第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。

(1)財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間におきましては、国内では雇用・所得環境の改善が継続し、緩やかな景気回復基調で推移しました。一方でアメリカの通商政策の変化や、地政学的に不安定な状況が継続していることなどから、先行きの不確実性は高く今後も十分な注意が必要です。

当社グループが属するゲーム業界では、「Nintendo Switch 2」が6月に発売されるとの発表があり、市場の期待が大きく高まっていると感じられます。今後、対応ソフトウエアの開発需要も増していくことが予想されます。

そのような状況のもと、当社グループの当中間連結会計期間の業績につきましては、ゲーム事業の複数のプロジェクトにおいて開発活動が活発に進行している状況が継続し、前年同期よりも大幅に増収し、売上高は31億54百万円(前年同期比56.7%増)となりました。

利益面につきましては、前年同期には開発トラブル2件による大きな損失が発生しましたが、当中間連結会計期間にその影響は一切及んでいないことに加え、主要な開発プロジェクトが概ね円滑に進行しており想定をやや上回る収益性で推移しているものが多いことから、営業利益は3億19百万円(前年同期は営業損失4億59百万円)、経常利益は3億21百万円(前年同期は経常損失4億51百万円)と前年同期に比べ大幅な増益となりました。2025年3月24日に発表したお知らせのとおり、当社が長岡京市に有する長岡京トーセビルの建替えを計画しており、現存する建物の解体や一部土地の売却に関連する費用のうち約1億77百万円が、当中間連結会計期間において特別損失として発生しました。この結果、親会社株主に帰属する中間純利益は94百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失3億15百万円)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりです。文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。

なお当中間連結会計期間より、報告セグメントを「ゲーム事業」と「その他事業」に変更したことに伴い、当中間連結会計期間の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

①ゲーム事業

家庭用ゲーム機・PC関連については、複数の開発プロジェクトで稼働の高い状態が継続しており、なかには追加発注で開発ボリュームが期初の想定を超えて推移しているものもあり、売上に大きく貢献しております。ほかにも、海外の大手ゲーム会社との開発プロジェクトなど、いくつかの試作段階のプロジェクトが進行しました。これらの結果、売上高は21億5百万円(前年同期比94.7%増)となりました。前年同期には、想定外のトラブルが発生した開発プロジェクトへの対応で、他のプロジェクトへの着手が遅れていたことなどから売上高が低調であったため、当中間連結会計期間と前年同期を比べたときの増収幅が大きくなっております。

スマートフォン関連については、複数のスマートフォンゲームの運営に引き続き従事しており、運営業務全体としては前年同期をやや上回る水準で推移しました。一方でスマートフォンゲーム市場は競争の激しい状況が継続しており、新規開発のご依頼については現在家庭用ゲーム機向けのものを優先して対応していることから、開発売上は前年同期に比べ減収となりました。この結果、売上高は6億72百万円(前年同期比3.0%減)となりました。

その他については、売上高5百万円(前年同期比7.1%減)となりました。

 

以上の結果、当事業の売上高は27億83百万円(前年同期比56.3%増)、営業利益2億64百万円(前年同期は営業損失4億95百万円)となりました。セグメント営業利益については、当第2四半期は一部の開発プロジェクトでクライアントの中間検査通過に際し一時的に負荷が高まり、外部発注も増加したことに加え、試作段階の開発プロジェクトでは内容の構成や中間成果物についてクライアントとの調整に時間を要したことで通常に比べ生産効率が低かったことや、第1四半期に一時的に高まったレベニューシェアが当第2四半期は落ち着いたことなどから、第1四半期に比べると、当第2四半期のゲーム事業の売上総利益は低水準となりました。しかしながら、主要な開発プロジェクトは概ね順調に進行しており、各プロジェクトとしての収益性は想定をやや上回り良好に推移しているものが多いことと、前年同期に発生した開発トラブル2件による大きな損失が一切なくなったことで、当中間連結会計期間のセグメント営業利益は、前年同期に比べ大幅な増益となりました。

(文中注釈)

 ※開発したタイトルの販売に応じて分配される成功報酬であり、原価を伴わない収益。

 

②その他事業

SI事業では、教育関連分野において2024年8月期の後半から進行してきたコンテンツ開発のプロジェクトは当中間連結会計期間に完了し、同分野の技術やノウハウを水平展開して引き続き取引拡大に取り組んでおります。家庭用カラオケ楽曲配信事業の収益は引き続き安定しており、当中間連結会計期間においては前年同期とほぼ同水準で推移しました。一般的なゲームソフトとは異なる、エンタテインメント系アプリ等の企画や開発サービスについては、新しい取引の獲得に向けて多様な業種への企画提案に取り組んでおり、うち一部では技術検証を含む試作プロジェクトに進んでおります。これらの結果、当事業の売上高は3億70百万円(前年同期比59.4%増)、営業利益54百万円(前年同期比50.3%増)となりました。

 

また、当中間連結会計期間における財政状態の概況は次のとおりです。

当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比較して57百万円増加し、72億84百万円となりました。資産につきましては、その他の科目に含めて計上している未収法人税等などが減少した一方で、売掛金及び契約資産、有価証券などが増加したことにより流動資産が1億50百万円増加しております。また、投資有価証券や繰延税金資産などの増加があったものの、長岡京トーセビルの建替え計画に伴う減損損失1億47百万円を計上したことなどによる投資不動産、建物及び構築物などの減少により固定資産が93百万円減少しております。

負債につきましては、買掛金、関係会社整理損失引当金などが減少した一方、賞与引当金、未払法人税等などが増加したことにより、前連結会計年度末と比較して68百万円増加し、12億16百万円となりました。

純資産につきましては、その他有価証券評価差額金の減少があったことなどから、前連結会計年度末と比較して11百万円減少し、60億68百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して1億円増加し、13億79百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

・ 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は、2億65百万円(前年同期は13億74百万円の資金使用)となりました。これは主に売上債権の増加額1億62百万円などの減少要因があった一方で、減損損失1億47百万円、税金等調整前中間純利益1億43百万円、賞与引当金の増加額92百万円などの増加要因があったことによるものです。

 

・ 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は、70百万円(前年同期は1億88百万円の資金獲得)となりました。これは主に、定期預金払戻しによる収入1億4百万円などがあった一方で、投資有価証券の取得による支出1億41百万円、投資不動産の取得による支出12百万円、無形固定資産の取得による支出11百万円などがあったことによるものです。

 

 

・ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は、94百万円(前年同期は95百万円の資金使用)となりました。これは、配当金の支払額94百万円などがあったことによるものです。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は6,991千円です。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。