第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものです。

 

(1) 業績の状況

当中間会計期間における当社の経営成績は、次の表のとおりです。

 

前中間会計期間

(自 2023年9月1日

2024年2月29日)

当中間会計期間

(自 2024年9月1日

2025年2月28日)

対前年同期比

(増減額)

対前年同期比

(増減率)

売上高

5,030,419千円

5,744,096千円

713,677千円

14.2%

営業利益

1,080,171千円

1,021,990千円

△58,180千円

△5.4%

経常利益

1,078,590千円

1,058,570千円

△20,019千円

△1.9%

中間純利益

746,427千円

731,749千円

△14,678千円

△2.0%

 

 

当社は当中間会計期間において、主力商品の『ほぼ日手帳 2025』を例年通り2024年9月1日より、4月はじまり版の『ほぼ日手帳 2025 spring』を2025年2月1日より販売開始しました。

「ほぼ日手帳」においては幅広いユーザーの手にとってもらえるような新たなブランド、IPやアーティストとのコラボレーションをこれまでも実施してきましたが、2025年版では、2024年版に引き続き『ONE PIECE magazine』やイラストレーターの北岸由美さん、新たにTVアニメ『SPY×FAMILY』や「パディントン™」をはじめとした、多種多様なコラボレーションが実現しています。また、カバーや下敷き、シールなど周辺文具の拡充を進め、2025年版は新作アイテムが手帳と文具あわせて350以上となる過去最大のラインナップとなりました。

販路については、直販ECサイト「ほぼ日ストア」のみならず、Amazon(国内・海外)や楽天市場、天猫国際など外部ECサイトでの取扱を拡充するほか、国内外の取組先への卸販売を通して、より多くのユーザーが普段利用する場所で「ほぼ日手帳」を購入できる環境を構築しています。また、ニューヨークやロンドンなどの海外主要都市にて現地ユーザーとの交流イベント「ほぼ日手帳ミーティングキャラバン」を開催し、販売拡大が続く海外販路におけるプロモーションを強化しました。

結果として、「ほぼ日手帳」の国内売上高は1,828,880千円(前年同期比9.8%増)、海外売上高は2,364,463千円(前年同期比19.0%増)と国内外ともに伸長し、国内外合計で4,193,344千円(前年同期比14.8%増)となりました。海外売上高の構成比率は56.4%(前年同期比2.0pt増)と増加しました。当中間会計期間までの2025年版の販売部数は88万部となり、過去最高の販売部数となった2024年版の90万部に迫る状況となっています。

 

 


 

「ほぼ日手帳」以外の商品については、売上高は1,157,171千円(前年同期比11.7%増)となりました。8回目の実施となるコンテンツのフェスティバル「生活のたのしみ展」を1月9日から新宿で開催しました。「MOTHERのBAZAAAAR!!」をはじめとする人気プロジェクトの出展だけでなく、「石田ゆり子さんがいっしょに暮らすものたち」など他には無い品揃えを実現した新企画も含めて57店舗が出展し、販売総額は過去最大となりました。また、ファッション関連商品の売上が減少した一方、新しく立ち上げたオリジナルアパレルブランド「Taonaus」や、キャンプのブランド「yozora」、「ほぼ日のホワイトボードカレンダー」などが好調に推移しました。「ほぼ日曜日」では、『MOTHER2』発売30記念イベント「『MOTHER2』のひみつ。」、過去最高となる約20,000人のお客さまにご来場いただいたかくれんぼ絵本「ミッケ!」を体験できる展覧会、全国から70種以上のご当地アイスを取り寄せた「冬なのにご当地アイスまつり」などが大きな注目を集め、来場者数・売上金額ともに前年同期比で増加しました。

これらの結果、売上高は5,744,096千円(前年同期比14.2%増)となりました。

売上原価については、「ほぼ日手帳」の原価率は31.4%(前年同期比1.1pt減)と改善している一方、「ほぼ日手帳」以外の原価率は52.1%(前年同期比5.3pt増)と上昇したため、全体の売上原価率は37.0%(前年同期比0.5pt増)となりました。

販売費及び一般管理費については、「生活のたのしみ展」による一時的な費用が発生したほか、海外直営販路での売上増加に伴う販売費用上昇などにより増加しました。

その結果、当中間会計期間の営業利益は1,021,990千円(前年同期比5.4%減)、経常利益は1,058,570千円(前年同期比1.9%減)、中間純利益は731,749千円(前年同期比2.0%減)となりました。なお、委託先からの受取補償金35,776千円を営業外収益として計上しています。

その他の事業活動として、糸井重里が自身の手がけた広告コピーについて語る「まずは状況から話そうか。糸井重里のコピー 10 」、お笑い文化に関する対談「NON STYLE石田明さんと、『お笑い』の話を。」などのコンテンツを、「ほぼ日刊イトイ新聞」では読みものコンテンツとして、「ほぼ日の學校」では動画コンテンツとして展開しました。また、「TOBICHI」では、さまざまなイベントの開催のみならず、「ほぼ日手帳」をはじめとする商品を実際に手に取れる場所として来店者数と売上金額が増加し、インバウンドの来店者数は前年同期比で倍以上の規模に大きく増加しました。このように、当社は運営する「場」において、生活のたのしみとなるような「いい時間」を過ごしていただけるよう、コンテンツを作り、編集し届けています。業績はこうしたすべての活動の結果だと考えています。

なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

 

(2) 財政状態の分析

資産、負債及び純資産の状況

 

前事業年度

(2024年8月31日)

当中間会計期間

(2025年2月28日)

前事業年度末比増減

資産合計

6,492,759千円

6,544,402千円

51,642千円

負債合計

1,969,229千円

1,400,172千円

△569,056千円

純資産合計

4,523,530千円

5,144,230千円

620,699千円

 

 

(資産の部)

流動資産は、4,679,696千円と前事業年度末に比べて20,720千円の減少となりました。これは主に商品の減少753,330千円、売掛金の減少675,471千円、仕掛品の減少51,993千円、現金及び預金の増加1,480,755千円によるものです。

有形固定資産は、247,375千円と前事業年度末に比べて18,457千円の減少となりました。これは主に減価償却による減少24,314千円、工具、器具及び備品の取得による増加4,566千円によるものです。

無形固定資産は、752,668千円と前事業年度末に比べて65,043千円の増加となりました。これは主に自社システムなどのソフトウエア取得による増加288,553千円、ソフトウエア仮勘定の減少137,420千円、ソフトウエアの減価償却による減少85,555千円によるものです。

投資その他の資産は、864,662千円と前事業年度末に比べて25,777千円の増加となりました。これは主にその他に含まれる長期前払費用の増加13,745千円、保証金の増加11,646千円、繰延税金資産の増加11,590千円、投資有価証券の時価評価額の減少11,205千円によるものです。

(負債の部)

流動負債は、1,163,910千円と前事業年度末に比べて577,354千円の減少となりました。これは主に買掛金の減少1,086,577千円、未払法人税等の増加303,876千円、未払金の増加156,499千円によるものです。

固定負債は、236,261千円と前事業年度末に比べて8,298千円の増加となりました。これは主に退職給付引当金の増加10,078千円によるものです。

(純資産の部)

純資産の部は、5,144,230千円と前事業年度末に比べて620,699千円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加627,341千円、その他有価証券評価差額金の減少8,023千円によるものです。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間会計期間における現金及び現金同等物は2,675,349千円と前事業年度末と比べ1,480,755千円の増加となりました。

当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。

 

前中間会計期間

(自 2023年9月1日

2024年2月29日)

当中間会計期間

(自 2024年9月1日

2025年2月28日)

対前年同期比

(増減額)

営業活動による

キャッシュ・フロー

1,472,993千円

1,816,483千円

343,489千円

投資活動による

キャッシュ・フロー

△152,594千円

△228,294千円

△75,699千円

財務活動による

キャッシュ・フロー

△105,239千円

△103,838千円

1,401千円

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,816,483千円の純収入となりました。これは主に税引前中間純利益1,058,570千円、売上債権の減少額675,471千円、棚卸資産の減少額805,324千円、減価償却費142,410千円、未払又は未収消費税等の増加額129,794千円による増加要因と、仕入債務の減少額1,086,577千円、賞与引当金の減少額54,247千円、法人税等の支払額42,935千円による減少要因によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、228,294千円の純支出となりました。これは主に無形固定資産の取得に162,522千円、長期前払費用の取得に48,273千円支出したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、103,838千円の純支出となりました。これは主に配当金の支払額104,135千円によるものです。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間会計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。