文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社の経営理念は、「食を通じて、人と地域社会をつなぐ企業へ 全てのお客様に喜んでもらい、「お客様」「社会」「社員」に必要とされる企業であり続ける」であります。
当社はこれまで、「ラーメンでお客様に喜んでもらう」を経営理念とし、ラーメン山岡家を中心とした店舗展開を行ってまいりました。今後は、ラーメンを始めとして『食』に関わる企業として発展していくために、創業当時から守ってきました経営理念をラーメン山岡家の事業理念とし、今後は『食』を通じて「地域貢献」を掲げ、納税や雇用の創出など様々な形で地域社会の発展に貢献し、地域に必要とされる企業を目指していきたいと考えております。
また、この経営理念と合わせて「行動指針」「8つの使命」を策定しております。経営理念を実現するために、従業員が自ら行動する上での指針や使命としております。
今後も、ラーメンは味が第一であるとの認識により、商品の維持管理とサービスレベルを均一化するために従来どおり直営店舗での営業にこだわり、出店方針は原則として郊外型を主体とし、一定数以上駐車スペースを確保できる幹線道路に面した立地としております。更に郊外から都心への展開も可能な業態開発を行っております。今後、日本全国の幹線道路沿いや繁華街に、ラーメン業態を始めとした当社の店舗が必ず存在するような事業の拡大を実現するとともに、効率的な経営を行い企業価値の拡大を図りたいと考えております。
また、当社は原則全店直営での店舗展開をメインとし、更に店舗内調理のチェーン店でナンバーワンのブランド構築を目標としております。
国内経済は、個人所得や雇用環境の改善も見られ、個人消費は堅調に推移し緩やかな景気回復が続いております。しかしながら、円安が長期化し物価も上昇基調となり、世界各国での政権交代など地政学リスクの影響もあり、景気の先行きは依然として予測困難な状況が続いております。
外食産業におきましては、人流増加やインバウンド消費による外食需要が高まり、各社業績の回復が見られます。一方で、給与水準の引き上げやそれに伴う物価、各種コスト上昇が業績を圧迫しており、経営環境は依然として厳しい状況が続いております。
このような状況下で、今後の持続的な成長の実現と、収益基盤強化のために、当社の対処すべき課題は、以下のとおりであると考えております。
当社は、現在全社で主にラーメン店を188店舗運営しておりますが、店舗管理やマネジメントを行う人員が担当する店舗数も増加傾向にあります。店舗の細かいチェックや指導体制の強化のため、スーパーバイザーを増員し、商品品質や接客、店舗設備や衛生面の状況把握と改善を継続的に実施しております。また、サービス面強化のため、ウェイティング対応の標準化、挨拶や商品提供の徹底を実施し、お客様に喜んでいただける店舗づくりに注力してまいります。
売上の急速な上昇と今後の店舗展開に向けて、人材確保と育成が重要課題となっております。
人材確保の対策としまして、中途社員の計画的な採用、パート・アルバイトからの社員登用、特定技能外国人材の採用を積極的に進めております。また、採用条件として、週休3日、転勤の有無、キャリア採用など多様な働き方を提示し、多くの方々のニーズに対応できるよう努めております。育成に関しましては、店舗スタッフの調理技術や接客スキルの維持・向上のため、社内キャンペーンの実施や、教育・育成部門のスタッフを増員し、教育体制の強化を進めております。
従業員の生活安定や将来の資産形成、定着率の向上に向けて、労務環境の整備は必要不可欠であると考えております。労務環境整備の対策としまして、今年は6.8%の給与水準引き上げを行い、資産形成促進に向けて確定拠出年金の会社拠出額を2倍に増やしております。また、健康経営の実現に向けて、従業員の健康状態の把握や健康経営優良法人認定の継続、40歳以降の人間ドック受診費用の無料化などにより、健康に働ける社内環境整備を進めております。今後も福利厚生や労働環境を向上させ、定着率の向上を図ってまいります。
飲食業の事業規模拡大において、新規出店は必要不可欠であると考えております。今年は、10店舗の新規出店を計画しておりますが、既に8店舗の出店準備を進めております。出店先は売上好調なエリアや西日本エリアが中心となりますが、今後も300店舗の実現に向けて、毎期、着実に出店を進めてまいります。
企業規模拡大に向けて、現在、管理体制の強化を進めており、本部社員の拡充を継続的に行っております。また、本部機能を強化するため、現在の従業員規模に見合った売上管理や勤怠管理、健康管理などのシステム導入を行っており、業務効率化を進め、店舗運営を支えるバックオフィス機能を強化してまいります。
農業事業は、順調に規模拡大を続けておりますが、より多くの店舗で、自社で栽培した安全安心な長ネギを、お客様のもとへ提供したいと考えております。収穫量を増やすには、農地の拡大と管理する人材確保と育成が必要であり、長ネギの収穫量アップと品質安定に向けて農地及び人材の拡充を引き続き継続してまいります。
当社は、着実な事業拡大を通じて企業価値を向上させていくことを重要な経営目標と位置付けております。このため、店舗数の純増による売上規模の拡大は勿論、事業の収益力を占める営業利益、営業利益率を中長期的な経営の重要指標として考えております。
当社の経営方針に含まれるサステナビリティの考え方
当社は、「食を通じて、人と地域社会をつなぐ企業へ 全てのお客様に喜んでもらい、「お客様」「社会」「社員」に必要とされる企業であり続ける」という経営理念を具現化した行動指針や8つの使命を策定し、その中で安心・安全な食材の調達や地域社会への貢献など、経営理念の実現に向けた取組を進めております。これは、持続的な成長を実現するために、様々な社会課題の解決し持続的な成長を目指すサステナビリティの考えに沿うものであると考えております。この考え方に基づき、以下の取組をまとめました。
当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針は定めておらず、既に設置済みであります「リスク管理部会」と「コンプライアンス委員会」をベースとして、安心・安全かつ持続可能な食材の確保、フードロスへの取組、資源循環型社会への取組、気候変動対策などサステナビリティに関連するリスクや機会の確認を行い、それらの対応に向けた計画を策定するため、リスクや機会のモニタリングを行っております。
なお、当社のコーポレート・ガバナンスの状況の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。
当社は、サステナビリティに係る基本方針は定めておりませんが、「リスク管理部会」と「コンプライアンス委員会」にてモニタリングされるサステナビリティに関するリスクや機会の分析を行い、計画に落とし込んでまいります。
(人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略)
当社は、今後の持続的な成長を実現するためには、店舗運営を行う従業員の成長と働きやすい環境の整備が重要課題であると認識しており、キャリアアッププログラムやトレーニングセンターの運営、様々な福利厚生施策など、人的資本への継続的な投資を行ってまいりました。
また、当社が掲げる「食を通じて、人と地域社会をつなぐ企業へ 全てのお客様に喜んでもらい、「お客様」「社会」「社員」に必要とされる企業であり続ける」という経営理念を実践できる人材を育成することにより、当社の存在意義を確立していきたいと考えております。
当社では、キャリアアッププログラム「Y-CUP」を策定し、その中で1stから5stまでのラインを定め、各ラインをクリアすることにより店長や管理監督者などのタイトルにチャレンジできる制度となっております。体系的なトレーニングプログラムにより従業員にも分かりやすく目指す方向性を明確化しております。
また、店舗従業員を中心としたアンケートを行い、会社への提案や改善事項などについて回答を得ました。それらの意見をもとに働きやすい職場環境の整備など、従業員のモチベーションアップに結び付く取組を行ってまいります。前期から特定技能実習生の受け入れも行っており、今後も継続的に対応していく予定でおります。
なお、キャリアアッププログラムに組み込まれた各種研修の実施により、店舗オペレーション技術やマネジメント力の向上、研修機会を用いた従業員とのコミュニケーションを実施するなど、より長く働ける環境を整備してまいります。
今後は、性別や年齢、国籍や言語などの多様性を認め尊重しあい、より働きやすく従業員の能力が十分に発揮できる環境を整備し、各種課題に対応できる体制を構築してまいります。
当社は、サステナビリティに係る基本方針は定めておりませんが、大規模な自然災害の発生、食材価格高騰や気候変動に起因する原材料の不作などサプライチェーンの混乱による物理的なリスクと、再生可能エネルギーの調達を始めとした事業運営コストの増加やサステナビリティ対応への遅れなどの移行リスクについて、「リスク管理部会」と「コンプライアンス委員会」において定期的にモニタリングを行っております。その上で、取締役会に報告しリスクに関する対応と進捗について監督・指示を行っております。
また、必要に応じて顧問弁護士を含む外部アドバイザーに対し連絡や相談等が可能な体制となっている他、内部監査及び監査等委員による監査を通じて、潜在的なリスクの発見に努めております。
なお、当社が認識する事業等のリスクに関する詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
当社は、サステナビリティに係る基本方針は定めていないことから、「リスク管理部会」と「コンプライアンス委員会」にてモニタリングされるサステナビリティに関するリスクや機会の分析を行い、今後指標や目標を策定してまいります。
(人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標)
人的資本や多様性についての指標・目標については、管理職に占める女性労働者の割合や男性の育児休業取得率などを検討しております。現状は低い割合となっており、今後目標値を定めて、達成に向け各種取組を策定、実施してまいります。
なお、女性管理職比率、男性の育児休業取得率については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載のうち、将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2025年4月25日)現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。
当社は、2025年1月31日現在、「ラーメン山岡家」を主として188店舗(新業態を含む)を北海道から本州、九州地区の主要幹線道路沿いを中心に、全店舗直営店、年中無休営業を基本として出店しております。当社が多店舗展開を推進するにあたり、直営店を基本としてきた理由は、一定の品質・サービス・清潔さの水準を全店ベースで維持・管理するとともに、店舗のスクラップ・アンド・ビルドを実施できることによるものであり、今後も関東、東海、関西地区を中心に引き続き事業の拡大に取り組む方針であります。
しかしながら、当社のセグメントはほぼラーメン事業のみであることから、国内景気の悪化・低迷等の外的要因、あるいは当社固有の問題発生等により、当該事業の展開に何らかの支障が生じた場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社のラーメンには、チャーシュー用の豚肉、スープ用の豚骨と、豚を多く使用しております。そのため、豚肉・豚骨の仕入については複数の取引先から調達し、リスクの分散を図っております。しかし、主要食材である豚の安全性に問題が発生した場合、売上原価の高騰など当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の出店における基本方針は交通量の多い幹線道路沿いと考えており、立地条件が売上高を大きく左右すると考えております。今後の出店に当っても上記方針に基づき、物件に関する情報ルートを拡大し、より多くの情報の中から出店候補地の諸条件を検討したうえで、選定を行ってまいります。
ただし、当社の出店条件に合致する物件がなく、計画通りに出店できない場合、または出店後における周辺環境の変化や、ファミリーレストラン、コンビニエンスストアといった外食及び同業他社との競合が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は直営店の出店を図るため、人材の確保を行っていく必要があります。特にスーパーバイザー(担当エリアの店舗運営における管理監督者)及び店舗の人材確保並びに育成が重要であると考えており、中途・新卒を含め採用活動を行っております。また、採用した人材については、教育担当専任者が中心となり、研修店舗におけるOJT等で教育を進めております。
しかし、人材確保、育成が当社の計画通りに進まない場合には、店舗におけるサービスの質の維持や計画通りの店舗展開が出来ず、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、賃借により出店を行うことを基本方針としており、土地・店舗の賃借に際して家主に敷金保証金を差入れております。敷金保証金の残高は2024年1月期末が581,654千円、2025年1月期末が583,005千円となっており、総資産に対する比率は、各々5.2%、4.0%を占めております。敷金保証金は賃貸借契約終了をもって当社に返還されるものでありますが、賃借先のその後の財政状態によっては回収が困難となる場合や店舗営業に支障が生じる可能性があります。
また、当社側の都合によって不採算店舗の契約を中途解約する場合などは、当該契約に基づき、敷金保証金の一部又は全部が返還されない可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社が運営する店舗は飲食店として、主に食品衛生法による規制を受けております。これらの法的規制が強化された場合や、その他当社事業に関連する法的な規制が強化、新設された場合には、設備投資等必要措置に対応するため、新たな費用負担が生じることなどにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、安全な食品を提供するために、食品衛生法に基づき所轄保健所より営業許可証を取得し、全店舗に食品衛生管理責任者を配置しております。また、店舗内の衛生管理マニュアルに基づき、従業員の衛生管理や品質管理を徹底しております。更に、専門機関による定期的な各種衛生検査を実施しております。
現在のところ、当社では設立以来食中毒の発生等で行政処分を受けた事例はありませんが、当社の衛生管理諸施策の実施にもかかわらず、衛生問題が発生した場合や、他業者の不手際による連鎖的風評被害、食材メーカー等における無認可添加物の使用等による消費者の不信、また社会全般的な各種衛生上の問題が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、店舗出店に伴い、主に設備資金を借入金により調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率は下表のとおりの水準で推移しております。近年は低金利が持続しておりますが、今後、借入金利が上昇に転じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注) リース債務及び割賦債務を含めて表示しております。
当社は、店舗設備を原則自社保有しております。今後、店舗の営業損益に悪化が見られ短期的には回復が見込まれない場合、固定資産の減損に係る会計基準が適用されることにより減損損失が計上され、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、飲食店の経営を主要な事業としておりますが、消費者の来店動機を大幅に減少させるような地震・台風等による大規模な自然災害等が発生した場合、業績及び固定資産へのダメージなどにより財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、社会経済活動が正常化し所得や雇用環境の改善がみられ、個人消費が堅調に推移し、緩やかな景気回復が続きました。一方で、円安が長期化し原材料や資材等が高騰を続けており、米国の政権交代や地政学リスクの影響、為替の動向など不確定要素も多く、国内経済は依然として先行きが不透明な状況が続いております。
外食産業におきましては、人流の活発化により外食需要が高まり、インバウンド消費も好調に推移したため、各社売上高は軒並み回復傾向が続いております。一方で、人材不足解消のための求人費や給与水準の引き上げのための人件費、他にも食材原価や配送費、光熱費といった各コストの上昇が各社収益を圧迫しており、経営環境は依然として厳しい状況が続いております。
このような状況の中、当社は、「食を通じて、人と地域社会をつなぐ企業へ」という経営理念のもと、前期に続き「お客様に喜んで貰う」という全社スローガンを継続し、直営による出店、店内調理、年中無休かつ24時間営業を基本として、当社の経営ビジョンである300店舗、47都道府県への店舗展開の実現に向け、それにふさわしい企業体制の構築を目指しております。
当事業年度の取り組みといたしまして、第1に、売上及び利益獲得に向けて、山岡家公式アプリによるクーポン配信や来店ポイント付与、期間限定商品の情報発信などを積極的に行い、訴求効果を高め来店客数の増加へ繋げました。現会員登録者数は今年1月末時点で約110万人に達しており、数多くの山岡家ファンの方々にご利用いただいております。また、昨年11月に煮干しラーメン業態全5店舗のリブランディングが完了し、集客力向上と売上アップに繋がっております。尚、食材原価や配送費の度重なる上昇に対処するため、昨年7月と11月に一部商品の価格改定を実施いたしました。
第2に、QSC(商品の品質、サービス、清潔さ)向上に向けて、各店舗の細かいチェック及び指導体制の強化のためスーパーバイザーを増員し、商品品質や接客、店舗設備や衛生面の状況把握と改善を継続的に実施いたしました。更に、来店客数の増加に対して挨拶や商品提供の徹底、ウェイティング対応の標準化などを実施し、営業力強化を図りお客様に喜んでいただける店舗づくりに注力いたしました。
第3に、人材確保と育成に向けて、中途社員の計画的な採用、パート・アルバイトからの社員登用、特定技能外国人材の採用を継続的に実施し、併せて管理体制強化のための本部社員の拡充を行い、今後の事業規模拡大を想定した体制の基盤づくりを継続的に進めております。また、店舗スタッフの調理技術や接客スキル、モチベーションの維持・向上のため、社内キャンペーンを実施し、更に教育・育成部門のスタッフを増員し教育体制の強化を進めました。
他にも、2022年にスタートした農業事業は、生産量も増え順調に規模を拡大しております。より多くのお客様へ安心・安全な長ネギを安定して提供できるよう、今後も計画的に取り組みを進めてまいります。
当事業年度は、ラーメン山岡家を関東エリアに3店舗、関西エリアに2店舗、北陸エリアに1店舗、計6店舗を新規出店し、当期末の店舗数は188店舗となりました。また、県内初となる和歌山県へ出店し、全国31都道県への進出を達成いたしました。
これらの取り組みにより、既存店売上高は34ヶ月連続で対前年を上回り、本年1月には売上高が過去最高を記録いたしました。その結果、当事業年度の売上高は34,585,110千円(前年同期比30.5%増)、営業利益は3,708,375千円(同79.7%増)、経常利益は3,833,476千円(同79.7%増)となりました。また、特別損益において、固定資産除却損4,041千円を計上したことなどにより、当期純利益は2,832,750千円(同97.7%増)となり、前事業年度に続き通期で売上高、各利益ともに過去最高となりました。
(資産)
当事業年度末における資産につきましては、前事業年度末に比べ3,288,684千円増加し、14,452,262千円(前年同期比29.5%増)となりました。主な要因は、次のとおりであります。
流動資産につきましては、前事業年度に比べ2,545,637千円増加し、7,389,748千円(同52.6%増)となりました。これは現金及び預金が前事業年度末に比べ1,189,616千円増加し、3,964,611千円(同42.9%増)、店舗食材が前事業年度末に比べ985,659千円増加し、2,157,596千円(同84.1%増)となったことが大きな要因であります。
固定資産につきましては、前事業年度に比べ743,046千円増加し、7,062,514千円(同11.8%増)となりました。これは、有形固定資産が前事業年度末に比べ648,823千円増加し、5,394,506千円(同13.7%増)となったことが大きな要因であります。
(負債)
当事業年度末における負債につきましては、前事業年度に比べ487,300千円増加し、7,784,218千円(同6.7%増)となりました。主な要因は、次のとおりであります。
流動負債につきましては、前事業年度に比べ939,098千円増加し、6,089,318千円(同18.2%増)となりました。これは買掛金が前事業年度末に比べ312,105千円増加し、1,097,307千円(同39.7%増)、未払金が前事業年度末に比べ433,830千円増加し、2,167,284千円(同25.0%増)となったことが大きな要因であります。
固定負債につきましては、前事業年度に比べ451,798千円減少し、1,694,900千円(同21.0%減)となりました。これは社債が前事業年度末に比べ353,000千円減少し、225,000千円(同61.1%減)となったことが大きな要因であります。
(純資産)
純資産につきましては、前事業年度に比べ2,801,384千円増加し、6,668,044千円(同72.4%増)となりました。これは利益剰余金が前事業年度末に比べ2,782,743千円増加し、6,069,288千円(同84.7%増)が大きな要因であります。
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比較して1,153,614千円増加し、3,787,605千円となりました。当事業年度中におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により得られた資金は、2,967,147千円(前年同期比21.5%増)となりました。これは主に、税引前当期純利益が3,831,263千円、減価償却費が620,324千円に対して、棚卸資産の増加額が1,016,587千円、法人税等の支払額が1,048,387千円となったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により使用した資金は、1,316,383千円(同3.8%減)となりました。これは主に、店舗開設等による有形固定資産取得による支出が1,220,079千円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により使用した資金は、497,149千円(同6.5%増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が652,649千円、社債の償還による支出が248,000千円に対して、新規の長期借入れによる収入が500,000千円あったことなどによるものであります。
当事業年度の生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
該当事項はありません。
当事業年度における販売実績を都道府県別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
本項に記載した将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(売上高)
新規出店は6店舗となり当事業年度末の店舗数は188店舗になりました。
売上及び利益獲得に向け公式アプリによるクーポン配信や来店ポイントの付与、期間限定商品などの情報発信を継続して行うことで訴求効果を高め来店客数の増加へ繋げることができました。現会員登録者数は今年1月末時点で110万人となっております。
QSC(商品の品質・サービス・清潔さ)向上につきましては、各店舗の指導体制強化のためスーパーバイザーを増員し、商品の品質や接客、店舗設備や衛生面の改善を実施しております。また、来店客数増加に対して、商品提供の徹底やウェイティング対応の標準化などを実施することで営業力強化を図ることに注力してまいりました。
人材確保や育成につきましては、中途社員の積極的な採用、パート・アルバイトからの社員登用、特定技能外国人材採用などを継続的に実施いたしました。また、社内キャンペーンを実施し、調理技術や接客スキル、モチベーションの向上を進めております。更に教育・育成部門のスタッフを増員し教育体制の強化を進めました。
これらの施策を実行した結果、来店客数は年間を通じて好調を維持し、既存店売上高は34ヶ月連続で対前年を上回りました。その結果、売上高は34,585,110千円(前年同期比30.5%増)と過去最高となりました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度は、為替や需給バランス変動に伴う原材料価格の高騰が継続しており、引き続き厳格なロス管理を行っておりますが、前事業年度と比較し原価率が約0.7%上昇いたしました。以上の結果、売上総利益は24,345,381千円(前年同期比29.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、人件費につきましては、引き続き適切なワークスケジュール管理を行い適正化に努めておりますが、時給単価上昇が続いていることや待遇改善のためのベースアップ、特別賞与支給、来店客数増加に伴うスタッフの増員と人員配置の見直しにより大幅に増加いたしました。エネルギーコストにつきましては、為替の上昇が一服したことや原油先物の下落もあり増加は限定的となりました。主要コストを含めその他店舗管理コストにつきましても、引き続き徹底した効率化を図っておりますが、売上高の拡大による店舗運営コストの上昇が続いていることなどもあり、20,637,005千円(前年同期比23.0%増)となりましたが、売上高比では59.7%と前期と比較し約3.6%減少いたしました。なお、当事業年度の営業利益は3,708,375千円(前年同期比79.7%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用)
営業外収益は、受取手数料が79,775千円(前年同期比15.6%増)となったことなどから、163,624千円(前年同期比50.0%増)となりました。営業外費用は、支払利息が26,069千円(前年同期比10.5%減)となったことなどから、38,522千円(前年同期比3.7%減)となりました。なお、当事業年度の経常利益は3,833,476千円(前年同期比79.7%増)となりました。
(特別利益、特別損失)
特別利益は、固定資産売却益1,828千円を計上したことにより、1,828千円(前年同期は27千円)となりました。特別損失は、固定資産除却損4,041千円を計上したことなどから、4,041千円(前年同期比89.0%減)となりました。
(当期純利益)
税引前当期純利益3,831,263千円に対し法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計998,512千円を計上し、当期純利益は2,832,750千円(前年同期比97.7%増)と過去最高となりました。
国内経済は、個人所得や雇用環境の改善も見られ、個人消費は堅調に推移し緩やかな景気回復が続いております。しかしながら、円安が長期化し物価も上昇基調となり、世界各国での政権交代など地政学リスクの影響もあり、景気の先行きは依然として予測困難な状況が続いております。
外食産業におきましては、人流増加やインバウンド消費による外食需要が高まり、各社業績の回復が見られます。一方で、給与水準の引き上げやそれに伴う物価、各種コスト上昇が業績を圧迫しており、経営環境は依然として厳しい状況が続いております。
このような環境の中、当社は以下のとおり、経営戦略を掲げております。
a.QSC向上…スーパーバイザーの増員継続と店舗臨店回数増加による商品面・接客面に対する指導強化、衛生面の管理強化、スキル向上を目的とした社内コンテストの実施、お客様相談室によるクレーム対応と改善
b.採用・育成…経営理念・行動指針の浸透、新卒・中途採用の強化と社員登用の推進、特定技能外国人材の継続採用、教育・育成体制の充実、各種トレーニングツールの更新、アルバイト・パート評価制度の改定
c.労務環境 …給与水準引き上げの実施、確定拠出年金の会社拠出額拡充と資産形成フォロー、健康経営実現に向けた取り組み強化、定着率向上に向けた各種研修会の実施
d.出店・改装…ラーメン山岡家を中心とした10店舗の新規出店、売上好調なエリアへのドミナント出店強化、西日本エリアの出店候補地選定強化、店舗老朽化に伴う改装実施、売上増加店舗の設備増設
e.購買活動 …食材の安定供給に向けた仕入先との連携強化と新たな仕入先ルートの開拓
f.その他 …農業事業の拡大と品質向上
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上高、営業利益及び営業利益率を中長期的な経営の重要指標としております。
次期につきましては、当事業年度と同じく「お客様に喜んで貰う」を全社スローガンとして掲げ、当社の経営ビジョンである300店舗の出店と47都道府県への店舗展開の実現に向けて、QSC(商品の品質、サービス、清潔さ)向上、人材採用と育成、労務環境整備と定着率向上、新規出店と改装、効率的な購買活動と食材の安定供給に関する各課題に対して方策を立て、計画的に取り組みを進めてまいります。
また、次期を初年度とする中期経営計画を策定いたしました。次期は新規出店を10店舗とし、売上高39,003百万円、経常利益4,081百万円、当期純利益2,954百万円と計画しており、計画達成に向け社内一丸となって取り組んでまいります。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は営業店舗設備投資等によるものであります。
当社は、運転資金につきましては、内部資金により資金調達することとしており、設備資金につきましては、固定金利の長期借入金及び社債(銀行保証付私募債)発行で調達することを基本としております。調達コストにつきましては、過度な金利変動リスクに晒されないよう、固定金利もしくは金利スワップなどを活用しております。今後におきましても、これらの方針に大きな変更はないものと考えております。
なお、当事業年度末現在における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は2,547,199千円となっております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
当社は、固定資産の減損及び税効果会計などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。