独立監査人の監査報告書
2025年4月28日
株式会社クシム
取 締 役 会 御 中
意見不表明
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社クシムの2023年11月1日から2024年10月31日までの第29期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、「意見不表明の根拠」に記載した事項の財務諸表に及ぼす可能性のある影響の重要性に鑑み、財務諸表に対する意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかったため、監査意見を表明しない。
意見不表明の根拠
継続企業の前提に関する事項に記載されているとおり、会社は前事業年度から継続して営業損失、経常損失及び当期純損失を計上している。
また、2025年2月3日に株式会社カイカフィナンシャルホールディングス(以下「カイカFHD」という。)に対する借入金529百万円にかかる代物弁済として、会社の連結子会社であった株式会社ZEDホールディングス(以下「ZEDホールディングス」という。)の株式をカイカFHDに譲渡する旨(以下「本件株式譲渡」という。)を同日付の会社の取締役会にて決議している。本件株式譲渡の実行日は2025年2月3日であるところ、同日付で、ZEDホールディングスが会社の連結子会社から除外されるとともに、ZEDホールディングスの子会社であった株式会社Zaif、株式会社クシムソフト、チューリンガム株式会社、株式会社web3テクノロジーズ及びDigital Credence Technologies Limitedについても連結子会社から除外されている。会社は持株会社であるため、本件株式譲渡に伴う上記6社の連結子会社からの除外により、2025年10月期以降、損益計算書の売上高(経営指導料等)が相当額減少することが見込まれている。
さらに、2025年4月1日に、東京地方裁判所が取締役兼代表取締役の職務を一時行う者として大月雅博氏を、監査等委員である取締役の職務を一時行う者として原田崇史氏及び須崎利泰氏を選任する旨の決定を行い、これにより小川英寿氏を除く前取締役及び前監査等委員は役員としての権利義務を喪失しており、また、小川英寿氏も2025年4月14日をもって会社の取締役を辞す旨の申し出をしていることから、会社の事業等に精通する役員が不在の状況となっている。
これらの状況から、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しているが、当該状況を解消するための将来の事業計画及び資金計画は未作成であり、当監査法人に提示されていない。したがって、当監査法人は経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することの適切性に関する十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかった。
財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を実施し、監査報告書において意見を表明することにある。しかしながら、本報告書の「意見不表明の根拠」に記載されているとおり、当監査法人は財務諸表に対する意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかった。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
<報酬関連情報>
報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上