文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、ファンとコンテンツを感動とともにつなげるコンテンツプロデュースカンパニーを目指しております。この経営目標に向かい、良質なコンテンツやクリエイターが埋もれることなく、またユーザーが興味を持つコンテンツと出逢えるようなサービスを生み出し、さらに自らもオリジナルのエンターテインメントコンテンツを創出していき、文化の発展に貢献することで、企業価値並びに株主価値の増大を図ってまいります。
当社グループの経営目標を実現するために、当社グループはこれまで「まんが王国」というコミック配信サービスを通じて、人気作品のみならず、過去及び新規の知る人ぞ知る良作等をたくさんの方に提供し、楽しんでいただくことを目指してまいりました。今後も「まんが王国」を含む電子書籍サービスのさらなる拡大や当社グループで制作したタイトルを含む「まんが王国」連載作品による差別化に加え、デジタルコンテンツの強化及び紙出版の最適化を行っていくとともに、グループ間でのシナジーを加速させるコミカライズや新規ジャンル開拓等の売上増加施策等を実施し、グループ全体での利益の増加を図ってまいります。
当社グループはコンテンツを創出、又は見定め、それに適した方法でユーザーに届ける活動を「コンテンツプロデュース」と定義し、コンテンツやクリエイターが世界規模で流通・活躍できるよう事業展開してまいります。
なお、日本テレビ放送網株式会社との資本業務提携契約の締結により、両社グループの強みを活かし、IP創出や両社グループが所有するIPの利活用の拡大等によるコンテンツプロデュース機能の強化を図ってまいります。
経営方針に基づき、売上高及び親会社株主に帰属する当期純利益、また株主重視の観点から株主資本当期純利益率(ROE)をそれぞれ重要な指標と考えております。2025年度の目標値は、売上高19,593百万円、親会社株主に帰属する当期純利益885百万円、ROE11.3%であります。
当社グループの主力サービスが属する電子書籍市場は、通信環境の整備やスマートフォン・タブレット端末の普及・進化等により、今後も拡大が続くことが予想されますが、一方で競合他社との競争が激化しております。
なお、インバウンド需要の増加や国内需要の回復等を背景に、社会経済活動の正常化が進み、企業活動や個人消費に持ち直しの動きがみられる等、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方で、米国の今後の政策動向、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中朝情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの上昇、不安定な円相場やインフレによる経済停滞の懸念等、依然として不透明な事業環境が続いているため、常に経済情勢や市場環境を注視し、有事に向けた対応策を講じてまいります。
現在のプラットフォームセグメントの主力サービスであるコミック配信サービス「まんが王国」は、18年以上の実績を有しており、さらなるユーザー及び収益の拡大が見込まれるとともに、コンテンツセグメントの中核である総合出版事業においてもデジタル化を推進することで、収益の拡大が見込まれております。
今後も継続的な発展を続け、当社グループのVisionである「グローバルで通用するコンテンツプロデュースカンパニーへ」を実現するため、対処すべき課題として以下の施策に取り組んでまいります。
電子書籍市場は拡大を続けておりますが、一方で競合他社との競争が激化しております。そのため会員獲得コストは増加傾向でありますが、サービスの継続的な拡充や差別化により収益拡大を実現してまいりました。当社グループでは今後の継続的な成長の実現に向けて、さらに「まんが王国」の魅力を高めるため、今後も積極的に差別化を進める施策に取り組んでまいります。
お得に漫画が読めるポイントプログラムや各種キャンペーンの実施、無料で閲覧可能な「じっくり試し読み」の充実、自社開発ビューアやAIレコメンド機能を活用した使いやすいUX(User experience)の提供、当社独自の目線による優良タイトルの掘りおこしや決済手段の多様化等、これまでの取り組みを継続的に推進するほか、当社グループ内でのノウハウを駆使した「まんが王国」連載作品の創出を積極的に進めてまいります。
継続的な成長を実現していくためには、競合他社にはない優良コンテンツや独自コンテンツの制作が必要となります。当社グループでは、作家やクリエイターとの多数のコネクション並びに「まんが王国」のビッグデータや長年のノウハウを活用することにより、ユーザーにヒットするコンテンツの制作を行ってまいります。
当社グループが継続的な企業価値の向上を実現するためには、ユーザー、取引先、人材の獲得が必要であります。これらの獲得活動をより効率的に進めるため、当社グループ及び当社サービスの持つ強み・サービスの健全性・ガバナンス体制等を戦略的に発信し、認知度及びコーポレートブランドを向上させてまいります。このため、費用対効果を重視したプロモーション・広報活動を積極的に推進してまいります。
当社グループのあらゆる活動の継続的改善、成長のため、最も重要なのは人材であります。その育成と確保の観点から、経営理念に沿った評価制度の施行、その運用の徹底及び継続的な改善並びにインセンティブ制度を含めた人事制度全般の充実を図ってまいります。また、積極的な採用活動、教育制度の充実を図り、組織でフォローアップできる体制を構築してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、ミッションである「クリエイターとファンを繋ぎ、新たな価値を創造する」を、サステナビリティを巡る取り組みについての基本的な方針としております。
最も人間らしい活動と言われる創作活動によって生み出される“コンテンツ”が、“ユーザー”や“ファン”としっかり出逢えるように、様々な役割を担っていきたいと考えており、この活動がより一層の文化の発展に寄与できると考えております。
当社グループは、この基本方針に基づき、サステナビリティを巡る課題に取り組んでまいります。
当社グループは、持続可能性の観点から中期経営計画を策定して企業価値の拡大に努めてまいります。
その中で、サステナビリティに関するリスク管理が経営の重要課題であることを認識し、「リスク管理委員会」が「リスク管理規程」に基づき、サステナビリティに関するリスクを含めたグループ内のリスク情報を一元的に集約し、対応が必要と認められたリスクについては適切な予防対策を講じています。
当社グループにおける、多様性を持つ人材の確保及び育成に関する方針と、働きやすい環境作りを行うための社内環境の整備に関する方針は以下のとおりであります。
① 人材育成方針
当社グループは、企業価値の持続的な向上のために、編集者やデータサイエンティストといった専門的知識を有した人材の確保及び育成が重要な課題であると考えております。また、多様な視点や価値観が存在することは、持続的な成長を確保する上での強みとなり得ると考えており、年齢や性別、国籍に関係なく採用・評価を行っております。
② 社内環境整備方針
当社グループは、従業員にとってより働きやすい環境作りを行うことを社内環境整備に関する方針とし、オフィス内のコミュニケーションスペースの設置や、フレックスタイム制度やテレワークによるライフスタイルに応じた働き方の推進等の取り組みを行っております。加えて、従業員が家族的責任を果たすための育児・介護・看護等の各種休暇・休職制度を設けるほか、入社間もない社員への特別有給休暇の付与を行っております。また、従業員のエンゲージメントを向上させるため、その効果測定を行っております。
(3) リスク管理
当社グループのリスク管理体制は、社長を委員長とし常勤の監査等委員を含む「リスク管理委員会」が、「リスク管理規程」に基づき、サステナビリティに関するリスクを含めたグループ内のリスク情報を一元的に集約し、対応が必要と認められたリスクについては適切な予防対策を講じています。特定したリスク・機会は「リスク管理委員会」にて議論し、重要度の高いものについては取締役会へ報告されます。ガバナンス体制については、
当社グループでは、サステナビリティ関連の具体的な指標及び目標は定めておりませんが、リスク管理委員会において、対応が必要と認められたリスクについては、議論を重ね適切な予防対策を講じております。
人材の採用及び育成については、上記(2)に記載のとおり、年齢や性別、国籍で区分することなく、個々の能力や実績に応じた採用や管理職の登用を行っております。
今後、必要に応じて人材育成方針及び社内環境整備方針を含めた人的資本に関する具体的な指標及び目標について検討を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の記載は本株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご留意ください。
(事業環境について)
当社グループの主たる収益は電子書籍の販売による収入であります。電子書籍業界は、許認可や特許等による特別な参入障壁が存在しない業界であり、近年多数の企業が参入し競争が激化しております。競争がさらに激化し、顧客や読者の獲得や定着、並びに顧客単価の維持・向上が想定どおりに進まなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、サービスとコンテンツの継続的な拡充及び差別化による当社グループならではの付加価値の強化を進めてまいります。
現在、インターネット上で、出版物等を違法・不正にコピーしたコンテンツを扱う海賊版サイトが存在しております。かかる違法なコンテンツが相当量流通することによって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、当社グループは2018年4月に他の電子書店4社と健全な市場の発展を目的に「日本電子書店連合」を設立し、読者に対して正規版購入への理解と啓発活動を行うとともに、出版社、出版関連団体及び権利者と連携し、海賊版サイト対策を講じています。
(事業内容について)
当社グループは、事業の運営にあたり、著作権者等の取引先(法人及び個人)との間で著作物利用許諾契約を締結しております。サービス・コンテンツ販売の拡大においては、これら契約の継続を前提としておりますが、何らかの事情により契約の更新に支障をきたす場合又は著作物の利用料が変動した場合、取扱いコンテンツの減少や原価の上昇により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、継続的かつ良好なコミュニケーションによる取引先ニーズの把握、当社が提供する付加価値や提案の充実によって、強固な信頼関係を構築し、維持してまいります。
当社グループがサービスを提供しているスマートフォン・タブレット端末並びにそのインターネット環境は、技術進歩が速いことが特徴です。当社グループが想定する以上の技術革新により、当社グループの技術やサービスが競争力を失うような事態が生じた場合、ユーザー数の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、当社グループは常に最新の技術動向に着目し、技術力で他社に後れを取ることのないように努めてまいります。
当社グループでは、主にプラットフォームセグメントにおいて、下記のとおり広告宣伝活動を効率的に実施し会員数の増加を図っております。当該施策が当社グループの想定どおりに推移しない場合、ユーザー数の減少、広告宣伝費の上昇により当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、ROAS(広告支出の回収率を示す指標)等を勘案のうえ、定量的な分析に基づく最適な施策を実施するとともに、当社グループのサービス・コンテンツのブランディング活動に関してはその効果を慎重に検討した上で推進してまいります。
当社グループは、事業の運営にあたり、多数のサーバーやネットワークを活用しております。自然災害、一時的なアクセスの集中、不正アクセス等により、通信ネットワークの切断、サーバーの作業不能が発生し、サービスがダウンする可能性があります。システムダウンが長時間にわたり継続するような場合、ユーザー数の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、サービスの安定供給を図るために十分と思われるシステムの冗長化及びセキュリティ強化に努めてまいります。
(法的規制について)
当社グループの事業に関する法規制は、「著作権法」、「個人情報の保護に関する法律」等、多岐の分野にわたっております。
当社グループは、事業の推進にあたり、著作権をはじめとする知的財産権を侵害しないよう、取引先との間で締結する著作物の利用許諾契約を遵守し事業を展開しております。しかしながら、今後の法改正や解釈の変更並びに海外展開による権利処理の複雑化等により、第三者から知的財産権に関する侵害を主張される可能性があります。このような場合、解決までに多くの時間と費用が発生する等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、サービス提供にあたり、取引先、お客様等の個人情報を取得する場合があります。これらの情報を適切に保護するため、情報へのアクセス制限や不正侵入防止のためのシステム採用や「プライバシーポリシー」等の情報管理に関する規程の作成等、個人情報保護のための諸施策を講じるとともに、個人情報の取得は必要最小限にとどめるなどして対応しております。また、海外展開に関係して、米国に居住する会員の個人情報を保護するために、カリフォルニア州消費者プライバシー法に準拠した北米用の「プライバシーポリシー」を策定するなど、対応しております。しかしながら、外部からの不正アクセス、故意又は過失等による情報漏洩に関するリスクは完全には排除できないことから、個人情報が流出する可能性があります。このような場合、損害賠償の請求や信用低下等によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
現在、当社グループは「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」等の法令等の遵守に努めております。なお、当社グループの事業は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」及び各地方公共団体が制定する青少年健全育成条例等が規制対象とする事業に当たりません。しかしながら、これらの法令の改正・解釈の変更又は新たな法令の制定により、何らかの制約を受けることとなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(その他のリスクについて)
当社グループは、当社の役員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。当連結会計年度末現在における潜在株式数は96,000株であり、発行済株式総数6,283,986株に対して約1.53%に相当しております。
当社グループは、企業買収に伴い生じたのれん及び出版権(識別可能資産)を2024年12月期末時点で8,013,054千円計上しております。内、当社の実質存続会社である旧menue株式取得によるのれんは2,276,376千円であります。また、2020年10月のぶんか社グループ株式取得によるのれんは5,461,345千円、出版権(識別可能資産)は275,333千円であります。今後収益性の悪化などによる価値の毀損により、当該のれん及び出版権(識別可能資産)の減損処理を実施する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業拡大を加速する手段の一つとして、積極的にM&Aを活用してまいる方針です。買収後に未認識債務の判明や偶発債務の発生等、事前の調査では把握できなかった問題の発生や、買収事業の展開が想定どおりに進捗せず、投資対象の減損処理の必要が生じる場合等、当社グループの財政状態、業績及びその後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、M&Aによって、当社グループが従来行っていなかった事業が加わる場合、当該事業固有のリスク要因が加わる可能性があります。対応策として、対象企業について事前に詳細な調査を行い、慎重にリスクを検討した上で進めてまいります。
地震や台風等の自然災害、テロ攻撃、感染症の流行といった事象が発生した場合、すべての被害や影響を回避することは困難であり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、発生時の損害を最小限に抑えるため、災害リスクに対する規程・マニュアル整備、社内安否確認体制の構築、倉庫管理会社との緊急時連携体制の構築等に努めております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における日本経済は、インバウンド需要の増加や国内需要の回復等を背景に、社会経済活動の正常化が進み、企業活動や個人消費に持ち直しの動きがみられる等、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方で、米国の今後の政策動向、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中朝情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの上昇、不安定な円相場やインフレによる経済停滞の懸念等、依然として不透明な事業環境が続いております。
当社を取り巻く事業環境は、紙の出版市場が縮小している一方で、電子出版市場は継続的に拡大しており、インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2024」によると、2024年度の成長率は5%程度になると予測されており、今後も電子書籍及び電子コミックの市場規模は緩やかな拡大が続くことが予想されております。
このような市場環境の中で、プラットフォームセグメントにおいては、コミック配信サービス「まんが王国」のブランド構築に注力しつつ効率的な投資を、コンテンツセグメントにおいては、継続的なデジタル成長による安定的な利益創出を実行しました。
また、2024年12月1日を効力発生日として、ぶんか社を存続会社、ぶんか社グループを消滅会社とした吸収合併を実施したことにより、税務上の繰越欠損金を承継し、法人税等が減少いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は18,446,924千円(前年同期比3.3%減)、調整後EBITDA(※)は2,783,283千円(前年同期比10.6%増)、営業利益は1,786,902千円(前年同期比19.4%増)、経常利益は1,726,009千円(前年同期比19.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,303,525千円(前年同期比89.1%増)となりました。なお、当社グループは、株主資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と位置づけております。当連結会計年度末の株主資本当期純利益率(ROE)は18.1%(前年同期10.4%)となり、前連結会計年度末と比較して7.7ポイントの増加となりました。
(※)調整後EBITDA=営業利益+減価償却費(出版権の償却費を含む)+のれん償却費+敷金償却費+株式報酬費用±その他の調整項目
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(プラットフォームセグメント)
プラットフォームセグメントの主力サービスであるコミック配信サービス「まんが王国」においては、ユーザーの訪問・定着・課金の流れを促し、課金者数と顧客単価を上げるべく、お得感を訴求するキャンペーンや幅広いユーザー層獲得のための販売促進活動を積極的に行いました。一方で、アクティブユーザー数の減少傾向に加え、ライトユーザーの定着・育成に一定の時間を要す状況が続きました。その結果、「まんが王国」の売上高は前年同期比5.7%減となりました。
また、2023年6月に提供を開始した北米向けコミック配信サービス「yomoyo(ヨモーヨ)」においては、コンテンツの許諾交渉を推進いたしました。
総合エンターテインメント事業を展開する株式会社アミューズとの協業においては、2023年7月から10月に開催した『目指せメディアミックス!「現代恋愛×ファンタジー」小説コンテスト』の結果を発表し、受賞作品のコミカライズを推進いたしました。また、2024年3月には、音楽と漫画を融合させた次世代コンテンツを生み出すクロスメディアプロジェクト「Project CO-MUSIX」を立ち上げ、第1弾となるオムニバス作品を「まんが王国」ほか、動画プラットフォームやSNS等で展開いたしました。
利益面においては、売上高が前年同期比で減少し、広告宣伝費を中心とした営業費用についても前年同期比で減少いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は11,799,865千円(前年同期比6.1%減)、営業利益は632,749千円(前年同期比8.1%増)となりました。
(コンテンツセグメント)
コンテンツセグメントにおいては、デジタルコンテンツを中心に、発刊点数の増加、電子書店ごとの特性や読者ニーズに沿った販売促進活動を積極的に行いました。また、紙出版においては、紙出版市場の縮小を鑑み、配本部数の管理及び価格設定等のコストコントロールを実施いたしました。
デジタル出版においては、読者の嗜好性に合わせたコンテンツの創出とジャンルの拡大を推進し、SNSや動画プラットフォームを活用したプロモーションを強化した結果、ぶんか社が得意とするBL、TLジャンルを中心とした女性向けコミックジャンルの作品や近年創刊したデジタルコミック誌からの作品の売上が堅調に推移いたしました。これにより、売上高は前年同期比9.6%増となりました。また、新たな取り組みとして、2024年4月にライトBLレーベル「GUSHgem」を創刊いたしました。
紙出版においては、配本部数のコントロール及び雑誌の隔月化や休刊を実施した結果、売上高は前年同期比13.3%減となりました。
このほか、2024年1月にはぶんか社と海王社から2作品がテレビドラマ化し、『消せない「私」~炎上しつづけるデジタルタトゥー~』が日本テレビにて放送、「好きやねんけどどうやろか」が読売テレビにて放送されました。また、2024年2月から累計発行部数21万部を超える人気BL作品「パーフェクトプロポーズ」を原作としたドラマがフジテレビ公式動画配信サービス「FOD」で配信され、2024年7月には「三ツ矢先生の計画的な餌付け。」がMBS毎日放送にて放送されました。
利益面においては、主に紙出版収益が減少したものの、デジタル出版収益が前年同期比で増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は6,823,417千円(前年同期比2.2%増)、営業利益は1,153,312千円(前年同期比26.6%増)となりました。
当連結会計年度末における資産合計は17,294,580千円となり、前連結会計年度末に比べ1,090,377千円減少しました。
流動資産は8,579,904千円となり、前連結会計年度末に比べ429,291千円減少しました。これは主に、現金及び預金が293,227千円増加した一方で、売掛金が735,465千円減少したことによるものです。
固定資産は8,714,675千円となり、前連結会計年度末に比べ661,086千円減少しました。これは主に、投資その他の資産が148,044千円増加した一方で、無形固定資産が804,266千円減少したことによるものです。
当連結会計年度末における負債合計は9,808,044千円となり、前連結会計年度末に比べ1,623,670千円減少しました。
流動負債は8,023,044千円となり、前連結会計年度末に比べ443,460千円減少しました。これは主に、未払消費税等が112,619千円増加した一方で、支払手形及び買掛金が208,160千円、未払金が166,263千円、未払法人税等が141,351千円、返金負債が66,365千円減少したことによるものです。
固定負債は1,785,000千円となり、前連結会計年度末に比べ1,180,210千円減少しました。これは、長期借入金が1,020,000千円、繰延税金負債が160,210千円減少したことによるものです。
当連結会計年度末における純資産合計は7,486,535千円となり、前連結会計年度末に比べ533,293千円増加しました。これは主に、利益剰余金が1,211,521千円増加したこと及び自己株式が693,271千円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、43.3%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は5,118,725千円となり、前連結会計年度末に比べ293,227千円増加しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動においては、税金等調整前当期純利益1,726,009千円から、主な加算項目として、減価償却費395,965千円、のれん償却額590,649千円、売上債権の減少額739,838千円、未払又は未収消費税等の増減額112,619千円等がありました。これに対して主な減算項目として、仕入債務の減少額208,160千円、未払金の減少額166,208千円、返金負債の減少額66,365千円、その他44,326千円、利息の支払額50,890千円、法人税等の支払額717,829千円等がありました。
この結果、獲得した資金は2,341,510千円(前年同期は1,859,715千円の獲得)となりました。
当連結会計年度における投資活動においては、主な資金減少要因として、無形固定資産の取得による支出161,028千円、敷金及び保証金の差入による支出65,946千円等がありました。
この結果、使用した資金は245,001千円(前年同期は173,689千円の使用)となりました。
当連結会計年度における財務活動においては、主な資金減少要因として、長期借入金の返済による支出1,020,000千円、自己株式の取得による支出700,036千円、配当金の支払額90,364千円等がありました。
この結果、使用した資金は1,803,281千円(前年同期は1,078,509千円の使用)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
当社グループ全体における生産実績の金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当社グループでは、「FUNDIY STORE」での取扱い商品の一部において受注販売を行いましたが、受注から販売までが短期間であるため、当該記載を省略しております。なお、「FUNDIY STORE」につきましては、2024年11月1日付で事業譲渡を行い、当社による運営を終了いたしました。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、総販売実績に対する割合が10%を超える相手先はありません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、これらの見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
当社グループは、のれんについて、5~20年の均等償却を採用しております。その資産性については、業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定していた収益が見込めなくなった場合、減損処理が必要になる可能性があります。
当社グループは、固定資産について、減損の兆候の把握を行っております。減損の兆候がある資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合には帳簿価額から回収可能価額を控除した金額を減損損失として認識しており、その前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要になる可能性があります。
スマートフォンやタブレット向けを中心に、電子書籍市場は拡大していると推計されておりますが、その一方で、競合他社との競争が激化しております。また、インバウンド需要の増加や国内需要の回復等を背景に、社会経済活動の正常化が進みつつあります。一方で、米国の今後の政策動向、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中朝情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの上昇、不安定な円相場やインフレによる経済停滞の懸念等、依然として不透明な事業環境が続いております。このような環境の中、プラットフォームセグメントにおいては、コミック配信サービス「まんが王国」のブランド構築に注力しつつ効率的な投資を、コンテンツセグメントにおいては継続的なデジタル成長による安定的な利益創出を実行しました。
売上高に応じて、売上原価が12,106,072千円(前年同期比3.4%減)発生いたしました。
中長期的な会員獲得を目的とした広告宣伝費が1,879,228千円発生いたしました。広告宣伝は、その効果を継続的に検証し、最適化を図っております。
これらの結果、販売費及び一般管理費の合計は4,553,949千円(前年同期比9.8%減)となりました。
銀行からの借入による支払利息が50,685千円発生いたしました。
これらの結果、営業外費用は65,010千円(前年同期比5.6%増)となりました。
法人税、住民税及び事業税を579,853千円、法人税等調整額を157,369千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,303,525千円(前年同期比89.1%増)となりました。
なお、グループ再編の実施に伴い発生したのれんの償却費を販売費及び一般管理費に590,649千円計上しており、これを控除した、のれん償却前経常利益は2,316,658千円(前年同期比14.1%増)、のれん償却前親会社株主に帰属する当期純利益は1,894,175千円(前年同期比48.0%増)であります。
「(経営成績等の状況の概要) (3) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
当社グループは、事業活動に必要な資金について、流動性の高い現金及び現金同等物として保持しております。
当社グループの主な資金需要は、コンテンツの制作費、ロイヤリティ等の原価、広告宣伝費をはじめとする販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、自社電子書籍サイトの機能拡張等によるものであります。
これらの資金需要につきましては自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの短期借入により調達する方針であり、当社では取引銀行4行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。