第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 a 経営理念

 「簡単、迅速、安全に!お客様のビジネスワークスタイルの変革に貢献する。」であります。最先端ITソリューションを常に追い求め、お客様に利便性向上とセキュリティ強化を実現する製品・サービスをお届けしてまいります。

 b アセンテック社員 5つのコミットメント

  イ チームワーク

営業、SE、マーケティング、管理が一丸となり、「Team Ascentech」としてお客様をご支援いたします。

  ロ 即応性

シンプルかつコンプライアンスを遵守した意思決定プロセスのもと、迅速に、お客様のご要望に対応いたします。

  ハ スキル

常に最新の技術を察知・習得し、お客様に最新情報をお届けいたします。 さらに個々のスキル向上を目指し、高品質なサービスを提供いたします。

  ニ フェアネス

他社、他製品の誹謗中傷はいたしません。技術的見地にたって、公正かつ中立的な立場で、お客様に最適解をお届けいたします。

  ホ コスト意識

社員全員がコスト意識をもち徹底して無駄を排除いたします。原価低減を図り、お客様により使い易い料金体系で製品・サービスを提供いたします。

 

上記を当社グループ社員のコミットメントとし、お客様目線にたって事業展開を行っております。

 

(2)目標とする経営指標

   当社グループは、売上高及び経常利益を重要な経営指標と位置づけております。

更なる自社製品の開発や、継続収入ビジネスの拡大を図り、技術的付加価値の高い製品及びサービスを提供することで、これらの指標の向上を図っていきたいと考えております。

 

(3)経営戦略及び経営環境

 当社グループの主力事業である仮想デスクトップは、社会的な課題となっている以下の3つの問題を解決できる先進的かつ効果的なテクノロジーであると考えております。
  ・ 情報漏洩、盗難事故等「情報セキュリティ問題」
  ・ 在宅ワークやハイブリッドワークを促進する「ワークスタイル変革」
  ・ 電子機器を含めた温室効果ガスの削減「ESGへの取組」

 当社グループは仮想デスクトップに関連した製品サービスの販売やシステムインテグレーションに特化していることで、競争優位性があると考えております。
 具体的には、仕入先とは、良好な関係構築としてディストリビュータ契約や独占販売権の確保、業務提携などを行っております。また販売網としては、大手システムインテグレータや全国をカバーするIT販売会社、地方の有力なパートナーなどとの長年の取引実績と信頼関係があること、加えてお客様のニーズに応えた自社製品の開発と供給、及び専門性を高くご評価をいただけるシステムエンジニアを多数擁していることも、競争優位性に寄与していると考えております。

 ワークスタイルとして、在宅ワーク・ハイブリッドワークを併用する企業が増加している中、当社グループの具体的な経営環境につきましては以下のように認識しております。
  ・ サイバーセキュリティ脅威の高まりに加え、Windows 10のサポート終了が迫っていることから、各業界

  における仮想デスクトップ需要は引き続き拡大
  ・ 在宅ワーク・ハイブリッドワークはワークスタイルとして定着
  ・ 企業におけるランサムウェア被害増加を受け、ランサムウェア対策が急務

  ・ クラウドサービスの普及に伴い、マルチクラウドとオンプレミスのハイブリッド化が進む中、新たなサ

   イバー攻撃のリスクが高まっています。これにより、従来と異なるセキュリティ対策の強化が求められ、

   新たなセキュリティシステムの需要が高まると予測
   このような環境の中、当社グループといたしましては以下の施策を推進してまいります。

   ・ 株式会社CXJをはじめ、ソリューションのラインナップの拡充を図り、300社を超えるパートナー様と

   共に、需要が堅調な地方自治体と金融機関を含め、あらゆる業界に仮想デスクトップソリューションの展

   開を推進
  ・ 仮想デスクトップ案件増に伴いエンジニアの採用・育成を強化
  ・ 自社製品「リモートPCアレイ」の官公庁や地方自治体の需要増に対応したさらなる販売体制の強化

  ・ 新たなセキュリティソリューション「Forcepoint」をはじめ、グローバルパートナーとの事業提携を引

   き続き推進

  ・ 将来的に最適なセキュアモデルの実現に向け、「SaaS Secure Client」の開発を強化

 また、当社グループはストックビジネスを拡大し、持続的成長企業の実現と、 M&A及び戦略的事業提携による事業拡大の実現に取組み、持続的な成長の実現を図ってまいります。

 

 

(4)対処すべき課題

 当社の更なる成長に向けた対処すべき主要な課題は、以下の項目と認識しております。

① ストックビジネスを拡大し、持続的成長企業の実現

 当社は安定的な収益基盤を一層強固なものにするため、ストックビジネスの拡大に取り組んでおります。

 具体的な戦略として、継続ライセンスビジネスの拡大や、自営保守サービスの拡大があり、次の取扱製品に注力してまいります。

- 継続ライセンスビジネスの拡大

・ Citrix, NetScaler 拡販

・ Resalio Lynx 新製品開発

・ SSC: SaaS Secure Client 開発

・ App配信サービス CloudPaging 拡販

・ DLPソフトウェアForcepoint 拡販

- 自営保守サービスの拡大

・ リモートPCアレイ保守

・ Quantum社バックアップストレージ保守

・ NetScaler(ネットワーク機器)保守

 

② M&A及び戦略的事業提携による事業拡大の実現

 当社が更なる成長を遂げるためには、テクノロジーパートナーと販売パートナーとのアライアンスが必要であると考えております。

 具体的な戦略として、高収益自社製品ラインナップ強化に向けたM&A、事業提携や、拡販に向けた事業提携パートナーとの資本・業務提携等、戦略的投資があり、次の取り組みに注力してまいります。

- 高収益自社製品ラインナップ強化に向けたM&A、事業提携

・ グローバル、国内の先進テクノロジーパートナーとの事業提携

・ 自社ソリューション確保に向けたM&A

・ 研究開発投資(e.g.リモートPCアレイ)

- 拡販に向けた事業提携

・ 特定セグメントや地域に強みをもつ販売協業パートナーとの事業提携

・ エンジニアリソース確保に向けた事業提携

 

 なお、当連結会計年度では、2024年9月25日付で開示しているとおり米Cloud Software Group,Inc.と戦略的パートナー契約を締結いたしました。当該資本業務提携に伴いCloud Software Group社製品の国内での取り扱いを全面的に進めるため、株式会社CXJを設立し、2025年3月3日より事業を開始しております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、働くすべての人々が安全で快適なITインフラを利用できる社会を実現するため「簡単、迅速、安全に!お客様のビジネスワークスタイルの変革に貢献する」との経営理念を掲げ、最先端ITソリューションを常に追い求めております。

 利便性向上とセキュリティ強化を実現する製品・サービスをお届けし、お客様、株主様、お取引先様、社員等のすべてのステークホルダーと共に、様々な社会課題の解決に取組み、持続可能な社会の実現に積極的な役割を果たしてまいります。

 また「環境への取組み(Environment)」「持続可能な社会の実現(Social)」「ガバナンス体制の強化」に取組みながら、成長に向けた戦略の立案と実行を進めて、より一層のサステナブルな成長企業を目指してまいります。

 当社グループは、企業活動・事業活動においてサステナビリティに積極的に取組むことは新たな事業機会創出の機会となり得るとの認識のもと、当社及び当社グループとしての考え方を明確にするとともに、サステナビリティに関する様々な取組みをより一層推進すべく「サステナビリティ基本方針」を策定し、これを取締役会にて決議しております。

(サステナビリティ基本方針:https://www.ascentech.co.jp/corp/sustainability.html)

 また、当社グループは、人材の多様性の確保を含む人材育成の推進の観点から、人権を尊重しさまざまな人権課題に対して積極的に取組んでいくことが重要な社会的使命の一つであると考えております。当社グループは、人権を尊重し、差別や個人の尊厳を傷つける行為は行いません。当社グループの「行動規範」の第一項にも定めております。

 また、「人権の尊重」の実効性を高めるため、就業規則や内部通報規程で規定し、法令順守に努めております。

(人権の尊重:https://www.ascentech.co.jp/sustainability/social.html#s1)

 

(2)戦略

① 気候変動

a テレワークを中心とした働き方改革の実現

 働き方改革として、在宅ワーク、ハイブリッドワークが推奨されています。また、諸外国に比べ首都圏一極集中による過酷な通勤事情もあり、ストレスを低減する新しい働き方も求められております。

 こうした中、在宅ワーク、ハイブリッドワークの拡大により、通勤や移動にかかるエネルギー消費量の削減も期待できます。当社グループが提供する仮想デスクトップ技術は、在宅ワークを実現するうえで高いセキュリティと利便性を有したキーテクノロジーで多くの企業で採用されつつあります。この仮想デスクトップ技術を全社員が活用すると同時に、さらに多くのお客様に利用いただくことで、温室効果ガス削減に貢献してまいります。

b 産業廃棄物の削減に向けた取組み

 ITシステムの重要な要素として、PC、スマホ、タブレット等エンドポイントシステムがあります。その中で、PCは短期間で新型のOSが開発されることで、3-5年と短期間で陳腐化し、廃棄され、非常に多くの産業廃棄物を生んでおります。一方、企業ユーザーは、アプリケーションを実行することが目的であり、新OSや大きなハードウェアリソースを求めていません。

 当社グループは、既存のPCや旧型のPCを再利用し、シンクライアント端末として再生させる、ソフトウェア型のシンクライアントOS「Resalio Lynx(レサリオリンクス)」を開発提供しております。これにより、PCのライフサイクルを1.5~2倍に伸ばすことが可能となり、産業廃棄物を大幅に削減し、地球環境問題の解決に貢献します。当社グループは、このOSの開発を継続発展させてまいります。

 これらを具体化するため、関連部門毎に環境目標を設定し、進捗評価、達成度評価を行います。顧客要求、関連法規制等、当社グループが守るべき要求事項を順守し、環境保護に取組みます。また環境マネジメントシステムを継続的に改善し、成果を向上させて参ります。

 

② 人材の多様性の確保を含む人材育成

 当社グループは、社員の柔軟な働き方への取組みや、多様な外部研修制度の整備、ダイバーシティ&インクルージョンの実現を通じて、高度なプロフェッショナル人材の育成に努めてまいります。

 また、当社グループは、中長期的な企業価値を向上させるためには、多様性を確保し続けるとともに、国籍・ジェンダー・年齢・障がいの有無等に関わらずあらゆる人材が活躍できる環境づくりに努めることが重要であると考えております。

 当社グループは、社員一人ひとりの価値観を互いに尊重し合う職場環境や、多様な人材が公平に活躍でき、最大限にパフォーマンスを発揮できる制度設計を構築することで、組織と人材の力を最大限に生かす企業風土を醸成します。

 人材育成においては、豊富なプロジェクトによる業務経験を通じたOJT(On the Job Training)を中心に、年間を通して外部トレーニング(職種/階層/在籍期間別)を実施してまいります。

 

③ 社内環境整備

 当社グループは在宅勤務制度などの働きやすい環境を提供し、社員のエンゲージメントを高めることで、お客さまに対してより良いサービスを提供できるものと考え、社内環境整備の向上に力を入れております。このような考え方のもと、各社員のワークスタイルに合わせた多様かつ柔軟な労働環境を提供し、社員一人ひとりに仮想デスクトップで構築した安心、安全なテレワーク、在宅勤務環境を提供しております。

 

④ 組織の活性化

 当社では、すべての従業員の78%以上が中途採用による入社者です。現在、その多くが各部署において中核的な役割を果たしております。当社は、性別・国籍・採用経緯等とは一切関係なく、職務遂行に必要な人格、経験、能力及び知見等を有している人物を、管理職へ登用しており、中途採用者の管理職登用に関しても一切の差別をしておりません。その結果、本書提出日現在では、全管理職に占める中途採用者の比率が、94%を超える水準となっており、常に新しい考え方、新しい取組み、新しい観点を持つ人材の流入させることで、組織の活性化を図られ、結果事業機会の新たな創出に繋がっていると考えており、当社グループ全体にて推進していきたいと考えております。

 

(3)リスク管理

 当社は、リスク管理を経営上きわめて重要な活動と認識しております。全社的なリスク管理に関しては、リスク管理委員会が中心となり、全社横断的にリスク管理に取組んでおります。中期経営計画に基づき事業規模を拡大する中で、グループ会社の増加など経営環境の変化に対応すべく適切に要員を配置し、グループ内のみならず外部のリソースも適宜活用しながらリスク管理を推進しております。

 サステナビリティに関するリスク管理については、全社的なリスク管理の一環として推進状況及び推進を阻害する要因の把握を務めるとともに、連結対象子会社を中心とした主要グループ会社までスコープを広げ、リスク情報の収集と分析を行っております。また、重要と判断するリスクについては、その重要性に応じて、取締役会に報告をしております。

 

(4)指標及び目標

●気候変動

 当社グループでは、事業活動におけるCO2/GHG(温室効果ガス)排出量(Scope1+Scope2)を2030年度までに2020年度比で42%削減(1.5℃水準)を目標に、主要グループ会社における排出量の総量をモニタリングしております。過去のモニタリング結果は、当社サステナビリティサイト(https://www.ascentech.co.jp/sustainability/environment.html)にて開示しております。

●人材の多様性の確保を含む人材育成

 当社グループでは、女性活躍推進を進めるなかで、各種女性比率の向上に加え、管理職を担う女性社員を増やし、本書提出日現在ではすべての従業員177名中、37名が在籍(20.9%)、うち、3名は管理職(1.7%)として活躍しております。中長期の目線で、女性社員比率を25%程度にすることを目指し、女性が活躍できる環境づくりを進め、将来的に経営の意思決定に関わる女性社員を増やしていきます。また、当社では国籍を問わず多国籍な人材採用を継続的に進めてきており、本書提出日現在ではすべての従業員177名中、7名が在籍(4.0%)、うち、2名は管理職として活躍しております。海外テクノロジーベンダーとのコミュニケーションを強化するため、中長期の目線で、外国籍の比率を、10%程度にまで高めていく予定です。

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)事業環境並びに事業の内容に関してのリスク

① 技術革新への対応について

 当社グループは、現状、最先端の技術革新の把握に支障を来したことはありませんが、仮想化ソリューション市場は技術革新のスピードが速いため、当社グループが技術革新に対応できない場合には、業界標準に対応できない或いは顧客ニーズを捉えられないことなどにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合について

 当社グループのITインフラ事業では、事業者間の受注競争が激しい状況にあり、今後も一層の激化が想定されます。当社グループにおいては、ネット広告、セミナー開催、海外ベンダーとの関係強化、業界における導入ノウハウと技術者によるパートナー支援、きめ細かな顧客対応等により競争力を維持・向上させていく方針でありますが、競合他社との差別化が困難となった場合には、受注や採算性の確保が困難となり、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 取引依存度の高い相手先について

a 販売先

 当社のITインフラ事業では、顧客企業のITインフラの導入時期に応じて、特定の取引先への販売金額への依存度が高くなることがあります。株式会社日立製作所への売上金額及び当該売上金額の総売上金額に対する割合は下表のとおり高い状況となっております。今後も、パートナー数の拡大により、特定の案件への依存度を低下させていく方針であります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年2月1日

至 2024年1月31日)

当連結会計年度

(自 2024年2月1日

至 2025年1月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社日立製作所

9,899

0.2

1,773,696

12.2

 

b 仕入先

 当社は受注する製品によって、特定の取引先への仕入金額への依存度が高くなることがあります。シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社、Atrust Computer Corporationへの仕入金額及び当該仕入金額の総仕入金額に対する割合は下表のとおり高い状況にあります。

 上記取引先を含む主な仕入取引先とは、良好な関係を構築しておりますが、万一、取引が解消される場合や取

引条件が大幅に変更される場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年2月1日

至 2024年1月31日)

当連結会計年度

(自 2024年2月1日

至 2025年1月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社

2,186,646

50.9

7,482,952

63.6

Atrust Computer Corporation

606,187

14.1

2,233,462

19.0

 

④ 仕入先との代理店契約について

 当社グループは、主な仕入先と「代理店契約」を締結しています。これらの契約は、独占・非独占に関わらず、仕入先側の通告により、契約期間の満了により終了することがあります。仕入先毎に、終了条件の有無、事前通告の要不要、その期間・手段等に相違があり、当社グループがその対抗策・代替手段を検討する期間にも相違が出ることが考えられるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、Cloud SoftwareGroup,Inc.と締結した戦略的パートナー契約では、Cloud Software Group,Inc.社の製品に関して、一定の販売期間の見込収益に合わせて、一定の金額を支払うことが条件となっており、2025年3月3日付で、約120億円の資産および負債を計上処理することとしております。金額については未確定であり、現時点では暫定金額であります。当該見込収益を十分に獲得できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 品質管理について

 当社グループが行っているITインフラ事業について、仮想デスクトップ環境を構築するために用いられるソフトウエアは、顧客の基幹業務システムに組み込まれて用いられております。当社グループは、システムの構築に当たって、ソフトウエアを仕入れた段階で当社グループが独自に定めた品質テストを行うことに加え、客先でのシステム構築作業が完了した時点においても顧客と合意をした品質テストを行って最終確認を実施することとしており、システムの品質管理には細心の注意を払っております。

 当社グループは、顧客から案件を受託する際に締結する契約に免責条項を設ける場合もありますが、顧客の基幹業務システム等に組み込まれた当社システムが不具合を起こした場合、顧客より損害賠償請求を受けることなどにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 販売管理について

 商品販売は出荷時から当該商品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合は出荷時点に収益を認識するなど、取引の性質に応じて認識時点が異なることから、適切な期間に売上計上が行われないリスクがあります。ソフトウェア販売は物理的な移動を伴わない取引であり、顧客が利用できる状態になった時点の判断によっては、適切な期間に売上計上が行われないリスクがあります。また、当社の販売管理は、販売管理システムで集計された情報をもとに会計システムへ仕訳入力されることから、売上計上を誤るリスクがあります。

 対策としましては、商品販売及びソフトウェア販売においては、適正な処理を行うために案件ごとに取引の性質を確認し、判断して処理するなどの統制を適切に整備し運用しております。また、販売管理システムで集計された情報においては、多角的な分析やチェックを行うなどの統制を適切に整備し運用しております。

 

⑦ 為替リスクについて

 当社グループは、海外から仕入れるソフトウエア、ハードウエアの代金を米ドル建てで仕入れております。当社グループの業績は、為替変動の影響を受ける可能性がありますので、為替変動リスクを回避し、安定的な利益の確保を目的に為替予約を行うことを基本として対応しております。今後、当社グループの事業拡大に伴って、外貨建て取引の数量割合が増加して、適切に為替変動リスクを回避することができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 法的規制について

 当社グループの事業に関係する法律として、「個人情報の保護に関する法律」「労働者派遣事業の適切な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)」「電器用品安全法」等の関連法令による規制の適用を受けております。当社グループでは、これらの関連法令の遵守に努めておりますが、万が一法令違反に該当するような事態が発生した場合や、当該法令の変更や新たな法令の施行等により事業上の制約を受けるような場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)組織・体制、その他に関してのリスク

① 小規模組織であることについて

 当社は本書提出日現在、監査等委員でない取締役4名(うち非常勤取締役2名)、監査等委員である取締役3名(うち非常勤取締役2名)、従業員86名と組織規模が小さく、内部管理体制や業務執行体制も当該組織規模に応じたものとなっております。従って、当社の役員や従業員が病気や怪我等により業務を遂行する上で支障が生じた場合や転職等により人材が社外に流出した場合には、当社の業務に支障が生じる可能性があります。

 現在、当社グループは、より組織的な社内管理体制を整備・運用するように努めておりますが、適切かつ充分に組織的な対応ができるか否かは不確実であり、当社グループの事業遂行及び拡大に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは今後とも外部からの採用と従業員の人材育成に努め、内部管理体制及び業務執行体制の強化を図る所存でありますが、急激な業務拡大が生じた場合、充分な人的・組織的対応が取れない可能性があります。また、今後の人員増加に伴い、先行して一時的に人件費負担が増加する場合も想定され、そうした場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 取締役会長及び代表取締役社長への依存について

 当社は小規模であることもあって、取締役会長である佐藤直浩及び代表取締役社長である松浦崇が中心となって、経営方針や事業戦略の決定、事業計画の立案と推進を行っており、両氏は、当社グループが事業を遂行する上で、重要な役割を果たしております。また、当社グループの事業運営における両氏の知識や経験、当社グループの株主や取引先との関係についても、両氏に多くを依存している状況となっております。

 このため、当社グループでは、両氏への過度な依存を改善すべく、事業体制において全社的な組織の構築や人材の育成に努めております。今後、これらの諸施策に取組むことや当社グループの実績を積み上げることにより、両氏の知識や経験に過度に依存することなく、円滑に事業を遂行することが可能となると考えております。

 ただし、当面の間は、両氏への依存度が高いままの状態で推移すると見込まれます。現時点で両氏が退任する予定はありませんが、両氏が理由の如何に関わらず当社業務を継続することが困難となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 人材の確保について

 当社グループが行う事業は、ハードウエアとソフトウエア並びにネットワークを統合するというシステム全体のインテグレーションに関わる広範な知識と経験、技術を備えた人的資本により成り立っております。そのため既存の従業員に加えて、優秀な人材を確保・育成することは、今後、当社グループが事業を拡大する上で極めて重要であると認識しております。

 また、優秀な人材の確保や従業員のインセンティブのために、能力主義やストック・オプションなどを取り入れた報酬プログラムを実践しております。しかしながら、現在在職している人材が流出するような場合、または当社グループの求める人材が充分に確保できなかった場合、今後の事業展開も含めて事業拡大及び将来性に影響を及ぼす可能性があります。

 また、人材の獲得が順調に行なわれた場合でも、人件費、設備コスト等固定費が増加する場合も想定され、その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 大株主との関係について

 本書提出日現在、当社の筆頭株主である永森信一氏が所有している株式数は、3,281,600株存在し、発行済株式総数(自己株式数を除く。)の23.45%に相当します。また、永森信一氏が発行済株式の100%を所有する株式会社システム・ビットの取締役である萬歳浩一郎は、当社の取締役を兼任しております。なお、当社の取締役である萬歳浩一郎は、永森信一氏の二親等内の親族であります。

 永森信一氏は現時点においては、当社株式を中長期的に保有する方針ですが、今後の株価の推移等によっては比較的短期に売却する可能性もあり、当該株式の売却が市場で行われた場合や株式市場での売却の可能性が生じた場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場での売却ではなく特定の相手先への譲渡を行った場合には、当該譲渡先の保有株数や当社に対する方針によっては、当社の事業戦略等に影響を与える可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

 ①経営成績の状況

 当連結会計年度(2024年2月1日~2025年1月31日)は、引き続き、ワークスタイルとしてハイブリッドワークの定着が進んでいると考えております。さらに、サイバーセキュリティの脅威の高まりから、セキュリティを守りつつテレワークが可能な仮想デスクトップの需要も引き続き、拡大していると考えております。

 当連結会計年度においては、事業戦略の一つである「自社製品の開発と展開」において、「Resalio Lynx」と「リモートPCアレイ」を自治体向けに加え、金融機関向けのプロモーションも実施しております。さらに自社製品以外でも、生成AI市場向けの新規事業として、G-Core Labs S.A.とパートナー契約を締結し、益々増大する生成AI のコンピューティングノードをクラウドで提供する「Gcore Edge AI」の提供を開始し、顧客のニーズに対応すべく、営業活動に注力いたしました。また、新たな自社製品として、ランサムウェアなどのセキュリティリスクを徹底防御するSaaS専用クライアント「SaaS Secure Client(SSC)」を発表しました。

 二番目の事業戦略である「ストックビジネス(継続収入)の拡大」においては、引き続き、金融機関、医療、地方公共団体等、業界に特化し、その業界における、お客様導入事例の横展開を図り、「リモートPCアレイ」などの自営保守サービスを含めた自社製品の売上拡大に注力したことや、プロフェッショナルサービスの拡大、ならびに仮想デスクトップソフトウェア製品のクラウドサービス向けライセンス(CSP)の販売方法が月単位から年単位に変更されたことに伴い、当該ライセンスの受注および売上が、契約数一括で計上されたことで、当連結会計年度の売上ベースでは2,543,933千円となりました。また、新規受注ベースでも2,725,911千円となり、今後の売上、利益に寄与してまいります。

 三番目の事業戦略である「戦略的事業・資本提携の拡大」においては、当連結会計年度より、連結子会社化した株式会社ワンズコーポレーション及び株式会社エスアイピーを連結の範囲に含めたことが、引き続き事業拡大に寄与してまいります。さらに、Cloud Software Group,Inc.との資本業務提携により、株式会社CXJを設立し、2025年3月3日より業務を開始いたしました。仮想デスクトップソリューション及びセキュリティソリューション事業のさらなる拡大に努めてまいります。

 当連結会計年度の売上高におきましては、仮想デスクトップ事業領域において、前連結会計年度と比べ、官公庁を含む複数の大型案件などにより、シンクライアント端末の売上が大幅に増加したことや、仮想デスクトップの需要が堅調で、多くの仮想デスクトップ案件の納品が完了し、大幅な増収の要因となっております。利益面におきましては、増収の影響から仮想デスクトップ事業領域の売上総利益が伸びたことや、自社製品である「リモートPCアレイ」の売上高が増加したことなどにより、大幅な増益となっております。

 また、利益面におきましては、当連結会計年度も、円安等によるコスト増の影響を受けているものの、受注時の為替予約(為替ヘッジ)の実施により、為替差益337,213千円を計上しております。

 これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高14,586,903千円(前年同期比134.3%増)、営業利益868,016千円(前年同期比42.9%増)、経常利益1,218,345千円(前年同期比73.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益859,628千円(前年同期比78.9%増)となりました。

 なお、当社グループはITインフラ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

 ②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は、9,309,625千円と前連結会計年度末に比べて4,688,053千円の増加となりました。これは、主に現金及び預金が3,771,203千円、売掛金が629,253千円増加したためであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末の負債合計は、5,106,661千円と前連結会計年度末に比べて3,605,958千円の増加となりました。これは、主に買掛金が3,127,159千円、契約負債が221,770千円増加したためであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産合計は、4,202,964千円と前連結会計年度末に比べて1,082,095千円の増加となりました。これは、主に配当金の支払132,758千円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益859,628千円の計上により利益剰余金が増加したためであります。

 

 ③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、3,771,203千円増加し、6,007,969千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、3,635,425千円(前連結会計年度は、855,467千円の収

入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,204,816千円の計上、仕入債務の増加額3,103,149千円があった一方で、売上債権の増加額579,445千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動により支出した資金は、116,739千円(前連結会計年度は、84,101千円の支

出)となりました。これは主に、敷金及び保証金の差入による支出87,916千円が生じたことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動により得られた資金は、255,653千円(前連結会計年度は、92,664千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額132,537千円があったものの、株式の発行による収入374,629千円が生じたことによるものであります。

 

 ④生産、仕入、受注及び販売の実績

 a 生産実績

 当連結会計年度の生産実績を示すと以下のとおりであります。なお、当社グループはITインフラ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の生産実績の記載は省略しております。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年2月1日

至 2025年1月31日)

前年同期比(%)

ITインフラ事業    (千円)

679,961

128.0

 (注)金額は製造原価によっております。

 

 b 仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績を示すと以下のとおりであります。なお、当社グループはITインフラ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の仕入実績の記載は省略しております。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年2月1日

至 2025年1月31日)

前年同期比(%)

ITインフラ事業    (千円)

11,770,140

174.1

 (注)金額は仕入価格によっております。

 

 c 受注実績

 当連結会計年度の受注実績を示すと以下のとおりであります。なお、当社グループはITインフラ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の受注状況の記載は省略しております。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ITインフラ事業

13,037,693

67.2

966,560

△59.8

 (注)金額は販売価格によっております。

 

 d 販売実績

 当連結会計年度の販売実績を示すと以下のとおりであります。なお、当社グループはITインフラ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載は省略しております。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年2月1日

至 2025年1月31日)

前年同期比(%)

ITインフラ事業    (千円)

14,586,903

134.3

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2023年2月1日

至 2024年1月31日)

当連結会計年度

(自 2024年2月1日

至 2025年1月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ピー・ビーシステムズ

857,580

13.8

909,208

6.2

株式会社日立製作所

9,899

0.2

1,773,696

12.2

 

(2)経営者の視点による経営成績等に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、以下の記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、連結会計年度における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a. 経営成績等

 1) 経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は14,586,903千円となり、前連結会計年度より、8,360,535千円の増加となりました。主な要因は、仮想デスクトップ事業領域において、前連結会計年度と比べ、官公庁を含む複数の大型案件などにより、シンクライアント端末の売上が大幅に増加したことや、仮想デスクトップの需要が堅調で、多くの仮想デスクトップ案件の納品が完了したことにより、増収となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は12,886,355千円となり、前連結会計年度より、7,852,391千円の増加となりました。以上の結果、当連結会計年度の売上総利益は1,700,547千円(前連結会計年度に比べ508,143千円増加)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、832,531千円となり、前連結会計年度より、247,409千円の増加となりました。その主な要因は、当連結会計年度より株式会社ワンズコーポレーション及び株式会社エスアイピーを連結の範囲に含めたことによる人員増や昇給等による給与手当の増加86,283千円や支払手数料の増加43,373千円などがあったことによるものです。以上の結果、当連結会計年度の営業利益は868,016千円(前連結会計年度に比べ260,734千円増加)となりました。

 

 

(営業外損益、経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は361,634千円となりました。主な要因は、受取利息8,450千円や為替差益337,213千円です。営業外費用は11,305千円となりました。以上の結果、当連結会計年度の経常利益は1,218,345千円(前連結会計年度に比べ516,092千円増加)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 特別損失は13,529千円となりました。その内訳は、投資有価証券評価損12,499千円、固定資産除却損1,029千円です。法人税等合計は、345,187千円となりました。以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は859,628千円(前連結会計年度に比べ379,027千円増加)となりました。

 

 2) キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

3) 資本の財源及び資金の流動性
 当社グループの主な資金需要のうち主なものは、売上原価の仕入代金及び外注費、労務費や、販売管理費の人件費などの運転資金であります。これらの所要資金については、自己資金により充当しております。
 ただし、大規模プロジェクトなどの案件によって、仕入代金の支払が、一時的に売掛金回収より先に到来する場

合には、金融機関からの調達を行うこととしております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、6,007,969千円であり、当面の資金需要に十分対応できる資金を保有しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、2024年9月25日に開催の取締役会において、Cloud Software Group,Inc.との間で資本業務提携を行うとともに、同社を割当予定先とする第三者割当による新株式の発行を行うことについて決議し、戦略的パートナー契約書と投資契約書の締結を行いました。なお、戦略的パートナー契約では、Cloud Software Group,Inc.社の製品に関して、一定の販売期間の見込収益に合わせて、一定の金額を支払うことが条件となっており、2025年3月3日付で、約120億円の資産および負債を計上処理することとしております。金額については未確定であり、現時点では暫定金額であります。

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度の研究開発活動は、従来どおり、「簡単、迅速、安全に!お客様のビジネスワークスタイル変革に貢献する。」をミッションとして、より高いセキュリティと利便性の高いIT環境を提供できる製品を開発すべく、研究を日々積み重ねております。

 ITインフラ事業において、自社開発独自製品である既存のPCにUSBを差し込むことにより、PCをシンクライアント端末として仮想環境へ接続することが可能となるUSBシンクライアント「Resalio Lynx 300」のバージョンアップによる機能改善や、既存のWindowsPCをソフトウェアでシンクライアント化できる新しい自社製品「Resalio Lynx 700」のバージョンアップによる機能改善などを行いました。また、Entra ID に対応、SaaS 専用クライアント「SaaS Secure Client(SSC)」の開発を行いました。当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は22,466千円であります。

 なお、当社グループはITインフラ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。