当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当社グループは、「すべての人を、創造する人に。」のミッションのもと、勤怠管理、工数管理、経費精算、電
子稟議等の社内業務システムのクラウドサービス「チームスピリット」(注1)等及びAI議事録ソリューション「Synclog」等を提供しております。
当社グループが提供するサービス領域における短期的な事業環境といたしましては、フルリモートワークやハイ
ブリッドワーク等の多様な働き方への対応が求められるようになったことで、高度な「勤怠管理」への需要は継続
的に高い関心を集めております。また、最近では、労働時間の正確な把握だけでなく、仕事の見える化によるチー
ムの活性化や非対面でのマネジメントの最適化を可能にする「工数管理」への需要も高まっています。
中長期的な事業環境といたしましては、人的資本経営に対する関心の高まりを背景に、多様で生産性の高い働き
方の実現や、従業員エンゲージメントの向上に注力する企業がますます増加することが予想されます。また、特に
エンタープライズ企業(注2)では、2000年頃に一斉導入されたERP並びに、それに付随したデータのエントリー
機能を担う「勤怠管理システム」や「経費精算システム」といったERPのフロントウェアシステムのリプレイス需
要が高まっています。従来、エンタープライズ企業では、これらのシステムは各社独自の仕様で構築されるケース
が一般的でしたが、昨今は更新投資やシステム保守費をかけることなく最先端のサービスを利用することができる
SaaS(注3)への関心が高まっています。
このような事業環境の下で、当社グループは中期戦略として①エンタープライズセグメントでの成長加速、②ミ
ッド・スモールセグメントでの成長維持、③新規領域の創出、の3点を基本戦略として取り組んでおります。また、2025年8月期においても、ARR成長を最優先としながらも、収益性の改善に向けて経営効率を高めるための施策に注力しております。
また、2024年12月2日付でPCの操作ログをAIで解析し、業務内容の可視化を実現する「ワークライフログ」を提供するワークライフログ株式会社の株式を取得しております。そのうえで、2025年2月28日に公表しましたとおり、完全子会社であるワークライフログ株式会社を同日に当社を存続会社とする吸収合併を行っておりますが、同社の業績は当中間連結会計期間における中間連結損益計算書に含まれておりません。
当中間連結会計期間の経営成績は以下のとおりです。
ライセンス受注状況に関して、累計の契約ライセンス数は577,704ライセンス(前年同期比16.5%増)、契約社数は2,070社となりましたが、ARR(注4)は、期初計画において織り込んでいた解約削減の増加に対して、エンタープライズ案件の商談期間長期化により新規追加が伸び悩んだ結果、3,988百万円(同11.3%増)となり、その増加率は低調な結果となりました。
当中間連結会計期間における売上高の合計は2,319百万円(前年同期比9.1%増)と概ね計画どおりの進捗となりました。売上高の内訳として、ライセンス売上高は1,935百万円(同11.8%増)、プロフェッショナルサービス売上高は384百万円(同2.9%減)となりました。営業利益は、シンガポール子会社の事業縮小に伴うコスト合理化、費用対効果見直しによる広告宣伝費の抑制等により134百万円(前年同期は営業損失80百万円)となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、110百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失63百万円)となりました。
なお、当社グループはSaaS事業の単一事業であるため、事業セグメント別の記載を省略しております。
(注1)チームスピリット:大企業向けの「チムスピ エンタープライズ」及び、幅広い企業規模で利用可能な「チムスピ」の2つの製品で構成。
(注2)企業規模毎の定義は以下のとおり。
名称 |
定義 |
エンタープライズ企業 |
従業員が1,000名以上の企業 |
ミッド企業 |
従業員が200~999名の企業 |
スモール企業 |
従業員が199名以下の企業 |
(注3)SaaS:Software as a Serviceの略称で、サービスとしてのソフトウェアを指す。クラウドサーバーにあるソフトウェアを、インターネットを経由して利用できるサービス。
(注4)ARR:Annual Recurring Revenueの略で、集計基準日時点の「チームスピリット」(関連製品を含む)のライセンス収入から得られる月間収益の合計を12倍したもの。
(2)財政状態の分析
当中間連結会計期間末における総資産は3,962百万円となり、前連結会計年度末から269百万円増加しました。
(流動資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は3,329百万円となり、前連結会計年度末から205百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加によるものであります。
(固定資産)
当中間連結会計期間末における固定資産は633百万円となり、前連結会計年度末から64百万円増加しました。これは主に、ワークライフログ株式会社の吸収合併に伴うのれんの計上によるものであります。
(流動負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は2,599百万円となり、前連結会計年度末から135百万円増加しました。これは主に、繰延収益の増加によるものであります。
(固定負債)
当中間連結会計期間末における固定負債はありません。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産は1,363百万円となり、前連結会計年度末から134百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益を計上したことによる利益剰余金の増加によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,722百万円となり、前連結会計年度末に比べ178百万円増加(前連結会計年度比7.0%増)しました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は197百万円(前年同期は12百万円の収入)となりました。これは主に、シンガポール子会社の事業縮小に伴う事業再編費用引当金114百万円が減少した一方で、税金等調整前中間純利益を138百万円計上、受注拡大に伴い繰延収益が296百万円増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は21百万円(前年同期は107百万円の収入)となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1百万円(前年同期は0百万円の支出)となりました。これは主に、譲渡制限付株式及び新株予約権の発行手数料によるものです。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)従業員の状況
①連結会社の状況
当中間連結会計期間において、シンガポール子会社の事業縮小に伴い、当社グループの従業員数は4名減少し208名になりました。なお、従業員数には執行役員3名を含んでおります。
②提出会社の状況
当中間会計期間において、業容拡大に伴う採用により当社の従業員数は13名増加し206名になりました。なお、従業員数には執行役員3名を含んでおります。
当社は、2024年11月21日開催の経営会議において、ワークライフログ株式会社の発行済株式のすべてを取得して子会社化することを決議し、2024年11月27日付で株式譲渡契約を締結した後、2024年12月2日付で当該株式を取得しております。
また、当社は、2025年1月10日開催の取締役会において、当社の完全子会社であるワークライフログ株式会社を吸収合併すること(以下「本合併」)を決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。また、2025年2月28日付で吸収合併を実施しております。
なお、本合併は、当社においては会社法第796条第2項に定める簡易合併であるため、合併契約に関する株主総会は開催しておりません。ワークライフログ株式会社においては合併手続きを明確化するため臨時株主総会決議を行っております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項」の(企業結合等関係)をご参照ください。