当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社は、これまでにない新しい抗がん薬を、一日でも早く患者のもとに届けることで、『Tomorrow is Another day~明日に希望を感じる社会~』を実現することを目指しています。具体的には、アンメットメディカルニーズの高いがん領域に特化した創薬研究を進めており、これまでにない新しい作用機序を有する低分子の画期的医薬品(ファーストインクラス)の研究開発を行っています。ファーストインクラスの医薬品は、既存治療薬と異なる有用性を示すことが期待され、これまでの治療法を大きく変えることができる医薬品に成長する可能性があります。特に既存治療薬では十分な効果が認められず、現在のがんの進行に不安を感じている多くの患者に対して、がんの進行をコントロールできるという希望を届けることを目標に事業の推進を行って参りました。
当中間会計期間におけるわが国経済は、物価や金利の上昇を伴った穏やかな景気回復基調を維持しつつも、主要先進国での政権交代に代表される政治的不安定性やウクライナや中東での紛争の継続、さらには米国の通商政策の不確実性等から、引続き先行きの不透明な状況が続いております。 当社が属する医薬品・バイオ業界は、本邦においては創薬力の向上を目指した創薬エコシステムの構築に政府の支援が入るなどの追い風もありますが、薬価改定制度の不透明性に対する提言が大手グローバル製薬企業から出されている状況です。
このような環境のなかで、当中間会計期間においては、CLK阻害薬CTX-712、国際一般名称はrogocekib(以下、rogocekibという。)を中心とした5つのパイプラインの研究開発は順調に進捗しております。
rogocekibについては、現在実施している米国における血液がんでの第1/2相臨床試験の第1相パートは順調に推移しており、2024年11月末時点での25症例から当第2四半期において4症例が追加され、2025年2月末時点では合計29症例が登録されています。現在は更なる試験の進捗に向けた活動を行っているところです。なお、rogocekibは、2025年1月に米国食品医薬品局(FDA)からオーファンドラッグ指定(Orphan Drug Designation: ODD)を受けました。この指定を受けることで、承認時申請手数料の免除や承認後最長7年間のデータ保護、税制優遇等の様々な支援を受けることができます。このことは、商用化へ向けた活動が一つ前進をしたものと当社では認識しています。
MALT1阻害薬CTX-177(以下、CTX-177という。)については、2020年12月に小野薬品工業株式会社と締結したライセンス契約に基づき、同社において臨床試験を着実に進めて頂いており、現在は、米国及び日本において再発又は難治性の非ホジキンリンパ腫もしくは慢性リンパ性白血病の患者を対象に第1相臨床試験を実施頂いているところです。
現在非臨床段階にあるCDK12阻害薬CTX-439(以下、CTX-439という。)については、臨床試験開始に向けての安全性試験や治験原薬の製造を終え、自社研究とAMED等からの助成金を活用して次のフェーズの準備を進めているところです。また、CTX-439及びGCN2阻害薬(以下、GCN2という。)については、自社での研究開発の推進に加えて、研究リソースをrogocekibに注力している現状に鑑み、早期のパートナリングも含めた幅広い可能性の検討も前向きに行っております。
当社が保有する特許については、rogocekibの物質特許では、現在51カ国で登録済み、CTX-177の物質特許では、4カ国で追加登録されて、現在15カ国で登録済み、CTX-439の物質特許では、45カ国で追加登録されて、現在49カ国で登録済み、GCN2の物質特許では、20カ国で追加登録されて、現在25カ国で登録済みとなっています。
以上の結果、当中間会計期間の事業収益は該当ありませんでした(前年同中間期も該当なし)。事業費用につきましては、研究開発費が799百万円(前年同中間期比19.2%増)、その他の販売費及び一般管理費が196百万円(前年同中間期比41.9%増)となりました。
この結果、営業損失は996百万円(前年同中間期は809百万円の損失)、経常損失は975百万円(前年同中間期は801百万円の損失)、中間純損失は976百万円(前年同中間期は802百万円の損失)となりました。
なお、当社は医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の経営成績を記載しておりません。
また、当社の財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当中間会計期間末における資産合計は3,451百万円となり、前事業年度末と比較して1,180百万円減少しました。このうち、流動資産の残高は3,426百万円となり、前事業年度末と比較して1,178百万円減少しました。これは主として、現金及び預金が1,053百万円減少したことによるものであります。また、固定資産の残高は24百万円となり、前事業年度末と比較して2百万円減少しました。
(負債)
当中間会計期間末における負債合計は204百万円となり、前事業年度末と比較して266百万円減少しました。このうち、流動負債の残高は204百万円となり、前事業年度末と比較して266百万円減少しました。これは主として、未払金が265百万円減少したことによるものであります。また、固定負債は該当ありません。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産合計は3,246百万円となり、前事業年度末と比較して914百万円減少しました。これは主として、中間純損失の計上により利益剰余金が976百万円減少したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,276百万円となり、前事業年度末から1,053百万円減少しました。当中間会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において営業活動に使用した資金は1,114百万円(前年同中間期使用した資金は1,052百万円)となりました。これは主に、税引前中間純損失975百万円の計上、未払金の減少265百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において投資活動に使用した資金は0百万円(前年同中間期使用した資金は0百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において財務活動により獲得した資金は61百万円(前年同中間期は該当なし)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入61百万円によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当社の研究開発活動における当中間会計期間の研究開発費は799百万円となりました。また、当中間会計期間においては、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」を参照ください。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は増資により資金調達しております。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。