当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している新たな事業等のリスクの発生はありません。
前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」のうち、継続企業の前提に関する重要事象等については、第1四半期連結会計期間末に解消しております。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における経営環境は、雇用・所得環境が改善する下で、景気は足踏みがみられるものの緩やかに回復しつつあります。
旅行市場においては、円安の追い風を受けた訪日旅行市場が活況に推移し、訪日外客数では4月に2カ月連続で単月300万人を超えるなど、当第2四半期連結累計期間における2019年比では104.4%の1,677万人となりました。日本人出国者数においては、昨年の水際対策終了後から回復傾向にはあるものの、円安、燃油高騰、現地の物価高などの経済的要因に加え、不安定な国際情勢などから、2019年比59.7%の590万人と緩やかな回復となりました。(出典:日本政府観光局 (JNTO))
セグメント別の業績は以下のとおりです。
なお、第1四半期連結会計期間より、従来の「旅行事業」「テーマパーク事業」「ホテル事業」「九州産交グループ」の4セグメントから、「旅行事業」「ホテル事業」「九州産交グループ」の3セグメントに変更しております。これに伴い、株式会社ラグーナテンボスを「テーマパーク事業」から「その他」に変更しております。このため、前第2四半期連結累計期間との比較については、セグメント変更後の数値に組み替えて行っております。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
また各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。
(旅行事業)
当社の海外旅行事業においては、2月・3月は卒業旅行需要により好調に推移し、特に韓国や台湾、タイをはじめとする東南アジアが送客数を牽引しました。一方4月は、GWの日並びが飛び石となったことや、円安・燃油高なども影響し、本来この時期にファミリー層などにより伸びがみられるハワイ・ミクロネシアを中心に、低調な推移となりました。主な取り組みとしては、旅の魅力を再発見していただくイベントとして、第3回「HIS大感謝祭」を2月に開催しました。政府観光局や航空会社、ホテル、クルーズ会社、ウエディング事業社と共に、旅行需要の活性化に努め、多くのお客様にご来場いただきました。また、盛況な訪日需要の影響もあり出発間際の航空座席が取りづらくなっていることから、少しでも早く夏休みの旅行をご検討いただけるよう「HISの夏先ドリ家族旅行」キャンペーンを展開しました。早期割引に加えて、12歳未満のお子様のパスポート新規取得代金の全額支援施策などを実施しました。
国内旅行事業においては、全体的に前年の「全国旅行支援」効果からの反動減が見られたものの、グリーンシーズンにむけた「北海道キャンペーン」や、GW・夏の繁忙期の早期予約・長期滞在を促進する「沖縄キャンペーン」、またハウステンボスや五島列島をメインにした「長崎キャンペーン」を展開したほか、GW施策として「最大2万円引きGWクーポン」を実施するなど、集客強化を図りました。
法人事業においては、報奨旅行や視察旅行など大型の企業案件の受注が増加したことに加え、経済対策の事務局業務や、インバウンド誘客プロモーション、DXソリューションを活用した会議・イベント運営など、都道府県庁や市役所を中心とした自治体案件も順調に推移しました。サービス面においても、企業向けのオンライン出張管理システムをリニューアルし、UIの良化、セキュリティの強化、手配可能コンテンツの増強などを行い、顧客満足度の向上に努めました。
訪日旅行事業では、新たな観光スポットとして2月に開業した「豊洲 千客万来」内で、当社が運営する海鮮バイキングレストラン「いろは」をパッケージ化したウォーキングツアーなど、旬な商材を加え商品ラインナップを拡充するとともに、同施設内に「豊洲ツーリストインフォメーションセンター」を新設し、着地後のサービス拡充を図りました。受客においては、桜シーズンを迎えたこともあり、北米や東南アジアからの団体旅行が増加し取扱高を牽引しました。また、ベトナム航空と鹿児島県とともに実施した「ハノイ-鹿児島間2Wayチャーター」の受け入れや、GWの「韓国・済州島-九州間2Wayチャーター」にて韓国からの福岡・佐賀コースの受注など、新たな展開を図りました。
海外における旅行事業においては、タイでの灯ろう流しのお祭り「イーペン祭」、韓国でのK-POPファンミーティングツアー、イギリスでのプレミアリーグ・サッカー観戦、ドバイでの国際会議に伴う宿泊や移動関連の受注など、各種イベントに伴う需要を捉え好調に推移したほか、カナダでは冬季のスキー需要、「ミキグループ」では団体旅行により、各国での受客が増加しました。また、アウトバウンド事業では、トルコにて、企業の出張やレセプションパーティー開催など、MICE需要の集客強化を図ったことにより取扱高が伸長したほか、カナダでは、ブラックフライデーやサイバーマンデーなどの大規模セールに加え、中米・カリブ行きなどの温暖な地域への旅行需要が高まる冬季シーズンの送客が好調に推移しました。
なお、当社グループの営業拠点数は、国内外において統廃合を実施した結果、国内144拠点、海外57カ国109都市145拠点となりました。(2024年4月末日時点)
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は1,313億63百万円(前年同期比164.7%)、営業利益は47億14百万円(前年同期は営業損失33億36百万円)、EBITDAベースでは68億20百万円の利益(前年同期は14億52百万円の損失)となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業において、日本国内のホテルでは、訪日の受客を中心に高稼働が継続し、客室単価の上昇にも繋がったことに加え、日本人による観光需要も増加し、浅草田原町・舞浜・京都など、日本を代表する観光地をはじめとした施設が好調に推移しました。また、新規の取り組みとして、「ウォーターマークホテル&リゾーツ沖縄 宮古島」にて、自社運営のレストラン事業を開始し収益性の向上に努めたほか、「リゾートホテル久米アイランド」や「満天ノ 辻のや」では、ロビー・フロントなどの大規模なリニューアル工事を実施しました。
海外のホテルでは、人流の回復により各施設概ね順調に推移し、中でも日本と同様に観光需要が回復した「台湾グリーンワールドホテル」が、稼働率・客室単価ともに上昇しました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は114億68百万円(前年同期比139.4%)、営業利益は17億71百万円(前年同期比3,539.3%)、EBITDAベースでは37億83百万円の利益(前年同期比181.9%)となりました。
(九州産交グループ)
九州産交グループでは、バスの車両修繕関係や人件費などによる費用増加があったものの、増収に伴う売上総利益の増加や、光熱費及び広告費等の経費圧縮により、増収増益となりました。コロナ禍からの回復による経済環境の変化に加え、航空代理店事業において、旅客数増加に伴う大型機材への変更影響や、グランドハンドリング業務を受託しているスターラックス航空の増便影響により、売上・利益が伸長したほか、バス事業では、「バス・電車100円ウィーク」などの開催や、インバウンドの増加に伴う人流の回復により、路線バスの輸送人員が2019年比102.4%(前年同期比108.9%)となるなど、好調に推移しました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は119億57百万円(前年同期比111.3%)、営業利益は2億93百万円(前年同期比272.9%)、EBITDAベースでは11億70百万円の利益(前年同期比121.5%)となりました。
以上の結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間における経営成績は、売上高は1,609億30百万円(前年同期比156.2%)、営業利益は55億29百万円(前年同期は営業損失32億73百万円)となりました。また、経常利益は58億40百万円(前年同期は経常損失35億円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は36億48百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失48億97百万円)となりました。
② 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ70億76百万円減少し、4,338億85百万円となりました。これは主に、有価証券の増加(前期末比100億7百万円増)、受取手形、売掛金及び契約資産の増加(同22億68百万円増)、旅行前払金の増加(同20億15百万円増)がある一方で、現金及び預金の減少(同166億1百万円減)、有形固定資産の減少(同21億82百万円減)、未収入金の減少(同18億75百万円減)によるものです。
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ121億54百万円減少し、3,790億66百万円となりました。これは主に、旅行前受金の増加(前期末比71億74百万円増)がある一方で、1年内償還予定の社債の減少(同150億円減)、未払金の減少(同38億51百万円減)によるものです。
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ50億78百万円増加し、548億19百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等による利益剰余金の増加(前期末比36億42百万円増)、為替換算調整勘定の増加(同11億93百万円増)によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,098億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億90百万円減少しました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動により資金は124億55百万円の増加(前第2四半期連結累計期間は153億84百万円の増加)となりました。これは主に、旅行前払金の増加(19億15百万円)、預り金を含むその他の負債の減少(37億17百万円)により資金が減少した一方で、税金等調整前四半期純利益(61億21百万円)、旅行前受金の増加(71億74百万円)、非資金項目である減価償却費(53億79百万円)により資金が増加したことによるものです。
また、前第2四半期連結累計期間の増加は主に、税金等調整前四半期純損失(37億2百万円)、売上債権及び契約資産の増加(50億52百万円)により資金が減少した一方で、旅行前受金の増加(106億43百万円)、非資金項目である減価償却費(50億1百万円)、仕入債務の増加(37億16百万円)により資金が増加したことによるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動により資金は48億26百万円の増加(前第2四半期連結累計期間は191億21百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出(116億59百万円)、有価証券の取得による支出(101億55百万円)により資金が減少した一方で、定期預金の払戻による収入(276億83百万円)により資金が増加したことによるものです。
また、前第2四半期連結累計期間の減少は主に、定期預金の払戻による収入(85億52百万円)により資金が増加した一方で、定期預金の預入による支出(239億29百万円)、有形及び無形固定資産の取得による支出(38億84百万円)により資金が減少したことによるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動により資金は194億23百万円の減少(前第2四半期連結累計期間は125億94百万円の減少)となりました。これは主に、借入による収入と借入金返済による支出(25億79百万円)、社債償還による支出(150億円)により資金が減少したことによるものです。
また、前第2四半期連結累計期間の減少は主に、借入による収入と借入金返済による支出(108億50百万円)により資金が減少したことによるものです。
以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における資金の残高は、前連結会計年度末に比べ9億90百万円減少し1,098億46百万円となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間におきまして、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間におきまして、当社グループが対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び設備投資等であります。運転資金につきましては金融機関からの借入により資金調達を行っております。設備投資等につきましては金融機関からの借入、社債及び転換社債型新株予約権付社債の発行により資金調達を行っております。