文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「リアルなITコミュニケーションで豊かな社会形成に貢献する」ことを経営理念とし、一部の先進企業だけでなく、全ての企業にすぐれたITのメリットを提供することを目指しております。この経営理念を実践するため具体的には以下の三つを行動指針としております。
①柔軟な思考と発想で、次世代のニーズをつかむ
②ゼロから何かを生み出す喜びをお客様とともに
③一人ひとりがパイオニア精神を持ち続けること
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、技術革新のスピードが速く、常に革新的な製品・サービスが求められるIT業界に属しております。そのような状況の中、当社は研究開発や難易度の高い開発を受託することで社内に技術を蓄積し、技術的優位性を維持しながら、市場ニーズに応じた革新的な製品・サービスを適切な時期に市場に投入することで、販売価格がリーズナブルながらも高い利益率を確保することを目標としております。
具体的な経営指標としては、売上高成長率及び売上高経常利益率の向上に努めてまいります。当連結会計年度の売上高成長率は9.8%(前連結会計年度10.1%)、売上高経常利益率は28.2%(前連結会計年度20.8%)となっております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
2030年までに国内グループウェアのトップブランドとしてのポジションと評価を確立し、シェアNo.1、累計1000万ユーザーを目指してまいります(2025年1月末時点の販売累計ユーザー数:526万ユーザー)。当社グループの強みである信頼のある高い技術力、先進的なITの実用化に対するいち早い取り組みをさらに強化・挑戦し続けてまいります。
事業構造としましては、ソフトウエア事業においてクラウドサービス、サポートサービスの安定したストック型ビジネスに、当社が得意とするエンタープライズ向け製品・サービスのシェアを伸ばすことで、安定的な収益モデルを堅実に成長させるとともに、システム開発サービス事業とのシナジーの追求や海外子会社による新たな収益事業の立ち上げや海外販売にもチャレンジしてまいります。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
インターネット関連技術は、技術の進歩が著しく、それに応じて業界標準及び利用者ニーズが急速に変化するなど当社の事業環境は日々変化しております。ソフトウエア事業においては、多様なユーザーニーズに応えるためクラウドサービスおよびライセンス(オンプレミス)の双方で販売を行っておりますが、クラウドサービスの利用が一般的に拡大しており、官公庁でのクラウドサービス利用拡大も見込まれることから、今後もクラウドサービスの売上は安定的に成長すると想定しております。この結果、ソフトウエア事業の売上に占めるクラウドサービスの割合は今後も増加していくものと考えております。ライセンスについては、クラウドサービスの利用が広がっているものの、大規模ユーザーにおいては、運用環境が整備されていることや価格面からライセンスを選択する傾向が当面継続すると想定しております。このような中、当社製品は、大規模ユーザーで使用した場合の性能と価格面で特に競争力を有すると考えており、大規模ユーザー向けのライセンス販売は今後も安定的に推移すると見込んでおります。
高性能でありながら低価格な製品・サービスの開発を可能とすることができるのは、社内に蓄積された高い技術力に起因するものであると認識しております。そのため、今後も技術力を維持し、さらに高めていくためには優秀な技術者の採用・育成が重要でありますが、優秀な技術者の採用競争は激化しており、この傾向は継続するものと考えております。
当社は、職場におけるコミュニケーションや情報共有を円滑にすることに資するような製品・サービスの開発を行ってまいりました。一方で、AI技術の急速な進歩、働き方に対する意識の変化、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展などの変化が生じており、こうした変化に対応した製品・サービスを継続的に開発していくことが重要であると認識しております。
システム開発サービス事業においては、顧客企業のIT投資動向の影響を受けるものの、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進など競争力を確保するためのIT投資は当面底堅く推移するものと想定しております。しかしながら、採用環境が厳しい中、技術者数を増加させ売上を拡大させていくことを目指すのは現実的ではなく、また、将来的にはビジネススピードを重視し内製化が進むことも想定されるため、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に求められる技術力を蓄積し、より付加価値の高いサービスの提供にシフトしていくことが重要であると認識しております。
このような事業環境の中、当社グループが継続的に事業規模を拡大させていくためには、下記の課題への対応が必要であると考えております。
① ノーコード業務アプリ作成ツールAppSuite・ビジネスチャットChatLuckの拡販
当社は主力製品・サービスとしてグループウェアdesknet's NEOを提供しておりますが、この他ノーコード業務アプリ作成ツールのAppSuite、ビジネスチャットのChatLuckなどを提供しております。
AppSuiteのクラウドサービスの売上高は前年同期比41.9%増と大きく増加しておりますが、利用ユーザー数はdesknet's NEOのクラウドサービスの15%程度となっており、ユーザー数を大きく拡大する余地があると認識しております。2024年9月のクラウドサービスの価格改定に合わせて導入したセットプランは、desknet's NEOとAppSuite、ChatLuckをお得に同時利用できる価格設定といたしました。セットプランの販売に注力することで、AppSuite、ChatLuckの同時利用を促進してまいります。
ChatLuckにつきましては、クラウドサービスの売上高も前年同期比14.3%増と売上高は増加しておりますが、パッケージ製品として提供している点が当社の強みの一つであると認識しております。パッケージ製品の売上高は大規模案件の減少により前年同期比24.6%減となりましたが、今後も官公庁をはじめとする中規模以上のユーザーでの利用拡大が期待できる領域であるため、拡販に努めてまいります。
② 営業力の強化
当社グループの継続的な成長には営業力の更なる強化が必要であると認識しております。ノーコード業務アプリ作成ツールAppSuiteやAI関連のサービスは、どのように使用するかでユーザーが得る価値は大きく変化すると認識しております。このため、当社グループの取り扱う製品・サービスを利用して、ユーザーの課題を解決できるように提案営業力を強化し、新規顧客の獲得、既存顧客との取引拡大に努めてまいります。この他、営業拠点新設の検討、各営業拠点での営業人員の拡充にも努めてまいります。
③ クラウドサービスの安定的・効率的な運用体制の構築・維持
ソフトウエア事業で展開しているクラウドサービスは、ソフトウエア事業の売上の2/3程度を占める規模に成長しており、今後も継続的な成長によりこの割合は増加していく見込みであります。当社の提供するクラウドサービスは、業務の効率化や円滑なコミュニケーションを支えるビジネスインフラとして機能していることから、安定した稼働を維持することが重要であると認識しております。今後も利用者の増加が見込まれる中、クラウドサービスを安定的に提供するため、最適な運用基盤の選択、計画的なサービス基盤拡大、運用体制の充実等に取り組んでまいります。
④ 新たな顧客を創造する新製品・新サービスの開発・提供、既存製品・サービスの強化
スマートフォンやタブレットの普及拡大やクラウドコンピューティング市場の発展、AIやIoT技術の発展、変化する働き方などに対応した新製品・新サービス提供の重要性が高まっております。これらの変化に対応するため、付加価値機能の追加などによる既存製品・サービスの強化充実、顧客ニーズを満たす新製品・新サービスの開発に取り組んでまいります。
⑤ 官公庁・自治体のクラウド化への対応
当社の得意とする官公庁・自治体市場においても、DXを推進するための基盤としてクラウドサービスでの利用が増加していくことが見込まれています。官公庁・自治体のクラウド化へのシフトを見据え、当社はサービス提供者として課せられ条件を満たすソリューションを提供できるようにする必要があります。具体的には、LGWAN-ASP対応や政府機関にクラウドサービスを提供する場合に求められるセキュリティ評価水準であるISMAP(Information System Security Management and Assessment Program)認定取得に向けて継続して取り組んでまいります。
⑥ 人材の確保・育成
当社グループが属する業界において優秀な人材を確保することは、企業の発展、成長に欠かせない要件となっております。当社グループは、先進的なITの実用化に挑戦し続けることによって、技術力をさらに強化し、日本屈指のソフトウエア技術力を持つグループとなることを目指しております。この目標に向けて、国内においては、継続的に新卒採用を行い、その後の技術者等育成に注力してまいりました。今後も国内においては新卒採用を中心に人材採用を行い、優秀な人材へと育成していくという基本方針は変わりませんが、我が国は少子高齢化が進み、若い人材の不足は今後一層深刻となり、新卒採用による人材、特に技術者の確保が困難になっていくことが見込まれることから、採用活動の充実、強化に加え、即戦力としての中途採用による技術者の確保・増強・定着にも努めてまいります。また、海外においては中途採用を中心に、当社グループの事業の拡大に必要な優秀な技術者や営業担当者の採用に取り組んでまいります。さらに、グループ内での人材交流を促進することで、グループ内のシナジーの創出に取り組んでまいります。
⑦ サステナビリティに関する取り組み
当社グループは、持続的な企業価値向上のためESGを含むサステナビリティ経営を推進することが重要であると考えております。サステナビリティ委員会を中心に継続的に取組みをすすめるとともに、活動内容の開示に努めてまいります。
今後も、当社の事業活動を通じて、持続可能な社会の発展に貢献することで企業価値の向上に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したもの、もしくは提出会社が判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社は創業以来「リアルなITコミュニケーションで豊かな社会形成に貢献する」という企業理念のもと、「すべての働く人を支える」ビジネスICTツール製品とそのサービスの開発に取り組んでまいりました。
地球環境をはじめとするさまざまな社会課題に直面する中、当社が中長期的に持続的な成長を実現するためには、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点を重視した企業経営を推進し、当社の事業活動を通じて社会課題解決に取り組むことが重要であると考えております。
自社開発したICTツールをあらゆる企業・団体の皆様にご活用頂くことで新しい働き方をサポートし、いつ、どこにいても質の高いコミュニケーションが取れる活気に満ち溢れた豊かな社会の創造を目指し、「持続可能な社会の実現」のために貢献してまいります。
①サステナビリティ全般に関するガバナンス
当社グループ全体でサステナビリティを推進する社内体制を構築すべく、常勤取締役を統括責任者とするサステナビリティ委員会を2023年に設置し、当連結会計年度においては3回開催いたしました。本委員会では主に、サステナビリティ関連の方針の検討や、重要事項の共有を行いましたが、これとは別に、サステナビリティに関するテーマ毎の分科会を委員会メンバーにより構成しており、これらの会の活動状況については社内コミュニケーションツールを活用する等、適宜情報共有を行ってまいりました。
本委員会は取締役会に対して定期的に(年1回以上)活動状況について報告を行っております。取締役会は委員会の取り組みについて監督し、特に重要な事項については審議を行っております。
また、本委員会は関係各部署と対応施策について連携することで施策の実行体制を構築いたしております。
②気候変動に関するガバナンス
サステナビリティ委員会において当社の気候変動に関する課題の特定や戦略立案、取り組みの推進を行い、当該活動内容について取締役会に対して定期的に(年1回以上)報告を行っております。取締役会は委員会の取り組みについて監督し、特に重要な事項については審議を行っております。
①サステナビリティ全般に関する戦略
当社グループは、創業以来「リアルなITコミュニケーションで豊かな社会形成に貢献する」ことを企業理念とし、ビジョンである「ビジネスICTツールを社会インフラに、すべての企業にITメリットを」と合わせて、持続可能な社会の発展に貢献するためのサステナビリティ経営における基本的な考え方としております。
これに基づき、経営レベルにおける議論を重ね、中長期的成長を果たすための9つの経営重要課題(マテリアリティ)を特定し、関連するマテリアリティを相互に結びつけて分類いたしました。
[社会との共創、事業における挑戦]
1. 健康で生産的な働き方の実現支援
2. DXを通じた顧客と地域経済へのエンパワーメント
3. 顧客の事業継続リスク軽減
4. デジタル技術を活用したオープンイノベーションによる事業開発
5. 安全安心な製品の提供
[多様な人材が活躍できる組織作り]
6. 当社ならではのデジタル人材の育成と多様化
7. 健康で生産的な働き方の追求
[地球環境との共生]
8. 気候変動リスクへの対応
[ガバナンスの充実]
9. 持続可能な経営基盤の構築
今後も、当社の事業活動を通じてマテリアリティへの取り組みを推進し、適切な情報開示を行うことでステークホルダーの皆様との信頼構築に努め、社会的価値と経済的価値の創造を目指します。また、社会環境や事業の状況の変化を踏まえて、継続的にマテリアリティの見直しを行うことで、当社の中長期的に持続的な成長と社会課題の解決を両立いたします。
②気候変動に関する戦略
当社は、事業活動が環境に大きな影響を与えていることを真摯に受け止め、環境との調和を経営課題のひとつとして位置づけ、サプライチェーン全体で環境負荷の低減に努め、持続可能な社会づくりに貢献いたします。
気候変動が当社のソフトウエア事業へ与える影響について、TCFDのフレームワークに基づいてシナリオ分析の手法により、2030年時点における外部環境の変化を予測し、分析を実施いたしました。
③人的資本に関する戦略
当社は、多様な人材を活かし、その能力を最大限発揮できる機会を提供することでイノベーションを生み出し、新たな価値創造を目指します。多様な人材が生き生きとやりがいをもって働き、一人ひとりの個性に応じて成長し、健康に日々を送れるように、各種制度の導入や研修、教育体制の強化を進めます。
a. 人材の育成に関する方針及び取組
これからの当社事業を支え、当社の未来を創造する人材の計画的な採用と育成に取り組んでおります。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境及び対処すべき課題 ⑥人材の確保・育成」で記載のとおり、当社グループが属する業界において優秀な人材を確保することは、企業の発展、成長に欠かせない要件となっております。当社グループは、先進的なITの実用化に挑戦し続けることによって、技術力をさらに強化し、日本屈指のソフトウエア技術力を持つグループとなることを目指しております。この目標に向けて、国内においては、継続的に新卒採用を行い、その後の技術者等育成に注力してまいりました。今後も国内においては新卒採用を中心に人材採用を行い、優秀な人材へと育成していくという基本方針は変わりませんが、我が国は少子高齢化が進み、若い人材の不足は今後一層深刻となり、新卒採用による人材、特に技術者の確保が困難になっていくことが見込まれることから、採用活動の充実、強化に加え、即戦力としての中途採用による技術者の確保・増強・定着にも努めてまいります。また、海外においては中途採用を中心に、当社グループの事業の拡大に必要な優秀な技術者や営業担当者の採用に取り組んでまいります。さらに、グループ内での人材交流を促進することで、グループ内のシナジーの創出に取り組んでまいります。
また、高性能でありながら低価格な製品・サービスの開発を可能とする、社内に蓄積された高い技術力は当社の強みの一つであります。社員の育成を通じて、この技術力を維持することは当社の競争力を高める上で非常に重要であると考えております。
当社では育成のベースとして職場におけるOJTは重要な役割を担うと認識しており、社員一人ひとりがOJTを通じて、蓄積された技術や製品・サービスに関するノウハウを習得するよう育成しております。このOJTをバックアップするため、階層や役割に応じた様々な研修を実施しております。
OJTや研修に加えて、社員一人ひとりが主体的に学び、専門性を高めることは、自社の更なる競争力強化につながります。ITパスポートから情報処理安全確保支援士、システム監査技術者等、当社が指定する対象資格を取得した社員には、技術資格取得奨励制度に基づき試験費用の補助や報奨金の支給を行っており、社員の技術力向上を支援しております。
b. 社内環境整備に関する方針
多様な人材を活かし、その能力を最大限発揮できる機会を提供することでイノベーションを生み出し、新たな価値創造を実現するために、性別、年齢、人種や国籍、障がいの有無、性的指向、宗教・信条、価値観そしてキャリアや経験、働き方など、多様な人材がそれぞれの持つ能力や特性を最大限発揮できる環境づくりに取り組むことで、自社の競争力強化につなげてまいります。
例えば、育児・介護・その他安全衛生に関する相談窓口を社内に設置しており、育児中の社員及び要介護状態の家族がいる社員は、1日につき実働3時間までの短縮ができます。特に、育児中の社員については小学校6年修了時までの延長が可能となっております。配偶者の出産にあたっては配偶者出産休暇として1日の休暇(有給)を取得することができます。
また、職場における社員の安全と心身における健康を確保するとともに、快適な職場環境を形成するために、産業医や外部機関等と連携し、衛生委員会を中心に労働安全衛生管理体制を構築しております。外部講師を招いての健康づくり会の開催、巡回歯科検診の実施、救命講習への参加などの取り組みを行うと共に情報開示を進め健康経営を推進しております。
これらの取り組みの結果として、当社は経済産業省と日本健康会議が推進する健康経営優良法人認定制度において、従業員の健康管理を経営的な視点でとらえ、戦略的に取り組んでいる法人として「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に5年連続で認定されております。
①サステナビリティ全般に関するリスク管理
当社における全社的なリスクについては、リスク管理規程に基づき、常勤取締役を統括責任者とするリスクコンプライアンス委員会を設置し、定期的なリスクの洗い出し及び対応を図っております。監査役監査、内部監査により把握された問題点については、代表取締役および担当部門の責任者に報告が行われ、社内体制の整備・強化等に取り組むようにしております。
②気候変動に関するリスク管理
サステナビリティに関するリスクのうち、特に当社の気候変動関連リスクに関しては、サステナビリティ委員会において、事業のリスクと機会を特定し、財務影響の算出、対応策の検討を行っております。取締役会に対して定期的に(年1回以上)報告を行い、気候変動を含むサステナビリティに関する課題への取り組み状況について、取締役会による監督が適切に行われる体制となっております。また、特に重要な事項については、取締役会にて審議を行い、意思決定をしております。
気候変動関連リスクに関しては、リスクコンプライアンス委員会等と適宜連携を行い、適切に管理しております。
①気候変動に関する指標及び目標
当社では、2020年を基準年度とし、中長期的なCO₂排出量等の削減目標を設定しております。 またグループおよび単体におけるScope1、2の温室効果ガスの排出量を算定し、コーポレートサイト上で開示しております。
<環境目標>
(ⅰ)GHG排出量(CO₂排出量)
2021年度より横浜本社、大阪営業所が所在するビルにおいて使用する電力全てがCO₂フリー電力に切り替わったことにより、CO₂排出量の大幅削減が実現しました。
*集計期間:2月~1月(2024年度についてはデータ集計中)
*燃料の燃焼や工業プロセスがないことから、Scope1とScope2の合計値として開示
*Scope2は各オフィス、連結子会社における電気使用量に係るGHG排出量を集計し算出
*当社グループの実績(海外連結子会社、名古屋営業所、福岡営業所は含まず)
( )内の数値は株式会社ネオジャパン単体の実績(名古屋営業所、福岡営業所は含まず)
(ⅱ)廃棄物排出量(紙使用量)
*集計期間:2月~1月(2024年度についてはデータ集計中)
*各オフィス、連結子会社における紙購入量に基づき算出
*実数はネオジャパングループの実績(海外連結子会社は含まず)
( )内の数値は株式会社ネオジャパン単体の実績
②人的資本に関する指標及び目標
当社では一般事業主行動計画にも女性採用比率の向上を織り込んでおり、採用者に占める女性の割合の目標を40%としております。当事業年度における実績は42.1%でした。
以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となり得る主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅したものではありません。
(1) システムダウン及び情報セキュリティに係るリスクについて
当社グループがクラウドで提供しているソフトウエアは、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。従って、自然災害や事故によりインターネット通信網が切断された場合には、クラウドサービスの提供が不可能となります。また、予想外の急激なアクセス増加による一時的な過負荷によるサーバーダウンや、データセンターにおける障害等により、当社グループのクラウドサービスが停止する可能性があります。このようなシステム障害等が発生し、サービスの安定的な提供が行えないような事態が発生した場合には、当社グループの業績の低下につながる可能性があります。また、コンピューターウィルスの混入や外部からの不正な手段によるサーバー内への侵入による顧客情報等の漏洩、役職員の過誤等による重要なデータの消去等の可能性があり、このような事態が発生した場合には、当社グループに直接的・間接的な損害が発生する可能性があるほか、当社グループのクラウドサービスへの信用が失墜し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、上記のリスクに対し、自然災害や停電や火災等の災害に対する耐性やセキュリティ面を慎重に検討した上で、サービス基盤として使用するデータセンターを選定するとともに、複数のデータセンターを利用してリスクの分散を図っております。また、定期的にバックアップ・データを確保して、非常時において当該データを復元し、できる限り速やかにサービスを再開できる体制を整備することで、非常時におけるリスクの軽減を図っております。
(2) 技術者の人材確保と育成について
当社グループは、継続的に技術者の新卒採用を行い技術者の育成に努めております。しかしながら、技術者の採用需要の高まりにより、新卒採用で優秀な人材を適切に確保することの困難性が高まっております。また、働き方改革等の進展により労働時間が減少したことに伴い、業務を通じた技術の習熟に以前よりも期間を要する傾向があります。人材の確保及び育成が計画通りに進まなかった場合には、当社グループの事業展開に支障が生じ、当社グループの事業成長及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、上記のリスクに対して、新卒採用方法の見直しを図るとともに、ダイレクトリクルーティング・リファーラル採用の活用、インターンシップへの取組み等により採用を強化しております。また、在籍者については、社内研修内容の改良・改善を図るとともに、外部研修等の活用により人材育成に努めることでリスクの軽減を図っております。この他、適切な協力会社と安定した関係を構築するよう努めております。
(3) 特定人物への依存について
代表取締役である社長齋藤晶議(戸籍名:齊藤章浩)は、当社グループの創業以来の代表取締役であり、事業の立案や運営、開発活動の遂行等についてリーダーシップを発揮しており、不慮の事故等何らかの理由により当人が当社グループの事業展開に関与することが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループでは、上記のリスクに対し、属人的な経営体制を改めるために、社内役員構成の見直し、役員及び幹部社員の情報共有や権限の委譲、業務分掌に取り組んでおり、同氏に過度に依存しない経営体制の整備をすすめることでリスクの軽減を図っております。
(4) 知的財産権について
当社グループはIT業界に属しており、知的財産権の保護については重要な課題であると認識しております。当社グループは、製品・サービスの開発にあたりオープンソースソフトウエアを積極的に活用しておりますが、オープンソースソフトウエアについては、ライセンス条件等が不明確なことがあることなどから、製品・サービスの開発過程等において意図しない形で、第三者の知的財産権等を侵害する可能性があります。そうした事態が生じた場合、当該第三者より損害賠償の訴訟等が提起され、不測の損害が生じる可能性があります。
当社グループでは、上記のリスクについて、社内担当部門で慎重に調査を行うとともに、必要に応じて専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行うことでリスクの軽減を図っております。
(5) 法的規制について
現時点において、当社グループの事業展開上の障害となるような法的規制はないと認識しておりますが、「個人情報の保護に関する法律」、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)」など当社グループの事業に関連する現行法令の拡大や新法令の制定により、当社グループの事業活動の領域が制約を受ける可能性があり、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループでは、上記のリスクについて、法令改正の動向などの情報収集を適宜行い、適時に対応できるようにすることによりリスクの軽減を図っております。
(6) 海外事業の展開について
当社グループでは、海外事業を当社グループの中長期的な成長機会と位置付けており、2024年4月からASEAN地域3か国目となるフィリピンに子会社を設立し活動を開始しております。マレーシア、タイの子会社については、ストック型の売上が徐々に積み上がってきておりますが、黒字化にはまだ時間を要する見込みであります。直近のペースで売上を積み上げていくことで2028年1月期には黒字化することを見込んでおりますが、計画通りに売上高が拡大していかない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外事業の拡充に伴って、法律・規制・租税制度の予期しない変更や社会的混乱など、各国における諸事情の変化や為替などの市場動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、上記のリスクについて、海外子会社の経営陣となっている当社従業員等を中心に経営状況及び事業環境を適時に把握し、必要に応じて当社取締役会等において検討してモニタリングすることで、リスクの低減に努めております。
① 経営成績
当連結会計年度における我が国の経済は、企業収益及び雇用・所得環境が改善する下で、景気は緩やかに回復基調で推移いたしました。景気の先行きについては、緩やかな回復が継続していくことが期待されますが、物価上昇、米国の政策動向、中東情勢、金融資本市場の変動等の影響には注意が必要な状況となっております。
当社グループが属するIT業界におきましては、ソフトウエア投資は増加傾向にあり、企業収益の改善や人手不足等を背景に、今後もITへの投資は堅調に推移することが期待されます。
このような状況の中、desknet's NEO/AppSuiteにつきましては、モバイルアプリの強化、Teamsとの連携を含む14機能・80項目の機能拡張を行ったバージョン8.5を2024年3月に、AppSuiteのモバイル対応、エレコム社のアルコールチェッカー連携アプリなど新機能を追加したバージョン8.6を2024年9月にリリースいたしました。また、ビジネスチャットChatLuckにつきましては、全面リニューアルしたモバイルアプリを2024年4月に、会話ログのアーカイブ、画像を用いたChatGPTへの質問などの新機能を追加したバージョン6.5を2024年8月に、定型メッセージやChatGPTプロンプトの入力を効率化するテンプレート機能を追加したバージョン6.6を2024年12月にリリースいたしました。このように当社は、お客様の業務効率向上に貢献すべく継続的なサービスの改善に努めておりますが、近年のエネルギー価格の高騰や円安に伴うITインフラコストの増大、また機能拡充・品質維持のための開発・サポート体制における人件費の増大等によりサービス提供コストが大幅に増加していることから、2024年9月よりdesknet's NEOクラウド版の価格改定及びセットプランの導入を実施いたしました。
前期より横浜市が民間企業のデジタル技術を活用して行政サービスのDX化を進めるプロジェクト「YOKOHAMA Hack!」の一つとして進めていた「要配慮施設利用者の安全を守る避難確保計画の取組強化」において、当社製品(desknet's NEO及びAppSuite)を使用した「避難確保計画システム」及び「避難訓練実績システム」が実証実験を経て2024年5月より稼働を開始いたしました。また、同じく「YOKOHAMA Hack!」のプロジェクトである「救急活動における医療機関との傷病者情報共有システム(仮)」の実証事業を2024年10月より開始いたしました。当社は、株式会社日経BP発行の「日経BPガバメントテクノロジー」(2024年秋号)で発表の「自治体ITシステム満足度調査2024-2025」グループウェア/ビジネスチャット部門で1位を獲得し、中でも「信頼性」については部門平均より5点以上高い評価をいただいています。このように高い信頼性と上記のような取り組みを通じて、当社製品・サービスを使用したシステムを全国の自治体に展開していくことにより、地方自治体のDX化・地域の防災・減災に貢献できると考えております。
2025年1月には、IT製品比較・レビューサイト「ITreview」が主催する「ITreview Grid Award 2025 Winter」において当社主力3製品(desknet's NEO、AppSuite、ChatLuck)が4部門で最高位である「Leader」を受賞いたしました。desknet's NEOは2019年の受賞以来、今回の受賞で23回連続での受賞となりました。
また、2024年6月に経済産業省が定めるDX認定制度に基づく「DX 認定事業者」に認定されました。今後も優れた製品づくりを通してお客様の新しい働き方、デジタル化を支援し、経済発展と社会課題の解決の両立の実現に向けて、取り組んでまいります。
この他、2024年4月にASEANで3国目となるフィリピンに子会社を設立いたしました。今後も高い経済成長が見込まれ、経済成長とともに現地企業のIT化に対する需要も大きくなっていくことが見込まれるフィリピンで、当社製品・サービスの拡販に努めてまいります。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は7,263,470千円(前年同期比9.8%増)、営業利益は1,951,178千円(前年同期比50.5%増)、経常利益は2,049,886千円(前年同期比49.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,414,109千円(前年同期比47.9%増)となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
(ソフトウエア事業)
a. クラウドサービス
クラウドサービスの主要サービス別の売上は以下のとおりであります。
(*1)2024年9月1日より導入いたしましたセットプランにつきましては、価格改定後の既存プラン価格に基づき各サービスに按分した金額を集計しております。
desknet's NEOクラウド版の売上高は、利用ユーザー数の増加(前期末比:3.5%増)及び2024年9月以降の価格改定の影響により前年同期比425,876千円増加し、2,871,176千円(前年同期比17.4%増)となりました。1社当たりの平均利用ユーザー数は前期までと同水準の83ユーザーとなりました。月平均の解約率(*2)は0.45%となっております。2024年9月以降の価格改定後5ヶ月間の平均解約率は0.60%と若干解約率が上昇しておりますが、プロダクト製品に乗り換えた大規模ユーザー1社の影響が大きくなっております。解約率の上昇は想定の範囲内であり、今後も解約率を低い水準に維持できるよう引き続き取り組んでまいります。なお、上記大規模ユーザー1社の乗り換えの影響を除外した場合の月平均解約率は0.35%、価格改定後5ヶ月の解約率は0.36%と従来と比較して大きな変動はありません。AppSuiteクラウド版の売上高は、利用ユーザー数の増加及び2024年9月以降の価格改定の影響により前年同期と比較して74,177千円増加し、251,206千円(前年同期比41.9%増)と前年同期比40%を超える増加となりました。当連結会計年度末時点において同サービスの利用ユーザー数は、desknet's NEOクラウド版のユーザー数の約15%と前連結会計年度末から約4%増加いたしました。2024年9月に導入したdesknet's NEOクラウド版とのセットプランは、AppSuiteクラウド版を同時に利用しやすい価格設定となっており、引き続きセットプランの訴求を高め利用ユーザー数の拡大に努めてまいります。ChatLuckクラウド版の売上高につきましては、前年同期と比較して10,391千円増加し、82,970千円(前年同期比14.3%増)となりました。売上高全体に占める割合は小さいものの、成長が見込める分野であることから継続的に機能強化に取り組み、desknet's NEOとの同時利用ユーザー数の拡大に努めてまいります。その他月額売上の売上高につきましては、主に提供を終了したサービスの影響により前年同期と比較して21,817千円減少の177,747千円(前年同期比10.9%減)となりました。その他役務作業等の売上高につきましては、データ移行サービス等が減少したことにより12,127千円減少し、44,775千円(前年同期比21.3%減)となりました。
以上の結果、クラウドサービス全体での売上高は前年同期比476,499千円増加し、3,427,877千円(前年同期比16.1%増)となりました。
(*2)desknet's NEOクラウドのユーザーにおける「当月の解約により減少したMRR(*3)÷前月末のMRR」の当連結会計年度の平均で算出しております。
(*3)MRR(Monthly Recurring Revenue)は対象月の月末時点における継続課金ユーザーにかかる月額料金、もしくは年額料金の1/12の合計額で算出しております。
b. プロダクト
プロダクト(オンプレミス型ライセンス及び関連役務等)の主要製品別の売上高は以下のとおりであります。
(*) 2024年2月よりライセンス体系を変更したことに伴い、前期まで従来desknet's NEOエンタープライズライセンス、desknet's NEOスモールライセンスと区分していたものをdesknet's NEOに組替えております。
desknet's NEOライセンスの売上高につきましては、前年同期と比較して5,000ユーザー以上の大規模新規ライセンスは増加した一方、300ユーザー未満の追加ライセンスが減少したことを主な要因として15,886千円減少し220,973千円(前年同期比6.7%減)となりました。
AppSuiteライセンス及びChatLuckライセンスにつきましては、desknet's NEOライセンスとの同時購入をされることが多い傾向にありますが、AppSuiteライセンスを追加購入された5,000ユーザー以上の大規模ライセンスが前年同期比7本減少したことなどにより、AppSuiteライセンスの売上高は前年同期比41,828千円減少し、74,250千円(前年同期比36.0%減)となりました。また、ChatLuckライセンスの売上高につきましても、AppSuiteライセンスと同様、5,000ユーザー以上の新規ライセンスが前年同期比4本減少と、大規模案件が減少したことなどにより、ChatLcukの売上高は前年同期比11,481千円減少し、35,162千円(前年同期比24.6%減)となりました。
カスタマイズの売上高につきましては、前年同期と比較して規模の大きい官公庁、金融機関等の案件が増加したことを主な要因として、前年同期比35,762千円増加し、142,208千円(前年同期比33.6%増)となりました。また、サポートサービスの売上高は、desknet's NEOのサポートサービスの売上高が前年同期比77,962千円増加し、783,714千円(前年同期比11.0%増)となったことを主な要因として、110,701千円増加し、954,173千円(前年同期比13.1%増)となりました。その他役務作業等の売上高は、他社製品であるID統合管理システムの販売及び役務作業の増加を主な要因として、62,559千円増加し267,045千円(前年同期比30.6%増)となりました。
以上の結果、プロダクト全体での売上高は前年同期比141,171千円増加し、1,703,645千円(前年同期比9.0%増)となりました。
c. 技術開発
技術開発につきましては、積極的に受託開発を行う方針ではなく、主に従来からの継続案件の規模拡大により売上高は前年同期比11,300千円増加し、81,900千円(前年同期比16.0%増)となりました。
以上の結果、ソフトウエア事業の売上高は5,213,423千円(前年同期比13.7%増)、セグメント利益は2,011,364千円(前年同期比64.3%増)となりました。
(システム開発サービス事業)
システム開発サービス事業は、子会社である株式会社Pro-SPIREが展開する事業で構成されており、同社が長年培ってきたクラウドインテグレーション、システムインテグレーションのノウハウを基礎に技術者の育成を図り、先端技術を活用し新たな顧客ニーズを満たすシステムエンジニアリングサービスを主に提供しております。
当連結会計年度においては、売上高は前年同期と概ね同水準で推移いたしました。売上原価は人員増に伴い外注費を削減した一方、人員増及び昇給等により人件費が増加したことなどにより全体で9,097千円増加いたしました。また、販売費及び一般管理費は、人件費等の増加により前年同期比12,064千円増加いたしました。
以上の結果、システム開発サービス事業の売上高は2,033,845千円(前年同期比0.8%減)、セグメント利益は65,873千円(前年同期比36.1%減)となりました。
(海外事業)
海外事業は、海外子会社4社の事業で構成されており、現地企業向けにdesknet's NEOのライセンス販売、クラウドサービスの提供などを行っております。なお、2024年4月にフィリピンに新設したNEOPhilippine Tech Inc.につきましては、2024年4月23日より営業を開始しております。
ASEAN地域においてはdesknet's NEO及びAppSuiteを中心に販売活動を進めております。マレーシア、タイにおきましては、営業人員の育成による営業力強化、展示会への出展による現地における製品・サービスの認知度向上、現地販売代理店の開拓等に努めております。ASEAN地域の子会社(マレーシア、タイ)につきましては、引き続きストック型の売上を着実に積み上げていくよう営業活動に注力しております。また、米国においては、当社が米国子会社から移管を受けて開発中の新サービスの開発受託等を継続しております。
当連結会計年度においては、ASEAN地域の子会社3社の売上高が増加した一方、米国子会社における開発体制構築のための採用コストや人件費、フィリピン子会社における立ち上げによる費用等が増加いたしました。
以上の結果、海外事業の売上高は128,145千円(前年同期比36.4%増)、セグメント損失は127,485千円(前年同期はセグメント損失31,922千円)となりました。
② 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末より617,407千円増加し、9,240,361千円となりました。これは主に、当期純利益を源泉として現金及び預金が187,794千円増加したこと、売上高の増加に伴い売掛金及び契約資産が196,608千円増加したことに加え、債券の取得等により有価証券及び投資有価証券が472,688千円増加した一方、前連結会計年度末において未収となっていた債券の売却に伴う未収入金が回収されたことを主な要因として流動資産のその他が368,150千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末より643,341千円増加し、2,926,474千円となりました。これは主に、クラウドサービス、サポートサービス等にかかる契約負債がユーザー数の増加及びクラウドサービスの価格改定の影響により268,373千円増加したこと、未払法人税等が210,787千円増加したことに加え、未払消費税等が83,094千円増加したことを主な要因として流動負債のその他が116,031千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は前連結会計年度末より25,934千円減少し、6,313,886千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が1,414,109千円計上された一方で、536,921千円の剰余金の配当を実施したこと、及び自己株式の消却に伴い利益剰余金が884,184千円減少したことにより利益剰余金が合計で6,996千円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は前連結会計年度と比較し139,445千円増加し、5,379,660千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は2,061,766千円(前連結会計年度は1,027,404千円の収入)となりました。収入の主な内容は税金等調整前当期純利益2,050,651千円、減価償却費の計上298,477千円、契約負債の増加268,090千円により資金が増加した一方で、売上債権及び契約資産の増加196,211千円、法人税等の支払479,971千円により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は452,864千円(前連結会計年度は359,171千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入466,276千円により資金が増加した一方で、無形固定資産の取得による支出305,412千円、投資有価証券の取得による支出547,499千円により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は1,488,279千円(前連結会計年度は389,511千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払536,706千円及び自己株式の取得による支出951,279千円によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)1.各指標の計算方法は、次のとおりであります。
自己資本比率=自己資本÷総資産
時価ベースの自己資本比率=株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債÷営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ=営業キャッシュ・フロー÷利払い
2.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書におけるキャッシュ・フローを使用しております。
5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社グループは受注開発を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引は相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実績の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は前年同期比647,794千円増加し、7,263,470千円(前年同期比9.8%増)となりました。これは主に、ソフトウエア事業の売上高が前年同期比626,553千円増加し5,206,883千円(前年同期比13.7%増)となったことによるものであります。ソフトウエア事業の売上高は主に、クラウドサービスの売上高(セグメント間の内部売上高を含む)が476,499千円(前年同期比16.1%増)増加したことによるものであります。クラウドサービスの売上高増加は、2024年9月に実施したサービス価格の改訂の影響のほか、dsknet's NEOクラウド版のユーザー数が増加したことを主な要因とするものであります。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は前年同期比254,988千円増加し、3,231,459千円(前年同期比8.6%増)となりました。これは主に、ソフトウエア事業における売上原価の増加によるもので、人件費が70,082千円増加したこと、市場販売目的ソフトウエアの減価償却費が63,032千円増加したこと、他社連携製品の仕入高が66,826千円増加したことを主な要因とするものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は前年同期比392,806千円増加し、4,032,011千円(前年同期比10.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は前年同期比261,537千円減少し、2,080,832千円(前年同期比11.2%減)となりました。これは主に、前期はソフトウエア事業において実施したテレビコマーシャル等の影響により広告宣伝費が大きくなっていたことを主な要因として広告宣伝費が331,061千円減少したことを主な要因とするものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は前年同期比654,343千円増加し、1,951,178千円(前年同期比50.5%増)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外収益は前年同期比15,993千円増加し、101,394千円(前年同期比18.7%増)となりました。これは主に、円安の影響により米ドル建債券の有価証券利息が増加したことや為替差益が発生したことによるものであります。また、営業外費用は前年同期比4,497千円減少し、2,686千円(前年同期比62.6%減)となりました。これは主に、投資事業組合運用損が減少したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は前年同期比674,834千円増加し、2,049,886千円(前年同期比49.1%増)となりました。
(特別損益、当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益765千円によるものであります。法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は、利益の増加を主な要因として前年同期比191,581千円増加し、636,541千円(前年同期比43.1%増)となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比457,759千円増加し、1,414,109千円(前年同期比47.9%増)となりました。
(b) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(c) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要は、中長期的な成長を図るための、従業員等の採用・育成に係る費用、人件費、広告宣伝費、新製品開発のための研究開発費、その他営業費用などとなります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金で対応していくこととしております。なお、現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動から得る現金及び現金同等物の水準については、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境の変化や組織体制の整備等、さまざまなリスク要因が当社の成長や経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは、常に新技術の動向や市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保育成し、顧客ニーズを満たす製品・サービスを開発し提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因の低減を図ってまいります。
該当事項はありません。
インターネット関連技術は技術革新のスピードが早く、またそれに応じて業界標準及び利用者ニーズが急速に変化するため、新技術・新製品・新サービスが相次いで登場しております。そこで当社グループは、これらの新技術の習得に積極的に取り組み、顧客の求める質の高い新製品・新サービスを低価格で提供できるように研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は