当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生はありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間(2024年10月1日~2025年3月31日)の世界経済は底堅い成長が続いたものの、米国の外交・通商政策に対する不確実性が高まりました。米国の保護主義的な政策スタンスの強まりが先行きの世界経済に及ぼす影響に懸念が広がりつつあり、金融市場の変動が強まっているほか、企業の投資判断にも影響が生じています。
わが国経済は、海外情勢の不確実性が高いなかでも、緩やかに持ち直しています。米・生鮮食品価格の高騰が家計の購買力やマインドを下押ししていますが、25年春闘では2年連続で5%超の賃金上昇が見込まれるなど、明るい材料も見られます。また、企業の設備投資は、人手不足対応やDX・GX(*)関連、サプライチェーン強靱化等の投資ニーズが強く、底堅い設備投資計画が示されています。政策面では、「デジタル行財政改革」が開催され、GXとDXの両立を支える電力・通信インフラの整備に向けた検討、教育や医療、インフラ管理等の公共・準公共分野でデジタル技術活用など、具体的な検討を進める方針が示されました。これらの政策課題への対応は、当社の重点領域である「DX・GX・HX」事業の追い風になると期待されます。
このような社会情勢・事業環境を踏まえつつ、当社は経営理念「豊かで持続可能な未来の共創を使命として、世界と共に、あるべき未来を問い続け、社会課題を解決し、社会の変革を先駆ける」を掲げ、事業に取り組んでいます。
当連結会計年度は「中期経営計画2026」(中計2026)の2年目にあたり、中計2026期間全体の折り返し地点となります。「中計2026」では、当社グループの経営理念のもと、財務、非財務、社会の3価値の拡大とともに、DX事業の成長による規模拡大と基幹事業の質の改革による収益性向上、次世代事業の育成・拡大による事業ポートフォリオ転換の加速などによって実現を目指しております。
引き続き事業戦略においては、「社会・公共イノベーション」「デジタルイノベーション」「金融システムイノベーション」の3つの事業軸で戦略領域を定めて取り組んでいます。公共向けには行政DXの推進、民間向けにはDXコンサルティングとクラウド移行を組み合わせた支援やビッグデータ分析を採り入れたデジタルマーケティング、金融向けには事業領域や顧客層拡大などを積極的に展開しています。
特に当連結会計年度においては、「中計2026」初年度(前連結会計年度)に明らかになった課題を踏まえ、シンクタンク・コンサルティングサービスセグメント(TTC)における人材増強と生産性向上、新事業等の選択と集中を進めています。また、ITサービスセグメント(ITS)では、主力事業の強化・利益率の改善を図りつつ、戦略的な人材活用を強化しています。
当中間連結会計期間は、当連結会計年度の方針に沿った取り組みを進めましたが、TTCの受注遅れやITSにおける不採算案件に伴う追加的な費用増があり、当社グループの同期間における業績は、売上高は65,437百万円(前年同期は1.6%減)、営業利益は6,819百万円(同20.7%減)、経常利益は7,640百万円(同18.2%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は4,881百万円(同21.4%減)となりました。
(*)GX :グリーン・トランスフォーメーションの略。化石燃料中心の経済・社会、産業構造を再生可能エネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体を変革すること。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(シンクタンク・コンサルティングサービス)
当中間連結会計期間は、エネルギー・運輸・IT関連企業のシステム、事業戦略支援関連業務や金融機関からの人材関連・マーケティング関連業務等が貢献したものの、前中間連結会計期間に計上した複数の大型案件等の終了による影響をカバーできず、売上高(外部売上高)は28,914百万円(前年同期比5.0%減)、経常利益は5,648百万円(同9.4%減)となりました。
(ITサービス)
当中間連結会計期間は、産業・公共分野のシステム更改案件や人事・文教向けサービス等の伸長はあったものの、金融・カード分野の減収や不採算案件の影響により、売上高(外部売上高)が36,523百万円(前年同期比1.2%増)、経常利益は1,999百万円(同35.6%減)となりました。
(2)財政状態の状況
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べて8,541百万円増加し、128,274百万円(前年度末比7.1%増)となりました。内訳としては、流動資産が82,867百万円(同11.6%増)、固定資産が45,407百万円(同0.1%減)となりました。流動資産の増加は、季節要因により、現金及び預金が15,506百万円減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が23,346百万円増加したことによるものであります。固定資産の減少は、投資有価証券の時価評価等で増加したものの、減価償却等により減少したことによるものであります。
負債は、季節要因により買掛金が5,095百万円増加したこと等により、前連結会計年度末と比べて4,508百万円増加し、47,867百万円(同10.4%増)となりました。
純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末と比べて4,033百万円増加し、80,406百万円(同5.3%増)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ15,506百万円減少し、15,121百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、11,570百万円の支出(前年同期は7,983百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益7,051百万円、売上・受注の増加及び季節要因による売上債権及び契約資産の増加23,345百万円、仕入債務の増加5,090百万円等によるものであります。なお、当社グループは3月から4月にかけて完了するプロジェクトが多いことから、中間連結会計期間までは支出が先行し営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスになる傾向があります。
前中間連結会計期間との比較においては、税金等調整前中間純利益が2,202百万円減少したこと等により、3,587百万円減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,395百万円の支出(前年同期は3,506百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出942百万円、無形固定資産の取得による支出1,432百万円等によるものであります。
前中間連結会計期間との比較においては、有形固定資産の取得による支出が209百万円減少、敷金及び保証金の差入による支出が943百万円減少したこと等により、1,110百万円の収入増となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,531百万円の支出(前年同期は2,968百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額1,282百万円等によるものであります。
前中間連結会計期間との比較においては、自己株式の取得による支出が1,034百万円減少したこと等により、1,436百万円増加となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費は636百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。