判断するために、継続的に評価しています。

デリバティブは公正価値で当初認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動は次のとおり処理しています。

(ⅰ) 公正価値ヘッジ

ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値変動は純損益として認識しています。また、ヘッジされたリスクに対応するヘッジ対象の公正価値の変動については、ヘッジ対象の帳簿価額を修正して、純損益として認識しています。

(ⅱ) キャッシュ・フロー・ヘッジ

ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値変動のうち有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益として認識しています。

その他の包括利益に認識した金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える会計期間においてその他の資本の構成要素から純損益に振り替えています。ただし、予定取引のヘッジがその後において非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益に認識した金額を当該非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。

ヘッジ手段が失効、売却、終結又は行使された場合、ヘッジ比率を調整してもなお、ヘッジの適格要件を満たさなくなった場合には、ヘッジ会計を将来に向けて中止しています。予定取引の発生がもはや見込まれない場合には、その他の包括利益として認識した金額は、即時にその他の資本の構成要素から純損益に振り替えています。

(ⅲ) ヘッジ指定されていないデリバティブ

デリバティブの公正価値の変動は、純損益として認識しています。

 

⑤ 金融資産と金融負債の相殺

金融資産と金融負債は、認識した金額を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、純額で決済する又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合に、相殺して純額で表示しています。

 

(4) 現金及び現金同等物

現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に一定の金額に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。

 

(5) 棚卸資産

棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうち、いずれか低い方の金額で測定しています。棚卸資産の取得原価には、棚卸資産の取得に係る費用、製造費及び加工費並びに棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のコストのすべてを含んでおり、主として総平均法(「精密・電子」は移動平均法)に基づいて配分されています。正味実現可能価額は、通常の営業過程における予想販売価額から完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額としています。

 

(6) 有形固定資産(使用権資産を除く)

① 認識及び測定

当社グループは、有形固定資産の認識後の測定において原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示しています。

取得原価には資産の取得に直接関連する費用、資産の解体及び除去費用、原状回復費用の見積額、並びに資産計上の要件を満たす借入コストが含まれています。

有形固定資産の取得後に発生した支出のうち、通常の修繕及び維持については発生時に費用として処理し、主要な取替及び改良に係る支出については、その支出により将来当社グループに経済的便益がもたらされることが見込まれる場合に限り資産計上しています。

 

② 減価償却

土地、建設仮勘定以外の有形固定資産は、使用が可能となった時点から、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で減価償却しています。主要な有形固定資産の見積耐用年数は次のとおりです。

建物及び構築物

2~60 年

機械装置及び運搬具

2~38 年

 

なお、減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、毎期末日に見直しを行い、必要に応じて改定しています。

 

(7) のれん及び無形資産

① のれん

当初認識時におけるのれんの測定については、「(1) 連結の基礎 ③ 企業結合」に記載しています。のれんは償却を行わず、毎年同時期及び減損の兆候を識別した時はその都度、減損テストを実施しています。のれんの減損損失は損益として認識されますが、戻入れは行っていません。

当初認識後、のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しています。

 

② 無形資産(使用権資産を除く)

個別に取得した無形資産は取得原価で測定しており、企業結合により取得した無形資産の取得原価は企業結合日の公正価値で測定しています。

当社グループは、無形資産の認識後の測定において原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示しています。

耐用年数を確定できる無形資産はそれぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で償却しています。主要な無形資産の見積耐用年数は次のとおりです。

自社利用目的のソフトウエア

5 年

 

耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、毎年同時期及び減損の兆候を識別した時はその都度、減損テストを実施しています。

なお、償却方法及び耐用年数は、毎期末日に見直しを行い、必要に応じて改定しています。

 

 

(8) リース

(借手側)

当社グループは、リースの開始日に使用権資産とリース負債を認識します。契約がリースであるか否か、又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形態をとらないものであっても、契約の実態に基づき判断しています。リース期間は、解約不能期間に合理的に確実な延長するオプション(当社グループが当該オプションを行使することが合理的に確実である場合)と解約するオプション(当社グループが解約オプションを行使しないことが合理的に確実である場合)を加えて決定しています。

使用権資産は、取得原価で当初測定しています。この取得原価は、リース負債の当初測定額に、開始日又はそれ以前に支払ったリース料を調整し、発生した当初直接コストと原資産の解体及び撤去、原資産又は原資産の設置された敷地の原状回復の際に生じるコストの見積を加えた額で、受領済みのリース・インセンティブを控除して算定します。

当初認識後、使用権資産は、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方の日まで、定額法により減価償却します。使用権資産の見積耐用年数は、自己所有の有形固定資産と同様に決定します。

リース負債は、開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定しています。リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社及び当社グループの追加借入利子率を用いており、一般的に、当社及び当社グループは追加借入利子率を割引率として使用しています。

指数又はレートの変動により将来のリース料が変動した場合、残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額の見積りが変動した場合、又は購入、延長、あるいは解約オプションを行使するかどうかの判定が変化した場合、又は解約不能期間に変更が生じる等、リース期間の変化があった場合、リース負債は再測定されます。このようにリース負債を再測定する場合、対応する修正は使用権資産の帳簿価額を修正するか、使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額されている場合には損益として認識します。

当社グループは、連結財政状態計算書において、使用権資産を「有形固定資産」、リース負債を「社債、借入金及びリース負債」に含めて表示しています。

 

短期リース及び少額資産のリース

当社グループは、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースについて、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しています。当社グループは、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しています。

 

(貸手側)

オペレーティング・リース取引においては、対象となる資産を連結財政状態計算書に計上しており、受取リース料は連結損益計算書においてリース期間にわたって定額法により収益として認識しています。

 

(9) 非金融資産の減損

有形固定資産及び無形資産等の非金融資産については、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを評価しています。

減損の兆候が存在する場合には、個別の資産又は資金生成単位ごとの回収可能価額を測定しています。なお、のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、毎期同時期及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。

減損テストにおいて、資産は、継続的な使用により他の資産又は資金生成単位のキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループに集約しています。当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成しないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を見積もっています。

回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方で算定しています。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及びその資産の固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いて算定しています。

 

個別の資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合には純損益にて減損損失を認識し、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しています。

のれんに係る減損損失は、戻入れを行っていません。のれん以外の非金融資産に係る減損損失は、減損損失がもはや存在しないか又は減少している可能性を示す兆候が存在する場合に当該資産の回収可能価額を見積もっており、回収可能価額が減損処理後の帳簿価額を上回った場合には減損損失の戻入れを行っています。なお、減損損失の戻入れは過去の期間において当該資産に認識した減損損失がなかった場合の帳簿価額を超えない範囲を上限として回収可能価額と帳簿価額との差額を純損益にて認識しています。

 

(10) 従業員給付
① 退職後給付

(確定給付制度)

確定給付制度債務は、従業員が過年度及び当連結会計年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割り引くことによって算定しています。割引率は、当社グループの確定給付制度債務と概ね同じ満期日を有する優良社債の期末日時点の市場利回りを参照して決定しています。

退職後給付制度に係る資産又は退職後給付制度に係る負債は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値(制度資産の上限の調整を含む)を控除した額を認識しています。勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は、純損益にて認識しています。

確定給付制度の再測定により発生した増減額は、発生した期においてその他の包括利益に一括認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。また過去勤務費用は発生時に全額純損益に認識しています。

 

(確定拠出制度)

確定拠出制度については、確定拠出制度に支払うべき拠出額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。

 

② 短期従業員給付

短期従業員給付については、割引計算を行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しています。

賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的な債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しています。

 

③ その他の長期従業員給付

当社グループの長期従業員給付に対する純債務は、従業員が過年度及び当連結会計年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額です。この給付額は現在価値に割り引いています。再測定による差異は発生した期間に純損益で認識しています。

 

(11) 株式報酬取引

当社グループは、取締役、執行役及び従業員に対するインセンティブ制度として、以下の株式報酬制度を採用しています。

(ストック・オプション制度)

ストック・オプションは権利付与日の公正価値に基づき算定しており、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。ストック・オプションの公正価値は、ブラック・ショールズモデルにて算定しています。

 

 

(譲渡制限付株式報酬及び業績連動型株式報酬制度)

企業価値の持続的な向上に対する貢献意識を高めるとともに、株主との価値共有を進めることを目的として、持分決済型及び現金決済型の株式報酬制度を導入しています。

持分決済型の株式報酬については、受領したサービスの対価を、付与する当社株式の公正価値を参照して測定しています。算定されたサービスの対価は費用として純損益に認識するとともに、対応する金額を資本の増加として認識しています。

現金決済型の株式報酬については、支払額の公正価値を負債として認識し、無条件に報酬を受ける権利が確定するまでの期間にわたり、当該負債の公正価値の変動を純損益に認識しています。

 

(12) 引当金

引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的債務又は推定的債務を有し、その債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出の可能性が高く、かつその資源の流出の金額について信頼できる見積りができる場合に認識しています。

引当金は見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及びその負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割り引いています。時間の経過による影響を反映した引当金の増加額は、金融費用として認識しています。

 

(13) 売上収益

顧客との契約について、当社グループは、次の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。

ステップ1:契約の識別

ステップ2:履行義務の識別

ステップ3:取引価格の算定

ステップ4:履行義務への取引価格の配分

ステップ5:履行義務の充足による収益の認識

 

当社グループは「建築・産業」、「エネルギー」、「インフラ」、「環境」、「精密・電子」の各分野にわたり製造、販売、工事、保守等を行っています。

 

「建築・産業」、「エネルギー」、「インフラ」

 「建築・産業」においては、主に標準ポンプ(陸上ポンプ、水中ポンプ、給水ポンプ)、冷熱機械及び送風機の製造、販売、工事、保守サービスを行っています。

 「エネルギー」においては、主にカスタムポンプ、コンプレッサやタービンなどの製造、販売、工事、保守サービスを行っています。

 「インフラ」においては、主にカスタムポンプ(農業用ポンプ、排水ポンプ、上下水道ポンプ)、トンネル用送風機などの製造、販売、工事、保守サービスを行っています。

 
 「建築・産業」、「エネルギー」、「インフラ」における製品の製造及び販売については、製品に対する法的所有権、物理的占有、所有に伴う重大なリスクと経済価値の顧客への移転状況及び顧客から支払いを受ける権利といった支配の移転に関する指標を総合的に判断した結果、製品に対する支配を顧客に移転して履行義務を充足するのは主として製品の引渡又は検収時点であると当社グループは判断しています。

 

 「建築・産業」、「エネルギー」、「インフラ」における工事請負契約及び保守契約については、主として、次の要件のいずれかに該当し、製品又は役務に対する支配が一定期間にわたり移転するため、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識しています。

(ⅰ) 顧客が履行によって提供される便益を、履行するにつれて同時に受け取って消費する。

(ⅱ) 履行が、資産を創出するか又は増価させ、顧客が当該資産の創出又は増価について支配する。

(ⅲ) 履行が、他に転用できる資産を創出せず、かつ、現在までに完了した履行に対する支払いを受ける強制可能な権利を有している。

 

これらについては、履行義務の結果を合理的に測定できる場合は、報告期間の末日において測定した履行義務の充足に係る進捗度に応じて、工事期間又は保守期間にわたって売上収益を認識します。進捗度は、見積総原価に対する実際原価の割合で算出し(インプット法)、履行義務の結果を合理的に測定できないが、当該履行義務を充足するコストを回収すると見込んでいる場合は、発生したコストの範囲でのみ売上収益を計上することにより、当社グループの履行を忠実に描写しています。

 

② 「環境」

 「環境」においては、都市ごみ焼却プラント、産業廃棄物焼却プラントに関連した製造、販売、工事、保守サービスを行っています。


 「環境」における製品の製造及び販売については、製品に対する法的所有権、物理的占有、所有に伴う重大なリスクと経済価値の顧客への移転状況及び顧客から支払いを受ける権利といった支配の移転に関する指標を総合的に判断した結果、製品に対する支配を顧客に移転して履行義務を充足するのは主として製品の引渡又は検収時点であると当社グループは判断しています。

 

 「環境」における工事請負契約及び保守契約については、主として、次の要件のいずれかに該当し、製品又は役務に対する支配が一定期間にわたり移転するため、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識しています。

(ⅰ) 顧客が履行によって提供される便益を、履行するにつれて同時に受け取って消費する。

(ⅱ) 履行が、資産を創出するか又は増価させ、顧客が当該資産の創出又は増価について支配する。

(ⅲ) 履行が、他に転用できる資産を創出せず、かつ、現在までに完了した履行に対する支払いを受ける強制可能

  な権利を有している。

 これらについては、履行義務の結果を合理的に測定できる場合は、報告期間の末日において測定した履行義務の充足に係る進捗度に応じて、工事期間又は保守期間にわたって売上収益を認識します。進捗度は、見積総原価に対する実際原価の割合で算出し(インプット法)、履行義務の結果を合理的に測定できないが、当該履行義務を充足するコストを回収すると見込んでいる場合は、発生したコストの範囲でのみ売上収益を計上することにより、当社グループの履行を忠実に描写しています。

 

③ 「精密・電子」

 「精密・電子」においては、主に真空ポンプ、CMP装置、めっき装置、排ガス処理装置の製造、販売、保守サービスを行っています。

 

 「精密・電子」における製品の製造及び販売については、製品に対する法的所有権、物理的占有、所有に伴う重大なリスクと経済価値の顧客への移転状況及び顧客から支払いを受ける権利といった支配の移転に関する指標を総合的に判断した結果、製品に対する支配を顧客に移転して履行義務を充足するのは主として製品の引渡又は検収時点であると当社グループは判断しています。


 売上収益は顧客との契約において約束された対価から、値引き、遅延損害金等を控除した金額で測定しています。変動性がある値引き等を含む変動対価については、合理的に利用可能なすべての情報を用いて対価の金額を見積り、重大な戻入が生じない可能性が非常に高い範囲でのみ売上収益を認識しています。また、当社グループでは、契約開始時に、顧客に財又はサービスを移転する時点と顧客が対価を支払う時点までの期間が1年以内であると見込まれるため、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」で規定される実務上の便法を適用し、対価に係る金利要素について調整を行っていません。

 

 契約に複数の履行義務が識別される場合には、主に観察可能な独立販売価格の比率でそれぞれの履行義務に取引価格を配分しています。

 

 

(14) 法人所得税

法人所得税費用は、当期税金と繰延税金の合計として表示しています。

当期税金は、決算日において制定され又は実質的に制定されている税率を用いて、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で算定しています。これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目を除き、当期の純損益にて認識しています。

繰延税金資産及び負債は、決算日までに制定又は実質的に制定されている税法に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しています。繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額の差額である一時差異並びに繰越欠損金に基づいて算定しています。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識しています。

なお、企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えず、かつ同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引における当初認識から生じる一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識していません。さらにのれんの当初認識において生じる将来加算一時差異については、繰延税金負債を認識していません。

子会社・関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異については、繰延税金負債を認識しています。ただし、一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識していません。また、子会社・関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異については、一時差異が予測し得る期間内に解消し、かつ課税所得を稼得する可能性が高い範囲でのみ繰延税金資産を認識しています。

繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課される法人所得税に関するものである場合に相殺しています。

当社及び一部の連結子会社は、グループ通算制度を適用しています。

当社グループは、2023年5月に公表された「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号の改訂)」を適用しています。本改訂は、経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールに関する税制から生じる税金に係る繰延税金の認識及び開示を一時的に免除する例外規定を定めたものです。当社グループは、当該例外規定を適用し、第2の柱の法人所得税に係る繰延税金について認識及び開示を行っていません。

 

(15) 借入コスト

意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を要する資産に関して、その資産の取得、建設又は生産に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しています。その他の借入コストはすべて、発生した期間に費用として認識しています。

 

(16) 1株当たり利益

基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する純損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しています。

 

(17) 超インフレの調整

詳細は「41. 超インフレの調整」に記載のとおりです。

 

4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断

IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定をすることが要求されています。

ただし、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。

見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの改定は、見積りが改定された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。

連結財務諸表において、翌連結会計年度中に資産や負債の帳簿価額に重要な修正をもたらす要因となるリスクを伴う将来に関して行った仮定及び見積りの不確実性に関する事項は以下のとおりです。

 

・収益の認識

「建築・産業」、「エネルギー」、「インフラ」の各種ポンプ事業、コンプレッサ・タービン事業、冷熱事業及び「環境」における工事請負契約及び保守契約等については、製品又は役務に対する支配が一定期間にわたり移転するため、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識しています。履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、履行義務の結果を合理的に測定できる場合は、見積総原価に対する実際原価の割合(インプット法)で算出しています。

見積り及び測定の前提条件は必要に応じて見直しを行い、追加コストの発生や契約金額の変更等により当初の見積りを修正する可能性があり、連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。

当連結会計年度末における契約資産の帳簿価額については、注記「28.売上収益」に記載のとおりです。

 

・繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討しており、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で繰延税金資産を計上しています。見積りの仮定となる将来の課税所得の発生時期及び金額は、経営者により承認された事業計画に基づき算定されていますが、その時の業績等により変動するため、これらの見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収可能性の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、連結財務諸表上で認識する繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。

当連結会計年度末における繰延税金資産の帳簿価額については、注記「17.法人所得税」に記載のとおりです。

 

・引当金の会計処理と評価

当社グループは、完成工事補償引当金や工事損失引当金などの引当金を計上しています。それらの引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的債務又は推定的債務を有し、その債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出の可能性が高く、かつその資源の流出の金額について信頼できる見積りができる場合に認識しています。

これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、連結財務諸表上で認識する引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。

当連結会計年度末における引当金の帳簿価額については、注記「23.引当金」に記載のとおりです。

 

・確定給付制度債務

確定給付制度債務は、従業員が過年度及び当連結会計年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割り引くことによって算定しています。重要な数理計算上の仮定は割引率であり、当社グループの確定給付制度債務と概ね同じ満期日を有する優良社債の期末日時点の市場利回りを参照して決定しています。

その他数理計算上の仮定には、退職率、死亡率、昇給率等の見積りが含まれています。それらの数理計算上の仮定は、将来の経済環境あるいは社会情勢の変動等によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表上で認識する確定給付制度債務の金額に重要な影響を与える可能性があります。

当連結会計年度末における退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債の帳簿価額については、注記「24.従業員給付」に記載のとおりです。

 

 

・非金融資産の減損

当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産等の非金融資産について資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを評価しています。減損の兆候が存在する場合には、個別の資産又は資金生成単位ごとの回収可能価額を測定しています。なお、のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は、毎期同時期及び減損の兆候が存在する場合にはその都度減損テストを実施しています。減損テストにおける回収可能価額の算定においては、将来キャッシュ・フロー、割引率及び成長率等について一定の仮定を設定しています。

これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定していますが、将来の不確実な経済条件の変動や事業計画等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

当連結会計年度末における有形固定資産の帳簿価額については、注記「11.有形固定資産」に、また、のれん及び無形資産の帳簿価額については、注記「12.のれん及び無形資産」に記載のとおりです。

 

 

5.未適用の公表済み基準書及び解釈指針

連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた基準書及び解釈指針のうち、当連結会計年度において当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりです。新しいIFRS会計基準の適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。

基準書

基準名

強制適用時期

(以降開始年度)

当社グループ

適用年度

新設・改訂の概要

IFRS第18号

財務諸表における表示及び開示

2027年1月1日

2027年12月期

企業の財務業績の報告を改善し、企業分析及び比較のためのより良い基礎を投資者に提供する3つの新たな要求事項を導入

 

 

6.事業セグメント

(1) 報告セグメントの概要

当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。なお、事業セグメントの集約は行っていません。

当社グループは、対面市場を軸に「建築・産業」、「エネルギー」、「インフラ」、「環境」、「精密・電子」の5カンパニー制により事業を展開しています。

従って、当社グループは、上記の対面市場別の製品・サービスから構成される「建築・産業」、「エネルギー」、「インフラ」、「環境」及び「精密・電子」の5つを報告セグメントとしています。

 

各報告セグメントに属する主要な対面市場及び製品・サービスは次のとおりです。

 

報告セグメント

主な対面市場

主な製品・サービス

建築・産業

建築設備、産業設備

標準ポンプ(陸上ポンプ、水中ポンプ、給水ポンプ)、冷熱機械、送風機

エネルギー

石油・ガス、電力、

新エネルギー

カスタムポンプ、コンプレッサ、タービン、クライオポンプ、エキスパンダ

インフラ

水インフラ

カスタムポンプ(農業用ポンプ、排水ポンプ、上下水道ポンプ)、トンネル用送風機

環境

固形廃棄物処理

都市ごみ焼却プラント、産業廃棄物焼却プラント

精密・電子

半導体製造

真空ポンプ、CMP装置、めっき装置、排ガス処理装置

 

 

 

(2) 報告セグメントに関する情報

報告セグメントの会計方針は、注記「3.重要性がある会計方針」における記載と同一です。また、報告セグメントの利益は、当社グループの会計方針と同様の方針によるものであり、営業利益ベースの数値です。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいています。

前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

セグメント

その他
(注)1

合計

調整額
(注)
2,3

連結財務諸表計上額
(注)4

建築・
産業

エネル
ギー

インフラ

環境

精密・
電子

合計

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への
売上収益

222,181

167,229

50,178

71,540

246,998

758,128

1,199

759,328

759,328

セグメント間の
内部売上収益
又は振替高

1,235

424

40

97

2

1,799

826

2,625

2,625

223,417

167,653

50,218

71,638

247,000

759,927

2,026

761,954

2,625

759,328

セグメント利益

又は損失

15,737

22,347

4,604

6,933

38,285

87,907

933

86,974

949

86,025

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1,643

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4,361

持分法による
投資損益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1,425

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

84,733

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費
及び償却費

6,731

4,980

944

770

7,656

21,083

5,563

26,646

56

26,590

減損損失

1,440

3

2

40

12

1,498

645

2,144

0

2,143

資本的支出

9,512

6,513

564

2,748

12,233

31,572

9,344

40,916

216

40,699

持分法適用会社
への投資額

7,192

7,192

7,192

7,192

 

(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ビジネスサポートサービス等を含んでいます。

2.セグメント利益又は損失の調整額は、セグメント間取引消去です。

3.その他の項目の調整額は、セグメント間取引消去です。

4.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。

 

 

当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

セグメント

その他
(注)1

合計

調整額
(注)
2,3

連結財務諸表計上額
(注)4

建築・
産業

エネル
ギー

インフラ

環境

精密・
電子

合計

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への
売上収益

238,182

210,434

51,118

87,438

278,378

865,552

1,115

866,668

866,668

セグメント間の
内部売上収益
又は振替高

1,446

444

272

115

1

2,280

1,067

3,347

3,347

239,628

210,879

51,391

87,554

278,379

867,833

2,183

870,016

3,347

866,668

セグメント利益

又は損失

10,341

28,008

3,697

8,445

50,133

100,625

2,826

97,799

153

97,953

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3,897

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4,185

持分法による
投資損益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2,186

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

99,852

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費
及び償却費

7,929

5,199

971

879

8,367

23,347

6,731

30,079

67

30,011

減損損失

7,142

1

2

2

18

7,166

54

7,220

0

7,220

資本的支出

8,883

7,671

1,383

4,281

19,989

42,210

16,511

58,721

91

58,630

持分法適用会社
への投資額

8,683

8,683

8,683

8,683

 

(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ビジネスサポートサービス等を含んでいます。

2.セグメント利益又は損失の調整額は、セグメント間取引消去です。

3.その他の項目の調整額は、セグメント間取引消去です。

4.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。

 

(3) 製品及びサービスに関する情報

製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しています。

 

(4) 地域別情報

外部顧客への売上収益の地域別内訳は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

日本

271,301

290,679

中国

131,892

190,232

アジアその他

139,700

129,160

北米

80,922

123,673

その他

135,512

132,922

合計

759,328

866,668

 

(注)1.売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。

2.各区分に属する主な国又は地域

(1) アジアその他     台湾、韓国

(2) 北米         米国、カナダ

(3) その他の地域     サウジアラビア、ブラジル

 

非流動資産(金融商品、繰延税金資産、退職給付に係る資産等を除く)の地域別内訳は以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

日本

132,010

152,551

中国

13,790

16,473

アジアその他

12,267

14,754

米国

27,456

31,103

その他

40,738

40,905

合計

226,264

255,788

 

(注)1.非流動資産は所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。

2.各区分に属する主な国又は地域

(1) アジアその他     台湾、韓国

(2) その他の地域     カナダ、トルコ

 

 

(5) 主要な顧客に関する情報

売上収益の10%以上を占める単一の外部顧客との取引はありません。

 

 

7.現金及び現金同等物

現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

現金及び預金

151,597

174,339

有価証券

435

償還期間が3か月を超える
有価証券

△435

預入期間が3か月を超える
定期預金

△3,537

△3,307

合計

148,059

171,031

 

前連結会計年度末及び当連結会計年度末の連結財政状態計算書上における「現金及び現金同等物」の残高と連結キャッシュ・フロー計算書上における「現金及び現金同等物」の残高は一致しています。

 

 

8.営業債権及びその他の債権

営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

売掛金、受取手形及び電子記録債権

163,352

171,164

未収入金

3,083

2,432

貸倒引当金(注)

△3,071

△3,314

合計

163,363

170,282

 

(注)連結財政状態計算書では貸倒引当金控除後の金額で表示しています。

 

9.棚卸資産

棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

商品及び製品

36,588

36,914

仕掛品

86,953

93,479

原材料及び貯蔵品

77,074

75,567

合計

200,616

205,960

 

(注)1.費用として認識され、売上原価に含まれている棚卸資産の金額は、前連結会計年度491,491百万円、当連結会計年度563,831百万円です。

2.売上原価に計上した棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年度5,492百万円、当連結会計年度5,665百万円です。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の評価減の戻入額に重要性はありません。

3.負債の担保として差し入れている棚卸資産はありません。

 

 

10.その他の金融資産

その他の金融資産の内訳は、以下のとおりです。

 

(1) 流動資産

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

定期預金

3,537

3,307

貸付金

3

1

その他

815

489

合計

4,357

3,798

 

 

(2) 非流動資産

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

投資有価証券

2,758

2,677

差入保証金

2,361

2,399

長期貸付金

79

62

その他

815

845

合計

6,015

5,983

 

 

11.有形固定資産

「有形固定資産」は、投資不動産の定義を満たさない自己所有の資産及び使用権資産から構成されます。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

自己所有の有形固定資産

155,066

180,451

使用権資産

20,815

21,540

合計

175,882

201,991

 

使用権資産については、「注記14.リース」に記載しています。

 

 

自己所有の有形固定資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

土地

建設仮勘定

その他

合計

前連結会計年度期首

(2023年1月1日)

64,873

45,271

22,305

6,709

5,801

144,960

取得

351

3,685

411

18,891

886

24,226

企業結合による取得

143

143

建設仮勘定からの
振替

3,609

6,212

399

△12,616

2,395

減価償却費

△4,833

△8,722

△2,635

△16,191

減損損失

△226

△359

△107

△10

△704

売却又は処分

△51

△154

△21

△109

△31

△368

為替換算差額

1,312

1,527

215

165

180

3,402

その他増減

△86

72

0

△346

△40

△401

前連結会計年度末

(2023年12月31日)

64,948

47,675

23,310

12,585

6,545

155,066

取得

1,131

3,675

32,828

914

38,549

企業結合による取得

1

6

0

8

建設仮勘定からの
振替

15,312

8,446

129

△26,606

2,717

減価償却費

△5,708

△9,558

△2,989

△18,257

減損損失

△90

△20

△6

△118

売却又は処分

△390

△317

△93

△716

△60

△1,577

為替換算差額

2,291

3,138

243

708

298

6,679

その他増減

400

124

0

△273

△151

99

当連結会計年度末

(2024年12月31日)

77,896

53,171

23,589

18,525

7,267

180,451

 

減価償却費は「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しています。減損損失は、「その他の費用」に含めて計上しています。

 

 

自己所有の有形固定資産の取得原価は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

土地

建設仮勘定

その他

合計

前連結会計年度期首

(2023年1月1日)

149,790

171,275

23,580

6,878

48,538

400,063

前連結会計年度末

2023年12月31日

155,364

181,447

24,585

12,693

49,544

423,634

当連結会計年度末

2024年12月31日

175,539

196,289

24,864

18,631

51,691

467,016

 

 

自己所有の有形固定資産の減価償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

土地

建設仮勘定

その他

合計

前連結会計年度期首

(2023年1月1日)

84,917

126,004

1,275

169

42,737

255,103

前連結会計年度末

2023年12月31日

90,415

133,771

1,275

107

42,998

268,568

当連結会計年度末

2024年12月31日

97,642

143,117

1,275

106

44,424

286,565

 

 

 

12.のれん及び無形資産

「のれん及び無形資産」は、自己所有の資産及び使用権資産から構成されます。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

のれん及び自己所有の無形資産

50,372

53,774

使用権資産

9

21

合計

50,381

53,796

 

使用権資産については、「注記14.リース」に記載しています。

 

のれん及び自己所有の無形資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

のれん

ソフトウエア

ソフトウエア

仮勘定

その他

無形資産

合計

前連結会計年度期首

(2023年1月1日)

15,295

13,997

4,359

9,663

43,315

取得

99

10,722

645

11,466

内部開発

36

36

企業結合による取得

169

451

620

ソフトウェア仮勘定からの振替

7,661

△7,661

償却費

△4,748

△721

△5,469

減損損失

△1,395

△0

△1,395

売却又は処分

△9

△147

△156

為替換算差額

1,402

60

1

696

2,161

その他増減

△2

155

△358

△206

前連結会計年度末

(2023年12月31日)

15,472

17,057

7,428

10,413

50,372

取得

332

13,519

491

14,343

内部開発

企業結合による取得

255

255

ソフトウェア仮勘定からの振替

4,998

△4,998

償却費

△5,751

△766

△6,518

減損損失

△6,725

△17

△0

△6,743

売却又は処分

△59

△0

△59

為替換算差額

1,143

81

0

1,063

2,288

その他増減

440

△161

△443

△163

当連結会計年度末

(2024年12月31日)

10,146

17,082

15,788

10,757

53,774

 

償却費は「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しています。減損損失は、「その他の費用」に含めて計上しています。

 

 

のれん及び自己所有の無形資産の取得原価は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

のれん

ソフトウエア

ソフトウエア

仮勘定

その他

無形資産

合計

前連結会計年度期首

(2023年1月1日)

16,855

45,406

4,359

15,377

81,998

前連結会計年度末

2023年12月31日

18,743

52,693

7,428

17,306

96,171

当連結会計年度末

2024年12月31日

22,293

57,668

15,788

19,189

114,939

 

 

のれん及び自己所有の無形資産の減価償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

のれん

ソフトウエア

ソフトウエア

仮勘定

その他

無形資産

合計

前連結会計年度期首

(2023年1月1日)

1,559

31,409

5,713

38,682

前連結会計年度末

2023年12月31日

3,270

35,635

6,892

45,799

当連結会計年度末

2024年12月31日

12,147

40,586

8,431

61,164

 

 

13.非金融資産の減損

(1) 資金生成単位

当社グループは、事業セグメントを基準として概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位で資産のグルーピングを行っており、遊休資産、売却予定の資産、除却予定の資産については個々の物件をグルーピングの単位としています。

 

(2) 減損損失

当社グループは、資産の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に減損損失を認識しています。減損損失は連結損益計算書の「その他の費用」に含まれており、セグメント別内訳は、注記「6.事業セグメント」に記載しています。

減損損失の資産種類別内訳は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

建物及び構築物

226

90

機械装置及び運搬具

359

20

のれん

1,437

7,085

その他

119

23

合計

2,143

7,220

 

 

前連結会計年度(自  2023年1月1日  至  2023年12月31日

将来の使用見込みが無くなり、除却・売却が予定されている資産及び遊休資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。回収可能価額について、除却が予定されている資産は使用価値に基づいており、その価値を零として帳簿価額を備忘価額まで減額しています。売却が予定されている資産及び遊休資産は主として処分コスト控除後の公正価値によって測定しています。処分コスト控除後の公正価値は売却見込額に基づいており、そのヒエラルキーはレベル3です。

 

 

Vansan Makina Sanayi ve Ticaret A.S.及びその子会社に係るのれんについて、トルコを取り巻く経済状況や実績を踏まえ事業計画を見直したことにより、現時点でのれんの一部の回収可能性が見込めないことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。回収可能価額は使用価値に基づいており、使用価値は、主として経営者が承認した事業計画と成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を税引前の加重平均資本コストを基礎とした割引率67.7%を使用して現在価値に割り引いて算定しています。

 

当連結会計年度(自  2024年1月1日  至  2024年12月31日

将来の使用見込みが無くなり、除却・売却が予定されている資産及び遊休資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。回収可能価額について、除却が予定されている資産は使用価値に基づいており、その価値を零として帳簿価額を備忘価額まで減額しています。売却が予定されている資産及び遊休資産は主として処分コスト控除後の公正価値によって測定しています。処分コスト控除後の公正価値は売却見込額に基づいており、そのヒエラルキーはレベル3です。

 

Vansan Makina Sanayi ve Ticaret A.S.及びその子会社に係るのれんについて、トルコにおける高インフレ及びトルコリラ安を背景としたトルコ国内市場の低迷、地政学的要因による輸出売上の減少、人件費の上昇等の事業環境、直近の業績動向を踏まえ減損の兆候があると判定しました。これら要因を反映し将来事業計画を見直したうえで、減損テストを実施した結果、のれんの回収可能性が認められないため、のれんの帳簿価額を全額減額しています。回収可能価額は使用価値に基づいており、使用価値は、主として経営者が承認した事業計画と成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を税引前の加重平均資本コストを基礎とした割引率39.6%を使用して現在価値に割り引いて算定しています。

 

 

(3) のれんの減損テスト

当社グループは、のれんについて、連結会計年度末までに最低年に一度及び減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しています。減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しています。

当社における主要なのれんの帳簿価額は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

報告セグメント

資金生成単位又は資金
生成単位グループ

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

建築・産業

Vansan Makina Sanayi ve Ticaret A.S.及びその子会社

5,835

建築・産業

EBARA HG Holdings Inc.及びその子会社

8,570

8,819

建築・産業

その他

1,066

1,326

合計

15,472

10,146

 

1. Vansan Makina Sanayi ve Ticaret A.S.及びその子会社

使用価値は、主として経営者が承認した事業計画と成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて計算しています。事業計画は原則として5年を限度としており、業界の将来の趨勢に関する経営者の評価と過去のデータを反映し、外部情報及び内部情報との整合のうえ作成しています。使用価値の見積りにおける主要な仮定は、事業計画に基づく5か年の将来キャッシュ・フローの見積りにおける売上成長率、営業利益率、計画期間経過後の売上成長率及び割引率であり、資金生成単位が属する産業の成長率、資金生成単位が属する国の予想インフレ率、過去実績等を参考に決定しています。事業計画の対象期間を超える将来キャッシュフロー予測を推定するために用いた成長率は、資金生成単位が属する国の予想インフレ率等を参考に決定しており、当連結会計年度において20.5%(前連結会計年度は40.2%)です。割引率は、各資金生成単位の税引前の加重平均資本コストを基礎に算定しており、当連結会計年度において39.6%(前連結会計年度は67.7%)です。

前連結会計年度において、トルコを取り巻く経済状況や実績を踏まえ事業計画を見直したことにより、現時点でのれんの一部の回収可能性が見込めないことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、のれんの減損損失1,437百万円を「その他の費用」に計上しています。

当連結会計年度において、トルコにおける高インフレ及びトルコリラ安を背景としたトルコ国内市場の低迷、地政学的要因による輸出売上の減少、人件費の上昇等の事業環境、直近の業績動向を踏まえ減損の兆候があると判定しました。これら要因を反映し将来事業計画を見直したうえで、減損テストを実施した結果、のれんの回収可能性が認められないため、のれんの帳簿価額を全額減額し減損損失7,085百万円を「その他の費用」に計上しています。

 

2. EBARA HG Holdings Inc.及びその子会社

使用価値は、主として経営者が承認した事業計画と成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて計算しています。事業計画は原則として5年を限度としており、業界の将来の趨勢に関する経営者の評価と過去のデータを反映し、外部情報及び内部情報との整合のうえ作成しています。事業計画の対象期間を超える将来キャッシュフロー予測を推定するために用いた成長率は、資金生成単位が属する国の予想インフレ率を参考に決定しており、当連結会計年度において3.2%(前連結会計年度は3.0%)です。割引率は、各資金生成単位の税引前の加重平均資本コストを基礎に算定しており、当連結会計年度において11.9%(前連結会計年度は13.5%)です。これにより、回収可能価額は帳簿価額を1,640百万円上回っており、仮に割引率が0.9%上昇した場合に減損損失が発生する可能性があります。

 

 

14.リース

借手

(1) 使用権資産の内訳

使用権資産の内訳は、以下のとおりです。

なお、当社グループは、リースの原資産を主として事業活動に使用しています。

 

(単位:百万円)

 

原資産の種類

合計

建物及び構築物

機械装置及び

運搬具

土地

その他

前連結会計年度末

2023年12月31日

14,159

2,541

3,023

1,101

20,825

当連結会計年度末

2024年12月31日

14,563

2,538

3,112

1,347

21,561

 

 

(2) リースに関連する費用、キャッシュ・アウト・フロー及び使用権資産の増加額

リースに関連する費用、キャッシュ・アウト・フロー及び使用権資産の増加額は以下のとおりです。

(単位:百万円) 

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

使用権資産の減価償却費

 

 

建物及び構築物を原資産とするもの

3,280

3,483

機械装置及び運搬具を原資産とするもの

976

1,002

土地を原資産とするもの

146

152

その他の資産を原資産とするもの

511

591

使用権資産の減価償却費合計

4,915

5,230

リースに関連する費用

 

 

リース負債に係る支払利息

283

322

短期リースに係る費用

238

232

少額資産のリースに係る費用

608

864

リースに関連する費用合計

1,130

1,419

リースに係るキャッシュ・アウト・フロー

7,108

7,668

使用権資産の増加額

5,006

5,776

 

リース負債の満期分析は、「注記35.金融商品」に記載のとおりです。

 

(3) 延長オプション及び解約オプション

当社グループにおいては、各社がリース契約の管理に責任を負っており、リース条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっています。延長オプション及び解約オプションは、主に不動産リースに含まれており、その多くは1年間ないし原契約と同期間にわたる延長オプション、また、事前に相手方に書面をもって通知した場合に早期解約を行うオプションとなっています。なお、これらのオプションは事業活動においてリース契約を有効に活用する上で、必要に応じて使用されています。

 

15.関係会社の状況

「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。

 

 

16.持分法で会計処理されている投資

個々に重要性のない共同支配企業に対する投資の帳簿価額及び当該共同支配企業に関する財務情報は、以下のとおりです。なお、これらの金額は、当社グループの持分比率勘案後のものです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

帳簿価額合計

7,192

8,683

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

当期利益

1,425

2,186

その他の包括利益

55

△145

当期包括利益

1,480

2,041

 

 

17.法人所得税

(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債

繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

繰延税金資産

 

 

棚卸資産

1,986

1,878

完成工事補償引当金

2,865

2,776

退職給付に係る負債

3,356

3,400

リース負債

5,149

5,275

税務上の繰越欠損金

667

324

賞与引当金

2,396

2,938

棚卸資産未実現利益

2,824

3,279

その他

12,248

14,769

繰延税金資産合計

31,494

34,644

繰延税金負債

 

 

資本性金融商品

△109

△142

子会社等の留保利益

△5,641

△6,679

使用権資産

△4,982

△5,079

その他

△6,058

△5,899

繰延税金負債合計

△16,792

△17,801

繰延税金資産の純額

14,701

16,842

 

 

繰延税金資産又は繰延税金負債の純額の変動の内容は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

期首残高

11,284

14,701

純損益を通じて認識

2,210

1,289

その他の包括利益において認識(注)1

1,245

302

その他

△38

548

期末残高

14,701

16,842

 

(注)1.前連結会計年度における主な変動内容は、退職給付に係る負債に係る繰延税金資産の増加1,347百万円です。

当連結会計年度における主な変動内容は、退職給付に係る負債に係る繰延税金資産の増加304百万円です。

 

当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異又は税務上の繰越欠損金の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しており、回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮しています。なお、認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が認識できる期間における将来課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可能性は高いと判断しています。

 

繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

将来減算一時差異

6,791

6,755

税務上の繰越欠損金

546

701

 

 

繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

1年目

128

116

2年目

97

50

3年目

51

22

4年目

2

5年目超

265

512

合計

546

701

 

 

繰延税金負債を認識していない関係会社の投資に係る将来加算一時差異の合計額は、前連結会計年度において8,648百万円です。当連結会計年度において13,349百万円です。これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識していません。

 

(2) 法人所得税費用

法人所得税費用の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

当期税金費用

23,143

26,650

繰延税金費用

 

 

一時差異等の発生と解消

33

△1,409

繰延税金資産の回収可能性の評価

△2,243

119

合計

20,933

25,361

 

当社及び国内の連結子会社は、主に法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した日本における法定実効税率は、前連結会計年度においては30.6%、当連結会計年度においては30.6%となっています。

 

 

法定実効税率と連結損益計算書における平均実際負担税率との差異要因は以下のとおりです。

 

 

(単位:%)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

法定実効税率

30.6

30.6

課税所得計算上減算されない費用

3.7

1.9

課税所得計算上加算されない収益

△1.7

△0.0

海外子会社の適用税率差異

△5.7

△6.0

持分法投資損益

0.0

△0.5

未認識の繰延税金資産

△1.5

0.8

その他

△0.7

△1.4

平均実際負担税率

24.7

25.4

 

 

  2021年12月に、OECDは税源浸食と利益移転(BEPS)の第2の柱モデルルール(グローバル・ミニマム課税)を公表しました。日本では、2023年3月にグローバル・ミニマム課税制度を含めた税制改正法が成立しており、2024年4月1日以後に開始する対象会計年度から適用されます。当社グループが事業を行っている一部の法域において、グローバル・ミニマム課税制度の適用による法人所得税が発生する可能性がありますが、当社グループの連結財務諸表への影響は重要ではないと判断しています。当社グループは現在、税務の専門家と協力し影響を調査しています。

 

18.その他の資産

その他の資産の内訳は、以下のとおりです。

 

(1) 流動資産

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

未収消費税等

12,847

14,753

前払費用

5,084

6,483

前渡金

11,454

12,735

その他

1,362

1,368

合計

30,747

35,339

 

 

(2) 非流動資産

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

退職給付に係る資産

5,346

6,467

長期前払費用

1,681

1,725

その他

1,419

1,860

合計

8,447

10,054

 

 

 

19.営業債務及びその他の債務

営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

買掛金、支払手形及び電子記録債務

153,226

144,946

未払金

19,141

22,505

合計

172,368

167,452

 

 

 

20.社債、借入金及びリース負債

社債、借入金及びリース負債の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

平均利率

(%)

(注)1

返済期限

短期借入金

23,621

16,864

8.19

1年内に返済予定の長期借入金

2,437

16,850

5.08

1年以内に償還予定の社債

15,000

長期借入金

68,701

55,095

0.79

2030年

リース負債

20,489

21,622

2025年~2034年

社債

30,000

25,000

合計

145,249

150,433

 

 

流動負債

31,953

55,607

 

 

非流動負債

113,296

94,825

 

 

合計

145,249

150,433

 

 

 

(注)1.「平均利率」については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しています。なお、金利変動リスクを回避する目的で、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用している借入金についてはデリバティブ取引に基づく利率にて算定しています。

2.担保に供している資産については、注記「39.担保」に記載しています。

 

社債の発行条件は、以下のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

会社名

銘柄

発行
年月日

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

利率
(%)

担保

償還
期限

当社

第10回無担保普通社債

2020年10月22日

10,000

10,000

0.19

無担保

2025年
10月22日

当社

第11回無担保普通社債

2022年10月14日

5,000

5,000

0.24

無担保

2025年
10月14日

当社

第12回無担保普通社債

2022年10月14日

15,000

15,000

0.44

無担保

2027年
10月14日

当社

第13回無担保普通社債

2024年9月19日

10,000

1.47

無担保

2034年
9月19日

 

合計

 

30,000

40,000

 

 

 

21.その他の金融負債

その他の金融負債の内訳は、以下のとおりです。

 

(1) 流動負債

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

受入保証金

469

149

その他

291

1,234

合計

760

1,383

 

 

(2) 非流動負債

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

その他

492

594

合計

492

594

 

 

22.その他の負債

その他の流動負債及びその他の非流動負債の内訳は、以下のとおりです。

 

(1) 流動負債

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

未払費用

9,710

9,820

返金負債

55

21

預り金

4,938

6,717

短期未払従業員給付負債

22,309

25,136

その他

6,669

4,612

合計

43,682

46,308

 

 

(2) 非流動負債

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

長期未払従業員給付負債

2,110

2,252

その他

951

2,105

合計

3,062

4,357

 

 

 

23.引当金

引当金の増減内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

製品保証引当金

工事損失引当金

資産除去債務

完成工事補償

引当金

訴訟損失引当金

前連結会計年度期首

(2023年1月1日)

4,410

5,471

2,647

2,878

期中増加額

3,557

5,502

23

3,062

時の経過による増加

13

期中減少額(目的使用)

△3,366

△6,031

△46

△2,832

期中減少額(戻入)

△74

△211

△83

△375

為替換算差額

70

18

34

52

前連結会計年度末

(2023年12月31日)

4,597

4,749

2,588

2,785

期中増加額

3,930

3,463

47

3,262

901

時の経過による増加

6

期中減少額(目的使用)

△3,632

△3,612

△9

△2,831

期中減少額(戻入)

△31

△1,101

△66

△102

為替換算差額

62

22

57

97

0

当連結会計年度末

(2024年12月31日)

4,925

3,521

2,624

3,211

901

 

 

引当金の連結財務諸表における内訳は以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

流動負債

12,132

11,895

非流動負債

2,588

3,289

合計

14,721

15,184

 

1.製品保証引当金

売買契約に係る契約不適合(瑕疵担保)費用の支出に備えるため、製品売上高に対し過去の実績を基礎として算出した発生比率を乗じた見積保証額を計上しています。支出の時期は主に1~3年を見込んでいます。

2.工事損失引当金

請負工事の損失発生に備えるため、未引渡工事のうち損失が発生する可能性が高く、工事損失額を期末において合理的に見積ることができる工事については、当該損失見込額を引当計上しています。

支出の時期は将来のプロジェクトの進捗的等により影響を受けます。

3.資産除去債務

主に事業所の賃貸契約における原状回復義務に伴う撤去費用等です。これらの費用は主に1年以上経過した後に支払われることが見込まれていますが、将来の事業計画等により影響を受けます。

4.完成工事補償引当金

完成工事に係る契約不適合(瑕疵担保)費用の支出に備えるため、完成工事売上高に対し過去の実績を基礎として算出した発生比率を乗じた見積補償額を計上しています。支出の時期は主に1~3年を見込んでいます。

5.訴訟損失引当金

訴訟に対する将来の損失に備えるため、訴訟提起されており、外部の第三者に対して損害賠償等を支払わなければならない可能性が高く、その金額を合理的に見積ることができる場合に当該損失見込額を引当計上しています。

 

 

24.従業員給付

当社及び一部の国内子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付企業年金制度、退職一時金制度、及び確定拠出年金制度を設けています。当社及び一部の国内子会社は、退職給付を選択により一時金又は企業年金基金から年金として受け取ることができます。給付額は主にポイント制のもとでポイントの累計数に基づいて計算されます。ポイントは、役割等級に基づく「役割等級ポイント」と市場金利の動向に基づく「利息ポイント」から構成されます。当社及び一部の国内子会社は複数事業主制度を採用していますが、年金資産の額を合理的に算出できるため、確定給付制度の注記に含めて記載しています。

当社が設けている年金制度は法令に従い、当社と法的に分離された企業年金基金により運営されています。企業年金基金の理事会及び年金運用受託機関は制度加入者の利益を最優先にして行動することが法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っています。

また、一部の海外子会社は、確定給付型及び確定拠出型の年金制度を設けています。

制度資産は健全な運用を基礎としていますが、金融商品に係る投資リスクに晒されています。また、確定給付制度債務は割引率等の様々な年金数理計算上の仮定に基づき測定されているため、それらの仮定の変動によるリスクに晒されています。

当連結会計年度に、一部の海外連結子会社の退職給付制度において年金バイアウトを実施しました。これに伴い当連結会計年度において清算損益として666百万円をその他の収益に認識しています。

 

(1) 確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の調整表

確定給付制度債務の現在価値及び制度資産と連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る負債及び資産との関係は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

積立型の確定給付制度債務の現在価値

67,384

35,366

制度資産

△77,753

△48,539

小計

△10,369

△13,172

制度資産の上限額の影響

5,483

7,235

非積立型の確定給付制度債務の現在価値

7,506

8,387

連結財政状態計算書に認識した
確定給付に係る負債(資産)の
純額

2,620

2,449

退職給付に係る負債

7,967

8,917

退職給付に係る資産

5,346

6,467

 

(注) 退職給付に係る資産は、連結財政状態計算書の「その他の非流動資産」に含まれています。

 

確定給付制度債務の現在価値の調整表

確定給付制度債務の現在価値の増減は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

確定給付制度債務の現在価値の期首残高

71,901

74,890

勤務費用

2,893

2,840

利息費用

2,429

2,285

再測定

 

 

数理計算上の差異(人口統計上の仮定)

△87

68

数理計算上の差異(財務上の仮定)

928

△591

数理計算上の差異(その他)

97

242

給付支払額

△5,900

△5,463

清算

△34,585

その他

2,628

4,067

確定給付制度債務の現在価値の期末残高

74,890

43,754

 

当社及び連結子会社の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度末は9.5年、当連結会計年度末は8.8年です。

 

③ 制度資産の調整表

制度資産の増減は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

制度資産の期首残高

72,381

77,753

利息収益

2,341

2,257

再測定に係る損益

 

 

(利息収益に含まれるものを除く)

3,508

865

事業主からの拠出

2,000

2,681

給付支払額

△4,559

△4,293

清算

△33,919

その他

2,080

3,195

制度資産の公正価値の期末残高

77,753

48,539

 

企業年金基金の規約に基づき、将来の給付発生に対する充当や積立不足がある場合の年金財政の均衡保持を目的として、定期的に財政検証を行うとともに掛金拠出額の再計算を行っています。翌連結会計年度において、確定給付制度へ1,891百万円拠出する予定です。

 

 

④ 制度資産の上限額の影響の増減

制度資産の上限額の影響の増減は、次のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

期首における資産上限の影響額

5,483

利息収益

13

67

再測定に係る損益

 

 

  資産上限額の影響の変動

5,469

1,661

その他

0

22

期末における資産上限の影響額

5,483

7,235

 

 将来掛金が減額されないまたは将来掛金が返還されないために経済的便益が利用できないことから、
当社グループの確定給付制度の一部にて資産上限額の設定および負債の算定を行っています。

 

⑤ 制度資産の主な内訳

制度資産の公正価値の内訳は、以下のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

活発な市場における
公表市場価格

合計

活発な市場における
公表市場価格

合計

あり

なし

あり

なし

株式

606

606

795

795

債券

30,949

30,949

2,897

2,897

生保一般勘定

12,694

12,694

13,049

13,049

その他

8,433

25,068

33,501

5,022

26,775

31,797

合計

9,039

68,713

77,753

5,818

42,721

48,539

 

(注) その他は、現金同等物及び合同運用信託等から構成されています。なお、合同運用信託は活発な市場における公表市場価格はありませんが、合同運用信託内の投資先には活発な市場における公表市場価格のある上場株式や上場債券が含まれています。

 

制度資産の運用は、従業員の将来の給付を確保するために、許容されるリスクのもとで運用収益の最適化を図るべく実施しています。制度資産は主に国内外の株式及び債券に幅広く分散投資しており、株式や債券等の期待リターン・リスク・相関係数を推定し、効率的な基本ポートフォリオ(資産配分の組み合わせ)を策定しています。また、必要に応じてリバランスを実施することで、この基本ポートフォリオに基づく資産配分を中長期的に維持するように努めています。

 

⑥ 主要な数理計算上の仮定

主要な数理計算上の仮定は、以下のとおりです。

 

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

割引率

 

 

当社、国内子会社

主として1.3%

主として1.7%

海外子会社

主として4.9%

主として4.9%

 

 

数理計算に用いた割引率が0.5%変動した場合における確定給付制度債務への影響は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

割引率(0.5%上昇した場合)

2,900

1,565

割引率(0.5%低下した場合)

△3,529

△1,840

 

(注)感応度分析における確定給付制度債務の算定にあたっては、連結財政状態計算書で認識されている確定給付制度債務の算定方法と同一の方法を適用しています。感応度分析は期末日において合理的に推測し得る仮定の変動に基づき行われています。また、感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としていますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が影響する可能性があります。

 

(2) 確定拠出制度

確定拠出制度に関して費用として認識した金額は、前連結会計年度は8,570百万円、当連結会計年度は9,638百万円です。

(注)本邦の厚生年金保険法に基づく厚生年金保険料の事業主負担分を含めています。

 

(3) 従業員給付費用

前連結会計年度及び当連結会計年度における従業員給付費用の合計金額は、それぞれ162,107百万円及び190,834百万円であり、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しています。

 

25.資本及びその他の資本項目

(1)資本金

① 授権株式数

前連結会計年度及び当連結会計年度における授権株式数は、それぞれ普通株式200,000千株及び1,000,000千株です。なお、当社は、2024年7月1日付で普通株式1株につき普通株式5株の割合で株式分割を行っています。これにより、授権株式数が800,000千株増加して1,000,000千株となっています。

 

② 発行済株式

発行済株式の増減は、以下のとおりです。

(単位:株)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

発行済株式数

 

 

期首残高

92,086,015

92,349,082

期中増加

263,067

369,706,653

期中減少

期末残高

92,349,082

462,055,735

 

(注)

1.

当社の発行する株式は、無額面普通株式であり、発行済株式は、全額払込済です。

 

2.

当社は、2024年7月1日付で普通株式1株につき普通株式5株の割合で株式分割を行っています。

 

3.

前連結会計年度における発行済株式数の増加は、新株予約権の行使による増加50,200株、譲渡制限付株式報酬としての新株式発行による増加35,667株、業績連動型株式報酬としての新株式発行による増加177,200株です。

 

4.

当連結会計年度における発行済株式数の増加は、新株予約権の行使による増加92,500株、譲渡制限付株式報酬としての新株式発行による増加14,365株、株式分割による増加369,599,788株です。

 

 

③ 自己株式

自己株式の増減は、以下のとおりです。

(単位:株)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

期首残高

24,422

26,531

期中増加

2,109

114,079

期中減少

200

期末残高

26,531

140,410

 

 

(注)

1.

前連結会計年度における自己株式の増加は、譲渡制限付株式報酬制度における無償取得による増加279株、単元未満株式の買取りによる増加1,830株です。

 

2.

当社は、2024年7月1日付で普通株式1株につき普通株式5株の割合で株式分割を行っています。

 

3.

当連結会計年度における自己株式の増加は、譲渡制限付株式報酬制度における無償取得による増加686株、単元未満株式の買取りによる増加2,233株、株式分割による増加111,160株です。

 

4.

当連結会計年度における自己株式の減少は、単元未満株式の売渡しによる減少200株です。

 

 

(2)剰余金
① 資本剰余金

会社法では、株式の発行に対しての払込又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれる資本準備金に組み入れることが規定されています。資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。

 

 

② 利益剰余金

会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損補填に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。

当社における会社法上の分配可能額は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成された当社の会計帳簿上の利益剰余金の金額に基づいて算定されています。

また、会社法は分配可能額の算定にあたり一定の制限を設けており、当社はその範囲内で利益剰余金の分配を行っています。

 

(3)その他の資本の構成要素の内容及び目的
① 在外営業活動体の換算差額

在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額です。

 

② キャッシュ・フロー・ヘッジ

キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分です。

 

③ その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(資本性金融資産)の純変動

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の認識が中止されるか公正価値が著しく低下するまでに生じた当該資産の公正価値の純変動額の累積額です。

 

④ 確定給付制度の再測定

確定給付制度に係る再測定による変動部分です。

 

 

26.配当金

各年度における配当金の支払額は、以下のとおりです。

前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日

 

決議

株式の種類

配当金の総額
(百万円)

1株当たり
配当額(円)

基準日

効力発生日

2023年3月29日
定時株主総会

普通株式

9,942

108.00

2022年12月31日

2023年3月30日

2023年8月14日
取締役会

普通株式

9,000

97.50

2023年6月30日

2023年9月13日

 

 

当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日

 

決議

株式の種類

配当金の総額
(百万円)

1株当たり
配当額(円)

基準日

効力発生日

2024年3月27日
定時株主総会

普通株式

12,140

131.50

2023年12月31日

2024年3月28日

2024年8月14日
取締役会

普通株式

10,622

115.00

2024年6月30日

2024年9月13日

 

(注)

当社は、2024年7月1日付けで普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っています。基準日が2024年6月30日以前の「1株当たり配当額」については、当該株式分割前の実際の配当金の額を記載しています。

 

 

 

基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、以下のとおりです。

前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日

 

決議

株式の種類

配当金の総額
(百万円)

1株当たり

配当額(円)

基準日

効力発生日

2024年3月27日
定時株主総会

普通株式

12,140

131.50

2023年12月31日

2024年3月28日

 

 

当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日

 

決議

株式の種類

配当金の総額
(百万円)

1株当たり

配当額(円)

基準日

効力発生日

2025年3月26日
定時株主総会

普通株式

14,781

32.00

2024年12月31日

2025年3月27日

 

(注)

当社は、2024年7月1日付けで普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っています。2025年3月26日定時株主総会決議に基づく「1株当たり配当額」については、当該株式分割後の金額を記載しています。

 

 

 

27.株式に基づく報酬

当社グループは、企業価値の持続的な向上に対する貢献意識を高めるとともに、株主との価値共有を進めることを目的として、当社グループの取締役、執行役及び従業員に対して、株式報酬制度を採用しています。

(1) ストック・オプション

① ストック・オプション制度の概要

当社は、ストック・オプション制度を採用しています。ストック・オプションは、当社の株主総会において承認された内容に基づき、当社の取締役会決議により、当社グループの取締役、執行役及び従業員に対して付与されています。行使期間は割当契約に定められており、その期間内に行使されない場合は、当該オプションは失効します。

当社のストック・オプション制度は持分決済型株式報酬として会計処理されています。

 

② ストック・オプションの内容

 

 

付与日

付与数
(株)

権利行使価格
(円)

権利確定条件

権利行使期間

第3回新株予約権

2011年9月27日

1,615,000

1

(注)

2014年7月1日から
2026年6月30日

第5回新株予約権

2013年10月1日

212,000

1

(注)

2014年7月1日から
2026年6月30日

第6回新株予約権

2014年10月1日

1,309,000

1

(注)

2017年7月1日から
2029年6月30日

第7回新株予約権

2015年10月1日

447,000

1

(注)

2017年7月1日から
2029年6月30日

第8回新株予約権

2016年10月1日

190,000

1

(注)

2017年7月1日から
2029年6月30日

第9回新株予約権

2017年10月1日

368,500

1

(注)

2020年4月1日から
2032年3月31日

 

(注)1.「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりです。

2.なお、当社は2024年7月1日を効力発生日として普通株式を1株につき5株の割合で株式分割を行っています。これにより、新株予約権一個当たりの付与株式数は株式分割後の数値に換算して記載しています。

 

③ ストック・オプションの数及び加重平均行使価格の変動

 

 

(単位:株式数)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

期首未行使残高

189,300

139,100

失効

行使

50,200

47,700

満期消滅

期末未行使残高

139,100

91,400

期末行使可能残高

139,100

91,400

 

(注)1.ストック・オプションの数については、株式数に換算して記載しています。

2.加重平均行使価格はいずれも1円です。

3.ストック・オプションの行使時点の加重平均株価は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ5,476円及び10,840円です。

4.期末時点で未行使のストック・オプションの加重平均残存契約年数は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ4.8年及び3.9年です。

 

 

(2) 譲渡制限付株式報酬制度

① 譲渡制限付株式報酬制度の概要

当制度の下では、一定期間継続して当社の取締役等を務めることを条件として、当社から支給された金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行を受けることとなります。「譲渡制限付株式報酬」での当社の普通株式の発行にあたっては、当社と対象取締役等の間において、①一定期間、本株式に係る第三者への譲渡、担保権の設定その他一切の処分を禁止すること、②一定の事由が生じた場合には当社が本株式を無償取得すること等をその内容に含む契約が締結されることを条件とします。なお、非居住者に対しては譲渡制限付株式報酬制度に代えて、当該報酬と同じ経済価値である金銭報酬を支給します。

当社の普通株式交付を行う譲渡制限付株式報酬は持分決済型の株式報酬として、当社から現金給付を行う譲渡制限付株式報酬制度は、現金決済型の株式報酬として会計処理されています。

 

② 期中に付与された株式数と公正価値

 

 

付与日

付与数
(株)

付与日の公正価値
(円)

譲渡制限付株式報酬

2024年5月8日

14,365

13,405

 

(注)1.株式付与については、その公正価値評価に際して観察可能な市場価格を基礎として測定しています。

2.予想配当は公正価値の測定に織り込んでいません。

 

(3) 業績連動型株式報酬制度

① 業績連動型株式報酬制度の概要

当制度の下では、一定期間継続して当社の取締役等を務めること、及び、当社取締役会が予め定めた業績目標の達成を条件として、当社から支給された金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行を受けることとなります。

「業績連動型株式報酬」は、業績評価対象期間終了後の役員会議等にて、業績目標の達成度合いが検討され、実際の支給金額に関する決議が行われます。なお、当該報酬の40%相当については役職員が負担する所得税等を考慮し、金銭に換価して支給します。また、非居住者に対しては業績連動型報酬に代えて、当該報酬と同じ経済価値である金銭報酬を支給します。

当社の普通株式交付を行う業績連動型株式報酬は持分決済型の株式報酬として、当社から現金給付を行う業績連動型株式報酬制度は、現金決済型の株式報酬として会計処理されています。

 

② 期中に付与された株式数と公正価値

  該当事項はありません。

 

(4) 株式報酬取引が純損益及び財政状態に与えた影響

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

① 現金決済型株式報酬

 

 

売上原価

5

2

販売費及び一般管理費

249

261

その他の非流動負債

158

419

 

 

 

② 持分決済型株式報酬

 

 

売上原価

10

7

販売費及び一般管理費

544

526

その他の費用

0

1

 

なお、期末日現在で権利が確定した① 現金決済型株式報酬に関する本源的価値は、前連結会計年度において43百万円です。当連結会計年度において88百万円です。

 

28.売上収益

(1) 収益の分解

当社グループは、「6.事業セグメント」に記載のとおり、「建築・産業」、「エネルギー」、「インフラ」、「環境」及び「精密・電子」の5つを報告セグメントとしています。分解した売上収益と各報告セグメントの売上収益の関係は以下のとおりです。なお、その他の源泉から認識した収益の額に重要性はありません。

 

(単位:百万円)

報告セグメント

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

建築・産業

222,181

238,182

エネルギー

167,229

210,434

インフラ

50,178

51,118

環境

71,540

87,438

精密・電子

246,998

278,378

その他

1,199

1,115

合計

759,328

866,668

 

(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。

 

(2) 契約残高

顧客との契約から生じた債権、契約資産、契約負債及び返金負債の残高は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度期首
(2023年1月1日)

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

顧客との契約から生じた債権

152,591

160,280

167,850

契約資産

100,420

99,901

116,792

契約負債

63,168

92,918

108,778

返金負債

2,024

55

21

 

顧客との契約から生じた債権は、履行義務の充足後、別途定める支払条件により、主として1年以内に対価を受領しています。なお、顧客との契約から生じた債権は、連結財政状態計算書において「営業債権及びその他の債権」に含まれています。

契約資産は、主として工事請負契約について報告期間の末日時点での進捗度に基づいて測定した履行義務の充足部分と交換に受け取る対価に対する権利のうち、債権を除いたものであり、対価に対する当社グループの権利が当該対価の支払期限が到来する前に時の経過だけが要求される無条件な状態となった時点で債権に振り替えられます。

前連結会計年度及び当連結会計年度において顧客との契約から生じた債権及び契約資産について認識された減損損失はそれぞれ、177百万円及び416百万円です。

契約負債は、主として顧客から対価を受け取っているものの履行義務を充足していない部分を認識しています。財又はサービスを顧客に移転する前に顧客から対価を受け取った場合に増加し、履行義務を充足することにより減少します。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された収益のうち、期首の契約負債残高に含まれていた金額はそれぞれ、52,925百万円及び76,973百万円です。

変動対価の金額は、値引き、遅延損害金等に対して、合理的に利用可能なすべての情報を用いて対価の金額を見積り、認識した収益の累計額の重大な戻入が生じない可能性が非常に高い範囲で測定しています。

  なお、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。

 

(3) 残存履行義務に配分した取引価格

未充足の履行義務に配分した取引価格は、以下のとおりです。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。

 

(単位:百万円)

報告セグメント

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

建築・産業

60,693

68,716

エネルギー

210,159

239,038

インフラ

67,409

76,949

環境

346,965

344,418

精密・電子

205,462

187,937

その他

33

137

合計

890,723

917,198

 

これらは、主に「建築・産業」、「エネルギー」、「インフラ」におけるカスタムポンプ及びコンプレッサ・タービン、「環境」における長期包括契約に属するものであり、その多くが1年超の長期にわたって履行義務を充足する工事契約に係る取引です。各報告セグメントの未充足の履行義務は、各連結会計年度末から起算して、概ね次の期間内に完了し、収益として認識される見込みです。

「建築・産業」、「エネルギー」、「インフラ」:3年以内

「環境」:20年以内

「精密・電子」:1年以内

 

(4) 顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産

当社グループは、顧客との契約獲得のための増分コスト及び契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産として認識しており、連結財政状態計算書上はその他の資産に計上しています。契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。

当社グループにおいて資産計上されている契約獲得のための増分コストは、主に販売契約を獲得するために代理店に支払った販売手数料です。また契約履行のためのコストは、主に、入札準備費用や公告前に行われる開発、調査のための活動費用です。認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、契約獲得の増分コストを発生時に費用として認識しています。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

契約獲得のためのコストから認識した資産

132

121

契約履行のためのコストから認識した資産

合計

132

121

 

当該資産は該当する工事契約に係る財又はサービスが顧客へ移転するパターンに応じ、償却を行っています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、契約コストから認識した資産から生じた償却費は、それぞれ165百万円及び132百万円です。

 

 

29.販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

人件費

62,581

73,741

研究開発費

18,281

20,524

荷造及び発送費

7,684

7,632

減価償却費及び償却費

10,396

12,973

業務委託費

13,580

16,771

その他の費用

43,323

51,558

合計

155,847

183,201

 

 

30.その他の収益及び費用

その他の収益及びその他の費用の内訳は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

その他の収益

 

 

固定資産処分益

197

1,245

政府補助金

793

977

解約違約金収入

574

その他

1,160

1,862

合計

2,725

4,085

その他の費用

 

 

固定資産処分損

338

976

減損損失

2,143

7,220

割増退職金

538

その他

1,080

1,163

合計

3,562

9,899

 

(注)前連結会計年度の「その他」に含めていた「政府補助金」について、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、比較情報についても組替えて表示しています。

 

31.研究開発費

前連結会計年度及び当連結会計年度において費用に認識した研究開発費は、それぞれ18,281百万円及び20,524百万円です。

 

 

32.金融収益及び金融費用

金融収益の内訳は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

受取利息

 

 

償却原価で測定する金融資産

1,301

1,696

受取配当金

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で

測定する金融資産

8

7

為替差益

181

402

正味貨幣持高に係る利得

61

1,642

その他

 

 

純損益を通じて公正価値で測定する

金融資産

3

21

 その他

87

127

合計

1,643

3,897

 

 

金融費用の内訳は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

支払利息

 

 

償却原価で測定する金融負債

3,640

3,431

リース負債

283

322

為替差損

その他

 

 

純損益を通じて公正価値で

測定する金融資産

21

70

その他

416

360

合計

4,361

4,185

 

 

 

33.1株当たり当期利益

(1) 基本的1株当たり当期利益の計算は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

親会社の所有者に帰属する当期利益

(百万円)

60,283

71,401

発行済普通株式の加重平均株式数(千株)

461,134

461,796

基本的1株当たり当期利益(円)

130.73

154.62

 

(注)当社は、2024年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、基本的1株当たり当期利益を算定しています。

 

(2) 希薄化後1株当たり当期利益の計算は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

親会社の所有者に帰属する当期利益

(百万円)

60,283

71,401

当期利益調整額(百万円)

希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円)

60,283

71,401

発行済普通株式の加重平均株式数(千株)

461,134

461,796

ストック・オプションに係る調整株数
(千株)

767

548

希薄化後の期中平均普通株式数(千株)

461,902

462,345

希薄化後1株当たり当期利益(円)

130.51

154.43

 

(注)

1.

希薄化効果を有さないとして、希薄化後の期中平均普通株式数の算定から除外したものはありません。

 

2.

当社は、2024年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、希薄化後1株当たり当期利益を算定しています。

 

 

34.その他の包括利益

その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

純損益に振り替えられることのない項目

 

 

確定給付制度の再測定

 

 

当期発生額

△2,898

△513

税効果調整前

△2,898

△513

税効果額

911

173

税効果調整後

△1,987

△339

その他の包括利益を通じて公正価値で

測定する金融資産の純変動

 

 

当期発生額

137

△122

税効果調整前

137

△122

税効果額

△41

37

税効果調整後

95

△85

持分法適用会社のその他の包括利益に

対する持分

 

 

当期発生額

55

△145

純損益に振り替えられる可能性のある項目

 

 

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

当期発生額

△0

△377

組替調整額

20

△0

税効果調整前

20

△377

税効果額

△4

115

税効果調整後

15

△262

在外営業活動体の換算差額

 

 

当期発生額

10,227

15,950

その他の包括利益合計

8,405

15,116

 

 

 

35.金融商品

(1) 資本管理

当社グループは、持続的な成長を通じて、企業価値を最大化することを目指して資本管理をしています。そのうえで、当社グループが資本管理において用いている重要な指標は、投下資本利益率(ROIC)、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)、D/Eレシオであり、これ以外にも親会社所有者帰属持分や親会社の所有者に帰属する持分の水準も管理指標としています。 

 

 

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

ROIC(注)1

12.2%

12.2%

ROE(注)2

15.7%

16.2%

D/Eレシオ

0.35倍

0.32倍

 

(注)1.ROIC=NOPLAT(みなし税引後営業利益)÷投下資本

投下資本=有利子負債(期首期末平均)+親会社の所有者に帰属する持分(期首期末平均)

2.ROE=親会社の所有者に帰属する当期利益÷親会社の所有者に帰属する持分(期首期末平均)

 

(2) 財務上のリスク管理

当社グループは、事業活動を行う過程において生じる財務上のリスク(信用リスク、流動性リスク、市場リスク)に晒されており、当該財務上のリスクを回避又は軽減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っています。また、デリバティブ取引は、リスクを回避することを目的とし、投機的な取引は行わない方針です。

 

① 信用リスクの管理

当社グループの営業債権は顧客の信用リスクに晒されています。当該リスクを低減するために、当社及び連結子会社は社内規程に従い、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに回収状況及び残高を管理することで、財務状況等の悪化による回収懸念の早期把握や軽減を図っています。また、一部の取引先との取引においては保全措置として担保の供出を受けています。

なお、特定の取引先に過度に集中した信用リスクを有していません。

 

決算日における信用リスクに対する最大エクスポージャーは、各金融資産の減損後の帳簿価額であり、各報告日における金額は以下のとおりです。

 

(信用リスクのエクスポージャー)

(単位:百万円)

 

12ヶ月の予想信用損失で測定した
金融資産

全期間の予想信用損失に等しい金額で測定した
金融資産

合計

信用リスクが
著しく増大した
金融資産

信用減損した

金融資産

常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産

前連結会計年度末

2023年12月31日

6,042

4,020

263,506

273,569

当連結会計年度末

2024年12月31日

4,991

4,282

288,303

297,578

 

 

債務保証については、注記「40.偶発事象」に表示されている債務保証の残高が、当社グループの信用リスクに係る最大エクスポージャーとなります。

 

 

当社グループの貸倒引当金の増減は以下のとおりです。なお、当社グループでは、営業債権及びその他の債権が減損した場合、帳簿価額を直接減額せず貸倒引当金を計上しています。

 

(単位:百万円)

貸倒引当金

12ヶ月の予想信用損失で測定した

金融資産

全期間の予想信用損失に等しい金額で測定した
金融資産

合計

信用リスクが
著しく増大した

金融資産

信用減損した

金融資産

常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産

前連結会計年度期首

(2023年1月1日)

288

3,464

3,351

7,103

期中増加額

150

362

309

822

期中減少額(目的使用)

△0

△0

△579

△579

期中減少額(戻入)

△126

△276

△132

△534

その他

△2

466

△178

286

前連結会計年度末

(2023年12月31日)

310

4,016

2,770

7,097

期中増加額

34

223

636

895

期中減少額(目的使用)

△70

△1

△231

△303

期中減少額(戻入)

△0

△237

△291

△529

その他

1

278

173

453

当連結会計年度末

(2024年12月31日)

275

4,280

3,057

7,613

 

前連結会計年度及び当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を与えるような金融資産の帳簿価額(総額)の著しい増減はありません。

 

② 流動性リスクの管理

流動性リスクとは、当社グループが現金又はその他の金融資産により決済する金融負債に関連する債務を履行するにあたり、支払期日にその支払いを実行できなくなるリスクです。当社は、各部署からの報告に基づき、財務部門が資金計画を作成及び更新するとともに、事業状況に応じた適正規模の手元流動性を維持することにより、流動性リスクを管理しています。また金融上のリスクに対応するためにコミットメントライン契約や当座貸越契約等を締結することで代替流動性を確保しています。なお、グループ内の資金効率性を高めるため、資金を当社に集中する制度を運用しています。

前連結会計年度末、当連結会計年度末における主な金融負債の期日別残高は以下のとおりであり、契約上のキャッシュ・フローは利息支払額を含んだ割引前のキャッシュ・フローを記載しています。

 

 

(単位:百万円)

前連結会計年度

(2023年12月31日)

帳簿

価額

契約上のキャッシュ・フロー

合計

1年以内

1年超

5年以内

5年超

非デリバティブ金融負債

 

 

 

 

 

営業債務及びその他の債務

172,368

172,368

172,368

社債及び借入金

124,760

128,220

42,474

65,460

20,286

リース負債

20,489

21,657

6,849

11,918

2,889

その他

1,112

1,112

1,080

31

合計

318,729

323,358

222,772

77,410

23,175

デリバティブ金融負債

 

 

 

 

 

デリバティブ

141

141

141

合計

141

141

141

 

 

(単位:百万円)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

帳簿

価額

契約上のキャッシュ・フロー

合計

1年以内

1年超

5年以内

5年超

非デリバティブ金融負債

 

 

 

 

 

営業債務及びその他の債務

167,452

167,452

167,452

社債及び借入金

128,810

131,944

50,608

50,141

31,194

リース負債

21,622

23,121

8,090

11,475

3,554

その他

840

840

717

123

合計

318,726

323,358

226,869

61,740

34,749

デリバティブ金融負債

 

 

 

 

 

デリバティブ

1,137

1,137

1,137

合計

1,137

1,137

1,137

 

 

 

当社グループが保有する信用枠は以下のとおりです。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

信用枠

85,000

85,000

借入実行残高

未実行残高

85,000

85,000

 

 

③ 市場リスクの管理

(ⅰ) 為替リスク

当社グループはグローバルに事業を展開しており、それにより生じている外貨建の営業債権及び債務は、外国為替レートの変動リスクに晒されています。当社グループは主として外貨建の債権及び債務をネットした純額ポジションに対して為替予約等のデリバティブ取引を利用しヘッジしています。

デリバティブ取引については、内部規程である金融商品管理規程に基づき、連結子会社を含めて適用し管理を行っています。

 

(為替リスクのエクスポージャー)

当社グループにおける為替リスクのエクスポージャー(純額)は、次のとおりです。なお、デリバティブにより為替リスクがヘッジされている金額は除いています。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

米ドル

9,225

10,944

ユーロ

12,360

8,914

中国元

5,328

4,633

 

 

(為替変動リスクの感応度分析)

当社グループが前連結会計年度末及び当連結会計年度末に保有する外貨建金融商品について、日本円が10%円高になった場合に、連結損益計算書の当期利益に与える影響額は、以下のとおりです。

機能通貨建の金融商品、及び在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含んでいません。なお、本分析は、その他すべての変数が一定であることを前提としています。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

米ドル

△756

△895

ユーロ

△884

△628

中国元

△396

△341

 

 

 

(ⅱ) 金利リスク

当社グループの有利子負債のうち変動金利によるものは金利変動リスクに晒されています。当該金利変動リスクを低減するために、借入金の固定金利と変動金利の適切なバランスを維持し、必要に応じて金利スワップ取引等のデリバティブ取引を利用しています。

 

(金利リスクのエクスポージャー)

当社グループにおける金利リスクのエクスポージャーは、次のとおりです。なお、デリバティブにより金利変動リスクがヘッジされている金額は除いています。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

変動金利の借入金

21,183

21,326

 

 

(金利変動リスクの感応度分析)

当社グループが前連結会計年度末及び当連結会計年度末に保有する金融商品について、金利が1%上昇した場合に、連結損益計算書の当期利益に与える影響額は、以下のとおりです。

当該分析では、期末における金利の変動による影響を受ける金融商品の正味残高に1%を乗じて影響額を算定しています。なお、金利スワップ取引により実質的に固定金利付金融商品となっているものは除いています。なお、本分析は、その他すべての変数が一定であることを前提としています。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

税引後当期利益

△153

△152

 

 

(ⅲ) 株価変動リスク

当社グループが保有する資本性金融商品は、取引先企業等の株式であり、市場価格の変動リスクに晒されています。資本性金融商品については、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握して、また満期保有目的の債券以外のものについては、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。

前連結会計年度及び当連結会計年度において重要な株価変動リスクはありません。

 

 

(3) 金融商品の公正価値
① 金融商品の帳簿価額と公正価値

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

帳簿価額

公正価値

帳簿価額

公正価値

償却原価で測定する金融資産

 

 

 

 

現金及び現金同等物

148,059

148,059

171,031

171,031

営業債権及びその他の債権

163,363

163,302

170,282

170,193

その他の金融資産

6,744

6,339

6,271

5,842

その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

その他の金融資産

2,781

2,781

2,766

2,766

純損益を通じて公正価値で
測定する金融資産

 

 

 

 

その他の金融資産(会員権)

231

231

255

255

その他の金融資産
(投資事業有限責任組合への出資)

488

488

420

420

その他の金融資産
(デリバティブ)

126

126

69

69

合計

321,796

321,330

351,096

350,578

償却原価で測定する金融負債

 

 

 

 

営業債務及びその他の債務

172,368

172,368

167,452

167,452

社債及び借入金

124,760

122,528

128,810

126,264

その他の金融負債

586

586

374

371

純損益を通じて公正価値で
測定する金融負債

 

 

 

 

その他の金融負債
(デリバティブ)

141

141

1,137

1,137

その他の金融負債

(条件付対価)

525

525

466

466

合計

298,381

296,148

298,241

295,692

 

リース負債については、IFRS第7号「金融商品:開示」において公正価値の開示を要求されていないことから、上表に含めていません。

 

② 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類

公正価値で測定する金融商品について、測定に用いた評価技法へのインプットの観察可能性に応じて算定した公正価値を以下の3つのレベルに分類しています。

 

レベル1・・・同一の資産又は負債に関する活発な市場における公表市場価格により測定した公正価値

レベル2・・・レベル1以外の資産又は負債について、直接又は間接的に観察可能なインプットにより測定した公正価値

レベル3・・・資産又は負債についての観察可能な市場データに基づかないインプットにより測定した公正価値

 

公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各連結会計年度末において認識しています。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1、2及び3の間の重要な振替はありません。

 

 

③ 償却原価で測定する金融商品

償却原価で測定する主な金融商品の測定方法は、以下のとおりです。

(ⅰ) 現金及び現金同等物

満期までの期間が短期であるため、帳簿価額は公正価値に近似しています。

(ⅱ) 営業債権

一定の期間ごとに区分した債権ごとに債権額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いています。

(ⅲ) その他の債権及び営業債務及びその他の債務

満期までの期間が短期であるため、帳簿価額は公正価値に近似しています。

(ⅳ) その他の金融資産及びその他の金融負債

非流動のものの公正価値は、その将来のキャッシュ・フローを見積り、その信用リスクを加味した割引率で現在価値に割り引いて公正価値を算定しています。また、流動のものは、満期までの期間が短期であるため、帳簿価額は公正価値に近似しています。

(ⅴ) 社債及び借入金

契約期間が1年超の社債及び長期借入金の公正価値は、元利金の合計額を新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しています。

 

償却原価で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは、社債及び借入金についてはレベル2、その他の金融資産及びその他の金融負債については主としてレベル3で区分しています。レベル3の金融商品に係る公正価値の測定は、関連する社内規程に従い実施しています。公正価値の測定に際しては、対象となる金融商品の性質、特徴及びリスクを最も適切に反映できる評価技法及びインプットを用いています。

 

④ 公正価値で測定する金融商品

公正価値で測定する主な金融商品の測定方法は、以下のとおりです。

(ⅰ) 株式

株式はその他の金融資産に含まれ、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しています。株式については、レベル1に区分されているものは活発な市場で取引されている上場株式であり、取引所の市場価格によって評価しています。レベル2に区分されているものは非上場株式であり、観察可能な市場データを利用して評価しています。レベル3に区分されているものは非上場株式であり、主として純資産に基づく評価モデル(株式発行会社の純資産に基づき、時価評価により修正すべき事項がある場合は修正した金額により、企業価値を算定する方法)や直近に入手された外部の評価専門家による鑑定評価書(評価手法としては取引事例法など使用)に基づいた公正価値等により測定しています。

 

(ⅱ) 会員権

会員権はその他の金融資産に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。公正価値は、相場価格等によっています。

 

(ⅲ) 投資事業有限責任組合

投資事業有限責任組合への出資はその他の金融資産に含まれ、組合財産に対する持分相当額により算定しています。

 

(ⅳ) デリバティブ資産及びデリバティブ負債

デリバティブ資産及びデリバティブ負債は、それぞれその他の金融資産及び金融負債に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債に分類しています。デリバティブは主に為替予約、金利スワップに係る取引であり、公正価値は、取引先金融機関等から提示された観察可能な市場データに基づき算定しています。

 

 

(ⅴ) 条件付対価

条件付対価はその他の金融負債に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に分類しています。公正価値は、将来の業績等を考慮し、支払額を見込んで算定しています。

 

公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりです。

 

前連結会計年度末(2023年12月31日

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

公正価値

レベル1

レベル2

レベル3

金融資産

 

 

 

 

その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

その他の金融資産(株式)

128

2,653

2,781

純損益を通じて公正価値で
測定する金融資産

 

 

 

 

その他の金融資産(会員権)

231

231

その他の金融資産
(投資事業有限責任組合への
出資)

488

488

デリバティブ資産

126

126

合計

128

358

3,142

3,628

金融負債

 

 

 

 

純損益を通じて公正価値で
測定する金融負債

 

 

 

 

デリバティブ負債

141

141

条件付対価

525

525

合計

141

525

666

 

 

当連結会計年度末(2024年12月31日

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

公正価値

レベル1

レベル2

レベル3

金融資産

 

 

 

 

その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

その他の金融資産(株式)

201

2,565

2,766

純損益を通じて公正価値で
測定する金融資産

 

 

 

 

その他の金融資産(会員権)

255

255

その他の金融資産
(投資事業有限責任組合への
出資)

420

420

デリバティブ資産

69

69

合計

201

324

2,985

3,511

金融負債

 

 

 

 

純損益を通じて公正価値で
測定する金融負債

 

 

 

 

デリバティブ負債

1,137

1,137

条件付対価

466

466

合計

1,137

466

1,603

 

 

 

公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類された金融商品の増減の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

金融資産

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

期首残高

2,734

3,142

利得又は損失

23

△45

純損益(注)1

△21

△68

その他の包括損益(注)2

44

22

購入

438

75

売却

△4

△235

その他

△34

在外営業活動体の為替換算差額

△15

48

期末残高

3,142

2,985

 

 

 

 

(単位:百万円)

金融負債

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

期首残高

525

利得又は損失

29

 純損益(注)1

29

企業結合による増加

529

支払

△110

在外営業体の為替換算差額

△4

22

期末残高

525

466

 

 

(注)1.純損益に含まれている利得又は損失は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債に関するものであり、連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に認識されています。

2.その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の純変動」に認識されています。

 

レベル3に分類されている金融商品は、主に非上場株式により構成されています。レベル3の金融商品に係る公正価値の測定は、関連する社内規程に従い実施しています。公正価値の測定に際しては、対象となる金融商品の性質、特徴及びリスクを最も適切に反映できる評価技法及びインプットを用いています。非上場株式等の公正価値は、当社グループの担当部門がグループ会計方針等に従って測定し、公正価値の変動の根拠と併せて上位者に報告がなされ、必要に応じて経営者にも報告がなされています。

レベル3に分類される金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の公正価値の増減は重要ではありません。

 

 

(4) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品

株式等の資本性金融商品は、主に中長期的な関係の維持・強化を図るために保有しており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に指定しています。資本性金融商品の主な銘柄及び公正価値は次のとおりです。

 

前連結会計年度末(2023年12月31日)                        (単位:百万円)

銘柄

公正価値

Spiber(株)

1,119

OISHII FARM(株)

422

(株)大阪真空機器製作所

421

リージョナルフィッシュ(株)

243

東京湾横断道路(株)

80

東京都市開発(株)

61

その他

433

合計

2,781

 

 

当連結会計年度末(2024年12月31日)                        (単位:百万円)

銘柄

公正価値

Spiber(株)

1,119

OISHII FARM(株)

471

(株)大阪真空機器製作所

468

リージョナルフィッシュ(株)

228

東京都市開発(株)

61

(株)アクティオホールディングス

22

その他

395

合計

2,766

 

 

資本性金融商品は、公正価値(市場価格等)の状況と事業上の必要性の検討を踏まえ売却等を行っており期中で認識していた累積利得又は損失は、売却等によりその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。期中で売却した銘柄の売却時における公正価値及び売却に係る累積利得又は損失の合計額は、以下のとおりです。

 

(単位:百万円)

前連結会計年度

(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日

公正価値

累積利得又は損失

公正価値

累積利得又は損失

3

△1

17

△218

 

 

当社グループでは、その他の資本の構成要素として認識していたその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の累積利得又は損失(税引後)は、投資を処分した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合にその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。当該金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ△32百万円及び△157百万円です。

 

資本性金融商品から認識される受取配当金は以下のとおりです。

(単位:百万円)

前連結会計年度

(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日

期中に認識を中止した

資本性金融商品

期末日現在で保有する

資本性金融商品

期中に認識を中止した

資本性金融商品

期末日現在で保有する

資本性金融商品

0

8

0

7

 

 

(5) デリバティブ及びヘッジ会計

当社グループのリスク管理におけるヘッジ会計の適用については、「(2) 財務上のリスク管理」に記載しています。

 

(キャッシュ・フロー・ヘッジ)

キャッシュ・フロー・ヘッジとは、将来のキャッシュ・フローの変動リスクに対するヘッジであり、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動はその他の包括利益として認識し、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で、その他の資本の構成要素に認識した金額を純損益に組み替えています。

キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したデリバティブには、外貨建の債務に係る為替の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした為替予約取引があります。

ヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジされているリスクに起因するヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動がヘッジ手段により相殺される経済的関係にあることを確認するために、原則として、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているかの定性的な評価及びヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動が相殺しあう関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の経済的関係の存在を確認しています。なお、当社は有効性の高いヘッジを行っているため、通常、重要なヘッジの非有効部分が発生しないと想定しています。

また、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、原則として1対1の関係となるよう設定しています。

 

前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるヘッジ手段の公正価値は次のとおりです。連結財政状態計算書において、ヘッジ手段に係る資産の公正価値は、「その他の金融資産」に含まれており、ヘッジ手段に係る負債の公正価値は、「その他の金融負債」に含まれています。

 

 

(単位:百万円)

前連結会計年度末

(2023年12月31日)

想定元本

平均レート

1年内

1年超

資産

負債

為替予約取引

 

 

 

 

 

 

ユーロ

5

1.06米ドル

/ユーロ

5

0

日本円

英国ポンド

米国ドル

 

 

(単位:百万円)

当連結会計年度末

(2024年12月31日)

想定元本

平均レート

1年内

1年超

資産

負債

為替予約取引

 

 

 

 

 

 

ユーロ

937

160.9円

/ユーロ

937

14

日本円

英国ポンド

 米国ドル

6,213

146.78円

/米ドル

6,213

383

 

 

なお、当社グループが行うヘッジ活動においては、ヘッジ対象項目全体をヘッジしており一部のリスク要素をヘッジする取引はありません。

純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ手段の公正価値の変動の記載は省略しています。

 

上記以外に、ヘッジ指定されていないデリバティブ資産及びデリバティブ負債の公正価値は以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

 

資産

負債

資産

負債

為替予約取引

126

73

69

465

直物為替先渡取引(NDF)

53

267

金利スワップ契約

13

5

 

 

 

前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金は以下のとおりです。なお、ヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金はありません。

(単位:百万円)

リスクの種類

前連結会計年度末

2023年12月31日

当連結会計年度末

2024年12月31日

為替変動リスク

△5

△268

 

純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の公正価値の変動の記載は省略しています。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度において、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したヘッジ手段に関する連結損益計算書及び連結包括利益計算書に与える影響は、次のとおりです。

なお、各連結会計年度において、純損益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はありません。

 

(単位:百万円)

リスクの種類

組替調整額の連結損益計算書上の
主な表示科目

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

その他の包括利益発生額

その他の包括利益から純損益への
組替調整額

その他の包括利益発生額

その他の包括利益から純損益への
組替調整額

為替変動リスク

金融収益及び
金融費用

△0

15

△262

△0

 

 

36.財務活動に係る負債の変動

財務活動に係る負債の変動は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

短期借入金

長期借入金

社債

リース負債

合計

前連結会計年度期首
(2023年1月1日)

27,480

41,346

30,000

20,506

119,333

キャッシュ・フローを伴う変動

△6,068

28,501

△6,261

16,171

キャッシュ・フローを伴わない
変動

 

 

 

 

 

新規リース

4,959

4,959

為替換算差額

2,209

1,098

453

3,761

その他増減

0

192

831

1,023

前連結会計年度末
(2023年12月31日)

23,621

71,138

30,000

20,489

145,249

キャッシュ・フローを伴う変動

△8,054

△895

10,000

△6,571

△5,521

キャッシュ・フローを伴わない
変動

 

 

 

 

 

新規リース

5,718

5,718

為替換算差額

1,259

1,702

407

3,369

その他増減

38

0

1,578

1,616

当連結会計年度末
(2024年12月31日)

16,864

71,945

40,000

21,622

150,433

 

 

 

37.関連当事者との取引

(1)関連当事者との取引

前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日

該当事項はありません。

 

(2)主要な経営幹部に対する報酬

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日

基本報酬及び短期業績連動報酬

743

689

株式に基づく報酬

400

409

合計

1,143

1,098

 

 

38.コミットメント

決算日以降の支出に関する重要なコミットメントは以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

有形固定資産の取得

31,650

26,211

合計

31,650

26,211

 

 

39.担保

担保に供している資産及び対応する債務は、以下のとおりです。

担保に供している資産

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

建物及び構築物

1,264

1,215

その他

1,156

1,277

合計

2,421

2,493

 

 

上記に対応する債務

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

短期借入金

長期借入金

合計

 

 

 

40.偶発事象

当社グループは、従業員住宅資金と公益財団法人荏原畠山記念文化財団の銀行借入に対して、債務保証を行っています。各年度の債務保証の残高は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末
2023年12月31日

当連結会計年度末
2024年12月31日

従業員住宅資金の銀行借入に対する保証

9

7

公益財団法人荏原畠山記念文化財団の
銀行借入に対する保証

1,544

2,825

合計

1,553

2,832

 

 

従業員住宅資金の銀行借入に対する保証

当社グループは、従業員住宅資金の銀行借入に対して保証を行っています。債務者が保証債務の対象となっている債務を返済できない場合、当社グループは返済不能額を負担しなければなりません。なお、一部の債務保証は債務者の資産により担保されています。

 

公益財団法人荏原畠山記念文化財団の銀行借入に対する保証

当社グループは、公益財団法人荏原畠山記念文化財団の銀行借入に対して保証を行っています。債務者が保証債務の対象となっている債務を返済できない場合、当社グループは返済不能額を負担しなければなりません。なお、一部の債務保証は債務者の資産により担保されています。

 

岐阜市東部クリーンセンター粗大ごみ処理施設の火災事故に関する係争について

2015年10月23日に、岐阜県岐阜市芥見の岐阜市東部クリーンセンター粗大ごみ処理施設において、当社連結子会社の荏原環境プラント株式会社(以下、EEP)による設備修繕作業中に火災事故が発生しました。なお、EEPは粗大ごみ処理施設に隣接するごみ焼却施設の運転管理業務を受託しています。

本事故の損害賠償に関し、岐阜市と対応を協議してまいりましたが、岐阜市からEEPに対し、43億62百万円及びその遅延損害金の支払いを求める損害賠償請求訴訟が岐阜地方裁判所に2019年1月31日付で提起されました。その後、岐阜市が2019年7月22日付で損害賠償請求金額を44億74百万円及びその遅延損害金に変更する訴えの変更申立て(2019年7月25日に受領)、2020年7月17日付で損害賠償請求金額を45億82百万円及びその遅延損害金に変更する訴えの変更申立て(2020年7月20日に受領)、2021年8月10日付で損害賠償請求金額を46億92百万円及びその遅延損害金に変更する訴えの変更申立て(2021年8月25日に受領)を行いました。

岐阜地方裁判所は、2023年5月31日に、EEPに対して7億48百万円及びこれに対する2015年10月23日から支払い済みまでの年5分の割合による遅延損害金の支払いを命じ、岐阜市のその余の請求を棄却する判決を言い渡しました。2023年6月12日、EEPは当該判決のうち岐阜市の請求を認めた部分並びにEEPの主張が認められなかった部分について、これを不服として名古屋高等裁判所に控訴を提起し、同裁判所にて審理がなされておりましたが、2024年5月17日に、①一審判決を修正しEEPは岐阜市に対して6億5百万円及び2015年10月23日から支払日までの年5分の遅延損害金を支払うことを命じる、②別途EEPが岐阜市に請求し①の事件と併合審理となっていた粗大ごみ暫定処理費用についても、一審の請求棄却判決を修正し岐阜市はEEPに対して1億22百万円及び 2018年5月19日から支払日までの年6分の遅延損害金を支払うことを命じる、との判決が言い渡されました。EEPは判決を精査した結果、当該控訴審判決を受入れ、上告並びに上告受理申立てを行わないことといたしました。しかしながら、岐阜市により上告提起及び上告受理の申立てがなされた旨の上告提起通知書及び上告受理申立通知書が EEPに送達されました。

EEPは判決内容に基づき、当連結会計期間においてEEPの岐阜市に対する損害賠償金及び遅延損害金である8億36百万円を訴訟損失引当金に、当該事案に付保された保険契約に鑑み当社として将来充当を見込んでいる同額をその他の非流動資産にそれぞれ計上し、収益と費用は純額で表示しました。本訴訟が連結業績に与える影響は軽微と判断しています。

 

フランスに所在するNaphtachimieエチレンプラントにおける火災事故に関する係争について

2012年12月22日、フランスに所在するNaphtachimieエチレンプラントで、プラントのオーバーホール直後に火災が発生しました。事故当時、同プラントを運営するNaphtachimie社は、Total Refining Chemicals社とINEOS社の合弁会社でした。当社連結子会社であるElliott Companyの子会社のElliott Turbomachinery S.A. は、プラントに設置されたコンプレッサのオーバーホール作業を行っていました。

火災の発生後、Naphtachimie社、Total Refining Chemicals社、INEOS社及びそれらのグループ会社並びにそれらの保険会社らは、フランスにおいて訴訟を提起し、Elliott Turbomachinery S.A.、Elliott Company、その子会社であるElliott Turbomachinery Ltd.(以下、総称して単に「Elliottら」と言います。)を含めたオーバーホールに関連する複数の事業者らに対して、火災によって発生した損害の賠償を求めています。

当該訴訟において、Elliottらは一切の責任を否定しています。裁判所が任命した専門家から、技術面及び損害額について法的拘束力のない報告書が提出されましたが、Elliottらはそれらの内容についても訴訟手続において争っています。

報告書の提出後、訴訟のスケジュールが設定されて手続が進行しておりますが、現時点においては損失を合理的に見積ることは困難な状況であるため、引当金は計上していません。

 

 

41.  超インフレの調整

当社グループは、超インフレ経済下にある子会社の財務諸表について、IAS第29号に定められる要件に従い、報告期間の末日現在の測定単位に修正した上で、当社グループの連結財務諸表に含めています。

 当社グループはそのうち、トルコにおける子会社の財務諸表の修正のため、Turkish Statistical Instituteが公表するトルコの消費者物価指数から算出する変換係数を用いています。

 各財政状態計算書日に対応するトルコの消費者物価指数及び変換係数は以下のとおりです。

 

財政状態計算書日

消費者物価指数(注)

変換係数

2023年12月31日

1,859

144

2024年3月31日

2,139

125

2024年6月30日

2,319

116

2024年9月30日

2,526

106

2024年12月31日

2,685

100

 

(注)消費者物価指数100の基準時は2003年です。

 

 超インフレ経済下にある子会社は、取得原価で表示されているのれん及び無形資産等の非貨幣性項目について、取得日を基準に変換係数を用いて修正しています。現在原価で表示されている貨幣性項目及び非貨幣性項目については、報告期間の末日現在の測定単位で表示されていると考えられるため、修正していません。

 超インフレ経済下にある子会社の財務諸表は、期末日の直物為替相場により換算し、当社グループの連結財務諸表に反映しています。

 非貨幣性項目の修正及び直物為替相場による換算の影響は、その他の包括利益を通じて在外営業活動体の換算差額に表示しています。また、正味貨幣持高に係るインフレの影響は、金融収益又は金融費用に表示しています。

 なお、比較年度の連結財務諸表は、IAS第21号「外国為替レート変動の影響」42項(b)に従い修正再表示していません。

 

42.後発事象

インドにおける競業避止義務違反に基づく損害賠償請求等に関する係争について

2025年1月31日、インドの Kirloskar Brothers Limited(以下、KBL)及び同社と合弁により設立した Kirloskar Ebara Pumps Limited(以下、KEPL)より、当社及びインド子会社2社(Ebara Machinery India Private Limited、Elliott Ebara Turbomachinery India Private Limited)のインドにおける事業が、当社とKBLの間で締結されたKEPLに関する合弁契約書に規定された競業避止義務に違反しているとして、当該違反に基づいて生じた損害の賠償、インドでの事業の差止め等を求める仲裁申立てを受けました。現時点で当該事象が連結業績に与える影響を合理的に見積ることは困難な状況です。