第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、次の社訓、経営理念、経営基本方針及び企業行動指針を企業理念として掲げ、企業活動を行っております。

「社訓」

 共存共栄を旨とし、商道を通じ社会に貢献するを経営の目的とする。

「経営理念」

 私たちは「夢と喜びあふれるファッション」を提供し、豊かな社会の創造に貢献します。

「経営基本方針」

 1.お客様第一の行動: 美しくありたい、楽しく幸せでありたいお客様へ価値ある商品を提供します。

 2.社員の尊重: 社員一人ひとりの個性や能力を発揮する環境を整え、社員を大切にします。

 3.チャレンジの姿勢: 新しく、常に前向きに、高い目標にチャレンジします。

「企業行動指針」

 1.企業活動の目的

  私たちは、すべてのお客様に対して、夢と喜びを安全な商品とサービスに託して届けます。

 2.責任ある企業活動
   私たちは、社会の一員として、法令や規則を遵守していきます。
   私たちは、株主に対して、誠実かつ信頼のおける経営で応えていきます。

 3.人権・社員の尊重
   私たちは、人権を尊重し、ハラスメントを行いません。
   私たちは、意欲ある人材の育成に努め、成果を重視し、公正な評価を行います。

 4.情報の管理・公開
   私たちは、企業情報を適切に管理します。
   私たちは、株主はもとより、広く社会とのコミュニケーションを行い、企業情報を適時・適切に開示します。

 

(2)経営戦略

当社グループは、婦人服業界トップクラスの企画・生産力を持ち、年間5,000万枚の高感度・高品質・リーズナブルな価格の商品を製造しています。主力となるアパレル卸売では、専門店、量販店、無店舗等へ販売を進めています。その他に、ライフスタイル卸売を拡大しており、専門店、量販店に加えて、ドラッグストアやコンビニ等への販売を進めています。また、アパレル小売については、衣料品、ライフスタイル商品を店舗やECを通じ直接消費者に販売を進めています。

グループ会社では、専門店へのメンズ衣料品販売の株式会社サードオフィス及び化粧品販売の株式会社アイエスリンクにより、当社の事業領域の補完を進めます。これらを支える生産及び物流の基盤として、中国やアセアンの海外有力工場との取組みによる効率的な生産体制、海外検品と国内自社センターとの連携による物流ネットワークなど、グローバルなサプライチェーンの構築を進めています。

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、長期ビジョンとして、「ファッションの力で、ライフスタイルの新たな可能性を開く」企業を目指して、「いつもの毎日に彩りとよろこびを」をスローガンとする2026年1月期からの3か年の中期経営計画を策定し、アパレルとライフスタイルの両輪で収益力向上に取り組んでまいります。

中期経営計画の最終年度であります、2028年1月期の連結業績予測として、売上高は680億円、営業利益は20億円、ROE9.0%以上の目標を掲げ、企業価値の向上を目指してまいります。

 

(4)経営環境

 アパレル業界は、記録的な残暑や暖冬など厳しい事業環境となりました。加えて、不安定な海外情勢による原材料価格及びエネルギー価格の高騰や円安による物価の上昇に伴う個人消費などへの影響が懸念され、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
 当社グループにおきましては、アパレル卸売では、収益性を高めるため、専門店販路の拡大、機能性ファッションブランド「クロスファンクション」の強化、メンズ事業の拡大を目指します。
 アパレル小売では、自社ブランドを展開する量販ショップに、好調な雑貨の品ぞろえを増やし、ECにおいては、SNSや動画を活用したマーティングを強化することで、外部モールに加えて、自社ECサイトにおいても売上を拡大してまいります。

 ライフスタイル卸売では、シーズン雑貨に加え、ビューティー、ヘルスケア、ファッション雑貨などのライフスタイル領域を拡充し、アパレルだからできるライフスタイルを創造してまいります。
 企業価値向上の取り組みとしては、キャッシュアロケーションを見直し、EC、ライフスタイルへの成長投資とともに、株主還元強化に取り組んでまいります。
 今後も、消費環境の変化に柔軟に対応し、持続的な企業価値向上を目指してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループはサステナビリティに係る対応を経営上の重要課題と認識し、当社にてサステナビリティ委員会を中心とするガバナンス体制を構築するとともに、取締役会による監査を行っております。

 取締役会は、サステナビリティに関するリスク及び機会に係る課題について、サステナビリティ委員会より取組状況や目標の達成状況の報告を受け、モニタリングし、また新たに設定した対応策や目標を監督します。

 サステナビリティ委員会は原則として隔月に開催され、マテリアリティ(重要課題)の検討やサステナビリティ戦略について審議し、サステナビリティ事業に与える影響について評価を行い、対応策の検討・立案及び目標の設定を行うほか、事業活動についてサステナビリティの視点から検証及び提言を行います。そして、取組状況や目標の達成状況を毎年1回取締役会に報告し、監督を受けております。

 サステナビリティ委員会は、委員長は常務取締役が務め、このほか、執行役員から構成され、経営企画部が事務局を担っております。

 

(2)戦略

 当社グループはサステナビリティ課題を経営課題の一つと認識しており、サステナビリティ委員会を設置し、検討を進めております。以下の3つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、これを実行し、実現することを目標としております。

 ① 環境に配慮するものづくり

  ・環境配慮型素材の利用、資材・副資材の循環利用の促進

  ・リサイクル・リユースの促進

 ② 暮らしと社会の懸け橋

  ・自治体との地方創生、企業とのコラボレーション企画

  ・工場の監査、トレーサビリティ管理

 ③ 一人一人が輝くワークライフ

  ・ワークライフバランスの推進、QOLの向上

  ・働きがいの向上、挑戦しやすい環境の整備

 また、当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりであります。

a. 人材育成方針

当社グループでは、社員は重要な財産であり、性別・年齢等に関係なく、会社と社員がともに成長することができる組織づくりを進めております。社員が個性や能力を発揮しながら、一人ひとりの成長に結びつく人材育成に取り組んでおり、経験、キャリアに応じて、対面での研修とオンライン研修を実施することにより、様々なキャリア形成を会社が支援しております。そして、多くの役割と経験を担うことによって、更なる成長ができる機会を提供してまいります。

人材の採用にも重点をおいており、将来の事業成長を支える人材や事業成長に必要な機能を強化するための人材の確保に努めてまいります。

 

b. 社内環境整備方針

 当社グループは、多様なスキル・経験・価値観を持った意欲と能力のある社員が公正に評価され、社員一人ひとりがお互いに認め合い、個性や能力を最大限に発揮することができる社内環境を整えてまいります。そして、多様な人材の活躍を推進するために、個々のライフワークバランスの実現や、社員のライフシーンに柔軟に対応した職場環境をつくることによって、仕事の生産性の向上と生活の質の向上を実現してまいります。

 

(3)リスク管理

 サステナビリティに係るリスク及び機会は、サステナビリティ委員会にて洗い出しを行い、各事業部門と連携し、確認・対応を行っております。各種施策の進捗は各部会、執行役員会にて議論・報告がなされ、必要に応じて取締役会へ報告しております。また、サステナビリティ係る事項は、常務取締役が管掌しており、常務取締役はサステナビリティ委員会の委員長としてサステナビリティが事業に与える影響について評価し、リスク及び対策について管理を行っております。

 

(4)指標及び目標

 当社では、上記「(2)戦略」において記載した人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。

 

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

35.0

30.6

男性労働者の育児休業取得率

100.0

100.0

労働者の男女の賃金の差異

80.0

76.5

(注)人材育成・社内環境整備は連結子会社各社で行われていますが、規模・制度の違いから一律に記載せず、人材の大多数が所属する当社単体について開示しています。

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している重要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

①消費低迷や天候不順に関するリスク

 当社グループが扱っております衣料品は、国内外の影響で景気低迷となることや生活必需品値上等で消費マインドが低下することとなった場合、販売不振や販売価格の低下をもたらし、また、シーズン性が高く天候により売上が変動しやすいため、残暑や暖冬などの天候不順により販売不振となる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、こうした外部環境の変化への対応として、基幹事業であるアパレル卸売の収益性を向上し、アパレル小売・ライフスタイル卸売の拡大を進めることで、収益基盤の強化に努め、持続的な成長と企業価値の向上に努めています。

 

②ファッショントレンドや消費者嗜好の変化に関するリスク

 ファッショントレンドの移り変わりによる消費者の嗜好の変化により適切な商品が提供できなかった場合には、販売不振等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、常にファッション情報の収集・分析を行い商品企画の精度向上に努め、多くのブランドを複数の販売チャネルで展開することで消費者の多様な嗜好に対応してまいります。

 

③自然災害に関するリスク

 地震、火災、風水害等の自然災害により事業運営上の困難が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、BCP(事業継続計画)を策定するとともに、大規模地震を想定した緊急時対応訓練を継続的に実施し、グループを挙げて緊急時対応レベルの向上を図っています。

 

④海外からの商品調達に関するリスク

 当社グループの商品は、中国を始めとするアジア諸国等にて生産し国内に輸入、販売しておりますが、海外における自然災害、パンデミック、テロ、戦争、政変や経済情勢の悪化等の発生などにより、海外からの商品調達を適切に行うことができなかった場合や原材料価格の高騰により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、複数の原料調達先を所有し、特定の原材料を特定の調達先に依存することなく、かつ適正な価格により調達する仕組みを整えています。

 

⑤為替レート変動に関するリスク

 当社グループの商品は、ほとんど海外生産し国内に輸入しており、決済の大半はドル建となっております。取引の一部について為替予約等を利用して輸入為替レートの平準化を図ることにより、仕入コストの安定化を図っておりますが、急激な為替相場の変動や極端な為替レートは商品原価の上昇を招くことになり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、商品の調達には為替予約取引の利用により輸入取引に係る為替変動リスクの低減を図っています。

 

⑥情報管理に関するリスク

 当社グループは、個人情報や開発・営業に関する秘密情報を保有しております。情報管理については、秘密保持契約書の締結及び情報の管理を徹底するとともに、社員には入社時に秘密保持の誓約書の提出を義務付けております。しかしながら、停電、ネットワーク等の通信障害、人為的ミスやサイバー攻撃による外部からの不正アクセス等、予期せぬ事で情報が外部漏洩した場合、修復のための多額の費用や重要なデータの消失・毀損、業務の中断又は遅延等の発生や社会的信用の低下、損害賠償責任が生じる等当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、各事業の遂行にあたり情報システムを多用しています。また、各事業において顧客から取得した個人情報、役職員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を多数保有しています。このため、当社グループでは、個人情報への不正アクセスやその漏洩、滅失、改ざん等の防止対策として、従来の脅威メール対策及びファイヤーウォール導入による境界防御に加え、ゼロトラストモデルと多要素認証を組み合わせたセキュリティ強化、並びにシステム異常やサイバー攻撃の予兆を検知するシステム(SIEM)の導入、24時間365日サイバー攻撃を検知するシステム(EDR/SOC)の導入を行い、障害発生時の迅速な対応に向けた態勢を整備するとともに、個人情報保護に関する法令や社会的規範の遵守のため、役職員に対し情報管理に関する周知及び教育を徹底することにより情報の適切な管理に努めています。

 

⑦M&Aに関するリスク

 当社グループでは、成長戦略の一環として、M&Aや事業提携等による事業の拡大を経営戦略のひとつとして進めております。グループでのシナジー効果や、事業ポートフォリオの最適化を図ることにより、事業価値の最大化を目指してまいりますが、市場経済状態の悪化や期待した収益や効果が得られないことにより当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、買収等を行う際にはその目的、意義を明確にした上でリスクを把握し、投下資本に対する利回りが期待収益率を上回っているか定量的に評価し、一定金額以上の重要案件は取締役会で審議を行っております。 また、買収後は、投資回収に努めるものの、経済状況の変化に伴い中長期的に損失が見込まれる場合は決算に反映させています。

 

⑧新規事業に関するリスク

 当社グループでは、顧客や市場の変化に柔軟に対応した商品、販路の拡大やライフスタイル商品を含む新規の業態開発を進めています。新規事業は、十分な調査・研究を行い判断しておりますが、計画どおりに進捗しない場合や市場環境の変化等により成果が上がらない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、新規事業の概況や市場動向を注視しながら、適切なタイミングで事業の再編や構造改革を実施するように努めております。また、経済状況の変化に伴い中長期的に損失が見込まれる場合は決算に反映させています。

 

⑨感染症拡大に関するリスク

 新たな感染症の流行が発生した場合は、生産拠点・物流体制・経済活動停滞や個人消費の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 大規模な感染症等に対しては、お客様や役職員の安全確保を最優先とし、事業活動に支障が出ることがないよう予防、拡大の防止に努めています。また、営業面では、ファッション衣料商品に加え、感染症影響下に対応したアパレル商品やライフスタイル商品の開発を進め、EC販売を積極化することで、販売拡大に努めます。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

 当連結会計年度(2024年2月1日~2025年1月31日)におけるわが国経済は、個人消費や企業収益の回復などにより経済活動の正常化が進み、雇用・所得環境が改善するなど緩やかな回復傾向が見られました。

 当アパレル業界では、記録的な残暑や暖冬など厳しい事業環境となりました。加えて、不安定な海外情勢による原材料価格及びエネルギー価格の高騰や円安による物価の上昇に伴う個人消費などへの影響が懸念され、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

 このような環境の中、当社グループは、中期経営計画に基づき、アパレル事業の深化と非アパレル事業の創出に取り組んでまいりました。アパレル事業においては、商品のNB化による取り扱い店舗の拡大やEC専用ブランドの強化を進めました。非アパレル事業では、ヘルスケアを中心とした新規商品の開発や販路拡大に努めるとともに、ビューティー関連商品の販売を強化することで、ライフスタイル分野のさらなる拡大を進めました。

 売上高は、卸売では、残暑の気候に対して、下期の夏物商品展開が不足したことや、秋冬物の販売が遅れて苦戦しました。その結果、衣料品全体の売上は前年を下回ったものの、ビューティー関連商品などライフスタイル商品の売上が伸長したことで、増収となりました。小売では、今期から開始した雑貨ショップが年間を通して好調に推移したことに加え、外部モールを中心としたECの売上が拡大したことで、増収となりました。
 利益面では、卸売で、円安影響による仕入原価の高騰に対し、価格転嫁が十分に進まなかったことや、小売では秋冬物苦戦による値下げ販売が増加したことで、売上総利益率が悪化し、売上総利益は163億10百万円(前年同期比1.9%減)となりました。経費面では、人件費や小売の売上増加に伴う販売手数料等が増加したことにより、販売費及び一般管理費は152億80百万円(前年同期比3.0%増)となりました。また、特別利益に投資有価証券売却益を計上しました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は620億4百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は10億29百万円(前年同期比42.7%減)、経常利益は12億75百万円(前年同期比35.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億89百万円(前年同期比37.5%減)となりました。
 なお、当社グループは、衣料品事業の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいと考えられることから、セグメント情報の記載を省略しております。

 

②財政状態の状況

a.資産

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ7億12百万円減少の276億58百万円となりました。流動資産は、その他流動資産が6億35百万円増加したものの、現金及び預金が13億49百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ7億4百万円減少の180億12百万円となりました。固定資産は、投資有価証券が1億11百万円増加したものの、建物及び構築物が90百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ7百万円減少の96億45百万円となりました。

b.負債

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ21億30百万円減少の107億15百万円となりました。流動負債は、未払法人税等が5億29百万円減少し、支払手形及び買掛金が3億51百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ8億19百万円減少の78億89百万円となりました。固定負債は、長期借入金が13億66百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ13億10百万円減少の28億26百万円となりました。

c.純資産

 当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金が10億58百万円増加し、その他有価証券評価差額金が1億51百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ14億17百万円増加の169億42百万円となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ13億49百万円減少し、43億7百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、4億86百万円の支出(前年同期は29億40百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が15億11百万円(前年同期は24億31百万円)となったものの、法人税等の支払額が7億52百万円(前年同期は53百万円)、棚卸資産の増加が4億14百万円(前年同期は1億67百万円の減少)、仕入債務の減少が3億80百万円(前年同期は9億53百万円の減少)となったこと等によります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、2億32百万円の収入(前年同期は2億76百万円の収入)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が1億17百万円(前年同期は27百万円の支出)となったものの、投資有価証券の売却による収入が4億円(前年同期は5億4百万円の収入)となったこと等によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、11億9百万円の支出(前期同期は14億60百万円の支出)となりました。これは、短期借入れによる収入が1億90百万円(前年同期は11億円の支出)となったものの、長期借入金の返済による支出が10億66百万円(前年同期は15億50百万円の支出)となったこと等によります。

 

④仕入及び販売の実績

 当社グループは衣料品事業の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいと考えられることから、セグメント情報の記載を省略しております。

 

a.仕入実績

当連結会計年度における事業部門別の仕入実績は、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

卸売

37,860

+1.4

小売

6,098

+35.0

その他

814

+500.2

合計

44,773

+6.6

 

b.販売実績

当連結会計年度における事業部門別の売上高は、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

卸売

49,310

+1.5

小売

12,234

+13.4

その他

458

△45.2

合計

62,004

+3.0

 

当連結会計年度における販売チャネル別の売上高は、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

専門店

30,155

+3.1

量販店

20,988

+4.6

無店舗

5,100

△0.0

百貨店他

2,241

△3.7

EC

2,794

+18.3

その他

724

△32.9

合計

62,004

+3.0

 

 

  2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年2月1日

至 2024年1月31日)

当連結会計年度

(自 2024年2月1日

至 2025年1月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社しまむら

20,226

33.6

20,293

32.7

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果

 

2025年1月期予想

(A)

2025年1月期実績

(B)

増減額

(B-A)

2024年1月期

参考

売上高  (百万円)

62,000

62,004

+4

60,190

営業利益 (百万円)

1,200

1,029

△170

1,797

 売上高は、卸売の衣料品が残暑の影響で下期の夏物商品展開が不足したことに加え、秋冬物の販売が遅れたものの、ビューティー関連商品などライフスタイル商品の売上高が伸長したことにより予想をわずかに上回りました。

 利益面では、卸売で円安影響による仕入原価の高騰に対し、価格転嫁が十分に進まなかったことや、小売で秋冬物苦戦による値下げ販売が増加したことで、売上総利益、営業利益は予想を下回りました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入代金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資、M&A及び長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は29億18百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は43億7百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

5【経営上の重要な契約等】

(1) 商標ライセンス契約(2025年1月31日現在)

会社名

相手方の名称

契約内容

契約期間

提出会社

株式会社Turns

登録商標SEASON REASON by Lin.&Red等の許諾に係る契約

自 2020年7月20日

至 2025年12月31日

(以降、協議の上、更新契約)

提出会社

株式会社ヒロココシノ

登録商標HK WORKS等の商標使用権

の許諾に係わる契約

自 2014年2月1日

至 2026年1月31日

(以降、1年毎の更新契約)

提出会社

株式会社ヒロココシノ

登録商標as-ideal等の商標使用権

の許諾に係わる契約

自 2014年11月1日

至 2026年1月31日

(以降、1年毎の更新契約)

提出会社

ジュンコ シマダ
インターナショナル株式会社

登録商標PART2JUNKO SHIMADA、

49AV JUNKO SHIMADA等の商標使用権の許諾に係わる契約

自 2001年3月1日

至 2026年1月31日

(以降、協議の上、更新契約)

提出会社

株式会社パーソンズデザインスタジオ

登録商標A/C DESIGN BY ALPHA CUBIC等の商標使用権の許諾に係わる契約

自 2003年2月1日

至 2026年1月31日

(以降、協議の上、更新契約)

 (注) 上記商標契約については、対価として一定率のロイヤリティを支払っております。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。