第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)基本方針

当社グループは、「ユーザーニーズ実現企業」として、すべてのステークホルダーとの長期的に安定した共存共栄を目指すことを経営理念に掲げております。企業価値の向上を図り、当社グループを支持していただいている株主、顧客、取引先の皆様の期待にお応えしていくことを目標として、事業活動を展開しております。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、販売を中心とする企業であり、企業の発展と存続を示すものとの観点から、売上高の安定的拡大並びに事業の収益力を示す営業利益、経常利益を指標として重視し、これら指標の継続的向上に努めてまいります。

 

(3)経営環境

当期におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな景気回復が続いております。企業の設備投資は、製造業を中心にコロナ禍や物価高により先送りしてきた更新投資や人手不足に対応するための省人化投資等を背景に、好調に推移しております。特にIT投資については、金融業や製造業を中心に幅広い業種で投資意欲が高い状態にあり、好調に推移しました。2025年は、AIの進化、量子コンピューティングの実用化、サイバーセキュリティの強化など、多岐にわたる技術革新によるテクノロジーの急速な進化により、ビジネスや社会のあり方が大きく変わる転換点となると予測されております。特にAIやクラウドコンピューティングの発展が、企業の競争力や働き方に革命的な変化をもたらすと予測されています。この変革の波に乗れるかどうかが、企業の成長と生存を左右する重要な要素とみられております。

当社グループにおきましては、ソリューション営業の強化、顧客開拓と関係強化、ストックビジネスの強化、セキュリティサービスの開発、子会社との相乗効果の最大化などに注力してまいります。また、業務プロセスの効率化を図り、収益力を向上させ、利益の確保に努めております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

業界のマーケットは縮小傾向にあり、インターネットの価格比較サイト等による商品価格情報の提供やメーカー直販による低価格販売等、コンピュータ及び周辺機器の価格に対する競争は激しさを増しています。

当社グループにおきましては、既存事業の収益力の強化に注力するとともに、市場のニーズに呼応した新たな事業を展開し、これらの新規事業や新たなサービスの早期収益化の体制を構築、業績の向上を目指してまいります。

財務上の対処すべき課題といたしましては、当社グループの安定した財政基盤の維持を前提に、更なる企業価値向上のための自己資産の活用など、当社グループ資産の一層の有効活用を図るとともに、株主への安定的利益還元などにより資本効率の改善を進めてまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 気候変動をはじめとするサステナビリティに関連する重要事項は、CSR推進事務局がその評価及び各マテリアリティについての取り組み進捗を管理しています。CSR推進事務局での審議内容は取締役会へ原則年間1回以上の頻度で報告を行い、取締役会はこの報告に基づいてサステナビリティに関連する諸課題への対応方針を審議いたします。取締役会での決定事項はCSR推進事務局を通して各部門へ指示伝達し、サステナビリティ経営の全社的な統合を図っております。

 

(2)戦略

 気候変動による影響の特定と対応策の検討にあたっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)が公表する各温度帯シナリオを参考に、シナリオ分析の手法を通じて評価管理しています。現在は、産業革命期頃の世界平均気温と比較して2100年頃までに4℃上昇するとする4℃シナリオと、カーボンニュートラルヘの取り組みにより1.5℃~2℃程度に気温上昇が抑制されることを仮定した1.5℃シナリオの2つのシナリオを設定し、それぞれの世界観における2030年時点での当社への影響を、定性的に分析しています。分析結果としては、直接的な影響として異常気象災害に起因した洪水リスクや干ばつをはじめとした物理的影響により、保有する資産の毀損やサプライチェーンの寸断、電気機器部品の供給停止などを評価したほか、原油価格の高騰による輸送コストの上昇も想定しています。脱炭素化の移行に向けては、Scope1排出量0を達成していることから炭素税を始めとしたカーボンプライシングによる直接的影響は軽微と想定しているものの、製品の仕入れ販売という側面では追加支出が想定されるほか、資源循環意識の拡大などから事務用品需要の減退を招く可能性などを認識しています。しかしながら、双方のシナリオ共通の影響として、気候変動による外部環境の変化はお客様のニーズに影響を与え、地球温暖化への適応、脱炭素化への移行の両面で変化するニーズヘの臨機応変な対応と供給網の確保は、当社の事業機会のみならず持続可能な社会の実現に貢献しうる活動の1つであると考えており、事業戦略への統合も見据え検討を開始しています。

 

 人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

 当社グループは、企業理念である「ユーザーニーズ実現企業」を具現化するため、人材を事業活動における重要な資源として、人材の育成と成長が最重要課題であると考え、その取り組みを全社で推進し、その責務を果たすための指針として、人材育成碁本方針を以下のとおり定めます。

1.わたしたちは、人材の育成と教育において、年齢、性別、国籍、宗教、障害、趣味嗜好、その他業務を進めるうえで関係のない不合理な理由によって差別をしません。

2.わたしたちは、定期的に社内における教育研修を実施するとともに、外部における教育研修の場を積極的に活用し、より質の高い有効的な人材の育成をおこなってまいります。

3.わたしたちは、業界知識、職務並びに職責に応じた知識の習得に関する教育はもとより、人材の多様化に即した人材の育成をおこなってまいります。

 また、サステナビリティ基本方針のもと、従業員の心身の健康の維持向上と働きやすい職場づくりが重要であると考え、以下のとおり健康経営に取り組みます。

1.ヘルスリテラシーの向上

経営層が中心となり健康経営に積極的に取り組みます。また、健康に関する教育を実施し、従業員のヘルスリテラシーの向上を目指します。

2.健康増進活動の推進

禁煙実施や運動習慣を身に付けるための支援を行い、従業員の健康を保持·増進する活動を推進します。

3.労働環境の整備

社内制度や職場環境の見直し、さらに健康相談窓口の設置により、従業員が働きやすい環境を整備します。

 

(3)リスク管理

 当社の気候変動をはじめとしたサステナビリティに関するリスクの特定と対策にあたっては、CSR推進事務局がその一連のプロセスを統活管理しています。気候変動リスクの識別評価にあたってはシナリオ分析を通じて特定したリスクを、その他のサステナビリティに関わる諸課題とも相対的に評価した上で取締役会へ報告し、取締役会での決議を得ることとしています。特定された重要リスクについてはCSR推進事務局が事務局となり、対応策の立案や各部門及び各グループ会社へ指示監督、進捗管理を行うことで、リスクの未然防止や栢失の最小化を図っています。

(4)指標及び目標

 2015年のパリ協定の採択、2021年の1.5℃目標の世界的な合意を踏まえ、1.5℃目標の達成は世界的な最優先課題の1つとして捉えています。当社はその目標達成に貢献するため、サプライチェーン全体を通した温室効果ガス排出量の削減を目指し、2030年度の温室効果ガス排出量を2020年度基準で42%削減する目標を設定し、サプライチェーン全体での排出量削減も見据えてScope3の早期把握に取り組んでいます。2030年度に向けた目標設定は国際的団体であるSBTイニシアチブから科学的根拠に基づいた1.5℃水準の野心的な目標設定として認定を受けており、継続的な削減活動に努めていく方針です。

 

人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績

 指標は設けておりませんが、当社グループは事業を通じてのSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて「(2)戦略」に記載した取組等の活動を全社的に推進し、企業の社会的責任を果たすとともに、継続的な企業価値の向上を目指してまいります。

 また、当社では、管理職の登用等にあたり、年齢、性別、社歴等で区分することなく、従業員個々の能力を公正に評価できる評価制度を整備しておりますが、女性、外国人等の区分での管理職の構成比率や人数については定めておりません。適性と意欲のある人材がその能力を最大限発揮できる職場環境の整備に引き続き努めてまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況、財務諸表等に関する事項のうち、当連結会計年度末現在において、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

[特に重要なリスク]

(1)ITサービス事業について

① 価格競争の動向について

 事業の中心であるコンピュータ販売では、法人、個人とも国内市場は飽和状態にあり、代替需要が中心となっております。商品の低価格化も進んでおり、今後、市場全体(販売台数・販売金額)の伸びは緩やかなものにならざるを得ません。その中でインターネットの価格比較サイト等による商品価格情報の提供やメーカー直販による低価格販売により、コンピュータ及び周辺機器の価格に対する競争は激しさを増しています。

 当社グループは、売れ筋商品に限定した在庫を保有し仕入価格を下げることにより、価格優位性を保ち価格競争に巻きこまれることのない経営を行っておりますが、今後のコンピュータ業界の動向によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 在庫商品の陳腐化について

 当社グループは、在庫商品について適切に管理・運用しておりますが、コンピュータのライフサイクルが比較的短いため、保有在庫の陳腐化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 業界動向について

 現在多くのコンピュータ製品は特定のOSに依存しており、OSの仕様変更やサポート体制の見直しが、コンピュータ製品の需要に大きく影響します。また、コンピュータ製品は様々なパーツ(CPU、メモリ、ハードディスク等)で構成されていることから、パーツの供給状況如何によっては、コンピュータ製品の流通量が減少することが考えられます。これらの業界の動向は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)アスクルエージェント事業について

 当社グループは、アスクル株式会社が行っている事務用品の通信販売事業「ASKUL」の代理店業務を行っております。今後、アスクル株式会社の経営方針の変更や市場での競争激化による利益率の低下等によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)特定の仕入先への依存について

当社グループが取扱う商品は、上位数社の仕入先に大きく依存しております。これら上位仕入先とは現在良好な関係を維持しておりますが、何らかの事情により取引が大きく変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)事業投資について

当社グループでは、既存ビジネスの拡大、新たな事業領域への進出等を目的として、事業譲受、M&A、子会社の設立等により組織の変更を行う可能性があります。これらの資金は、自己資金だけでなく、金融機関からの借入金等により賄われる場合もあります。これらの意思決定を行う際には、対象会社の財政状態や経営成績、進出事業のリスク等を慎重に検討し、総合的な判断のもと決定するよう努めておりますが、当該会社の財政状態や経営成績の状況等によって有価証券に評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)大規模な自然災害・感染症等について

当社グループでは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害及び新型コロナウイルスや新型インフルエンザ等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行し、当該地域の事業所の稼働が長期にわたって困難になった場合及び顧客の属する業界に影響を及ぼした場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

[重要なリスク]

(1)オリジナル商品や新製品について

 当社グループのオリジナル商品や当社グループが企画した新商品が、市場の支持を得ることができず、販売計画を大きく下回り収益性を低下させた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)情報システムのトラブルについて

予測不能な事象により基幹システムに障害が発生し、復旧作業に一定時間以上を要する事となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)情報管理について

 当社グループでは業務に関連して多数の企業情報を保有するとともに、個人情報取扱業者として多数の個人情報を保有しております。これらの情報の管理については、社内規程を制定し、定期的に従業員に対する教育を行い、その遵守に努めております。しかしながら、予期せぬ事態により情報が漏洩した場合には、損害賠償請求や社会的信用下落等によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)自然災害について

当社グループは全国に事業所5拠点と東京に物流センター1拠点を設置し事業展開しており、大地震や台風等の巨大な自然災害が発生した場合、各拠点は甚大な被害を受ける恐れがあり、その規模によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)人材の確保について

今後の持続的発展、事業拡大にあたり、人材の確保及び育成は必要不可欠であると考えております。当社グループは、中長期における人材の確保に注力しておりますが、優秀な人材の確保や人材の育成が計画通りに進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)株式価値希薄化について

当社グループはストックオプション制度を採用しており、当社取締役及び使用人に対して新株予約権352,800株相当、潜在株式を含めたシェア3.6%を付与しております。かかる新株予約権は、使用人等の業績向上に対する意欲や士気をより一層高めるものでありますが、新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、新株予約権により取得した株式が市場で売却された場合は、需給バランスに変動を生じ、適正な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな景気回復が続いております。企業の設備投資は、製造業を中心にコロナ禍や物価高により先送りしてきた更新投資や人手不足の問題を解決するための省人化・省力化投資等を背景に、好調に推移しました。特にIT投資については、金融業や製造業を中心に幅広い業種で投資意欲が高い状態にあり、好調に推移しました。

 このような経済環境のもと、当社グループにおきましては、ソリューション営業の強化、顧客開拓と関係強化、ストックビジネスの強化、セキュリティサービスの開発、子会社との相乗効果の最大化などに注力してまいりました。また、業務プロセスの効率化を図り、収益力を向上させ、利益の確保に努めてまいりました。

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は12,409,590千円(前連結会計年度比8.9%増)、経常利益239,630千円(前連結会計年度比89.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は218,420千円(前連結会計年度比176.7%増)となりました。

 各セグメント別の営業の概況は次のとおりであります。

(ITサービス事業)

 ITサービス事業においては、堅調な企業収益を背景に、法人市場では幅広い業種でIT分野での投資意欲は高い状態が継続いたしました。また、2025年10月に予定されているWindows10の延長サポートの終了に合わせた買い換え需要が徐々に顕著化しているほか、コロナ禍でのテレワークの促進に合わせて導入されたノートPCの買い換えや、新たに登場しているAI PCへの関心の高まりなどにより、法人向けパソコンについては、直近6か月連続で、出荷台数、出荷金額ともに前年を上回り、好調に推移いたしました。

 このような環境のもと、当社グループでは、企業のIT部門が直面する課題を解決するため、お客様に代わりPCやサーバーの調達、設置、設定、セキュリティ対策、運用管理などをサポートする情報システムサービスを「ビジネスコアネクスト」と名付けブランド化し、業界を問わず中小企業から大企業まで幅広い支援に注力してまいりました。

 売上高は、パソコンをはじめとしたハードウエア機器販売の出荷台数が昨年度を大きく上回ったことで、好調に推移いたしました。利益につきましては、増収に伴う売上総利益の増加により、好調に推移いたしました。

 その結果、売上高は10,967,537千円(前連結会計年度比9.6%増)、営業利益は483,125千円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。

(アスクルエージェント事業)

 従来型オフィス用品(オフィス家具等)に対する需要の伸び悩みや中小企業の需要回復の遅れがあるものの、日用品関連が引き続き好調を持続し、また、優良顧客の開拓及びインターネット広告を活用した顧客の流入拡大や取引先の稼働促進など営業活動を強化したことで、売上高は、前年同期に対し、順調に推移いたしました。利益につきましては、販売費が前年に比べ減少したことなどもあり、好調に推移いたしました。

 その結果、売上高は1,381,090千円(前連結会計年度比2.5%増)、営業利益は480,074千円(前連結会計年度比49.3%増)となりました。

(その他)

 当社グループは、就労移行支援事業を運営しており、一般企業への就職を目指す障害のある方を対象に職業訓練・就労支援に関するサービスの提供を行っております。ハローワーク、相談支援事業所に対する周知活動やSNSの活用により集客活動を継続的に行うことや、イベント、セミナーなどを実施することで、事業所の認知拡大を図りながら利用者数の確保に努めております。

 その結果、売上高は60,962千円(前連結会計年度比27.5%増)、営業利益は8,079千円(前連結会計年度比222.0%増)となりました。

②財政状態の状況

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、6,768,434千円(前連結会計年度末は6,600,193千円)となり、168,241千円増加いたしました。「現金及び預金」が減少したものの「受取手形及び売掛金」及び「商品」が増加したことが大きな要因であります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は、694,931千円(前連結会計年度末は681,331千円)となり、13,599千円増加いたしました。「投資有価証券」が減少したものの「繰延税金資産」が増加したことが大きな要因であります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、4,097,517千円(前連結会計年度末は3,982,504千円)となり、115,012千円増加いたしました。「短期借入金」が減少したものの「買掛金」が増加したことが大きな要因であります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は、445,381千円(前連結会計年度末は531,707千円)となり、86,326千円減少いたしました。「長期借入金」が減少したことが大きな要因であります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ153,154千円増加し、2,920,467千円となりました。自己資本比率は37.3%から38.5%に増加しました。

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて165,714千円減少し、2,358,821千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は198,288千円(前連結会計年度比195,335千円の資金減)となりました。これは主に、「棚卸資産の増減額」が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は30,748千円(前連結会計年度比40,772千円の資金減)となりました。これは主に、「事業譲受による支出」が発生したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は333,254千円(前連結会計年度比51,124千円の資金増)となりました。これは主に、「短期借入金の増減額」及び「長期借入金の返済による支出」が減少したことによるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、法人向けの販売を中心に事業を営んでおり、生産実績及び受注実績は記載しておりません。

a.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

前年同期比(%)

ITサービス事業(千円)

8,455,689

115.0

アスクルエージェント事業(千円)

その他(千円)

33,359

114.9

合計(千円)

8,489,048

115.0

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

b.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

前年同期比(%)

ITサービス事業(千円)

10,972,138

109.6

アスクルエージェント事業(千円)

1,381,689

102.5

その他(千円)

60,962

127.5

合計(千円)

12,409,590

108.9

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りについては、合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 財政状態

当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

ロ 経営成績

(売上高)

当連結会計年度の業績は、売上高は12,409,590千円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。ITサービス事業は、堅調な企業収益を背景に、法人市場では幅広い業種でIT分野での投資意欲は高い状態が継続いたしました。そのような環境のもと、当社グループにおきましては、企業のIT部門が直面する課題を解決するため、お客様に代わりPCやサーバーの調達、設置、設定、セキュリティ対策、運用管理などをサポートする情報システムサービスを「ビジネスコアネクスト」と名付けブランド化し、業界を問わず中小企業から大企業まで幅広い支援に取り組んでまいりました。その結果、売上高は10,967,537千円(前連結会計年度比9.6%増)となりました。アスクルエージェント事業は、優良顧客の開拓及びインターネット広告を活用した顧客の流入拡大や取引先の稼働促進など営業活動を強化しました。その結果、売上高は1,381,090千円(前連結会計年度比2.5%増)となりました。

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益は、3,378,820千円(前連結会計年度比4.1%増)となりました。売上原価は、9,030,770千円(前連結会計年度比10.8%増)となりました。また、売上高に対する売上原価の比率は前連結会計年度に比べ1.3ポイント増加し、売上総利益率は減少いたしました。

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、3,116,691千円(前連結会計年度比0.3%減)となりました。また、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前連結会計年度に比べ2.3ポイント減少し、25.1%となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は、262,129千円(前連結会計年度比116.0%増)となりました。

(営業外損益及び経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は協賛金収入や保険料収入等で17,637千円(前連結会計年度比35.9%増)、営業外費用は持分法による投資損失等で40,135千円(前連結会計年度比419.7%増)となりました。また、経常利益は239,630千円(前連結会計年度比89.3%増)となりました。

(税金等調整前当期純利益)

 税金等調整前当期純利益は、240,114千円(前連結会計年度比71.5%増)となりました。

(法人税等)

 税金等調整前当期純利益に対する法人税等は、法人税等調整額△76,117千円が発生したことにより、21,694千円(前連結会計年度比64.5%減)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は218,420千円(前連結会計年度比176.7%増)となりました。

 

ハ キャッシュ・フロー

当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの所要資金は、大きく分けて設備投資資金及び運転資金の2つとなっております。基本的には、営業活動によるキャッシュ・フローの増加を中心としながらも、事業拡大に伴う多額のシステム設備投資等の資金需要が生じた場合については長期借入などによって調達を行っております。今後事業の拡大をしていくにあたり、その所要資金については、これまで同様に、営業キャッシュ・フローの枠を基本としつつ、財務安全性や調達コストを勘案の上、資金調達を行ってまいります。

 また、運転資金については、営業活動により得られるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入による資金調達を基本としております。なお、当社グループは、運転資金の効率的かつ安定的な調達を行うため、複数の取引銀行と当座貸越契約を締結し、急な資金需要の不測の事態にも備えております。また、長期借入については、将来の金利上昇リスクをヘッジするため、主に固定金利での調達を行っております。

 

⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について

2024年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。

売上高は計画比90百万円減(0.7%減)となりました。主力のITサービス事業においては、堅調な企業収益を背景に、法人市場では幅広い業種でIT分野での投資意欲は高い状態が継続していることなどで、売上、利益は堅調に推移いたしました。アスクルエージェント事業においても、従来型オフィス用品(オフィス家具等)に対する需要の伸び悩みや中小企業の需要回復の遅れがあるものの、日用品関連が引き続き好調を持続し、売上、利益は堅調に推移いたしました。また、子会社各社の業績についても概ね順調に推移いたしました。

営業利益は営業組織を機能別に分けることで統制レベルの向上を図り営業体制の強化に取組みました。また、新規顧客開拓の選任部隊により顧客数拡大を図ることで販売効率を改善、稼働顧客数の増加に取組んだことで、12百万円増(4.9%増)となりました。経常利益につきましては、2024年12月期第2四半期において、持分法による投資損失(33百万円)を営業外費用への計上もあり、10百万円減(4.1%減)となりました。

 

指標

2024年度(修正後計画)

2024年度(実績)

2024年度(計画比)

売上高

12,500百万円

12,409百万円

△90百万円(99.3%)

営業利益

250百万円

262百万円

12百万円(104.9%)

経常利益

250百万円

239百万円

△10百万円(95.9%)

 

指標

2024年度(当初計画)

2024年度(実績)

2024年度(計画比)

売上高

11,800百万円

12,409百万円

609百万円(105.2%)

営業利益

152百万円

262百万円

110百万円(172.5%)

経常利益

152百万円

239百万円

87百万円(157.7%)

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 株式取得による持分法適用関連会社化

 当社は、2024年3月14日開催の取締役会において、株式会社No.1の連結子会社である株式会社No.1デジタルソリューションの第三者割当増資により発行される株式を引き受けることを決議し、2024年3月22日付で株式を取得しました。

 これにより株式会社No.1デジタルソリューションは当社グループの持分法適用関連会社となりました。

 株式取得による企業結合

 当社は、2024年8月1日に司コンピュータ株式会社と株式譲渡契約を締結し、同日同社の全株式を取得し、完全子会社といたしました。

 

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。