当中間連結会計期間において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は雇用・所得環境の改善が進む一方で、欧米諸国の高金利政策や中国不動産市場の調整に起因する海外経済の減速懸念が続き、企業活動を取り巻く先行きには依然として不透明感が残る状況となりました。こうした経済環境の中、各企業では慢性的な人手不足への対応として、自動化・省力化を目的とした設備投資が高水準で推移しており、特に製造業においては投資意欲の堅調さが維持されています。
当社グループにおいては、上半期からの成長基調を継続しつつ、主力である環境・エネルギー事業および動力・重機等事業において、戦略的重点市場を中心とした大型案件の着実な遂行と新規受注の獲得を並行して進めてまいりました。製品供給体制の強化と収益性の改善を両立させ、着実な成長を実現しております。加えて、成長戦略の一環として推進するM&Aにより、2024年4月にはコーベックス株式会社、同年7月にはアイエススプリンクラー株式会社(スプリンクラー設備)が連結子会社として加わりました。これにより、グループ全体の事業基盤およびソリューション提供力が一層拡充されております。
さらに、海外市場の開拓や新規事業創出を見据えた人材投資・体制整備にも積極的に取り組んでおり、当期は収益性の確保と中長期的な企業価値向上の両立を図るバランスの取れた経営を推進いたしました。
以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高5,274百万円(前年同期比25.6%増)、営業利益492百万円(前年同期比34.9%増)、経常利益513百万円(前年同期比38.7%増)、親会社株主に帰属する中間純利益320百万円(前年同期比37.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(環境・エネルギー事業)
本事業では、ポンプなどの水処理機器分野における既存案件の安定供給に加え、新規案件の獲得が順調に推移しました。さらに、養殖設備向け海水用冷却装置に関しては、国内水産業の効率化・高度化に伴う設備更新需要の高まりを受け、受注・売上ともに前年を上回る水準で推移しました。加えて、2024年4月に連結子会社化したコーベックス株式会社が手がける溶剤再生・脱臭・洗浄装置においては、製造業を中心とする再資源化・省エネニーズの高まりを追い風に、堅調な販売実績を確保しております。同社の連結効果により、製品ラインの拡充と環境対応領域の訴求力強化が進みました。
一方で、海外市場の開拓や次世代領域の創出に備えた体制整備および専門人材の採用・育成にも注力しており、これらに伴う販売費及び一般管理費の増加が発生していますが、将来の成長に向けた投資と位置づけております。
以上の結果、環境・エネルギー事業における当中間連結会計期間の売上高は、2,782百万円(前年同期比21.1%増)、セグメント利益182百万円(前年同期比10.6%減)となりました。
(動力・重機等事業)
本事業におきましては、環境対応型プラント向け設備機器と船舶エンジン用部品の双方で好調に推移しました。
環境対応型プラント向け設備部品においては、脱炭素社会の進展を背景とした省エネルギー化・環境規制対応に伴う更新投資需要が底堅く推移しており、これまでに受注した複数の大型案件が計画通り進行しています。これらに対しては、工程計画・進捗管理・品質保証を含む中長期対応体制を整備することで、顧客からの信頼確保と安定的な収益構造の構築に寄与しております。今後も再生可能エネルギー設備向け部品などの新領域への展開を視野に入れ、技術対応力を活かした提案型営業を継続してまいります。
一方、船舶エンジン用部品に関しては、燃費効率改善を目的とした需要が堅調に推移するなか、受注残の的確な管理と計画的な生産遂行を通じて、納期遵守率と利益水準の安定確保を実現しております。継続的なリピートオーダーに加え、信頼性を評価した新規商談の引き合いも見られ、取引基盤は着実に拡大しています。
さらに本分野では、高精度部品への対応強化を目的とした精密加工技術の高度化に取り組んでおり、加工精度の向上、工程の集約化、設備投資の実行を通じて、将来の製品高度化とコスト競争力の両立を図っております。
営業面では、これらの技術的強みと信頼性に支えられ、既存取引先との関係深化に加え、新規顧客からの引き合いも堅調に増加しており、取引ポートフォリオの多様化が進むとともに、安定性と成長性の両立に資する事業構造が構築されつつあります。
以上の結果、動力・重機等事業における当中間連結会計期間の売上高は、2,042百万円(前年同期比18.7%増)、セグメント利益317百万円(前年同期比36.4%増)となりました。
(防災・安全事業)
本事業におきまして、主力製品であるスプリンクラー消火装置「ナイアス」の販売が、医療・福祉施設等を中心とした設備投資再開の動きを背景に、緩やかに回復基調へと転じつつあります。特に、病院・高齢者施設などにおける新築・改修計画の再開が進む中、当社の製品提案と技術支援の強化により、引き合いの増加が見られています。
さらに、2024年7月に連結子会社化したアイエススプリンクラー株式会社の業績寄与が当期から本格化しており、同社の持つ設計・製造から施工支援までを一貫して担う技術対応力と専門性は、当社既存製品との補完関係を生み出し、製品力・提案力の強化に大きく寄与しています。
販売チャネルの再構築や営業体制の強化を進める中で、受注獲得の安定化と収益性の改善が進展しており、当中間連結会計期間ではセグメントとして利益計上いたしました。今後は、グループ全体での開発・販売リソースの統合と、施工案件への対応力向上を通じて、持続的な成長軌道の確立を目指してまいります。
以上の結果、防災・安全事業の当中間連結会計期間の売上高は、449百万円(前年同期比148.9%増)、セグメント利益100百万円(前年同期はセグメント損失7百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当中間連結会計期間末における総資産は12,492百万円(前連結会計年度末は11,350百万円)となり、1,141百万円増加しました。
流動資産は6,387百万円(前連結会計年度末は5,632百万円)となり、755百万円増加しました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が215百万円、電子記録債権が288百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
固定資産は6,104百万円(前連結会計年度末は5,718百万円)となり、385百万円増加しました。これは主に、建物及び構築物が108百万円、その他が228百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債は8,266百万円(前連結会計年度末は7,236百万円)となり、1,030百万円増加しました。
流動負債は5,650百万円(前連結会計年度末は4,692百万円)となり、958百万円増加しました。これは主に短期借入金が904百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は2,616百万円(前連結会計年度末は2,544百万円)となり、71百万円増加しました。これは主に、長期借入金が18百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産は4,225百万円(前連結会計年度末は4,114百万円)となり、110百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が47百万円増加したこと等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,511百万円(前連結会計年度末に比べ114百万円減少)となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は174百万円(前年同期は90百万円の支出)となりました。これは主に、売上債権の増加により503百万円、棚卸資産の増加により98百万円の支出等があった一方、税金等調整前中間純利益により513百万円の収入等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は623百万円(前年同期は101百万円の支出)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入82百万円等があった一方、定期預金の預入による支出283百万円、有形固定資産の取得による支出427百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は682百万円(前年同期は89百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出581百万円があった一方、短期借入金の増加により904百万円、長期借入れによる収入609百万円等があったことによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。