当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している以下の主要なリスクが発生しております。以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
当社グループは、暗号資産を保有しており、暗号資産の運用を行っております。暗号資産運用のリスクとしては、暗号資産の価格変動や、暗号資産市場の混乱等で暗号資産市場において取引ができなくなる、又は通常より不利な取引を余儀なくされることによる損失リスクや、暗号資産交換所のシステムの障害及び破たん、サーバへの不正アクセスによる盗難等があります。万が一これらのリスクが顕在化した場合には、対応費用の増加、当社グループへの信用の低下等が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、暗号資産の価格変動や流動性により当社グループのブロックチェーン技術を活用したサービスの開発を含む、健全な市場形成を支援するコンサルティング契約にかかる報酬が増減することから、暗号資産の価格の下落や流動性の低下により報酬が減額した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当第3四半期累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」から重要な変更があった事項は以下のとおりであります。
当社は、2022年7月1日付で当社が運営していたEラーニング事業及びLMSサービス(ブロックチェーンに関連する事業を除く)を譲渡したことにより、前事業年度の有価証券報告書に記載した「(1) 事業に関するリスクについて ① 製品の需要について」、「(1) 事業に関するリスクについて ② 収益構造について」、「(2) 競合に関するリスクについて」及び「(3) 事業上重要な取引先への依存度に関するリスクについて」は消滅しております。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、当初新型コロナウイルス感染症の収束期待があったものの、年初からオミクロン株の急速な感染拡大があり、引続き不透明な状況が続きました。また、2022年2月24日ロシアによるウクライナ侵攻から政情不安も拡大し、急激な原油高騰や円安進行などの影響により、社会経済活動の回復は先行きが懸念されます。わが国経済におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に緩和される中でこのところ持ち直しの動きがみられましたが、2022年年始から「オミクロン型」の猛威による影響が続いており、今後も予断を許さない状況に加えて上記世界経済の影響もあり、景気は依然として厳しい状況が続くと見込まれます。
こうしたマクロ経済動向のなかではありますが、当社グループは中期経営計画(2019年10月期~2022年10月期)における「収益力の大幅向上」に向けて引き続き業態のトランスフォームを推進する方針を掲げております。当連結会計年度においても中期経営計画を羅針盤に事業を推進してまいりました。
当社グループは産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を使命とする一企業集団として、あらゆるサービスのデジタル化が進む時代に備え、引き続き、自らのビジネスモデルを変革し続けております。併せて、前会計年度に実施したライツ・オファリングによる調達資金を成長原資として、ダイナミックにケイパビリティの拡充を図ることを狙い、M&A及び資本業務提携と積極的な事業投資を進めております。
このような中、当社はWeb3.0時代の到来によるパラダイム・シフトに備え、成長分野であるブロックチェーン領域に経営資源の投下を加速し、ブロックチェーン技術に立脚するサービスカンパニーへと事業ドメインの転換を図る方針に基づいてセグメント変更を実施し、新たに「ブロックチェーンサービス事業」セグメントを新設しました。当連結会計年度におけるブロックチェーンサービス事業は、新たに連結子会社となったチューリンガムを通じてブロックチェーン技術や暗号理論を用いたR&D、システム受託開発、アプリケーション開発、暗号資産開発を行っております。システムエンジニアリング事業では、創業事業であるEラーニング事業の事業譲渡が完了による事業譲渡益163百万円を計上、受託開発においては主にブロックチェーン技術を活用したシステムの開発実現などの成果に至りました。インキュベーション事業では、暗号資産運用を中心に収益獲得に至りました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高1,182百万円(前年同四半期比196百万円のマイナス)、EBITDA231百万円(前年同四半期は23百万円のマイナス)、営業利益72百万円(前年同四半期は95百万円の損失)、経常利益65百万円(前年同四半期は75百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益474百万円(前年同四半期は98百万円の損失)となりました。
(※)EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
当社のセグメント別の製品・サービス分類は次のとおりです。
当第1四半期連結会計期間より、報告セグメント区分を変更しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」の「3.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分にて組み替えた数値で比較をしております。
2022年3月より当社の連結子会社となったブロックチェーンR&D企業のチューリンガムによる収益獲得が順調に進んでおります。また、当社グループが開発に関与し納品済みであるNFT(※)マーケットプレイス、株主様向け議決権行使プラットフォーム、暗号資産のレンディングサービスアプリケーション、暗号資産を対象にしたAPI連携による自動トレーディングシステム等のブロックチェーン技術を用いたプロダクトについて、クシムインサイトが保守運用により継続的に収益を獲得しております。
また、チューリンガムは、ブロックチェーン技術や暗号理論を用いたR&Dをベースとしながら、ブロックチェーン開発支援や受託開発、トークンエコノミクスと言われる暗号資産をどのようにサービスやプロジェクトの中で利活用するのかというトークンのデザインやマーケットへの供給を行う際に誰にどのように分配を行なっていくかなどの専門的なコンサルティングを行なっております。第3四半期については引き続き、暗号資産Cosplay Tokenのコンサルティング契約にかかる売上に加え、暗号資産のSkeb Coinのコンサルティングをはじめとして、様々なプロジェクトのコンサルティングや支援を実施しました。また、Secret Networkというデータの秘匿が可能なブロックチェーンを活用した事業をweb3テクノロジーズと共に立ち上げ、収益化に向け推進しております。
以上の結果、売上高424百万円(前年同四半期比352百万円のプラス)、EBITDA185百万円(前年同四半期比164百万円のプラス)、セグメント利益85百万円(前年同四半期比68百万円のプラス)となりました。
なお、クシムインサイト、チューリンガム及びSEVENTAGEの株式取得に伴うのれん償却額94百万円は当セグメント利益に含めております。
※ Non-Fungible Token の略語。代替の可能性のないブロックチェーン上のトークンです。
当社が1997年の創業時より提供をして参りました法人向け学習管理システムである「iStudy LMS」及び「SLAP」、及びEラーニングコンテンツの製造販売に係る事業は、2022年5月25日付「事業譲渡に関するお知らせ」にて公表の通り、2022年7月1日付で予定通り事業譲渡が完了しました。創業以来、延べ2,000社・100万人以上のITエンジニアのスキルアップやキャリア形成を支援させて頂いた本事業は、ステークホルダーの皆様にもご支援頂きながら当社の成長を支え続けて参りました。今後は、譲渡先である株式会社ODKソリューションズにおいて本事業は継続して行われます。
クシムソフトは、SES事業及びシステムの受託開発事業を担っており、同社ではニーズの高いオープン系を中心としたIT技術者の採用と育成により、顧客システム開発の支援、エンジニア派遣事業を拡充しております。当四半期においては、参画中のプロジェクトにおいての継続した取引が続いたことに加えて中途採用者に関しても該当プロジェクトの増員にてリードタイムが無かったこと、さらには継続して当グループ各社のシナジーにて新しいマーケットの開拓を積極的に続けた結果、計画していた目標稼働率を超える稼働率を実現しました。また継続してエンジニアのスキルアップに向けた社内教育を続けたことで参画プロジェクトの業務内容拡大と市場価値向上を達成させ、部門黒字はさらに拡大いたしました。この好循環を引き続き継続してまいります。
受託開発においては、先端分野(AIやブロックチェーンを活用したシステム)に対する画面等の開発納品後の運用保守案件を継続しております。さらにシステムのバージョンアップ対応、新規受託開発案件の獲得等、案件レコードを積み重ねていることで部門黒字を継続しております。
なお、同社での先端分野に対するプロジェクトの関わりは、プロジェクト進行と共に高度IT技術者の育成の場としてグループ事業と業績にも寄与しております。
ケア・ダイナミクスは、介護事業者向けASPサービスを中心に、介護業界にIT技術を導入することで成長をしてきました。ASPサービスの「Care Online」は、介護現場における国保請求等の業務負荷軽減が出来るサービスであるため、2006年にサービスを開始以来、多くのユーザーにご利用いただいております。保守運営をクシムソフト島根事業所開発センターに移管したことで、一部外注していたメンテナンス業務を自社内で完結できるようになり、経営効率の改善を図りました。第2四半期に引続き販売網拡大に向けて、他社システムとの連携機能開発及び紹介パートナー企業開拓のための活動に注力しております。
以上の結果、売上高644百万円(前年同四半期比664百万円のマイナス)、EBITDA81百万円(前年同四半期比64百万円のマイナス)、セグメント利益24百万円(前年同四半期比55百万円のマイナス)となりました。
なお、クシムソフト及びケア・ダイナミクスの株式取得に伴うのれん償却額41百万円は当セグメント利益に含めております。
ライツ・オファリングにより発行する第8回新株予約権、及び行使価額修正条項付株式会社クシム第9回新株予約権の行使による調達資金を充当した暗号資産運用において、複数の暗号資産への投資を実行した結果、グループ全体で110百万円超の収益獲得に至りました。なお、暗号資産市場はマクロ経済全体の減退による影響を受ける可能性があり、今後もその影響を注視して運用をしてまいります。
M&A及び資本提携による事業投資につきましては、2022年3月2日を効力発生日としてチューリンガム及びSEVENTAGEを連結子会社化し、収益貢献をしております。引き続き、M&A仲介企業やデータベースを用いたM&A仲介サービスを活用し候補となる企業のソーシングを継続し、事業承継やバイアウトを目指す企業の増加に伴う譲渡金額相場の上昇傾向に対して、財政状態や将来の獲得キャッシュ・フローに基づく適切な企業価値によるM&Aを推進して参ります。
以上の結果、売上高113百万円(前年同四半期比115百万円のプラス)、EBITDA113百万円(前年同四半期比115百万円のプラス)、セグメント利益113百万円(前年同四半期はセグメント損失1百万円)となりました。
資産、負債及び純資産の状況
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて2,792百万円増加し6,586百万円となりました。
流動資産の残高は前連結会計年度末に比べて732百万円増加し2,694百万円となりました。これは主に暗号資産が751百万円増加し、商品及び製品が38百万円減少したことによるものであります。
固定資産の残高は前連結会計年度末に比べて2,059百万円増加し3,891百万円となりました。これは主にのれんが2,022百万円増加、投資有価証券が414百万円増加、ソフトウェアが93百万円減少、長期貸付金が285百万円減少したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて45百万円減少し682百万円となりました。
流動負債の残高は前連結会計年度末に比べて64百万円増加し347百万円となりました。これは主に買掛金が49百万円増加、預り金が37百万円増加、未払法人税が26百万円増加、前受収益が48百万円減少したことによるものであります。
固定負債の残高は前連結会計年度末に比べて109百万円減少し334百万円となりました。これは主に長期借入金が39百万円減少、繰延税金負債が20百万円減少したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における純資産は前連結会計年度末に比べて2,837百万円増加し5,903百万円となりました。これは行使価額修正条項付新株予約権付社債券等に係る新株予約権の行使及び株式交換による資本金が218百万円増加、資本剰余金が2,010百万円増加、及び当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益474百万円を計上したことにより利益剰余金が474百万円増加したことによるものであります。
セグメント間の比較可能性の確保及び実態収益を把握する観点から、経営上の目標の達成状況を判断する指標としてEBITDAを設定しております。なお、EBITDAは営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加算して算出しております。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの対処すべき課題について重要な変更はありません。
該当事項はありません。
当社の連結子会社である株式会社クシムソフトは、2022年4月27日開催の取締役会において、2022年6月1日付でクシムソフトが保有する投資有価証券等を切り離して新設会社である株式会社web3テクノロジーズに権利義務を承継させる会社分割(分割型分割)を実施、実施後にクシムソフトが保有するweb3テクノロジーズ株式をクシムソフトの親会社である株式会社クシムインサイトに配当、クシムインサイトの完全子会社とすることを決議し、同年6月1日に会社分割(分割型分割)を実行いたしました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)(分割型分割による子会社の設立)」に記載のとおりであります。
当社は、2022年5月25日開催の取締役会において、当社が運営するEラーニング事業及びLMSサービスを株式会社ODKソリューションズに譲渡する事業譲渡契約について決議、同年5月31日付で事業譲渡契約を締結し、同年7月1日に実行いたしました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)(事業分離)」に記載のとおりであります。
当社の連結子会社であるチューリンガム株式会社及び株式会社SEVENTAGEは、2022年5月16日開催の取締役会において、チューリンガム株式会社を存続会社、株式会社SEVENTAGEを消滅会社とする吸収合併を決議し、同年7月1日に実行いたしました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(共通支配下の取引等)」に記載のとおりであります。