当社は、2025年4月15日付の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を併合すること(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2025年5月15日開催予定の当社臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
1.本株式併合の目的
2025年1月31日付で当社が公表した「ニッコンホールディングス株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)に記載のとおり、ニッコンホールディングス株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)メイン市場に上場している当社株式の全て(但し、トヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ自動車」といいます。)が所有する当社株式1,200,000株(所有割合(注1):24.16%)(以下「トヨタ自動車所有株式」といいます。)及び当社が所有する自己株式を除きます。以下「本公開買付対象株式」といいます。)を取得し、当社株式を非公開化するための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、2025年2月3日から2025年3月18日までの30営業日を公開買付けにおける買付等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)とする当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施いたしました。
(注1)「所有割合」とは、当社が2025年2月6日に公表した「2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2024年12月31日現在の当社の発行済株式総数(5,225,008株)から、同日現在当社が所有する自己株式数(258,097株)を控除した株式数(4,966,911株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。以下、所有割合の計算において同じとします。
なお、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本取引は、①本公開買付け、②本公開買付けが成立した場合であって、公開買付者が本公開買付けにおいて、本公開買付対象株式の全てを取得できなかった場合に当社の株主を公開買付者及びトヨタ自動車のみとすることを目的として実施される会社法(平成 17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第 180条に基づき行う株式併合(以下「本株式併合」といい、本株式併合により当社の株主を公開買付者及びトヨタ自動車のみとし、当社株式を非公開化するための一連の手続を「本スクイーズアウト手続」といいます。)、③本スクイーズアウト手続の完了を条件として当社によって実施されるトヨタ自動車所有株式の自己株式取得(以下「本自己株式取得」といいます。)からそれぞれ構成され、当社に対する公開買付者及びトヨタ自動車の最終的な議決権所有比率をそれぞれ95%及び5%とすることを企図しているとのことです。
そして、当社が2025年3月19日に公表した「ニッコンホールディングス株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付けの結果、本公開買付けの決済の開始日である2025年3月26日をもって、当社株式3,536,102株(所有割合:71.19%)を所有するに至りました。
上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにおいて、本公開買付対象株式の全てを取得することができなかったことから、当社は、公開買付者からの要請を受け、2025年4月15日付の当社取締役会において、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社の株主を公開買付者及びトヨタ自動車のみとするため、当社株式300,000株を1株に併合する本株式併合を本臨時株主総会に付議することといたしました。
なお、本株式併合により、公開買付者及びトヨタ自動車以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。本取引の目的及び経緯の詳細は、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおりですが、以下に改めてその概要を記載いたします。なお、以下の記載のうち公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、当社、子会社3社及び関連会社1社により構成される企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)全体の更なる持続的成長と企業価値向上に取り組んでいるところ、当社の筆頭株主であるトヨタ自動車から、2024年3月中旬、上場継続の必要性及び当社グループを取り巻く厳しい経営環境を踏まえてトヨタ自動車が所有する当社株式の取扱いを検討したい旨の意向を受けたことを契機に、トヨタ自動車が所有する当社株式の売却を前提とした資本政策(当社株式を非公開化することを目的とする取引に限られません。)に関して、当社の主幹事証券会社である野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)と、中長期的な観点から当社の企業価値を最大化するための資本政策の在り方についての協議及び検討を開始しました。具体的には、当社は、当社の企業価値を最大化するための資本政策の在り方についての協議及び検討を進める中で、売却先となり得る潜在的な候補者としての投資ファンド4社との間でも協議を行い、そのうち全ての投資ファンドから経済条件が含まれない初期的な資本政策案を受領しました。当該投資ファンド4社と当社の間で当該初期的な資本政策案を踏まえた協議は進展しなかったものの、当該初期的な資本政策案の内容を含む当該投資ファンド4社との協議結果及び株式市場を取り巻く環境の激変を踏まえて上場意義の再検討を行いました。そして、2024年8月下旬、当社の更なる企業価値向上、及びトヨタ自動車を含む当社の株主共同の利益最大化の観点から、当社単独で事業を進めるのではなく、当社の事業に関心を示すと考えられる複数の事業会社及び投資ファンドを対象として、当社の事業に関心を示していると考えられる複数の事業会社及び投資ファンドを対象とする当社株式の非公開化を前提とした当社主導の入札手続(以下「本入札プロセス」といいます。)を実施することが望ましいとの判断に至りました。なお、本入札プロセスは、競争環境を醸成しつつ、具体的な買収価格を提示させることを企図しており、本入札プロセスについてトヨタ自動車として協力する意向があることを確認しております。
その後、当社は、2024年9月上旬より、公開買付者を含む複数の事業会社及び投資ファンド19社に対して、本入札プロセスへの参加について打診を開始しました。その結果、14社が本入札プロセスへの参加に関心を示していることを確認したことから、これらの候補者から機密保持に関する誓約書の差入を受け、2024年9月中旬頃より、本入札プロセスにおける第一次入札プロセス(以下「本第一次入札プロセス」といいます。)を開始し、その際に、当社が作成した2025年3月期から2029年3月期までの5期分の事業計画(以下「本事業計画」といいます。)を本第一次入札プロセスに参加した全ての候補先に提出しました。そして、2024年10月中旬、公開買付者を含む複数の候補者から第一次意向表明書を受領いたしました。そこで、当社は、各候補者から受領した第一次意向表明書の内容から窺われる当社に対する理解、当社の株式価値、当社の業容拡大につながる施策、取得ストラクチャー等について慎重に比較検討を行い、同月17日に、第二次入札プロセス(以下「本第二次入札プロセス」といいます。)への参加を打診する公開買付者を含む候補者3社(以下「本第二次候補先」といいます。)を選定しました。
なお、当社は、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うにあたり、2024年3月中旬より、野村證券から、及び同年8月下旬より、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業及び弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所(以下、総称して「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)から、それぞれ助言を受けており、また、当該経緯を踏まえ、同年10月17日に開催された当社取締役会において、野村證券を第三者算定機関及びファイナンシャル・アドバイザーに、アンダーソン・毛利・友常法律事務所をリーガル・アドバイザーにそれぞれ選任することを正式に承認しました。また、当社は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」の「(ⅰ)設置等の経緯」に記載のとおり、本取引の検討を正式に開始するため、本取引の是非を審議・決議するに先立ち、上場会社である当社の本取引に係る意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確立すること等を目的として、同日に、当社、公開買付者及びトヨタ自動車からの独立性を有し、特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスが確保された特別委員会を構成するべく、当社の独立社外取締役である堀池覚氏(堀池産業株式会社 代表取締役社長)及び当社の独立社外監査役である齋藤清貴氏(弁護士・齋藤清貴法律事務所)、並びに外部有識者である仁科秀隆氏(弁護士・中村・角田・松本法律事務所)及び鏡高志氏(公認会計士・高野総合コンサルティング株式会社 代表取締役)の4名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか等について諮問しました。さらに、本特別委員会は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係」及び「④ 当社における独立した法律事務所からの助言」に記載のとおり、野村證券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、当社、公開買付者及びトヨタ自動車からの独立性に問題がないことを確認しております。加えて、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」に記載のとおり、本特別委員会は、本第二次候補先の選定に関する当社の判断の合理性について確認しております。
その後、当社は2024年10月22日より、本第二次入札プロセスを開始し、本第二次候補先に対して同日から同年12月上旬までデュー・ディリジェンスの機会を提供しました。そして、2024年12月16日及び同月17日に、本第二次候補先全てから法的拘束力のある最終意向表明書を受領しました。なお、当社は、同月16日に、本第二次候補先全てから最終意向表明書を受領しておりますが、同日に、当社が、本第二次候補先全てに、当該各最終意向表明書に記載された提示価格は当社の株式価値を最大限評価した最終提示価格との認識で問題ないか改めて確認したところ、同月17日に、本第二次候補先のうち、公開買付者を含む2社から提示価格を引き上げる旨の連絡を受領し、また、実際に公開買付者1社から提示価格の引き上げを含む法的拘束力を有する最終意向表明書の再提出を受けました。この際、公開買付者は、当社に対して、非公開化を前提として、当社の株式価値を230億円(当社株式1株あたり株式価値4,631円)とし、本公開買付けにおける買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を4,824円、本自己株式取得における当社株式1株当たりの対価(以下「本自己株式取得価格」といいます。)を4,024円とすることを含む本公開買付価格等の諸条件についての記載を含む法的拘束力を有する最終意向表明書を提出し、その後、同月17日に、当社の株式価値を240億円(当社株式1株あたり株式価値4,832円)とし、本公開買付価格を5,034円、本自己株式取得価格を4,197円とすることを含む本公開買付価格等の諸条件についての記載を含む法的拘束力を有する最終意向表明書(以下「本最終意向表明書」といいます。)を再提出しております。なお、本第二次入札プロセスと並行して、同年11月下旬、トヨタ自動車と本第二次候補先全てとの間でそれぞれ面談が実施されており、当該面談において、トヨタ自動車から本第二次候補先全てに対して、(a)本取引後においてトヨタ自動車が当社株式の5%相当を継続保有すること、及び(b)本取引後においてトヨタ自動車から当社の監査役を派遣することの意向が示されました。本第二次入札プロセスにおいて、上記(a)及び(b)について、トヨタ自動車と本第二次候補先との間で協議を重ね、その結果、公開買付者を含む本第二次候補先全ては、当該トヨタ自動車の意向を受け入れております。
当社は、当社のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券からの助言、及び当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえ、当社の株式価値、本取引実施後の事業戦略の方向性、シナジー効果、従業員の処遇及びガバナンス体制、本取引実施後における経営方針、競争法に基づくクリアランス取得等の手続の確実性等の観点で慎重に協議及び検討した結果、2024年12月19日に、上記観点から公開買付者の提案が最善であり、また、本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先のうち、公開買付者から提示された当社の株式価値が最も高額であったことも踏まえ、公開買付者を最終候補先として選定することが、当社の株主共同の利益最大化と今後の当社の更なる企業価値向上に資すると判断しました(本取引実施後の事業戦略・シナジー等、本取引実施後の経営方針等につきましては、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び「(ⅱ)本公開買付け後の経営方針」をご参照ください。)。なお、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」に記載のとおり、本特別委員会は、本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から受領した最終意向表明書を基に、公開買付者を最終候補先として選定した当社の判断の合理性について確認しております。
上記のとおり、当社は、公開買付者を最終候補先として選定する判断をしたことを踏まえ、かかる判断以降、野村證券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を受けながら、本特別委員会を通じて、本取引の実行の是非及び取引条件に関して、公開買付者との間で質疑応答・確認等を行いました。
具体的には、本特別委員会は、2024年12月26日付で、公開買付者に対して本取引のシナジー、本取引によるデメリットの有無、本取引の手続の公平性に関する質問事項(以下「本質問事項」といいます。)を送付し、2025年1月14日付で公開買付者から本質問事項に対する書面による回答を受けるとともに、2025年1月17日に公開買付者との間で当該回答の内容を踏まえた質疑応答を行いました。また、同日、本特別委員会は、公開買付者に対して、2024年12月17日に再提出を受けた本最終意向表明書に記載の提示価格の変更は行わない旨を確認しております。詳細は下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」の「(ⅲ)判断内容」をご参照ください。
以上の経緯のもと、当社は、野村證券から2025年1月30日付で取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。)の内容及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、本特別委員会における検討及び本特別委員会から提出を受けた答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限尊重しながら、本取引の実行の是非及び取引条件について企業価値向上及び当社の株主共同の利益最大化の観点から慎重に検討を行いました。
その結果、当社は、本取引の実行後、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の①公開買付者と当社が協力することにより、両社の持つ取引先へ相互のサービス・製品を提供することが可能となり、両社の売上高を大きく伸ばすこと、②公開買付者が培ってきた物流に係るノウハウ、人的・資金的リソースを活用し、当社グループ支援の一環として当社製品の運送業務を支援することで、当社における外部委託運送費を含む物流コストの大幅な削減が可能となり、当社の事業におけるコスト競争力をさらに向上させること、及び③当社の全国・海外展開、事業規模の拡大を図ることで、上記①及び②に掲げるシナジー効果を最大化し、両社のさらなる成長を推進すること、といった各施策の実行及びこれによるシナジーを実現することにより、諸経費の高騰、人手不足等といった当社の抱える経営課題の克服に繋がると考えられることから、「2025年ビジョン」の実現に向けて、当社グループ全体の更なる持続的成長と企業価値向上の実現に貢献すると判断しました。
以上に加えて、当社は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(2) 当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」に記載の理由により、本公開買付価格は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断しました。
なお、一般的に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることが挙げられます。もっとも、当社の現在の財務状況を踏まえると、当面の間エクイティ・ファイナンスの必要性は高くなく、また、知名度や社会的信用の向上についても、当社の真摯な事業遂行により実現することが可能であることからすれば、当社における株式の非公開化に伴うデメリットは限定的であると考えております。
以上より、当社は、本取引の実施が当社の株主共同の利益最大化と今後の当社の更なる企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格は当社の株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年1月31日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議しました。上記取締役会決議の詳細は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
その後、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにおいて、本公開買付対象株式の全てを取得できなかったことから、当社は、公開買付者からの要請を受け、2025年4月15日付の当社取締役会において、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社の株主を公開買付者及びトヨタ自動車のみとするため、本株式併合を本臨時株主総会に付議することといたしました。なお、本株式併合により、公開買付者及びトヨタ自動車以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
2.本株式併合の割合
当社株式について、300,000株を1株に併合いたします。
3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1) 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由
上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者及びトヨタ自動車以外の株主の皆様が所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を、会社法第235条その他の関係法令の規定に従って売却し、その売却により得られた代金を端数が生じた株主の皆様に対して、その端数に応じて交付いたします。
当該売却について、当社は、当社株式が2025年6月4日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買受人が現れる可能性は低いと考えられること、及び本株式併合が、当社の株主を公開買付者及びトヨタ自動車のみとすることを目的とした本取引の一環として行われるものであり、かかる目的との関係では公開買付者が端数相当株式の買受人となるのが整合的であることを踏まえ、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て、当該端数の合計数に相当する当社株式を公開買付者に売却することを予定しております。
この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である2025年6月5日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様の所有する当社株式の数に、本公開買付価格と同額である5,034円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。
② 売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者の氏名又は名称
ニッコンホールディングス株式会社(公開買付者)
③ 売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者が売却に係る代金の支払いのための資金を確保する方法及び当該方法の相当性
公開買付者は、本株式併合により生じる端数の合計額に相当する当社株式の取得に係る資金を、原則として自己資金により賄う予定ですが、当該資金の支払日までの資金繰りの状況等を踏まえて、必要資金の一部について株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)からの借入れにより賄うことも可能な状況を確保しているとのことです。
当社は、公開買付者が2024年11月13日に提出した第84期半期報告書に記載された2024年9月末日時点の現金及び現金同等物の残高並びに本取引の実行手続において公開買付者が2025年2月3日に提出した公開買付届出書及びそれに添付された融資証明書を確認することによって、公開買付者における資金確保の方法を確認しております。また、公開買付者によれば、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払いに支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、今後発生する可能性も現在認識していないとのことです。
したがって、公開買付者による端数相当株式の売却に係る代金の支払いのための資金を確保する方法は相当であると判断しております。
④ 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み
当社は、本株式併合の効力発生後、2025年7月上旬を目途に会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を公開買付者に売却することについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動しますが、当社は、当該裁判所の許可を得て、2025年8月上旬を目途に当該当社株式を公開買付者に売却し、その後、当該売却代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、2025年9月中旬から下旬を目途に、当該売却代金を株主の皆様に交付することを見込んでおります。
当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主の皆様への交付が行われるものと判断しております。
(2) 当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
本株式併合においては、上記「(1) 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」の「① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、本株式併合の効力発生日の前日である2025年6月5日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様の所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である5,034円を乗じた金額に相当する金銭を、株主の皆様に交付することを予定しております。
また、当社は、本意見表明プレスリリースに記載のとおり、以下の点等から、本公開買付価格(1株当たり5,034円)は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(ⅰ)本公開買付価格は、当社において、下記「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が採られており、当社の少数株主への配慮がなされていると認められ、本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られた上で決定された価格であること
(ⅱ)本公開買付価格は、本入札プロセスを実施することにより、複数の候補者間における競争原理に晒された中で提案された価格(かつ、その中でも公開買付者によって提示された提案価格が最も高い提案価格)であること
(ⅲ)本公開買付価格は、下記「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」に記載の本株式価値算定書(野村證券)における野村證券による当社株式の価値算定結果のうち、市場株価平均法、類似会社比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)によるそれぞれの算定結果のレンジの上限をいずれも上回っていること
(ⅳ)本公開買付価格は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年1月30日の当社株式の名古屋証券取引所メイン市場における終値1,349円に対して273.17%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,342円に対して275.11%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,323円に対して280.50%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,332円に対して277.93%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であり、また、1994年6月に記録した、当社株式の上場来高値である2,030円に147.98%のプレミアムを加えた価格であるため、当社の全ての株主が、当該プレミアム以上の経済利益を享受できる十分な水準のプレミアムが付されていると考えられること
(ⅴ)本公開買付価格は、下記「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から提出を受けた本答申書においても、当社株式の価値が十分に反映されたものと考えることができ、少数株主の利益に十分な配慮がされた水準にあると判断されていること
また、当社は、2025年1月31日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する決議をした後、2025年4月15日付で当社取締役会が本臨時株主総会の招集を決議した時点に至るまでに、本公開買付価格に関する当社の判断の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。
以上より、当社は、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
公開買付者が本公開買付けの実施を決定した2025年1月31日現在、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)にも該当いたしません。
もっとも、公開買付者が本公開買付けにおいて、当社株式を非公開化することを目的としていることを考慮し、本公開買付価格の公正性を担保しつつ、本取引の実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性及び透明性を担保するため、以下のような措置を実施しました。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 入札手続の実施
上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、当社は、2024年9月上旬より、公開買付者を含む複数の事業会社及び投資ファンド19社に対して、本入札プロセスへの参加について打診を開始しました。その結果、14社が本入札プロセスへの参加に関心を示していることを確認したことから、これらの候補者から機密保持に関する誓約書の差入を受け、同年9月中旬頃より、本第一次入札プロセスを開始し、その際に、当社が作成した本事業計画を本第一次入札プロセスに参加した全ての候補先に提出しました。そして、同年10月中旬、公開買付者を含む複数の候補者から第一次意向表明書を受領しました。そこで、当社は、各候補者から受領した第一次意向表明書の内容から窺われる当社に対する理解、当社の株式価値に対する評価、当社の業容拡大につながる施策、取得ストラクチャー等について慎重に比較検討を行い、同月17日に、本第二次入札プロセスへの参加を打診する公開買付者を含む本第二次候補先を選定しました。その後、当社は同月22日より、本第二次入札プロセスを開始し、公開買付者を含む本第二次候補先に対して同日から同年12月上旬までデュー・ディリジェンスの機会を提供しました。そして、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、同月16日及び同月17日に、本第二次候補先全てから法的拘束力のある最終意向表明書を受領しました。
当社は、当社のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券からの助言、及び当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえ、当社の株式価値、本取引実施後の事業戦略の方向性、シナジー効果、従業員の処遇及びガバナンス体制、本取引実施後における経営方針、競争法に基づくクリアランス取得等の手続の確実性等の観点で慎重に協議及び検討した結果、2024年12月19日に、上記観点から公開買付者の提案が最善であり、また、本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先のうち、公開買付者から提示された当社の株式価値が最も高額であったことも踏まえ、公開買付者を最終候補先として選定することが、当社の株主共同の利益最大化と今後の当社の更なる企業価値向上に資すると判断しました。
② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、当社及びトヨタ自動車から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」といいます。)に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、公開買付者、当社及びトヨタ自動車の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJ銀行及び三菱UFJ信託銀行株式会社(以下「三菱UFJ信託銀行」といいます。)と同一の親会社を持つ会社であり、三菱UFJ銀行及び三菱UFJ信託銀行は、公開買付者の株主たる地位を有しており、三菱UFJ銀行は公開買付者に対して通常の銀行取引の一環として融資取引を行っており、また、本公開買付けにかかる決済資金を公開買付者に融資する予定であるとのことですが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券によれば、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。以下「法」といいます。)第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。)第70条の4の適用法令に従い、ファイナンシャル・アドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ銀行及び三菱UFJ信託銀行の間及びそれぞれの社内において、弊害防止措置として、公開買付者に関する情報について厳格に管理する情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ、実施していることから、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJ銀行及び三菱UFJ信託銀行の判断に影響を受けることなくファイナンシャル・アドバイザーとしての役務を提供しており、三菱UFJ銀行の株主及び貸付人並びに三菱UFJ信託銀行の株主の地位とは独立した立場で当社の株式価値の算定を行っているとのことです。公開買付者は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券と三菱UFJ銀行及び三菱UFJ信託銀行の間及びそれぞれの社内における情報管理において厳格な情報管理体制が構築されていること、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が過去の同種取引の第三者算定機関としての実績を有していること、本取引に係る三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことですが、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に公開買付者に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案の上、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないこと等を踏まえ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を公開買付者、当社及びトヨタ自動車から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任したとのことです。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法の各手法を用いて当社株式の価値算定を行い、公開買付者は三菱UFJモルガン・スタンレー証券から2025年1月30日付で株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)」といいます。)を取得したとのことです。なお、公開買付者は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の諸要素を総合的に考慮し、かつ、当社及びトヨタ自動車との協議・交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券による当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。
市場株価基準法 |
1,323円~1,349円 |
類似企業比較法 |
2,443円~3,191円 |
DCF法 |
4,356円~4,975円 |
市場株価基準法では、2025年1月30日を基準日として、名古屋証券取引所メイン市場における当社株式の基準日終値(1,349円)、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値(1,342円)、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値(1,323円)及び同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値(1,332円)を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,323円~1,349円と算定しているとのことです。
類似企業比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の株式価値を評価し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を2,443円~3,191円と算定しているとのことです。
DCF法では、当社から提供を受けた2025年3月期から2029年3月期までの事業計画を基礎とし、直近までの業績の動向、一般に公開された情報、公開買付者が2024年10月下旬から同年12月上旬まで当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果及び本取引の実行により想定されるシナジー効果等の諸要素を考慮して公開買付者が見積もった2026年3月期以降に当社が将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値を4,356円~4,975円と算定しているとのことです。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券がDCF法に用いた2025年3月から2032年3月までの8期分の当社の事業計画案は、本取引の実行を前提としており、本取引により想定されるシナジー効果は見込んでいるとのことです。
公開買付者は、本株式価値算定書(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に加え、2024年10月下旬から同年12月上旬まで当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社株式の市場株価の動向、当社の取締役会による本公開買付けへの賛同の有無、本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社及びトヨタ自動車との協議・交渉の結果を踏まえ、最終的に2025年1月31日開催の取締役会において、本公開買付価格を5,034円とすることを決定したとのことです。
なお、本公開買付価格である5,034円は、本公開買付けの開始予定についての公表日の前営業日である2025年1月30日の当社株式の名古屋証券取引所メイン市場における終値1,349円に対して273.17%、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,342円に対して275.11%、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値1,323円に対して280.50%、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値1,332円に対して277.93%のプレミアムをそれぞれ加えた金額とのことです。
(注2)三菱UFJモルガン・スタンレー証券の分析及びその基礎となる当社株式の株式価値の分析は公開買付者の参考に資するためのみに実施されたものとのことです。本公開買付けに関する一切の公開買付者又は当社の株主の行動につき、当該株主に対して、意見を述べたり、また、推奨を行ったりするものではないとのことです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、特定の公開買付価格を公開買付者に推奨することはしておらず、また、特定の公開買付価格が本公開買付けにとって唯一適切なものとして推奨するものでもないとのことです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、当社株式の株式価値の算定に際し、公開買付者及び当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っていないとのことです。加えて、当社の財務予測に関する情報については、2024年1月30日(以下「対象日」といいます。)時点で得られる最善の予測と判断に基づき当社より合理的に作成されたことを前提としているとのことです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本取引のために必要な政府機関、監督官庁等による許認可、同意等は全て取得可能であり、かつ、かかる許認可、同意等には、本取引に重大な悪影響を及ぼすような遅延、制限又は条件が付されないことを前提としているとのことです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、法務、会計、税務に関するアドバイザーではないとのことです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券はファイナンシャル・アドバイザーであり、法務、会計、税務に関する問題については、独自の検証を行うことなく、公開買付者及びその法務、会計、税務アドバイザー並びに当社及びその監査法人による判断に依拠しているとのことです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、当社グループの資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の算定は、対象日までの上記情報を反映したものであり、対象日現在における金融及び市場その他の状況、並びに対象日現在において三菱UFJモルガン・スタンレー証券が入手している情報に基づくものとのことです。対象日以降に生じる事象が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の分析及び本株式価値算定書(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)の作成に用いられた前提に影響を及ぼす可能性はありますが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本株式価値算定書(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)及び分析を更新し、改訂し、又は再確認する義務を負うものではないとのことです。本株式価値算定書(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)の作成及びその基となる分析は複雑な過程を経ており、必ずしも部分的な分析や要約した記載に適したものではないとのことです。本株式価値算定書(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)で記載されている特定の分析に基づく評価レンジを、当社株式の実際の価値に関する三菱UFJモルガン・スタンレー証券による評価であると捉えることはできないとのことです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本取引に関し、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーとして役務を提供し、当該役務の対価として手数料を受領する予定であるとのことです。なお、手数料の相当な部分の受領は、本取引について合意に達すること及び本取引が完了することを条件としているとのことです。
③ 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、当社、公開買付者及びトヨタ自動車のいずれからも独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年1月30日付で、本株式価値算定書(野村證券)を取得しました。なお、当社及び公開買付者において、本公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、当社は、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。また、野村證券は、当社、公開買付者及びトヨタ自動車の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係る野村證券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により野村證券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会において、野村證券の独立性に問題がないことが確認されております。
(ⅱ)算定の概要
野村證券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提のもと、当社株式の価値を多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が名古屋証券取引所メイン市場に上場していることから市場株価平均法を、当社と比較的類似する上場会社が複数存在し、類似会社との比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて当社株式の株式価値の算定を行いました。
野村證券によれば、当社株式の株式価値の算定にあたり、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価平均法 |
1,322円~1,354円 |
類似会社比較法 |
657円~2,696円 |
DCF法 |
2,629円~4,817円 |
市場株価平均法においては、2025年1月29日を算定基準日として、当社株式の名古屋証券取引所メイン市場における算定基準日の終値1,345円、直近5営業日の終値の単純平均値1,354円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,342円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,322円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,333円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,322円から1,354円と算定しております。
類似会社比較法においては、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社の株式価値を算定し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を657円から2,696円と算定しております。
DCF法においては、当社が作成した本事業計画に基づく収益予測や投資計画等、合理的と考えられる前提を考慮した上で、当社が2025年3月期第3四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを基に、事業リスクに応じた一定の割引率で現在価値に割り戻して企業価値を評価し、さらに当社が保有する現金同等物や有利子負債等の価値を加減算する等財務上の一定の調整を行って、株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,629円から4,817円と算定しております。なお、DCF法の前提とした本事業計画について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりません。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、算定時点において具体的に見積もることが困難であるため、本事業計画には加味されておりません。さらに、下記「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」に記載のとおり、本特別委員会は、本事業計画の内容及び作成経緯等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行うことを通じて、本事業計画の合理性について確認しております。
(注3)野村證券は、当社株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び当社から提供を受けた一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。本事業計画については、当社の経営陣により算定時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は2025年1月29日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、当社取締役会が当社株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
④ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、当社、公開買付者及びトヨタ自動車のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、本公開買付け及びその後の一連の手続に対する当社取締役会の意思決定方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、当社、公開買付者及びトヨタ自動車のいずれの関連当事者にも該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
また、本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを確認しております。アンダーソン・毛利・友常法律事務所の報酬は、時間単位の報酬のみとしており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。
⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯
当社は、当社取締役会において、本取引の検討を正式に開始するため、本取引の是非を審議・決議するに先立ち、上場会社である当社の本取引に係る意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確立すること等を目的として、2024年10月17日、当社、公開買付者及びトヨタ自動車からの独立性を有し、特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスが確保された特別委員会を構成するべく、当社の独立社外取締役である堀池覚氏(堀池産業株式会社 代表取締役社長)及び当社の独立社外監査役である齋藤清貴氏(弁護士・齋藤清貴法律事務所)、並びに外部有識者である仁科秀隆氏(弁護士・中村・角田・松本法律事務所)及び鏡高志氏(公認会計士・高野総合コンサルティング株式会社 代表取締役)の4名から構成される本特別委員会を設置しました(なお、当社は、本特別委員会の委員として設置当初からこの4名を選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はなく、また当社は本特別委員会の委員への選定に際して、堀池覚氏、齋藤清貴氏、仁科秀隆氏及び鏡高志氏が、当社、公開買付者及びトヨタ自動車のいずれとの間でも重要な利害関係を有していないことを確認しております。また、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額又は時間単位の報酬を支払うものとしており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。)。なお、本特別委員会の委員の互選により、当社の独立社外取締役である堀池覚氏が本特別委員会の委員長に就任しております。
その上で、当社は、本特別委員会に対し、(a)本取引の目的は正当性・合理性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(b)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか、(c)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか、(d)上記(a)乃至(c)のほか、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか、(e)当社の取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことの是非(これらを総称して、以下「本諮問事項」といいます。)を諮問し、本諮問事項についての本答申書を当社に提出することを委嘱しました。
さらに、当社取締役会は、本特別委員会に対しては、(ⅰ)本諮問事項の検討にあたって、本特別委員会は、当社の株式価値評価及び本取引に係るフェアネス・オピニオンの提供その他本特別委員会が必要と判断する事項を第三者機関等に委託することができるものとし、その場合の当該委託に係る合理的な費用は当社が負担するものとする権限、(ⅱ)本取引に関する当社の取締役会の意思決定は本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社の取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとする権限、及び(ⅲ)本特別委員会に対して、本取引に係る公開買付けにおける買付け等の価格その他の取引条件等について、公開買付者の候補と交渉を行うことができる権限を付与することを決議しております。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2024年10月21日から2025年1月30日までの間に合計9回にわたって開催され、本諮問事項についての協議及び検討が行われたほか、各会日間においても、本特別委員会の委員の間で随時電子メール等による意見交換が行われました。具体的には、本特別委員会は、当社、野村證券、及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、本取引の背景・経緯、当社の事業概要、本取引のストラクチャー、各アドバイザーの独立性、本入札プロセスの概要及び状況、公開買付者の選定手続の確認、本公開買付価格の算定手法の合理性、公開買付者との間の協議・交渉の経緯及び内容(公開買付者とトヨタ自動車の間の協議・交渉の内容も含みます。)等について適時に報告・説明を受けた上で、本特別委員会において質疑応答を行っております。また、本特別委員会は、当社から本事業計画の説明を受け、質疑応答を行った上で本事業計画の合理性について確認を行い、その上で当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券から、当社株式の株式価値算定に係る算定手法及び結果に関する説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行った上で、その合理性を確認しております。加えて、当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、当社における本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関して当社が同事務所から得た法的助言の内容についても説明を受け、検討を行いました。なお、本特別委員会は、本入札プロセスにおいて、当社、野村證券、及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、適宜その状況について報告を受け、本第二次入札プロセスへの参加を打診する第二次候補先の選定に関する当社の判断の合理性、及び本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から受領した最終意向表明書を基に、公開買付者を最終候補先として選定した当社の判断の合理性について確認しており、その内容を審議・検討し意見を述べることにより、本第二次候補先及び最終候補先の選定等の重要な局面において実質的に関与しております。当社が、最終候補先として公開買付者を選定した後も、本特別委員会は、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、2024年12月26日付で、公開買付者に対して本質問事項を送付し、2025年1月14日付で公開買付者から本質問事項に対する書面による回答を受けるとともに、2025年1月17日に本公開買付者との間で当該回答の内容を踏まえた質疑応答を行いました。また、同日、本特別委員会は、公開買付者に対して、2024年12月17日に再提出を受けた本最終意向表明書に記載の提示価格の変更は行わない旨を確認しております。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、以上の経緯のもと、本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2025年1月30日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しました。
ⅰ.答申内容
(ア)本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は正当性・合理性を有する。
(イ)本取引の取引条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性は確保されている。
(ウ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされている。
(エ)上記(ア)から(ウ)までのほか、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられる。
(オ)当社の取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことは合理的である。
ⅱ.答申理由
(ア)本取引の目的は正当性・合理性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)について
ア.本取引により期待されるシナジーに関する説明
(a)公開買付者の予測しているシナジー
本入札プロセス及び本特別委員会によるインタビューにおいて、公開買付者からは、本取引によるシナジーとして、大要、以下のような点に期待ができる旨の説明がされた。
a.両社の取引先に対するクロスセル
・公開買付者は、物流に関するあらゆるサービスをワンストップで提供している一方で、当社は段ボール製品をはじめとする梱包材を提供しているから、公開買付者と当社の展開する事業や顧客基盤は相互補完関係にあり、両社が協力することにより、両社の持つ取引先へ相互のサービス・製品を提供することが可能となり、両社の売上高を大きく伸ばすことができる可能性がある。
・中でも当社製品の公開買付者の既存顧客に向けた拡販におけるシナジー効果は、本取引におけるシナジーの中でも定量的にみて最も効果が大きいと考えている。
・シナジーを実現させる時期については、公開買付者の既存顧客に優先順位をつけて段階的に提案活動を行う想定であり、その結果として、拡販効果を徐々に実現させていく想定である。
b.公開買付者の経営資源を活用した当社の物流コスト削減
・公開買付者は多くの自前の国内倉庫資産、ドライバー及び営業車両を保有・運営しており、公開買付者が培ってきた物流に係るノウハウ、人的・資金的リソースを活用し、当社グループ支援の一環として当社製品の運送業務を支援することで、当社における外部委託運送費を含む物流コストの大幅な削減が可能となり、当社のコスト競争力をさらに向上させることができる可能性がある。
c.当社の全国・海外展開支援
・公開買付者は国内外に数多くの関係会社や拠点を有しており、公開買付者の営業拠点、物流ネットワークの提供を通じて、中部地域に事業基盤が集中する当社の全国・海外展開を支援することにより、当社の事業規模拡大に貢献できる可能性がある。
・公開買付者は、当社の全国・海外展開、事業規模の拡大を図ることで、上記「a.両社の取引先に対するクロスセル」及び上記「b.公開買付者の経営資源を活用した当社の物流コスト削減」に掲げるシナジー効果を最大化し、両社のさらなる成長を推進することが可能になると考えている。
以上のような公開買付者の認識及び説明には、当社の事業の内容や状況と矛盾した点や客観的事実に反している点もなく、特に不合理な点は認められない。
(b)当社側のシナジーに関する認識
続いて、本特別委員会は、当社が本取引によるシナジーをどのように認識しているかについても、当社に対するインタビューを通じて確認したところ、その結果は下記のとおりである。
a.両社の取引先に対するクロスセル
・公開買付者は、物流全般を取り扱う一方で、当社は物流のプロセスの中でも梱包に特化している関係にあるから、事業の重複は少ない。したがって、公開買付者グループに入ることで、当社の製品についてのビジネスチャンスの拡大を期待することができる。
・当社の強みは梱包資材の設計開発能力(自動車部品等の梱包される製品の品質を保ちつつ、コストを削減した梱包資材を設計開発できること)であるから、公開買付者の顧客に最適な梱包資材の提供を行うにあたって、その能力を活かすことができると考える。
b.公開買付者の経営資源を活用した当社の物流コスト削減
・現在、当社は製造した梱包資材について、これを物流に乗せるにあたっては外部委託を活用しており、そのコストがかかっている。
・しかし、本取引によって当社が公開買付者グループに入ることで、運送を含めて公開買付者の物流リソースを活用することができるようになり、物流コストの削減が可能となるのではないかと期待している。
c.当社の全国・海外展開支援
・当社にとって全国・海外展開は今後の課題であるものの、特に海外展開については現在なかなか進展していない状況にある。また、今後、自前で海外展開を行うとすれば、大きな投資が必要となり、自ずと限界がある。
・しかし、既に多数の拠点を有している公開買付者グループに入ることで、その物的・人的リソースを活用することができれば、全国・海外展開の実現にとって大きな後押しになり、事業の成長につながると考えている。
以上のような当社の説明は、本特別委員会の委員のうち当社の社外役員を務めている者からみても、これまで社外役員として認識してきた当社の事業に関する情報から得た知見とも整合的であり、合理的なものであると認められる。
また、当社は有価証券報告書において、当社の事業上のリスクとして、業界動向及び競合環境の激化による減収リスク、原材料の市況変動等の原価の上昇による減益リスク、海外展開に伴うリスクを掲げている。上記「a.両社の取引先に対するクロスセル」から上記「c.当社の全国・海外展開支援」に掲げたような本取引により創出されるシナジーは、それぞれ、こうした当社が課題と認識している事象に合致しており、従前の当社による開示の内容とも整合しているものと評価することができる。
イ.本取引によるデメリットの有無
一方、本特別委員会としては、本取引について、シナジーの反面、それを上回るようなデメリットがないのかについても確認する必要があると考え、当社及び公開買付者に対して、それぞれ本取引に伴うデメリットについての認識を聴取した。
その結果、本取引によるデメリットについて、当社及び公開買付者から、下記のような回答を得た。
・一般に株式の非公開化に伴うデメリットとしては、①エクイティ・ファイナンスによる資金調達が困難になること、②株式報酬やストックオプションを発行することが困難になり人材確保に悪影響が生じること、③上場会社であることによる対外的な信用が得られなくなること、ブランドイメージの低下などが考えられる。
・もっとも、公開買付者グループに入ることで当社は公開買付者からグループファイナンスによる資金の調達が可能であり、①について懸念はない。また、公開買付者グループの従業員には持株会の制度が存在し、②についても受皿が存在する。さらに、③についても、当社はこれまでの事業活動や実績を通じて社会的な信用力を得られており、プライム上場企業である公開買付者グループに加わることで、より強固な経営基盤の下で、事業展開を行うことが可能になるから、非公開化のみの事実をもって信用力やブランドイメージにおいてネガティブな影響はない。
・公開買付者からは、当社の従業員の雇用・待遇を維持する方針であり、当社の従業員に対して本取引により不利益を生じさせる意図はない旨の意思が繰り返し表明されている。
・公開買付者から、本取引の実行後、当社が公開買付者グループの一員として、「グループ基本理念」「グループ行動指針」「サステナビリティ方針」といったグループの考え方は共有しつつ、経営方針やスローガンは独自に策定することで、経営の自律性を確保した体制を検討したいというという説明がされている。
・当社が開示を受けた本取引基本契約においても、当社の事業運営を過度に制限するような条項は設けられていない。
以上からすれば、本取引を行うことによるデメリットとして重大なものは見当たらないから、本取引により期待されるシナジーは、本取引を行うことによるデメリットを上回るものと考えることができる。
ウ.小括
以上の事実を前提にすれば、本取引に関して予測されているシナジー(両社の取引先に対するクロスセル、公開買付者の経営資源を活用した当社の物流コスト削減及び当社の全国・海外展開支援)は、定性的なストーリーに留まることなく、クロスセルの実施や当社における物流コストの削減といった具体性を伴ったものであり、またシナジーが予想される項目の中でも定量的・時期的にどのような施策が最も効果が大きいものであるかといった説明も行われているから、本取引によるシナジーについては、定量的な側面からも十分に説明が可能な内容になっている。
したがって、本取引が当社の企業価値向上に資することが認められるほか、本取引によるデメリットも、本取引により期待されるシナジーを上回るようなものは見当たらない。
その上で、本取引の実施の理由として挙げられた点について、当社のステークホルダーにとって不合理な結果をもたらすおそれがある点は認められない。
以上からすれば、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理的であると認められる。
(イ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか
ア.交渉状況の確保
まず、本取引の交渉状況については、公開買付者の選定や、本公開買付価格を含む本取引の諸条件の決定に至るまでの過程においては、当社が野村證券の助言を受けながら本入札プロセスを主体的に進める形で公正な検討が行われ、最終合意に至ったものであることが認められる。
その一連の交渉経緯については、野村證券及び当社から本特別委員会に対して詳細な説明が行われた。本特別委員会からも当該説明の都度、候補者の選定に関して意見を述べることで、本入札プロセスに主体的に関与した。
また、そもそも公開買付者は現時点で当社の株式を保有しておらず、当社と公開買付者は独立当事者同士であり、当社が公開買付者を選定するにあたって、利益相反の観点からの懸念が存在しているわけではない。
以上のとおり、本取引の公表に至るまでの交渉状況は、当社と公開買付者との間において、独立当事者間における客観的かつ整合性のある議論を踏まえた結果として決定されたものであり、その過程において、決定プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらなかった。
加えて、本特別委員会は、2025年1月17日に公開買付者との間で本質問事項に対する回答の内容を踏まえた質疑応答を行った際に、公開買付者に対して、2024年12月17日に再提出を受けた本最終意向表明書に記載の提示価格の変更は行わない旨を確認している。
イ.株式価値算定と本公開買付価格の関係
(a)事業計画
本事業計画は、本入札プロセスを進めるにあたって作成されたものであるが、本入札プロセスの参加者に等しく提供されたものであり、本入札プロセスの参加者に当社と特段の資本関係が存在するような者が存在しなかったことからみても、その作成方法・作成過程(本取引と利害関係を有する者が事業計画の作成に関与していないことを含む。)について、疑わしい点は存在しない。
また、本事業計画の内容について、本事業計画は、本取引が行われることを前提とするシナジー等を織り込んでいない、スタンドアローン・ベースの事業計画となっている。もっとも、本取引において、当社は公開買付者側のデュー・ディリジェンスを行うわけではないから、本取引による企業価値向上効果について、現時点において当社が定量的に数値を見込むことは難しいという事情があり、スタンドアローン・ベースの本事業計画が算定の基礎とされていることは、不合理ではない。
このほか、本特別委員会は、事業計画の内容それ自体についても仔細な検討を行ったが、不合理な点は見当たらなかった。
以上からすれば、本事業計画については、策定プロセスの観点や、その策定方法のいずれからみても、利益相反の観点から恣意的な圧力(過度に保守的に作成する等の圧力)が介在した事実は認められず、その内容についても合理的なものと認められる。
(b)算定方法
本特別委員会は、野村證券に対して複数回にわたってヒアリングを実施し、当社株式の株式価値の算定方法及び評価プロセス並びに株式価値算定等に関する考察過程について詳細な説明を受け、そのいずれについても不合理な点は見当たらないことを確認し、本株式価値算定書(野村證券)は独立した第三者評価機関による株式価値算定書であると評価した。
(c)本公開買付価格の妥当性
本公開買付価格については、下記のような事情が認められるところである。
・本株式価値算定書(野村證券)の市場株価平均法及び類似会社比較法による算定の上限を大幅に超えており、かつ、DCF法の算定結果の上限を超える水準にあること。
・本公開買付価格のプレミアム水準は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年1月30日の当社株式の名古屋証券取引所メイン市場における終値1,349円に対して273.17%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,342円に対して275.11%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,323円に対して280.50%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,332円に対して277.93%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であり、類似案件(2023年1月1日以降に公表され2025年1月29日までに決済の開始日が到来している国内上場企業を対象とする公開買付けのうち、公開買付者による対象者の非公開化を企図している事例。但し、①公表前営業日時点において対象者が公開買付者又はその最終親会社の連結子会社に該当する事例、並びに②MBO事例、対抗公開買付けとして実施した事例、同意なき公開買付けとして実施した事例及び公開買付け公表時において対象者が公開買付けに対し応募推奨を決議していない事例は除く。)のプレミアムを大幅に上回るものと認められること。
・本公開買付価格は当社の上場来高値である2,030円の2倍以上の価格であり、上場来高値を大幅に超える水準にあること。
・本取引は本入札プロセスを経た上で、複数の候補先の中で最も高額かつ最も実現可能性の高い提案を行った公開買付者との間で行われる取引であり、当社にとって本取引を上回る条件を少数株主に提示することができるような実現可能性がある取引は存在しないこと。
上記に掲げたような事情からすれば、本特別委員会としては、本公開買付価格は、当社株式価値が十分に反映されたものと考えることができ、少数株主の利益に十分な配慮がされた水準にあるものと考える。
なお、本公開買付価格は2025年3月期中間期末における当社の1株当たり純資産の価額(2,689.61円)を大きく上回る水準であることから、本公開買付価格についてPBRとの関係で特段の懸念もない。
ウ.スキーム等の妥当性
本取引では公開買付けが想定され、株式交換は想定されていないが、このスキームは一般的なものであり、当社の少数株主に対して特に不利益を及ぼすものではない。
また、本取引の一環としてまず本公開買付け及び本スクイーズアウト手続を行い、その後に当社が本自己株式取得を行うという手段についても、仮にトヨタ自動車が本公開買付けに応募した場合の税引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合に得られる税引後手取り額が同等となる金額として設定していることからすれば、当社の少数株主にとって不相当な点は見当たらない。
エ.小括
上記「ア.交渉状況の確保」から上記「ウ.スキーム等の妥当性」に記載のとおり、本取引の交渉状況に疑義はなく、株式価値算定との関係でも本公開買付価格は少数株主の利益に十分な配慮がされたものである。
また、本取引においては、少数株主が本公開買付け又は本スクイーズアウト手続のいずれによって対価を得たとしても、本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されている。
したがって、本公開買付価格を含めた本取引全体について、当社の少数株主からみて、条件の公正性・妥当性が確保されていると認められる。
(ウ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているかについて
ア.特別委員会の設置
以下のような特別委員会の設置及び運用の状況からすれば、本特別委員会は公正性担保措置として有効に機能していると認められる。
・本特別委員会は、当社の独立社外取締役1名、独立社外監査役1名、外部有識者2名により構成されていること
・本特別委員会は、本特別委員会の委員の全員が、公開買付者及びトヨタ自動車から独立していること、並びにその報酬に成功報酬が含まれないことを相互に確認していること
・本特別委員会は、本取引に係る取引条件が公開買付者と当社との間で決定される前の段階で設置されていること
・本特別委員会は、M&A指針で最も特別委員会の委員としての適格性があるとされる社外取締役を委員長として構成されていること
・当社が本入札プロセスを進めるに当たり、本第一次入札プロセスの段階から、本特別委員会に対して次のプロセスに進む候補者及びその選定理由について本特別委員会に説明を行って本特別委員会の確認を得ており、これにより、本特別委員会は、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保していること
・特別委員会のアドバイザーを選任する権限も付与されていること。もっとも、当社のビジネスの特徴に関する知見(本特別委員会の委員のうち1名が当社の取締役である。)、企業価値評価への知見(本特別委員会の委員のうち1名が公認会計士である。)、法律面での知見(本特別委員会の委員のうち2名が弁護士である。)がいずれも委員により充足されていること、及び当社のアドバイザーの専門性・独立性に鑑み、特別委員会としてのアドバイザー選任は不要であると本特別委員会として判断したこと
・本取引について予定されている契約や想定されるシナジーは多岐に亘り、その全ての詳細を一般に公開することは難しいところ、本特別委員会が、一般株主に代わり、本取引基本契約の文案も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて検討・判断を行ったこと
・当社取締役会は、本特別委員会に対する諮問事項について決議するに際し、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は本取引を行う旨の意思決定を行わない旨を決議していること
イ.当社における意思決定プロセス
当社においては、本公開買付けに係る決議にあたり、取締役6名全員、及び監査役3名のうち2名が審議及び決議に参加することが想定されている。
一方で、当社の監査役のうち、現にトヨタ自動車の役職員を兼任している尾上恭吾氏(以下「尾上氏」という。)は、当社取締役会の審議及び決議に参加していない。
当社取締役会においては、上記のような利害関係のある監査役を審議から外した上で、最終的に当社の取締役全員の一致により決議がされ、また全監査役から異議がない旨の意見が述べられる予定である。以上から、当社における意思決定プロセスに関して、公正性に疑義のある点は見当たらない。
ウ.外部専門家の専門的助言等の取得
(a)法務アドバイザーからの助言の取得
当社取締役会は、意思決定につき、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所の弁護士から助言を受けている。
同法律事務所の独立性については、本特別委員会がヒアリングにより直接疑義がないことを確認済みである。
(b)第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
当社取締役会は、本公開買付価格の公正性を担保するために、独立した第三者算定機関である野村證券から、当社株式の株式価値に関する資料として、本株式価値算定書(野村證券)を取得している。
同社の独立性については、本特別委員会がヒアリングにより直接確認済みである。なお、本取引に係る野村證券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているが、同種の取引における一般的な実務慣行の範囲内の報酬体系であることから、本特別委員会として、かかる報酬体系であっても野村證券の独立性には問題がないものと判断した。
エ.マーケット・チェック
(a)本入札プロセスの実施
本件では本取引に係る本入札プロセスが実施されており、14社が本入札プロセスへの参加に関心を示し、ここから当社が公開買付者を候補者として選定したことが認められる。
したがって、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討するいわゆる積極的なマーケット・チェックが実施されている。
(b)公開買付期間及び取引保護条項
本公開買付けの買付期間は、公開買付期間を法令上の最短期間より長期に設定することにより、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することを企図して、30営業日に設定されている。
また、当社と公開買付者との間において、取引保護条項を含む対抗的買収提案者との接触を制限する旨の合意は行われていないものと認められる。
このように、本取引では、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックも実施されている。
オ.マジョリティ・オブ・マイノリティ
本公開買付けの買付予定数の下限は、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主が所有する当社株式の数に係る議決権の過半数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」に相当する議決権の数を上回る数に設定されている。
カ.一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上
当社が提出予定の意見表明プレスリリースにおいて、当社から当社の株主に対し、本特別委員会及び本株式価値算定書(野村證券)の概要、並びに、本入札プロセスの実施状況及び公開買付者との間の交渉経緯等について十分な情報開示がなされる予定である。
キ.強圧性の排除
本取引のうち本スクイーズアウト手続は、株式併合方式を用いるスキームにより実行するとされている。当該スキームの実施の過程で、株主には、会社法第182条の4及び第182条の5の規定により価格決定の申立てを行う権利が認められ、しかも、当社が提出予定の意見表明プレスリリースにおいてその旨が明示的に開示されている。
さらに、当社が提出予定の意見表明プレスリリースでは、本スクイーズアウト手続は本公開買付け終了後速やかに行われること、本スクイーズアウト手続の際に少数株主に対して交付される金銭について、本公開買付価格に当該各株主(当社及びトヨタ自動車を除く。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定される予定である旨が開示されている。
ク.小括
以上、上記「ア.特別委員会の設置」から「キ.強圧性の排除」に記載の事項からすれば、本取引では、取引条件の形成過程における独立当事者間取引と認められる状況の確保及び一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保のいずれの面から見ても、本取引にとって必要十分な内容での公正性担保措置が採用されており、実際に実効性をもって運用されていると認められる。
したがって、本取引においては、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
(エ)上記(ア)乃至(ウ)に記載の事項のほか、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるかについて
本特別委員会としては、上記「(ア)本取引の目的は正当性・合理性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)について」から「(ウ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているかについて」までに記載の事項が、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるかを検討する際の考慮要素になるものと考える。そして、上記「(ア)本取引の目的は正当性・合理性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)について」から「(ウ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているかについて」までに記載のとおり、本特別委員会の審議の結果、それらの事項について、いずれも問題があるとは考えられない。
以上から、本特別委員会は、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられる。
(オ)当社の取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことの是非について
上記「(ア)本取引の目的は正当性・合理性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)について」から「(エ)上記(ア)乃至(ウ)に記載の事項のほか、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるかについて」までに記載のとおり、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると認められる。また、本取引において公正な手続を通じて当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされているうえ、本公開買付価格について、当社の少数株主からみて、条件の妥当性が確保されていると認められる。
したがって、本特別委員会は、当社の取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことは合理的である旨の意見を答申する。
⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、野村證券から取得した本株式価値算定書(野村證券)の内容及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引について、当社の企業価値の向上、少数株主の皆様の利益保護を含む本取引に関する諸条件の妥当性等の観点から、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、2025年1月31日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
上記の取締役会においては、当社の取締役6名全員による審議の上、全員一致により決議を行っており、また当社の全監査役3名のうち、社外監査役である尾上氏を除く2名の監査役が出席し、いずれも上記決議を行うことについて異議のない旨の意見を述べております。なお、尾上氏は、トヨタ自動車の従業員を兼任していることを考慮し、本公開買付けにおける構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを排除し、本公開買付けの公正性を担保する観点から、上記取締役会における審議及び決議に参加しておりません。
なお、上記取締役会に参加した当社の取締役のうち、取締役社長である山下雅司氏(以下「山下氏」といいます。)は、過去にトヨタ自動車の従業員の地位にあったものの、トヨタ自動車の退職から8年が経過しており、既にトヨタ自動車との兼職関係はなく、トヨタ自動車から指示を受ける立場にありません。当社は、上記「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」に記載のとおり、本取引の背景・経緯、当社の事業概要、本取引のストラクチャー、各アドバイザーの独立性、本入札プロセスの概要及び状況、公開買付者の選定手続の確認、本事業計画の内容、本公開買付価格の算定手法の合理性、公開買付者との間の協議・交渉の経緯及び内容(公開買付者とトヨタ自動車の間の協議・交渉の内容も含みます。)等につき本特別委員会に適時に報告し、複数回にわたり本特別委員会と当社の間で協議を行い、本特別委員会の意見を取得しつつ公開買付者との協議・交渉を進めており、本特別委員会が当社における本取引の検討及び公開買付者との協議・交渉の過程において有効に機能しているものと考えております。そのため、当社は、過去、トヨタ自動車の従業員の地位にあった山下氏は、当社取締役会の審議又は決議から除外されなければ手続の公正性が害されると考えるべき程の利害関係はないものと判断しております。
⑦ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者は、公開買付期間として、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ(法第27条の2第2項、令第8条第1項)、公開買付期間を30営業日に設定しているとのことです。公開買付期間を法令上の最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。また、公開買付者は、当社との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っていないとのことです。このように、上記公開買付期間の設定と併せて、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
さらに、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、当社は本入札プロセスを実施しており、一定の競争状態において、他の複数の候補先との比較を通じて公開買付者を選定した経緯があります。したがって、当社は、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は既に十分に設けられていたと考えております。
⑧ マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)を満たす買付予定数の下限の設定
公開買付者は、本自己株式取得の前までに当社の株主を公開買付者及びトヨタ自動車のみとすることを予定しており、本株式併合の手続を実施する場合には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付けの成立後に公開買付者及びトヨタ自動車が合計で当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を所有することとなるようにするため、買付予定数の下限については、当社が2024年11月7日に公表した「2025年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社第2四半期決算短信」といいます。)に記載された2024年9月30日現在の当社の発行済株式総数(5,225,008株)から、同日現在当社が所有する自己株式数(258,097株)を控除した株式数(4,966,911株)に係る議決権数(49,669個)に3分の2を乗じて得られる議決権数(33,113個。小数点以下切り上げ。)から、トヨタ自動車所有株式(1,200,000株)に係る議決権数(12,000個)を控除した議決権数(21,113個)に、当社株式1単元(100株)を乗じた株式数(2,111,300株)に設定しており、応募株券等の合計が買付予定数の下限に満たない場合は、応募株券等の全ての買付け等を行わないとしているところ、買付予定数の下限である2,111,300株(所有割合:42.51%)は、当社第2四半期決算短信に記載された2024年9月30日現在の当社の発行済株式総数(5,225,008株)から、同日現在当社が所有する自己株式数(258,097株)を控除した株式数(4,966,911株)からトヨタ自動車所有株式(1,200,000株)を控除した株式数(3,766,911株)の過半数に相当する株式数(1,883,456株。これは、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主の皆様が所有する当社株式の数の過半数、すなわち、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」に相当する数にあたります。)を上回る水準となっているとのことです。これにより、公開買付者の利害関係者以外の当社の株主の皆様の過半数の賛同が得られない場合には、本公開買付けを含む本取引を行わないこととなっており、当社の少数株主の皆様の意思を重視したものであると考えているとのことです。
4.本株式併合がその効力を生じる日
2025年6月6日(予定)
以 上