第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。また、当社グループの事業は雑貨事業並びにこれらの付帯事業の単一事業であり、その事業が単一セグメントであるため、以下の事項はセグメント別に区別しておりません。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①業績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用、所得環境の改善やインバウンド需要の拡大等により回復基調で推移いたしました。しかしながら、ロシア・ウクライナ問題の長期化や中東情勢の激化、急激な為替の変動、物価上昇に加え、米国の今後の政策動向や金融政策の影響など先行きが不透明な状況が継続いたしました。

このような環境のもと、当社グループは、第4次中期経営計画の最終年度となる当期において、その達成に向けて、5つの重点戦略「eコマースの強化」「SDGs推進から生れる製品需要」「コト消費から生れるモノ消費」「インバウンド・アウトバウンドから生れる製品需要」「国内自社製造の強化」を推進し、社会環境や消費動向の変化を逃すことなく適時適切に捉え、新製品の投入や顧客企業の開拓、関係強化に努めました。

 

■eコマース事業

 重点戦略「eコマースの強化」を掲げ、連結売上高に占める売上割合を当期において30%以上とする目標の達成に向けて、ハイブリッド型の営業活動をはじめとした取り組みを継続いたしました。主力のBtoBサイト「MARKLESS STYLE」においては、当中間連結会計期間において「MARKLESS Connect」の連携が4サイト増加したこと、マーケティング支援強化など、顧客企業のECサイトでの当社グループの取扱製品の売上拡大に向けた取り組みの強化に加え、「MARKLESS STYLE」を経由した取引への移行に注力した結果、前年同期に比べ売上が大きく伸長いたしました。主力のDtoCサイト「販促STYLE」では、サイト内のコンテンツやサービスを拡充し、既存及び新規顧客の更なる利便性向上に向けたシステムの更新を進めたことにより、前年同期に比べ売上が伸長いたしました。また、エンタメ・推し活マーケットに対応した物販・OEM向けの専門サイト「オリジナルグッズプレス」や企業・ショップ向けに特化した物販品や記念品などを製作する「オリジナルグッズドットコム」においては、コンテンツマーケティングとインサイドセールスの活用により顧客層を拡げ売上の拡大に努めました。

 この結果、販売経路別の「卸売事業者向け」から「eコマース」経由の売上移行も寄与し、eコマースの売上は前年同期比で9億75百万円、35.7%の増収となりました。しかしながら、2024年12月に実施されたGoogleのコアアルゴリズムアップデート※※の影響を受け、当社グループが運営するDtoCサイトの検索順位が大きく変動したことにより、当第2四半期連結会計期間のECサイトの前年同期に対する売上伸長が鈍化いたしました。この影響で、当中間連結会計期間のeコマースの売上構成比が前年同期比で6.1ポイント増加の27.5%に留まりました。なお、本短信提出日現在において、対応の効果が出つつあり検索順位は回復傾向にあります。

※「Direct to Consumer」の略で、メーカーが自社で企画・製造した商品を、卸売業者や店舗などの中間業者を介さず、直接最終顧客に販売するビジネスモデル

※※Googleが検索アルゴリズムを定期的に見直し、検索結果を大規模に改変すること

 

「エコプロダクツ」

 重点戦略「SDGs推進から生れる製品需要」を掲げ、素材にオーガニックコットンや再生素材、バイオマスプラスチック、天然素材、再生PET、再生ABSなどを原材料とした繰り返し使える製品や、廃棄資源に独自性やデザインなどの付加価値を与え、より価値の高い製品に生まれ変わらせたアップサイクル製品などの開発を継続し、環境に配慮した製品カテゴリーの拡充に努めました。また、新たにオーシャンバウンドプラスチックを素材とした新たなエコバッグを開発し、展示会への出展を機に販売を強化しております。これらの製品は、素材にこだわることでCO2の削減・抑制に貢献し、SDGs達成に向けた取り組みを意識している顧客企業から評価と支持を得ております。これにより、「MARKLESS STYLE」においては、エコバッグ、ボトル・タンブラーなど主力製品が継続して好調に推移したほか、展示会などで配布される再生PETや再生ABSを使用したステーショナリー製品の売上が前期に対し大きく伸長いたしました。また、小売り向けに展開している「MOTTERU」では、今期においても、環境省主催の「選ぼう!3Rキャンペーン2024」の対象製品に選出されたほか、2024年度グッドデザイン賞を受賞いたしました。

 この結果、エコプロダクツの売上は、前年同期比で3億33百万円、6.3%の増収となりました。

※海岸から約50キロ以内の内陸部に廃棄されているプラスチックごみ

 

「ライフスタイルプロダクツ」

 重点戦略「コト消費から生れるモノ消費」「インバウンド・アウトバウンドから生れる製品需要」を掲げ、多様化し拡大する“推し活”消費やトレンドから派生する「〇〇消費」などの消費動向を捉えた製品の開発に加えクオリティの向上に努めました。ライフスタイルプロダクツの売上をけん引しているエンタテイメント業界向けは、引き続き好調に推移いたしました。ゲーム・アニメなどの業界では、日本のアニメは海外でも人気があり、インバウンドの増加に伴い今後も需要拡大が続くものと見込んでおります。また、2.5次元、スポーツイベントや音楽などの業界においても、ECやリアルイベントによる会場での物販品の需要増加が継続しております。これらエンタメ、“推し活”分野におけるより多彩でクオリティの高い物販品の需要に対応するため、引き続き、新たなカテゴリー製品の投入や国内自社工場に新規設備を導入し鮮明なフルカラー印刷を施した製品の提供に努めました。セールスプロモーションにおいては、好調な業界や企業に対しハイブリッド型の営業活動を強化いたしました。

 しかしながら、前期において、第3四半期に予定していたエンタテイメント業界向けのリピート案件が第2四半期に前倒しとなった影響により、第2四半期の売上高が通常の四半期に比べ増加いたしました。一方、当期においては、第2四半期に予定していたエンタテイメント業界向けの一部の案件が第3四半期以降にずれ込んだことにより、第2四半期の売上高が弱含んだ結果となりました。

 トラベル関連製品では、インバウンド観光客に人気が高いキャラクターとのコラボ製品の売上がけん引し、売上が拡大いたしました。これら人気製品を活用し他製品を含め展開することで販路を拡大し、訪日外国人の目に留まりやすい環境を整えることに努めました。また、gowell初のトラベルグッズ専門ショップ「gowell select」は、3月18日の関西国際空港国際線出発エリア内のオープンに向けて準備を進めました。ペットウェア・関連製品では、これまでドックウェアや通年販売が可能な犬具・ベッドなどを展開しておりましたが、猫グッズなどの開発を進め、人気ファッションブランドとの新製品の開発、販路拡大に取り組みました。

 この結果、ライフスタイルプロダクツの売上は、前年同期比で1億60百万円、2.4%の増収となりました。

 

「ウェルネスプロダクツ」

 マスクなどの衛生用品の一定の売上に加え、加湿器や化粧雑貨などの売上により前年同期比で2億13百万円、33.8%の増収となりました。

 

 生産面においては、複数の生産拠点の確保及び為替や原材料価格の変動に対応した機動的な生産地の切り替え、物流経路の最適化を図り、厳しい外部環境が継続するなか継続した安定供給と価格競争力の強化に努めました。また、海外サプライヤーの工場視察の頻度を高め、CSR調達を推進するとともに製品の品質向上に努めました。

 国内自社工場においては、2024年6月に竣工した第2工場の本格稼働に向け、人員の確保や工程管理システムを導入するなど、第1工場を含めた効率的なオペレーションの実現による生産性の向上に努めました。また、エンタメ・推し活需要のニーズに対応する最新鋭の印刷機械の導入及び稼働率の向上に取り組みました。

 

 この結果、当中間連結会計期間の売上高及び営業利益以下の各段階利益は、前年同期を上回り過去最高となりました。売上高は、135億9百万円(前年同期比7億50百万円、5.9%の増加)、営業利益は、売上高の伸長による売上総利益の増加、販売費及び一般管理費の計画的支出により27億24百万円(前年同期比37百万円、1.4%の増加)、経常利益は、為替変動の影響を軽減する財務対策として保有している米ドル建て債券の一部償還による為替差益を計上し、29億18百万円(前年同期比60百万円、2.1%の増加)、親会社株主に帰属する中間純利益は19億66百万円(前年同期比74百万円、3.9%の増加)となりました。

 

 なお、2024年10月15日に公表いたしました2025年8月期中間連結会計期間の業績予想と実績値の差異及び理由は以下のとおりです。

 

(1)業績予想と実績値の差異

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主

に帰属する

中間純利益

1株当たり

中間純利益

前回発表予想(A)

百万円

百万円

百万円

百万円

円 銭

13,845

2,915

2,969

1,944

67.43

実績値(B)

13,509

2,724

2,918

1,966

68.19

増減額(B-A)

△336

△190

△50

21

 

増減率

△2.4%

△6.5%

△1.7%

1.1%

 

(ご参考)前期実績

(2024年8月期第2四半期)

12,759

2,687

2,857

1,892

64.97

 

(2)差異の理由

 売上高は、第2四半期において当初予定していたエンタテイメント業界向け案件の売上が、第3四半期以降にずれ込んだことによりライフスタイルプロダクツの売上高が当初計画に対して弱含んだこと、及び2024年12月に実施されたGoogleのコアアルゴリズムアップデートの影響を受け、当社グループが運営するDtoCサイトの検索順位が大きく変動したことにより、当第2四半期連結会計期間のECサイトの売上高の増加が鈍化したことを主な要因として前回予想と実績値に差異が生じました。なお、ずれ込んだ案件につきましては第3四半期以降に売上を見込んでいることに加え、「推し活グッズEXPO春」に出展し新規顧客の獲得にも努めており、今後の売上の伸長を見込んでおります。また、コアアルゴリズムアップデートの影響につきましては、本短信提出日現在において、対応の効果が出つつあり検索順位は回復傾向にあります。

 販売費及び一般管理費につきましては、社員の処遇向上や次期中期経営計画に向けた人員の拡充による人件費や、オフィス増床など環境整備に伴う地代家賃、減価償却費が前年同期に比べ増加したほか環境整備による一時費用が発生いたしました。また、企業価値向上に向けたステークホルダーへの情報提供の充実や今後の売上獲得に繋げる展示会出展など広報及び広告宣伝活動を強化いたしました。これらにより、販管費全体では前年同期に対して増加いたしましたが、当期計画に対しては抑制傾向で推移いたしました。

 営業利益は、売上高に生じた差異を販売費及び一般管理費の抑制で吸収しきれず、前回予想と実績値に差異が生じました。

 経常利益は、為替変動の影響を軽減する財務対策として保有している米ドル建て債券の一部償還による為替差益などにより、前回予想に対し50百万円の減少に留まりました。

 親会社株主に帰属する中間純利益は、特別利益が寄与したことから前回業績予想値を21百万円上回る結果となりました。

 

 当中間連結会計期間における販売経路別及び製品分類別の販売実績は、以下のとおりであります。

<販売経路別販売実績>

販売経路

売上高

増減

前中間

連結会計期間

(百万円)

当中間

連結会計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

エンドユーザー企業向け

6,184

6,283

98

1.6

卸売事業者向け

3,841

3,517

△ 323

△ 8.4

eコマース

2,733

3,708

975

35.7

合計

12,759

13,509

750

5.9

 

<製品分類別販売実績>

製品分類

売上高

増減

前中間

連結会計期間

(百万円)

当中間

連結会計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

エコプロダクツ

5,268

5,602

333

6.3

ライフスタイルプロダクツ

6,700

6,861

160

2.4

ウェルネスプロダクツ

631

844

213

33.8

デザインその他

157

200

42

27.0

合計

12,759

13,509

750

5.9

(注) デザインその他は、グラフィック・プロダクト・WEBデザインの受託業務や印刷業務等の雑貨製品に該当しないものであります。

 

②財政状態の分析

(流動資産)

 当中間連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ1億47百万円増加し、149億48百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加5億9百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少2億76百万円によるものであります。

(固定資産)

 当中間連結会計期間末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ2億71百万円増加し、77億91百万円となりました。主な要因は、投資その他の資産の増加2億28百万円によるものであります。

(流動負債)

 当中間連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ2億99百万円減少し、30億34百万円となりました。主な要因は、その他の減少2億80百万円、未払法人税等の減少53百万円によるものであります。

(固定負債)

 当中間連結会計期間末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億44百万円減少し、6億93百万円となりました。主な要因は、長期借入金の減少1億48百万円によるものであります。

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ8億63百万円増加し、190億12百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加8億41百万円によるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて4億81百万円増加し、63億28百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、当中間連結会計期間に得られた資金は19億86百万円(前年同期に得られた資金は8億9百万円)となりました。主な要因は、税金等調整前中間純利益29億90百万円による資金の増加及び法人税等の支払額10億41百万円による資金の減少であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、当中間連結会計期間に使用した資金は2億31百万円(前年同期に使用した資金は9億7百万円)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出2億10百万円による資金の減少であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、当中間連結会計期間に使用した資金は12億92百万円(前年同期に使用した資金は8億34百万円)となりました。主な要因は、配当金の支払額11億24百万円、長期借入金の返済による支出1億67百万円による資金の減少であります。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4)研究開発活動

 当中間連結会計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は18百万円であります。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。