第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

2024年12月

売上高

(千円)

1,600,164

1,994,272

2,493,490

2,961,529

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

869,952

600,073

222,177

91,016

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する

当期純損失(△)

(千円)

866,498

578,171

175,072

155,244

包括利益

(千円)

875,735

616,655

237,793

4,759

純資産額

(千円)

2,680,102

2,200,812

2,129,137

2,162,096

総資産額

(千円)

4,308,129

3,471,976

3,596,522

3,440,340

1株当たり純資産額

(円)

171.55

135.63

125.44

136.89

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

62.76

37.49

11.30

9.98

潜在株式調整後
1株当たり

当期純利益

(円)

9.93

自己資本比率

(%)

61.29

60.53

54.18

62.11

自己資本利益率

(%)

7.60

株価収益率

(倍)

34.06

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

574,986

426,205

219,030

388,731

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

372,765

946,774

582,318

213,351

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

2,853,295

273,556

84,405

193,865

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

3,500,340

1,853,805

1,574,922

1,556,437

従業員数

(名)

167

167

150

143

〔外、平均臨時
雇用者数〕

―〕

11

9

7

10

 

(注) 1.当社グループは、第7期までは連結財務諸表を作成しておりませんので、第7期の連結経営指標等については記載しておりません。

2.第8期から第10期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

3.第8期から第10期の自己資本利益率については、親会社株主に帰属する当期純損失が計上されているため記載しておりません。

4.第8期から第10期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

5.第8期から第10期は広告宣伝費及び営業体制強化による人件費、並びに製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上のためのエンジニア等の人件費や研究開発費を積極的に投下したこと等により、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。また、同様の理由により、第8期及び第9期の営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなっております。

6.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。

7.第8期以降の連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けております。

8.2021年7月28日開催の取締役会決議により、2021年8月11日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っておりますが、第8期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しております。

9.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第9期の期首から適用しており、第9期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

2024年12月

売上高

(千円)

1,175,930

1,600,036

2,102,570

2,588,787

2,917,666

経常利益又は

経常損失(△)

(千円)

683,531

851,266

541,903

72,651

272,477

当期純利益又は

当期純損失(△)

(千円)

1,184,811

856,884

558,195

91,393

55,493

資本金

(千円)

90,000

1,609,799

49,682

57,387

71,532

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

普通株式

23,106

15,390,800

15,498,500

15,551,500

15,639,200

A種優先株式

11,616

B種優先株式

6,952

C種優先株式

6,362

C2種優先株式

2,678

D種優先株式

11,762

純資産額

(千円)

467,143

2,649,953

2,131,123

2,061,975

2,150,401

総資産額

(千円)

1,866,354

4,277,610

3,404,900

3,516,255

3,371,009

1株当たり純資産額

(円)

246.75

172.17

137.54

132.73

137.75

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり

中間配当額)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

96.24

62.07

36.19

5.90

3.57

潜在株式調整後
1株当たり

当期純利益

(円)

3.55

自己資本比率

(%)

25.03

61.95

62.59

58.64

63.79

自己資本利益率

(%)

2.64

株価収益率

(倍)

95.29

配当性向

(%)

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

545,299

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

186,396

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

1,617,301

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

1,594,797

従業員数

(名)

111

167

167

144

137

〔外、平均臨時
雇用者数〕

8

11

9

7

10

株主総利回り

(%)

36.2

53.5

40.8

(比較指標:配当込み
TOPIX)

(%)

(―)

(―)

(97.5)

(125.1)

(150.7)

最高株価

(円)

1,526

837

700

521

最低株価

(円)

706

273

288

307

 

 

(注) 1.第7期の持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社を有していないため記載を省略しております。また、第8期から第11期の持分法を適用した場合の投資利益については、連結財務諸表を作成しているため記載を省略しております。

2.第7期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。また、第8期から第10期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

3.第7期から第10期の自己資本利益率については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。

4.第7期の株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。また、第8期から第10期の株価収益率については、1株当たり当期純損失が計上されているため記載しておりません。

5.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

6.当社は、第8期より連結財務諸表を作成しているため第8期から第11期のキャッシュ・フロー計算書に係る各項目については記載しておりません。

7.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。

8.2020年3月5日開催の取締役会決議により、2020年3月28日付で普通株式、A種優先株式、B種優先株式、C種優先株式、C2種優先株式及びD種優先株式のすべてについて、1株につき2株の割合で株式分割を行っており、2021年7月28日開催の取締役会決議により、2021年8月11日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っておりますが、第7期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しております。

9.2021年11月5日付をもって東京証券取引所マザーズに株式を上場いたしましたので、株主総利回り及び比較指標の最近5年間の推移は第9期以降を記載しています。

10.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(グロース市場)によるものであり、それ以前は東京証券取引所(マザーズ)におけるものであります。なお、2021年11月5日付をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。

11.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第9期の期首から適用しており、第9期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

年月

概要

2014年9月

東京都品川区に株式会社Photosynth(資本金100千円)を設立

2014年10月

経済産業省所管の独立行政法人(現:国立研究開発法人)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から研究開発型ベンチャー支援事業(スタートアップイノベーター支援)の委託及び助成先に採択

2015年1月

本社を東京都品川区、同区内での移転

2015年3月

家庭向けの後付け型スマートロック「Akerun Smart Lock Robot」を発表

2015年7月

Webで遠隔解錠・状態確認できる「Akerun Remote」を発表

2015年12月

テクノロジーメディアであるCNET Japanを運営する朝日インタラクティブ株式会社等が主催する「第3回 CNET Japan Startup Award」でCNET Japan賞を受賞

2016年1月

本社を東京都品川区、同区内での移転

2016年7月

法人向けのICカードで鍵が開くスマートロック「Akerun Pro」を発表

2017年3月

経済産業省所管の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施するベンチャー企業と大企業の連携支援プログラム「企業間連携支援制度」に採択

2017年4月

経済誌「Forbes」が選ぶアジア版「30 UNDER 30」のコンシューマーテクノロジー部門に当社代表取締役社長河瀬航大が選出

2018年3月

本社を東京都港区に移転

2018年10月

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会が主催する「第13回ニッポン新事業創出大賞」のアントレプレナー部門で最優秀賞(副賞:経済産業大臣賞、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞)を受賞

2018年10月

日本電気株式会社の顔認証技術と技術連携

2019年5月

法人向けに既設の電気錠や自動ドアを直接制御する「Akerunコントローラー」を発表

2019年6月

大阪府大阪市に大阪オフィスを設立

2020年6月

福岡県福岡市に福岡オフィスを設立

2020年8月

アクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」をイメージしたAkerunロゴのリニューアルを発表

2020年8月

三井不動産株式会社との資本業務提携と、ビル向けの入退館管理システムである「Akerun来訪管理システム」における実証実験の開始を発表

2020年8月

情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013)」の認証を取得

2020年10月

東京都港区にロジスティクス・センターを設立

2020年10月

「Akerun入退室管理システム」の新しいWeb管理ツール「Akerun Connect」をリリース

2020年11月

JR東日本スタートアップ株式会社が主催する「JR東日本スタートアッププログラム2020」において総合グランプリとなる「スタートアップ大賞」を受賞

2021年1月

美和ロック株式会社との合弁会社「株式会社MIWA Akerun Technologies」を設立

2021年7月

「クラウド型入退室管理システムの国内導入社数並びに国内シェアNO.1」、「スマートロック国内利用者数並びに国内シェアNO.1」、「法人向けスマートロック国内導入社数並びに国内シェアNO.1」を獲得(日本マーケティングリサーチ機構調べ(2021年6-7月期_指定領域・日本国内における検証調査))

2021年8月

愛知県名古屋市に名古屋オフィスを設立(2023年2月1日付で大阪オフィスに統合)

2021年9月

株式会社MIWA Akerun Technologiesの住宅向けスマートロックを活用した最初の製品となる、

スマートライフシステム「Akerun.M(アケルン・エム)」を発表

2021年11月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2022年3月

株式会社MIWA Akerun Technologiesがヤマト運輸株式会社が提供する「マルチ デジタルキー プラットフォーム」との連携を発表

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所マザーズからグロース市場に移行

2022年7月

インフラ企業として情報セキュリティへの取り組みをさらに強化するため、新たに最高情報セキュリティ責任者(CISO)を創設

2022年7月

株式会社MIWA Akerun Technologiesが賃貸物件の内見〜入居〜退去までをキーレスで効率的に管理できる 「Akerun.Mキーレス賃貸システム」を発表

2022年8月

北海道札幌市に札幌オフィスを設立

2023年2月

Akerunのブランドイメージをリニューアル

2023年4-7月

「Akerun入退室管理システム」が、ソフトバンク株式会社、JBアドバンスト・テクノロジー株式会社、凸版印刷株式会社等が提供する各種サービスと順次連携開始

 

 

年月

概要

2024年4月

クラウドやIoT、AIなどの最新技術のさらなる活用と開発力の強化に向けて、新たに最高技術責任者(CTO)を設置

2024年9月

ギグワーカープラットフォームを活用した施設運営BPaaS(注)事業を担う完全子会社となる「株式会社Migakun」を設立

2024年9月

スマートフォンのウォレット機能を活用したAkerunブランドの新サービスとなる「Akerunデジタル身分証」を発表

2024年11月

受付業務の無人化・省人化を支援する、Akerunブランドの新サービス「Akerun QR受付システム」の提供を開始

 

(注)BPaaSとは、Business Process as a Serviceの略で、企業などにおける業務プロセスをアウトソースするとともに、クラウドなどのテクノロジーを活用して業務効率の向上を実現するサービス提供モデルです。

 

3 【事業の内容】

当社グループは、「つながるモノづくりで感動体験を未来に組み込む」をミッションに掲げ、厳格な要件が求められる法人向けで実績豊富なクラウド型認証プラットフォームである「Akerun Access Intelligence」を基盤に、スマートロック(注1)等のIoT機器やソフトウエアを活用したAkerun(アケルン)ブランドのHESaaS(注2)のサービスに加えて、ギグワーカーを通じて様々な空間における人手不足の解決を支援する「Migakun(ミガクン)」による施設運営BPaaS(注3)のサービスを展開しております。

これらのサービスの提供を通じて、少子高齢化やそれに伴う人手不足等の将来にわたる社会課題の解決に向けて、あらゆる空間の無人化・省人化を促進する新たな社会モデルの創出に取り組む空間DX事業を、法人、住宅、商業施設、教育機関、自治体などの幅広い業界で展開し、リカーリング収益(注4)の最大化を通じた事業拡大を推進しております

 

(注) 1.スマートロックとは、電気制御により鍵を開閉することができるインターネットに接続された錠前のことであります。

2.HESaaSとは、Hardware Enabled Software as a Serviceの略で、アプリケーションソフトウエアをインターネット経由で提供するクラウドサービスであるSaaSと、ハードウエアのサブスクリプションモデルを組み合わせた提供モデルであります。

3. BPaaSとは、Business Process as a Serviceの略で、企業などにおける業務プロセスをアウトソースすると同時に、クラウドなどのテクノロジーを活用して業務効率の向上を実現するサービス提供モデルであります。

4. リカーリング収益とは、サービスや製品の提供を通じて、定期的かつ継続的に発生する収益のことであります。

 

<当社事業を取り巻く社会的背景>

現在、日本国内では、少子高齢化に伴う深刻な人手不足や生産年齢人口(15〜64歳)の減少といった社会課題に直面しており、統計によると生産年齢人口は1995年頃をピークに減少を続け、2025年時点の東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の生産年齢人口が2045年にはほぼ消失すると推計されています(注)。この影響はすでに様々な業界で顕著になってきており、オフィスにおける人手不足を原因とした過重労働や生産性の低下、観光業界における訪日外国人旅行客の増加に伴う人手不足や機会損失、教育機関等における働き方改革の要請、そして小売店舗等におけるアルバイトを含む人材不足による営業時間の短縮や機会損失等、現在そして将来にわたって企業だけでなく日本経済そのものの成長への大きな課題となっております。


 

この不可避の社会課題に対して、人手不足を補うためのデジタル化やDXが様々な業界で求められるなか、当社グループでは、市場での実績が豊富で現契約社数5,600社超という相当規模のユーザー基盤を有する認証プラットフォームを活用したAkerunを基軸に、オフィス、住宅、商業施設、医療機関、教育機関、自治体等のあらゆる空間に適用可能な空間管理ソリューションを提供しております。これにより、空間や施設の運営の無人化・省人化という将来におけるスタンダードとなる新たな市場を創出するとともに、ビジネスの領域だけでなく日本社会全体における課題の解決を支援することを目指しております。

 

(注)国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」

 

[空間DX事業の概要]

当社グループは、オフィス、住宅、商業施設、医療機関、教育機関、自治体等のあらゆる空間の管理を無人化・省人化するテクノロジーやソリューションを提供することで、少子高齢化等に伴う深刻な人手不足や生産年齢人口の減少といった社会課題の解決を支援する空間DX事業を展開しております。

この空間DX事業では、中核サービスである「Akerun入退室管理システム」をはじめとしたAkerunブランドのHESaaSのサービスを法人向け及び住宅向けに、そしてAkerunと大きなシナジーを有するギグワーカーを活用した施設運営BPaaSである「Migakun」を法人向けに提供しております。

当社グループは、基盤となる認証プラットフォームを活用したAkerunのスマートロック等のエッジ端末(注1)による個人認証と入退室データの利活用を起点として、API(注2)等を通じたデータ連携による勤怠管理、受付管理、会員管理、決済等の自動化から、AIカメラによるセキュリティのさらなる強化、そしてギグワーカーへのAkerunを通じた入退室権限の付与/剥奪による清掃等の施設運営業務の柔軟な利用まで、無人化・省人化のための統合ソリューションを提供することで、あらゆる空間の管理運用におけるDXで様々な課題の解決を支援しております。

 

(注) 1.エッジ端末とは、 エッジ(末端)の端末の意味であり、IoT等においてはインターネットに接続され、システム全体の末端に位置する端末のことであります。インターネットで接続されたシステム全体における末端の端末として、データの収集/処理や上位システムへのデータの送信等に加え、上位システムからの指令やデータ等を受信して稼働したり、利用者に伝達する等の機能を担うハードウエアであります。

2.APIとは、Application Programming Interfaceの略で、特定のソフトウエアの機能やデータ等を、外部の他のプログラムで利用するための手順やデータ形式等を定めた規約のことであります。

 

<Akerunを起点とした空間DXと施設の無人化・省人化のイメージ>

 


 

 

空間DX事業の特徴及び市場優位性は主に以下の3点であります。

 

① HESaaSとBPaaSの提供モデルによる導入ハードルの低減と顧客ニーズに合わせた柔軟性の実現

空間DX事業の特徴の1つ目は、Akerunブランドのクラウド型IoTサービスで採用するハードウエアとクラウドを含むソフトウエアを組み合わせたサブスクリプションモデルであるHESaaS、そしてギグワーカーを活用した施設運営代行サービスのMigakunで採用するBPaaSとしての提供形態であります。

Akerunで展開される各サービスは、IoT機器等のハードウエアとクラウドを含むソフトウエアを組み合わせ、主に年単位で課金されるサブスクリプションモデルによるレンタルサービスとして提供しております。サブスクリプションモデルによるユーザーの導入障壁の低減、運用の手軽さや利便性、後述のAkerun事業における強み、そしてAPIによる外部の勤怠管理システムや会員管理システム等との連携を通じた様々な空間管理のニーズへの対応等により、人々の入退室データを起点とした“オフィスや施設における基幹システム化”を実現しております。

また、Migakunは、従来の施設運営代行におけるビル管理会社〜清掃業者〜ワーカーという多重下請け構造を排除することによる低コストでの利用モデルを実現するとともに、コミュニケーションツール等のテクノロジーを活用した利用企業とギグワーカーを含むMigakunスタッフとのリアルタイムのコミュニケーションにより、様々な施設運営ニーズに即応可能な柔軟なサービス提供モデルを確立しております。

 

これらのAkerun及びMigakunが実現する導入ハードルの低減と利用の柔軟性が評価され、売上高及びARR(Annual Recurring Revenue:毎年繰り返し得られる年次経常収益)は堅調に拡大しており、さらに、この売上高及びARRを支える空間DX事業全体におけるリカーリング収益の比率も事業収益全体の90%を超える高水準を継続的に維持しております。

また、Akerunの“オフィスや施設における基幹システム化”や大規模顧客へのさらなる拡販、そして人手不足等を背景としたMigakunへのニーズの拡大と柔軟なサービス提供モデルによる利便性等を通じた解約率低減のための取り組みにより、空間DX事業全体でのMRR(Monthly Recurring Revenue:毎月繰り返し得られる月次経常収益)ベースのChurn Rate(サービスに関する解約率)は平常時で1%台前半の低い水準に抑えられております(注)。具体的には、継続的なChurn Rateの改善により、空間DX事業全体で2024年12月期には1.16%まで改善しております。

 

当社グループでは、AkerunにおけるAPI連携利用や大規模企業といった顧客ポートフォリオの拡大に加えて、Akerunと高いシナジーを発揮するMigakunを組み合わせたソリューション提供やクロスセル施策を促進することで、空間DXによる無人化・省人化市場の創出を通じた売上高及びARRのさらなる拡大とChurn Rateのさらなる低減が可能であると考えており、今後もそれらの取り組みを通じて空間DX事業のより一層の成長を目指します。

当社グループは、事業収益に占めるリカーリング収益の高い比率や低い解約率等を実現するビジネスモデルにより、売上高及びARRの最大化を通じた持続可能な成長を実現しております。

 

(注) 各期のChurn Rateは、当該期の期末月における12か月移動平均であります。

 

② 堅牢なアクセス認証基盤及びクラウドセキュリティシステム

空間DX事業の特徴の2つ目は、Akerunを支えるクラウド上のアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」(注1)の高度な技術性であります。この認証基盤では、一般的なユーザー情報に加えてユーザーが日常的に利用するICカードなどの固有の物理ID情報を保有し、インターネットを通じて認証に活用しております。

この認証基盤における認証プロセスは、特許を取得している独自の通信方式(注2)やSSL(注3)、AES256(注4)等のセキュアな通信技術でセッションごとに暗号化することで高度なセキュリティを担保しております。また、認証や処理のロジックをエッジ端末とクラウド上のサーバーに集約することで、個人情報等の機密情報のエクスポージャーを減少させ、セキュリティ上の堅牢性をさらに高めております。

 

この高度なセキュリティ環境を背景としたユーザー認証方式を確立したことで、信頼性と堅牢性に優れたユーザー認証と入退室管理に加えて、デジタル身分証等の高い機密性が求められる関連サービスの展開が可能になっております。

 


(注) 1.ユーザーの基本情報(氏名や所属等)、デジタルID情報(電話番号や電子メール等)、物理ID情報(所有するICカードや生体認証情報等)、認証権限情報(アクセスが許可されている扉、有効な日にち、曜日、時間帯等)等の情報を保有するクラウド上のデータベースであります。

2.セキュリティを確保しながら簡便な方法で第三者に鍵を開けるための権限を一時的に付与することができる電子錠システムに関する特許(公開番号「特開2016-79644(P2016-79644A)」)

3.SSLとは、Secure Sockets Layerの略で、インターネット上でのデータ通信を暗号化し、第三者によるデータの窃取や改ざんを防ぐ通信プロトコルのことであります。

4.AES256とは、米国国立標準技術研究所(NIST)が政府の標準暗号方式として選定したAES(Advanced Encryption Standard)と呼ばれる暗号化方式のうち、256ビット長の暗号鍵を使用する方式であります。

 

③ アクセス認証基盤を活用した認証プラットフォームとしての価値

空間DX事業の特徴の3つ目は、利用企業の規模や業種業態を問わない広範なユーザー基盤に裏付けられた認証プラットフォームがもたらす、社会インフラとしての価値であります。これまでのサービス展開を通じて、2024年12月末時点で5,600社以上の現契約社数を達成しており、この現契約社数は継続的に増加しております。実際に、中核サービスである法人向けの「Akerun入退室管理システム」は、「クラウド型入退室管理システムの導入社数/シェア」、「スマートロックの利用者数/シェア」、「法人向けスマートロックの導入社数/シェア」の3分野でそれぞれ国内No.1(注)を獲得するなど、クラウド型入退室管理システム及びスマートロックの市場をけん引する実績を有しております。

このように、Akerunはセキュリティ及び認証のプラットフォーム化による社会インフラとしての地位を確立しております。さらに、建築用錠前の提供で国内大手の美和ロック株式会社(以下、美和ロック)との合弁会社である株式会社MIWA Akerun Technologies(以下、MIWA Akerun Technologies)を通じて、住宅領域での事業成長を推進するなど、オフィスや商業施設、教育機関等の各種施設、住宅等の利用場所を問わない広範な顧客基盤を通じたビッグデータの取得・活用により、様々な周辺領域へのサービス展開も可能となっております。また、Migakunのサービス提供においてもAkerun及び「Akerun Access Intelligence」を活用することで、Akerun導入企業へのサービス提供時の柔軟な入退室権限の付与/剥奪やサービス品質向上のためのギグワーカーのモニタリング等が可能になるなど、大きなシナジーを発揮しております。

 

当社グループでは、将来的にプラットフォームに蓄積されたビッグデータを活用することで、少子高齢化等による労働力人口の減少を補完するテクノロジーの提供、人の動静に合わせた効率的なエネルギー利用による環境負荷の低減、社会や時勢の変化に合わせた働き方の実現、既存の空間を活用した効率的な社会インフラの構築、認証/移動/決済等のソリューションの提供等を通じて、オフィス領域から住宅領域、そして商業施設、行政機関や医療機関等の非商業施設までのあらゆる場所やシーンにおける効率的かつ持続可能な社会の構築に貢献していけるものと考えております。

 

(注) 日本マーケティングリサーチ機構調べ(2021年6-7月期_指定領域・日本国内における検証調査)

 

(1) Akerunの概要

当社グループの中核サービスである「Akerun入退室管理システム」等を展開するAkerunブランドのクラウド型IoTサービスは、クラウドとインターネットでつながるスマートロック等のエッジ端末による個人認証とセキュリティ、そしてクラウド上の認証プラットフォームを通じた個人認証を主軸とした関連サービスを法人向け、住宅向けに展開しております。

 

また、Akerunは、空間DX事業の基軸となるサービスとして、世の中の物理鍵とそれに伴う様々な制約から人々を解放し、扉で分断されたあらゆる場所や空間に人々が自由にアクセスできる「キーレス社会」の実現を目指しております。現在、人々が通過する扉やゲートの数だけ物理的な鍵を持ち歩く必要があり、扉の数と鍵の数がN:Nの関係となっております。そして、鍵が果たす役割はセキュリティや本人認証など重要なものであるため、鍵の管理に要する心理的・物理的な負荷は非常に大きいと考えております。

このような現状から、物理的な鍵による様々な制約を無くし、1つのICカードや個人を特定する物理的またはデジタルなIDであらゆる扉やゲートにスムーズにアクセスできる、扉の数と鍵の数がN:1の世界をキーレス社会と名付け、この物理空間におけるシングルサインオンともいえる世界の実現を目指しております。この社会インフラとしてのキーレス社会を基盤として、空間DX事業の各サービスを展開することで、あらゆる空間の無人化・省人化を通じた人手不足等の社会課題の解決を支援し、人々や社会の利便性の向上やさらなる価値提供を目指しております。


 

 

(1)-2 オフィス領域におけるAkerun
① 市場機会
Ⅰ.市場環境の変化

現在、国内では少子高齢化の昂進等による生産年齢人口の減少が喫緊の社会課題となっており、日本政府によると、2020年時点で約7,400万人いる生産年齢人口は2065年までに約4,500万人となり、約2,900万人減少すると試算されています(注1)。この社会課題を受けて、オフィスや商業施設、店舗等においても人手不足への対応や労働生産性の向上等を目的に、IoTやクラウド等のテクノロジーを活用して日々の業務の効率性や生産性を高め、またより少ない人員で業務を遂行するための取り組みが活発化しています。具体的には、従来は人手をかけていた、セキュリティを含む入退室管理、勤怠管理、受付管理、予約管理等の各種業務にテクノロジーを活用し、それぞれをデータ連携させてオフィスや施設の運営にかかわるワークフローを自動化する等の取り組みが業界や業態を問わず進展しております。また、これらの取り組みは、オフィス環境だけにとどまらず、特にコワーキングスペースやシェアオフィスなどの分散型オフィス/フレキシブルオフィス、フィットネスジムやインドアゴルフなどの会員制商業施設、そして小売店舗等にも広がるなど、将来にわたって旺盛なニーズが見込まれております。

さらに、従来からの法改正を含む日本政府による働き方改革の推進により、一般的なオフィスだけでなくあらゆる業種業態で客観的な方法による従業員の労働時間の把握(注2)や、残業時間の上限規制(注3)、勤務間インターバル制度(注4)等、従業員の勤務時間を正確に記録、管理することが求められております。また、個人情報保護法の改正により、企業では安全管理措置に基づき、個人情報に対する物理セキュリティ及び情報セキュリティの対策を強化する必要があります(注5)。特に、この個人情報保護に向けた流れはより一層加速しており、直近では、個人情報の漏えい等が発生した際の事業者による報告が義務化(注6)されております。また、この改正に加えて、個人情報保護委員会からの措置命令等に違反した場合、また個人情報データベース等の不正流用があった場合の法人における罰則(注7)がさらに厳罰化されるなど、企業ではこれまで以上の対策を求められるようになっております。

このような人手不足対策や施設の業務・運営効率の向上を目的としたデジタル化の進展、従業員の労働時間の適正な把握の必要性、働く場所の多様化と拡大、個人情報保護のためのセキュリティ対策、といった市場動向に対して、Akerunはセキュリティ強化に加えて、入退室履歴の勤怠管理への活用、API連携等も活用した認証・動静管理システムとしての様々な用途への拡張性の高さ、導入の容易さ等の特徴を通じて、今後も市場からの旺盛な需要に応えていけるものと考えております。

 

 

(注) 1.内閣府「令和4年版高齢社会白書」

2.改正労働安全衛生法第66条の8の3(2019年4月1日施行)及び改正労働安全衛生規則第52条の7の3(2019年4月1日施行)

3.労働基準法第36条及び第139~142条(2019年4月1日施行)

4.改正労働時間等設定改善法第2条(2019年4月1日施行)

5.改正個人情報保護法第2条及び第20条(2017年5月30日施行)

6.改正個人情報保護法第22条の2(2022年4月1日施行)

7.改正個人情報保護法第83条〜第87条(2020年12月12日施行)

 

 

 

Ⅱ.入退室管理システムの現状

従来の法人向け入退室管理システムは、オンプレミス環境(注1)へのサーバーや管理用PC等のハードウエア機器の購入・設定に加え、システム設定やネットワーク工事のためのSIer(注2)及び電気工事業者が必要になっておりました。さらに、導入後も機器の改修や保守の費用等が必要となり、加えてIT技術に習熟した担当者でなければ取得データの利活用が難しいなど、費用面及び工数面での負荷やデータ活用の困難さが企業には大きな導入障壁となっておりました。


当社グループでは、このような導入時の障壁を低減し、より少ない負担で入退室管理システムを導入・活用できる「Akerun入退室管理システム」を法人向けに提供しております。特別な工事やシステム構築が不要かつ後付けで手軽に導入可能、クラウド型システムによる専用IT機器の排除とシンプルに利用できる管理画面等によるデータ利活用の支援、サブスクリプションモデルによる保守・運用に要する費用負担の軽減などにより、導入障壁の低減と継続運用のしやすさを実現することで今後も広く需要を取り込み、継続的に売上を拡大できるものと考えております。

 

(注) 1.オンプレミス環境とは、ITインフラの構築や稼働に必要なサーバーやネットワーク等の機器及びソフトウエア等を利用者である企業が管理する施設等に保有し、運用するシステムの利用環境のことであります。

2.ITシステムの構築、コンサルティング、設計、開発、運用、ハードウエアの選定等を一括で請け負うITサービス事業者のことであります。

 

② サービス構成

Akerunの中核サービスである法人向けの「Akerun入退室管理システム」は、鍵の物理的開閉やデータ通信等を担うスマートロック(IoTハードウエア)と、それを施解錠するICカードやスマートデバイス(注) 向けアプリケーション、スマートフォンのモバイルICカード等のスマートキー、そして認証、鍵権限の管理、履歴の閲覧等を行う、スマートデバイス向けアプリケーション及びWebアプリケーション等のソフトウエア管理ツールで構成されております。

 

(注) 対応するスマートデバイスは、Apple社が提供するiOS及びGoogle社が提供するAndroidにて稼働するスマートフォン等の電子デバイスとなります。

 

 


 

Ⅰ.ハードウエアの特徴

「Akerun入退室管理システム」で提供されるハードウエアには、サムターン錠(注1)に対応する「Akerun Pro」と、電気錠(注2)や自動ドア、フラッパーゲート等の電気制御の扉に対応する「Akerunコントローラー」があります。(住宅向けは後述)

Akerun Proは、工事なしで既存の扉に後付け可能なスマートロックであります。扉の既存のサムターン錠に付けて設置するだけで、取り付け工事不要、初期費用0円で導入できるため、従来の入退室管理システムと比較して導入にかかる工数や費用を大きく低減しております。

Akerunコントローラーは、既存の自動ドアや電磁錠等の電気錠に後付けで導入でき、簡易的な工事のみで導入し、運用できるスマートロックであります。電気制御で鍵の開閉を行う電気錠に対応することで、「Akerun入退室管理システム」の適用範囲をさらに拡大し、さらに多くのオフィスや施設のニーズに対応することが可能になっております。

また、Akerun Pro及びAkerunコントローラーに共通のハードウエアとして、ICカードリーダーも付帯しております。ICカードリーダーを活用することで、ユーザーが日常的に使用している交通系ICカードや社員証、ビル入館カード等、FeliCa及びMifareの各規格(注3)に対応するICカードに加え、スマートフォンのアプリケーションとして利用できるモバイルICカード等のスマートキーによる認証を通じた施錠・解錠が可能となっております。

なお、「Akerun入退室管理システム」を構成する各ハードウエアは、当社グループで開発、設計し、製造は外部に委託しております。

 

(注) 1.サムターン錠とは、扉の室内側についているツマミ式の金具で開閉を行う錠前のことであります。

2.電気錠とは、電気的に鍵を施解錠する機構を組み込んだ錠前のことであります。

3.FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。Mifareは、NXPセミコンダクターズ社の登録商標です。

 

Ⅱ.ソフトウエアの特徴

「Akerun入退室管理システム」は、ソフトウエアにより以下の機能を提供しております。

 

A.Web管理ツールによる鍵権限の柔軟な設定

Web管理ツール及びそれを支えるクラウドやソフトウエア技術を通じて、ユーザーが入退室できる日時等を柔軟に設定することが可能となっております。これにより、ユーザーごとの要件に応じた入退室権限等、ニーズに合わせた柔軟な鍵権限の運用が可能になっております。また、Web管理ツールやソフトウエアは、クラウド型サービスの特徴を生かし、労務関連の法制度の改正やオフィスに求められる要件の変化等、社会状況の変化や市場トレンドに合わせて継続的にアップデートすることが可能となっております。

 

B.システムで取得するデータの利活用

IoTを活用したクラウド型入退室管理システムの特徴を生かし、ユーザーの利用履歴を永続的に保持し、Web管理ツール等でいつでも確認できる機能を備えております。さらに、この履歴のビッグデータとしての活用により、セキュリティの機能だけでなく、ユーザーの動静を把握・確認するための空間管理やMigakun等の当社グループの各サービス利用のエビデンスとしての活用等、さらなる価値提供が可能になっております。

 

C.APIによる外部システムとの連携

サービスとしての拡張性を高めるために、Akerunでは外部システムとの連携が可能なAPIを公開しております。これにより、外部システムからの「Akerun入退室管理システム」の入退室履歴等の各種情報の取得や遠隔での解錠・施錠の操作、日時を指定した鍵権限の発行等が可能になります。また、ユーザーが独自に開発したシステムやサービスと「Akerun入退室管理システム」を連携させたり、当社グループ及び外部のパートナー企業でAPI連携させた勤怠管理、生体認証などの認証システム、会員管理システム、決済システム等との共同ソリューションを活用することも可能となっております。

 

③ サービスの強み

当社グループは、市場優位性として、セキュリティやサービス品質等の要件の厳しい法人向け事業で培った広範な実績に加え、高水準の利用体験を可能にするハードウエアの開発及び無線通信やセキュリティにおけるソフトウエアの開発に強みを有しております。

 

Akerun事業における強みの詳細は、以下の通りであります。

 

Ⅰ.法人向け事業における強固な実績とそれに支えられたアクセス認証基盤

前述の通り、当社グループはこれまでの事業活動により、法人における豊富な導入実績を通じて現契約社数5,600社以上を抱えるアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」を保持しております。この相当規模の認証基盤を活用することで、ユーザー認証に加えて勤怠管理や会員管理等の法人向けに提供される様々なクラウド型サービスや認証シーンにも活用でき、また、認証基盤を通じて取得するビッグデータを活用したデータドリブンなビジネス展開も将来的に可能となっております。今後も、オフィスに導入されたAkerunのエッジ端末(スマートロック)を起点として、入退室管理やセキュリティといった従来から提供する機能に加え、API連携を通じて勤怠管理、会員管理、予約管理、決済等の外部の様々なサービスとの連携を継続的かつ積極的に推進することで、扉を起点にあらゆる空間における付加価値を向上させ、社会インフラとしての認証基盤の利用拡大と社会課題の解決に取り組む計画であります。

 

Ⅱ.要件の厳しい法人利用に応える高水準のハードウエア性能

Akerun事業で提供される各種ハードウエアは、日常的に多人数に触れる機器としての特性上、ユーザーの利用体験の向上をもたらすハードウエア品質が非常に重要であると考えております。当社グループでは、このハードウエア品質の強化に常に注力しており、実際にAkerun Proにおいては100万回の開閉試験を実施するなど、多人数利用に応える耐久性を確保しております。さらに、サムターン錠の高速な施解錠を支える高トルクモーター、1日あたり100回の開閉で電池が6か月以上持続する省電力性能を追求した専用設計回路、耐久性強化のための高機能ベアリングや特許取得済みの専用設計機構等、ユーザーの利用体験を最大限に高め、法人利用にも耐えられるハードウエア技術により、市場でも高水準のハードウエア品質を実現しております。

 

 

Ⅲ.信頼性と堅牢性に優れた無線通信技術及びセキュリティ技術

当社グループでは、ハードウエア品質と同様に、日々利用されるシステムとしての安定的な稼働も重要であると考えております。当社グループは、認証に使用するBLE(注)通信の制御技術、特に施解錠に用いるスマートデバイスを含む複数のハードウエア機器間での安定的な通信制御技術に強みを持っております。現在では、オフィス環境はもちろんのこと、様々な場所で多くの無線通信が行われており、それぞれの無線通信の混線や干渉などが発生し、無線通信を利用するサービスの安定的な稼働の障害となっております。当社グループでは、法人向けセキュリティという重要なサービスを担う企業として、無線通信における堅牢性と同時に安定性を実現する高度な無線制御技術を備えております。この強みを生かすことで、オフィスや施設における高速かつ安定したユーザー認証が可能になり、日々の利用体験の向上を実現しております。さらに、これまでの広範な導入実績で培われたユーザー基盤を背景に、継続的なソフトウエアの改善を通じて、さらなる利用体験と信頼性の向上を図っております。

加えて、前述の通り、クラウドや各ハードウエア機器間の通信には、特許取得済みの通信技術や高度な暗号化通信技術を採用することで、市場でも高水準の信頼性と堅牢性に優れたユーザー認証プロセス及び認証基盤を確立しております。また、Akerun事業のサービスを支えるクラウド基盤に関しても、近年のクラウドサービスを含む情報セキュリティ意識の高まりを受け、社内で「情報セキュリティ基本方針」を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理するとともに、本社及び各拠点で情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013)」の認証を取得し、さらに最高情報セキュリティ責任者(Chief Information Security Officer、CISO)やクラウドインフラの保守運用の専任担当者を設置することで、安定的なサービス基盤の構築に積極的に取り組んでおります。

 

(注) BLEとは、Bluetooth Low Energyの略で、低電力通信を可能にする近距離無線通信技術Bluetoothの拡張仕様の1つであります。

 

④ 今後の成長拡大のための取り組み
Ⅰ.企業規模を問わない新規ユーザーの獲得

オフィス領域におけるさらなる成長拡大に向けて、主要導入企業である従業員10名以上の中小企業及び事業所への販売促進施策を継続的に強化し、新規ユーザーのさらなる獲得を目指しております。中小企業への提供拡大にあたっては、札幌、大阪、及び福岡の地方拠点の活用に加え、紹介取次や再販等の販売パートナーとの関係強化を通じて潜在ユーザーへの提案機会の増加を図る専任チームの強化・拡充と営業活動の強化も継続的に実施しております。

さらに、直近では大規模企業や大型ビルに加えて、教育機関、医療機関、自治体等からの問い合わせや導入も増加し、堅調な受注実績をあげております。今後も、継続的に営業チームの強化や拡大を進めることで、大規模企業ユーザーの新規獲得にも積極的に注力する計画であります。

 

Ⅱ.既存ユーザーへの追加導入の提案(アップセル施策)

当社グループでは、既存顧客へのさらなる売上拡大にあたって、継続的なユーザーとの関係性強化やヒアリングに加え、市場動向の調査・分析を通じて、変化するオフィス環境や施設の運営環境等の市場ニーズに合わせた空間利用を提案することで、1事業所あたりの追加導入台数の増加を目指しております。

さらに大規模企業での導入の場合、「Akerun入退室管理システム」を導入可能な扉が複数あるケースがほとんどであるため、複数台の契約を獲得しやすい環境であることから、契約の新規獲得を契機に関係性の強化や継続的なヒアリング、提案力の強化等を通じて複数台の契約を追求してまいります。

これらのアップセル施策を促進することで、ユーザーからもたらされるLTV(注1)及びARPU(注2)の最大化を目指し、事業成長を加速する考えであります。

 

(注) 1.LTVとは、Life Time Valueの略で、顧客との取引の開始から終了までの期間にもたらされる総利益(顧客生涯価値)のことであります。

2.ARPUとは、Average Revenue Per Userの略で、ユーザーや利用企業における1人/1社あたりの売上金額を表す指標であります。

 

Ⅲ.周辺領域でのソリューションの開発と提供(クロスセル施策)

現在、Akerunでは、空間管理の無人化・省人化での活用を軸に適用領域の多様化に積極的に取り組んでおり、特に外部パートナーが提供する勤怠管理、会員管理、決済、認証等のシステムとのAPIを通じたサービス連携に注力しております。Akerunが提供するAPIを通じて、「Akerun入退室管理システム」の入退室履歴やスマートキーの発行・剥奪等の各種データの連携が可能になることで、「Akerun入退室管理システム」が設置された扉を起点に、オフィスや施設を利用するユーザーの入退室履歴や個人認証のための情報等を通じたインサイトの獲得や、労務管理や施設管理、利用者情報の管理などの業務を大幅に効率化することが可能になります。この有用性が評価され、オフィスだけでなくコワーキングスペースやフィットネスジム等の会員制施設及び商業施設での「Akerun入退室管理システム」の導入やAPIの利用も堅調に増加するなど、「Akerun入退室管理システム」は顧客のオフィスや施設の様々なバックオフィス業務を支える基幹システムへと進化しております。また、当社グループでは、API連携による顧客へのさらなる価値提供に加え、連携サービスの拡充やサービス品質の向上を図るために、API利用への課金を実施するなど、さらなる収益性の強化を推進しております。

さらに直近では、受付業務の無人化・省人化を実現する「Akerun QR受付システム」の開発・提供や、就労環境の変化等の時勢や顧客ニーズに合わせたAkerunの機能強化/新機能の提供の加速、そしてオフィスを含む様々な空間や施設の運営を支援する施設運営代行BPaaSであるMigakunの提供など、入退室管理システムの周辺領域でのサービス開発を強化しており、Akerunブランドに加えて当社グループのサービス全体としての空間におけるインフラ化のための取り組みを今後も推進する計画です。

 

当社グループでは、このようなAkerunの周辺領域における各種サービスとの連携ソリューションを開発・提供することで、オフィスや施設の業務効率化や運営効率化を支援し、顧客の基幹システムとしての役割を今後もさらに拡大しながら、さらなる収益の拡大を目指してまいります。

 

 

(1)-3 住宅領域におけるAkerun
① 市場機会

現在、日々の生活の様々な場面でデジタル化が大きく進展し、家事代行サービスや宅配サービス、空きスペース等の不動産や自動車等の動産を有効活用する取り組みが促進され、消費者の行動態様は大きく変化しております(注1)。さらに現在では、社会環境や消費者の行動態様の変化に伴い、非対面や自宅不在時のサービス利用や荷物の受け取り等へのニーズの高まりを受け、それらにデジタルを活用する取り組みも拡大しております。そして、このデジタル化の流れは、住宅関連のサービス事業者や不動産事業者にも拡大しており、物件の内覧や管理のデジタル化、不動産契約の一部電子化等を通じて業務を効率化する取り組みなど、不動産テックと呼ばれる市場も拡大しております(注2)。

加えて、これらの直近の市場動向だけでなく、日本では少子高齢化に伴う高齢者の一人暮らし世帯の増加(注3)とそのような世帯への生活支援、健康管理、安全管理等のケアの提供が課題となっております。この課題の解決に向けては、高齢者のための見守りサービスの普及や利用拡大が期待される中で、人員による定期的な対面に加えて、センサーや通信、ロボットなどのIT技術を活用して人員による見守りを支援する取り組みも今後さらに加速するものと考えております。

一方で、これらのサービス利用の課題として、宅配便の増加やドライバーの不足に伴う物流業界の業務負荷の高まりと業務効率化の要請、居住者の在宅の必要性、利用時の鍵受け渡しの手間、集合住宅エントランスの入退館時のセキュリティ、ユーザーの心理的不安等がサービスの利用拡大の障壁となっております。

 

当社グループの住宅領域におけるAkerunでは、建築用錠前の提供で国内大手の美和ロックとの合弁会社となるMIWA Akerun Technologiesを通じて、住宅領域におけるスマートロック及び関連サービスの普及と事業成長を目指しております。この合弁会社を通じて、当社は住宅向けサービスの基盤となるクラウド上の認証プラットフォームやスマートデバイス向けアプリケーションの開発、美和ロックはAkerunのシステムと連携する住宅向けスマートロックの開発と提供、そして合弁会社が住宅向けサービスの開発と提供をそれぞれ担い、住宅の扉を起点とした住宅向けのサービスを提供することで、前述の課題を解決できるものと考えております。住宅領域のAkerunでは、当社グループがこれまでに培ったオフィス領域におけるサービス開発、クラウド上の認証プラットフォームやサービス基盤及びスマートデバイス向けアプリケーションの開発や提供における実績・知見を活用しております。これにより、住宅のセキュリティを高めながら社会課題の解決に向けて普及する住宅向けサービスをユーザーが簡便に利用できるプラットフォームを展開し、住宅領域でのさらなる事業成長を目指しております。

この住宅領域におけるAkerunを通じて、人々が持ち歩いていた住宅の鍵を、当社グループの合弁会社が提供する住宅向けアプリケーションやICカード等へと置き換えることで、Akerunの目指すキーレス社会の実現に向けた取り組みを加速するとともに、関連事業者やユーザーのさらなる利便性向上に資するものと考えております。

 

(注) 1.株式会社矢野経済研究所「2021 シェアリングエコノミー市場の実態と展望」(2021年9月30日発刊)

2.株式会社矢野経済研究所「2021年版 不動産テック市場の実態と展望」(2021年7月28日発刊)

3.内閣府「令和4年版高齢社会白書」

 

 

② 提供サービス/製品

住宅領域におけるAkerunは、美和ロックとの合弁会社であるMIWA Akerun Technologiesを通じて、住宅向けのサービスや製品を開発・提供しております。

美和ロックの提供するスマートロックと当社の提供するクラウド上の認証プラットフォームやサービス基盤を組み合わせたサービスを活用することで、集合住宅などに標準設備として導入されている美和ロック製スマートロックをAkerunアプリで開けることができるようになり、追加の機器などを導入する必要なく、Akerunアプリからの施解錠に加え、操作履歴の確認、インターネットを通じたデジタルな合鍵/スマートキーの共有等が可能になり、ユーザーの利便性が向上します。

現在、住宅領域における主力サービスとして、賃貸用住宅物件の管理業務を大幅に効率化する「Akerun.Mキーレス賃貸システム」提供しており、このサービスにより、賃貸物件の内見〜入居〜退去の各フェーズにおける、物理鍵の受け渡しのための移動にかかる手間と時間、トラブルへの対応業務、そして退去時の鍵の交換や回収にかかる手間やコスト等、物理鍵の運用に伴う様々な非効率業務を大幅に解消すると同時に、入居者の利便性や安全・安心の向上を実現できます。

さらに今後は、住宅における鍵の施解錠だけでなく、認証、住宅向けの各種サービスの利用、決済等の様々な住宅向けサービスを利用するためのプラットフォームとしての機能の提供に向けて積極的に取り組み、社会環境やライフスタイルの変化に合わせ、イエナカサービス(家事代行、ペットシッター、介護等)と連携し、安全・安心で快適な暮らしを支えるための取り組みを推進してまいります。


 

③ サービス提供のスキーム

住宅領域では、サービスや製品の提供にあたり、当社が51%、美和ロックが49%を出資する合弁会社であるMIWA Akerun Technologiesを通じて、当社は住宅向けサービスの基盤となるクラウド上の認証プラットフォームやサービス基盤、スマートデバイス向けアプリケーションの開発、美和ロックはAkerunのシステムと連携する住宅向けスマートロックの開発と提供、そして合弁会社が住宅向けサービスの開発と提供をそれぞれ担っております。

当社のクラウド上の認証プラットフォーム及びスマートデバイス向けアプリケーションといったソフトウエア技術における信頼性と実績、美和ロックの住宅向けスマートロック製品に関するハードウエア技術の堅牢性と実績、そして合弁会社によるスマートロックを起点とした住宅向けサービスの開発と提供という各社のそれぞれの強みを組み合わせることで、ユーザーの安全・安心の実現と同時に包括的なサービスを提供し、これまで以上に利便性の高い生活の実現に貢献するとともに、様々な社会課題の解決に資するものと考えております。

また、販売・普及にあたっては建築用錠前の提供で国内大手の美和ロックの有する全国規模の販売網やネットワークを活用することで、住宅領域における不動産管理会社や不動産オーナー等の主要プレイヤーへの積極的な提案を推進し、全国規模でのサービスの提供を拡大してまいります。

 

 

④ サービスの強み

住宅領域におけるAkerunでは、美和ロックとの合弁会社を通じて両社の強みを生かした事業を展開しております。具体的には、建築用錠前で国内大手である美和ロックがこれまでに培ってきた広範な営業チャネルを最大限活用してまいります。これにより、国内の主要な不動産管理会社や不動産オーナーへの提案を通じて幅広い住宅への導入を目指してまいります。

また、現契約社数5,600社を超える顧客基盤を通じて培った実績あるクラウド上のアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」も強みとなります。セキュリティや安定性等の要件の厳しい企業ユーザーを支えるこのクラウド上の認証プラットフォーム及びサービス基盤の信頼性や堅牢性を活用することで、住宅向けにも強固なセキュリティを提供しております。さらに、住宅領域におけるスマートデバイス向け専用アプリケーションについても、企業向けに提供するアプリケーションをベースにすることで、信頼性や堅牢性の担保と同時に、使いやすさの向上も実現しております。

これらの強みを背景に、「Akerun.Mキーレス賃貸システム」は、長谷工グループにおける賃貸マンションの管理・開発会社である株式会社長谷工ライブネット、第一生命グループの総合不動産会社である相互住宅株式会社、そしてCIFO株式会社等の不動産管理会社での導入に加え、全国の不動産管理会社等からの継続的かつ旺盛な需要に応えることで、市場における実績を順調に拡大しております。今後も、当社グループの強みを生かし、集合住宅だけにとどまらない、あらゆる住宅における安全・安心で快適な暮らしを支える製品やサービスの提供を拡大してまいります。

 

⑤ 今後の成長拡大のための取り組み

不動産の開発会社や管理会社等を含む不動産業界では、アナログな方法による業務プロセスや対面を中心とした顧客対応等の業務の非効率性が課題となっており、テクノロジーを活用したDXによる生産性の向上や働き方の改善等が求められております。

この流れを受けて、住宅領域におけるAkerunの主要サービスである「Akerun.Mキーレス賃貸システム」では、不動産管理における非効率な業務をスマートロックやクラウド等のテクノロジーで効率化するための取り組みを強化しております。特に、クラウドを活用したサービスとしての強みを生かし、不動産関連プロセスにおける様々な業務を効率化するSaaS等の外部サービスとの機能連携を推進することで、スマートロックや個人認証を起点に不動産関連プロセス全体を効率化するための機能強化を今後も推進する計画です。この取り組みを通じて、不動産業界全体における業務効率の向上に加え、居住者にとってもスムーズかつ快適な居住体験の提供を目指しております。

また現在、住宅向けの各種サービスの興隆や消費者の行動態様の変化等の影響もあり、家事代行や宅配などのサービスの利用や提供事業者が拡大しております。

この市場トレンドやニーズに応えるべく、美和ロックが有する営業チャネルを活用して住宅向けスマートロック及びサービス利用のためのプラットフォームを展開することで、新規施工及び既築の集合住宅等への広範囲にわたる提案を強化してまいります。また、合弁会社が提供する住宅向けアプリケーションから利用できる住宅向けサービスに関して、家事代行や宅配、見守り等の様々なサービス提供事業者と提携することで、より多くの選択肢をユーザーに提供する計画であります。これらの取り組みを推進することで、鍵を起点とした魅力あるサービスプラットフォームを提案し、ユーザー基盤の拡大とともに事業成長を目指しております。

 

 

(1)-4 「Akerunデジタル身分証」
① 市場機会

現在、ビジネスや日常生活の様々なシーンでデジタル化やテクノロジーの普及が進んでおり、特にデジタルIDを活用した認証の分野では、日本政府が推進するマイナンバーカードをはじめ、インターネットを通じたオンラインでの会員登録や決済、サービス利用等でのデジタルIDの活用も進んでおります。さらに、認証技術やセキュリティ技術の進展に伴い、個人の消費活動だけでなくビジネスにおいてもデジタルIDの活用が進展しており、欧米等では従来の学生証等のデジタルIDへの置き換えも先行して進んでおります。

 

一方で、国内においてビジネスや日常生活の様々なシーンで引き続き利用されている従来型のICカードや磁気カード、紙ベースの身分証/社員証/学生証/会員証等のIDでは、人々の行動態様や時勢の変化等に伴って利便性や柔軟性等に多くの課題が残っております。具体的には、IDの発行及び紛失等による再発行の手続きの手間やコスト、個人情報の管理に伴うセキュリティ上のリスク、そしてIDを活用した様々なサービスの横断利用への拡張性の欠如等の課題があります。これらの課題に対して、デジタルIDの活用により、物理的なIDの発行/交付の手間やコストの低減、個人情報の統合的かつ安全な管理、インターネットやクラウド等を通じたデジタルIDの様々なサービスへの活用、さらには所有者に対する通知等のエンゲージメントの強化も可能になります。

日本においても、さらなる利便性や管理性、柔軟性の向上を目的に、ビジネスや日常生活の様々なシーンでデジタルIDの活用が推進されるなか、当社グループでは、法人向けAkerunで培った堅牢かつ信頼性に優れたクラウド上の認証プラットフォームを活用したデジタルIDのサービスを新たに展開しております。当社グループのデジタルIDソリューションとなる「Akerunデジタル身分証」は、当社グループのクラウド上の認証プラットフォームとスマートフォンのウォレット機能を活用し、社員証、学生証、会員証等の身分証として活用できます。このサービスにより、従来の物理的なカード等をデジタルIDへと置き換えることで、IDの発行から削除までのID管理の手間やコストの削減、利用者のIDの統合管理とセキュリティ強化、クラウドやIoTを活用した様々なサービスや空間へのシングルサインオンによる利便性の向上、スマートフォンのウォレット機能を活用した優れた認証体験、そして管理者から利用者への継続的なエンゲージメントの強化等の特徴を備えております。これらの特徴により、法人や商業施設、医療機関や教育機関までの幅広いユースケースにおけるデジタルIDの活用ニーズを取り込むと同時に、「Akerun入退室管理システム」でのデジタルIDの活用等、当社グループの各サービスとのシナジーも活用しながら事業成長を目指しております。

 

② 提供サービス/製品

当社グループでは、従来の身分証/社員証/学生証/会員証等の物理的なIDをデジタル化してスマートフォンで利用できる「Akerunデジタル身分証」を提供しております。この「Akerunデジタル身分証」は、当社グループが法人向けAkerunで培った堅牢かつ信頼性に優れたクラウド認証プラットフォームと、スマートフォンのウォレット機能に統合されたアプリを活用することで、管理者向けにIDの発行や管理運用に関わる工数やコストの大幅な低減、安心・安全な個人情報を含むIDの統合的な管理、在籍中/離籍後を問わない利用者とのエンゲージメントの強化、そしてAPI等を通じた様々なサービスとの連携による拡張性等のメリットを提供しております。また同時に、利用者はいつも持ち歩いているスマートフォンと統合されたデジタルIDによるタッチ認証等に加え、様々なサービスや空間へのアクセスをシングルサインオンで実現できる利便性を享受できます。

「Akerunデジタル身分証」のサービス構成として、利用者向けにスマートフォンのウォレット機能に統合されたデジタル身分証アプリと、管理者向けにクラウドを通じて利用できる管理ツールを提供しております。法人、商業施設、教育機関、医療機関等の日常的に社員証/学生証/会員証等のIDを発行/管理する組織で「Akerunデジタル身分証」を活用することで、クラウド上の管理ツールからユーザーの作成/登録やプロフィールの編集、デジタル身分証の発行/削除、お知らせの配信、サービスや施設のアクセス管理等が可能になります。また、APIを通じて当社グループ以外の外部システム等と連携できるため、多要素認証によるセキュリティの強化やエンゲージメント機能の強化、そして複数の部門や施設にわたる管理性の強化等、デジタル身分証のさらなる活用に向けた拡張性も備えております。加えて、当社グループの中核サービスである「Akerun入退室管理システム」とのシナジーにより、デジタルIDを活用した入退室管理やセキュリティの強化も可能となっております。

今後、日本でも普及が加速するデジタルIDのサービスとなる「Akerunデジタル身分証」により、管理者と利用者の双方への価値提供に加え、当社グループの各サービスとの連携による付加価値を提供することで事業成長を加速していく計画であります。

 


③ サービスの強み
Ⅰ.法人向けAkerunで培った堅牢かつ信頼性に優れたクラウド上の認証プラットフォーム

当社グループでは、個人情報を含むIDの認証には信頼性及び安定性が必須であると考えております。「Akerunデジタル身分証」は、当社グループの中核サービスである「Akerun入退室管理システム」で培った、利用企業の規模や業種業態を問わない広範なユーザー基盤に裏付けられた認証プラットフォームを活用することで、個人情報を含むIDの管理運用のための堅牢性や信頼性に加え、認証端末とスマートフォンの間の認証方式の最適化等を実現しております。特に、法人や教育機関、医療機関等の個人情報の厳格な管理が要求される環境においても、この高信頼の認証プラットフォームを活用することで信頼性及び安定性を実現できるとともに、業種や業態を問わない様々なユースケースにおけるデジタルIDの需要を取り込めるものと考えております。

 

Ⅱ.高度な技術連携によるスマートフォンのウォレット機能との統合と利便性の向上

「Akerunデジタル身分証」で提供されるアプリは、世界大手のスマートフォンメーカーとの緊密な技術連携を通じて、スマートフォンのウォレット機能との高度な統合を実現しております。これにより、日常的に利用するスマートフォンで手軽にデジタル身分証を利用できる利便性を提供しております。さらに、スマートフォンのウォレット機能に求められる厳格なセキュリティ要件も充足することで、利用者の安心安全なデジタルIDの活用が可能となっております。一般的に広く普及するスマートフォンのウォレット機能との統合により、より多くの潜在ユーザーへのアプローチが可能になるとともに、法人や教育機関、商業施設等の組織における導入ハードルの低減にも貢献するものと考えております。

 

④ 今後の成長拡大のための取り組み

当社グループでは、今後、日本国内でも普及が加速するデジタルIDのさらなる導入の促進に向けた取り組みとして、まず大学等の教育機関に対する提案及び採用に注力する計画であります。大学等では、新年度への準備期間となる3〜4月の一定期間において、新入生や進級等への対応に要する業務が山積しており、業務DXへのニーズが旺盛であると当社グループでは考えております。このようなニーズを受けて、「Akerunデジタル身分証」をデジタル学生証として活用することで、教育機関における業務効率化やコストの低減、そしてDXに向けた需要を取り込んでいけるものと考えております。また、当社グループの中核事業である「Akerun入退室管理システム」の大学等での導入実績や顧客基盤等のシナジーも活用しながら、デジタル学生証だけでなく入退室管理システム、さらにはMigakunによる施設運営代行までを視野に入れたソリューションの提案等に注力する計画であります。

そして、将来的には社員証や会員証等を中心に幅広い業種業態でデジタルIDへのニーズが高まっていくものと考えており、学生証にとどまらず、Akerunを中心に当社グループが強みを有する大規模オフィスビル等における入館証や法人における社員証への「Akerunデジタル身分証」の提案及び活用を推進していく考えであります。

 

(2) 施設運営BPaaS「Migakun」
① 市場機会

現在、様々な業種・業態で、少子高齢化などを背景とした慢性的な人手不足への対策に加え、日々の業務における生産性の向上などを目指す取り組みが推進されております。実際に、15〜64歳の生産年齢人口は、2065年には約4,500万人になると推計されており、2020年比で約2,900万人減少する見込みで (注1)、特に直近では運輸、医療・福祉、建設、宿泊等の業界での慢性的な人手不足とそれに伴うビジネス上の機会損失、そして事業としての存続の危機が叫ばれております。また今後は、これらの業界だけに限らず、幅広い業種業態で喫緊の課題としての人手不足対策と業務効率の向上をこれまで以上に加速していく必要があると考えております。

このような課題の解決に向けては、幅広い業界でクラウドやIoT、AIなどのテクノロジーの活用によるDXに加え、柔軟な働き方の普及等に伴って広がるギグワーカーやスポットワーカーの活用を通じて、人手不足への対策に取り組んでおります。その一例として、企業におけるBPO等の外部人材を活用する動きもますます活発化しており、今後もさらなる市場拡大が見込まれています(注2)。

当社グループでは、企業によるこの不可避の社会課題への対策を支援するために、従来から提供する法人向けAkerunによる入退室管理を通じた業務効率化や施設の無人化・省人化に加えて、2024年9月より施設運営BPaaS事業となる「Migakun」の提供を開始しております。Migakunでは、業種業態を問わず人手不足対策や施設運営効率の向上を目的に普及する無人化・省人化などへの高まるニーズを受け、様々なオフィスや施設ごとの課題に合わせた管理運営業務の設計に加え、ギグワーカープラットフォームを通じて総務業務や施設の清掃・管理、コミュニティスペースの運営などのサービスを提供しております。Migakunはすでに700名規模のギグワーカープラットフォームを擁し、オフィス、コワーキングスペースやシェアオフィス、フィットネスジムやインドアゴルフ、そして短期賃貸物件等の約400の施設の無人化・省人化及び施設管理の効率化を支援するなど、相当程度の実績を備えております。このMigakunにより、様々な空間や施設における管理業務の効率化、施設の無人化・省人化運営、そして企業によるノンコア業務への外部リソースの活用とコア業務への柔軟な社内リソースの活用等の価値提供を通じて、企業が抱える人手不足等の社会課題の解決を支援するとともに、当社グループの事業成長に貢献するものと考えております。

 

(注) 1.内閣府「令和4年版高齢社会白書」

2.矢野経済研究所「2023-2024 BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場の実態と展望」

 

② 提供サービス

施設運営BPaaSを展開するMigakunでは、“施設特性に合わせた業務設計と”、“質の担保された現場オペレーション”を特徴とした施設運営代行のサービスを完全子会社である株式会社Migakunを通じて法人向けに提供しております。当社グループが様々な業種業態のバックオフィス業務の効率化を支援してきた「Akerun入退室管理システム」で培った、オフィスや施設などあらゆる空間の管理運営に関するノウハウをベースに、Migakunでは最適化された業務設計から施設の清掃、総務業務、保守・管理、コミュニティ運営まで、上流から下流までの施設運営サービスを提供し、様々な空間の管理運営の効率化を支援しております。Migakunにより、利用企業はコア業務への柔軟なリソース活用、施設の管理運営効率の向上、無人化・省人化による人手不足対策を実現できます。

Migakunは、主に法人が運営する様々な施設を主要顧客としておりますが、特に施設運営の無人化・省人化に親和性の高い、コワーキングスペース/シェアオフィス、フィットネスジム、インドアゴルフ等の会員制施設に加え、Akerunが強みを有するオフィス、そして短期賃貸物件等、幅広い施設で導入されるなど、物的な労働が必要とされる施設運営業務で活用され、施設運営の効率化や無人化・省人化を支援しております。

 

Migakunは、後述の低コストの施設運営代行サービスや高品質なギグワーカープラットフォーム、そして利用企業の様々なニーズに応える柔軟性等のメリットが評価され、すでに約400の施設で採用されており、それら施設運営の無人化・省人化及び効率化を支えるギグワーカープラットフォームも約700名もの規模を備えております。さらに、テクノロジーを活用するBPaaSによるサービス提供モデルを通じて、コミュニケーションツールを活用した利用企業とのリアルタイムなコミュニケーションと様々な要望への柔軟な対応や、AkerunのIoTやクラウドを活用した入退室管理との組み合わせによるギグワーカーのモニタリングやサービス品質の向上等を実現するなど、テクノロジーによる提供価値と競争優位性の強化に加え、市場での実績が豊富なAkerunとの顧客基盤やサービス提供におけるシナジーを活用した事業を展開しております。

Migakunは、サービス提供及び事業におけるこれら市場優位性に優れた提供モデルを通じて、少子高齢化等に伴う人手不足や生産年齢人口の減少等への対策に取り組む企業を支援するとともに、社会課題の解決のための事業を展開することで、今後も当社グループの事業成長に大きく貢献していくものと考えております。


 

③ サービスの強み
Ⅰ.従来の施設運営代行における多重下請け構造の排除と低コストのサービス提供モデル

従来の施設運営や清掃業務の代行業務においては、発注企業〜不動産の開発会社〜ビル管理会社〜清掃会社/施設運営代行会社〜ワーカーという多重下請け構造に伴う、高コスト構造やワーカーの就労環境の悪化、そして発注企業の要望やニーズへの対応力の欠如等の課題がありました。

これらの従来の課題に対して、Migakunでは、発注企業との直接取引によるサービス提供を行うことで、これまで以上に低コストでありながら利用企業の要望やニーズに柔軟に対応可能なサービス提供モデルを確立しております。また、多重下請け構造を排除することで、ギグワーカーの待遇や就業環境の改善も実現しており、その結果として約700名規模にも及ぶ高品質なギグワーカープラットフォームを構築しております。

Migakunは、顧客企業、ギグワーカー、そして当社グループの3者それぞれにメリットをもたらすこのサービス提供モデルを実現したことで、サービスの料金及び品質における競争優位性を備えた事業展開が可能となっております。

 

 

Ⅱ.テクノロジーを活用したBPaaSによるサービスの柔軟性と即応性

従来の施設運営や清掃業務の代行業務においては、多重下請け構造に伴う弊害から、発注企業の要望やニーズに合わせた柔軟なサービス提供や、急な業務依頼への即応性等のリアルタイムなサービス提供体制に課題がありました。

これらの従来の課題に対して、Migakunでは、テクノロジーを活用するBPaaSとしての強みを生かし、Migakunのカスタマーサクセスやサポートの担当者を通じて、顧客企業及びギグワーカーとのコミュニケーションツール等を活用したリアルタイムのコミュニケーションにより、日々の清掃や施設運営業務、総務業務におけるギグワーカーによるサービス提供の柔軟性と即応性を確保しております。さらに、施設運営におけるノウハウを備えたオペレーターにより、顧客企業の要望やニーズの的確な把握とソリューションの提案に加え、ギグワーカーのオペレーションの最適化も実現しております。また、後述のAkerunとのシナジーを最大限活用することで、急なサービス提供の際のギグワーカーへのAkerunの施解錠権限の付与/剥奪、入退室管理、サービス品質のモニタリング等も実現できるため、様々な施設ごとのニーズに即応可能なサービス提供体制を確立しております。

Migakunは、この強みを最大限活用することで、顧客企業による施設運営の無人化・省人化に加え、高品質な施設環境も同時に実現することで、市場における優位性を備えたサービスを実現しております。

 

Ⅲ.Akerunで培った空間管理におけるノウハウやサービス提供におけるシナジー

当社グループは、中核サービスであるAkerunの提供を通じて培った、あらゆる空間の管理や運営におけるノウハウを備えており、Migakunのサービス提供においてもその専門性やシナジーを最大限活用しております。

具体的には、Migakunのサービス提供にAkerunによる入退室管理を活用した安心・安全かつ柔軟なサービス提供体制、空間管理に課題を抱えるAkerun導入企業へのMigakun提案による空間や施設の無人化・省人化とそれに伴う顧客のコア業務への注力と社内リソースの最適化、ギグワーカーのサービスのモニタリングやサービス品質向上のためのAkerunの入退室データの活用等、要件の厳しい法人へのサービス提供において求められる信頼性や安定性、そしてAkerunも活用したサービスの拡張性を備えております。

このAkerunとMigakunを組み合わせた空間管理ソリューションの提供により、企業における空間管理の様々な課題やニーズに対応するとともに、当社グループによるシナジーの最大化を通じた価値提供で市場優位性を確保しております

 

④ 今後の成長拡大のための取り組み

Migakunは、低コストの施設運営代行サービスや高品質なギグワーカープラットフォーム、そして利用企業の様々なニーズに応える柔軟性等のメリットが評価され、すでに約400の施設で採用されており、それら施設運営の無人化・省人化及び効率化を支えるギグワーカープラットフォームも約700名もの規模を備えております。

今後、Migakunのさらなる成長の拡大と加速に向けて以下の取り組みを推進する計画であります。

 

Ⅰ.Akerunとのシナジーを最大限活用したクロスセル施策の強化

前述の通り、Migakunは当社グループの中核サービスであるAkerunとの大きなシナジーを有しているため、それらシナジーを最大限に活用し、Akerun等の当社グループの提供サービスとMigakunを組み合わせた空間DXのためのソリューションとしてのクロスセル施策をより一層強化していく計画であります。

このクロスセル施策の強化により、人手不足等を背景に施設や空間の無人化・省人化運営への高まる需要を取り込むとともに、Akerunの機能拡張やMigakunのサービス強化等の提供価値のさらなる向上を通じて、事業の拡大を図っていく考えであります。また、クロスセル施策の強化にあたっては、株式会社Migakunにとどまらず当社グループ全体でのクロスセルのための営業体制の強化や組織拡充なども図り、さらにAkerunの主要顧客であるオフィス用途での需要をより一層取り込むことで事業成長を加速する計画であります。

 

 

Ⅱ.ギグワーカープラットフォームのさらなる拡大とサービス品質の向上

Migakunは、従来の施設運営代行の課題を解消した競争優位性のあるサービス提供モデルを確立し、空間や施設の運営における無人化・省人化や効率化への旺盛なニーズを取り込むとともに、その柔軟性や拡張性、サービス品質等を評価いただき、すでに多くの業種業態及び拠点での空間や施設の運営を支援しております。

今後のさらなる事業成長に向けては、Migakunのサービスを支えるギグワーカープラットフォームの拡大とサービス品質の向上、そしてオペレーションのさらなる効率化を図る計画であります。具体的には、高品質なギグワーカーの採用を今後も加速することで企業の様々なニーズに応えるサービス提供体制の強化を図るとともに、現在の首都圏を中心としたサービス提供エリアを、主要都市や地方にも拡大し、人手不足等を背景とした空間や施設の無人化・省人化及び効率化への旺盛なニーズを全国規模で取り込むことで、さらなる事業成長を目指しております。また、ギグワーカーによるサービス範囲の拡大とサービス品質の向上、さらにはギグワーカーによる現場でのオペレーションのさらなる効率化等を図ることで、市場における競争優位性を強化し事業成長を加速する考えであります。

 

 

[事業系統図]


(注) 1.顧客紹介を受けて、当社が顧客との契約及びサービスの提供を行います。

2.HESaaS事業のオフィス領域の対象顧客とBPaaS事業の対象顧客は同様の顧客を想定しております。

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

(千円)

主要な事業
の内容

議決権の所有(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

株式会社MIWA Akerun Technologies

(注)2

東京都港区

50,000

空間DX事業

51

役員の兼任

クラウドサービスの提供及び保守

システム開発の業務受託

管理業務の業務受託

株式会社Migakun

(注)2

東京都港区

15,000

空間DX事業

100

役員の兼任

施設運営代行の業務受託

 

(注) 1.「主要な事業の内容欄」には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

2.特定子会社に該当しております。

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

空間DX事業

143

(10)

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者は年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。

2.当社グループは空間DX事業の単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については、記載しておりません。

 

(2) 提出会社の状況

2024年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

137

(10)

35.7

3.1

6,580

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社は空間DX事業の単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については、記載しておりません。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

② 連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。