①当連結会計年度における四半期情報等
(注) 1 当連結会計年度における四半期情報については、日本基準により作成しております。
2 当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)及び第4四半期連結会計期間(自 2022年10月1日 至 2022年12月31日)については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
3 当社は、役員報酬BIP信託を導入しており、信託が保有する当社株式を、1株当たり情報の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
②移行日(2021年4月1日)及び前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)情報
1.連結財政状態計算書
2.連結損益計算書
3.連結包括利益計算書
4.連結持分変動計算書
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)
5.連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
(連結財務諸表注記)
1.報告企業
NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社(以下「当社」という。)は日本に所在する株式会社であります。当社の登記している本社及び主要な事業所の所在地は、ホームページ(https://www.nipponexpress-holdings.com/ja/)で開示しております。
当社の連結財務諸表は2022年12月31日を連結会計年度末とし、当社及びその子会社(以下「当社グループ」という。)、並びにその関連会社及び共同支配の取り決めに対する持分により構成されています。国内・海外各地域で貨物自動車運送業、鉄道利用運送業、航空利用運送業、海上運送業、港湾運送業、倉庫業等を行っている「ロジスティクス事業」を主軸とし、更に専門事業である「警備輸送事業」、「重量品建設事業」、及び各事業に関連する販売業・不動産業等の「物流サポート事業」を展開しております。
2.作成の基礎
当社グループの連結財務諸表は「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。
当社グループは2022年12月31日に終了する連結会計年度にIFRSを初めて適用しており、IFRSへの移行日は2021年4月1日です。また、当社グループは、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(以下「IFRS第1号」という。)を適用しています。IFRSへの移行が、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響は、注記「40.初度適用」に記載しています。
早期適用していないIFRS及びIFRS第1号の規定により認められた免除規定を除き、当社グループの会計方針は2022年12月31日において有効なIFRSに準拠しております。なお、適用した免除規定については、注記「40. 初度適用」に記載しています。
本連結財務諸表は2023年3月30日の取締役会によって承認されています。
当社グループの連結財務諸表は、「3.重要な会計方針」に記載のとおり、公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を切捨てて表示しています。
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しております。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断及び見積りは以下のとおりであります。
・収益の認識と測定(注記「3.重要な会計方針(17)収益」)
・固定資産の耐用年数及び残存価額の見積り(注記「3.重要な会計方針(6)有形固定資産」、「3.重要な会計方
針(8)のれん及び無形資産」)
・非金融資産の減損及び測定(注記「3.重要な会計方針(10)非金融資産の減損」)
・繰延税金資産の回収可能性(注記「3.重要な会計方針(18)法人所得税」、「15.法人所得税」)
・引当金の会計処理と評価(注記「3.重要な会計方針(14)引当金」、「21.引当金」)
・確定給付制度債務の測定(注記「3.重要な会計方針(12)従業員給付」、「22.従業員給付」)
・金融商品の公正価値(注記「3.重要な会計方針(4)金融商品」、「34.金融商品」)
早期適用した基準については、当連結会計年度の「作成の基礎」をご参照ください。
連結財務諸表の承認日までに公表されている基準書及び解釈指針のうち、当社グループに重要な影響があるものはありません。
3.重要な会計方針
連結財務諸表(IFRS移行日の連結財政状態計算書を含む)の作成にあたって採用した重要な会計方針は以下のとおりです。これらの方針は特段の記載がない限り、表示しているすべての報告期間に継続して適用しています。
子会社とは、当社グループが支配しているすべての企業をいいます。当社グループが企業への関与による変動リターンにさらされている又は変動リターンに対する権利を有している場合で、その企業に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合には、当社グループはその企業を支配しています。
子会社の財務諸表は当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めています。
子会社の会計方針が、当社グループが採用している会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を行っています。
当社グループ内の債権債務残高及び取引並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表作成に際して相殺消去しています。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
支配を喪失しない子会社に対する持分の変動は資本取引として会計処理しています。非支配持分の調整額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額を資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属させています。
子会社の支配を喪失する場合、処分損益は受取対価の公正価値及び残存持分の公正価値の合計と子会社の資産(のれんを含む)、負債及び非支配持分の支配喪失時の帳簿価額との差額として算定し、純損益で認識しています。
子会社の所在する現地の法制度上、親会社と異なる決算日が要請されていることにより決算日を統一することが実務上不可能である場合、決算日が異なる子会社の財務諸表は連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの支配していない企業をいいます。
関連会社に対する投資は持分法で会計処理を行い、取得時に取得原価で認識しています。その後、重要な影響力を有した日から喪失する日まで関連会社の純損益及びその他の包括利益に対する当社グループの持分を認識し、投資額を修正しています。
関連会社の会計方針が、当社グループが採用している会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社の財務諸表に調整を行っています。
共同支配の取決めとは、関連性のある活動にかかる意思決定について支配を共有している当事者の全会一致の合意を必要とする取り決めを言います。
共同支配企業とは、共同支配を有する当事者が純資産に対する権利を有している場合の共同支配の取決めをいいます。共同支配企業については、持分法により処理しています。
共同支配企業の会計方針は、連結会社が適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しています。
連結財務諸表には、他の株主との関係等により決算日を統一することが実務上不可能であるために決算日が異なる共同支配企業への投資が含まれています。決算日の差異により生じる期間の重要な取引又は事象については必要な調整を行っています。
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。
取得対価は、取得日の公正価値で測定された移転した対価及び被取得企業に対する非支配持分の金額の合計額として測定しております。
企業結合に伴って発生した取得関連コストは、当該コストが発生した期の費用として認識しております。
当社グループが事業を取得する場合、取得日における契約条件、経済状況及び関連する諸条件に基づき、取得資産及び引受負債の分類及び指定を行っております。また、取得した識別可能資産及び引受負債は、原則として、取得日の公正価値で測定しております。
被取得企業に対する非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産の公正価値に対する非支配持分割合相当額のいずれかにより測定しております。
取得対価が識別可能取得資産及び引受負債の純額を超過する場合、連結財政状態計算書においてのれんとして計上しており、下回る場合、その差額は純損益として認識しております。
企業結合が段階的に行われた場合、被取得企業に対する支配獲得前に保有していた持分を取得日に公正価値で再評価し、その評価差額は純損益として認識しております。取得日以前にその他の包括利益に計上されていた被取得企業の持分の金額は、取得企業がその持分を処分した場合と同じ方法で会計処理しております。
企業結合が生じた期の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、暫定的な金額で会計処理を行い、取得日から1年以内の測定期間において、暫定的な金額の修正を行っております。
当社グループの各社の財務諸表は、その企業の機能通貨で作成しています。機能通貨以外の通貨(外貨)での取引については、取引日の為替レートで換算しています。
外貨建貨幣性項目は、連結会計年度末の為替レートで機能通貨に換算しています。外貨建非貨幣性項目は、取得原価で測定するものは取引日の為替レートで、公正価値で測定するものは当該公正価値の算定日の為替レートで機能通貨に換算しています。
換算又は決済により生じる為替換算差額は、純損益として認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて測定する金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる為替換算差額は、その他の包括利益として認識しています。
在外営業活動体の資産及び負債は、連結会計年度末の為替レートで日本円に換算しています。収益及び費用は、期中平均為替レートで日本円に換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しています。在外営業活動体を処分した場合には、その累積換算差額は処分した期間の純損益として認識しています。
なお、当社グループはIFRS第1号の免除規定を採用し、IFRS移行日現在の在外営業活動体の累積換算差額をその他の資本の構成要素から利益剰余金に振替えています。
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
当社グループは、営業債権及びその他の債権を発生日に当初認識しており、その他の金融資産は当該金融資産の契約の当事者となった取引日に当初認識しております。
当初認識時において、すべての金融資産は公正価値で測定しておりますが、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類されない場合は、当該公正価値に金融資産の取得に直接帰属する取引コストを加算した金額で測定しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取引費用は、純損益に認識しています。
(ⅱ)分類
以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
以下の要件をともに満たす場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しています。
・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
当初認識時に、公正価値の変動をその他の包括利益を通じて認識すると指定した資本性金融資産については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しています。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記以外の金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
(ⅲ)事後測定
(a) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価で測定しており、利息発生額は連結損益計算書の金融収益に含めています。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る公正価値の変動額は、減損利得又は減損損失及び為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止が行われるまで、その他の包括利益として認識しています。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、過去に認識したその他の包括利益は純損益に振り替えています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に係る公正価値の変動額は、その他の包括利益として認識しています。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、又は公正価値が著しく下落した場合、過去に認識したその他の包括利益は利益剰余金に直接振り替えています。なお、当該金融資産からの配当金については純損益として認識しています。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しています。
当社グループは、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る予想信用損失に対して、貸倒引当金を認識しており、当社グループは、報告期間の末日ごとに、当該資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しています。
金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12か月の予想信用損失と同額で測定しています。一方で、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しています。
ただし、営業債権等に係る貸倒引当金については、上記に関わらず、常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しています。
予想信用損失は、次のものを反映する方法で見積っています。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額又は貸倒引当金を減額する場合における貸倒引当金の戻入額は、純損益で認識しています。
なお、当該金融資産について回収不能であると判断した場合には、帳簿価額を貸倒引当金と相殺し
て直接減額しております。
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は当社グループが金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合に金融資産の認識を中止しています。
当社グループは、当社グループが発行した負債性金融商品をその発行日に当初認識しており、その他の金融負債はすべて当社グループが当該金融商品の契約の当事者となった取引日に金融負債を認識しております。
当社グループの金融負債は償却原価で測定する金融負債であり、当初認識においては、公正価値から直接帰属する取引費用を控除した額で測定しており、当初認識後の再測定においては、実効金利法により測定しております。
また、金融負債は、契約上の義務が免責、取消又は失効した場合に認識を中止しております。
当社グループは、為替変動リスクや金利変動リスクをそれぞれヘッジする目的で、為替予約、金利スワップ等を利用しております。
当社グループは、ヘッジ開始時に、ヘッジ対象とヘッジ手段の関係並びにヘッジに関するリスク管理目的及び戦略について、指定及び文書化を行っております。当該文書は、ヘッジ関係、リスク管理目的及びヘッジの実行に関する戦略並びにヘッジの有効性の評価を含んでおります。
これらのヘッジは、公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺する上で非常に有効であることが見込まれますが、ヘッジ期間中にわたり実際に非常に有効であったか否かを判断するために、継続的に評価しております。
デリバティブは公正価値で当初認識しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動は以下のとおり処理しております。
ヘッジ手段に係る利得及び損失のうちヘッジが有効である部分については、公正価値の変動額をその他の包括利益に認識し、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが純損益に影響を与えた時点でヘッジ対象と共に純損益に認識しております。
ヘッジが有効でない部分については、公正価値の変動額を純損益に認識しております。
ヘッジ手段が失効、売却、終結又は行使された場合、ヘッジ関係が適格要件を満たさなくなった場合及びヘッジ指定を取り消した場合には、ヘッジ会計を中止しております。ヘッジ会計を中止した場合、当社グループは、すでにその他の包括利益で認識したキャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益の残高を、予定取引が純損益に影響を与えるまで引き続き計上しております。予定取引の発生が予想されなくなった場合には、キャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益の残高は、直ちに純損益として認識しております。
デリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しております。
金融資産及び金融負債は、認識された金額を相殺する法的強制力のある権利を有し、純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合には、相殺して連結財政状態計算書に純額で表示しています。
各報告期間の末日現在で活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場における公表価格又はディーラー価格を参照しており、 活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を使用して算定しております。
金融収益は、受取利息、受取配当金及びデリバティブ利益(その他の包括利益として認識されるヘッジ手段に係る利益を除く)等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。
金融費用は、支払利息及びデリバティブ損失(その他の包括利益として認識されるヘッジ手段に係る損失を除く)等から構成されております。
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定し、原価の算定にあたっては平均法を使用しております。
棚卸資産の取得原価は主に購入原価であり、また、正味実現可能価額は、通常の営業過程における見積売価から、見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しております。
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しています。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体・除去及び土地の原状回復費用を含めています。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上しています。
主要な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりです。
「車両運搬具」 4~9年
「建物」及び「構築物」 3~50年
「機械及び装置」、「工具、器具及び備品」及び「船舶」 2~20年
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合には会計上の見積変更として将来に向かって適用しています。
投資不動産は、賃貸収益又は資本増価、もしくはその両方を目的として保有する不動産であります。
投資不動産の測定においては、有形固定資産に準じて原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
土地以外の各資産の減価償却費は、有形固定資産に準じた見積耐用年数にわたって、定額法により算定しております。
投資不動産とそれ以外の部分との区分処理が不可能な場合には、自己使用部分の重要性が低い場合に限り、全体を投資不動産として処理しております。
当初認識時におけるのれんの測定は、「(1)連結の基礎 ④ 企業結合」に記載しています。のれんは償却せず、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で計上しております。また、減損テストについては、毎年かつ減損の兆候が存在する場合はその都度、実施しております。
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しています。
個別に取得した無形資産は当初認識時に取得原価で測定しています。企業結合で取得した無形資産は、のれんとは区分して認識し、取得日の公正価値で測定しています。自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として認識しております。
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却しています。
主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりです。
「ソフトウェア」 5~10年
見積耐用年数及び償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合には会計上の見積変更として将来に向かって適用しています。
当社グループは、契約時に特定された資産の使用を支配する権利が一定期間にわたって対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しております。
リース期間は、延長オプションの対象期間(当社グループが当該オプションを行使することが合理的に確実である場合)、解約オプションの対象期間(当社グループが解約オプションを行使しないことが合理的に確実である場合)を考慮して決定しております。
リース開始日において、リース取引におけるリース負債および使用権資産を認識しております。リース負債はリース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として当初測定を行っており、使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初の測定を行っています。使用権資産は、見積耐用年数とリース期間のいずれか短い期間にわたって定額法で減価償却しています。
支払リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金融費用とリース負債残高の返済部分に配分しています。金融費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。
契約がリースであるか否か、又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形態をとらないものであっても、リース開始日における契約の実質、すなわち契約の履行が特定資産又は資産グループの使用に依存しているかどうか、及び契約により当該資産の使用権が移転するかどうかの判断に基づき決定しています。
なお、リース期間が12ヶ月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースについては使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料総額をリース期間にわたり定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しております。
原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてが移転するものをファイナンス・リースに分類し、それ以外のリースについては、オペレーティング・リースに分類しています。
ファイナンス・リース取引におけるリース債権は、リース開始日における、リース料総額の未収分及び貸手に帰属するリース対象資産の無保証残存価値の合計の割引現在価値として測定を行っています。
受取リース料は、リース債権残高に対して一定の利子率となるように、金融収益とリース債権残高の回収部分に配分しています。
オペレーティング・リース取引においては、対象となる資産を連結財政状態計算書に計上し、受取リース料は連結損益計算書においてリース期間にわたって定額法により収益として認識しています。
当社グループは、棚卸資産、繰延税金資産、売却目的で保有する非流動資産及び従業員給付から生じる資産を除く非金融資産について、各報告期間の末日現在において減損の兆候の有無の判定を行い、何らかの兆候が存在する場合(又は毎年減損テストが要求されている場合)、その資産の回収可能価額を見積っております。
資金生成単位は、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしております。個々の資産について回収可能価額を見積ることができない場合には、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積っております。回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定しております。資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産について減損を認識し、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。
また、使用価値の測定における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前割引率を使用して現在価値まで割り引いております。処分コスト控除後の公正価値の算定にあたっては、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価モデルを使用しております。
のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失についてその回収可能価額の算定に使用した仮定に変更が生じた場合等、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかについて評価を行っております。そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻し入れております。
継続的な使用よりも売却により主に回収が見込まれる資産又は資産グループのうち、期末日後1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産又は処分グループとして分類しております。売却目的で保有する非流動資産は減価償却又は償却は行わず、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しております。
(12)従業員給付
当社グループは、従業員の退職後給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を運営しております。
確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて制度ごとに個別に算定しております。
割引率は、将来の給付支払見込日までの期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。
確定給付制度債務の現在価値と制度資産の公正価値との純額を、負債又は資産として計上しております。ただし、確定給付制度が積立超過である場合は、確定給付資産の純額は、制度からの返還又は制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値を資産上限額としております。また、確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は金融費用(金融収益)として純損益に認識しております。
確定給付負債(資産)の純額の再測定は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。
過去勤務費用は、発生した期の純損益として認識しております。
確定拠出型の退職給付に係る費用は、拠出した時点で費用として認識しております。
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で純損益として認識しています。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的な債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しています。
褒賞制度に対する債務は、従業員が過年度及び当年度に提供したサービスの対価として獲得した将来給付の見積額を現在価値に割引いて算定しています。
当社は、株式報酬制度として持分決済型の株式報酬制度と現金決済型の株式報酬制度を採用しています。
持分決済型の株式報酬制度では、受領するサービスを付与日における資本性金融資産の公正価値で測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
現金決済型の株式報酬制度では、受領するサービスを発生した負債の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しています。
なお、負債は決済されるまで、その公正価値を各報告期間の末日及び決済日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しています。
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
引当金として認識した金額は報告期間の末日における現在の債務を決済するために要する支出に関して、リスク及び不確実性を考慮に入れた最善の見積りであります。貨幣の時間価値の影響が重要な場合には、引当金は債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で測定しております。
普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に認識しております。また、株式発行費用は発行価額から控除しております。
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却又は消却において、利得又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は、資本として認識しております。
当社の株主に対する配当のうち、期末配当は当社の株主総会により決議された日、中間配当は取締役会により決議された日の属する期間の負債として認識しております。
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するに応じて)収益を認識する。
当社グループは、顧客との契約に含まれる別個の財又はサービスを識別し、これを取引単位として履行義務を識別しています。
履行義務の識別にあたっては、本人か代理人かの検討を行い、自らの履行義務の性質が、特定された財又はサービスを移転する前に支配し自ら提供する履行義務である場合には、本人として収益を対価の総額で連結損益計算書に表示しており、特定された財又はサービスが他の当事者によって提供されるように手配する履行義務である場合には、代理人として収益を手数料又は報酬の額若しくは対価の純額で連結損益計算書に表示しています。
取引価格は、約束した財又はサービスの顧客への移転と交換に当社グループが権利を得ると見込んでいる対価の金額であり、当社グループが第三者のために回収する額を除いています。また、顧客から取引の対価は、財又はサービスを顧客に移転する時点から概ね1年以内に受領しており、重要な金融要素は含んでいません。
・一時点での収益の認識(物流サポート事業)
当社グループは、物流サポート事業において石油等の販売を行っていますが、受渡時点において顧客が当該財に対する支配を獲得し、当社グループの履行義務(財の受渡)が充足されると判断し、収益を認識しています。当社グループが代理人として行う財の販売についても、受渡時点において顧客が当該財に対する支配を獲得し、当社グループの履行義務(財の受渡に関する手配)が充足されると判断し、収益を認識しています。
・一定期間にわたる収益の認識(全セグメント)
当社グループは、鉄道取扱、自動車運送、航空運送及び海運等によるロジスティクス事業、警備輸送並びに工事請負契約に基づく重量品建設事業を行っています。ロジスティクス事業及び警備輸送事業においては、輸送期間の経過に伴い荷物は発地点から着地点に移動・近接し顧客はその便益を享受できることから、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し、輸送期間に応じた進捗度に基づき収益を認識しています。また、重量品建設事業においては、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し、建設プロジェクトの見積総原価に対する連結会計年度末までの発生原価の割合で履行義務の充足に係る進捗度を測定する方法に基づいて収益を認識しています。
法人所得税費用は、当期法人所得税費用と繰延法人所得税費用から構成されています。これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しています。
当期法人所得税費用は、連結会計年度末時点において制定又は実質的に制定されている税率を使用して、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で算定しています。
繰延法人所得税費用は、連結会計年度末における会計上の資産及び負債の帳簿価額と、関連する税務基準額との差額により生じる一時差異に基づいて算定しています。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを回収できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識し、繰延税金負債は、原則として将来加算一時差異について認識しています。なお、繰延税金資産は毎期見直され、税務便益の実現が見込めないと判断される部分については減額しています。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上していません。
・のれんの当初認識により生じる将来加算一時差異
・会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引(企業結合取引を除く)によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異について、当該一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得が稼得される可能性が高くない場合、又は予測可能な将来に当該一時差異が解消する可能性が高くない場合
繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末において制定、又は実質的に制定されている税率に基づいて、資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率によって測定しています。
当社グループは、法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税法上の解釈に基づき税務ポジションが発生する可能性が高い場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しています。
当社及び一部の子会社は、連結納税制度を適用しています。
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領することに合理的な保証が得られた場合に、公正価値で認識しています。
資産に関する補助金は、資産の取得原価から控除し、資産の耐用年数にわたって規則的に純損益として認識しています。
収益に関する補助金は、補助金で補償することを意図している関連費用を費用として認識する期間にわたって、規則的に純損益として認識しています。
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を報告期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。
4.セグメント情報
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象としているもので、エリア別セグメントと事業別セグメントの組合せにより構成されております。
ロジスティクス事業においては、「日本」、「米州」、「欧州」、「東アジア」及び「南アジア・オセアニア」の5つを報告セグメントとし、ロジスティクス事業以外では専門事業である「警備輸送」、「重量品建設」及び、各事業に関連する販売業・不動産業等を行っている「物流サポート」を報告セグメントとしております。
この結果、各報告セグメントの主要製品及びサービス、主要な事業内容は、以下のとおりです。
報告セグメントの会計方針は、「3.重要な会計方針」で記載している当社グループの会計方針と同一です。なお、セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)
(注1)調整額は以下のとおりです。
(1)セグメント利益(事業利益)の調整額△11,897百万円には、セグメント間取引消去△307百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△11,590百万円が含まれております。
全社費用は、主に企業イメージ広告に要した費用及び日本通運株式会社本社のグループ会社等管理部門に係る費用であります。
(2)減価償却費及び償却費の調整額は報告セグメントに帰属しない純粋持株会社である当社における減価償却費等です。
(注1) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(注2) 各区分に属する主な国または地域
日本国内の非流動資産の帳簿価額は、連結財政状態計算書の非流動資産の大部分を占めるため、地域別の非流動資産の記載を省略しております。
5.企業結合
重要な企業結合は発生しておりません。
6.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりです。
7.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりです。
(注)連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しています。
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
「売掛金」及び「受取手形」は「顧客との契約から生じた債権」を構成し、「契約資産」とあわせて注記「26.収益」に記載しております。
営業債権及びその他の債権の「貸倒引当金」については、注記「34.金融商品」に記載しております。
8.棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度において、期中に費用に認識した棚卸資産の金額は、198,797百万円です。
前連結会計年度に費用として認識した棚卸資産の評価減の金額に重要性はありません。
9.売却目的で保有する資産及び非継続事業
売却目的で保有する資産及び直接関連する負債の内容は以下のとおりです。
前連結会計年度において売却目的で保有する資産に分類したものは、自己使用目的で保有していた当社の旧本社ビル(旧日本通運本社ビル)に係る構築物、建物及び土地です。当該物件の譲渡について、2021年12月21日付で取締役会において決議したことにより発生しました。なお、当連結会計年度中に売却が完了しております。
10.有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は以下のとおりです。
(注1) 有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」に含めています。
(注2) 建設中の有形固定資産に関する金額は、建設仮勘定として表示しています。
(注3) 負債の担保に供した有形固定資産の金額については、注記「20.社債及び借入金」に記載しております。
(注4) 有形固定資産の取得に関するコミットメントについては、注記「37.コミットメント」に記載しております。
当社グループは、有形固定資産の資金生成単位について他の資産または資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位によって資産のグループ化を行っており、連結子会社のうち日本通運株式会社についてはブロック・事業部単位を基準とし、他の連結子会社については主として会社単位を基準としてグループ化を行っております。
減損の兆候の有無は報告期間の末日ごとに判断し、減損の兆候が存在する場合は、当該資金生成単位の回収可能価額を見積もっています。回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としています。なお、使用価値の算定において、見積キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資金生成単位の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割引いています。
減損損失として認識した資産の種類別内訳は以下のとおりであり、連結損益計算書の「その他の費用」に含めています。
一部の海外子会社において、過去の実績及び今後の収支目論見等を鑑み、固定資産の帳簿価額を回収できないと見込まれたため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しております。当該資産グループの回収可能価額は正味売却価額により測定しており、正味売却価額は不動産鑑定評価額等に基づいて評価しております。
また、一部の国内子会社において、過去の実績及び今後の収支目論見等を鑑み、固定資産の帳簿価額を回収できないと見込まれたため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しております。当該資産グループの回収可能価額は正味売却価額及び使用価値のいずれも価額を見込めないことから零としており、固定資産の帳簿価額全額を減損損失としております。
11.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は以下のとおりです。
(注1) 無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
(注2) 無形資産の減損損失の金額は、連結損益計算書上の「その他の費用」に含めています。減損損失の詳細については、「10.有形固定資産(2)減損損失」に記載しております。
(注3) 無形資産の取得に関するコミットメントについては、注記「37.コミットメント」に記載しております。
のれんが配分されている資金生成単位(又はそのグループ)については、毎報告期間末、さらに減損の兆候がある場合には都度、減損テストを行っています。企業結合により生じたのれんは、企業結合のシナジーから将来の超過収益力が生じると期待される資金生成単位(又はそのグループ)に配分しています。のれんの資金生成単位(又はそのグループ)への配分額は以下のとおりです。
のれんが配分された資金生成単位(又はそのグループ)の回収可能価額は、過去の経験と外部からの情報を反映されて作成され、経営陣によって承認された、最長で5年間の予測を基礎とする使用価値に基づき算定しています。当該5年間を超えるキャッシュ・フローの予測は、資金生成単位が属する市場の長期平均成長率等をもとに推定しております。事業の継続価値を算定するために使用した成長率は、0.00%~1.70%を使用しています。また、割引率は、当該資金生成単位(又はそのグループ)の加重平均資本コスト6.20%~12.02%を使用しています。なお、回収可能価額は帳簿価額を上回っていますが、使用価値の基礎となっている主要な仮定が変更された場合に減損が発生するリスクがあります。仮に割引率が1.00%上昇した場合、減損損失が発生する可能性があります。
12.リース
(借手)
当社グループが、借手としてリースしている資産は主に事務所や倉庫などの不動産、及び車両運搬具であります。
リース契約の一部については、延長オプション及び解約オプションが付与されております。また、リースによって課されている制限又は特約はありません。
なお、変動リース料、残価保証の金額に重要性はありません。
使用権資産の帳簿価額の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度の使用権資産の増加額は62,218百万円であります。
使用権資産の減価償却費は、以下のとおりです。
認識の免除を選択した短期リースに係る費用は、前連結会計年度17,523百万円であります。
認識の免除を選択した少額リースに係る費用は、前連結会計年度2,277百万円であります。
リース負債の測定に含めていない変動リース料に係る費用は、前連結会計年度73百万円であります。
リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、前連結会計年度75,581百万円であります。
セール・アンド・リースバック取引から生じた利得または損失は、前連結会計年度は該当ありません。
使用権資産のサブリースによる収益2,729百万円(前連結会計年度)は、連結損益計算書の「売上収益」に含めており、注記「26.収益」に記載しております。
(2) リース負債
リース負債の内容は以下のとおりです。
(貸手)
(1) ファイナンス・リース
正味リース投資未回収額に対する金融収益は、以下のとおりです。
なお、リース債権はその他の金融資産に含まれております。
当社は、特定の倉庫及び不動産について、貸手として運送業者との間でファイナンス・リース契約を締結しています。
ファイナンス・リース契約の平均期間は5年です。これらのリース契約は、通常、延長オプションや早期解約オプションを含んでいません。
すべてのリースは円建てであるため、当社グループはリース契約から生じる為替リスクに晒されていません。
リースされる設備に関する残存価値リスクは、当該設備を売却する流通市場が存在するため、重大ではありません。
当社グループが保有するファイナンス・リースに基づく受取リース料の満期分析は以下のとおりです。
無保証残存価値は直近の8年間にわたり継続的に価値が上昇している地域に所在する不動産に関連しており、当社グループの重要なリスクを表すものではありません。また、当社グループはこの状況が変化する兆候を識別していません。
当社グループが保有するオペレーティング・リースに基づく受取リース料の満期分析は以下のとおりです。
受取リース料は連結損益計算書の「売上収益」に含めており、注記「26.収益」に記載しております。
13.投資不動産
投資不動産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額、帳簿価額の明細は、以下のとおりです。
投資不動産の期中増減の明細は、以下のとおりです。
振替は、主として棚卸資産及び自己使用不動産への振替及びそれらからの振替であります。
(2) 公正価値
投資不動産の公正価値は、以下のとおりです。
投資不動産の公正価値は、主要な物件につきましては不動産鑑定士による不動産調査報告書に基づく金額であります。
各年度における投資不動産の公正価値のヒエラルキーはレベル3であります。
なお、公正価値のヒエラルキーについては注記「34.金融商品」に記載しております。
(3) 投資不動産からの収益及び費用
投資不動産からの賃貸料収益及びそれに伴って発生する直接営業費は、以下のとおりであります。
賃貸料収益は、連結損益計算書の「売上収益」に含めており、注記「26.収益」に記載しております。直接営業費は、賃貸料収益に付随して発生した直接費用であり、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」に含めております。
14.持分法で会計処理されている投資
(1)重要な関連会社
当社グループにおける重要な関連会社は、日通リース&ファイナンス株式会社(以下「日通リース&ファイナンス」という。)(報告日12月31日)であります。日通リース&ファイナンスは、電気・電子・通信機器、精密機器等のリース及びそれに付随する事業を行っております。日通リース&ファイナンスの主要な事業場所は、本社事業所(東京都港区海岸1-14-22)になります。
日通リース&ファイナンスの要約財務諸表と当社グループの持分の帳簿価額との調整表は以下のとおりです。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(2)個々に重要性のない関連会社及び共同支配企業
個々に重要性のない関連会社及び共同支配企業に対する投資の帳簿価額は以下のとおりです。
個々に重要性のない関連会社及び共同支配企業の当期利益及びその他の包括利益の持分取込額は以下のとおりです。
なお、これらの金額は当社グループの持分比率勘案後のものです。
15.法人所得税
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別内訳及び増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)
(注)「その他」には在外営業活動体の換算差額等が含まれています。
(2) 未認識の繰延税金資産
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金は、以下のとおりです。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効期限別の内訳は、以下のとおりです。
(3) 繰延税金負債を認識していない子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異
繰延税金負債を認識していない子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異は前連結会計年度末において7,126百万円です。これらは当社グループが一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高いことから、当該一時差異に係る繰延税金負債を認識していません。
(4) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は以下のとおりです。
(5) 実効税率の調整表
当社グループは、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎とした法定実効税率は前連結会計年度において30.6%です。なお、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されています。
法定実効税率と実際負担税率との差異について原因となった主要な項目の内訳は、以下のとおりです。
16.その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は以下のとおりです。
(注1) 株式及び出資金は、主にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しています。
(注2) 貸付金、未収金、差入保証金及び預入期間が3ヶ月を超える定期預金は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
(注3) デリバティブ資産は、ヘッジ会計が適用されているものを除き、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
(注4) 連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しています。
当社及び一部の連結子会社が保有する資本性金融資産のうち、主として取引関係の維持、強化を目的として保有する投資については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しています。当該金融資産は主に普通株式であり、公正価値の内訳は以下のとおりです。
活発な市場があるその他の投資の主な銘柄及び公正価値は以下のとおりです。
(注)株式は主に取引先との協力関係維持を目的に保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に指定しています。
(注)市場性のないその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品は、主に物流関連の銘柄により構成されています。物流関連銘柄の移行日及び前連結会計年度末における公正価値合計はそれぞれ29,408百万円、23,140百万円です。
当社グループは主に取引関係の見直し等により、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の売却(認識の中止)を行っています。
売却時の公正価値及び資本のその他の包括利益として認識していた累積損益は、以下のとおりです。
(注)資本のその他の包括利益として認識していた累積損益は、売却した場合及び公正価値が著しく下落した場合に利益剰余金に振替えています。利益剰余金への振替額は税引後です。
17.その他の資産
その他の資産の内訳は、以下のとおりです。
18.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりです。
(注)営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
19.その他の負債
その他の負債の内訳は、以下のとおりです。
(注1) 上記「前受金」には、契約負債、固定資産売却に係る前受金、倉庫等賃貸料の前受金及び関税等の立替払いに係る前受金等が含まれております。なお、前連結会計年度の「前受金」には、連結子会社である日本通運株式会社の旧本社事務所地の譲渡に係る前受金7,430百万円が含まれております。
20.社債及び借入金
社債及び借入金の内訳は以下のとおりです。なお、社債及び借入金は、償却原価で測定する金融負債です。
(注1) 平均利率は前連結会計年度末の残高に対する加重平均利率です。
(注2) 社債の内訳は以下のとおりです。
担保権は、財務制限条項に抵触した場合、または借入契約不履行がある場合に行使される可能性があります。
21.引当金
引当金の内訳及び増減は以下のとおりです。
引当金の連結財政状態計算書における内訳は以下のとおりです。
(注)資産除去債務は、主に物流センター等に対する原状回復義務及び固定資産に関連する有害物質の除去に関するものです。経済的便益の流出が予測される時期は、主に各連結会計年度末より1年を経過した後の時期であることが見込まれておりますが、これらの金額や流出時期の見積りは、将来の事業計画等により影響を受けます。
22.従業員給付
(1) 退職後給付
当社及び国内連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しております。
確定給付年金制度(すべて積立型制度であります。)では、給与と勤務期間に基づいた一時金または年金を支給しております。
なお、一部の国内連結子会社は、複数事業主制度による企業年金基金に加入しております。
退職一時金制度(非積立型でありますが、退職給付信託を設定した結果、積立型制度となっているものがあります。)では、退職給付として、給与と勤務期間に基づいた一時金を支給しております。
確定給付制度債務及び制度資産と連結財政状態計算書に計上された確定給付負債及び資産の純額との関係は以下のとおりです。
(注)退職給付に係る資産は、連結財政状態計算書の「その他の非流動資産」に含めています。
確定給付制度債務の現在価値の増減は以下のとおりです。
制度資産の公正価値の増減は以下のとおりです。
(注)2022年1月1日から2022年12月31日までの1年間の事業主からの制度資産への予定拠出額は1,393百万円です。
制度資産の主な種類毎の内訳は以下のとおりです。
1.活発な市場で市場価格があるものは主に国内株式・国内債券からなり、活発な市場での市場価格がないものは主に海外株式・海外債券からなっております。
2.その他には、主としてオルタナティブ(ファンド等)が含まれています。
重要な数理計算上の仮定は以下のとおりです。
(単位:%)
主要な仮定の加重平均の変動に対する確定給付制度債務の感応度分析は、以下のとおりです。
本分析は、他のすべての仮定は不変として1つの仮定を変動させたものです。実際には、当該仮定が単独で発生する可能性は低く、複数の仮定の変化が相互に関連して生じる可能性があります。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度が11.4年です。
確定拠出型制度に関して費用として認識した金額は、前連結会計年度が4,526百万円です。
連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計金額は、前連結会計年度が370,122百万円です。
23.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は以下のとおりです。
(注1) 預り金は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
(注2) デリバティブ負債は、ヘッジ会計が適用されているものを除き、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しています。
24.資本
IFRS移行日、前連結会計年度における授権株式数は398,800,000株です。
全額払込済みの発行済株式数及び自己株式数の増減は以下のとおりです。なお、当社の発行する株式は、すべて権利内容に制限のない無額面の普通株式です。
(注)1 前連結会計年度における発行済株式の増減は、自己株式消却による減少です。
2 前連結会計年度における自己株式数の増減には、自己株式消却による減少5,400,675株、業績連動型株式報酬制度による減少5,615株が含まれております。
資本剰余金の主な内容は当社の資本準備金です。
日本における会社法(以下「会社法」という。)では、株式の発行に対しての払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本準備金に組み入れることが規定されています。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることと規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができると規定されています。
連結会社の在外営業活動体の財務諸表をそれらの機能通貨から連結会社の表示通貨である日本円に換算することによって生じた換算差額です。
キャッシュ・フロー・ヘッジに係るヘッジ手段の公正価値の変動から生じた利得又は損失のうち、ヘッジ有効部分の累計額です。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る評価損益の累計額です。
確定給付制度の再測定は、期首時点の数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額及び数理計算上の仮定の変更による影響額です。これについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えています。
持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、確定給付制度の再測定、及び在外営業活動体の換算差額が含まれています。
25.配当
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)
(注) 1 2021年6月29日定時株主総会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式に対する配当金13百万円が含まれております。
2 2021年11月12日取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式に対する配当金10百万円が含まれております。
(注) 「配当金の総額」には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式に対する配当金17百万円が含まれております。
26.収益
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)
(注1) 「一時点で移転される財」には、石油等販売による売上が含まれております。
(注2) 「その他の源泉から認識した収益」には、IFRS第16号に基づくリース収益や賃貸収入等が含まれております。リース収益については、注記「12.リース」に記載しております。賃貸収入等については、注記「13.投資不動産」に記載しております。
「3. 重要な会計方針 (17) 収益」に記載のとおりです。
IFRS移行日、前連結会計年度における契約資産及び契約負債の残高は、次のとおりです。
(注1)「顧客との契約から生じた債権」及び「契約資産」については、注記「7. 営業債権及びその他の債権」に記載しております。
(注2)「契約負債」は、主にロジスティクス事業において契約の履行に先立ち顧客から受領した前受対価を認識したものであり、連結財政状態計算書の「その他の流動負債」に含めています。
前連結会計年度に認識された収益について、期首時点で契約負債に含まれていた金額、及び過去の期間に充足された履行義務から認識した売上収益の金額は、以下のとおりです。
なお、前連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
前連結会計年度末において未充足(又は部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額及び将来充足する予想期間別の内訳は以下のとおりです。主に重量品建設プロジェクトにおける未充足の履行義務に係る取引金額です。
なお、個別の予想契約期間が1年以内の取引は含みません。
27.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりです。
(注)人件費については、注記「22.従業員給付」に記載しております。
減価償却費については、注記「10.有形固定資産」、注記「11.のれん及び無形資産」、注記「12.リース」、注記「13.投資不動産」に記載しております。
貸倒引当金繰入額については、注記「34.金融商品」に記載しております。
28.その他の収益及び費用
その他の収益の内訳は以下のとおりです。
(注)その他 4,392百万円は、主に補償金や給付金等が含まれております。
その他の費用の内訳は以下のとおりです。
29.金融収益及び費用
金融収益の内訳は以下のとおりです。
金融費用の内訳は以下のとおりです。
30.その他の包括利益
その他の包括利益の各項目の期中の変動額は、以下のとおりです。
31.1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益の算定基礎は、以下のとおりです。
(注) 1 希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 役員報酬BIP信託が保有する当社株式を、「1株当たり当期利益」の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。なお、前連結会計年度において信託が保有する期末自己株式数は116千株、期中平均株式数は117千株であります。
32.財務活動から生じた負債の変動
財務活動から生じた負債の変動の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)
(注1)1年内返済予定の長期借入金及び1年以内償還予定の社債を含んでいます。
(注2)警備輸送事業関連の子会社を清算したことに伴う減少であります。
33.株式報酬
当社は、中長期的な会社業績と企業価値の向上に対する貢献意識を高めることを目的として、役員報酬の改定を行い、取締役及び執行役員(社外取締役、非常勤取締役及び国外居住者を除く。以下「取締役等」という。)を対象とした業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入しています。
本制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」という。)を用いた、当社の中長期の会社業績に連動する株式報酬制度であります。
BIP信託が当社株式を取得し、中期業績目標の達成度等に応じて取締役等に当該信託から当社株式の交付等を行います。BIP信託から当社株式の交付等を行う業績連動型株式報酬制度は、持分決済型の株式報酬として会計処理されています。
ポイントの付与日における公正価値は、付与日の株価に近似していると判断されたことから、付与日の株価を使用して算定しております。
なお、予想配当を考慮に入れた修正及びその他の修正は行っておりません。
期中に付与されたポイント数及びポイントの加重平均公正価値は、以下のとおりであります。
連結損益計算書に含まれている株式に基づく報酬費用として認識した額は、前連結会計年度において48百万円であります。
34.金融商品
当社グループは企業価値を最大化するために、財務基盤の健全性を確保しながら、成長投資及び安定的な株主還元のバランスを取ることを基本方針としております。
当社グループは資本のうち親会社の所有者に帰属する持分の金額を自己資本と定義しております。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
「自己資本比率」は「親会社の所有者に帰属する持分」を「負債及び資本合計」で除して計算しています。
当社グループは事業活動を行ううえで、財務上のリスク(信用リスク、流動性リスク、為替リスク等)に晒されており、当該リスクを回避又は低減するため、一定の方針に基づくリスク管理を行っています。デリバティブは、これらのリスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針です。
信用リスクは、保有する金融資産の相手方が債務を履行できなくなることにより、当社グループが財務的損失を被るリスクです。当社グループは主に営業債権について、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理すると共に、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っており、その全部又は一部について回収ができない、または、回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行とみなしております。また、デリバティブ取引の利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、信用度の高い金融機関等とのみ取引を行っております。
連結財政状態計算書に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。
受取手形及び売掛金等に係る当社グループの信用リスクエクスポージャーは、次のとおりであります。受取手形及び売掛金等については、回収可能性や信用リスクの著しい増加等を考慮して、将来の予想信用損失を測定して、貸倒引当金を計上しております。信用リスクが著しく増加しているか否かについては、債務不履行発生リスクの変動により評価しております。そのために、取引相手先の財務状況、過去の貸倒損失計上実績、過去の期日経過情報など考慮して判断しております。営業債権及びその他の債権に係る貸倒引当金は、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しており、取引内容や取引規模に応じ、全期間の予想信用損失を個別に測定する場合と集合的に測定する場合があります。営業債権の見積将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える、以下のような一つ又は複数の事象が発生している場合には、信用減損した営業債権として個別債権ごとに予想信用損失を測定しております。当社グループでは、特定の取引先に信用リスクが集中していることはありません。
・債務者の重大な財政的困難
・債務不履行または期日経過などの契約違反
・債務者が破産または他の財務上の再編を行う可能性が高くなったこと
貸倒引当金の対象となる資産の帳簿価額は以下のとおりです。
(注)貸倒引当金の変動に影響を与えうるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。貸倒引当金については、注記「7.営業債権及びその他の債権」、「16.その他の金融資産」に記載しております。
営業債権及びその他の債権、並びにその他の金融資産等に対する貸倒引当金の増減は以下のとおりです。
(注)貸倒引当金繰入額については、「27.販売費及び一般管理費」に記載しております。
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の弁済義務を履行できなくなるリスクであります。現在及び将来の事業活動のための適切な水準の流動性の維持及び機動的・効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。当社グループは、事業活動における資本効率の最適化を図るために、当社グループ内の資金の管理を当社に集中させることを推進しております。
当社グループの金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は以下のとおりです。
IFRS移行日(2021年4月1日)
前連結会計年度(2021年12月31日)
当社グループは、グローバルに事業展開を行っており、外貨建取引を実施していることから、当該取引より発生する外貨建の債権債務について、為替変動リスクに晒されています。
当社グループは、通貨別に把握された為替変動のリスクを軽減するため、資金事務手続規定におけるデリバティブ取扱要領に従い、主に為替予約を利用してヘッジをしています。
為替感応度分析
連結会計年度末において保有する外貨建金融商品について、日本円が米ドル、ユーロ、中国元に対して1%円高となった場合に当社グループの税引前利益に与える影響は以下のとおりです。
なお、本分析はその他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としています。
当社グループは変動金利の借入金を有しており、金利の変動により将来のキャッシュ・フローが変動するリスクに晒されています。
当社グループは、資金事務手続規定におけるデリバティブ取扱要領に従い、借入金に係る支払金利の変動リスクに対して、金利スワップを利用してヘッジしています。なお、支払金利の変動が当社グループの損益に与える影響は軽微であるため金利感応度分析は行っていません。
変動利付金融商品の感応度分析
連結会計年度末において、変動利付金融商品金利が1%増加した場合の当社グループの税引前利益への影響額は、次のとおりです。ただし、この分析は、報告期間の末日に当社グループが保有する変動利付金融負債(金利スワップ契約により、実質的に固定金利条件付となっているものを除く)残高に1%を乗じて算出しており、その他の変動要因(特に為替レート)は一定であることを前提としています。
当社グループは、事業上の関係等を有する企業の上場株式を保有しており、資本性金融商品の価格変動リスクに晒されています。
当社グループは、上場株式については、定期的に公正価値や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。
資本性金融商品の感応度分析
連結会計年度末において保有する上場株式の公正価値が10%下落した場合に、当社グループの連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果考慮後)に与える影響は以下のとおりです。
なお、本分析はその他の変動要因は一定であることを前提としています。
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりです。
レベル1:活発な市場における公表価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法を用いて測定した公正価値
これらは、短期間で決済されるため、公正価値と帳簿価額が近似していることから、当該帳簿価額によっています。
(ⅱ)長期貸付金
長期貸付金の公正価値は、帳簿価額と近似値であるとみなしています。
社債は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の社債発行を行った場合に想定される利率で割引いた現在価値により算定しています。
短期借入金は、短期間で返済されるため、公正価値と帳簿価額が近似していることから、当該帳簿価額によっています。
長期借入金は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の借入れを行った場合に想定される利率で割引いた現在価値により算定しています。
上場株式は、連結会計年度末の市場価格によって算定しています。
非上場株式及び出資金は、類似会社の市場価格に基づく評価技法、純資産に基づく評価技法等適切な評価技法を用いて測定した価格により算定しています。必要に応じて、一定の非流動性ディスカウントを加味しています。これらの公正価値の測定は社内規程等に従い投資部門より独立した管理部門が実施しており、当該測定結果について適切な権限者が承認しています。
デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は、取引先金融機関から提供された価格に基づき算定しています。
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額及び公正価値は以下のとおりです。
(注)社債及び長期借入金には1年以内償還予定又は返済予定の残高が含まれております。
上表に含まれていない償却原価で測定する金融資産及び金融負債、リース債権及びリース負債は、帳簿価額が公正価値と近似しています。
公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは以下のとおりです。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各連結会計年度末において認識しております。なお、IFRS移行日及び前連結会計年度において、レベル1、2及び3の間の振替が行われた重要な金融商品はありません。
IFRS移行日(2021年4月1日)
前連結会計年度(2021年12月31日)
レベル3に分類した金融商品の期首残高から期末残高への調整表は以下のとおりです。
(注)その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、報告日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に関するものであります。これらの利得及び損失は、連結包括利益計算書上の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品」に含めています。
ヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジされているリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しているかどうかの定性的な評価、及びヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動が相殺し合う関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しています。また、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性及びリスク管理戦略に照らして適切なヘッジ比率を設定しています。なお、ヘッジ非有効部分は、ヘッジ対象及びヘッジ手段のカウンター・パーティの信用リスクの変動等により発生しますが、当社グループは格付の高い金融機関とのみ取引を行っているため、当該非有効部分が発生するリスクは極めて僅少であると考えています。
当社グループでは為替リスクをヘッジする目的で為替予約を利用し、これをキャッシュ・フロー・ヘッジに指定してヘッジ会計を適用しています。なお、主な通貨の平均予約レートは、移行日、前連結会計年度末において、それぞれ106.99円/USD及び113.17円/USDです。
また、当社グループでは金利リスクをヘッジする目的で、変動金利を受け取り固定金利を支払う金利スワップを利用しており、これをキャッシュ・フロー・ヘッジに指定してヘッジ会計を適用しています。金利スワップについては、原則としてヘッジ手段とヘッジ対象の想定元本、期間(満期)及び金利基礎数値が一致するようにしています。なお、主な金利スワップの条件は、移行日において固定金利の支払が0.825~0.842%、前連結会計年度末において固定金利の支払が0.842%となっています。
ヘッジ手段が当社グループの連結財政状態計算書に与える影響は以下のとおりです。
移行日(2021年4月1日)
前連結会計年度(2021年12月31日)
(注1) ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動は、ヘッジ手段の公正価値の変動に近似しています。
(注2) ヘッジ対象が純損益に影響を与えたことにより振り替えた金額であり、連結損益計算書において「金融収益」又は「金融費用」として認識しています。また、ヘッジの非有効部分に重要性はありません。
前連結会計年度末において、同一の取引先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺された金融商品及び強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品の内訳は以下の通りです。なお、IFRS移行日において、強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金額に重要性はありません。
35.主要な子会社
「第1 企業の概況 4.関係会社の状況」において同様の内容を記載しているため、主要な子会社の記載を省略しています。
IFRS移行日、前連結会計年度において、個々に重要性のある非支配持分を有する子会社、関連会社及び共同支配企業は該当ありません。
前連結会計年度において、連結子会社の支配喪失に伴う所有持分の変動について認識した損益に重要性はありません。
36.関連当事者
IFRS移行日(2021年4月1日)
(注) 1.取引条件及び取引条件の決定方針等
資金の貸付については市場金利を勘案して利率を合理的に決定しております。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)
関連当事者との取引において、重要な取引はありません。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
主要な経営幹部に対する報酬は以下のとおりです。
37.コミットメント
資産の取得に関するコミットメントは以下のとおりです。
38.偶発事象
当社及び一部の子会社は、金融機関からの借入に対し債務保証を行っております。
債務保証の残高は、次のとおりであります。
39.後発事象
該当事項はありません。
40.初度適用
当社グループは、2021年4月1日を移行日とし、当連結会計年度より、IFRSに準拠した連結財務諸表を作成しています。
「3.重要な会計方針」は、前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)の連結財務諸表、及びIFRS移行日(2021年4月1日)の連結財政状態計算書を作成するうえで適用しています。
IFRSでは、IFRSを初めて適用する会社(以下「初度適用企業」という。)に対して、原則として、IFRSで要求される基準を遡及して適用することを求めています。ただし、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(以下「IFRS第1号」という。)では、IFRSで要求される基準の一部について遡及適用の免除規定を設けています。
当社グループが日本基準からIFRSへ移行するにあたり、採用した免除規定は以下のとおりです。
IFRS第1号では、初度適用企業は、IFRS移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号「企業結合」(以下「IFRS第3号」という。)を遡及適用しないことを選択することが認められております。当社グループは、当該免除規定を適用し、IFRS移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号を遡及適用しないことを選択しております。この結果、IFRS移行日前の企業結合から生じたのれんの額については、日本基準に基づくIFRS移行日時点での帳簿価額によっております。
IFRS第1号では、IFRS移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額をゼロとみなすことを選択することが認められております。当社グループは、在外営業活動体の換算差額の累計額をIFRS移行日現在でゼロとみなすことを選択しております。
IFRS第1号では、初度適用企業は、IFRS移行日時点で存在する契約にリースが含まれているかどうかを、IFRS移行日時点で存在する事実及び状況に基づいて判定することが認められております。また、IFRS第1号では、借手リースにおけるリース負債及び使用権資産を認識する際に、IFRS移行日時点で測定することが認められています。当社グループは、リース負債をIFRS移行日現在で測定しており、当該リース負債について、残りのリース料をIFRS移行日現在の借手の追加利子率で現在価値に割引いて測定を行っております。また、使用権資産は、リース負債と同額としております。なお、リース期間がIFRS移行日から12ヶ月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースについて、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しております。
IFRS第1号では、「見積り」、「金融資産及び金融負債の認識の中止」、「ヘッジ会計」、「非支配持分」及び「金融資産の分類及び測定」等について、IFRSの遡及適用を禁止しています。当社グループはこれらの項目についてIFRS移行日より将来に向かって適用しています。
IFRS第1号で求められる調整表は以下のとおりです。
なお、調整表の「表示組替」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識・測定の差異」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼす項目を表示しています。
資本に対する調整に関する注記
報告期間の期末日が親会社と相違していた一部の子会社について、報告期間の期末日を統一または親会社の報告期間の期末日現在の追加的な財務諸表を作成して連結しており、これによる影響を決算期の変更に含めております。
日本基準では重要性の乏しい子会社を連結範囲から除いていましたが、IFRSでは当該子会社を連結範囲に含めております。
日本基準では流動資産に区分記載していた「受取手形」と「売掛金及び契約資産」、「その他」に含まれているリース債権等については、IFRSでは「営業債権及びその他の債権」に組替えて表示しています。
日本基準では流動資産に区分記載していた「前渡金」と「前払費用」については、IFRSでは「その他の流動資産(流動)」に組替えて表示しています。
日本基準では、「現金及び預金」に含まれている一部定期預金、流動資産に区分記載していた「短期貸付金」と「その他」に含まれている未収金等についてはIFRSでは「その他の金融資産(流動)」に組替えて表示しています。
日本基準では、固定資産に区分記載されていた「投資その他の資産」に含まれる投資有価証券等については、「その他の金融資産(非流動)」に振替えて表示しています。
日本基準では流動資産に区別記載していた「貸倒引当金」については、IFRSでは「営業債権及びその他の債権」及び「その他の金融資産(流動)」から直接控除して純額で表示するように組替えて表示しています。
日本基準では「有形固定資産」に含まれている投資不動産に該当する資産については、IFRSでは「投資不動産」に組替えて表示しています。
日本基準では「有形固定資産」に含まれていた有形リース資産、「無形固定資産」に含まれていた無形リース資産については、IFRSでは「使用権資産」に組替えて表示しています。
日本基準では「投資その他の資産」に含めていた「持分法で会計処理されている投資」について、IFRSでは非流動資産に区分掲記しております。
日本基準では「投資その他の資産」に含まれていた繰延税金資産については、IFRSでは区分記載する必要があり「繰延税金資産」に組替えて表示しています。
日本基準では流動負債に区分記載していた「支払手形」、「買掛金」、「未払金」については、IFRSでは「営業債権及びその他の債務」に組替えて表示しています。
日本基準では流動負債に区分記載していた「短期借入金」、「その他」に含まれている短期償還社債やコマーシャル・ペーパー等については、IFRSでは「社債及び借入金(流動)」に組替えて表示しています。
日本基準では非流動負債に区分記載していた「社債」、「長期借入金」については、IFRSでは「社債及び借入金(非流動)」に組替えて表示しております。
日本基準では流動負債に区分記載していた「未払消費税等」、「未払費用」、「前渡金」、「賞与引当金」、「役員賞与引当金」について、IFRSでは「その他の流動負債」に組替えて表示しています。
日本基準では流動負債に区分記載していた「預り金」、「従業員預り金」については、IFRSでは「その他の金融負債(流動)」に組替えて表示しております。
日本基準では非流動負債にて区分記載されていた「債務保証引当金」、「その他」に含まれている長期未払金等については、IFRSでは「その他の金融負債(非流動)」に組替えて表示しています。
日本基準では「その他」に含まれていた引当金(流動)については、IFRSでは「引当金」に組替えて表示しております。
日本基準では非流動負債に区分記載していた「特別修繕引当金」、「その他引当金」、「その他」に含まれていた引当金(非流動)については、IFRSでは「引当金」に組替えて表示しております。
日本基準では純資産にて区分記載されていた「その他有価証券評価差額金」、「繰延ヘッジ損益」、「為替換算調整」、「退職給付に係る調整累計額」について、IFRSでは「その他の資本の構成要素」に組替えて表示しております。
A 有形固定資産に対する調整
日本基準では、直接減額方式で処理していた圧縮記帳について、IFRSにおいては、資産の取得に対する政府補助金以外による圧縮記帳が認められないため取り消しています。
日本基準では有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について、主として旧定額法を採用しておりましたが、IFRSでは定額法を採用しております。
日本基準では不動産取得税等を費用処理しておりましたが、IFRSでは有形固定資産の取得原価に含めております。
B のれんに対する調整
日本基準では、のれんについて一定の期間で償却していますが、IFRSではのれんの償却は行わず、IFRS移行日以降の償却を停止しています。
また、日本基準では減損の兆候がある場合にのみ減損の要否の判断を行っていましたが、IFRSでは兆候の有無に関わらず、毎期減損テストを実施しています。
C リースに対する調整
日本基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースは通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っています。IFRSでは、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区分がないため、短期リース及び原資産が少額であるリースを除く全てのリース取引について、「使用権資産」及び「リース負債」を計上しています。
なお、サブリース契約に関する使用権資産については認識を中止し、「営業債権及びその他の債権」へ振り替えております。
D 売却可能金融資産に対する調整
日本基準では、非上場株式等について取得原価で認識しておりましたが、IFRSでは適切な評価技法により公正価値を見積っています。
E 減損会計の適用
IFRSに基づき非流動資産の回収可能性を評価した結果、移行日時点で一部の使用権資産について減損損失7,604百万円を計上しています。当該資産の回収可能価額は、資産の見積処分価額等に基づき算定した処分コスト控除後の公正価値3,348百万円であり、当該公正価値のヒエラルキーは、用いた評価技法のインプットに基づき、レベル3の公正価値に区分されています。
F 賦課金に対する調整
日本基準では国内で賦課される固定資産税について、納税した会計年度にわたって費用計上しておりましたが、IFRSでは賦課基準日において一括して負債計上し「その他の流動負債」に含めて表示しております。
G 未消化の有給休暇に対する調整
日本基準では会計処理をしていなかった未消化の有給休暇について、IFRSでは「その他の流動負債」として負債計上しております。
H 利益剰余金に対する調整
I 確定給付制度の再測定
日本基準では数理計算上の差異及び過去勤務費用は、発生時にその他の包括利益で認識し、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数により按分した額を発生の翌期から費用処理していました。IFRSでは、数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金に振り替えており、過去勤務費用は発生時に純損益として認識しています。
あわせて、退職給付に係る負債の算定基礎の一部を見直しています。
J 在外子会社に係る累積換算差額の振替
初度適用に際して、IFRS第1号に規定されている免除規定を選択し、IFRS移行日における累積換算差額を全て利益剰余金に振替えております。
損益及び包括利益に対する調整に関する注記
日本基準では重要性の乏しい子会社を連結範囲から除いていましたが、IFRSでは当該子会社を連結範囲に含めております。
A 営業外損益及び特別損益
日本基準では「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」及び「特別損失」に表示していた項目をIFRSでは財務関係損益については「金融収益」及び「金融費用」として計上し、それ以外の項目については、営業項目として「その他の収益」、「その他の費用」及び「持分法による投資損益」に表示しております。
B 法人所得税費用
日本基準では、「法人税、住民税及び事業税」、「法人税等調整額」に区分記載しておりましたが、IFRSでは「法人所得税費用」として一括表示しております。
C その他の包括利益
IFRSの表示規定に基づき、その他の利益、純損益に振り替えられることのない項目と振り替えられる可能性のある項目に分解して表示しております。
A 賦課金
日本基準では賦課される固定資産税について、会計年度にわたって費用計上しておりましたが、IFRSでは賦課基準日(1月1日)において一括して費用計上しております。
B リース
日本基準では借手のリースについて、オペレーティング・リースとファイナンス・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っていましたが、IFRSではオペレーティング・リースとファイナンス・リースの分類はせず使用権資産およびリース負債を計上し、リース期間に応じて減価償却費および支払利息を計上しております。
C サブリース
日本基準では、リース料受取時に売上高と売上原価を計上する方法で認識していましたが、IFRSではリース取引開始日にリース債権に係る売上収益を計上する方法で認識しています。
D 確定給付制度の再測定
日本基準では、発生した数理計算上の差異及び過去勤務費用を一定の期間で償却していましたが、IFRSでは発生した数理計算上の差異はその他の包括利益として認識し、過去勤務費用は発生時に純損益として認識することが求められております。
E 未消化の有給休暇
日本基準では会計処理していなかった未消化の有給休暇について、IFRSでは人件費として認識しております。
F 収益
日本基準では主として出荷基準で売上高を認識しておりましたが、IFRSでは顧客による検収時等の履行義務の充足時点又は履行義務が充足するにつれて、売上収益を認識しております。
⑤前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)のキャッシュ・フローに対する調整
IFRSに準拠して開示される連結キャッシュ・フロー計算書は、日本基準に準拠して作成した連結キャッシュ・フロー計算書に比べ、営業活動によるキャッシュ・フローが42,907百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローが9,445百万円減少、財務活動によるキャッシュ・フローが34,343百万円減少しています。
これは主に、連結範囲の変更によるものです。日本基準では重要性の乏しい子会社を連結範囲から除いていましたが、IFRSでは当該子会社を連結範囲に含めております。
また、日本基準ではオペレーティング・リース取引に係る支払リース料は、営業活動によるキャッシュ・フローに区分しておりますが、IFRSでは原則としてすべてのリースについてリース負債の認識が要求され、リース負債の返済による支出は財務活動によるキャッシュ・フローに区分しております。