第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当中間会計期間(2024年9月1日から2025年2月28日まで)におけるわが国経済は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復しております。企業収益は改善し、雇用情勢は改善の動きがみられ、個人消費は一部に足踏みが残るものの、持ち直しの動きがみられます。

 当家電小売業界における売上は、冷蔵庫や調理家電等が低調に推移いたしましたが、スマートフォン等が好調、理美容家電等が堅調であったため、総じて堅調に推移いたしました。

 このような状況の中、当社は、「家電を通じて 笑顔あふれる 明るく暖かいみらいをつくる くらし応援企業であること」のパーパスのもと、「お客様のくらしを『より快適に』『より便利に』『より楽しく』します。くらし応援コジマ」をビジョンに掲げ、「生産性向上戦略」及び「成長戦略」の2大戦略を推進するとともに、社会課題の解決や環境への配慮等を重視しながら企業活動に取り組むサステナビリティ経営を推進し、企業価値の向上に努めております。

 その一環として、当中間会計期間において当社は販売員の接客品質向上に努め、他社との差別化を図っております。2024年11月には、「関東研修センター」(東京都板橋区)に続いて2拠点目となる「東北研修センター」を宮城県仙台市に開設し、販売員の教育機会の拡充に努めてまいりました。接客の際、お客様のニーズに合った商品をどのように提案できるかの重要性は今後更に高まると考え、お客様との会話のキャッチボールを通して、意思疎通を図りながら商品提案ができる販売員を育成するため、商品知識の習得だけでなく、礼節や清潔感に関しても教育を進めております。また、販売員一人ひとりの生産性を高めるため、電子棚札の導入を64店舗に拡大し、店舗業務の効率化を進めております。加えて、売上や利益に対する販売員の貢献度を、より明確な評価指標で算定する新たな人事評価制度を導入することでモチベーションを高め、更に接客に注力できる体制を構築し、人時生産性の向上に取り組んでおります。そして従業員エンゲージメントの向上にも努め、「ウォーキングイベント」を始めとした社内向けイベントを定期的に開催し、従業員が主体的に健康づくりに取り組めるよう環境整備に取り組んでおります。また、多様化するお客様のニーズに対応するため、9月より店頭においてスマートフォンやゲーム機等のリユース品の販売を開始し、2025年2月末現在で10店舗に導入しております。今後も引き続きリユース品の取り扱い店舗を拡大することで、新品だけでなくリユース品を含めたラインナップから商品を選んでいただけるよう、利便性の向上に努めてまいります。

 成長事業の収益拡大に向けた取り組みにつきましては、EC事業において、コジマネットでのお買い物の際に「コジマ×ビックカメラカード」、「コジマクレジット&ポイントカード」による無金利分割払いが可能となりました。決済方法の拡充やコンテンツのリッチ化により、接客等が必要な大型家電製品などを安心してお買い物いただけるようECサイトの充実に努め、収益拡大に取り組んでおります。住設事業においては、成長領域であるリフォーム(屋根・外壁塗装、水回り)や再生可能エネルギー関連商品(太陽光発電、蓄電池)の販売専任者だけでなく、店舗管理者への教育にも注力することで、販売力の強化に努めております。さらに、くらし応援便サービスとの連携を推進することで、従業員がお客様宅を訪問した際に、住宅設備に関するお困りごとにも対応できるよう体制の強化に努めております。今後も引き続き、新たな事業の開発やビジネス機会の創出に努め、成長を加速させてまいります。

 サステナビリティ経営の推進につきましては、当社は、気候関連リスク及び機会の評価に用いる指標として、温室効果ガス排出量(Scope1、Scope2)を指標と定め、2030年までにScope1、Scope2合計の温室効果ガス排出量を2017年度比で55%削減することを目標としております。具体的な取り組みとしまして、コーポレートPPA方式による太陽光発電パネルの導入店舗を更に拡大し、現在12店舗に導入しております。なお、温室効果ガスの算定は、GHGプロトコルを参照した方法で行っており、Scope1、Scope2及びScope3(カテゴリ1,2,3,4,5,6,7,11,12,13)につきまして、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による第三者検証を実施し、保証を受けております。また、店舗駐車場へのEV用充電設備の導入につきましても41店舗に拡大し、EV普及促進への貢献に努めております。

 店舗展開においては、2024年11月30日に「コジマ×ビックカメラ CiiNA CiiNA 屯田店」(北海道札幌市)を開店したことから、2025年2月末現在の店舗数は140店舗となりました。

 また、当社は、2024年11月25日に「2025年8月期 ~ 2029年8月期 中期経営計画」を公表いたしました。「店舗ブランド力強化」、「人時生産性向上」、「成長事業における収益拡大」、「資本効率向上」の4つの重点戦略を推進し、経営目標の達成を目指してまいります。

 

 当中間会計期間(9月~2月)の業績につきましては、携帯電話(スマートフォン)が、新製品の発売に伴い買い替え需要が喚起されたことから好調に推移いたしました。また、エアコンや冷蔵庫が、物価上昇等に伴う省エネ意識の高まりから、東京都を始めとした各自治体が実施している省エネ家電への買い換え補助金制度の後押しもあり、東京都内の店舗を中心に好調に推移したことから、売上高は増収となりました。利益面につきましては、比較的粗利率の低い携帯電話の売上構成比上昇の影響があったものの、販売員の接客品質向上に取り組み、高付加価値商品の販売強化による利益改善に継続して努めてきたことから、売上総利益率が前年同期を上回りました。販売費及び一般管理費につきましては、人財確保のため、人的資本投資の積極的な推進により人件費が増加したことに加えて、政府の補助金終了に伴い水道光熱費が増加いたしました。一方で、物流費や広告宣伝費、販売促進費等の効率的な経費コントロールに努めたことにより、売上に対する販管費率が大きく減少したことから、各段階利益は増益となりました。

 以上の結果、当中間会計期間の売上高は 1,366億67百万円(前年同期比 5.6%増)、営業利益は 34億40百万円(前年同期比 57.2%増)、経常利益は 36億88百万円(前年同期比 57.9%増)、中間純利益は 24億91百万円(前年同期比 52.5%増)と、増収増益となりました。

 

①財政状態の分析

(資産の部)

 当中間会計期間末の総資産は、前事業年度末に比べ9億15百万円増加(前事業年度末比 0.8%増)し、1,155億75百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少 38億77百万円があったものの、商品の増加 44億42百万円によるものであります。

(負債の部)

 当中間会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べ4億18百万円減少(前事業年度末比 0.9%減)し、477億62百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加 34億71百万円があったものの、買掛金の減少 11億52百万円、未払金の減少 11億77百万円、未払法人税等の減少1億40百万円、未払消費税等を含むその他流動負債の減少9億54百万円によるものであります。

(純資産の部)

 当中間会計期間末の純資産合計は、前事業年度末に比べ 13億34百万円増加(前事業年度末比 2.0%増)し、678億13百万円となりました。主な要因は、剰余金の配当(純資産の減少)12億31百万円があったものの、中間純利益(純資産の増加)24億91百万円によるものであります。

 

②経営成績の分析

(売上高、売上原価、販売費及び一般管理費)

 当社の品目別売上高の状況につきましては、冷蔵庫や調理家電等が低調に推移いたしましたが、スマートフォン等が好調に推移した結果、当中間会計期間における売上高は 1,366億67百万円(前年同期比 5.6%増)となりました。

 一方、売上原価は 995億6百万円(前年同期比 5.4%増)となりました。

 また、販売費及び一般管理費は 337億20百万円(前年同期比 3.0%増)となりました。

(営業外収益、営業外費用)

 営業外収益は2億96百万円(前年同期比 52.5%増)となりました。これは主として受取手数料を 35百万円(前年同期比 15.8%減)、受取保険金を1億18百万円(前年同期比 13.0%増)、店舗閉鎖損失引当金戻入額を 57百万円(前年同期比 266.7%増)それぞれ計上したことによるものであります。

 一方、営業外費用は 48百万円(前年同期比 2.5%増)となりました。これは主として支払利息を 31百万円(前年同期比 70.7%増)、支払手数料を8百万円(前年同期比 3.6%減)それぞれ計上したことによるものであります。

(特別損失)

 特別損失は 16百万円(前年同期比 18.3%減)となりました。これは主として固定資産除却損を 15百万円計上したことによるものであります。

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ 41億77百万円減少し、202億80百万円となりました。当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は 46億33百万円(前年同期は7億14百万円の使用)となりました。これは主に、税引前中間純利益 36億72百万円の計上があったものの、棚卸資産の増加 44億63百万円、仕入債務の減少額 11億52百万円、未払又は未収消費税等の増減額 12億80百万円、その他の流動負債の減少を含むその他の減少9億46百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は 15億50百万円(前年同期は8億22百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出3億円、有形固定資産の取得による支出 13億5百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は 20億7百万円(前年同期は 13億84百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出 20億16百万円、配当金の支払額 12億30百万円があったものの、長期借入れによる収入 54億円によるものであります。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。