当社は、2025年4月25日付の取締役会決議により、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)13,614,480株を1株に併合する株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする2025年5月29日開催予定の当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決定いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
当社が2025年2月4日付で公表した「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」(2025年3月21日付で公表した「(変更)「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」の一部変更について」による変更を含みます。以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)に記載のとおり、株式会社フォーサイト(以下「公開買付者」といいます。)は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場及び株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)プレミア市場に上場している当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式(注1)を除きます。)を取得することにより、当社株式を非公開化するための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施することを決定いたしました。
(注1)「本不応募合意株式」とは、当社の株主である株式会社夢現(以下「夢現」といいます。)、公開買付者の代表取締役である横山博一氏(以下「横山博一氏」といいます。)、当社の専務取締役である横山宗久氏(以下「横山宗久氏」といいます。)並びに当社の株主かつ横山博一氏及び横山宗久氏の親族である横山順弘氏(以下「横山順弘氏」といいます。また、夢現、横山博一氏、横山宗久氏及び横山順弘氏を総称して、以下「本不応募合意株主」又は「横山氏ら」といいます。)が保有する当社株式の全てであり、本公開買付けに応募しない旨、及び本臨時株主総会において、当社の株主を最終的に公開買付者及び本不応募合意株主の全部又は一部のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)に関連する各議案に賛成する旨を書面で合意している株式(合計:15,367,440株、所有割合(注2):38.04%)をいいます。
(注2)「所有割合」とは、当社が2025年2月4日に公表した「2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕連結」(以下「当社第3四半期決算短信」といいます。)に記載された2024年12月31日現在の当社の発行済株式総数(41,925,300株)から、当社第3四半期決算短信に記載された2024年12月31日現在の当社が所有する自己株式数(1,523,634株)(なお、株式付与ESOP信託が所有する当社株式の数(92,160株)は当社が所有する自己株式に含んでおりません。以下同じです。)を控除した株式数(40,401,666株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。割合の計算において以下同じです。)をいいます。
その後、公開買付者は、2025年2月5日から本公開買付けを開始しましたが、2025年3月21日付で、当社の株主の皆様による本公開買付けへの応募状況及び今後の応募の見通し等を総合的に勘案し、当社の株主の皆様に本公開買付けへの応募についてさらなる判断機会を提供するため、本公開買付けにおける買付け等の期間を2025年4月4日まで延長し、公開買付期間を合計40営業日とする旨を決定しております。
そして、当社が2025年4月5日付で公表した「株式会社フォーサイトによる当社普通株式に対する公開買付けの結果並びに親会社及び主要株主の異動に関するお知らせ」に記載のとおり、公開買付者は、2025年2月5日から2025年4月4日まで本公開買付けを行い、その結果、2025年4月11日(本公開買付けの決済の開始日)をもって、当社株式12,497,499株(所有割合30.93%)を保有するに至りました。
本公開買付け及び本株式併合を含む本取引の目的及び背景の詳細は、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせしたとおりですが、以下に改めてその概要を申し上げます。なお、以下の記載のうち公開買付者に関する記述は、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
当社のグループは、2025年4月25日現在、当社、連結子会社19社及び持分法適用関連会社1社(以下、総称して「当社グループ」といいます。)で構成されており、プラットフォーム事業及びコマース事業を主たる事業としております。
当社グループが、プラットフォーム事業及びコマース事業ともにモビリティ領域を中心に事業を展開しているところ、当社グループを取り巻く外部環境は、カーユーザーのニーズやライフスタイルの多様化、MaaS(注3)、カーシェアリング、自動運転技術及びEV化の進展、中古車販売店・整備工場・新車ディーラー・ガソリンスタンド等による相互参入及び情報技術の進化に伴う大手IT企業によるモビリティ関連産業への参入等により、大きく変化しております。当社グループは、かかる外部環境の変化を踏まえた成長戦略を示すため、2022年5月13日に公表した「2022年3月期 決算説明資料」に記載されている「中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)」(以下「本中期経営計画」といいます。)を策定し、新商品・サービスの開発、既存商品の機能向上を推進し、プラットフォーム事業におけるモビリティ領域を中心に、DXに寄与する商品・サービスの導入拡大を図ってまいりました。
(注3)MaaSとは、「Mobility as a Service」の略であり、地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスであり、観光や医療等の目的地における交通以外のサービス等との連携により、移動の利便性向上や地域の課題解決にも資する重要な手段となるもののことを指します。
その後、当社グループは、本中期経営計画に則り事業を推進しておりますが、世界的な半導体不足や新型コロナウイルス感染症の流行の影響で、生産工場が停止したことによる新車販売台数の減少に伴う中古車流通量の減少及び人口の減少に伴う自動車全体の販売台数の減少トレンドを踏まえると、当社にとってのお客様である中古車販売店、整備工場及び新車ディーラーについても取扱量が減少していくと予想されるため、市場環境の変化の流れに迅速に対応することができる強固な事業構造を確立する必要があると認識しております。
また、当社は、2024年10月18日に公表した「特別調査委員会設置及び2025年3月期第2四半期決算発表延期に関するお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり、当社元社員が架空取引(注4)を行い、当社において一定の規模で取引先に対する架空の売上及び売上原価が計上されている疑い(以下「本架空取引事案」といいます。)があることが判明したことで、特別調査委員会を設置して調査を行いました。また、2024年11月13日に公表した「2025年3月期半期報告書の提出期限の延長申請の検討に関するお知らせ」及び2024年11月14日に公表した「2025年3月期半期報告書の提出期限延長に関する承認申請書提出のお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり、関係者へのヒアリング、関連資料の確認、デジタル・フォレンジック調査、社内アンケート調査及び同種又は類似事案の存否の分析等の調査を進めておりましたが、その後、原因分析及び再発防止策の検討等が予定されており、特別調査委員会の調査に相応の時間を要する見込みであったことから、法令に定める提出期限までに、2025年3月期半期報告書の提出は困難であるとの判断に至り、提出期限を2024年12月20日とする提出期限の延長の承認申請を行い、2024年11月14日に2025年3月期半期報告書の提出期限延長申請に係る承認を受けました。その後、2024年12月20日に公表した「2025年3月期半期報告書の提出完了に関するお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり、2024年12月20日に2025年3月期半期報告書を東海財務局に提出いたしました。更に、2024年12月20日に公表した「特別調査委員会の調査結果を受けた再発防止策の策定に関するお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり、当社は、2024年12月10日付「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」にてお知らせいたしました特別調査委員会による再発防止に向けた提言を真摯に受け止め、再発防止に全力で取り組む所存であります。
(注4)架空取引とは、役務提供の裏付けが確認できないままに取引先等と送受金がなされている取引のことを指します。
なお、当社が2024年10月18日に公表した「特別調査委員会設置及び2025年3月期第2四半期決算発表延期に関するお知らせ」は、当社が夢現から本取引に関する意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を受領した2024年12月6日以前に公表したものであって、本取引とは無関係に行われたものです。
一方で、公開買付者によれば、横山氏らは、上記の当社グループが置かれた状況や、中古車登録台数が、2001年における804万台から2023年には636万台と大きく減少している(注5)環境下において、これまでどおりの施策を実行するだけではモビリティ領域を取り巻く急激な環境変化に対応することは難しく、当社グループが持続的な成長を実現していくことは困難であると考えているとのことです。また、現在、世界的な人口増加や気候変動を背景として、あらゆる資源が枯渇の危機にあると認識しているとのことであり、それらの社会問題の解決のためには、循環型社会への転換が必要不可欠であり、当社グループこそが、あらゆる物や人を循環させる循環型ビジネスモデルを確立し、循環型社会の実現に向けた一助となることが必要であると考えているとのことです。横山氏らは、当社グループが中長期的に更なる発展を遂げ、企業価値向上を実現し、循環型社会の実現に向けて挑戦するためには、当社グループにおいて一部既に取り組んでいる下記(ア)及び(イ)の施策をより積極的かつ機動的に実行できる経営体制を構築し、短期的な業績や株価だけを追求するのではなく、迅速かつ柔軟な経営判断、機動的な経営資源配分を通じてこれらの施策を迅速に実行することが必要であると考えているとのことです。
(注5)出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会及び全国軽自動車協会連合会
(ア)モビリティ領域における従量課金モデルの拡大
公開買付者によれば、当社グループは、中古車領域、整備領域においては、当社グループのメディアに掲載するためのバックグラウンドシステムを利用する月額利用料金を、新車領域においては、新車商談支援システムを利用するための月額利用料金を、それぞれ主な収益としており、顧客毎の取引店舗数に応じて月額利用料が決まる月額単価モデルが事業の中心になっているとのことです。
横山氏らは、より強固な収益構造の構築を目指し、これらの月額単価モデルに加え、新規収益軸として、中古車鑑定や故障診断、車両メンテナンスサービスといった中古車販売店、整備工場、新車ディーラーの仕入れ台数、掲載台数、入庫台数、成約台数等の台数に紐づく従量課金モデルを一層強化することを検討しているとのことです。
(イ)プラットフォームビジネスの更なる拡大を通じた経済的・社会的価値の追求
公開買付者によれば、当社は、当社グループの収益がモビリティ領域に大きく依存しているため、新規領域もターゲットとして見据え、M&A等を活用することでモビリティ領域に依存しない事業展開を推し進めているとのことです。足元では、2022年4月に、コスミック流通産業株式会社及びコスミックGCシステム株式会社の買収を通じた各種金券やギフト券の販売、2023年4月及び2024年4月には、株式会社観光経済新聞社の買収を通じた旅行・観光事業への事業領域の拡大を行っているとのことです。
横山氏らは、中長期的な企業価値向上のためには、モビリティ事業を始めとする特定の事業領域の浮き沈みに左右されない強固な事業基盤の構築が必要不可欠であると考えているとのことです。
具体的には、まずは上記3社に代表されるように、積極的なM&Aを活用しモビリティ事業以外の事業領域の拡大を検討しているとのことです。また、将来的にはこれらの事業について、更なる事業投資を行うことにより、膨大なデータをデータベース化し、消費者に有用な情報コンテンツとして提供するプラットフォームビジネスへと進化させることを検討しているとのことです。
これらの取組みによって、当社はモビリティ事業のみならず、広範な事業領域でプラットフォームビジネスを展開し、全業界の課題でもある循環型ビジネスモデルの先端を行く企業への進化が可能となると考えているとのことです。加えて、横山氏らは、これらの事業領域の拡大こそが、当社の企業目標である、これまでの発想や枠組みにとらわれず、新しい事業領域へ挑戦し、社会に新しい価値を生み出す「チェンジング・カンパニー」の実現そのものであると考えているとのことであり、経営理念である「挑戦を未来の力に変え 夢と感動 楽しい!で 社会に貢献すること」を通じて、経済的価値のみならず、社会的価値を創造していくことに繋がると考えているとのことです。
しかしながら、かかる施策の収益への貢献が顕在化するまでには、顧客の認知度向上やシステムの構築等が必要となり、一定の期間を要することが見込まれ、特に上記の施策のうち(イ)を実行するためには人的投資やシステム投資等の多額の先行投資が必要となり、利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化等、一時的に当社グループの財務状況や業績を悪化させるリスクがあり、当社グループが期待される利益を生み出すことが一時的に困難となる可能性も否定できないと考えているとのことです。
また、横山氏らは、当社が上場企業である以上、短期的な業績に対してコミットメントが求められる中、上記の各施策の実行により中長期的な成長を優先する意思決定を行った結果、資本市場から十分な評価を得ることができず、当社株式の株価の下落が生じ、既存株主の利益を損なう可能性もあるため、当社が上場を維持したままこれらの施策を実施することは困難であると考えているとのことです。
更に、横山氏らとしては、当社は2001年9月に日本証券業協会に株式を店頭登録し、2004年12月にジャスダック証券取引所に株式上場して以来、知名度の向上、優れた人材の確保、社会的な信用の向上等、上場会社として様々な上場メリットを享受してきた一方で、当社が金融機関との間で良好な関係を築けており、間接金融を通じて必要に応じた資金調達が可能であるため、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性が当面見込まれていないこと、更には、これまで長きに亘る事業活動を通じて、当社の知名度や社会的な信用力は既に確立できており、上場を維持していなくとも優秀な人材確保を継続し、取引先との取引関係を維持することは可能と考えていること等から、現在では当社が上場を維持する必要性やメリットが低下している状況であると考えているとのことです。
また、近年のコーポレートガバナンス・コードの改訂、資本市場に対する規制の強化等により、有価証券報告書やコーポレート・ガバナンスに関する報告書等を通じたステークホルダーに対する追加的かつ継続的な情報開示のための対応事項は年々増加しており、上場会社として株式上場を維持するために必要な会計監査人監査報酬や株主総会費用、証券代行関連費用等、人的・金銭的コストの負担は増加傾向にあり、横山氏らとしては、これらのコストが当社の経営推進上の大きな負担となる可能性も否定できないことから、当社株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあるとの考えに至ったとのことです。
そして、横山氏らは、2024年9月、当社の企業価値向上のためには、短期的な利益や分配にとらわれずに、長期的な視点で経営陣及び従業員が一丸となって当社グループのより一層の経営基盤強化に向けて、積極的に挑戦と進化を継続していくことのできる体制を構築すること、その中で迅速かつ柔軟な経営判断や機動的な経営資源配分を実現することが必要と考え、そのためには、当社株式を可能な限り早期に非公開化することが、上記の各施策の実行に伴う一時的な業績の悪化等によって株価が低迷するといった当社の株主の皆様のリスク負担を回避しつつ、各施策を機動的に実践するために最も有効な手段であるとの結論に至ったとのことです。
以上の考えにより、横山氏らは、本取引に関して更に検討を進めるにあたり、2024年12月上旬、外部のファイナンシャル・アドバイザーとして三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社を、外部のリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選定し、具体的な検討を開始したとのことです。そして、当社の主要株主かつ筆頭株主であり、当社の創業家一族の資産管理会社である夢現は、2024年12月6日に、当社に対して、本意向表明書を提出するとともに、デュー・ディリジェンスを実施したい旨の申し入れを行ったとのことです。
当社は、2024年12月6日に夢現から本意向表明書を受領したため、同日、夢現に対し、検討に必要な体制を構築した上で、提案内容を検討する旨の連絡をいたしました。当社は、本意向表明書の内容について検討するにあたり、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、本公開買付けにおける買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)の公正性その他本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、2024年12月中旬に、当社並びに公開買付者、夢現及び本不応募合意株主(以下、総称して「公開買付関連当事者」といいます。)から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ法律事務所」といいます。)を、当社及び公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー」といいます。)をそれぞれ選任いたしました。また、2024年12月中旬に、本意向表明書に記載された提案内容を検討するための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の委員の構成及び具体的な活動内容等については、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)を設置いたしました。
そして、当社は、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づき、西村あさひ法律事務所及びデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの助言を受けながら、本取引の実行の是非に関して、夢現との間で複数回にわたる協議・交渉を行いました。
また、本公開買付価格について、当社は、2025年1月10日に夢現から本公開買付価格を1,800円とする旨の提案を受領した後、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから受けた当社株式の株式価値に係る試算結果の報告内容及び本特別委員会の意見を踏まえた上で、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの助言を受けながら、2025年1月16日に、夢現に対して、当該提案価格は、少数株主の利益確保の観点から不十分な価格であるとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、夢現との間において、本取引の諸条件について協議・交渉を重ね、2025年1月20日に本公開買付価格を1,900円とする旨の提案を受領した後、本特別委員会の意見を踏まえた上で、2025年1月21日に、夢現に対して、当該提案価格は、依然として少数株主の利益確保の観点から不十分な価格であるとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、夢現との間において、本取引の諸条件について協議・交渉を重ね、2025年1月24日に本公開買付価格を1,950円とする旨の提案を受領した後、本特別委員会の意見を踏まえた上で、2025年1月27日に、夢現に対して、当該提案価格は、依然として少数株主の利益確保の観点から不十分な価格であるとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、夢現との間において、本取引の諸条件について協議・交渉を重ね、2025年1月29日に本公開買付価格を2,000円とする旨の提案を受領した後、本特別委員会の意見を踏まえた上で、2025年1月30日に、夢現に対して、当該提案価格は、依然として少数株主の利益確保の観点から不十分な価格であるとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、夢現との間において、本取引の諸条件について協議・交渉を重ね、2025年1月31日に本公開買付価格を2,050円とする旨の提案を受領した後、本特別委員会の意見を踏まえた上で、2025年2月3日に、夢現に対して、本公開買付価格を2,150円とすることを要請いたしました。そして、当社は、夢現から、提示可能な最大限の価格として本公開買付価格を1株当たり2,100円とする旨の提案を2025年2月3日に受領いたしました。
かかる交渉の結果を踏まえ、2025年2月3日、当社は夢現に対して、最終的な意思決定は本特別委員会の答申を踏まえた上で当社取締役会決議(なお、当該取締役会決議は、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。)を経てなされるという前提の下、本公開買付価格を2,100円とする旨の提案を受諾する旨を回答いたしました。当社は、2025年2月3日に受領した本公開買付価格を2,100円とする旨の提案について、その妥当性を本特別委員会に確認するほか、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから更なる意見等を聴取するとともに、2025年2月3日付でデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容も踏まえて慎重に検討を行い、その結果、当該価格は、市場価格から見れば相応のプレミアムが付されていると評価でき、また、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」で述べるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによるディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)の算定結果のレンジの範囲内であること等を踏まえ、合理性を有する価格であって、妥当な価格であると判断いたしました。このように、当社は、公開買付者との間で、継続的に本公開買付価格の交渉を行ってまいりました。
更に、当社は、リーガル・アドバイザーである西村あさひ法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2025年2月3日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、リーガル・アドバイザーである西村あさひ法律事務所から受けた法的助言及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから取得した本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより少数株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議を行いました。
当社は、上記に記載のとおり、当社が主力として事業展開を行うモビリティ領域は、カーユーザーのニーズやライフスタイルの多様化、MaaS、カーシェアリング、自動運転技術及びEV化の進展、中古車販売店・整備工場・新車ディーラー・ガソリンスタンド等による相互参入及び情報技術の進化に伴う大手IT企業からの参入等により外部環境が大きく変化していると認識しております。このように変化の絶えない厳しい環境下においては、積極的かつ機動的な経営体制の構築が不可欠であると考えております。
そして、横山氏らによれば、上記の経営課題に対応し、中長期的に当社の企業価値向上を実現するには、今こそ企業目標である「チェンジング・カンパニー」の実現に向けて、今までの発想や考え方に捉われずに、大胆な事業構造改革を進めることが重要であると考えているとのことであり、その具体的な施策としては、(ⅰ)モビリティ領域における従量課金モデルの拡大及び(ⅱ)プラットフォームビジネスの更なる拡大を通じた経済的・社会的価値の追求を想定しているとのことですが、当社は、横山氏らが想定する上記の方針・施策は、上記に記載の当社が目指す方向性と近しいものであり、当社の中長期的な企業価値の向上に資するものと判断いたしました。
また、当社としても、上記(ⅰ)及び(ⅱ)に記載の施策を実現するためには、積極的なM&Aの活用及び新たな事業における膨大なデータのデータベース化等への先行投資等が必要になると考える一方で、これらの取組みは、今後の収益に不確実性を生じさせるものであるため、短期的には、利益水準の低下、キャッシュ・フローの悪化、有利子負債の増加等による財務状況の悪化を招来するリスクがあり、当社が上場を維持したままこれらの施策を実施すれば、資本市場から十分な評価が得られず、その結果、当社の株価の下落を招き、当社の株主の皆様が短期的には悪影響を被る可能性を否定できないものと考えております。
そのため、当社としても、当社の株主の皆様に対して短期的な悪影響を被ることなく株式を売却できる機会を提供するとともに、当社株式を非公開化することで、短期的な株式市場からの評価にとらわれず、かつ、機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする株主と経営陣が一体となった強固かつ安定した新たな経営体制を構築することが、当社の企業価値向上を実現する最良の選択であると判断いたしました。
加えて、横山博一氏及び横山宗久氏は当社グループの事業内容を熟知していること及びこれまで当社グループを牽引してきた実績があることを踏まえれば、横山博一氏及び横山宗久氏がいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注6)の手法により引き続き当社の経営陣の立場であり続けること、すなわち横山博一氏及び横山宗久氏が所有と経営の双方を担うことは十分な合理性があると判断いたしました。
(注6)「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、一般に、買収対象会社の経営陣が、買収資金の全部又は一部を出資して、買収対象会社の事業の継続を前提として買収対象会社の株式を取得する取引をいいます。
なお、当社株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人財の確保及び取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、当社グループの現在の財務状況や昨今の間接金融における低金利環境等に鑑みると、今後数年間においてはエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれません。加えて、当社グループの社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人財の確保及び取引先の拡大等は事業活動を通じて獲得される部分もあること、また、当社が非公開化することにより、人財確保に影響が生じることは考え得るものの、当社がこれまで培ってきたブランド力・知名度により、当社の非公開化が人財確保に与える影響は大きくないと考えられること、更に、上場企業である限り発生する上場維持費用、金融商品取引法上の開示及び監査対応に係るリソース及び費用、IR関連費用等株主対応に関する経営資源を他の経営課題の解決に振り分けることが可能になる等の理由から、非公開化のデメリットは限定的であると考えております。
したがって、当社取締役会は上記に記載した検討を踏まえて、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。以上を踏まえ、当社取締役会は、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することで、機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする株主と経営陣が一体となった強固かつ安定した新たな経営体制を構築することが、当社の企業価値向上を実現する最良の選択であると判断いたしました。
また、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」に記載の理由から、本取引について、本公開買付価格(2,100円)及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
以上より、当社は2025年2月4日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(当社の取締役会は12名で構成されるところ、横山博一氏及び横山宗久氏の2名を除く、取締役の10名)の全員一致で、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することについて決議いたしました。当該取締役会には、当社の監査役4名(山田信二氏、戸叶弘氏、富永新氏及び雑賀仁志氏)が出席し、出席した監査役はいずれも上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。
なお、当社の取締役のうち、(ⅰ)横山博一氏は、公開買付者の代表取締役であること、本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定していること及び夢現の株主であり、公開買付者に対して直接又は間接に出資することを検討しているとのことから、(ⅱ)横山宗久氏は、本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定していること及び夢現の株主であり、公開買付者に対して直接又は間接に出資することを検討しているとのことから、本取引に関して当社との間で利益相反関係が存在するため、特別利害関係取締役に該当するおそれがあるものとして、上記取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において、公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
その後、上記のとおり本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は本公開買付けにより、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかったことから、当社は、公開買付者の要請を受け、当社の株主を最終的に公開買付者及び本不応募合意株主の全部又は一部のみとするため、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、2025年4月25日付の取締役会決議により、本臨時株主総会の開催を決定し、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社株式を非公開化するために、下記「2.株式併合の割合」に記載のとおり、当社株式13,614,480株を1株に併合する株式の併合を実施することとし、本株式併合に係る議案を本臨時株主総会に付議することを決定いたしました。
なお、本株式併合の効力発生時点で夢現以外に公開買付者の所有株式数と同数以上の当社株式を所有する株主が生じる可能性があることから、かかる株主が本株式併合後も当社の株主として残存することのないよう、公開買付者、横山博一氏、横山宗久氏及び横山順弘氏の所有する当社株式の数も1株に満たない端数となるような併合の割合とすることといたしましたので、本株式併合により、夢現以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
2.株式併合の割合
当社株式について、13,614,480株を1株に併合いたします。
3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由
上記「1.株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、夢現以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第1項の規定により、その合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を、会社法第235条その他の関係法令の規定に従って売却し、その端数に応じて、その売却により得られた代金を株主の皆様に交付いたします。当該売却について、当社は、本株式併合が当社の株主を最終的に公開買付者及び本不応募合意株主の全部又は一部のみとすることを目的とする本取引の一環として行われるものであること、及び当社株式が2025年6月16日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買受人が現れる可能性は低いと考えられることに鑑み、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て公開買付者に売却することを予定しております。
この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、株主の皆様の所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である2,100円を乗じた金額に相当する金銭を各株主の皆様に交付できるような価格に設定する予定です。但し、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合がございます。
② 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者の氏名又は名称
公開買付者である株式会社フォーサイト
③ 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性
公開買付者は、本株式併合により生じる端数の合計数に相当する当社株式の取得に要する資金を、株式会社三菱UFJ銀行からの借入れによって確保することを予定しているとのことです。
当社は、公開買付者が2025年2月5日に提出した公開買付届出書及びそれに添付された融資証明書を確認することによって公開買付者における資金確保の方法を確認しております。また、公開買付者によれば、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払に支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、また今後発生する可能性も認識していないとのことです。
したがって、当社は、公開買付者による端数相当株式の売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法は相当であると判断しております。
④ 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み
当社は、本株式併合の効力発生後、2025年7月上旬を目途に会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を売却することについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動し得ますが、当社は、当該裁判所の許可を得て、2025年7月下旬を目途に当社株式を売却し、その後、当該売却によって得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、2025年8月下旬から9月上旬を目途に、当該売却代金を株主の皆様に交付することを見込んでおります。当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主の皆様への交付が行われるものと判断しております。
なお、当該売却代金は、本株式併合の効力発生日の前日である2025年6月17日時点の当社の最終の株主名簿における各株主の皆様に対し、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付する予定です。
(2) 当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
本株式併合においては上記「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」の「① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、株主の皆様の所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である2,100円を乗じた金額に相当する金銭を、株主の皆様に交付することを予定しております。
本公開買付価格(2,100円)につきましては、(ⅰ)下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されているデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の上限値を上回るとともに、DCF法による算定結果のレンジの範囲内にあり、かつ中央値を上回っていること、(ⅱ)本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月3日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値1,210円に対して73.55%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,242円に対して69.08%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,311円に対して60.18%及び同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,371円に対して53.17%のプレミアムが加算されており、上場来最高値(1,674円、2021年9月16日のザラ場。)を上回る価格であること及びこれらのプレミアムは2019年6月28日以降に公表され、2025年1月14日までに公開買付けが成立した非公開化を目的としたMBO案件におけるプレミアムの実例75例(公表日の前営業日を基準日として、公表日の前営業日の終値に対するプレミアム並びに同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値の単純平均値におけるそれぞれのプレミアム率の中央値が、42.53%、45.16%、45.89%及び49.16%)と比較しても遜色ない水準が確保されており、合理的なプレミアムが付された価格であると評価できること、(ⅲ)当社が「特別調査委員会設置及び2025年3月期第2四半期決算発表延期に関するお知らせ」を公表した2024年10月18日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値1,446円に対して45.23%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,497円に対して40.28%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,432円に対して46.65%及び同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,411円に対して48.83%のプレミアムが加算されており、これらのプレミアムは上記(ⅱ)に記載の類似プレミアムの実例75例におけるプレミアム率と比較しても遜色ない水準が確保されており、合理的なプレミアムが付された価格であると評価できることに加え、2024年10月18日に「特別調査委員会設置及び2025年3月期第2四半期決算発表延期に関するお知らせ」を公表して以降、当社株式の市場株価が下落したという事実が存することを踏まえても、上記「1.株式併合の目的」に記載のとおり、当社の2024年10月18日付「特別調査委員会設置及び2025年3月期第2四半期決算発表延期に関するお知らせ」による本架空取引事案に関する公表は、本取引とは無関係に行われたものであることからすると、この時期に本取引を行うことが不合理とはいえないこと、(ⅳ)下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置が取られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(ⅴ)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによる当社株式の株式価値に係る算定結果の内容や本特別委員会との協議、西村あさひ法律事務所から受けた法的助言等を踏まえながら、当社と夢現の間で、真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価格であること、(ⅵ)本特別委員会の要請により、本公開買付けに関する価格提案の有意な引き上げが実現されていること等を踏まえ、当社取締役会は、本取引について、本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値が向上されると見込まれるとともに、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
また、当社は2025年2月4日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。その後、本臨時株主総会の招集を決定した2025年4月25日付の取締役会決議に至るまでに、本取引に関する当社の判断の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。
以上より、当社は、端数処理の方法及び端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本株式併合は、本公開買付けのいわゆる二段階買収の二段階目の手続として行われるものであるところ、公開買付者及び当社は、本公開買付けがいわゆるマネジメント・バイアウト(MBО)に該当する本取引の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、当社及び公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年2月3日付で本株式価値算定書を取得いたしました。なお、当社は、以下に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性及び本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置等を実施していることを踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の公正性が担保されていると考えた結果、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。また、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社及び公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係るデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対する報酬には、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬の他、本取引の成立等を条件とする成功報酬が含まれております。当社は、報酬の一部を成功報酬とすることには、本取引が不成立となった場合の取引費用を限定することが可能になるという合理性があること及び報酬体系としても同種の取引における一般的な実務慣行であること等を勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることの一事をもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会において、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの独立性に問題がないことが確認されております。
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、複数の算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて、当社株式の1株当たりの株式価値の算定を行いました。
上記の各方式に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、以下のとおりです。
市場株価法 :1,210円~1,371円
DCF法 :1,808円~2,301円
市場株価法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月3日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値1,210円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,242円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,311円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,371円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,210円~1,371円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した2025年3月期から2028年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)に基づく財務予測及び投資計画、並びに一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期第4四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定しております。その際、8.5%~10.5%の割引率を採用しております。また、継続価値については永久成長率法を採用し、0%~1.0%の永久成長率を採用しております。その結果、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,808円~2,301円と算定しております。
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーがDCF法で算定の前提とした本事業計画においては、対前年度比較において大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度は含まれておりません。なお、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点で具体的に見積もることが困難であるため、本事業計画には加味しておりません。
本事業計画は、下記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会が、その内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。
(注)デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであること、当社株式の株式価値の算定に重大な影響を及ぼす可能性のある事実でデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、当社の本事業計画に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの算定は、2025年2月3日までの上記情報を反映したものであります。なお、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの算定は、当社取締役会が当社株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
(単位:百万円)
② 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を確保するために、当社及び公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任し、同事務所から、本公開買付けを含む本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、西村あさひ法律事務所は、当社及び公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。西村あさひ法律事務所に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の公表や成立を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会において、西村あさひ法律事務所の独立性に問題がないことが確認されております。
③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得
当社は、本公開買付けがいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものであり、当社における本取引の検討において構造的な利益相反状態が生じ得ること等に鑑み、2024年12月13日開催の当社取締役会において、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、公開買付関連当事者との間に利害関係を有しない、当社社外取締役兼独立役員である北山恵理子氏、梶浦雅已氏、木全美加氏(公認会計士、木全美加公認会計士事務所代表)及び鈴木真理氏(弁護士、鈴木・久保田法律事務所)の4名によって構成される本特別委員会を設置し、同委員会による答申内容を最大限尊重した意思決定を行うことを決議いたしました(委員の互選により、本特別委員会の委員長として北山恵理子氏が選定されております。)。なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。本特別委員会の各委員に対しては、別途の報酬・手当は支払わないことを決定しており、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は採用されておりません。
そして、当社は、当該取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引の取引条件の妥当性、(ⅲ)本取引に係る手続の公正性、(ⅳ)本取引を行うことは当社の少数株主にとって不利益ではないか、(ⅴ)本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問し、これらの点について答申書を当社に提出することを委嘱いたしました。
また、当社は、当該取締役会決議において、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る意思決定を行うものとし、本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でなく、本取引に賛同すべきでないと判断した場合には、本取引に賛同しないことを併せて決議しております。加えて、当社は、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社の費用負担の下、本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザー、第三者算定機関やリーガル・アドバイザーを選任し、又は、当社のファイナンシャル・アドバイザー、第三者算定機関やリーガル・アドバイザーを指名若しくは承認(事後承認を含む。)する権限、(ⅱ)当社の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限、(ⅲ)必要に応じて、本取引の取引条件等の交渉を行う権限(なお、本特別委員会が、本取引の取引条件等の交渉を直接行わない場合であっても、必要に応じて、例えば、交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うことなどにより、本取引の取引条件等の交渉過程に実質的に関与する状況を確保するよう努めるものとし、当社は当該状況が確保されるよう協力する)、(ⅳ)その他本諮問事項の検討に必要となる事項等の権限を与えることを、当社取締役会にて決議しております。
本特別委員会は、2024年12月16日から2025年2月3日までの間に合計10回開催され、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行いました。具体的には、まず、第1回の本特別委員会において、当社が選任したリーガル・アドバイザー、並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関について、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれを当社のリーガル・アドバイザー、並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認いたしました。
また、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認しております。
その上で、本特別委員会は、当社から、当社の事業環境及び経営課題並びに本意向表明書についての見解、本取引による非公開化の要否、本取引の意義及びメリット、本取引によって見込まれる当社事業への影響の内容、当社の事業計画の内容及び作成経緯等についてインタビュー形式及び書面で説明を受け、質疑応答を行いました。また、横山氏らから、本取引の目的及び背景並びに本取引における非公開化の要否、本取引のスキーム及び条件、本取引の意義及びメリット、本取引によって見込まれる当社事業への影響の内容、本取引後の経営方針、本取引の公正性を担保するための措置等についてインタビュー形式及び書面で説明を受け、質疑応答を行いました。更に、本特別委員会は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから、本取引の条件等についての交渉経緯及び当社株式の株式価値算定についての説明を受けるとともに、西村あさひ法律事務所から、本取引の手続面における公正性を担保するための措置並びに本取引に係る当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の内容について説明を受け、これらに関しても質疑応答を行っております。
また、本特別委員会は、当社から、当社と公開買付者との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、本公開買付価格につき、上記「1.株式併合の目的」に記載のとおり交渉が行われ、公開買付者から本公開買付価格を1株当たり2,100円とする旨の提案を受けるに至るまで、当社に複数回意見する等して、公開買付者との交渉過程に実質的に関与いたしました。
以上の経緯で、本特別委員会は、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2025年2月3日、当社取締役会に対し、本諮問事項につき大要以下を内容とする本答申書を提出しております。
(ⅰ)答申内容
ⅰ 本取引の目的は、合理性を有すると考えられる。
ⅱ 本取引の取引条件は、妥当性を有すると考えられる。
ⅲ 本取引に係る手続は、公正性が確保されていると考えられる。
ⅳ 本取引を行うことは一般株主にとって不利益ではないと考えられる。
ⅴ 本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは妥当であると考えられる。
(ii)答申理由
ⅰ 本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)
当社グループは、プラットフォーム事業及びコマース事業ともにモビリティ領域を中心に事業を展開しているところ、カーユーザーのニーズやライフスタイルの多様化、MaaS、カーシェアリング、自動運転技術及びEV化の進展等の外部環境の変化を踏まえると、中長期的な企業価値の向上のためには当社グループの事業の構造改革は必要であると考えられる。この点、横山氏ら及び当社が想定している、(ⅰ)モビリティ領域における従量課金モデルの拡大及び(ⅱ)プラットフォームビジネスの更なる拡大を通じた経済的・社会的価値の追求という企業価値向上施策は、当社のモビリティ領域におけるプラットフォームビジネスの競争優位性・強みを活かしつつ、外部環境の変化に対応するものであると認められ、中長期的な企業価値の向上を図る施策として、特段不合理であるとは認められない。
なお、公開買付関連当事者は、非公開化後も上場会社と同程度のガバナンス体制を維持するとともに、当社元社員による架空取引事案も踏まえて不正が行われないような仕組みの構築を検討する旨説明しているところ、かかる説明も、当社の経営課題に対応するものであると評価できる。
上述の企業価値向上施策、特に(ⅱ)プラットフォームビジネスの更なる拡大に係る施策の実施にあたっては、M&A等の積極的な実施、プラットフォームの構築、各事業領域のデータのデータベース化等に相当程度の規模の先行投資が必要となると考えられ、短期的には、利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化等の財務・業績の悪化を招くリスクも否定はできないものと考えられる。これらの点を踏まえると、短期的な株式市場からの評価にとらわれずに、抜本的、機動的かつ柔軟な意思決定を可能とするために、当社株式の非公開化が必要であるという横山氏ら及び当社の説明には合理性はあるものと認められる。
なお、一般に、上場廃止に伴うデメリットとして、(ⅰ)エクイティ・ファイナンスによる資金調達手段の制約、(ⅱ)上場会社としてのブランドの毀損、(ⅲ)人材採用への悪影響等が考えられるところ、横山氏ら及び当社からの説明を踏まえると、(ⅰ)については、昨今の間接金融における低金利環境等に照らすと、当面の間は間接金融を通じて必要に応じた資金調達を行うことが想定されるため、エクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は高くなく、(ⅱ)及び(ⅲ)については、これまで長きに亘る事業活動を通じて、当社の知名度や社会的な信用力は既に確立できており、上場を維持していなくとも優秀な人材確保を継続し、取引先との取引関係を維持することは可能と考えているとのことであり、当該説明に不合理な点は見当たらない。
以上の検討内容を踏まえると、本取引の目的は、当社グループの企業価値の向上に資するものと認められ、合理性を有すると考えられる。
ⅱ 本取引の取引条件の妥当性
ア 本公開買付価格である2,100円は、以下の点を総合的に考慮すると、妥当性を有すると考えられる。
(ア)本公開買付価格は、2019年6月28日以降に公表され、2025年1月14日までに公開買付けが成立した非公開化を目的としたMBO案件におけるプレミアムの実例75例(公表日の前営業日を基準日として、公表日の前営業日の終値に対するプレミアム並びに同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値の単純平均値におけるそれぞれのプレミアム率の中央値が42.53%、45.16%、45.89%及び49.16%。)と比較しても遜色のない水準のプレミアムが付されていること
(イ)本公開買付価格は、当社による本架空取引事案の公表日(2024年10月18日)の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,446円に対して45.23%のプレミアムを加えた価格、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,497円に対して40.28%のプレミアムを加えた価格、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,432円に対して46.65%のプレミアムを加えた価格、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,411円に対して48.83%のプレミアムを加えた価格であり、上記「(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」に記載の本公開買付けの実施の公表日以前の市場株価に対するプレミアム水準よりは低いものの、本架空取引事案の公表以前の市場株価に対する本公開買付価格のプレミアム水準は、上記(ア)に記載の類似実例におけるプレミアム水準と比較した場合にも遜色ない水準のプレミアムが付されていることに加え、以下の点に鑑みると、この点をもって、本公開買付価格に妥当性が認められないとはいえないと考えられること
(a)横山氏ら及び当社によれば、本架空取引事案の公表が本取引の公表に先立ち当社株式の株価を下落させることを目的として恣意的に行われたものではないとのことであるところ、以下の点に鑑みると、かかる説明は特段不合理ではないと考えられること
・ 本架空取引事案は、当社元社員が単独で実行したものであって組織的な不正ではなく、その発覚の経緯は、2024年5月、当該元社員による一部取引において、売掛金が未回収となる事案が発生したことを受けて、事実関係の確認を進めたというものであり、期間が長期に亘ることから、当該不正を行った元社員や取引先等への確認に時間を要したため、2024年10月18日付での公表に至ったというものであり、その経緯自体に特段恣意性を窺わせる事情は見当たっていないこと
・ 当社によれば、2024年10月の本架空取引事案の公表は、金融商品取引所の規則等を踏まえて、取締役会の決議を経て行われたものであり、横山氏らの恣意的な指示によって行われたものではないとのことであること
・ 当社が夢現から本意向表明書を受領したのは2024年12月6日であり、また、横山氏らが外部のアドバイザーを選定し、具体的な検討を開始したのは2024年12月上旬であることを踏まえると、本架空取引事案が公表された2024年10月18日の時点で本取引の実施が確実であったとはいえないと考えられること
・ 横山氏らによれば、当社グループの事業環境等に鑑みると、今こそ中長期的な戦略として上記各施策を実施していく必要があることから、2024年12月6日に本取引の提案をするに至ったとのことであり、かかる説明自体が不合理であると認めるに足りる事情は窺われないこと
(b)本架空取引事案の公表後、当社株式の市場株価は下落傾向にあるものの、一般に市場株価への影響の要因には様々なものが考えられ、必ずしも本架空取引事案の公表のみが要因とはいえないこと
(c)本架空取引事案の公表後、4ヶ月弱が経過しているところ、その間に架空取引事案の調査結果及び再発防止策等が公表されており、架空取引事案の公表前の市場株価が当社の直近の状況を反映したものと必ずしもいえず、本取引の公表日の前営業日である2025年2月3日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値が、現在の当社株式の本来的な企業価値を反映したものであると考えることも合理的であること
(d)本公開買付価格は、下記(エ)のとおり、本架空取引事案の公表前における当社株式の市場価格も踏まえて、本特別委員会の実質的な関与のもと、公開買付関連当事者による影響力を排除した独立当事者間の交渉と評価できる交渉が実施されて合意されたものであること
(ウ)当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、当社及び公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関及びファイナンシャル・アドバイザーであるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから株式価値算定書を取得し参考としているところ、評価手法の選択自体については同種案件の株式価値の評価実務からして不合理な点は認められず、DCF法による算定の前提となった事業計画、割引率や継続価値の算出ロジックにも特に不合理な点は見当たらなかったこと。本公開買付価格は、市場株価法により算定された価格帯の上限値を上回っており、DCF法により算定された価格帯の中央値を上回っていること
(エ)本公開買付価格は、第三者算定機関及びファイナンシャル・アドバイザーであるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによる算定結果を参考に、本公開買付価格を公正かつ妥当な水準にまで高めるために、本特別委員会が実質的に関与するかたちで、公開買付関連当事者による影響力を排除した独立当事者間の交渉と評価できる交渉を実施し、当初提示額よりも16.67%引き上げられた価格で決定されたこと
イ また、公開買付者が、本公開買付けにより当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除く。)を取得できなかった場合に予定されている本スクイーズアウト手続の条件は、本公開買付価格と同一の価格を基準として算定・決定される予定であるところ、本スクイーズアウト手続は、本公開買付けと時間的に近接しており、本公開買付け及び本スクイーズアウト手続において交付される対価が同一のものとなるようにすることは合理的であると考えられる。
ウ 上記ア及びイによれば、本取引の取引条件は妥当性を有すると考えられる。
ⅲ 本取引に係る手続の公正性
以下のとおり、本取引においては、当社の一般株主の利益を図る観点から、2019年6月28日付で経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針」に定められる各公正性担保措置に則った適切な対応が行われており、その内容に不合理な点は見当たらない。したがって、本取引においては公正な手続を通じた当社の一般株主の利益に対する十分な配慮がなされており、本取引に係る手続の公正性は確保されていると考えられる。
(ア)本取引の検討に際しては、以下のとおり、独立性を有する特別委員会が設置されており、これが有効に機能していることが認められる。
・ 本取引に係る取引条件の形成過程全般にわたって、本特別委員会が本取引に対して関与する状態が確保されていたこと
・ 本特別委員会の委員は、独立性を有し、専門性・属性にも十分配慮して選定されたものであること
・ 本特別委員会の設置等の各過程において、当社の独立社外取締役及び独立社外監査役が主体性を持って実質的に関与する体制が確保されていたこと
・ 本特別委員会は、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与しており、本取引に関する検討過程において、適時にリーガル・アドバイザーである西村あさひ、並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの専門的な助言・意見等を取得していたこと
・ 非公開情報も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて検討・判断を行うことのできる状況が確保されていたこと
・ 当社は、本特別委員会の設置に係る取締役会決議において、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る意思決定を行うものとし、本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でなく、本取引に賛同すべきでないと判断した場合には、本取引に賛同しないことを併せて決議しており、本取引について、取締役会が特別委員会の意見を尊重して意思決定を行うことのできる体制が確保されていること
・ 当社において、利害関係を有する取締役を本取引に関する当社の取締役会における審議及び決議に参加させておらず、当社の立場において、本取引の検討、協議及び交渉にも一切参加させていないとともに、本取引の検討・交渉に際して、公開買付関連当事者から独立した社内検討体制が構築されていたこと
(イ)当社は、当社及び公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに当社株式の株式価値の算定を依頼し、本株式価値算定書を取得している。
(ウ)本取引においては、本公開買付けにおける買付け等の期間が、法令に定められた最短期間である20営業日を超える30営業日に設定されており、かつ、公開買付者及び当社は、公開買付者以外の対抗提案を行う者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておらず、これらにより間接的なマーケット・チェックが実施されている。なお、本取引においては、積極的なマーケット・チェックは実施されていないが、本不応募合意株主の有する当社株式の所有割合が合計38.04%となっており、本不応募合意株主において第三者への売却に応じる意思が乏しい状況下にあること及び情報管理の観点を考慮すると、積極的なマーケット・チェックの実施には慎重な検討が必要であることに加え、本取引においては、上記のとおり、公正性担保措置が取られ、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると評価できる。
(エ)本公開買付けにおいては、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定される予定はないが、本取引においては、①本不応募合意株主が当社株式15,367,440株(所有割合:38.04%)を所有しているため、本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の利益に資さない可能性があること、②上記(ア)乃至(ウ)並びに下記(オ)及び(カ)の公正性担保措置が講じられていること、③本公開買付価格について、上記ⅱ(エ)のとおり、夢現との間の交渉により、公開買付価格として公正かつ妥当と評価できる水準に達したと考えられることから、本公開買付けにおいて、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定がなされていないことは、本公開買付けにおける手続の公正性を損なうものではないと認められる。
(オ)本取引においては、当社の開示資料において、2019年6月28日付で経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針」が求める情報の開示がなされることが予定されているものと認められる。
(カ)本取引においては、上記ⅱイのとおり、本公開買付け後に本スクイーズアウト手続が予定されており、一般株主に対する強圧性を生じさせないような配慮がなされているといえる。
iv 本取引を行うことは当社の一般株主にとって不利益ではないか
上記i乃至iiiの検討のとおり、本取引の目的は合理性を有し、本取引の取引条件は妥当性を有し、本取引に係る手続は公正性が確保されていると考えられることから、本取引を行うことは一般株主にとって不利益ではないと考えられる。
v 本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非
上記i乃至ivを踏まえると、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは妥当であると考えられる。
④ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、西村あさひ法律事務所から得た法的助言及びデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから取得した本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の諸条件について慎重に検討しました。その結果、上記「1.株式併合の目的」のとおり、当社取締役会は、本公開買付けについて、本公開買付けにより当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年2月4日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(当社の取締役会は12名で構成されるところ、横山博一氏及び横山宗久氏の2名を除く、取締役の10名)の全員一致で、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することについて決議いたしました。当該取締役会には、当社の監査役4名(山田信二氏、戸叶弘氏、富永新氏及び雑賀仁志氏)が出席し、出席した監査役はいずれも上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。
なお、当社の取締役のうち、(ⅰ)当社の代表取締役会長である横山博一氏は、公開買付者の代表取締役であること、本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定していること及び夢現の株主であり、公開買付者に対して直接又は間接に出資することを検討しているとのことから、(ⅱ)当社の専務取締役である横山宗久氏は、本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定していること及び夢現の株主であり、公開買付者に対して直接又は間接に出資することを検討しているとのことから、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において、公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
そして、上記のとおり本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は本公開買付けにより、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかったことから、当社は、公開買付者の要請を受け、2025年4月25日付の取締役会決議において、議決に加わることのできる当社の取締役の全員一致で、当社の株主を最終的に公開買付者及び本不応募合意株主の全部又は一部のみとするため、本臨時株主総会の開催を決定し、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社株式を非公開化するために、本株式併合を実施することとし、本株式併合に係る議案を本臨時株主総会に付議することを決定いたしました。
⑤ 当社における独立した検討体制の構築
当社は、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付関連当事者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、横山博一氏及び横山宗久氏は、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、本取引に関する取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において、公開買付関連当事者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。加えて、当社は、本取引の実施に向けた検討を開始して以降、本取引に関する検討並びに公開買付者との協議及び交渉を行うプロジェクトチームを設置しております。当該プロジェクトチームは、公開買付関連当事者から独立性の認められる、当社の取締役である清水茂代司氏及び当社従業員5名のみで構成され、2025年4月25日に至るまでかかる取扱いを継続しております。
また、かかる取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制、具体的には本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する役職員の範囲及びその責務(当社の株式価値の評価の基礎となる事業計画の作成など高い独立性が求められる職務を含みます。)は西村あさひ法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。
⑥ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、40営業日に設定しているとのことです。公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切な判断を行う機会を確保するとともに、当社株式について対抗的買収提案者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。
また、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。このように、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
4.株式併合がその効力を生ずる日
2025年6月18日(予定)
以上