当社は、2025年4月9日付の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2025年5月12日開催予定の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決定いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
1. 本株式併合の目的
当社が2025年1月30日に公表した「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)にてお知らせいたしましたとおり、株式会社Quartz(以下「公開買付者」といいます。)は、2025年1月30日、東京証券取引所スタンダード市場に上場している当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式及びニシムラ(以下に定義されます。)の所有する当社株式の全て(以下「本不応募合意株式」といいます。)を除きます。)を取得し、当社株式を非公開化させ、当社の株主を公開買付者、並びに当社の筆頭株主であり当社の代表取締役社長である西村公一氏(以下「西村氏」といいます。)及び西村氏の親族がその発行済株式の全てを所有する(注1)資産管理会社である有限会社ニシムラ(以下「ニシムラ」といいます。所有株式数:1,492,000株、所有割合(注2):26.99%)のみとすることを目的とし、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注3)のための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施することを決定しました。
(注1)西村氏が議決権を有する全ての普通株式を所有し、西村氏及び西村氏の親族3名が議決権のない全てのA種類株式を所有しております。
(注2)「所有割合」とは、当社が2025年1月30日に公表した「2025年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2024年12月31日現在の発行済株式総数(5,769,040株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(240,234株)を控除した株式数(5,528,806株)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の記載について同じとします。
(注3)「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、一般に、買収対象会社の経営陣が、買収資金の全部又は一部を出資して、買収対象会社の事業の継続を前提として買収対象会社の株式を取得する取引をいいます。
そして、当社が2025年3月18日に公表した「株式会社Quartzによる当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社、主要株主である筆頭株主及び主要株主の異動に関するお知らせ」(以下「本公開買付け結果プレスリリース」といいます。)に記載のとおり、公開買付者は、2025年1月31日から2025年3月17日まで本公開買付けを行い、その結果、2025年3月25日(本公開買付けの決済の開始日)をもって、当社株式2,578,200株(所有割合:46.63%)を所有するに至りました。
その後、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより、当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかったことから、当社に対して、当社の株主を公開買付者及びニシムラのみとするため当社株式1,492,000株につき1株の割合で行う本株式併合の実施を要請いたしました。そのため、当社は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」にてお知らせしたとおり、本取締役会において、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社の株主を公開買付者及びニシムラのみとし、当社株式を非公開化するために、本株式併合を実施することとし、本株式併合に係る議案を本臨時株主総会に付議することを決議いたしました。
本株式併合により、公開買付者及びニシムラ以外の株主の皆様の保有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本取引の詳細につきましては、本意見表明プレスリリース及び本公開買付け結果プレスリリースをご参照ください。
本公開買付け及び本株式併合を含む本取引の目的及び背景の詳細は、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせしたとおりですが、以下に改めてその概要を申し上げます。なお、以下の記載のうち公開買付者に関する記述は、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
当社は、2024年11月1日に西村氏から当社の業務執行取締役である苗村彰仁氏及び丹羽淳氏の2名に対して、当社株式の非公開化について初期的な検討を行っている旨の口頭での打診があったことから、当該打診に関して当社としての検討体制を構築するための検討を進めてまいりました。その後、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、公開買付者、西村氏及びニシムラ(以下「公開買付関連当事者」と総称します。)並びに当社からの独立性及び本取引と同種の取引に関する経験等を踏まえ、2024年11月22日にリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業及び弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所(以下、総称して「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)を、2024年11月29日にファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー」といいます。)をそれぞれ選任し、公開買付関連当事者及び当社から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益確保の観点から、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始しました。具体的には、2024年11月30日に西村氏から当社株式の非公開化に関する提案書(以下「本提案書」といいます。)を受領して以降、本取引に係る当社の検討、交渉及び判断の過程に、西村氏を関与させないこととした上で、公開買付関連当事者からの独立性の認められる当社の取締役3名(苗村彰仁氏、丹羽淳氏及び飯尾照男氏)並びに当社従業員1名のみで構成される検討体制を構築し、当社の独立社外取締役である岡田昌也氏、葛西良亮氏及び高橋克徳氏の3名によって構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)とともに、当社と公開買付者との間の本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び当社株式の価値評価の基礎となる当社の事業計画の作成過程に関与しており、本公開買付けの公表日に至るまでかかる取扱いを継続しております。詳細は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」「④当社における独立した検討体制の構築」をご参照ください。なお、当社は、2024年11月30日開催の取締役会において、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所をそれぞれ選任することを正式に承認しております。
さらに、当社は、2024年11月30日に西村氏から本提案書の提出を受けたことから、本取引がマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、構造的な利益相反の問題が存在するため、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、同日開催の当社取締役会において、本特別委員会を設置する旨を決議いたしました。本特別委員会は、同日に、公開買付関連当事者及び当社から独立性並びに専門性に問題がないことを確認の上、当社がファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任することをそれぞれ承認しました。
上記体制の下、当社は、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を受けながら、本提案書に記載された本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、公開買付者との間で複数回にわたる協議・交渉を行いました。
具体的には、当社は、2025年1月7日に西村氏から、当社が2025年3月期の期末配当及び株主優待を行わないことを前提として、本公開買付価格を1,810円(2025年1月6日の当社株式の終値1,339円に対して35.18%のプレミアムを加えた価格です。)とする初回提案を受領しました。
これに対して、当社及び本特別委員会は、2025年1月10日、西村氏に対し、当該提案価格が、当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から十分なものとして当社及び本特別委員会が想定している価格水準からは著しく乖離していることを理由に、本公開買付価格の再検討の要請をいたしました。これに対して、当社及び本特別委員会は、2025年1月15日、西村氏から、本公開買付価格を1,900円(2025年1月14日の当社株式の終値1,352円に対して40.53%のプレミアムを加えた価格です。)とする旨の再提案を受領しました。その後、当社及び本特別委員会は、2025年1月15日、西村氏に対し、当該提案価格は、依然として当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から十分なものとして当社及び本特別委員会が想定している価格水準からは著しく乖離していることを理由に、本公開買付価格の再検討の要請をいたしました。当社及び本特別委員会は、2025年1月17日、西村氏から、本公開買付価格を1,960円(2025年1月16日の当社株式の終値1,361円に対して44.01%のプレミアムを加えた価格です。)とする旨の再提案を受領しました。その後、当社及び本特別委員会は、2025年1月20日、西村氏に対し、当該提案価格は、依然として当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から十分なものとして当社及び本特別委員会が想定している価格水準からは著しく乖離していることを理由に、本公開買付価格の再検討の要請をいたしました。当社及び本特別委員会は、2025年1月22日、西村氏から、本公開買付価格を2,000円(2025年1月21日の当社株式の終値1,370円に対して45.99%のプレミアムを加えた価格です。)とする旨の再提案を受領しました。その後、当社及び本特別委員会は、2025年1月23日、西村氏に対し、当該提案価格は、依然として当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から十分なものとして当社及び本特別委員会が想定している価格水準に達しておらず、他方で、当社及び本特別委員会は、公開買付価格として(ⅰ)当社の第三者算定機関におけるDCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法による算定結果の範囲内の水準であること、(ⅱ)上場廃止を前提とした同種のMBO事例におけるプレミアム水準との比較において相応のプレミアムが付されていることを重視しており、加えて、少数株主の利益確保の観点から当社の1株当たり連結簿価純資産額の水準を踏まえ、同種のMBO事例におけるプレミアム水準よりも高いプレミアムが必要であるとして、本公開買付価格を2,200円とする旨の提案をいたしました。当社及び本特別委員会は、2025年1月24日、西村氏から、本公開買付価格を2,010円(2025年1月23日の当社株式の終値1,373円に対して46.39%のプレミアムを加えた価格です。)とする旨の再提案を受領しました。その後、当社及び本特別委員会は、2025年1月27日、西村氏に対し、当該提案価格は、依然として当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から十分なものとして当社及び本特別委員会が想定している価格水準に達しておらず、他方で、当社及び本特別委員会は、公開買付価格として(ⅰ)当社の第三者算定機関におけるDCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法による算定結果の範囲内の水準であること、(ⅱ)上場廃止を前提とした同種のMBO事例におけるプレミアム水準との比較において相応のプレミアムが付されていることを重視しており、加えて、少数株主の利益確保の観点から当社の1株当たり連結簿価純資産額の水準を踏まえ、同種のMBO事例におけるプレミアム水準よりも高いプレミアムが必要であるとして、本公開買付価格を2,100円とする旨の提案をいたしました。当社及び本特別委員会は、2025年1月28日、西村氏から、本公開買付価格を2,020円(2025年1月27日の当社株式の終値1,389円に対して45.43%のプレミアムを加えた価格です。)とする旨の再提案を受領しました。その後、当社及び本特別委員会は、2025年1月28日、西村氏に対し、当該提案価格は、依然として当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から十分なものとして当社及び本特別委員会が想定している価格水準に達しておらず、他方で、当社及び本特別委員会は、公開買付価格として(ⅰ)当社の第三者算定機関におけるDCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法による算定結果の範囲内の水準であること、(ⅱ)上場廃止を前提とした同種のMBO事例におけるプレミアム水準との比較において相応のプレミアムが付されていることを重視しており、加えて、少数株主の利益確保の観点から当社の1株当たり連結簿価純資産額の水準を踏まえ、同種のMBO事例におけるプレミアム水準よりも高いプレミアムが必要であるとして、本公開買付価格を2,050円とする旨の提案をいたしました。当社及び本特別委員会は、2025年1月29日、西村氏から、本公開買付価格を2,020円(2025年1月28日の当社株式の終値1,400円に対して44.29%のプレミアムを加えた価格です。)とする旨の最終提案を再度受領しました。その後、当社及び本特別委員会は、2025年1月29日、西村氏に対し、現時点における金融、経済、市場、その他の状況を前提に、当該提案価格は、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨することが可能な水準であると判断し、当該最終提案を応諾する旨の回答を送付いたしました。
また、当社は、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2025年1月29日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「①当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
その上で、当社は、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから2025年1月29日付で取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引の目的は正当性・合理性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか、本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか、本取引は少数株主にとって不利益でないと考えられるか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
その結果、当社は、以下の点等を踏まえると、公開買付者が企図する施策の内容は合理的であり、本取引が当社の企業価値向上に資するものであると考えるに至りました。
当社、連結子会社3社及びその他の関係会社1社(以下、総称して「当社グループ」といいます。)の事業を取り巻く事業環境について、当社としては、個人消費の持ち直しや、世界的な「和食」への関心の高まり、訪日外国人観光客が増加する等の要因により、足元では緩やかに需要が改善される傾向にあると認識しております。しかしながら、当社としては、円安進行に伴い海外からの原材料等の調達価格が上昇していること、ロシアによるウクライナ侵攻に伴うロシア産の水産原料等の調達が困難となっていること、さらには、コンテナ不足や海上運賃上昇に伴う輸送コストが上昇していること等、事業上厳しい状況が続いていると認識しております。また、当社グループの製造子会社並びに製造委託メーカー及び商品仕入先メーカーにおいては、原材料コストの上昇に加え、人手不足が深刻化しており、労働力の確保が困難な状況になっており、さらには、最低賃金の上昇や水道光熱費の上昇等の要因により、製造コストが上昇しております。当社グループの主要顧客である観光産業や外食産業においては、当社としては、ホテル・旅館での食事の提供方法としてビュッフェスタイルが増加していることや、一般消費者においてフードデリバリーや、料理に必要なカット済みの食材や調味料をセットにして販売するミールキットビジネスが増加していることなど、消費者の行動変容とともに食に関わるビジネスのあり方やニーズが大きく変化してきていると認識しており、さらには、訪日外国人観光客が増加する等の要因により観光需要・外食需要が回復しつつある中でも、物価高や人手不足の影響が深刻化してきており、その結果、当社グループに求められる商品ニーズやサービス内容は、省人化や時短などに貢献できるものに変容してきており、当社グループを取り巻く経営環境は足元のみならず先行きも依然として不透明な状況であると認識しております。
一方、西村氏は、2019年より、当社グループの経営環境について、個人消費の持ち直しや、世界的な「和食」への関心の高まり、訪日外国人観光客が増加する等の要因により、経営環境を取り巻く変化の兆しを認識しておりました。新型コロナウイルス感染症が収束しつつある足元においても、緩やかに経営環境が改善される傾向にあると考えているとのことです。しかしながら、西村氏は、当社の主要顧客である観光産業や外食産業は、人手不足の影響が深刻化する中、消費者の商品提供手法のニーズが変容するとともに食に関わるビジネスのあり方も大きく変化してきていると認識しているとのことです。さらに、需要が回復しつつある中でも、各種原材料価格の高騰や物価高の影響が本格化してきており、経営環境は依然として不透明な状況と認識しているとのことです。
西村氏としても、このような状況の中、当社が、和食を中心とする業務用加工食材の企画・製造・販売というコア事業に軸足を置き、四季を通じた付加価値のある日本料理を提供するというこれまで培ってきた価値観を大切にしながらも、今の時代に沿った新しい価値を提供し、ジーエフシーブランドの再構築を図るとともに、5つの課題『コア事業の強化』、『グローバル事業の強化と商品の拡充』、『新規事業領域の創造・開拓』、『人材の高度化』、『経営管理の高度化』に取組み、当社のビジョンである「おいしい出会いを創りたい」の実現と更なる企業価値の向上を目指してきたと認識しているとのことですが、2022年、食に関わるビジネスのあり方やニーズが大きく変化する時代だからこそ、未だ当社を認知していない新たな顧客層・市場にアプローチし、顧客の悩みや課題に寄り添い、当社がお役に立てる機会を拡大できる大きなビジネスチャンスがあると同時に、認知度の向上やブランド戦略の確立、並びに、ニーズの変化をとらえた商品開発やマーケティング戦略の確立が必要であり、また、これらを実現していくための専門分野に精通した人材の獲得やDX投資、並びに、中長期的な視点でのジーエフシーという会社自身や商品への顧客ロイヤリティの更なる向上のため、グループ力強化に向けた商品開発におけるシステム投資やブランディング推進に向けた人材及び広告への投資が必要であるという認識に至ったとのことです。
また、西村氏は、抜本的な経営改革のため、(ア)長期的な視点での事業構造の抜本的改革、(イ)ブランド再構築と競争力の強化、(ウ)グローバル事業の強化と商品の拡充、(エ)新規事業領域の創造・開拓、(オ)人材育成と次期経営者候補の育成、(カ)事業環境の変化に対応したDXの推進、といった具体的な施策を企図しているとのことですが、当社としても以下のことから、上記(ア)乃至(カ)の施策は実行の必要があると考えております。
当社は、(ア)長期的な視点での事業構造の抜本的改革については、環境の変化に機動的かつ柔軟な対応ができるよう迅速な意思決定ができる経営体制を構築する必要があると考えている点、(イ)ブランド再構築と競争力の強化については、当社を認知していない新たな市場に対して、ブランド戦略の確立とそれを支える先行投資が必要であると考えている点、(ウ)グローバル事業の強化と商品の拡充については、新たな進出地域での拠点開設だけでなく現地ディストリビューターのM&A推進並びに海外からの調達力強化と製造拠点確立に向けた投資や現地メーカーのM&A等の施策が必要であると考えている点、(エ)新規事業領域の創造・開拓については、機動的なM&Aの実施や国内外の他企業との連携した取組みが必要であると考えている点、(オ)人材育成と次期経営者候補の育成については、人的資本への投資は短期的には成果・結果が出ず、費用対効果を測りにくい点ではありますが、この仕組みづくりが当社の成長の基盤を強化することにつながると考えている点、(カ)事業環境の変化に対応したDXの推進については、顧客接点のあり方やメーカー連携のあり方の改革、並びに、生産性の向上と省人化のための改革が必要であり、当社内システムを大胆かつ早期に刷新する必要があると考えている点より、いずれの施策も当社の中長期的な企業価値向上のために推進していくべきと考えております。
しかしながら、当社は、かかる施策は当社グループの中長期的な企業価値向上を見込むことができる一方で、各種施策を推進していくにあたっては、経営資源を短期間で集中的に投下する必要があり、多額の先行投資が発生することから、短期的には利益水準の低下、及び、キャッシュ・フローが悪化することを否定できず、当社の業績や財務状況に大きな影響を与えるリスクがあると考えております。
そのため、当社が上場を維持したままこれらの施策を実施した場合、株価の下落や配当の減少等、当社の既存株主の皆様の利益を損なう可能性があると考えられるため、当社が上場を維持したままでこれらの施策を実施することは困難であると考えております。
なお、当社は、当社株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用や知名度の向上による人材の確保及び取引先との取引等に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、現在当社はエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込んでおらず、事業から生じるキャッシュ・フローや金融機関からの借入れにより、資金確保は可能であると考えていること及び1997年9月に社団法人日本証券業協会(以下「日本証券業協会」といいます。)に当社が株式を店頭登録して以来、今日に至るまでに上場による上場会社として様々なメリットを享受してきた中で、当社のブランド力や取引先に対する信用力はおよそ確保できていること並びにこれまでの事業活動を通じて地域のお客様・お取引先様・従業員に対する信用力及び知名度は既に確保できていることから、当社株式の非公開化による人材の確保及び取引先との取引等に及ぼすデメリットは極めて限定的であると考えております。
さらに、当社は、近年のコーポレートガバナンス・コードの改訂、資本市場に対する規制の強化等により、株式上場を維持するために必要な人的・金銭的コストは増加を続けており、これらのコストが当社の経営推進上の大きな負担となる可能性も否定できないと考えております。年々これらの上場維持に係るコストは増えておりますが、本取引により、上場維持に係るコストが削減され、ブランド戦略を支える先行投資や、新規事業やグローバル事業の強化に向けた投資、並びに、事業環境の変化に対応するためのDX投資や人的資本への投資にあてることができれば、長期的な視点での企業価値の向上を図れるものと考えております。
以上を踏まえ、当社は、2025年1月30日開催の取締役会において、本取引により当社株式を非公開化することが、当社グループの企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
また、当社取締役会は、以下の点等から、本公開買付価格(2,020円)は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断しました。なお、本公開買付価格は、当社の2024年12月31日現在の連結簿価純資産額から算出した1株当たり連結簿価純資産額(3,124円)を35.34%下回っているものの、仮に当社が事業の清算を行う場合、現金及び預金並びに有価証券は換金が可能である一方で、棚卸資産(商品及び製品、並びに原材料及び貯蔵品)は消費期限のある食品であるため、一括処分や転売する場合は相応の減価が想定されること、当社が所有する資産のうち、本社や営業所の建物については、建築後相当程度の年月が経過し老朽化していることを踏まえると簿価により売却することは困難であり、また、本社や営業所の土地については、含み損を有していると考えられ、さらに、更地での売却が必要であることが見込まれるものの、その場合には不動産鑑定費用に加えて建物の解体費用等が必要になると考えられること及び清算に際しては売上債権の早期回収に伴う費用・損失、従業員に対する割増退職金及び海外子会社を含めた事業清算のための弁護士等の専門家費用等、清算に伴う様々な追加コストの発生が見込まれること等を考慮すると、簿価純資産額と同額で換価されるわけではなく、現実的には相当程度に毀損することが想定されるため(ただし、当社としては清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得や具体的な試算は行っておりません。)、1株当たり連結簿価純資産額が当社株式の公正価値の最低価格になるという考え方は採用し難く、また、簿価純資産額は将来の収益性を反映するものではないため、事業の清算を前提とした評価手法を重視することは継続企業である当社の株式価値算定において合理的ではないと考えております。
(a)本公開買付価格が、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「②当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されているデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによる本株式価値算定書における算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果のレンジを上回り、かつDCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法に基づく算定結果のレンジの範囲内であること
(b)本公開買付価格が、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年1月29日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,391円に対して45.22%、2025年1月29日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,365円(円未満を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して47.99%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,364円に対して48.09%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,399円に対して44.39%のプレミアムがそれぞれ加えられた価格であるところ、これらの市場株価には、当社が2025年1月30日に公表した「通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の業績予想の下方修正の影響が反映されていないため、当該プレミアム水準のみを重視して本公開買付価格の是非を判断することはできないものの、少なくとも、当該下方修正の影響が反映されていない市場株価を基準としたプレミアム水準は、経済産業省の「公正なM&Aの在り方に関する指針」が公表された2019年6月28日以降に公表され、2025年1月29日までに公開買付けが成立した非公開化を目的としたMBO案件の実例75件における、公表日前営業日の終値並びに過去1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値それぞれに対するプレミアムの中央値(対公表日前営業日終値:42.53%、対過去1ヶ月間:45.16%、対過去3ヶ月間:45.89%、対過去6ヶ月間:49.16%)に比して合理的なものであるといえること及び本公開買付価格は当社のこれまでの株価推移に照らしてもその上場来最高値である1,802円を超える水準にあることを勘案すれば、本公開買付価格の水準は、不合理とは言えないこと。
(c)本公開買付価格の決定に際しては、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること
(d)本公開買付価格が、上記措置が採られた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、当社と公開買付者らとの間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること
(e)本公開買付価格は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「①当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること
さらに、当社は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)及び買付予定数の下限といったその他の本取引に係る取引条件についても、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑥本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保」に記載のとおり、公開買付期間については、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切な判断を行う機会を確保するとともに、当社株式について対抗的買収提案者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保するものとなっているため公正なものと判断しました。
以上より、当社は、2025年1月30日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(西村氏を除く取締役6名(苗村彰仁氏、丹羽淳氏、飯尾照男氏、葛西良亮氏、岡田昌也氏及び高橋克徳氏))の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
なお、当社の取締役のうち、代表取締役社長である西村氏は、公開買付者の株主かつ代表取締役であり、本公開買付け成立後も継続して当社の経営にあたることを予定していることから、本取引において当社と利益相反のおそれがあることを踏まえて、利益相反の疑義を回避する観点から、当社取締役会における本公開買付けへの意見表明に係る議案の審議及び決議には一切参加しておらず、また、本取引に関し、当社の立場において公開買付者との協議及び交涉にも一切参加しておりません。
2. 本株式併合の割合
当社株式について、1,492,000株を1株に併合いたします。
3. 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由
上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、株主の皆様(ただし、公開買付者及びニシムラを除きます。)の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(その合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を売却し、その売却により得られた代金を、端数が生じた株主の皆様に対して、その端数に応じて交付します。当該売却について、当社は、本株式併合が、当社の株主を公開買付者及びニシムラのみとすることを目的とする本取引の一環として行われるものであること、当社株式が2025年5月28日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買受人が現れる可能性は低いと考えられることに鑑み、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第2項の準用する会社法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て公開買付者に売却することを予定しています。
この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である2025年5月29日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である2,020円を乗じた金額に相当する金銭が、各株主の皆様に交付されることとなるような価格に設定する予定です。ただし、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあります。
② 売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者の氏名又は名称
株式会社Quartz(公開買付者)
③ 売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者が売却に係る代金の支払いのための資金を確保する方法及び当該方法の相当性
公開買付者は、本株式併合により生じる端数の合計数に相当する当社株式の取得に要する資金を、野村キャピタル・インベストメント株式会社からの借入れ(以下「本件買収ローン」といいます。)により賄うことを予定しているとのことであるところ、当社は、本公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類として提出された、本件買収ローンに関する2025年1月29日付融資証明書を確認することによって、公開買付者の資金確保の方法を確認しております。また、公開買付者によれば、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払に支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、また、今後発生する可能性も認識していないとのことです。
したがって、公開買付者による1株に満たない端数の合計数に相当する当社株式の売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法は相当であると判断しております。
④ 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み
当社は、本株式併合の効力発生後、2025年6月下旬を目途に会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を当社が買取ることについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動し得ますが、当社は、当該裁判所の許可を得て、2025年7月中旬を目途に当社株式を売却し、その後、当該売却によって得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、2025年8月下旬を目途に、当該売却代金を株主の皆様に交付することを見込んでおります。
当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主の皆様への交付が行われるものと判断しております。
(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
本意見表明プレスリリースの「2.株式併合の要旨」の「(2)株式併合の内容」の「⑦1株未満の端数が生じる場合の処理の方法及び当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額」に記載のとおり、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額は、本株式併合の効力発生日の前日である2025年5月29日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である2,020円を乗じた金額となる予定です。
上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、当社取締役会は、以下の点等から、本公開買付価格(2,020円)は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断しました。なお、本公開買付価格は、当社の2024年12月31日現在の連結簿価純資産額から算出した1株当たり連結簿価純資産額(3,124円)を35.34%下回っているものの、仮に当社が事業の清算を行う場合、現金及び預金並びに有価証券は換金が可能である一方で、棚卸資産(商品及び製品、並びに原材料及び貯蔵品)は消費期限のある食品であるため、一括処分や転売する場合は相応の減価が想定されること、当社が所有する資産のうち、本社や営業所の建物については、建築後相当程度の年月が経過し老朽化していることを踏まえると簿価により売却することは困難であり、また、本社や営業所の土地については、含み損を有していると考えられ、さらに、更地での売却が必要であることが見込まれるものの、その場合には不動産鑑定費用に加えて建物の解体費用等が必要になると考えられること及び清算に際しては売上債権の早期回収に伴う費用・損失、従業員に対する割増退職金及び海外子会社を含めた事業清算のための弁護士等の専門家費用等、清算に伴う様々な追加コストの発生が見込まれること等を考慮すると、簿価純資産額と同額で換価されるわけではなく、現実的には相当程度に毀損することが想定されるため(ただし、当社としては清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得や具体的な試算は行っておりません。)、1株当たり連結簿価純資産額が当社株式の公正価値の最低価格になるという考え方は採用し難く、また、簿価純資産額は将来の収益性を反映するものではないため、事業の清算を前提とした評価手法を重視することは継続企業である当社の株式価値算定において合理的ではないと考えております。
(a)本公開買付価格が、下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「②当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されているデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによる本株式価値算定書における算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果のレンジを上回り、かつDCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法に基づく算定結果のレンジの範囲内であること
(b)本公開買付価格が、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年1月29日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,391円に対して45.22%、2025年1月29日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,365円(円未満を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して47.99%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,364円に対して48.09%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,399円に対して44.39%のプレミアムがそれぞれ加えられた価格であるところ、これらの市場株価には、当社が2025年1月30日に公表した「通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の業績予想の下方修正の影響が反映されていないため、当該プレミアム水準のみを重視して本公開買付価格の是非を判断することはできないものの、少なくとも、当該下方修正の影響が反映されていない市場株価を基準としたプレミアム水準は、経済産業省の「公正なM&Aの在り方に関する指針」が公表された2019年6月28日以降に公表され、2025年1月29日までに公開買付けが成立した非公開化を目的としたMBO案件の実例75件における、公表日前営業日の終値並びに過去1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値それぞれに対するプレミアムの中央値(対公表日前営業日終値:42.53%、対過去1ヶ月間:45.16%、対過去3ヶ月間:45.89%、対過去6ヶ月間:49.16%)に比して合理的なものであるといえること及び本公開買付価格は当社のこれまでの株価推移に照らしてもその上場来最高値である1,802円を超える水準にあることを勘案すれば、本公開買付価格の水準は、不合理とは言えないこと。
(c)本公開買付価格の決定に際しては、下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること
(d)本公開買付価格が、上記措置が採られた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、当社と公開買付者らとの間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること
(e)本公開買付価格は、下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「①当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること
また、当社は、2025年1月30日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。その後、本臨時株主総会の招集を決議した本取締役会の決議に至るまでに、本公開買付価格に関する当社の判断の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。
以上より、当社は、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
公開買付者及び当社は、本公開買付けがいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当する取引の一環として行われるものであり、類型的に構造的な利益相反の問題や情報の非対称性の問題が生じうること等を踏まえ、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。なお、公開買付者らは、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者ら及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の①乃至⑥の措置を実施していることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(i) 設置等の経緯
上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、2024年11月1日に西村氏から当社の業務執行取締役である苗村彰仁氏及び丹羽淳氏の2名に対して、当社株式の非公開化について初期的な検討を行っている旨の口頭での打診があったことから、当該打診に関して当社としての検討体制を構築するための検討を進めておりましたが、当社は並行してアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる当社の監査等委員である独立社外取締役の独立性及び適格性等についても確認を行いました。その上で、当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得て、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、当社の監査等委員であり独立社外取締役である岡田昌也氏(公認会計士)、葛西良亮氏(弁護士)及び高橋克徳氏(税理士)の3名を本特別委員会の委員の候補として選定いたしました(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。また、本特別委員会の委員であり監査等委員である独立社外取締役の報酬は、本特別委員会の委員としての職務に係る固定額による報酬としており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。)。
その上で、当社は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」「(2)意見の根拠及び理由」の「③当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年11月30日開催の取締役会における決議により本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、(ア)本取引の目的は正当性・合理性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。以下「諮問事項1.」といいます。)、(イ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか(以下「諮問事項2.」といいます。)、(ウ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか(以下「諮問事項3.」といいます。)、(エ)上記(ア)から(ウ)を踏まえ、本取引は少数株主にとって不利益でないと考えられるか(以下「諮問事項4.」といいます。)、(オ)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことの是非(以下、「諮問事項5.」といい、諮問事項1.乃至諮問事項5.を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。また、当社取締役会は、当社取締役会において本取引に係る意思決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないものとすることを決議しております。さらに、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本特別委員会に対し、(ア)当社が公開買付者らとの間で行う交渉の過程に実質的に関与する権限(必要に応じて、公開買付者らとの交渉方針に関して指示又は要請を行うこと、及び、自ら公開買付者らと交渉を行うことを含む。)、(イ)本取引に関して、必要に応じて、本特別委員会が自らの財務若しくは法務等のアドバイザーを選任し(この場合の費用は当社が負担する。)、又は、当社が選任するアドバイザーを指名若しくは承認(事後承認を含む。)し、専門的助言を求める権限、並びに(ウ)当社の役職員に対して、本特別委員会への出席を要求し、また、本諮問事項の検討及び判断に必要な情報の提供を要求することの権限を付与することを決議しております。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2024年11月30日から2025年1月29日までに、会合を合計13回、約16時間開催したほか、会合外においても電子メール等を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定を行い、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。
具体的には、本特別委員会は2024年11月30日に開催された第1回の会合において、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー並びにリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、いずれも独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、その選任を承認し、本特別委員会も必要に応じてその専門的助言を受けることができることを確認しております。
また、本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。
さらに、本特別委員会はデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから受けた財務的見地からの助言を踏まえつつ、当社の事業計画について、当社からその内容、重要な前提条件及び作成経緯等(公開買付関連当事者が当該事業計画の作成に関与していないことを含みます。)について説明を受けるとともに、これらの事項について合理性を確認し、承認しております。
本特別委員会は、西村氏に対し質問事項を提示し、西村氏から、本取引の目的や背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式及び書面により質疑応答を実施しました。さらに、当社に対しても質問事項を提示し、当社から、本取引の目的や意義、当社事業に対する影響等についてインタビュー形式及び書面により質疑応答を実施しております。
加えて、下記「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社が作成した事業計画を前提として当社株式の株式価値の算定を実施しておりますが、本特別委員会は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから、株式価値の算定結果とともに、当社の株式価値の算定方法、当該算定方法を選定した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しております。
また、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、当社が、2025年1月7日に西村氏から本公開買付価格を1,810円とする旨の提案を受領して以降、本特別委員会は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによる当社株式の株式価値の算定結果や公開買付者らとの交渉方針等を含めた財務的な助言及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの本取引における手続の公正性を確保するための対応についての法的助言等を踏まえ、西村氏との間で、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを通じて、継続的に協議・交渉を行ってまいりました。
具体的には、当社は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを通じて、西村氏からの本公開買付価格の提案に対して、複数回にわたり繰り返し価格交渉を実施いたしました。なお、当該協議・交渉にあたっては、本特別委員会は、当社から当該協議・交渉の経緯及び内容等について適時に報告を受け、本特別委員会を通じて方針等を協議し、意見を述べるなどした上で行う等、本特別委員会が西村氏との交渉過程に実質的に関与する形で行われました。また、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引において利益相反を軽減又は防止するために取られている措置及び本取引に関する説明を受け、それぞれ質疑応答を行いました。
さらに、本特別委員会は、当社が公表又は提出予定の本公開買付けに係る当社プレスリリース及び意見表明報告書の各ドラフト並びに公開買付者が提出予定の本公開買付けに係る公開買付届出書のドラフトの内容について、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所より説明を受け、公開買付者及び当社が、それぞれのファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーの助言を得て適切な開示を行う予定であることを確認しております。
以上の経緯で、本特別委員会は、本諮問事項について慎重に検討及び協議を重ねた結果、委員全員一致の決議により、2025年1月29日に、当社取締役会に対し、大要以下を内容とする本答申書を提出いたしました。
(a)答申内容
1.本取引の目的は正当性・合理性を有すると認められる。
2.本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されていると認められる。
3.本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
4.上記1.から3.を踏まえ、本取引は少数株主にとって不利益でないと考えられる。
5.当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことは相当である。
(b)答申理由
(ア) 本取引の目的の正当性・合理性(諮問事項1.関係)
以下の点を踏まえると、(Ⅰ)公開買付者の考える本取引後の各施策は、当社の経営課題を的確にとらえており、当社の認識及び中長期的な経営方針とも整合的であり、各施策の実現可能性を否定するに足る事情も存在せず、(Ⅱ)上場を維持したままでの大胆な事業変革等のほかの手法によるのではなく、本取引による企業価値向上の実現を目指すという判断は、合理的なものと考えられ、加えて、(Ⅲ)本取引による当社の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものも見受けられないことが認められることから、本公開買付けを含む本取引は企業価値の向上に資するものであって、その目的は正当で合理的と認められる。
・ 当社は、創業者である西村悦郎氏により1972年8月株式会社岐阜珍味として設立された株式会社であり、1991年5月「GLOBAL FOOD CREATORS」(世界の食の創作者の意)から頭文字を取って現在の商号に変更し、和食を中心とする業務用加工食材の企画製造販売を主な事業内容としている。当社は岐阜県羽島郡笠松町田代の本社を含む国内5拠点を展開するほか、2015年3月シンガポールに子会社を設立して海外展開を図っている。当社は全国1000社を超える商品仕入先メーカーや製造委託工場と連携しながら、一次卸として主に観光産業や外食産業向けに食材を提供するほか、1995年5月に製造子会社を設立し、2019年2月に水産原料を輸入する商社を子会社化して製造調達部門を強化している。
・ 当社は「おいしい出会いを創りたい」との企業理念のもと、グループ全体を通じて、人々にさまざまな食との出会いを通して得られる「ゆとり」と「夢」を提供し、豊かな社会創りに貢献することを経営の基本方針としている。
・ 当社グループの事業を取り巻く事業環境について、個人消費の持ち直し、世界的な「和食」への関心の高まり、訪日外国人観光客が増加する等の要因により足元では緩やかに需要が改善される傾向にある。しかしながら、円安進行に伴い海外からの原材料等の調達価格が上昇していること、ロシアによるウクライナ侵攻に伴うロシア産の水産原料等の調達が困難となっていること、コンテナ不足や海上運賃上昇に伴う輸送コストが上昇していること等により、事業上厳しい状況が続いている。
・ また、当社グループの製造子会社並びに製造委託メーカー及び商品仕入先メーカーにおいては、原材料コストの上昇に加え人手不足が深刻化して、労働力の確保が困難な状況になっており、さらには最低賃金の上昇や水道光熱費の上昇等の要因により製造コストが上昇している。
・ 当社グループの主要顧客である観光産業や外食産業においては、当社としては、ホテル・旅館での食事の提供方法としてビュッフェスタイルが増加していることや、一般消費者においてフードデリバリーや、料理に必要なカット済みの食材や調味料をセットにして販売するミールキットビジネスが増加していることなど、消費者の行動変容とともに食に関わるビジネスのあり方やニーズが大きく変化してきていると認識しており、さらには、訪日外国人観光客が増加する等の要因により観光需要・外食需要が回復しつつある中でも物価高や人手不足の影響が深刻化してきている。その結果、当社グループに求められる商品ニーズやサービス内容は、省人化や時短などに貢献できるものに変容してきており、当社グループを取り巻く経営環境は足元のみならず先行きも依然として不透明な状況であると認識している。
・ 当社はかかる経営環境の中、創業者一族にして当社代表取締役社長たる公開買付者の指揮の下、①消費者の行動変容等を的確に捉え顧客に寄り添った提案やサービスを行うことにより珍味やおせちなど和食を中心とする業務用加工食材の企画製造販売という当社のコア事業を強化すること(コア事業の強化)、②「和食」を訴求すべくASEAN市場を中心としたグローバル市場に投入する商品の充実を図ること(グローバル事業の強化と商品の拡充)、③コア事業を推進しつつも、中食、老健、通販業界での新規顧客の獲得や一般消費者向けの販売体制を強化しつつ、今後の新しい生活様式に基づく消費行動やマーケットにマッチした商品開発に注力するとともに、当社ブランドであるPB商品を拡充すること(新規事業領域の創造・開拓)、④従業員が仕事を通じて自己実現を図りより高い成果が生み出せるよう職場風土や環境の整備に取り組むとともに、健康経営を積極的に推進すること(人材の高度化)、⑤経営環境の変化や市場でのコストダウン圧力、仕入原価、物流費、人件費の高騰をふまえ収益構造を再構築するとともに、商品の品質確保やリスク管理の体制を強化すること(経営管理の高度化)に取り組み、当社企業理念である「おいしい出会いを創りたい」の実現とさらなる企業価値の向上を目指してきた。
・ しかしながら、当社は、これら経営課題に対する当社の対応について必要十分であるとはいえないと認識している。実際、当社単体の売上は、2020年3月期(第48期)では233億円、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を大きく受けた2021年3月期(第49期)では142億円(前期比61%)及び2022年3月期(第50期)では153億円(前期比107%)だったものが、2023年3月期(第51期)では188億円(前期比122%)と回復したものの、2024年3月期(第52期)では195億円(前期比103%)と当社の業績回復は鈍化しており、業績低迷への危機感は高まっているとのことである。
・ 以上のような当社による事業環境及び経営課題の認識については、矛盾した点や明らかに客観的事実に反している点はない。
・ したがって、上記経営課題の解決、及びその実現へ向けた戦略の一環として、当社が本取引を選択し、公開買付者が考える施策を実施することは、経営の連続性を保ちつつ、これら経営課題に対応するための意思決定の迅速化や意思決定の自由度を高める体制整備に資する可能性があるものとして、一般論としては当社の企業価値の向上に資する可能性があるものといえる。
・ 公開買付者によれば、食に関わるビジネスのあり方やニーズが大きく変化する時代だからこそ、未だ当社を認知していない新たな顧客層・市場にアプローチし、顧客の悩みや課題に寄り添い、当社がお役に立てる機会を拡大できる大きなビジネスチャンスがあると認識していると同時に、認知度の向上やブランド戦略の確立、並びに、ニーズの変化をとらえた商品開発やマーケティング戦略の確立が必要であり、また、これらを実現していくための専門分野に精通した人材の獲得やDX(デジタル・トランスフォーメーション)投資、並びに、中長期的な視点でのジーエフシーという会社自身や商品への顧客ロイヤリティの更なる向上のため、グループ力強化に向けた商品開発におけるシステム投資やブランディング推進に向けた人材及び広告への投資が必要であると認識に至ったとのことである。
・ 公開買付者によれば、そして、当社が今後もさらに成長するためには、具体的な時期や内容については決まっていないものの、将来的に純粋持株会社に移行するとともに、当社の各事業会社が迅速な意思決定と環境の変化に機動的かつ柔軟に対応できる経営体制を構築し、中長期的な視点で事業構造の抜本的な改革の実施と、M&Aを含めた新規領域の創造・開拓が必要であると考えている。具体的には(ⅰ)長期的な視点での事業構造の抜本的改革、(ⅱ)ブランド再構築と競争力の強化、(ⅲ)グローバル事業の強化と商品の拡充、(ⅳ)新規事業領域の創造・開拓、(ⅴ)人材育成と次期経営者候補の育成及び(ⅵ)事業環境の変化に対応したDXの推進の施策を実施することが必要であると考えており、これらの施策を通じて当社のさらなる成長をもたらすことができるとのことである。
・ 当社によれば、(ⅰ)長期的な視点での事業構造の抜本的改革について、当社は、さらなる成長を遂げる上で、各事業会社が環境の変化に対する機動的かつ柔軟な対応を実現できるような経営体制を構築する必要があると考えている。
・ 当社によれば、(ⅱ)ブランド再構築と競争力の強化について、当社は、「板前を陰で支える黒子」を脱却し、当社を認知していない新たな市場に進出して当社が飛躍するためには、ブランド戦略の確立とそれを支える先行投資が必要であると考えている。
・ 当社によれば、(ⅲ)グローバル事業の強化と商品の拡充について、当社は、グローバル事業を拡大するためには、新たな進出地域での拠点開設だけでなく現地ディストリビューターのM&A推進並びに海外からの調達力強化と製造拠点確立に向けた投資や現地メーカーのM&A等の施策が必要であると考えている。
・ 当社によれば、(ⅳ)新規事業領域の創造・開拓について、当社は、当社のさらなる発展のためには、純粋持株会社への移行と共に赤字や減損を厭わず新規事業に挑戦できる体制を構築し、機動的なM&Aの実施や国内外の他企業との連携した取り組みが必要であると考えている。
・ 当社によれば、(ⅴ)人材育成と次期経営者候補の育成について、当社は、人的資本への投資は短期的には成果・結果が出ず、費用対効果を測りにくいが、この仕組みづくりが当社の成長の基盤を強化することにつながると考えている。
・ 当社によれば、(ⅵ)事業環境の変化に対応したDXの推進について、当社は、顧客接点のあり方やメーカー連携のあり方の改革、並びに、生産性の向上と省人化のための改革が必要であり、当社内システムを大胆かつ早期に刷新する必要があると考えている。
・ 公開買付者の考える(ⅰ)乃至(ⅵ)の各施策は、前述した当社の経営課題を的確に捉えており、当社の認識及び中長期的な経営方針とも整合的である。また、創業者一族であり当社の現代表取締役として当社グループの経営について最も深く理解している西村氏が今後も経営に関与し、所有と経営が一体化した形で柔軟かつ機動的な経営判断が行われることを踏まえると、各施策の実現可能性を否定するに足る事情もない。
・ 公開買付者によれば、(ⅰ)乃至(ⅵ)の各施策は、中長期的な企業価値向上を見込むことができる一方で、各種施策を推進していくにあたっては、経営資源を短期間で集中的に投下し、多額の先行投資が発生する。多額の先行投資の発生は、一時的に収益及びキャッシュ・フローが悪化することを否定できず、短期的には、当社業績や財務状況に大きな影響を与えるリスクがあり、当社が上場を維持したまま各種施策を実施した場合には、資本市場から十分な評価を得ることができず当社株価が下落し、株主価値を毀損する可能性があるとの考えに至ったとのことである。
・ また、当社としても、公開買付者と同様に考えており、当社が上場を維持したままこれらの施策を実施した場合、株価の下落や配当の減少等、当社の既存株主の皆様の利益を損なう可能性があると考えられるため、当社が上場を維持したままでこれらの施策を実施することは困難であると考えているとのことである。
・ 以上の点に鑑みると、上場を維持したままでの大胆な事業変革等のほかの手法によらず、本取引による企業価値向上の実現を目指すという判断は、合理的なものと考えられる。
・ 公開買付者及び当社によれば、本取引により、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなる可能性が考えられる。しかしながら、現在当社はエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込んでおらず、事業から生じるキャッシュ・フローや金融機関からの借入れにより、資金確保は可能であると考えている。
・ また、公開買付者及び当社によれば、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用や知名度の向上による人材の確保及び取引先との取引等に影響を及ぼす可能性が考えられる。しかしながら、1997年9月に日本証券業協会に株式を店頭登録して以来、今日に至るまでに上場による上場会社として様々なメリットを享受してきた中で、当社のブランド力や取引先に対する信用力はおよそ確保できていること並びにこれまでの事業活動を通じて地域のお客様・お取引先様・従業員に対する信用力及び知名度は既に確保できていると考えている。
・ さらに、公開買付者及び当社によれば、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用や知名度の向上による人材の確保及び取引先との取引等に影響を及ぼす可能性が考えられる。公開買付者によれば、当社株式の非公開化後も、既存の従業員の雇用は維持を前提とし、上記(ⅴ)の施策以外に従業員への処遇や人事政策の見直しを想定していないとのことであること、取引先その他ステークホルダーとの協力関係について今後も継続したいとのことである。
・ なお、当社によれば、近年のコーポレートガバナンス・コードの改訂、資本市場に対する規制の強化等により、株式上場を維持するために必要な人的・金銭的コストは増加を続けており、当社としては、これらのコストが当社の経営推進上の大きな負担となる可能性も否定できないと考えている。本取引により、上場維持に係るコストが削減され、公開買付者の提示する各施策を実施でき、結果として長期的な視点での企業価値の向上を図ることが可能となるとのことである。
・ 以上の点及びこれに関する当社との間の質疑応答等の内容に鑑みると、デメリットは極めて限定的であり、本取引による当社の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものは特に見受けられない。むしろ、本取引により株式上場を維持するために必要な人的・金銭的コストが削減され、公開買付者の提示する各施策を実施でき、結果として長期的な視点での企業価値の向上を図ることが可能となる。
(イ) 取引条件の公正性・妥当性(諮問事項2.関係)
以下の点を踏まえると、本取引の交渉状況やスキーム等の妥当性を前提に、本公開買付価格については、その妥当性が認められる。また、本取引においては、一般株主が本公開買付け又は当社の株主を公開買付者及びニシムラのみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)のいずれによって対価を得たとしても、当社株式1株当たり本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されていることから、本取引の条件の公正性・妥当性は確保されていると認められる。
・ 本取引における本公開買付価格の合意は、当社と公開買付者との間において、実質的にも独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた交渉の結果なされたものであることが推認され、合意プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらない。
・ 本事業計画については、その策定プロセスに、公開買付者の圧力が介在した事実は認められず、また、その内容において不合理な予測となっている点は認められない。
・ デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーが作成した本株式価値算定書について、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対するヒアリング等によれば、市場株価法及びDCF法の選択、並びにそれぞれの算定方法及び算定根拠について、いずれも不合理な点は見当たらず、本特別委員会は、当社株式の株式価値の検討に当たり、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーが作成した本株式価値算定書に依拠することができるものと評価した。その上で、本公開買付価格である1株当たり2,020円は、市場株価法に基づく算定レンジの上限を上回り、DCF法による算定結果のレンジの範囲内に入る価格であると認められ、本公開買付価格は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーにより算定された当社株式の株式価値との比較の観点からしても、一般株主にとって不利益ではない水準に達していると考えられる。
・ なお、本公開買付価格は、当社の2024年12月31日現在の連結簿価純資産額から算出した1株当たり連結簿価純資産額(3,124円)を下回っているものの、仮に当社が事業の清算を行う場合、現金及び預金並びに有価証券は換金が可能である一方で、棚卸資産を一括処分や転売する場合は相応の減価が想定されること、本社や営業所の土地・建物については含み損を有していると考えられ、さらに、簿価により売却することは困難であり、また、不動産鑑定費用に加えて建物の解体費用等が必要になると考えられること、及び、清算に伴う様々な追加コストの発生が見込まれること等を考慮すると、簿価純資産額と同額で換価されるわけではなく、1株当たり連結簿価純資産額が当社株式の公正価値の最低価格になるという考え方は採用し難く、また、簿価純資産額は将来の収益性を反映するものではないため、事業の清算を前提とした評価手法を重視することは継続企業である当社の株式価値算定において合理的ではないと考えられる。
・ また、本取引においては、他の同種案件と比較して、過去事例のプレミアムの水準と概ね近接しており遜色がなく、上記のとおり一定のプレミアムが確保されていると認められること及び本公開買付価格は当社のこれまでの株価推移に照らしてもその上場来最高値である1,802円を超える水準にあることを勘案すれば、本公開買付価格の水準は、不合理とはいえない。
・ 本取引においては、一段階目に公開買付けを行い、二段階目に株式併合を行うという手法が想定され、株式交換等の組織再編によることは想定されていない。本取引の手法は、この種の非公開化取引においては一般的に採用されている方法であり、かつ、二段階目の手続においても、裁判所に対する株式買取請求後の価格決定の申立てが可能である。また、本取引の方法は、株主が受領する対価が現金であることから、対価の分かり易さ、並びにその価値の安定性及び客観性が高いという点で望ましく、当社の非公開化を迅速に行うという要請と、一般株主等による十分な情報に基づく適切な判断の機会と時間の確保を両立させることができるという観点でも、特に株式等を対価とする株式交換等の組織再編よりも望ましいと考えられる。買収の方法として公開買付けを伴う二段階買収の方法を採用し、買収対価を現金とすることには、合理性が認められる。
・ 当社は、2025年1月30日付で、当社の2025年3月期に係る通期連結業績予想について下方修正を行う予定である。もっとも、当該業績予想の下方修正は、2025年3月期第3四半期末時点における業績状況を踏まえた判断が中心的であり、その他当該業績予想の下方修正について、本取引により当社の少数株主に交付される対価を不当に引き下げることを企図して行われたことが疑われる事情も見当たらない。したがって、当該下方修正が行われたことをもって、本公開買付価格の妥当性が否定されることにはならないものと考えられる。
(ウ)本取引における手続の公正性(諮問事項3.関係)
以下の点を踏まえると、本取引では、(ⅰ)取引条件の形成過程において実質的にも独立当事者間取引といえる状況が確保され、(ⅱ)一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という視点から見ても充実した公正性担保措置が採用され、かつ、実効性をもって運用されていると認められるから、結論として、本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
・ 当社及び公開買付者並びに本取引の成否から独立し、当社の監査等委員であり独立社外取締役で構成される特別委員会を設置しており、その設置時期、権限等からみても、特別委員会が公正性担保措置として有効に機能していると認められる。
・ 当社は、公開買付関連当事者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから、当社株式の株式価値に関する資料として本株式価値算定書を取得している。
・ 当社は、公開買付関連当事者及び当社から独立したリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、特別委員会の設置や委員の選定、その他の公正性担保措置に係る助言を受けている。
・ 当社は、2024年11月30日に西村氏から本提案書を受領して以降、本取引に係る当社の検討、交渉及び判断の過程に、西村氏を関与させないこととした上で、公開買付関連当事者からの独立性の認められる当社の取締役3名(苗村彰仁氏、丹羽淳氏及び飯尾照男氏)並びに当社従業員1名のみで構成される検討体制を構築し、本特別委員会とともに、当社と公開買付者らとの間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び当社株式の価値評価の基礎となる当社の事業計画の作成過程に関与し、独立した検討体制を構築している。
・ 当社については、2025年1月30日開催予定の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(監査等委員である取締役を含む取締役合計7名のうち、西村氏を除く取締役6名)の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することが決議される予定である。なお、かかる当社の取締役会決議は、公開買付者が本公開買付け及びその後の一連の手続を実施することにより当社株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われる予定である。加えて、当社の取締役のうち、代表取締役社長である西村氏は、公開買付者の株主かつ代表取締役であり、本公開買付け終了後も継続して当社の経営にあたることを予定していることから、本取引において当社と利益相反のおそれがあることを踏まえて、利益相反の疑義を回避する観点から、当社取締役会における本公開買付けへの意見表明に係る議案の審議及び決議には一切参加しない予定であり、また、本取引に関し、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加していない。当社取締役会は、当社取締役会において本取引に係る意思決定を行うに際して、特別委員会の意見を最大限尊重し、特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないものとすることを決議していることなどを踏まえれば、本取引に関する当社の意思決定の恣意性は排除され、意思決定のプロセスの公正性、透明性及び客観性が確保されているといえる。以上からすれば、当社における意思決定プロセスに、公正性に疑義のある点は見当たらない。
・ 公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日に設定しているとのことである。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の適正性を担保することを企図しているとのことである。なお、本特別委員会は、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェック(本取引の公表前における入札手続等を含む。)については、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するために実施された各種措置の内容、その他本取引における具体的な状況に鑑みて、これを実施しなくとも特段、本取引の公正性が阻害されることはないと判断した。このように、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮している。
・ 本取引では、公開買付届出書及び本意見表明プレスリリースにおいて、本特別委員会に付与された権限の内容、本特別委員会における検討経緯や交渉過程への関与状況、本答申書の内容及び本特別委員会の委員の報酬体系等、本株式価値算定書の概要、本取引の実施に至るプロセスや交渉経緯等について充実した情報開示がなされる予定となっており、当社の株主等に対し、取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な判断材料は提供されていると認められる。
・ 公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、本不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除く。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、本株式併合の方法により、当社株式の全て(ただし、本不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除く。)を取得することを目的として本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているところ、株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定する予定であることが明らかにされていること、株式併合の場合は当社の株主に株式買取請求権及びそれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が確保されていることを踏まえると、強圧性が生じないように配慮がなされていると認められる。
(エ)本取引は少数株主にとって不利益でないと考えられるか(諮問事項4.関係)
本特別委員会としては、諮問事項1.から諮問事項3.までで検討を要請されている事項が、諮問事項4.を検討する際の考慮要素になるものと考えているところ、本特別委員会における検討の結果、諮問事項1.から諮問事項3.までについて、いずれも問題があるとは認められないことは、上記までで述べたとおりである。
以上から、本取引を行うことは、当社の少数株主にとって不利益なものでないと認められる旨の意見を答申する。
(オ)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことの是非(諮問事項5.関係)
本特別委員会としては、諮問事項1.から諮問事項4.までにおいて、本取引の目的の正当性・合理性、本取引に係る取引条件の公正性・妥当性及び手続の公正性が確認され、かつ、本取引を行うことが当社の少数株主にとって不利益なものでないことが確認されることにより、諮問事項5.を是認する理由になるものと考える。そして、本特別委員会における検討の結果、諮問事項1.から諮問事項4.までについて、いずれも問題があるとは認められないことは、上記までで述べたとおりである。
以上から、当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことは相当であると認められる旨の意見を答申する。
② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、西村氏から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付関連当事者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年1月29日付で本株式価値算定書を取得いたしました。また、当社は、当社及び公開買付者において、本公開買付価格の公正性及び本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置等を実施していることを踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の公正性が担保されていると考えた結果、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。なお、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、公開買付関連当事者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、記載すべき重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係るデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対する報酬には、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬の他、本取引の成立等を条件とする成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会において、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの独立性及び専門性に問題がないことが確認されております。
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて、当社株式の1株当たりの株式価値の算定を行いました。
上記の各方式において算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、以下のとおりです。
市場株価法 :1,364円~1,399円
DCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法 :1,948円~2,204円
市場株価法では、2025年1月29日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値1,391円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,365円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,364円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,399円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,364円~1,399円と算定しております。
DCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法では、当社が作成した2025年3月期から2029年3月期までの事業計画に基づく財務予測及び投資計画、並びに一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期第4四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定しております。その際、9.3%~11.3%の割引率を採用しております。また、継続価値の算定については永久成長率法を採用し、0%~1.0%の永久成長率を採用しております。その結果、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,948円~2,204円と算定しております。
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーがDCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法で算定の前提とした当社財務予測の具体的な数値は以下のとおりです。当該財務予測においては、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないものの、大幅なフリー・キャッシュ・フローの変動を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2027年3月期においては、物流設備等への設備投資の実施により、フリー・キャッシュ・フローの減少を見込んでおります。また、2028年3月期においては、引き続き物流設備等への設備投資を実施するものの、商品カタログの作成や展示会への出展等の施策による売上高の成長に伴う増益により、フリー・キャッシュ・フローの増加を見込んでおります。加えて、2029年3月期においては、設備投資が前事業年度に比して減少するため、フリー・キャッシュ・フローの増加を見込んでおります。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味しておりません。
なお、当該財務予測は、上記「①当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会が、その内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。
(単位:百万円)
|
2025年 3月期 (3ヶ月) |
2026年 3月期 |
2027年 3月期 |
2028年 3月期 |
2029年 3月期 |
売上高 |
4,326 |
23,189 |
23,990 |
24,800 |
25,852 |
営業利益 |
△107 |
550 |
678 |
779 |
897 |
EBITDA |
△82 |
746 |
894 |
1,006 |
1,108 |
フリー・キャッシュ・フロー |
1,271 |
23 |
△6 |
64 |
434 |
(注4)デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであること、当社株式の株式価値の算定に重大な影響を及ぼす可能性のある事実でデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、当社の事業計画に関する情報については、西村氏を除く当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの算定は、2025年1月29日までの上記情報を反映したものであります。なお、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの算定は、当社取締役会が当社株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
③ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を確保するために、公開買付関連当事者及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、同事務所から、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付関連当事者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、アンダーソン・毛利・友常法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことが確認されております。
④ 当社における独立した検討体制の構築
当社は、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者らから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。
具体的には、2024年11月30日に西村氏から本提案書を受領して以降、本取引に係る当社の検討、交渉及び判断の過程に、西村氏を関与させないこととした上で、公開買付関連当事者からの独立性の認められる当社の取締役3名(苗村彰仁氏、丹羽淳氏及び飯尾照男氏)並びに当社従業員1名のみで構成される検討体制を構築し、本特別委員会とともに、当社と公開買付者らとの間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び当社株式の価値評価の基礎となる当社の事業計画の作成過程に関与しており、本日に至るまでかかる取扱いを継続しております。
以上の取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)はアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ております。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員である独立社外取締役を含む。)による承認
当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから受けた財務的見地からの助言、本株式価値算定書の内容、西村氏との間で実施した複数回にわたる継続的な協議の内容及びその他の関連資料を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討をいたしました。
その結果、当社は、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、2025年1月30日開催の当社取締役会において、公開買付者が企図する施策の内容は合理的であり、本取引により当社株式を非公開化することが、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであると判断し、本株式価値算定書の算定結果、本公開買付価格のプレミアム水準、西村氏との交渉過程及び本公開買付価格の決定プロセス等に照らし、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年1月30日開催の取締役会において、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。上記の当社取締役会においては、当社の取締役7名のうち、西村氏を除く6名(苗村彰仁氏、丹羽淳氏、飯尾照男氏、葛西良亮氏、岡田昌也氏及び高橋克徳氏)が審議及び決議に参加し、決議に参加した取締役の全員一致により上記の決議を行っております。
なお、かかる当社の取締役会決議は、公開買付者らが本公開買付け及びその後の一連の手続を実施することにより当社株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものです。
加えて、当社の取締役のうち、代表取締役社長である西村氏は、公開買付者の株主かつ代表取締役であり、本公開買付け成立後も継続して当社の経営にあたることを予定していることから、本取引において当社と利益相反のおそれがあることを踏まえて、利益相反の疑義を回避する観点から、当社取締役会における本公開買付けへの意見表明に係る議案の審議及び決議には一切参加しておらず、また、本取引に関し、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
⑥ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
公開買付者は、当社との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っていないとのことです。また、公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日に設定しているとのことです。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の適正性を担保することを企図しているとのことです。なお、上記「①当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェック(本取引の公表前における入札手続等を含みます。)については、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するために実施された各種措置の内容、その他本取引における具体的な状況に鑑みて、これを実施しなくとも特段、本取引の公正性が阻害されることはない旨を判断したとのことです。
4. 本株式併合がその効力を生じる日
2025年5月30日(金)(予定)
以 上