当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは株主重視の考え方をグループ経営の重要施策とし、発展を続けるエレクトロニクス業界の中にあって、JRMブランドのもとグループ全体のコスト競争力を高め、財務体質を強化して、収益性を高めることが最も重要と考えております。当社グループの4つの柱である抵抗器、ポテンショメーター、ハイブリッドIC、電子機器は、それぞれに幅広くユーザーの期待に応えるべく、これまで以上に技術開発力を強化してまいります。
また、適正な利益を確保し、会社の成長発展の基盤とするとともに、株主、社員そして社会へ還元したいと考えております。
(2)経営戦略等
当社グループは技術革新が著しいエレクトロニクス業界で環境変化に対応する経営戦略として、グローバル化の推進、新規事業への取り組みを軸とし、市場拡大、売上拡大を達成するために次の戦略で取り組んでおります。
① 中国・東南アジアへの取り組みを強化し、海外売上の拡大を行います。
② 海外協力メーカーとの連携を図り、製品ラインナップを拡充します。
③ 自動車市場(xEV)、産業機器市場への新たな製品の展開を強化します。
④ 生産工程の省人化、ロボットの導入拡大を図りコスト競争力を高めます。
⑤ 自社構築した生産トレーサビリティシステムで最適なリスク管理を提供します。
⑥ お客様と一緒に企画段階から係わることで付加価値の高い製品を提供します。
⑦ 高品質なモノづくりを維持するため、社内資格・技能認定制度を設け、社員教育にも力を入れております。
⑧ グループ会社の垣根がない調和のとれた企業文化を育んでいきます。
(3)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
国際社会は多極化し不確実性が高まっており、海外の景気の先行きは依然として不透明な状況が続くものと予想しております。また、燃料・原材料価格の高騰に加え、物流コスト上昇、円安による海外生産コスト上昇など製造業を取り巻く環境としましてはコスト上昇が避けられない状況となっております。一方でエレクトロニクス業界においては自動車の電子化、5G・AI等の普及に伴い半導体・電子部品の需要は底堅く見込まれていることから、当社グループにおきましては業績の伸長と経営基盤の確立のため、より付加価値の高い製品の開発・受注活動に積極的に取り組むことが必要と考えております。
エレクトロニクス業界は、価格競争が厳しく、コスト競争力をつけることが最重要課題であり、グループ全体でのコスト低減の取り組みはもちろん、海外展開の充実が重要な経営課題になっております。
多種多様なユーザーの要求に応えるため、情報通信を駆使したすばやいレスポンスや品質管理の充実、生産性の向上への取り組みが必要と考えております。
また、当社グループは国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に賛同し、令和3年12月に「日本抵抗器グループSDGs宣言」を策定いたしました。当社グループは事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループでは、令和3年12月に「日本抵抗器グループSDGs宣言」を策定し、株主、従業員、取引先、地域社会等のステークホルダーの皆様と協力しながら持続可能な社会の実現に向け、事業活動を通じて社会に貢献することを目指しております。そのため、サステナビリティに関する取り組みを経営の重要課題の一つとして位置付け、取締役会、経営会議等において課題事項に対する対応を適宜協議し、リスク及び機会を管理・監督しております。また、当社はISO9001(品質)、ISO14001(環境)の認証を取得しており、総合的な品質・環境マネジメントシステムを構築しております。
(2)戦略
当社は「環境に優しいものづくりの推進」を基本理念とし、技術的・経済的に管理可能な環境影響の負荷を低減させることを当社の中長期的な事業活動における課題として考えており、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムにおいて、エネルギー消費の低減、廃棄物排出の削減等に関する取り組みを推進しております。
また、人的資本への取り組みとして、有給休暇取得推進、ハラスメント禁止の徹底等により全ての従業員が働きやすい職場づくりのほか、人権と多様性を尊重し、高齢者・障がい者雇用の促進等により多様な人材が分け隔てなく平等に働くことができる職場環境整備を目指し、取り組んでおります。
(3)リスク管理
当社グループは、事業活動を継続する中での様々なリスクについて経営会議等で抽出、情報共有を行い、リスクへの対処方針を検討しております。また、環境影響に関するリスクについては、環境マネジメントシステムにおいて環境側面ごとにリスク及び機会を認識し、監視・測定を実施することにより管理しております。
(4)指標及び目標
当社グループは、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関して長期的に評価、管理する指標は定めておりませんが、環境マネジメントシステムにおける継続的な活動を通じて環境影響の負荷低減等に向けて取り組んでまいります。
また、人的資本に関する指標について現時点で具体的な目標値は定めておりませんが、多様な人材が活躍できる職場環境の整備を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動
① 金利の変動
当社グループは、金利の変動リスクを回避するため、有利子負債の一部につき対策を講じておりますが、上記以外は金利の変動を直接受けるため、支払利息の増加を通して財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 為替相場の変動
当社グループは、為替相場の変動リスクをヘッジ又は軽減するための対策を講じておりますが、これにより変動リスクを完全に回避できる保証はなく、また、連結財務諸表作成のため海外連結子会社の資産及び負債等は円換算されるため、為替相場の変動は当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 減損会計の適用
当社グループ各社の固定資産貸借対照表計上額について、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローにより資産の残存価額を回収することができるかどうかを検討しております。当該資産が充分なキャッシュ・フローを生み出さない場合には、減損を認識しなければならない可能性があります。
(2)特定の取引先、製品、技術等への依存
① 競争環境
当社グループは、受注生産を主体にしております。従って、取引先の製品ラインナップの変更や製品開発の動向によっては、それに即応できない可能性があります。
② 価格競争
当社グループは、国内外の市場において激しい競争にさらされており、特にハイブリッドIC、電子機器は当社グループにとって充分な利益を確保できる価格を設定することが困難な場合が多く、価格下落圧力は当社グループの利益確保に多大な影響を与える可能性があります。
③ 海外進出
当社グループの中には、中国、タイを拠点とする子会社があります。海外では為替リスクに加え、政情不安、経済動向の不確実性、宗教及び文化の相違、現地の労使関係等のリスクが存在しております。
④ 製品の品質
当社グループでは、世界的に認められた品質管理基準によって製品を製造し、品質管理を行っております。しかしながら、全ての製品に全く欠陥がないとは言い切れません。製品の欠陥が発生した場合、多額の費用が発生したり、当社グループの評価が下がることにより、経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)特有の法的規制、取引慣行、経営方針
当社グループは、電子部品を中心として製造いたしております。それに使用している原材料について、新たな法規制などにより製造への投入が制限されあるいは使用禁止などの措置が執られた場合、直ちに代替品を準備することが出来ず生産に支障をきたす可能性があります。
当社グループは、いわゆる製販分離の体制で、各社が役割を分担しております。しかし、社会全体の経済の動向、あるいは製品サイクルの変動によっては、それらに迅速に対応できない可能性があります。
(4)役員、大株主、関係会社に関する重要事項
当社グループは連結決算を行っておりますが、出資、人事、資金、技術等の関係においてグループ内部の会社間で変化が生じた場合、当該会社との連結関係を継続できない可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、感染症法上の位置付けが5類に引き下げられたことで、国内における個人消費の回復やインバウンド需要の増加などにより社会経済活動は緩やかに回復の動きがみられたものの、物価上昇により消費はさほど増加せず、設備投資も停滞気味となり、ウクライナ情勢の長期化、中東での紛争、為替の円安進行などもあり、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような経済情勢のもと、当社グループにおいては、民生用機器や車載向け及び産業機器向け電子部品の売上は前期比で増加しましたが、半導体装置用電子機器、省エネ機器用電子機器では設備投資需要の落ち込み、在庫調整の動きなどにより売上が減少し、売上高は前期比若干の減少となりました。また、資源・エネルギー価格の高騰を受けて製造原価が上昇したことなどにより、利益は前期比減少となりました。前期は電子部品の入手難に伴う顧客からの先々の先行手配により受注残高が高い水準で推移しておりましたが、入手難の状況が改善されたこと、売上が堅調に推移したことにより、当期末の受注残高は前期比減少しました。
このような状況の下、当社グループにおいては、脱炭素社会に向けた取り組みとして、欧州・東南アジア・中国市場での電気自動車関連向けの電子部品、産業機器市場向けの電子部品の受注拡大に努めるとともに、高い品質、高い信頼性を必要とされる市場への販路拡大を進めております。それと同時に、工程の自動化・省力化によるコスト削減、新製品の開発に努め、収益力の強化に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ55百万円増加し、7,642百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ29百万円減少し、5,606百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して84百万円増加し、2,036百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高7,166百万円(前期比0.5%減)、営業利益100百万円(同65.1%減)、経常利益139百万円(同47.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益51百万円(同35.4%減)となりました。
当社グループは電子部品の製造・販売及び付帯業務の単一セグメントであります。したがいまして、製品群別の経営成績を示すと、次のとおりであります。
製品群別の経営成績の概況
抵抗器は、産業機器用、昇降機用、インバーター抵抗器の売上が増加したことで売上高は1,953百万円(前期比1.6%増)となりました。
ポテンショメーターは、建設機器用、農電機器用の売上が増加したことで売上高は702百万円(同2.3%増)となりました。
ハイブリッドICは、自動車関連向け電子部品及び電流センサーの売上が増加したことで売上高は1,916百万円(同15.1%増)となりました。
電子機器は、半導体装置用電子機器やLED照明用電源基板の売上が減少したことで売上高は2,595百万円(同11.5%減)となりました。
地域別の売上状況は次のとおりであります。
日本地域は、売上高5,759百万円(同0.6%増)となりました。
欧州地域は、売上高590百万円(同8.6%減)となりました。
アジア地域は、売上高794百万円(同1.7%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ124百万円増加し、当連結会計年度末には1,294百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は186百万円(前連結会計年度は144百万円の使用)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が130百万円、減価償却費が142百万円となったこと、売上債権の減少額120百万円、棚卸資産の減少額117百万円、仕入債務の減少額△500百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は204百万円(前連結会計年度は103百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出△229百万円、定期預金の預入による支出△87百万円、定期預金の払戻による収入82百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は494百万円(前連結会計年度は221百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の増加額213百万円、長期借入れによる収入1,206百万円、長期借入金の返済による支出△845百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは電子部品の製造・販売及び付帯業務の単一セグメントであります。したがいまして、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については、製品群別に関連付けて示しております。
製品群の名称 |
当連結会計年度 (自 令和5年1月1日 至 令和5年12月31日) |
前期比(%) |
抵抗器(千円) |
1,636,844 |
99.7 |
ポテンショメーター(千円) |
573,512 |
103.0 |
ハイブリッドIC(千円) |
1,772,212 |
114.7 |
電子機器(千円) |
2,379,827 |
88.2 |
合計(千円) |
6,362,395 |
98.7 |
b.受注実績
当社グループは電子部品の製造・販売及び付帯業務の単一セグメントであり、製品群別の受注実績を示すと、次のとおりであります。
製品群の名称 |
受注高 |
受注残高 |
||
金額(千円) |
前期比 (%) |
金額(千円) |
前期比 (%) |
|
抵抗器 |
1,734,361 |
84.7 |
399,698 |
64.6 |
ポテンショメーター |
671,527 |
94.7 |
99,993 |
76.5 |
ハイブリッドIC |
1,569,212 |
98.1 |
1,037,756 |
74.9 |
電子機器 |
1,808,426 |
58.1 |
582,306 |
42.5 |
合計 |
5,783,526 |
77.4 |
2,119,753 |
60.5 |
c.販売実績
当社グループは電子部品の製造・販売及び付帯業務の単一セグメントであり、製品群別の販売実績を示すと、次のとおりであります。
製品群の名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
抵抗器 |
1,953,056 |
101.6 |
ポテンショメーター |
702,281 |
102.3 |
ハイブリッドIC |
1,916,423 |
115.1 |
電子機器 |
2,595,136 |
88.5 |
合計 |
7,166,897 |
99.5 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 令和4年1月1日 至 令和4年12月31日) |
当連結会計年度 (自 令和5年1月1日 至 令和5年12月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
ダイヘン産業機器㈱ |
1,260,438 |
17.5 |
921,062 |
12.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ55百万円増加の7,642百万円(前連結会計年度末は7,587百万円)となりました。
流動資産は5,781百万円(前連結会計年度末5,860百万円から78百万円減少)となりました。これは主に現金及び預金が132百万円増加したこと、売掛金が73百万円減少したこと、原材料及び貯蔵品が145百万円減少したことによるものであります。
固定資産は1,860百万円(前連結会計年度末1,725百万円から134百万円増加)となりました。これは主に建物及び構築物が54百万円増加したこと、建設仮勘定が88百万円増加したことによるものであります。
繰延資産は0百万円(前連結会計年度末1百万円から0百万円減少)となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ29百万円減少の5,606百万円(前連結会計年度末は5,635百万円)となりました。
流動負債は3,670百万円(前連結会計年度末3,995百万円から324百万円減少)となりました。これは主に支払手形及び買掛金が279百万円減少したこと、電子記録債務が183百万円減少したこと、短期借入金が216百万円増加したことによるものであります。
固定負債は1,935百万円(前連結会計年度末1,640百万円から295百万円増加)となりました。これは主に退職給付に係る負債が35百万円減少したこと、長期借入金が358百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して84百万円増加の2,036百万円(前連結会計年度末は1,951百万円)となりました。
株主資本は1,375百万円(前連結会計年度末1,380百万円から4百万円減少)となりました。これは主に利益剰余金が4百万円減少したことによるものであります。
その他の包括利益累計額は250百万円(前連結会計年度末196百万円から53百万円増加)となりました。これは主に為替換算調整勘定が32百万円増加したことによるものであります。
非支配株主持分は410百万円(前連結会計年度末375百万円から35百万円増加)となりました。
2)経営成績の分析
(売上高)
売上高は、民生用機器や車載向け及び産業機器向け電子部品の売上は前期比で増加しましたが、半導体装置用電子機器、省エネ機器用電子機器では設備投資需要の落ち込み、在庫調整の動きなどにより売上が減少し、前連結会計年度に比べ0.5%減の7,166百万円となりました。
(売上原価)
売上原価は、資源・エネルギー価格の高騰を受けて製造原価が上昇したことなどにより、前連結会計年度に比べ1.4%増の5,630百万円となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、給料手当、広告宣伝費などの増加により、前連結会計年度に比べ4.9%増の1,436百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ35.4%減の51百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料、部品等の購入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備更新等の設備投資によるものであります。
c.財務政策
当社グループにおきましては、運転資金及び設備投資資金等は自己資金または金融機関からの借入により賄っております。このうち短期運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金や設備投資資金につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたり、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した見積りが含まれておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの研究開発活動は抵抗器、ポテンショメーター、ハイブリッドIC、電子機器の品種群別に行っており、その特徴は、自社製品の研究開発とお客様の要求に応じた製品開発の開発体制で進めていることにあります。自社製品の開発については、基礎研究、製品開発、生産技術の各部門が開発プロジェクトに応じて、タスクフォースやプロジェクトチームを編成し柔軟に対応しております。お客様の要求に応じた製品開発については、開発技術者がお客様と仕様調整を図り、要求内容、市場ニーズを的確に把握した製品開発を行っております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は336,572千円となっております。
当社グループにおける品種群別の研究開発への取り組み内容は次のとおりであります。
(1)抵抗器
鉄道車両、ロボット、各種インバーターに使用されるパワー抵抗器のダウンサイジングをテーマとして新規開発に注力しています。また、世界的な自動車の脱ガソリン車の動きに対応したEV・FCV用各種抵抗器の開発に取り組んでおります。
(2)ポテンショメーター
位置・角度センサを基軸に導電プラスチック、無接触ポテンショメーター及び電子回路技術を用いて、インテリジェンスセンサ、スマートポテンショメーターに取り組んでおります。
(3)ハイブリッドIC
厚膜技術、薄膜技術、高密度実装技術を用いて、センサモジュール、各種電源基板など様々な市場ニーズに対応出来る製品の開発に取り組んでおります。
(4)電子機器
ソフト開発、ハード設計、メカ設計の技術を融合したトータル開発システムでの製品開発とAIへの取り組みに重点を置き、住宅関連機器、美容健康機器、医療機器などの製品を顧客の設計初期段階から顧客と一体となって開発に取り組んでおります。