代表取締役社長伊藤大介及び最高財務責任者松崎祐之は、当社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備及び運用しております。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理的な範囲で達成しようとするものであります。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があります。
財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である2023年10月31日を基準日として、2022年11月1日から2023年10月31日までを対象として行われており、財務報告に係る内部統制の評価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しております。
本評価においては、財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定しております。当該業務プロセスの評価においては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行いました。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、当社及び連結子会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定いたしました。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の重要性を考慮して決定しており、当社及び連結子会社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定いたしました。なお、金額的及び質的影響の重要性がない連結子会社については、全社的な内部統制の評価範囲に含めておりません。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、当社及び連結子会社の当連結会計年度における売上計画の概ね3分の2程度を占める事業拠点を重要な事業拠点として選定しており、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目として売上高、売掛金及び自己保有暗号資産に至る業務プロセスを評価の対象といたしました。さらに、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや経営者による予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスを財務報告に重要な影響を及ぼす業務プロセスとして選定し、評価対象に追加しております。
なお、連結子会社である株式会社カイカエクスチェンジホールディングス(2023年11月1日付で株式会社ZEDホールディングスに商号変更)並びにその完全子会社である株式会社カイカエクスチェンジ(2023年11月1日付で株式会社Zaifに商号変更)及び株式会社カイカキャピタル(2023年11月1日付で株式会社Web3キャピタルに商号変更)は評価の範囲に含めておりません。株式会社カイカエクスチェンジホールディングスについては、2023年10月31日付で株式を取得し連結子会社となったものであり、株式会社カイカエクスチェンジ及び株式会社カイカキャピタルは株式会社カイカエクスチェンジホールディングスが株式を100%保有している会社でありますが、内部統制の評価に必要となる相当な期間が確保できないため、やむを得ない事情により財務報告に係る内部統制の一部の範囲について、十分な評価手続が実施できなかった場合に該当すると判断したためであります。
上記のとおり、株式会社カイカエクスチェンジホールディングスについては、2023年10月31日付けで取得し連結子会社となったものであり、株式会社カイカエクスチェンジ及び株式会社カイカキャピタルは株式会社カイカエクスチェンジホールディングスが株式を100%保有している会社でありますが、内部統制の評価に必要となる相当の期間を確保できないことから、やむを得ない事情により財務報告に係る内部統制の一部の範囲について、十分な評価手続が実施できませんでした。
また、当社は、証券取引等監視委員会事務局開示検査課から、暗号資産の評価にかかる会計処理の妥当性について指摘を受けるなどしておりましたところ、下記の次第で財務報告に係る内部統制の不備が認められ、かつ、当該不備は財務報告に重要な影響を及ぼすことになり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当連結会計年度末時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
記
当社は、証券取引等監視委員会事務局開示検査課より、当社が保有していた暗号資産の評価減に係る損失計上時期の妥当性について疑義がある(以下、当該疑義を「本件疑義」といいます。)との指摘を受けたため、当社と利害関係の無い外部専門家で構成される特別調査委員会を設置し、2025年2月13日より調査を進めてまいりました。
その後、当社は、2025年3月31日付で、当社が2024年10月期第2四半期(2024年4月末時点)において実施した前記暗号資産の評価減にかかる会計処理を2023年10月期において実施すべきであった旨の特別調査委員会の見解が記載された調査報告書を受領しました。加えて、証券取引等監視委員会事務局開示検査課による調査の過程において、当社グループが保有する投資有価証券評価損の計上時期についても、過年度での処理とする訂正が必要であることが判明しました。
当社は、これら調査結果等を踏まえ、2023年10月期の有価証券報告書並びに2024年10月期第1四半期及び同第2四半期の四半期報告書についての決算訂正を行うこととし、また、当社の財務報告に係る内部統制の再評価の結果、以下の決算・財務報告プロセスにおける不備があったと判断いたしました。
(1)経営陣の会計基準等の遵守に関する確認不足
本件疑義における暗号資産の評価についての解釈及び処理方法等には様々な捉え方が出来得る状態であったところ、これは会計上の専門的な判断を伴うものでもあったにもかかわらず、最も妥当と考えられる暗号資産の評価に関する会計処理について専門性の高い検証や確認が不十分であった不備
(2)経理部門の脆弱性
当社の経理部門の体制について、限られた人数で行っており、会計基準適用の判断のための暗号資産の評価に関する専門的な知識と検証を行う体制が整備されていなかった不備及び子会社保有の資産の評価に係る資料の徴求や確認が不十分であった不備
(3)他の役員によるモニタリング機能の不十分性
重要な会計論点等についての議論・モニタリングを行うための規程が整備されていなかった不備
当該不備は、当社の財務報告に重要な影響を及ぼしており、当社は、決算・財務報告プロセスに係る内部統制の一部について、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
上記の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関しましては、当該事項の判明が当連結会計年度の期末日後であったため、当該不備を当連結会計年度末日までに是正することができませんでした。なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、すべて連結財務諸表及び財務諸表に反映しております。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するために、特別調査委員会からの指摘・提言も踏まえ、以下の再発防止策を実行し適正な内部統制の整備及び運用を図ってまいります。
再発防止策
(1)経営陣の会計基準等の遵守に関する確認不足
・監査法人をはじめとする外部専門家との重要な会計論点の議論
・経理部門の十分な人員体制の構築
・複雑な会計処理に関する研修会
(2)経理部門の脆弱性
・経理体制の強化
・社内勉強会の実施
・外部専門家の活用
(3)他の役員によるモニタリング機能の不十分性
・重要な会計論点についての議論・モニタリングを行うための規程の整備
以 上
該当事項はありません。
当社は、前事業年度末における財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備を是正するために、以下の再発防止策を講じ、内部統制の整備・運用の改善を図ってまいりました。
1.決算・財務報告プロセスにおける会計方針の理解促進と対応力の強化
2.上記内容の関係者間での情報共有及びグループ会社への周知徹底
3.社内外の研修の受講等による決算業務に従事する人員のスキル向上
その結果、当事業年度末時点における当社及び連結子会社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしました。