1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名称   株式会社TBSホールディングス

所在地  東京都港区赤坂5丁目3番6号

 

2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

(1)普通株式

(2)新株予約権(下記①から⑧の新株予約権を総称して、以下「本新株予約権」といいます。)

① 2019年5月28日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第2回新株予約権(以下「第2回新株予約権」といいます。)(行使期間は2019年9月1日から2029年8月31日まで)

② 2019年5月28日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第3回新株予約権(以下「第3回新株予約権」といいます。)(行使期間は2021年5月29日から2029年5月28日まで)

③ 2019年10月24日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第4回新株予約権(以下「第4回新株予約権」といいます。)(行使期間は2021年10月25日から2029年10月24日まで)

④ 2019年10月24日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第5回新株予約権(以下「第5回新株予約権」といいます。)(行使期間は2019年12月1日から2029年11月30日まで)

⑤ 2022年4月28日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第6回新株予約権(以下「第6回新株予約権」といいます。)(行使期間は2024年4月29日から2032年4月28日まで)

⑥ 2023年6月23日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第7回新株予約権(以下「第7回新株予約権」といいます。)(行使期間は2025年6月24日から2033年6月23日まで)

⑦ 2023年6月23日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第8回新株予約権(以下「第8回新株予約権」といいます。)(行使期間は2025年6月1日から2030年5月31日まで)

⑧ 2024年6月27日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第9回新株予約権(以下「第9回新株予約権」といいます。)(行使期間は2026年6月28日から2034年6月27日まで)

 

3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1)本公開買付けに関する意見の内容

 当社は、2025年4月10日開催の取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明すること、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けを実施した場合における当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)である502円は、当社の少数株主に投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があるものの、少数株主に対し本公開買付けへの応募を積極的に推奨すべきとまではいえないことから、本公開買付けに応募するか否かについては中立の立場をとった上で、当社株主の皆様のご判断に委ねること、本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様に対しては、本公開買付けにおける本新株予約権の買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)が1円とされていることから、本公開買付けに応募するか否かについて、当該本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。

 なお、上記取締役会決議は、下記「(6)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。

 

(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

 

① 本公開買付けの概要

 公開買付者は、2025年4月10日開催の取締役会決議により、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)グロース市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みます。)及び本新株予約権の全てを取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。本書提出日現在、公開買付者は、当社株式及び本新株予約権を所有していないとのことです。なお、本新株予約権は、当社の役職員又は社外協力者に対してストックオプションとして発行されたものであり、新株予約権の行使時においてもこれらの本新株予約権の所有者が当社若しくは当社関係会社(なお、当社は2025年4月10日現在親会社又は子会社を有しておりません。)の取締役、監査役、従業員又は(第5回新株予約権について)社外協力者の地位を有していることが権利行使の条件とされており、公開買付者が本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないことから、本新株予約権買付価格は1個当たり1円としているため、本新株予約権者の皆様が、本新株予約権を行使することによって交付される当社株式ではなく、本新株予約権を本公開買付けに応募されることは想定していないとのことです。

 本公開買付けに際して、公開買付者は、2025年4月10日付で当社の代表取締役社長であり、主要株主かつ筆頭株主(2025年4月10日現在)でもある大淵亮平氏(所有株式数:1,125,900株、所有割合(注1):14.46%、所有新株予約権:9,800個(目的となる当社株式の数:294,000株、所有割合:3.77%)(合計所有株式数:1,419,900株、所有割合:18.23%)、以下「大淵氏」といいます。)及び当社の代表取締役であり、主要株主かつ第2位株主(2025年4月10日現在)でもある垣内勇威氏(所有株式数:826,200株、所有割合:10.61%、所有新株予約権:4,600個(目的となる当社株式の数:138,000株、所有割合:1.77%)(合計所有株式数:964,200株、所有割合:12.38%)、以下「垣内氏」といいます。)との間で、公開買付応募契約書(以下「本応募契約」といいます。)を締結し、大淵氏及び垣内氏が所有する当社株式(合計:1,952,100株、所有割合25.06%)及び新株予約権(合計:14,400個(目的となる当社株式の数:432,000株、所有割合:5.55%))(合計所有株式数:2,384,100株、所有割合:30.61%))の全て(以下これらを総称して「応募予定株式等」といいます。)について、本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです。本応募契約の詳細については、下記「(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

 

(注1) 「所有割合」とは、①当社が2025年4月10日に公表した「2025年2月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2025年2月28日現在の当社の発行済株式総数(7,144,090株)に、②当社から2025年2月28日現在残存するものと報告を受けた第2回新株予約権17,200個(目的となる株式数:516,000株)、第3回新株予約権2,625個(目的となる株式数:78,750株)、第4回新株予約権250個(目的となる株式数:7,500株)、第5回新株予約権100個(目的となる株式数:3,000株)、第6回新株予約権6,000個(目的となる株式数:6,000株)、第7回新株予約権9,000個(目的となる株式数:9,000株)、第8回新株予約権15,000個(目的となる株式数:15,000株)及び第9回新株予約権9,000個(目的となる株式数:9,000株)の合計59,175個(注2)の目的となる株式数(合計644,250株)を加えた株式数(7,788,340株)(以下「当社潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に占める割合をいいます(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下所有割合の計算において同じです。)。

 

(注2) 本新株予約権59,175個の内訳は以下の表のとおりです。

新株予約権の名称

2025年2月28日現在の個数(個)

目的である当社株式数(株)

所有割合(%)

第2回新株予約権

17,200

516,000

6.63

第3回新株予約権

2,625

78,750

1.01

第4回新株予約権

250

7,500

0.10

第5回新株予約権

100

3,000

0.04

第6回新株予約権

6,000

6,000

0.08

第7回新株予約権

9,000

9,000

0.12

第8回新株予約権

15,000

15,000

0.19

第9回新株予約権

9,000

9,000

0.12

合計

59,175

644,250

8.27

 

 公開買付者は、本公開買付けにおいて5,180,200株(所有割合66.51%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限(5,180,200株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みます。)及び本新株予約権の全てを取得することにより、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(5,180,200株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(5,180,200株)は、当社潜在株式勘案後株式総数から、2025年2月28日から本臨時株主総会(下記「(4)本公開買付け後の組織再編などの方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」において定義します。)の基準日となる予定の2025年6月中旬頃までの期間中に行使可能にならない第7回新株予約権9,000個(目的となる株式数:9,000株)及び第9回新株予約権9,000個(目的となる株式数:9,000株)を控除した株式数(7,770,340株)に係る議決権の数(77,703個)に3分の2を乗じた数(51,802個(小数点以下切上げ))に、当社の単元株式数である100株を乗じた数である5,180,200株とのことです。

 かかる買付予定数の下限を設定したのは、公開買付者は、本公開買付けにおいては、当社の株主を公開買付者のみとすることを目的としているところ、本公開買付けにおいて当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、当社に対して、下記「(4)本公開買付け後の組織再編などの方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとし、当社を完全子会社化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを要請する予定であるところ、本スクイーズアウト手続として株式併合を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされていることから、本スクイーズアウト手続を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の議決権の3分の2以上を所有することで、公開買付者が単独で当該要件を満たすことができるようにするためとのことです。

 

 当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所グロース市場に上場しておりますが、下記「(5)上場廃止となる見込み及びその事由」に記載のとおり、本公開買付けの結果次第では、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があり、また、本公開買付けの成立後に、下記「(4)本公開買付け後の組織再編などの方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実施することとなった場合には、所定の手続を経て上場廃止となります。

 

② 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針

(ア)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程は、以下のとおりとのことです。

 

 公開買付者は、1951年5月に、関東地区における最初の民放放送局である、株式会社ラジオ東京として設立し、1955年4月にテレビ放送を開始し、1960年11月に商号を、株式会社東京放送としたとのことです。その後、2009年4月、公開買付者を放送法上の認定放送持株会社とし、株式会社東京放送ホールディングスに商号変更のうえ、公開買付者の子会社である株式会社TBSテレビに放送事業及び映像・文化事業を吸収分割したとのことです。また、2020年10月には、商号を株式会社TBSホールディングスに変更し現在に至るとのことです。なお、公開買付者は、1960年10月に東京証券取引所に株式を上場し、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行しているとのことです。本書提出日現在、公開買付者グループ(公開買付者、公開買付者の子会社52社、及び関連会社36社により構成される企業グループをいいます。以下同じです。)は、テレビ・ラジオの放送及び関連事業に加え、ライフスタイル事業、不動産賃貸業を主に、これらに附帯するサービス、保守等を行っているとのことです。

 

 公開買付者は、これらのグループ会社と共に、70年以上にわたり公共の電波を預かる放送事業者として、正確な情報を迅速に広範に届け、信頼の獲得に努めてきたとのことです。そして、今後も社会に求められる企業として持続的に企業価値を向上させるべく、公開買付者は、2021年5月に長期的な視点から公開買付者が将来目指す姿として、「TBSグループVISION2030」(以下「VISION2030」といいます。)を策定・公表したとのことです。公開買付者は、VISION2030の中で、コンテンツ自体の価値の最大化を目的とするEDGE(注1)戦略を掲げており、コンテンツを軸にグループとして更なる成長を実現し、より多くのユーザに対して、放送の枠を超えた「最高の”時”」を提供することを目指しているとのことです。

 

(注1) 「EDGE」とは、Expand Digital Global Experienceの略称であり、「デジタル分野」「海外市場」「エクスペリエンス(ライブ&ライフスタイルなど体験するリアル事業)」の3分野を最重点領域として、コンテンツ価値の最大化を目指す拡張戦略を指しているとのことです。

 

 公開買付者は、2021年度から2030年度までの10年間を3つのフェイズに分け、それぞれの期間の位置づけを明確にしたうえで、VISION2030に向けて計画を立案しているとのことです。第1フェイズ(2021年度~2023年度)では、VISION2030へ向けた成長への種まき期間とし、国内有料配信プラットフォームヘの出資や知育・教育領域への進出、ライフスタイル事業の強化など、「EDGE」領域の中でも、特にDigital(デジタル)及びExperience(エクスペリエンス)領域を中心に約1,450億円規模の成長投資を行ってきたとのことです。そして、公開買付者は、2024年5月にVISION2030の第2フェイズにあたる「TBSグループ 中期経営計画2026」(以下、「中計2026」といいます。)を策定したとのことです。中計2026では、第1フェイズにまいた種の成長促進、成長領域への継続的な種まき、コンテンツIPの獲得・増強などを推進し、2026年度において、売上4,500億円、営業利益240億円を達成すべく更なる価値の創出に取り組んでいるとのことです。具体的には、公開買付者グループが有する従業員全員が多様なアイディアを生み出せる環境の整備やマーケティング力の向上によるコンテンツIP創出力の強化、グローバルビジネス領域を含む新規事業創出を通じた事業ポートフォリオの拡充及び資本効率を意識したキャピタル・アロケーションと株主還元の実施を施策として掲げているとのことです。公開買付者グループは、上記施策を着実に展開していくことにより、更なる企業価値の向上を目指しているとのことです。

 また、公開買付者は、上記EDGE戦略の一環として、2023年10月に共通IDサービス「TBSグループID」(以下、「TBS ID」といいます。)の提供を開始したとのことです。TBS IDは、公開買付者グループが保有する放送、配信、劇場、店舗などの多様なユーザとの接点を横断的に結び付け、ユーザに“多様なコンテンツ体験”を提供するためのプラットフォームであり、ユーザはTBS IDを通じて、公開買付者グループが提供する各種サービス・コンテンツに共通のIDでログインすることができ、シームレスで一貫性のある体験を享受できるとのことです。TBS IDを推進することで、統合的な会員情報を活用した、グループ横断的なマーケティング活動による事業間のシナジー創出や、ユーザとコンテンツのマッチング強化によるコンテンツ価値の向上を実現し、VISION2030の達成及びグループ全体としての持続的な成長を目指しているとのことです。

 

 一方、当社は、大津裕史氏を代表取締役、大淵氏及び鈴木達哉氏の2名を取締役として、2010年9月に設立され、デジタルマーケティングのコンサルティング事業を開始し、2014年8月にアクセス解析データ分析レポートサービス「Sure!(現:AIアナリスト)」の提供を開始いたしました。その後、「AIアナリスト」を軸としてSEO事業、広告運用代行事業、制作事業、コンサルティング事業、人材マッチング事業を展開し、2021年2月に東京証券取引所マザーズ市場に上場、2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しにより東京証券取引所グロース市場に移行し、現在に至っております。

 当社は「知を創集し道具にする」をミッションとして掲げ、世界に遍在するデータやナレッジ(知見)を集め、またそこからナレッジ(知見)を新たに創り出す活動を継続し、それら集合知を、テクノロジーを用いて誰にでも使える道具(ツール)へと変えて、広くあまねく提供することで、「テクノロジーでビジネスの相棒を一人一人に」というビジョンを実現すべく、事業を行っています。

 デジタルを活用したビジネス変革を推進するデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」(注2)という。)に取り組もうと考える企業が増える中、多くの企業はそもそも何から手を付ければ良いかわからない、データがあっても活用方法がわからない等の課題感を持っており、主に『ナレッジ』が不足しているが故にDXを推進出来ていないと当社は認識しております。

 そのような状況下で、当社は世界に偏在する知を創集し、その集合知を誰にでも使える道具へと変え、すべての企業や人に開放することを目指し、デジタル上の『行動解析データ』を収集し、さらに“どういったビジネスモデルのどういった企業が何をしたらどういう結果が出たか”という『PDCA(注3)データ』を元に、新たな『ナレッジ』を獲得してまいりました。

 また、こうした『ナレッジ』をコンサルティング、ツール、デジタルマーケティングの実行支援、人材など、デジタルマーケティングの戦略立案及び戦術設計、実装/代行に活かしてまいりました。

 当社はデジタルマーケティングを中心に、あらゆるビジネスのデータを優れたテクノロジーによって、デジタルマーケティングの集客に課題があるのかデザインに課題があるのかなど課題の特定を行ったうえで、その課題に合わせて広告運用代行やSEO対策、デザインの変更などの課題の解決までを行うことで、ビジネスパーソンの生産性を高め、クリエイティビティの最大化の支援に寄与してまいりました。

 

(注2) DXとは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

(注3) Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、業務を継続的に改善していくサイクル及び手法のこと。

 

 当社は「DX事業」を単一セグメントとしていますが、顧客のニーズに応じて、「プロダクト事業」「インキュベーション事業」「人材マッチング事業」など、多様なソリューションを展開することで他社との差別化を図っております。

 

 プロダクト事業では、レポーティング、データ分析、改善方針の提案、改善幅の予測、施策の成果検証を行うSaaS(注4)として「AIアナリスト」を提供しております。

 さらに、「AIアナリスト」が提案する改善方針に基づき、実行支援を行うサービスラインナップを「AIアナリスト・シリーズ」と総称し、展開しております。

・「AIアナリストSEO」:SEO(注5)コンテンツ制作支援やコンサルティングによるマーケティング支援

・「AIアナリストAD」:Webサイトにおけるお問い合わせや購買などのゴールまでを考慮したWeb広告の運用代行

・「クリエィティブサービス」:Webサイトのページ・ワイヤーフレームの作成、デザイン・コーディングの代行

 プロダクト事業のソリューションは、一定期間の利用を前提としたリカーリングレベニュー方式(注6、継続収益方式)を主に採用しているため、解約されないかぎり継続的に収益をあげることが強みとなっております。

 インキュベーション事業では、最先端のデータ分析に基づいたデジタルマーケティングを推進する企業に対し、コンサルティングのサービスを提供しております。継続的に顧客から「AIアナリスト」を通じて共有される最新のPDCAデータから、過去に成果が出ることの多かった事例を抽象化した“勝ちパターン”を見出し、最も効果の見込める施策を短時間・少工数で提供することが強みとなっております。また、当社はコンサルティング業に源流を持つため、社内のコンサルティングに関するナレッジの蓄積を活かして、事業全体の再構築や、KPI設計、組織設計、オペレーション構築・運用等の幅広いラインナップを提供することも可能となっております。

 人材マッチング事業では、これまで1,000社超の企業支援や39,000超のサイト分析で培った「マーケティング課題の特定力」と「成果を出す方法論」を活かし、2021年12月から専門性を持つマーケターのスキル、リソースを最大活用するフリーランスマーケター向け人材マッチングサービス「Marketer Agent」の提供を開始しました。また、2022年11月にはマーケティング人材の需要の高まりを受けて、マーケティングDX人材のフリーランス・マッチングから正社員の転職までサポート範囲を拡大し、マーケター転職の支援サービス「Marketer Agent 転職」の提供を開始しております。登録されたマーケターと課題を抱える顧客を厳選してマッチングすることで、高い顧客価値を提供し、他社との差別化を実現しています。

 

(注4) Software as a Serviceの略称。ソフトウェアを利用者(顧客)側に導入するのではなく、提供者(サーバー)側で稼働しているソフトウェアを、インターネット等のネットワーク経由で、利用者がサービスとして利用するもの。

(注5) Search Engine Optimizationの略称。検索エンジン最適化とは、検索エンジンの検索結果において特定のWebサイトが上位に表示されるようWebサイトの構成やコンテンツなどを調整すること。

(注6) ビジネスモデルのひとつ。モノ・サービスの販売契約を行ったあと、継続的に売上が発生するビジネスモデル。将来の収益が安定的であるのが特徴。

 

 このような状況の下、公開買付者は、VISION2030の実現やEDGE戦略の推進に向けた具体的な施策の一つとして、TBS IDの推進を含むマーケティング機能の強化について検討を続ける中で、デジタルマーケティング事業を営む当社と協業の検討を行うことは有益であると考え、2024年3月26日、公開買付者から当社に連絡を行い、2024年4月22日に、当社と協議を行う機会を得たとのことです。その中で、公開買付者は、当社とマーケティング領域における協業の可能性について初期的な議論を行い、公開買付者は、当社が有するマーケティングやデータ戦略に係るノウハウを活用することで、上述のマーケティング機能の強化を加速できる可能性があると考えるようになったとのことです。その後、2024年6月26日に両者の事業、戦略上の課題及び不足するノウハウやリソースに対する相互理解を更に深めるための協議を行い、2024年7月25日には両者の協業によるシナジーの実現可能性、2024年8月6日には協業が実現した場合に想定される競争優位性等について、継続的に議論を重ねてきたとのことです。かかる議論を通じて、2024年8月上旬、公開買付者は、マーケティング及びDX分野において豊富な知見と実績を有し、マーケティング戦略立案から実行まで一気通貫で支援が可能な当社と、一体となって事業運営をすることで、VISION2030の中で掲げるEDGE戦略の推進に寄与する可能性があるとの判断に至ったとのことです。具体的には、当社が有するマーケティングに関する知見とリソースを活用することにより、公開買付者グループ事業におけるマーケティング戦略の構築及び実務機能の強化や、TBS IDを通じて蓄積したデータの高度な分析が可能となり、グループ横断的なマーケティングの実現及び事業間のシナジー創出を通じて、グループ全体として更なる成長につながる可能性があると考えたとのことです。上記を背景として、公開買付者は、2024年8月下旬に、当社の完全子会社化も含む資本業務提携の可能性やその方法等に関して、本格的な検討を開始することを決定したとのことです。

 

 その後、公開買付者は、本取引に関する具体的な検討を開始するために、2024年9月上旬にファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてフーリハン・ローキー株式会社(以下「フーリハン・ローキー」といいます。)を、2024年10月上旬にリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業を選任したうえで、2024年10月上旬以降、本取引が実現した場合に想定されるシナジー効果及び公開買付者が当社との間で目指す事業等に関して、当社と協議を重ねてきたとのことです。その後、2024年11月上旬に当社のファイナンシャル・アドバイザーであるマクサス・コーポレートアドバイザリー株式会社(以下「マクサス・コーポレートアドバイザリー」といいます。)から、当社の今後の更なる成長を実現させるための戦略的パートナーの選定に関して、当社との資本提携又は当社株式の非公開化を前提とした取引に関する提案を行うことを要請することによる入札を行うこととし、その第一次プロセス(以下「本第一次プロセス」といいます。)を行うこと、及び公開買付者を本第一次プロセスに招聘する意向であるとの連絡を受けたとのことです。

 

 公開買付者は、これまでの当社との議論を通じて、本取引は公開買付者の中期経営計画等に合致するものであり、公開買付者と当社の企業価値向上に資すると考え、2024年11月上旬に本第一次プロセスへの参加を決定したとのことです。

 公開買付者はフーリハン・ローキーからも適宜助言等を受ける等しつつ、マクサス・コーポレートアドバイザリーより受領した当社の事業に係る資料を基に初期的な分析を実施した後、2024年12月13日、公開買付者は、本公開買付け及び本スクイーズアウトを通じた現金対価による当社の完全子会社化の実施に係る法的拘束力の無い第一次意向表明書を提出したとのことです。なお、公開買付者は、公開買付者におけるデュー・ディリジェンスの実施や、本取引に関して合意に至るまでに公開買付者として、外部アドバイザーの起用に係るコストや社内検討体制の構築など多くのリソースを投下する必要があることに鑑み、第一次プロセスの通過者が招聘される、デュー・ディリジェンスを含む本取引の検討プロセスが公開買付者と当社の相対で協議が実施されることを、第一次意向表明書の提案内容の前提条件としたとのことです。

 その後、公開買付者は、マクサス・コーポレートアドバイザリーを通じて、当社から、2024年12月26日に本第一次プロセス通過の連絡及び第二次プロセス(以下「本第二次プロセス」といいます。)への参加を認め、合理的な理由なく提案価格を下げないことを条件として本取引についての一定期間の独占交渉権を公開買付者に対して付与する旨の通知を受け、本第二次プロセスに参加することとなったとのことです。公開買付者は、本第二次プロセスにおいて、2025年1月上旬から同年2月下旬まで当社に対する事業、財務・税務、法務及び人事等に関するデュー・ディリジェンスや当社の経営陣との面談を実施し、公開買付者グループと当社との間の事業シナジー創出に向けた具体的な施策、買収ストラクチャー及び公開買付者による当社の完全子会社化後の経営方針等について更なる分析及び検討を進めたとのことです。なお、公開買付者は、2025年1月から、TBS ID及び関連データの活用を意図した一部の事業におけるマーケティング戦略の検討、また、特定のCM効果検証等のコンサルティング業務を当社に委託するなど、協業も深化させているとのことですが、当該業務委託については、本取引に関する検討とは独立して協議が進められた結果、実施に至ったものであり、本取引の検討とは直接的に関係するものではないとのことです。

 かかる検討の結果、2025年3月上旬、公開買付者は本取引を通じて当社を完全子会社化することで、公開買付者として以下のシナジーが期待でき、TBS IDの活用やグループ横断的なマーケティング戦略が強化されることで、公開買付者の目指すEDGE戦略の推進及びVISION2030の実現を、より一層加速させることができると確信するに至ったとのことです。

 

(ⅰ)マス広告の枠を超えたマーケティングソリューションの展開

 当社の有するマーケティングやDXに係るノウハウを獲得することで、公開買付者は、CM等のマス広告を起点とした従来の認知獲得型のビジネスモデルに加え、顧客のマーケティング課題全般を解決するソリューションの展開が可能になると考えているとのことです。具体的には、公開買付者が強みを持つマス広告と、当社が強みを持つWeb広告やメール配信等のダイレクトマーケティングを組み合わせることで、「マス広告により多数の潜在ユーザの認知を高める段階」から「興味を持ったユーザを顧客企業に送客する段階」に至るまで、一気通貫のマーケティング支援が可能となるとのことです。また、当社の有するデータ戦略に係るノウハウを活用し、TBS IDを、データの利活用を支える分析基盤としての更なる整備を担う人材の獲得・強化を図ることで、クライアントや自社のマーケティング支援への活用が可能となり、TBS IDを活用したリサーチ支援や顧客データの共同分析など、市場調査・企画段階での支援をすることも可能となるとのことです。公開買付者として、このような従来は提供できなかった認知獲得以外の領域においても、ソリューションの提供が可能となり、単独では実現することの難しい新たな価値を創出できると考えているとのことです。

 

(ⅱ)グループ横断的なマーケティング戦略の強化

 当社から公開買付者グループの個別事業に対して、マーケティング戦略策定から実行まで一気通貫での支援を実施することで、日々の事業運営の中で蓄積された個別のデータや、TBS IDを通じて収集された統合的なデータを活用し、ターゲティング精度の向上を図ることで、コンテンツの集客力の強化及び広告媒体としての価値の向上が実現できると考えているとのことです。また、個別事業に対する支援にとどまらず、支援を通じて得られた成功実績やノウハウを、当社を基点として蓄積し、グループ間での横展開を図ることで、公開買付者が目指すグループ横断的なマーケティング戦略の強化が可能となり、グループ間シナジーの最大化を実現できると考えているとのことです。

 

 また、公開買付者は、当社においても、公開買付者の有する広範な顧客基盤の活用による顧客獲得の強化や、Web広告を中心とした従来のサービスラインナップに加え、公開買付者が強みを有するマス広告のソリューションが提供可能となることで、単独では実現することが難しい新しい価値の創出が期待され、本取引は公開買付者と当社の双方の企業価値向上に資することから、本取引を実施すべきとの考えに至ったとのことです。

 

 公開買付者は、本取引により、シナジー効果及びメリットを最大化し、戦略的意義を実現するためには、当社の少数株主との利益相反のおそれを排して、一貫した経営方針の下で当社が事業運営を行うとともに、当社において必要な施策を適時に実行するための迅速な意思決定を可能とし、また、公開買付者との連携をより密に図ることができ、双方の人材交流を含めて、機動的かつ柔軟な施策が可能になる観点から、当社を公開買付者の完全子会社とすることが不可欠であると考えたとのことです。また、当社における本取引によるシナジー効果及びメリットの発現は、本取引を通じて当社を完全子会社とする公開買付者にとっても、当社を含めた本取引後の公開買付者グループとしての企業価値の向上につながるというメリットがあるものと考えているとのことです。

 なお、一般に、当社が非上場会社となることのデメリットとして、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達ができなくなることや、人材採用の観点から知名度や社会的信用が低下することが考えられますが、本取引後は、資金調達の面では、公開買付者グループと取引関係のある金融機関等から資金調達を受けることもできると考えられるため、当社が必要な資金を確保することは十分に可能であると見込まれているとのことです。また、人材採用の面でも、上場会社である公開買付者のグループ企業として公開買付者と共同して採用活動を展開することもできると考えられるため、必要な人材の確保も十分に可能であると見込まれることから、公開買付者としては、当社が非上場会社となることによるデメリットは懸念すべきものと考えていないとのことです。なお、公開買付者としては、当社が公開買付者の完全子会社になることや公開買付者グループに加わることによるデメリット及びディスシナジーについても、特段想定していないとのことです。

 

 上記の検討の結果を踏まえ、公開買付者は、2025年3月11日付で、当社に対して、本公開買付けを実施した場合における本公開買付価格及び本新株予約権買付価格等の諸条件について、公開買付者において2025年1月上旬から同年2月下旬までに実施した当社に対するデュー・ディリジェンスを踏まえた法的拘束力のある提案として、(ⅰ)当社の発行する全株式を対象とした完全子会社化を企図した公開買付けを実施し、(ⅱ)本公開買付価格を431円(提案実施日の前営業日である2025年3月10日の終値302円に対して42.72%(小数点以下第三位四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)の計算において同じです。)、直近1ヶ月間の終値の単純平均値308円(小数点以下四捨五入。以下、終値株価の単純平均値(円)の計算において同じです。)に対して39.94%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値307円に対して40.39%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値329円に対して31.00%のプレミアム)とし、(ⅲ)本新株予約権買付価格を1円とする旨の公開買付者の意向及び本公開買付けに係る条件を記載した最終意向表明書(以下「本提案書」といいます。)を提出したとのことです。

 その後、これに対して、当社より、同年3月13日、本特別委員会(下記「(イ)当社における意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」において定義します。以下同じです。)とも協議をした結果、本提案書における本公開買付価格の提案価格431円は、当社が考える当社株式の適正な価値を大幅に下回る水準と認識しており、当社の株主に対して応募推奨を行うという観点からは、不十分な価格であると考えており、本公開買付価格について大幅な引上げを要請する旨の回答書を受領したとのことです。

 これを受け、公開買付者は、同年3月17日、当社に対して、本公開買付価格の引上げを真摯に検討する一方で、公開買付者は本提案書における本公開買付価格の提案価格431円は、過去の類似取引と比較しても遜色がないプレミアムが付されているものと認識していることから、当社が当該提案価格を、当社の株主に対して応募推奨を行うという観点からは、不十分な価格であると考えている具体的な背景や判断理由を確認したい旨の回答書を提出したとのことです。

 その後、これに対して、本特別委員会より、同年3月19日、本提案書における本公開買付価格の提案価格431円は、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるマクサス・コーポレートアドバイザリーが、当社の本事業計画(下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」において定義します。以下同じです。)を基にディスカウンテッド・キャッシュ・フロー(以下「DCF」といいます。)法により算定した当社の株式価値の算定結果の下限値を大幅に下回ること及び当社株式の取引高実績から推計される、当社の多くの一般株主における取得価格帯を大幅に下回る水準であることから、当社の株主に対して応募推奨を行うには、不十分な価格であると考えている旨の回答書を受領したとのことです。

 これを受け、公開買付者は、同年3月24日、当社に対して、本公開買付価格を474円(提案実施日の前営業日である2025年3月21日の終値304円に対して55.92%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値303円に対して56.44%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値305円に対して55.41%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値325円に対して45.85%のプレミアム)(以下「第2回提案価格」といいます。)とする旨の回答書を提出したとのことです。

 その後、これに対して、本特別委員会より、同年3月25日、第2回提案価格は、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるマクサス・コーポレートアドバイザリーが、当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社の株式価値の算定結果の下限値を大幅に下回ること及び当社株式の取引高実績から推計される、当社の多くの一般株主における株式取得価格帯を大幅に下回る水準であることから、当社の株主に対して応募推奨を行うには、不十分な価格であると考えており、本公開買付価格の大幅な引上げを要請する旨の回答書を受領したとのことです。

 これを受け、公開買付者は、同年4月1日、当社に対して、本公開買付価格を500円(提案実施日の前営業日である2025年3月31日の終値295円に対して69.49%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値301円に対して66.11%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値304円に対して64.47%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値322円に対して55.28%のプレミアム)(以下「第3回提案価格」といいます。)とする旨の回答書を提出したとのことです。

 その後、これに対して、本特別委員会より、同年4月2日、第3回提案価格は、当社の株主に対して応募推奨を行うには未だ十分な価格とは考えておらず、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるマクサス・コーポレートアドバイザリーが当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社の株式価値の算定結果の中央値の水準、当社株式の取引高実績から推計される当社の多くの一般株主における取得価格帯を下回る水準であること、及び当社事業と類似するデジタルマーケティング業界等に属する他の会社の公開買付事例と比較して必ずしも第3回提案価格のプレミアム水準が十分であるとはいえないこと等を総合的に考慮し、本公開買付価格を550円以上に引き上げることを要請する旨の回答書を受領したとのことです。

 これを受け、公開買付者は、同年4月8日、当社に対して、最終提案として本公開買付価格を502円(提案実施日の前営業日である2025年4月7日の終値249円に対して101.61%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値294円に対して70.75%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値301円に対して66.78%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値317円に対して58.36%のプレミアム)(以下「最終提案価格」といいます。)とする旨の回答書を提出したとのことです。

 その後、これに対して、本特別委員会より、同年4月9日、最終提案価格は、当社株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されており当社の少数株主に対し投資回収機会を提供する観点では一定の合理性はあるものの、2025年4月2日の米国政府による相互関税導入の発表を発端とするこの数日間にわたる株式市場の大幅な変動を考慮すると当該プレミアムが適正な水準にあると現時点で判断することは困難であること、当社株式の上場来の株価推移を考慮すると株式取得価格が本公開買付価格を上回る株主も一定程度存在すると想定されること及びマクサス・コーポレートアドバイザリーが当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社の株式価値の算定結果の下限値を越えるものの中央値を下回り且つ下限値に近い価格であること等を総合的に判断し、当社の株主に対して、本公開買付けへの応募を積極的に推奨することができる水準には達していないとする旨の回答書を受領したとのことです。

 一方で、公開買付者は、最終提案価格には十分なプレミアムが付されており、当社の多くの一般株主に応募いただける可能性が高いと判断した上で、当社による当社の株主への応募推奨を得ていないものの、当社も本取引による当社の非公開化の意義に賛同している点も踏まえ、2025年4月10日開催の取締役会決議により、本公開買付価格を502円、本新株予約権買付価格を1円とし、本公開買付けを実施すること、大淵氏及び垣内氏の各氏との間で本応募契約及び本経営委任契約を締結することを決定したとのことです。なお、本応募契約及び本経営委任契約の詳細については、下記「(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

 

(イ)当社における意思決定の過程及び理由

(ⅰ)検討体制の構築の経緯

 2024年4月22日、公開買付者から当社の代表取締役であり、主要株主かつ第2位株主である垣内氏に対し、協業の可能性についての問い合わせがあり、その後に協業の具体的な検討について議論したい旨について打診を受け、2024年6月26日に当社の代表取締役社長の大淵氏および代表取締役の垣内氏が面談を行いました。その後、協業の可能性について断続的に議論を行っておりました。

 当社は、公開買付者と協業について幅広い検討を継続している中で、2024年9月10日に、公開買付者とは別のある事業会社(以下「他の候補企業」といいます。)の資金提供者から当社に対し、協業の可能性についての問い合わせがあり、2024年10月2日に当該資金提供者及び他の候補企業との面談を実施しました。その際、当社は他の候補企業より資本業務提携に関する検討をしたい旨の説明を受けました。その後、2024年10月18日付で他の候補企業から、当社株式の過半数以上の取得を目指す旨の法的拘束力のない意向表明書を受領いたしました。

 当社は、このような状況の中で、当意向表明書の受領を契機として、当社株式及び新株予約権の全て又は一部を取得するための一連の取引(以下「本取引等」といいます。)の意思決定の過程における公正性及び適正性を担保するために、2024年11月1日開催の取締役会において当社、公開買付者及び他の候補企業から独立した当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてマクサス・コーポレートアドバイザリーを、また当社のリーガル・アドバイザーとして東京丸の内法律事務所を、それぞれ選任いたしました。

 また、当社は、当社において本取引等の是非につき審議及び決議するに先立ち、本取引等に係る当社取締役の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2024年11月1日付で独立社外取締役である舩木真由美氏(当社社外取締役)、吉村貞彦氏(当社社外取締役、常勤監査等委員、公認会計士)、梅本大祐氏(当社社外取締役、監査等委員、弁護士)及び井出彰氏(当社社外取締役、監査等委員、公認会計士)の4名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引等の目的の正当性・合理性(本取引等が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)、(ⅱ)本取引等に係る手続の公正性、(ⅲ)本取引等に係る取引条件の公正性・妥当性(本取引等の実施方法や対価の妥当性を含みます。)、(ⅳ)本公開買付けに対して当社取締役会が賛同の意見を表明すること及び当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非、(ⅴ)上記を踏まえ、当社取締役会が本取引等の実施に関する決定を行うことが、当社の少数株主に不利益か否か(以下、かかる(ⅰ)ないし(ⅴ)の事項を総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問いたしました。当社取締役会は、本特別委員会への諮問にあたり、当社取締役会において、本取引等に関する当社取締役会の意思決定は本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われること、特に本特別委員会が本取引等の取引条件を妥当でないと判断したとき又は本公開買付けに賛同すべきでないと判断したときには、当社取締役会は本取引等を行う旨の意思決定(本公開買付けに賛同すること及び本取引等の承認をすることを含みます。)を行わないものとすることを決議しております。併せて、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(a)適切な判断を確保するために、当社のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー(以下「アドバイザー等」といいます。)を指名又は承認(事後承認を含みます。)する権限、(b)本諮問事項の検討にあたって、本特別委員会が必要と認める場合には、当社のアドバイザー等を選任する権限(本特別委員会のアドバイザー等の専門的助言に係る合理的な費用は当社の負担とします。なお、本特別委員会は、当社のアドバイザー等の独立性及び専門性に問題がないことを確認した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができるものといたします。)、(c)適切な判断を確保するために、当社の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限、(d)当社の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者から本取引等の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、(e)必要に応じて、本取引等の取引条件等の交渉を行う権限(なお、本特別委員会が、本取引等の取引条件等の交渉を直接行わない場合であっても、必要に応じて、本取引等の取引条件等に関する交渉について、事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引等の取引条件等の交渉に実質的に関与する権限及び当社の役職員やアドバイザー等を通じた間接的な交渉を行う権限を含みます。)、(f)その他本取引等に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項に関する権限を付与しております。なお、本特別委員会は、弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを独自に選任しておりません(当該取締役会における決議の方法については、下記「(6)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

 また、本特別委員会は、2024年11月1日に、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるマクサス・コーポレートアドバイザリー及び当社のリーガル・アドバイザーである東京丸の内法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認いたしました。

 その後、当社は、2024年11月上旬に、本特別委員会、マクサス・コーポレートアドバイザリー及び東京丸の内法律事務所と本取引等に関する協議を行い、当社の更なる成長を実現させるためのパートナー選定プロセス(以下「本パートナー選定プロセス」といいます。)を実施することを決定いたしました。本パートナー選定プロセスにおいては、当社の事業に強い関心を持つと考えられる公開買付者及び他の候補企業を含む複数の事業会社及び投資ファンドに対して打診をいたしました。その結果、公開買付者及び他の候補企業を含む事業会社及び投資ファンド4社の候補先がその後の入札プロセスへの参加に関心を示していることを確認したことから、当社は、2024年11月中旬、当該4社の候補先に対し、本第一次プロセスを開始する旨の連絡をいたしました。当社は、本第一次プロセスへ参加した公開買付者及び他の候補企業を含む複数の候補先に対して、質問書に対する回答及び当社経営陣へのインタビュー等の機会を提供いたしました。

 そして、当社は、2024年12月中旬にこれらの候補先4社より第一次意向表明書を受領いたしました。当社及び本特別委員会は、本取引等の目的、本取引等後の当社の経営方針や事業戦略の方向性、当社とのシナジー効果及び従業員の処遇、提示された当社株式1株当たりの希望取得価格等について慎重に検討した上で、2024年12月25日に公開買付者のみを本第二次プロセスに招聘することを決定いたしました。また、公開買付者から提示された第一次意向表明書では、第一次プロセス終了後のデュー・ディリジェンスを含む本取引等の具体的な検討プロセスを公開買付者と当社の相対で実施することが提案の前提条件となっていたことから、2024年12月26日の当社の取締役会において、合理的な理由なく提案価格を下げないことを条件として公開買付者への独占交渉権の付与を決議いたしました。

 その後、当社は、公開買付者に対して、2025年1月上旬から2025年2月下旬にかけて当社経営陣へのインタビュー及び当社従業員への実務者インタビューを含むデュー・ディリジェンスの機会を提供いたしました。そして、当社は、2025年3月11日に、公開買付者より、本公開買付価格を431円とする法的拘束力を有する最終意向表明書を受領いたしました。

 

(ⅱ)検討・交渉の経緯

 当社は、マクサス・コーポレートアドバイザリーから当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受け、東京丸の内法律事務所から本取引等における手続の公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引等の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってまいりました。

 

 具体的には、本公開買付価格については、当社は、2025年3月11日、公開買付者から本公開買付価格を431円(当該提案がなされた2025年3月11日の前営業日である同月10日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値302円に対して42.72%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値308円に対して39.94%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値307円に対して40.39%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値329円に対して31.00%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)とする提案を受けました。また、本新株予約権買付価格については、1円とする提案を受けました。

 これに対し、2025年3月13日、当社は、マクサス・コーポレートアドバイザリーから受けた当社株式の株式価値に係る助言及び本特別委員会における議論を踏まえて、公開買付者に対して、当該提案価格は、当社が考える当社の株式価値を大幅に下回る水準であることから、当社の少数株主保護の観点において妥当な水準とは到底いえないとして、提案内容の再検討を書面で要請いたしました。

 その後、2025年3月17日に、公開買付者より本公開買付価格の引上げを真摯に検討する一方で、公開買付者は本提案書における本公開買付価格の提案価格431円は、過去の類似取引と比較しても遜色がないプレミアムが付されているものと認識していることから、当社が当該提案価格を、当社の株主に対して応募推奨を行うという観点からは、不十分な価格であると考えている具体的な背景や判断理由を確認したい旨の回答を受領いたしました。

 これに対し、同年3月19日に、本特別委員会は、本提案書における本公開買付価格の提案価格431円は、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるマクサス・コーポレートアドバイザリーが、当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社の株式価値の算定結果の下限値を大幅に下回ること及び当社株式の上場来の価格帯別取引高実績から推し量られる、当社の多くの一般株主における取得価格帯を大幅に下回る水準であるから、当社の株主に対して応募推奨を行うには、不十分な価格であると考えている旨の回答書を送付し、改めて公開買付価格の引き上げについて書面で要請いたしました。

 その後、当社は、2025年3月24日に、公開買付者から本公開買付価格を474円(当該再提案がなされた2025年3月24日の前営業日である同月21日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値304円に対して55.92%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値303円に対して56.44%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値305円に対して55.41%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値325円に対して45.85%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)とする再提案を受けました。

 これに対し、2025年3月25日、本特別委員会は、マクサス・コーポレートアドバイザリーから受けた当社株式の株式価値に係る助言及び本特別委員会における議論を踏まえて、公開買付者に対して、当該提案価格は、依然として当社が考える当社の株式価値を大幅に下回る水準であることから、当社の少数株主保護の観点において妥当な水準とは到底いえないとして、提案内容の再検討を要請いたしました。

 その後、当社は、2025年4月1日に、公開買付者から本公開買付価格を500円(当該再提案がなされた2025年4月1日の前営業日である3月31日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値295円に対して69.49%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値301円に対して66.11%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値304円に対して64.47%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値322円に対して55.28%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)とする再提案を受けました。

 これに対し、2025年4月2日、本特別委員会は、マクサス・コーポレートアドバイザリーから受けた当社株式の株式価値に係る助言及び本特別委員会における議論を踏まえて、公開買付者に対して、マクサス・コーポレートアドバイザリーが当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社の株式価値の算定結果、当社株式の取引高実績から推計される当社の多くの一般株主における取得価格帯、及び当社と同じ業界に属する他の会社の公開買付事例におけるプレミアム水準などを総合的に考慮し、本公開買付価格を550円以上に引き上げることを要請いたしました。

 その後、当社は、2025年4月8日に、公開買付者から本公開買付価格を502円(当該再提案がなされた2025年4月8日の前営業日である4月7日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値249円に対して101.61%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値294円に対して70.75%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値301円に対して66.78%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値317円に対して58.36%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)とする最終提案を受けました。また、当該提案は、受領した書面によれば、必ずしも当社の多くの少数株主の皆様の取得価格帯を下回る水準とはいえず、また、少数株主の皆様にとっては魅力的なプレミアム水準でもあると考えているとのことです。

 これに対し、2025年4月9日、本特別委員会は、最終提案価格は、当社株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されており当社の少数株主に対し投資回収機会を提供する観点では一定の合理性はあるものの、2025年4月2日の米国政府による相互関税導入の発表を発端とするこの数日間にわたる株式市場の大幅な変動を考慮すると当該プレミアムが適正な水準にあると現時点で判断することは困難であること、当社株式の上場来の株価推移を考慮すると株式取得価格が本公開買付価格を上回る株主も一定程度存在すると想定されること、本公開買付価格はマクサス・コーポレートアドバイザリーが当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社株式価値の算定結果の下限値を越えるものの中央値を下回り且つ下限値に近い価格であること等を総合的に判断し、当社の少数株主の皆様に本公開買付けへ応募を積極的に推奨すべきとまではいえないと判断いたしました。

 以上のとおり、当社としては、マクサス・コーポレートアドバイザリー及び東京丸の内法律事務所の助言を受け、本特別委員会とも継続的に協議を重ねる等、意思決定の公正性及び透明性を担保した上で、公開買付者に対し本公開買付価格の引上げを複数回に亘って要請し、当社の少数株主の利益のために継続的に交渉いたしました。しかし、本公開買付価格については当社株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されており当社の少数株主に対し投資回収機会を提供する観点では一定の合理性はあるものの、2025年4月2日の米国政府による相互関税導入の発表を発端とするこの数日間にわたる株式市場の大幅な変動を考慮すると当該プレミアムが適正な水準にあると現時点で判断することは困難であること、当社株式の上場来の株価推移を考慮すると株式取得価格が本公開買付価格を上回る株主も一定程度存在すると想定されること(注7)、本公開買付価格はマクサス・コーポレートアドバイザリーが当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社株式価値の算定結果の下限値を越えるものの中央値を下回り且つ下限値に近い価格であること等を総合的に判断し、当社の少数株主の皆様に本公開買付けへ応募を積極的に推奨すべきとまではいえないとの結論に至りました。そのため、本公開買付けに応募することの是非については中立の立場を取り、当社株主の皆様のご判断に委ねることといたしました。

 

(注7) 当社の新規上場時の公開価格(1,050円)及び上場来最高値(4,780円)の水準、並びに上場来の価格帯別取引高実績における500円以下の出来高割合が10%未満であること等から想定しています。

 

(ⅲ)当社の意思決定の内容

 以上の経緯の下で、当社は、2025年4月10日開催の取締役会において、東京丸の内法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定に当たっての助言その他の法的助言、マクサス・コーポレートアドバイザリーから受けた財務的見地からの助言及び2025年4月9日付で取得した株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された2025年4月9日付答申書(以下「本答申書」といいます。)において示された本特別委員会の判断内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値向上を図ることができるか、本公開買付価格等を含む本取引に関する諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。

 

 当社を取り巻くマーケティングDXの市場は、経済産業省が2018年9月に発表した『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」(注8)の克服とDXの本格的な展開~』において警告を発した「2025年の崖」の年を迎え、新型コロナウイルス感染症拡大もあり、拡大を続けております。特にDX人材の不足が顕著であり、知見を持つ人材も実行を担う人材も共に不足している状況です。そのため、DXを志向する事業会社各社は、DXの戦略立案の知見を持ちDXを推進しつつ、そのDXの実行までも、ワンストップで担える企業の伴走を強く求めております。

 

(注8) 2018年5月に経済産業省が発表した『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服~』で提唱された概念を指します。具体的には、2025年に既存ITシステムのレガシー化やDX人材の不足といったDXに関する課題が噴出するだろうというもの。

 

 そのような中、当社はDX市場の拡大を取り込むべく、DX戦略の立案を上流から支援するDXコンサルティング、データ分析・改善提案SaaS「AIアナリスト」による戦術設計、そして「AIアナリスト」のSEOやADなどのデータの分析機能の拡張とともにその分析機能と紐づくかたちで実行実装ソリューションであるSEO支援サービスの「AIアナリストSEO」やデジタル広告運用代行サービスの「AIアナリストAD」、そしてサイト制作サービスまで、マーケティングDXを上流から下流まで実現できるよう事業を縦に拡大してまいりました。上場後にはDX人材の不足にダイレクトに応えるべく、プロ人材のマッチングサービスの「Marketer Agent」も立ち上げ、人材事業にも乗り出しております。

 また、見る角度を変えると、Webサイトの改善と主とする「AIアナリスト」の展開以降、前工程である集客領域のSEOや広告運用代行等の領域へ拡大し、現在はWeb上のコンバージョンの後工程にある顧客管理システムやマーケティングオートメーション、インサイドセールス等の領域にも拡大するなど、事業の横への展開も進めております。その一環として、2024年7月にはHubSpotソリューションパートナーとして日本トップである株式会社100への出資も行っております。

 しかしながら、こうした縦横両軸での積極的な領域拡張への投資による事業拡大の取り組みは、中長期的に当社の企業価値向上に資するものであったとしても、短期的なキャッシュ・フローや収益の成長を阻むおそれがあります。また、中長期的な視点に立った積極的な成長施策よりも短期的な収益性確保が選好される傾向が近年更に強まっている中、上記の事業領域の拡大を推し進めると、当社の本源的な成長を達成するための戦略と資本市場からの期待のあいだに齟齬が生じ、必ずしも十分な評価を得ることができず、当社の株価に悪影響を及ぼし、既存株主の皆様に不利益を与える可能性があります。

 当社は、機械に「データ」と「成功事例・失敗事例」を学ばせる事で、成功確率の高い勝ちパターンを生み出すとともに、機械が得意なことは機械に任せ、人は人がやるべき本質的な施策に集中できる仕組みを、縦横無尽に提供することで、企業の生産性最大化を実現しています。この取り組みをさらに加速し、社会に実装するためには、事業領域の縦横双方への拡大は必須であり、独自データの取得・強化、変革による社会的インパクトの大きいエンタープライズ企業へのリーチが必須であると考えております。

 当社は、以下の点等から、当社が公開買付者の完全子会社となることにより、シナジーの創出その他のメリットを見込むことができ、これは本取引により生じうるデメリットを上回るものであるため、本取引は、当社の企業価値向上に資するものであると考えるに至りました。

 

① 事業領域の拡大

 公開買付者は、マスメディア及びテレビコンテンツの配信という限られた媒体を保有し、提供する事業を営んでおります。マスメディアはマーケティング市場において、手に入れることが難しい重要なケイパビリティであります。

 当社はマスメディアを保有する公開買付者の完全子会社となることで、新たなケイパビリティの獲得ができ、これまで行ってきた集客領域内における顕在層刈取施策として効果的なデジタル広告に加え、マスメディアという需要喚起施策の主要媒体へのリーチが容易となります。それにより、現在推し進めております縦横の事業拡大を力強く実行することができるものと考えております。

 

② 独自データの取得・強化

 公開買付者は、テレビ放送や配信サービスを通じて、そのユーザがどういったコンテンツにアクセスをしているかなど視聴データの蓄積を進められていると認識しております。当社は広告主のオウンドメディア上における流入元や参照ページ等のWeb行動データをAIアナリストに累計4万サイト以上に接続いただき、改善施策のPDCAデータ(効果測定結果)を1.2万以上保有し、分析の結果から生み出した“勝ちパターン”をクライアントの皆様に提供し、成果創出をしております。公開買付者の独自データも含めた、当社の保有する独自データのさらなる拡充が、新たな“勝ちパターン”の創出やクライアントの成果創出に繋がり、ひいては当社の企業価値向上を実現できるものと考えております。

 

③ エンタープライズ企業へのリーチ強化

 当社は、「AIアナリスト」の単商材の提供から、「AIアナリスト」を中心としたプロダクト事業のコンパウンド戦略を推し進めており、それらマルチプロダクトのクロスセルによってLTV拡大を企図し、中企業以上をターゲットとした営業戦略を展開しております。公開買付者の提供するTVCMは主にエンタープライズ企業が顧客となっていると認識しており、当社から複数サービスの提供が可能な規模を有する企業という主要ターゲットとの親和性が高く、公開買付者の提供する広告媒体を絡めるかたちで、当社のリーチを拡大させ、当社の事業及び企業価値の向上に資するものと考えております。

 

 なお、当社は、本取引の実行に伴うディスシナジーについても検討した結果、当社が非公開化されることによって、ブランド力低下に伴う取引先、その他のステークホルダーへの影響や従業員のモチベーション低下の可能性が考えられるものの、公開買付者は上場会社であり高い社会的信用及び認知度を有していることから、当社が本取引を通じて非公開化されることが、当社の社会的信用や社員のモチベーションに悪影響を与える可能性は低いと考えております。また、公開買付者としては、当社の経営体制等については維持をする方針であること等を踏まえ、当社としては、当社が本取引を通じて非公開化されることは、当社グループの取引先、従業員、その他のステークホルダーにおいて受け入れられると考えており、本取引の実行後においても特段のディスシナジーは発生しないと認識しております。

 また、当社は、2021年2月に新規上場しておりますが、当時の状況に比べ、DX市場の成長は加速していると認識しており、競争環境も激化しております。このような市場環境の中で、上述した独自性の高いデータの絶対量の増加や積極的な領域拡張への投資による事業拡大の取り組みを実行するためには、資本提携を通じたパートナーとのより深いレベルの協力関係による成長、及び非公開化によるスピード感を持った経営が必要であると認識しております。

 

 また、上場廃止に伴う一般的なデメリットとして、資本市場から資金調達を行うことができなくなることや、人材の確保に影響を及ぼす可能性が考えられますが、当社としては、現状において資本市場からの資金調達の必要性はないこと、銀行調達を実行できるように取引各行と良好な関係を築けていること等から資金調達面では特段問題ないと考えていること、上場廃止後の採用活動は上場企業である公開買付者のグループ会社の一員として実施することから、当該悪影響は検討したものの大きなものは生じないと考えております。なお、当社が公開買付者の完全子会社になることや公開買付者グループに加わることによるデメリット及びディスシナジーについても、特段想定しておりません。

 

 当社としては、本公開買付価格である502円は、本公開買付けの実施について公表日の前営業日である2025年4月9日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値268円に対して87.31%のプレミアムを加えた価格、直近1ヶ月間の終値の単純平均値292円に対して71.92%のプレミアムを加えた価格、直近3ヶ月間の終値の単純平均値300円に対して67.33%のプレミアムを加えた価格、直近6ヶ月間の終値の単純平均値315円に対して59.37%のプレミアムを加えた価格であり、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「公正M&A指針」といいます。)を公表した2019年6月28日以降に公表され且つ成立した上場会社の非公開化を目的とした公開買付け事例(MBO事例、公開買付者グループにおける対象者が連結子会社である事例、プレミアムがマイナスとなる事例等を除いた127件)におけるプレミアムの水準(公表日の前日、直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値それぞれからのプレミアムの中央値(それぞれ37.48%、39.92%、42.77%、53.03%)及び平均値(それぞれ45.63%、47.63%、51.06%、53.03%))に照らし、一定の合理性のある価格であると考えております。

 

 上記の通り、当社は、本公開買付けを含む本取引が、当社グループの中長期的な企業価値の向上に資するものであると考えておりますが、一方、本公開買付価格である502円は、当社株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されており、当社の少数株主に対し投資回収機会を提供する観点では一定の合理性はあるものの、2025年4月2日の米国政府による相互関税導入の発表を発端とするこの数日間にわたる株式市場の大幅な変動を考慮すると当該プレミアムが適正な水準にあると現時点で判断することは困難であること、当社株式の上場来の株価推移を考慮すると株式取得価格が本公開買付価格を上回る株主も一定程度存在すると想定されること、本公開買付価格はマクサス・コーポレートアドバイザリーが当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社株式価値の算定結果の下限値を越えるものの中央値を下回り且つ下限値に近い価格であること等を総合的に判断し、当社の少数株主の皆様に本公開買付けへ応募を積極的に推奨すべきとまではいえないとの結論に至りました。そのため、本公開買付けに応募することの是非については中立の立場を取り、当社株主の皆様のご判断に委ねるのが相当であると判断いたしました。

 なお、当社は、2025年2月26日付で公表した「通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の通り、2025年2月期の通期業績予想の下方修正を行っております。当該下方修正は、当該時点における業績状況を踏まえた判断であるため、本取引とは無関係の要因であり、また当社が意図的に当社株式の株価を下げる目的で当該下方修正を策定及び公表したものではありません。したがって、マクサス・コーポレートアドバイザリーによる下記「(3)算定に関する事項」に記載の市場株価平均法の算定において当該下方修正の公表日以降の当社株価も考慮の対象とすることに問題はないと考えております。

 また、当社は、公開買付者が本新株予約権を取得したとしても公開買付者は本新株予約権を行使することができないことから、本新株予約権買付価格が1円であることは不合理とはいえないと判断しており、本新株予約権買付価格がそれぞれ1円と決定されていることから、本公開買付けに応募するか否かについては、当該本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることが相当と判断するに至りました。

 

 以上により、当社は、2025年4月10日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。

 なお、当社取締役会の決議の詳細については、下記「(6)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」をご参照ください。

 

(ウ)本公開買付け後の経営方針

 本公開買付けが成立した後の経営方針について、本公開買付けの公表日現在、公開買付者としては、当社の企業理念や企業文化等を尊重しつつ、当社と協議の上、上記「(ア)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のシナジー実現に向けた施策を講じることを考えているとのことです。

 

 また、公開買付者は、大淵氏及び垣内氏との間で、2025年4月10日付で、経営委任契約(以下「本経営委任契約」といいます。)を締結し、大淵氏及び垣内氏に対し、当社の代表取締役としての職務を委任する旨の合意をしているとのことです。本経営委任契約の詳細につきましては、下記「(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。この点を除き、公開買付者は、当社の経営体制等については維持をする方針であるものの、当社との間で、本取引の実行後の役員体制について具体的な協議はしておらず、本書提出日現在で合意している事項はないとのことです。なお、公開買付者は、当社に対して役員を派遣することを検討しているとのことであり、公開買付者から派遣する取締役の数は過半数とする方針とのことです。今後、公開買付者は、当社と協議の上、各施策の実行や事業基盤の強化に向けた最適な体制の構築を検討していく予定とのことです。公開買付者は、当社の事業の特性や強みを十分に活かした経営を行い、当社の事業の強化を図り、公開買付者とのシナジー効果を最大限実現できる体制づくりを目指し、両社の更なる企業価値向上に向けて取り組んでいくとのことです。

 

(3)算定に関する事項

① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ア)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

 当社は、公開買付者及び当社から独立した、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるマクサス・コーポレートアドバイザリーに対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2025年4月9日付で、当社株式価値算定書を取得いたしました。なお、マクサス・コーポレートアドバイザリーは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。本特別委員会は、マクサス・コーポレートアドバイザリーの独立性及び専門性に問題がないことを確認し、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。なお、当社は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、下記「(6)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、マクサス・コーポレートアドバイザリーから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。また、本取引に係るマクサス・コーポレートアドバイザリーに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合にも当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系との是非等も勘案の上、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断から、上記の報酬体系によりマクサス・コーポレートアドバイザリーを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。

(イ)算定の概要

 マクサス・コーポレートアドバイザリーは、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討した結果、当社が東京証券取引所グロース市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法を用い、当社と比較的類似する事業を営む上場会社が複数存在し、類似会社との比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて当社の株式価値を算定しております。

 マクサス・コーポレートアドバイザリーが上記の手法に基づき算定した当社株式の1株当たりの価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。

 

市場株価平均法  268円~315円

類似会社比較法  380円~506円

DCF法       495円~612円

 

 市場株価平均法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年4月9日を算定基準日として、東京証券取引所グロース市場における当社株式の基準日終値268円、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値292円、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値300円及び同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値315円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を268円から315円と算定しております。

 類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場企業の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を380円から506円と算定しております。

 DCF法では、当社が作成した2026年2月期から2028年2月期までの3期分の事業計画(以下「本事業計画」といいます。)に基づく収益予測や投資計画等、合理的と考えられる前提を考慮した上で、当社が2026年2月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率(加重平均資本コスト)で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を495円から612円と算定しております。なお、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、財務予測には加味しておりません。

 なお、マクサス・コーポレートアドバイザリーがDCF法による分析において前提とした本事業計画に基づく財務予測には、大幅な増減益及び大幅なフリー・キャッシュ・フローの変動を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、Googleアナリティクスのメジャーアップデートの完了によるデータ分析需要の回復を起点とした新規顧客獲得の改善と営業体制の強化を主因として、営業利益は2026年2月期において*は対前年比90%超の増益、2027年2月期においては対前年比70%超の増益、2028年2月期においては対前年比40%超の増益を見込んでおります。また、フリー・キャッシュ・フローについては、2025年2月期はマイナスであったものの、関係会社株式の取得がなければプラスであったこともあり、2026年2月期はプラスに転じることで大幅な増加を見込んでおり、2027年2月期において対前年比30%超の増加を見込んでおります。

 マクサス・コーポレートアドバイザリーは、当社の株式価値算定に際して、当社から提供を受けた情報、ヒアリングにより聴取した情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、採用したそれらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全であること、当社の株式価値算定に重大な影響を与える可能性がないこと、マクサス・コーポレートアドバイザリーに対して未開示の事実はないこと等を前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証は行っておりません。また、マクサス・コーポレートアドバイザリーは、当社の資産及び負債(デリバティブ取引、簿外資産・負債、その他偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自の評価又は鑑定を行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。また、かかる算定において参照した当社の財務見通しについては、当社により現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に準備・作成されたことを前提としていること、並びにかかる算定は2025年4月9日現在の情報と経済情勢を反映したものであることを前提としております。

 なお、本公開買付けの対象には本新株予約権も含まれますが、本新株予約権については、本新株予約権買付価格が1円と決定されていることから、当社は第三者算定機関から算定書及び本新株予約権買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 また、本新株予約権はいずれも、新株予約権発行要項で譲渡による本新株予約権の取得については当社取締役会の承認を要するものとされており、また、新株予約権割当契約書において譲渡が禁止されております。当社は、本新株予約権の譲渡が可能となるよう、2025年4月10日開催の当社取締役会において、本公開買付けの成立を条件として、本新株予約権者がその所有する本新株予約権を本公開買付けに応募することにより公開買付者に対して譲渡することについて包括的に承認すること、及び譲渡を希望する本新株予約権者との間では新株予約権割当契約書の内容を変更し譲渡可能な内容とする旨の決議をいたしました。

 

② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)普通株式

 公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者グループ及び当社から独立した第三者算定機関として、ファイナンシャル・アドバイザーであるフーリハン・ローキーに対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2025年4月9日付で株式価値算定書(以下「買付者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。

 なお、フーリハン・ローキーは、当社のようにSaaSを自社保有し、デジタルマーケティングの分野で戦略策定から実行支援までを手がけるという事業面と、成長性や収益性等の財務面の双方の観点での当社との類似性の制約に鑑み、当社の株式価値の算定手法として、類似会社比較法は採用していないとのことです。また、フーリハン・ローキーは、公開買付者、当社並びに大淵氏及び垣内氏の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、公開買付者は、「(6)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の措置を実施しており、かつ当社、大淵氏及び垣内氏並びに本特別委員会との協議・交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、フーリハン・ローキーから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

 フーリハン・ローキーが算定した当社株式の1株当たりの価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。

 

市場株価平均法  268円~315円

DCF法       431円~629円

 

 市場株価平均法では、2025年4月9日を基準日として、東京証券取引所グロース市場における当社株式の基準日終値268円、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値292円、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値300円、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値315円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を268円から315円と算定しているとのことです。

 DCF法では、当社が作成した本事業計画(なお、本事業計画は、本公開買付けの実行を前提としたものではなく、本公開買付けにより実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、本事業計画には加味していないとのことです。)に基づく収益予測や投資計画、公開買付者が2025年1月上旬から同年2月下旬まで実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社の有価証券報告書、決算短信、ホームページで公表している財務情報等の諸要素を基に、公開買付者において調整を行った2025年2月期から2029年2月期までの当社の収益予想に基づき、当社が2025年2月期第4四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割引くことにより当社の株式価値を分析し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を431円から629円と算定しているとのことです。

 

 公開買付者は、本公開買付価格について、フーリハン・ローキーから取得した買付者株式価値算定書で示された市場株価平均法による算定結果のレンジの上限を上回っているもののDCF法による算定結果のレンジの範囲内であることに加え、公開買付者が2025年1月上旬から同年2月下旬までに実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社の取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募数の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に2025年4月10日付の取締役会決議により本公開買付価格を502円とすることを決定したとのことです。

 なお、本公開買付価格502円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年4月9日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値268円に対して87.31%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値292円に対して71.92%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値300円に対して67.33%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値315円に対して59.37%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。また、本書提出日の前営業日である2025年4月10日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値295円に対して70.17%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。

 

(ⅱ)新株予約権

 本新株予約権は、その権利行使時点において当社若しくは当社関係会社(なお、当社は2025年4月10日現在子会社を有しておりません。)の取締役、監査役、従業員又は(第5回新株予約権について)社外協力者の地位を有していることが権利行使の条件として定められており、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないと解されることから、公開買付者は、2025年4月10日に本新株予約権買付価格をいずれも1円とすることを決定したとのことです。

 なお、公開買付者は、上記のとおり、本新株予約権買付価格を決定したことから、第三者算定機関から算定書や意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

 

(4)本公開買付け後の組織再編などの方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

 公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。

 

① 株式等売渡請求

 公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)するとともに、併せて、本新株予約権者(公開買付者を除きます。)の全員(以下「売渡新株予約権者」といいます。)に対し、その所有する本新株予約権の全てを売り渡すことを請求(以下「新株予約権売渡請求」といい、「株式売渡請求」と併せて「株式等売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定であり、新株予約権売渡請求においては、本新株予約権1個当たりの対価として本新株予約権買付価格と同額の金銭を売渡新株予約権者に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して株式等売渡請求の承認を求めるとのことです。当社が取締役会の決議により株式等売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主及び売渡新株予約権者の個別の承認を要することなく、公開買付者は、株式等売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する当社株式の全部を取得し、売渡新株予約権者の全員からその所有する本新株予約権の全てを取得するとのことです。この場合、公開買付者は、売渡株主がそれぞれ所有していた当社株式1株当たりの対価として、各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付するとともに、売渡新株予約権者がそれぞれ所有していた本新株予約権1個当たりの対価として、各売渡新株予約権者に対し、本新株予約権買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。

 なお、当社は、本書提出日においては、公開買付者より株式等売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、かかる株式等売渡請求を承認することを予定していますが、本新株予約権買付価格は1個当たり1円とされているため、本新株予約権を行使することによって交付される当社株式ではなく、本新株予約権が新株予約権売渡請求の結果公開買付者に取得されることは想定しておりません。株式等売渡請求に関連する一般株主及び新株予約権者の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、売渡株主及び売渡新株予約権者は、裁判所に対して、その所有する当社株式又は本新株予約権の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式又は本新株予約権の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 

② 株式併合

 本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、当社に対し、会社法第180条に基づき、当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2025年7月頃を目途に開催することを当社に要請する予定とのことです。

 なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。当社は、本書提出日現在においては、上記要請を受けた場合、それに応じて本臨時株主総会を開催することを予定しております。

 本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定です。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者が当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定とのことです。

 本株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、所定の条件を満たす場合に、当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められております。

 上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。

 なお、公開買付者は、本公開買付けが成立したものの本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に対して、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実践することを要請する予定とのことです。当社は、当該要請を受けた場合には、本公開買付けに係る決済の開始日(以下「本決済開始日」といいます。)以降速やかに、これに協力する意向です。

 

 上記の株式等売渡請求及び本株式併合の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があるとのことです。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。

 

 以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。

 なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

(5)上場廃止となる見込み及びその事由

 当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所グロース市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、上記「(4)本公開買付け後の組織再編などの方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しておりますので、その場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所グロース市場において取引することはできません。

 

(6)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置

 本書提出日現在、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注)にも該当いたしません。

 もっとも、公開買付者が当社の主要株主かつ筆頭株主であり当社の代表取締役社長である大淵氏及び当社の主要株主かつ第2位株主であり代表取締役である垣内氏との間で、応募予定株式の全てを本公開買付けに応募する旨の本応募契約を2025年4月10日付で締結していること、並びに本公開買付けにおいて、当社株式を非公開化することを目的としていることを考慮し、本公開買付価格の公正性を担保しつつ、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性及び透明性を担保するため、以下のような措置を実施いたしました。

 

(注) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が当社の役員との合意に基づき公開買付けを行うものであって当社の役員と利益を共通にするものである取引をいいます。

 

 また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるフーリハン・ローキーに対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2025年4月9日付で株式価値算定書を取得しているとのことです。詳細については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

 

② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、当社は本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるマクサス・コーポレートアドバイザリーに対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2025年4月9日付で、当社株式価値算定書を取得いたしました。なお、マクサス・コーポレートアドバイザリーは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。本特別委員会は、マクサス・コーポレートアドバイザリーの独立性及び専門性に問題がないことを確認し、当社の第三者算定機関として承認しております。

 当社がマクサス・コーポレートアドバイザリーから取得した当社株式価値算定書の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(イ)算定の概要」をご参照ください。

 

③ 当社における独立した法律事務所からの助言

 当社は、本取引等に関する当社取締役会における意思決定の過程における公正性及び適正性を担保するため、公開買付者及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして東京丸の内法律事務所を選任し、本取引等に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の過程、意思決定の方法その他の留意点について法的助言を受けております。

 なお、東京丸の内法律事務所は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、東京丸の内法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出されるものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 

④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

(ア)設置などの経緯

 当社は、当社において本取引等の是非につき審議及び決議するに先立ち、本取引等に係る当社取締役の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2024年11月1日開催の取締役会において、いずれも当社の独立社外取締役である、梅本大祐氏、舩木真由美氏、吉村貞彦氏及び井出彰氏の4名から構成される特別委員会を設置いたしました。本特別委員会は、本特別委員会の委員長として、互選により、梅本大祐氏を選定しております。なお、当社は、本特別委員会の委員として設置当初からこの4名を選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はなく、また当社は本特別委員会の委員への選定に際して、梅本大祐氏、舩木真由美氏、吉村貞彦氏及び井出彰氏が、いずれも公開買付者及び本取引との間に特段の利害関係を有していないことを確認しております。

 その上で、当社は、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引等の目的の正当性・合理性(本取引等が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)、(ⅱ)本取引等に係る手続の公正、(ⅲ)本取引等に係る取引条件の公正性・妥当性(本取引等の実施方法や対価の妥当性を含みます。)、(ⅳ)本公開買付に対して当社取締役会が賛同の意見を表明すること及び当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非、(ⅴ)上記を踏まえ、当社取締役会が本取引等の実施に関する決定を行うことが、当社の少数株主に不利益か否かについて諮問いたしました。

 また、当社取締役会は、本特別委員会への諮問にあたり、当社取締役会において、本取引等に関する当社取締役会の意思決定は本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われること、特に本特別委員会が本取引等の取引条件を妥当でないと判断したとき又は本公開買付けに賛同すべきでないと判断したときには、当社取締役会は本取引等を行う旨の意思決定(本公開買付けに賛同すること及び本取引等の承認をすることを含みます。)を行わないものとすることを決議しております。併せて、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(a)適切な判断を確保するために、当社のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー(以下「アドバイザー等」といいます。)を指名又は承認(事後承認を含みます。)する権限、(b)本諮問事項の検討にあたって、本特別委員会が必要と認める場合には、当社のアドバイザー等を選任する権限(本特別委員会のアドバイザー等の専門的助言に係る合理的な費用は当社の負担とします。なお、本特別委員会は、当社のアドバイザー等の独立性及び専門性に問題がないことを確認した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができるものといたします。)、(c)適切な判断を確保するために、当社の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限、(d)当社の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者から本取引等の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、(e)必要に応じて、本取引等の取引条件等の交渉を行う権限(なお、本特別委員会が、本取引等の取引条件等の交渉を直接行わない場合であっても、必要に応じて、本取引等の取引条件等に関する交渉について、事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引等の取引条件等の交渉に実質的に関与する権限及び当社の役職員やアドバイザー等を通じた間接的な交渉を行う権限を含みます。)、(f)その他本取引等に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項に関する権限を付与しております。

(イ)検討の経緯

 本特別委員会は、2024年11月7日から2025年4月9日までの間に合計12回開催され、本諮問事項についての協議及び検討が行われました。具体的には、本特別委員会は、当社、マクサス・コーポレートアドバイザリー及び東京丸の内法律事務所から、本取引の背景・経緯、当社の事業概要、本取引のストラクチャー、各アドバイザーの独立性、本パートナー選定プロセスの概要及び状況、公開買付者の選定手続の確認、本公開買付価格の算定手法の合理性、公開買付者との間の協議・交渉の経緯及び内容等について、適時に報告・説明を受けた上で、本特別委員会において、質疑応答を行っております。また、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるマクサス・コーポレートアドバイザリーから、当社株式の株式価値算定にかかる算定手法及び結果に関する説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行った上で、その合理性を確認しております。さらに、当社のリーガル・アドバイザーである東京丸の内法律事務所から、当社における本取引に関する意思決定を行うにあたっての留意点に関し当社が同事務所から得た法的助言の内容についても説明を受け、検討を行いました。なお、本特別委員会は、本パートナー選定プロセスにおいて、マクサス・コーポレートアドバイザリーから、適宜その状況について説明を受け、本第一次プロセス及び本第二次プロセスへの参加を打診する候補先の選定に関する当社の判断の合理性、候補先から受領した最終意向表明書を基に、公開買付者を最終候補先として選定した当社の判断の合理性について確認しており、その内容を審議・検討し、意見を述べることにより、最終候補先の選定という重要な局面において実質的に関与しております。

 当社が、最終候補先として公開買付者を選定した後も、当社が公開買付者から2025年3月11日付本提案書を受領し、本提案書における本公開買付価格の提案価格431円は、当社が考える当社の株式価値を大幅に下回る水準であることから、当社の少数株主保護の観点において妥当な水準とは到底いえないとして、本特別委員会は、2025年3月13日付で、公開買付者に対して、「2025年3月11日付『最終意向表明書』に対するご回答」を送付し、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、2025年3月17日付で公開買付者から「2025年3月13日付貴社ご回答について」書面において、公開買付価格の引き上げを真摯に検討する旨の回答を受領したため、同年3月19日に、本特別委員会は、改めて公開買付価格の引き上げについて書面で要請いたしました。その後、当社は、2025年3月24日に、公開買付者から本公開買付価格を474円とする再提案を受けました。これに対し、2025年3月25日、本特別委員会は、マクサス・コーポレートアドバイザリーから受けた当社株式の株式価値に係る助言及び本特別委員会における議論を踏まえて、公開買付者に対して、当該提案価格は、依然として当社が考える当社の株式価値を大幅に下回る水準であることから、当社の少数株主保護の観点において妥当な水準とは到底いえないとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年4月1日に、公開買付者から本公開買付価格を500円とする再提案を受けました。これに対し、2025年4月2日、本特別委員会は、マクサス・コーポレートアドバイザリーから受けた当社株式の株式価値に係る助言及び本特別委員会における議論を踏まえて、公開買付者に対して、マクサス・コーポレートアドバイザリーが当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社の株式価値の算定結果、当社株式の取引高実績から推計される当社の多くの一般株主における取得価格帯、及び当社と同じ業界に属する他の会社の公開買付事例におけるプレミアム水準などを総合的に考慮し、本公開買付価格を550円以上に引き上げることを要請いたしました。その後、2025年4月2日の米国政府による相互関税導入の発表を発端とする株式市場の大幅な変動が発生した状況下において、当社は、2025年4月8日に、公開買付者から本公開買付価格を502円とする最終提案を受けました。また、当該提案は、受領した書面によれば、必ずしも当社の多くの少数株主の皆様の取得価格帯を下回る水準とはいえず、また、少数株主の皆様にとっては魅力的なプレミアム水準でもあると考えているとのことです。

(ウ)判断の内容

 本特別委員会は、以上の経緯のもと、本諮問事項について、慎重に協議及び検討した結果、2025年4月9日付で、当社取締役会に対し、委員全員一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しております。

(ⅰ)答申内容

a 本取引は、当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は正当性・合理性を有する。

b 本取引に至る交渉過程等においては適切な公正担保措置が講じられており、本取引に係る手続は公正である。

c 本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価を含む。)については、公正性が認められ、妥当性についても一定程度確保されているといえるものの、当社の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募することを積極的に推奨すべきとまではいえない。

d 当社取締役会が、当社の株主に対しては、本公開買付けに賛同する旨の意見表明を行うことは合理的であるといえるが、本公開買付けに応募することの是非については中立の立場を取り、当社の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募するか否かについて、当社株主及び本新株予約権者の判断に委ねる旨の意見表明を行うことが相当である。

e 上記aからdその他の事項を踏まえ、当社取締役会が本取引の実施を決定することは当社の少数株主にとって不利益ではない。

 

(ⅱ)答申理由

a 本取引の目的の合理性について

・本特別委員会は、本取引に伴い当社に生じる企業価値の向上について、当社代表取締役社長大淵氏及び代表取締役垣内氏から、以下のとおり、説明を受けました。当社を取り巻く経営環境は、DXの知見を持つ人材も実行を担う人材も共に不足している状況にあり、当社は、DX市場の拡大を取り込むべく、縦横両軸での積極的な領域拡張への投資による事業拡大の取り組みを行っております。このような取り組みは中長期的に当社の企業価値向上に資するものであったとしても、短期的なキャッシュ・フローや収益の成長を阻むおそれがあるといった経営課題を有しています。本取引により、①事業領域の拡大、②独自データの取得・強化、③エンタープライズ企業へのリーチ強化が見込まれ、本取引は当社の事業及び企業価値の向上に資するものと考えられます(「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(イ)当社における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり)。

・本特別委員会において、当社代表取締役社長大淵氏及び代表取締役垣内氏に対して、質疑応答を行った上で、上記説明及びその回答について、慎重に審議・検討を行ったところ、当社が認識する当社を取り巻く経営環境及び経営課題に不合理な点はなく、本取引の目的には正当性・合理性があると認められます。他方で、公開買付者の社会的信用及び認知度を踏まえれば、本取引の実行後においても特段のディスシナジーは生じないと認められます。そのため、本取引により、一定の企業価値の向上が見込まれるものといえます。

 

b 本取引の取引条件の妥当性について

(a)第三者算定機関による株式価値算定書の取得

・当社は、本取引に関する意見表明を行うにあたり、本公開買付価格の公正性その他の本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるマクサス・コーポレートアドバイザリーに対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年4月9日付で当社株式価値算定書を取得しております。なお、マクサス・コーポレートアドバイザリーは、公開買付関係者等の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係るマクサス・コーポレートアドバイザリーに対する報酬は、本取引の成立等を条件とした成功報酬が含まれておりますが、同種の取引における一般的な実務慣行等を勘案すれば、かかる成功報酬によって独立性が否定されるわけではないと判断し、マクサス・コーポレートアドバイザリーを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しました。

・当社株式価値算定書によれば、当社株式の1株当たりの株式価値は、市場株価平均法によると、268円から315円、DCF法によると495円から612円、類似会社比較法によると、380円から506円とされています(「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(イ)算定の概要」に記載のとおり)。

・本特別委員会は、マクサス・コーポレートアドバイザリーから、当社株式の株式価値の算定方法及び評価プロセス並びに株式価値算定等に関する考察過程について詳細な説明を受け、これについて、質疑応答を行った上で検討した結果、そのいずれについても一般的な評価実務に照らして不合理な点は見当たらないことを確認しました。

・また、上記算定の前提となっている当社の本事業計画の内容に関する当社及びマクサス・コーポレートアドバイザリーから本特別委員会に対する説明を踏まえ、本特別委員会においても、当社の本事業計画の作成経緯及び当社の現状を把握した上で、それらに照らし不合理な点がないかという観点から本事業計画の合理性を確認したところ、2025年4月2日の米国政府による相互関税導入の発表を発端とする株式市場及び経営環境への影響という不確定要素はあるものの、現時点においては本事業計画に特段不合理な点はないといえます。

・したがって、当社株式価値算定書は、特段不合理なものではないと認められます。

(b)本公開買付価格(502円)について

 本公開買付価格については、以下のような事情が認められるところ、以下の事情を総合的に考慮すれば、本公開買付価格は、当社株式価値が一定程度反映されたものであるといえるものの、当社の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募することを積極的に推奨すべきとまではいえないと認められます。

・当社株式価値算定書の市場株価平均法による算定の上限を超えていること、DCF法及び類似会社比較法による算定の範囲内に属する水準にあること。

・本公開買付価格は、本公開買付けについての公表日の前営業日である当社株式の2025年4月9日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値268円に対し87.31%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値292円に対して71.92%のプレミアムを加えた価格、直近3ヶ月間の終値の単純平均値300円に対して67.33%のプレミアムを加えた価格、直近6ヶ月間の終値の単純平均値315円に対して59.37%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であること。

・2025年4月2日の米国政府による相互関税導入の発表を発端とする株式市場の大幅な変動を考慮すると当該プレミアムが適正な水準にあると現時点で判断することは困難であること。

・当社株式の上場来の株価推移を考慮すると株式取得価格が本公開買付価格を上回る株主も一定程度存在すると想定されること。

・本公開買付価格はマクサス・コーポレートアドバイザリーが当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社株式価値の算定結果の下限値を越えるものの、中央値を下回り且つ下限値に近い価格であること。

(c)対価の種類

 本取引の対価は金銭とされているところ、最も流動性の高い対価であり、対価の種類は妥当と認められます。また、本公開買付けに応募しなかった株主に対しては、当社の株主を公開買付者のみとし、本スクイーズアウト手続を実施するに際し、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一の価格が交付される予定とのことあり、本公開買付けに応募しなかった株主が不利益を被るものではないと認められます。

(d)交渉過程の手続の公正性

 下記c記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に至る交渉過程の手続は公正であると認められるところ、本公開買付価格502円は、かかる交渉の結果を踏まえて決定されたものであると認められます。

(e)小括

 以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、たしかに、マクサス・コーポレートアドバイザリーから取得した株式価値算定書及び本公開買付価格決定に係る交渉過程に不合理な点はなく、本取引により当社の少数株主に交付される対価の種類は妥当であり、本公開買付価格は、当社の企業価値を一定程度反映したものであり、本取引の取引条件の妥当性は一定程度確保されているものの、2025年4月2日の米国政府による相互関税導入の発表を発端とする株式市場の大幅な変動を考慮すると当該プレミアムが適正な水準にあると現時点で判断することは困難であること、当社株式の上場来の株価推移を考慮すると株式取得価格が本公開買付価格を上回る株主も一定程度存在すると想定されること、本公開買付価格はマクサス・コーポレートアドバイザリーが当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社株式価値の算定結果の下限値を越えるものの中央値を下回り且つ下限値に近い価格であること等を総合的に判断すると、当社の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募することを積極的に推奨すべきとまではいえないと認められます。

 

c 本取引の手続の公正性について

(a)本特別委員会の組成

・上記(ア)のとおり、当社は、本取引を検討するに際し、本公開買付価格の公正性を担保し、利益相反を回避することを目的として、2024年11月1日付取締役会決議に基づき、本特別委員会の委員4名を選任しました。なお、本特別委員会の委員は、いずれも当社の社外取締役であり、公開買付者及び当社と特別な利害関係を有する立場にはなく、また、特別委員としての報酬、本取引の成否等を条件とする成功報酬制は採用されていないことから、本取引との関係でも独立性が認められます。

・また、当社取締役会は、本特別委員会に対する権限に関し、本特別委員会が必要に応じて、本取引の取引条件等の交渉を行う権限(なお、本特別委員会が、本取引の取引条件等の交渉を直接行わない場合であっても、必要に応じて、本取引の取引条件等に関する交渉について、事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件等の交渉に実質的に関与する権限及び当社の役職員やアドバイザー等を通じた間接的な交渉を行う権限を含みます。)を付与することを決議しており、本特別委員会が交渉過程に影響を与えうる状況を確保しております。

・その上で、本特別委員会において、2024年11月7日より2025年4月9日までの間に合計12回、計約13時間にわたり審議を重ねました。

(b)利益相反回避措置の実施

・当社の取締役会においては、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するか否かに係る審議及び本特別委員会の意見を最大限尊重しつつ、本取引に対する賛否及び決議が行われる予定であるところ、かかる取締役会においては、当社の代表取締役社長大淵氏及び代表取締役垣内氏は、公開買付者との間で応募契約が締結されることが予定されていることから、本取引に関して、当社の少数株主との間で利害が必ずしも一致しない可能性もあるため、利益相反を回避すべく、特別利害関係取締役として、上記取締役会における審議及び決議に一切参加しない予定となっています。

・その他、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程で、公開買付者又は本取引に特別な利害関係を有する者が当社側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は特段認められません。

・したがって、本件では、利益相反を回避するための措置が適切に講じられていると認められます。

(c)独立性を有する外部専門家の専門的助言等の取得

・当社は、本取引が支配株主による公開買付けないしいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものではないものの、本公開買付けに際して公開買付者と筆頭株主である大淵氏及び第2位株主である垣内氏との間で応募契約を締結することが予定されていることから、本取引に関して当社の少数株主との間で利害が必ずしも一致しない可能性もあるため、本公開買付価格の公正性の担保、利益相反を回避すべく、本取引について検討するにあたっては、本取引の候補先、当社及び大淵氏及び垣内氏から独立した第三者算定機関兼ファイナンシャル・アドバイザーであるマクサス・コーポレートアドバイザリーから当社株式価値算定書を取得したほか、リーガル・アドバイザーである東京丸の内法律事務所から助言・意見等を得ながら、当社の企業価値向上ひいては株主共同の利益の観点から、本公開買付価格をはじめとする本公開買付けの買付条件の妥当性及び本取引の一連の手続の公正性といった点について慎重に検討及び協議を行いました。

・なお、マクサス・コーポレートアドバイザリー及び東京丸の内法律事務所は、いずれも本取引の候補先、当社及び大淵氏及び垣内氏のいずれに対しても独立性を有しており、かつ、これらの者との間で本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係はございません。本特別委員会は、上記の点を含め、マクサス・コーポレートアドバイザリー及び東京丸の内法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを確認し、2024年11月1日、当社の第三者算定機関、ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーとして承認しております。

(d)本特別委員会による協議・交渉

 当社は、本特別委員会に対し、本取引の取引条件等の交渉を行う権限を付与しています。これを前提に、本特別委員会は、マクサス・コーポレートアドバイザリーを窓口として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるフーリハン・ローキー株式会社を介し、公開買付者との間で、公開買付価格について、少数株主の利益保護の観点からその公正性を確保するための実質的な協議・交渉を行いました。具体的には、公開買付者は、2025年3月11日付で、当社に対して、本公開買付価格を431円とすること等を記載した本提案書を提出し、これに対して、本公開買付価格の提案価格431円は、当社が考える当社株式の適正な価値を大幅に下回る水準と認識しており、当社の株主に対して応募推奨を行うという観点からは、不十分な価格であると考えており、本公開買付価格について大幅な引上げを要請する旨の回答書を提出いたしました。これを受け、公開買付者は、同年3月17日、当社に対して、本公開買付価格の引上げを真摯に検討する一方で、公開買付者は本提案書における本公開買付価格の提案価格431円は、過去の類似取引と比較しても遜色がないプレミアムが付されているものと認識していることから、当社が当該提案価格を、当社の株主に対して応募推奨を行うという観点からは、不十分な価格であると考えている具体的な背景や判断理由を確認したい旨の回答書を提出し、これに対して、本特別委員会より、同年3月19日、本提案書における本公開買付価格の提案価格431円は、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるマクサス・コーポレートアドバイザリーが、DCF法により算定した当社の株式価値の算定結果の下限値を大幅に下回ること及び当社株式の取引高実績から推計される、多くの当社の一般株主における取得価格帯を大幅に下回る水準であることから、当社の株主に対して応募推奨を行うには、不十分な価格であると考えている旨の回答書を提出いたしました。これを受け、公開買付者は、同年3月24日、当社に対して、本公開買付価格を474円とする旨の回答書を提出し、これに対して、本特別委員会より、同年3月25日、上記提案価格は、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるマクサス・コーポレートアドバイザリーが、当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社の株式価値の算定結果の下限値を大幅に下回ること及び当社株式の取引高実績から推計される、多くの当社の一般株主における株式取得価格帯を大幅に下回る水準であることから、当社の株主に対して応募推奨を行うには、不十分な価格であると考えており、本公開買付価格の大幅な引上げを要請する旨の回答書を提出いたしました。その後、当社は、2025年4月1日に、公開買付者から本公開買付価格を500円とする再提案を受けました。これに対し、2025年4月2日、本特別委員会は、マクサス・コーポレートアドバイザリーから受けた当社株式の株式価値に係る助言及び本特別委員会における議論を踏まえて、公開買付者に対して、マクサス・コーポレートアドバイザリーが当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社の株式価値の算定結果、当社株式の取引高実績から推計される当社の多くの一般株主における取得価格帯、及び当社と同じ業界に属する他の会社の公開買付事例におけるプレミアム水準などを総合的に考慮し、本公開買付価格を550円以上に引き上げることを要請いたしました。その後、2025年4月2日の米国政府による相互関税導入の発表を発端とする株式市場の大幅な変動が発生した状況下において、当社は、2025年4月8日に、公開買付者から本公開買付価格を502円とする最終提案を受けました。

 以上のとおり、本特別委員会は、公開買付者との間で、本公開買付価格について、少数株主の利益保護の観点からその公正性を確保するための実質的な協議・交渉を行っております。

(e)入札手続の実施

 当社は、本取引の相手方の選定にあたり、2024年11月上旬より、公開買付者及び他の候補企業を含む事業会社及び投資ファンドである候補先に打診することによる入札プロセスを実施しました。そして、上記打診先のうち4社から、2024年12月13日付で意向表明書の提出を受け、複数の候補者から当社の企業価値向上に向けた提案を受ける機会を確保しました。当社及び本特別委員会は、本取引の目的、本取引後の当社の経営方針や事業戦略の方向性、当社とのシナジー効果及び従業員の処遇、提示された当社株式1株当たりの希望取得価格等について慎重に検討した上で、公開買付者が、当社の株主にとってより最も有利な条件を提示する候補者であると判断し、2024年12月25日に、公開買付者1社を本第二次プロセスに招聘することを決定しました。

 したがって、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討するいわゆる積極的なマーケット・チェックが実施されているといえます。

(f)対抗的な買付け等の機会確保

 ①本公開買付けに関しては、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)が法令に定められた最短期間(20営業日)よりも長期である32営業日に設定される予定であるとともに、②公開買付者と当社とは、公開買付者以外の対抗的買収提案者と接触することを制限するような内容の合意等は一切行っておらず、上記公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付けの機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮されているといえます。

(g)少数株主への適切な情報提供

 本取引に際しては、以下に掲げる情報又はこれらと実質的に同様の情報が開示書類において開示される予定であり、少数株主に対して適切な情報提供が行われる予定です。

・本特別委員会に関する情報

・本特別委員会に付与された権限の内容に関する情報

・当社株式価値算定書による当社の株式価値の算定結果に関する情報

・本取引の実施を決定するに至ったプロセス等に関する情報

・本取引を行うことを選択した背景・目的等に関する情報

・当社と公開買付者との間で行われた取引条件等に関する協議・交渉の経緯並びに本特別委員会の関与状況に関する情報

・本公開買付けの公正性を担保するための措置に関する情報

(h)強圧性の排除

 本公開買付け後の本スクイーズアウト手続は、株式等売渡請求(会社法第179条第1項)又は株式併合(会社法第180条第1項)を用いるスキームにより実行するとされております。いずれのスキームを用いる場合であっても、本公開買付けに応募しなかった当社の少数株主には、価格決定の申立て(会社法第179条の8第1項、会社法第182条の5第2項)を行う権利が認められています。そして、公開買付者によれば、本スクイーズアウト手続においては、本公開買付けに応募しなかった当社の少数株主に対して、本公開買付価格に当該株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定された額が交付される予定であり、その旨がプレスリリース等で明示される予定です。

 以上を踏まえると、本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会は少数株主に対して与えられており、強圧性は排除されているといえます。

(i)小括

 以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引においては適切な公正担保措置が講じられており、本取引に至る交渉過程等の手続は公正であることが認められます。

 

d 賛同意見表明及び応募推奨の是非

 上記a乃至c及び下記eに記載のとおり、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると認められ、また、本取引において公正な手続を通じて当社の少数株主への配慮がなされているうえ、本公開買付価格についても、当社株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されており、当社の少数株主に対し投資回収機会を提供する観点では一定の合理性はあるものの、2025年4月2日の米国政府による相互関税導入の発表を発端とする株式市場の大幅な変動を考慮すると当該プレミアムが適正な水準にあると現時点で判断することは困難であること、当社株式の上場来の株価推移を考慮すると株式取得価格が本公開買付価格を上回る株主も一定程度存在すると想定されること、本公開買付価格はマクサス・コーポレートアドバイザリーが当社の本事業計画を基にDCF法により算定した当社株式価値の算定結果の下限値を越えるものの中央値を下回り且つ下限値に近い価格であること等を総合的に判断すれば、当社の少数株主及び本新株予約権者に対して本公開買付けへの応募を積極的に推奨すべきとまではいえないと認められます。したがって、本公開買付けに賛同する旨の意見表明を行うことは合理的であるものの、本公開買付けに応募することの是非については中立の立場を取り、当社株主及び本新株予約権者の判断に委ねるのが相当であるといえます。

 

e 当社取締役会が本取引の実施を決定することは、当社の少数株主に不利益か否か

 上記a乃至cその他の事情を踏まえ、本取引の目的は合理性を有するといえ、また、本取引の取引条件の妥当性は一定程度確保されており、また、本取引に係る手続は公正であるといえることから、当社取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する意見表明を含みます。)を決定することは当社の少数株主にとって不利益ではないといえます。

 

⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認

 当社取締役会は、マクサス・コーポレートアドバイザリーから取得した株式価値算定書の内容及び東京丸の内法律事務所から受けた法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引について、当社の企業価値の向上、少数株主等の皆様の利益保護を含む本取引に関する諸条件の妥当性等の観点から、慎重に協議及び検討を行いました。

 その結果、当社は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(イ)当社における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2025年4月10日開催の取締役会においては、当社の取締役8名のうち、代表取締役社長である大淵氏及び代表取締役である垣内氏は、当社の主要株主であり、本公開買付けに応募する旨を合意していることから、本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点より、大淵氏及び垣内氏を除く当社取締役6名において審議の上、その全員一致により、本公開買付けの実施も含めた本取引が、上記したシナジーの発現を通じて、当社の企業価値向上に資するものであることから、本公開買付けに賛同の意見を表明する一方、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付価格である502円は、当社の少数株主に投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があるものの、少数株主に対し本公開買付けへの応募を積極的に推奨すべきとまではいえないことから、本公開買付けに応募するか否かについては中立の立場をとった上で、当社株主の皆様のご判断に委ねること及び本新株予約権者の皆様に対しては、各本新株予約権買付価格が1円とされていることから、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨を決議しております。また、上記の取締役会に参加した取締役6名において、公開買付者の役員との兼職関係にある等利害関係を有する役員は存在しておりません。なお、当社取締役のうち、大淵氏及び垣内氏は、利益相反の疑いを回避する観点より、当社取締役会における本取引の検討に関する議題の審議には一切参加しておらず、また、当社の立場において本取引の検討、本取引に係る公開買付者との協議・交渉にも一切参加しておりません。

 

⑥ 入札プロセスの実施

 当社は、2024年11月中旬より、公開買付者を含む候補先に打診することによるパートナー選定プロセスを実施し、その結果、公開買付者を含む4社の候補先と第1次入札プロセスを実施しました。本第1次入札プロセスでは、質問書に対する回答及び当社経営陣へのインタビュー等の機会を提供し、その結果、公開買付者を含む4社の候補先から当社の企業価値向上に向けた第1次意向表明書を受領しました。当社は、本取引の目的、本取引後の当社の経営方針や事業戦略の方向性、当社とのシナジー効果及び従業員の処遇、提示された当社株式1株当たりの希望取得価格等について慎重に検討した上で、公開買付者を最終入札プロセスに招聘することを決定しております。

 かかる経緯を踏まえれば、本取引においては、潜在的な買収者の有無を調査するマーケット・チェックが行われたと評価することが可能と考えられます。

 

⑦ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置等

 公開買付者は、上記「(4)本公開買付け後の組織再編などの方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する当社株式数に応じて、本株式等売渡請求をすること又は本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に対して要請することを予定しており、当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)本株式等売渡請求又は本株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。

 また、公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、32営業日に設定しているとのことです。公開買付期間を法令に定められた最短期間20営業日よりも比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様が本取引の是非や本公開買付価格の妥当性について熟慮し、本公開買付けに応募するか否かについて適切な判断を行うための機会を確保しているとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。

 

⑧ マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)を満たす買付予定数の下限の設定

 本公開買付けにおける買付予定数の下限は、本公開買付け成立後に公開買付者が所有する当社の議決権が当社の総議決権数の3分の2以上となるように5,180,200株(所有割合66.51%)に設定しているとのことです。本公開買付けが成立するためには、大淵氏及び垣内氏が所有する当社株式(合計:1,952,100株、所有割合:25.06%)及び新株予約権(合計:14,400個(目的となる株式数:432,000株、所有割合:5.55%))の他に、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主の皆様が所有する当社株式2,796,100株以上の応募が必要であり、これは、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の水準(2,702,200株。公開買付者と利害関係を有さない当社の株主の皆様が所有する当社株式数は、当社潜在株式勘案後株式総数から大淵氏及び垣内氏が所有する株式(計1,952,100株)及び新株予約権(計14,400個(目的となる株式の数:432,000株))を控除した数(5,404,240株)に係る議決権の数(54,042個)の過半数に相当する数(27,022個)に相当する当社株式数(2,702,200株))を上回っており、「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」条件を満たしているとのことです。

 

(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項

① 本応募契約

 上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、大淵氏及び垣内氏との間で2025年4月10日付で本応募契約を締結しており、大淵氏及び垣内氏が、応募予定株式等の全てについて本公開買付けに応募すること(以下「本応募」といいます。)を合意しているとのことです。本応募契約において、大淵氏及び垣内氏は、いかなる場合であっても、本公開買付けへの応募を撤回し、当該応募の結果成立した当該株式の買付けに係る契約を解除することはできないものとされているとのことです。なお、本応募契約において、大淵氏及び垣内氏による応募の前提条件は存在しないとのことです。また、本応募契約において、公開買付者は、(ⅰ)設立及び存続の有効性、(ⅱ)本応募契約の適法かつ有効な締結及び履行、(ⅲ)本応募契約の強制執行可能性、(ⅳ)公開買付者による本応募契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(ⅴ)倒産手続等の不存在、(ⅵ)公開買付者と反社会的勢力等との関係の不存在について表明及び保証を行っているとのことであり、また、(ⅰ)補償義務、(ⅱ)秘密保持義務、(ⅲ)本応募契約上の地位又は本応募契約に基づく権利義務の譲渡禁止義務等を負っているとのことです。

 また、大淵氏及び垣内氏は、(ⅰ)本応募契約の締結日から公開買付期間末日までの間、本公開買付けの開始及び成立その他本公開買付けの円滑な遂行に合理的な範囲で協力すること、(ⅱ)WACUL従業員持株会の名義で所有する当社株式、及び当社の役員及び従業員が所有する当社株式について、本公開買付けに応募され、その応募が撤回されないよう合理的な範囲で協力すること、(ⅲ)本応募契約の締結日から本公開買付けの決済が完了する日(公開買付者が本公開買付けにより買い付けた当社株式に係る振替手続が完了する日をいい、以下、「本決済完了日」といいます。)までの間、当社の代表取締役として、善良なる管理者の注意をもって、当社グループの事業を遂行すること、(ⅳ)本応募契約の締結日から本決済完了日までの間、当社の株式等又は当該株式等に係る権利の取得を行わないこと(ただし、本応募を行うため、その保有する当社第2回新株予約権の全部又は一部を行使することにより、当社株式を取得することができます。)、(ⅴ)本応募契約の締結日から本決済完了日までの間、本公開買付けと実質的に競合若しくは矛盾し又は本公開買付けの障害となる取引に応じず、また、当該取引に関する協議又はそのための情報提供を行わないこと、(ⅵ)第三者から本公開買付けと実質的に競合若しくは矛盾し又は本公開買付けの障害となる取引に係る提案を受けた場合、速やかに、公開買付者に対し、その旨及び当該提案の内容を通知し、対応につき、誠実に協議すること(ただし、当該提案が本公開買付けに係る公開買付価格を10%以上上回る買付価格を内容とする場合であって、当該通知の日から起算して5営業日以内(ただし、公開買付期間の末日の5営業日前を限度とします。)に協議が整わない場合、大淵氏及び垣内氏は本公開買付けに対する応募を行わないことができ、また、既に応募している場合には応募を撤回することができます。)、及び(ⅶ)本決済完了日以前の日を議決権行使の基準日とする当社の株主総会が開催されるときは、当該株主総会において、公開買付者の指示に従い、応募予定株式等に係る議決権その他の株主としての権利の行使を行うことについて合意しているとのことです。なお、本応募契約においては、相手方当事者(公開買付者にとっては大淵氏又は垣内氏を、大淵氏又は垣内氏にとっては公開買付者を指します。以下本項目において同じです。)が支払停止、支払不能若しくは債務超過となった場合、相手方当事者について法的倒産手続の開始の申立があった場合又は相手方当事者について表明及び保証について重大な点において違反があった場合が解除事由として規定されているとのことです。また、本公開買付けが撤回され又は本公開買付けが不成立となった場合には、本応募契約は自動的に終了するものとされているとのことです。

 

② 本経営委任契約

 公開買付者は、2025年4月10日付で、大淵氏及び垣内氏の各氏との間で、本経営委任契約を締結し、本公開買付けの成立を効力発生条件として、大淵氏及び垣内氏に対し、当社の代表取締役としての職務を委任することを合意しているとのことです。なお、当該職務執行の対価については、固定報酬については本経営委任契約の締結時点と同水準とすること、2027年2月期からは別途業績等を踏まえたインセンティブ報酬の導入を検討すること及び報酬内容は毎期その内容を見直すことを合意しているとのことです。

 なお、公開買付者は、本公開買付けに関して、本応募契約及び本経営委任契約以外に、大淵氏及び垣内氏との間で合意を行っておらず、本応募により得られる金銭以外に公開買付者から大淵氏及び垣内氏に対して供与される利益は存在しないとのことです。

 

4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

(1)普通株式

氏名

役職名

所有株式数(株)

議決権数(個)

大淵 亮平

代表取締役社長

1,125,900

11,259

垣内 勇威

代表取締役

826,200

8,262

竹本 祐也

取締役

231,000

2,310

 (注1) 役職名、所有株式数及び議決権数は、本書提出日現在のものです。

 

(2)新株予約権

氏名

役職名

所有個数

株式に換算した数

(株)

株式に換算した議決権数(個)

大淵 亮平

代表取締役社長

9,800

294,000

2,940

垣内 勇威

代表取締役

4,600

138,000

1,380

竹本 祐也

取締役

2,800

84,000

840

松尾 龍

取締役

15,500

30,000

3,000

 (注1) 役職名、所有個数、株式に換算した数及び株式に換算した議決権数は、本書提出日現在のものです。

 (注2) 代表取締役社長大淵亮平は、第2回新株予約権を9,800個所有しています。

 (注3) 代表取締役垣内勇威は、第2回新株予約権を4,600個所有しています。

 (注4) 取締役竹本祐也は、第2回新株予約権を2,800個所有しています。

 (注5) 取締役松尾龍は、第3回新株予約権を500個、第8回新株予約権を15,000個所有しています。

 

5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

 該当事項はありません。

 

6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

 該当事項はありません。

 

7【公開買付者に対する質問】

 該当事項はありません。

 

8【公開買付期間の延長請求】

 該当事項はありません。

 

以 上