当連結会計年度(平成28年7月1日~平成29年6月30日)において、ソーシャルメディア事業の売上高は広告売上は減少したもののAI関連サービスなどでの受注により微減に留まりました。エンタープライズソリューション事業の売上高は、安定的な成長を続け、好調に推移しております。多言語CRM事業の売上高は、地方自治体や官公庁などへの新規・追加受注が好調に推移しておりますが、一部不採算事業からの撤退により前期比△10.3%となりました。これらの結果により、売上高は2,411,724千円(前期比0.1%増)となりました。
利益面においては、原価構造の見直しや業務効率の改善、広告宣伝費などを抑制したことから、営業利益は167,891千円(前期比8.3%増)、経常利益は182,882千円(前期比28.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は123,672千円(前期比68.4%増)といずれにおいても前期比増益となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
なお、各事業分野のセグメント利益は、全社費用647,498千円(前連結会計年度500,366千円)を含まない額であります。
・ソーシャルメディア事業の概況
※ソーシャルメディア事業と前期までセグメント報告していたナレッジマーケット事業については、親和性が高まってきたことから、両事業の最大化ならびに最適化を図るため、当期より事業統合しております。そのため前年同期資料と数値が異なります。
ソーシャルメディア事業では、日本最大級のQ&Aサイト「OKWAVE(オウケイウェイヴ)」のほか、Q&Aから派生した様々なサービスを運営しています。
売上高におきましては、企業の顧客サポート向けに活用できるAIエージェントサービス「OKWAVE AI Knowledge」をはじめとするAI関連サービスの販売などにより収益が堅調に推移しました。一部サービスの外的環境の変化があったことから、前年比では微減となりましたが、セグメント損失は、事業統合により費用の圧縮を実現し、縮小しました。
以上の結果、ソーシャルメディア事業の売上高は446,137千円(前連結会計年度比20,024千円減)、セグメント損失は28,081千円(前連結会計年度比損失額55,789千円減)となりました。
・エンタープライズソリューション事業の概況
※前期までエンタープライズソリューション事業に帰属していた一部サービスを、ソーシャルメディア事業へ移管していることから、前年同期資料と数値が異なります。
エンタープライズソリューション事業では、FAQ(よくある質問と回答)を作成、編集、公開する一連の流れを搭載した、特許技術を有するシステム「OKBIZ.(オウケイビズ)」など、企業向けのソリューションを提供しています。
エンタープライズソリューション事業のビジネスモデルは、「OKBIZ.」導入に際する初期構築費と月額利用料ならびに利用量に応じた従量課金にて構成しております。
各業界の大手企業などへの新規受注により前期から順調に導入サイト数を積み重ねていることなどにより、前年同期比108.0%の売上成長を遂げています。
セグメント利益におきましても前年同期比107.7%と、増益を達成しています。
以上の結果、売上高は、1,310,007千円(前連結会計年度比96,507千円増)、セグメント利益は、682,495千円(前連結会計年度比49,043千円増)となりました。
・多言語CRM事業の概況
連結子会社株式会社ブリックスの主要な事業である多言語CRM事業では、24時間365日体制の多言語コンタクトセンターを運営し、カスタマーサポート業務を提供するとともに、バイリンガルや技術者の派遣等を行っております。
当期におきましては、訪日外国人客の増加や東京五輪開催決定を追い風に、地方自治体や医療分野などの案件が増加しております。これにより多言語コンタクトサービスの基幹事業である電話通訳案件が堅調に伸びております。また、前期の不採算サービスからの撤退や費用の見直しを徹底したことから、売上は減少したものの利益は増加しました。
以上の結果、売上高は655,578千円(前連結会計年度比75,074千円減)、セグメント利益は160,976千円(前連結会計年度比55,133千円増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度と比べ75,353千円減少し、799,481千円となりました。また、各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(ア)営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、主に減価償却費、税金等調整前当期純利益により、152,844千円の収入となりました。(前連結会計年度は239,827千円の収入)
(イ)投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、主に投資有価証券、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出があったことにより、212,198千円の支出となりました。(前連結会計年度は225,235千円の支出)
(ウ)財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済により、5,741千円の支出となりました。(前連結会計年度は1,218千円の支出)
当社グループは、生産に該当する事項がないため記載を省略しております。
当社グループは、受注から納品までが短期間のため記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
「Oshiete(教えて)」と「Kotaeru(答える)」という気持ちを、波(WAVE)のように広げることで、世界中のあらゆる問題を解決へつなげていくことを目指し、当社は、「互い助け合いの場の創造を通して、物心両面の幸福を実現し、世界の発展に寄与する」を理念に掲げております。
誰でも気軽に質問と回答ができるQ&Aサイト「OKWAVE」や法人向けに提供しているFAQシステム「OKBIZ.」を発展させることなどで、企業価値を高めてまいります。
当社は収益性及び成長性の観点から売上高・営業利益・企業向けサービスの導入数・サイトの月間利用者数(UU)・ページビュー(PV)数・Q&A数を重要な経営指標としております。また、ユーザー満足率の観点から「ありがとう数」を重視しております。
当社は、創業より18年間 、Q&Aサイト「OKWAVE」に蓄積され続けているQ&Aデータを価値の源泉としていることから、引き続き、より多くの人に活用いただくためにも、サイトの利便性や安全性を高めてまいります。そのためには、サイトのコンテンツを充実させることはもちろん、より深い知見を有している専門家との関係性を築くこと、またAI技術、ブロックチェーン技術、チャット技術などの新しい技術を取り込むことで、サイトのリピート性や回遊性、安全性の向上を図ってまいります。
高い業界シェアを持つFAQシステムにおきましては、サポート領域でのさらなる提案力の向上に加え、社内外での情報共有プラットフォームとしてもFAQシステムの提案を進めます。また、AIやチャットといった新しい技術や情報チャネルにも対応させてまいります。
また、インバウンド市場の拡大を追い風に、多言語コンタクトセンターサービスの拡大を図ってまいります。
変化が激しいインターネット業界において、外部環境や市場変化の影響に対応できるサービス・体制作りを構築してまいります。
① ソーシャルメディア事業
・Q&Aサイトコンテンツの充実
・AI、ブロックチェーン、チャットボット・ビジネスチャットを中心とした新しい技術の取り込み
・外部環境に依存しない独自のマネタイズの構築
・Q&Aサイトを活用したサポートソリューションの提案
② エンタープライズソリューション事業
・FAQ/ヘルプデスク業界における占有率の向上
③ 多言語CRM事業
・バイリンガル人材の確保と育成
これらの課題に対処していくとともに、情報セキュリティ評価の「ISO27001」の維持やコンプライアンスの強化を図ってまいります。
以下については、当社グループの将来的な事業展開その他に関し、リスクとして具体化する可能性があると考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の早期対応に努める方針であります。
なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(平成29年6月30日)現在において判断したものであります。
①ソーシャルメディア事業
当事業では、Q&Aサイト「OKWAVE」のプラットフォームを活用したサービスを運営しており、主に広告収入と有料サイト提供による月額固定収入を得ています。新たな企画や機能開発を行うことで、利用者数の増加に努めておりますが、インターネット広告市場の変化やQ&Aサイト市場の競争激化が起こった場合、利用者数の減少を招く可能性があります。また通信事業者側の制限や端末の技術革新がおこった場合、適時に適切なコンテンツの配信が出来なくなる可能性があることから、業績に影響をもたらす可能性があります。
②エンタープライズソリューション事業
当事業では、Q&Aコミュニティーの運営ノウハウやシステムを各クライアント企業へ、特にカスタマーリレーションを目的として提供することで収入を得ております。Q&Aコミュニティーを長年運営してきた当社グループならではのソリューションにより、他社との差別化に取り組んでおりますが、CRM市場の動向や競合他社との価格競争等によっては当社グループの業績に影響をもたらす可能性があります。
③多言語CRM事業
当事業では、24時間365日稼働の多言語コンタクトセンターを運営しております。当事業のサービスは通訳、翻訳など人的リソースを基盤としているため、今後何らかの理由により必要なバイリンガル人材の確保が計画通りに進まなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当事業は電話通信を基盤としており、当社グループは安定的な運用のためのシステム強化に努めておりますが、ウイルスの侵入、自然災害、長期的な大規模停電、事故等によりシステムがダウンした場合、当社グループの業績に影響をもたらす可能性があります。
当社グループが運営するQ&Aサイト「OKWAVE」に提供される質問・回答、商品、サービスに関する評価情報等は、全て利用者から提供される情報です。より健全で質の高いサイト運営を実現させるため、投稿の度合いに応じたバッジの付与やマイページの機能を充実することで、参加意欲の醸成を図っておりますが、利用者に質問・回答を強制することはできません。
また、他のWebサイトと同様、Q&Aサイトには有用で好意的な回答だけでなく、誤った内容や誹謗中傷等の悪意的な内容の回答、第三者の著作権やプライバシー権等の権利を侵害する内容の回答も寄せられる可能性があります。
何らかの原因によりQ&Aサイト利用者から質問・回答等が提供されない状況が続いた場合や、誤った内容や誹謗中傷等の悪意的な内容の回答、第三者の著作権やプライバシー権等の権利を侵害する内容の回答が続いた場合、サイトの利用価値が薄れ、利用者からの信頼を失い当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの売上高及び利益は、エンタープライズソリューション事業への依存度が高くなっております。同事業における競合他社との競争の激化や、クライアント企業におけるアウトソーシングニーズの低下等があり同事業の売上高が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、収益基盤をさらに拡大するために、今後も新規事業への取り組みを進めていく方針ですが、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想されることから、当社グループ全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当社グループの目論見どおりに推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが運営するサービスはインターネット関連技術を基盤としております。当社グループは多様化する顧客ニーズに対応できるよう、最新の技術への迅速な対応及び情報の蓄積・分析に努めます。
しかしながら、今後の技術革新や顧客ニーズの変化によって即座に対応できなくなった場合、今後の事業展開に悪影響が出る可能性があります。
当社グループの事業は「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダー責任制限法)」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定商取引に関する法律」等の制約を受けますが、当社グループでは遵法精神のもと各法に従って業務を遂行しております。
しかしながら、今後、各省庁等における現行の法解釈に何らかの変化が生じた場合、または、新たにインターネット関連業者を対象とした法的規制等が制定された場合、当社グループの業務の一部が制約を受ける可能性や、新たな対応を余儀なくされる可能性があります。このような場合には、当社グループの業績、及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループが保有する利用者等の個人情報、特定個人情報及び顧客企業に関する情報の取り扱いについては、個人情報保護法の施行に先駆け、平成17年1月にISMS(現ISO27001(※))を取得し、厳重に社内管理並びに委託先管理を行っております。
しかしながら、不正アクセス者等からの侵入や委託先管理不備により、上記の情報が外部に漏えいし、不正使用される可能性が完全に排除されているとはいえません。また、不正使用等に備え、当社は個人情報漏えいに対応する保険に加入しておりますが、全ての損失を完全に補填されるとは限りません。
したがってこのような事態が起こった場合には、当社グループへの損害賠償請求や当社情報セキュリティマネジメントに対する信用の失墜により、当社グループの事業推進及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(※)ISO27001:企業等の組織が情報を適切に管理し機密を守るための包括的な枠組みの国際規格。ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)適合性認証制度がISO27001に移行されました。
当社グループの事業はインターネットを中心にした通信ネットワークに依存しており、当社グループは安定的な運用のためのシステム強化、セキュリティ強化、負荷分散、ディザスタ・リカバリー(災害時におけるシステム障害からの復旧、修復体制)等、通信環境安定化に努めております。
しかしながら、ウイルスの侵入、自然災害、長期的な大規模停電、事故等によりネットワークが切断された場合、または事業所の損壊やその他の理由により業務継続が困難になった場合は、Webサイト運営に支障が生じ、当社グループの経営に大きな影響を与えます。また、外部からの不正アクセスやウイルスの攻撃等による犯罪、職員の過失等によりデータの書き換え、データの消去や不正流出の恐れがあります。
これらの障害が発生した場合には、当社グループに直接損害が生じるほか、当社グループシステムへの信頼が低下し当社グループの事業、業績並びに企業としての社会的信頼に影響を及ぼす可能性があります。
当社はQ&Aシステム、ヘルプデスクシステム等について、特許を複数出願し、うち一部は特許権を取得しておりますが、その他の特許取得の可否及び時期についてはまだ明らかになっておりません。Q&Aサイトシステム、FAQ/ヘルプデスクシステムに関する特許出願は他社によっても複数行われており、当社は充分に調査を行ってはおりますが、当社が実施済みの技術について、もし競合他社が当社よりも先に特許権を取得した場合、当社は他社の特許を侵害するおそれがあります。さらに、他社から訴訟を提起される等により当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社はインターネット上で質問と回答を交換するQ&Aサイトのブランドとして「OKWAVE」を商標として用いており、当該商標をはじめ、当社のサービスに関連する商標権を数十件取得しております。当該ブランドは、商標権の取得により法的に保護されているとはいえ、他の事業者または個人等により無断で商標を使用された場合には、当社ブランドの信頼性が揺らぐ危険性があり、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社はブランドも事業活動における重要な財産と認識しており、現在取得済みの商標権以外にも、積極的に取得する方針であります。
しかしながら、当社が使用している商標について競合他社が先に権利を取得した場合、当社の競争力の減退や、当社への訴訟が発生することが考えられ、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社が運営するQ&Aサイト「OKWAVE」上の投稿内容の著作権を有しております。「OKWAVE」上の投稿内容が当社の許可なく第三者によって使用されている事実が発覚した場合、著作権の価値の低下に止まらず、「OKWAVE」のユーザーや当社の取引先からの当社管理体制に対する信用の低下を引き起こす可能性があります。
① Q&Aコミュニティ「OKWAVE」の運営に関する訴訟リスク
当社が運営するQ&Aサイト「OKWAVE」においては、サイト閲覧者が自由に質問・回答、及び商品、サービスに関する様々な評価を書き込み、他の閲覧者に情報発信が出来る仕組みになっており、他のWebサイト同様、Q&Aサイトには質問に対する有用で好意的な回答だけでなく、誤った内容や誹謗中傷等の悪意的な内容の回答、第三者の著作権やプライバシー権等の権利を侵害する内容の書き込みも寄せられる可能性があります。
当社におきましては、コミュニティサイト内の情報等については何等の責任を負わない旨を当該サイト内で明示するとともに、システムにより24時間365日体制で自動的にチェックしております。更には社内に専任の投稿監視担当者を配置し、当該担当者は目視でサイト内の書き込み内容を監視し、明らかに誤った内容のものや、誹謗中傷等に該当するような書き込み、第三者の権利侵害の可能性のある書き込みを発見した場合は当該部分を削除します。併せてユーザーが、不適切な投稿を当社に通知できる仕組みも導入することで、より健全で質の高いコミュニティの運営が遂行できるよう努めております。
しかしながら、サイト閲覧者により誹謗中傷や明らかに間違った回答等の書き込みがなされ、当社がそれを発見できなかった場合、発見が遅れた場合、もしくは当社の判断で妥当な回答であると判断して削除しなかった場合には、「OKWAVE」に対するユーザー等の信頼性が低下し、Webサイト運営者として当社の責任が問われ訴訟を提起される可能性があります。
② エンタープライズソリューション事業および多言語CRM事業に関する訴訟リスク
エンタープライズソリューション事業におけるASPサービスでは、多数のクライアント企業に対し共有サーバーによる運用を原則行っていることから、当社の責めに帰すべき事由によるシステムの障害や不正アクセス等により多数のクライアント企業に対し損害を被らせる事態が生じた場合、多数のクライアント企業から同時期に訴訟を提起される可能性があります。その結果として、多数のクライアント企業に同時期に損害賠償義務を負うことになった場合、多額の損害賠償金の支払いが発生し、当社グループの事業及び業績に大きな影響を与える可能性があります。
多言語CRM事業におけるコンタクトセンター業務においても、多数のクライアント企業に対し、共通のシステムを利用して業務を行っていることから、前記のエンタープライズソリューション事業と同様の訴訟リスクが想定されます。
グローバルな事業展開を行っていくうえでは、各国の法令、制度、政治・経済・社会情勢、文化、商慣習、為替等様々な潜在的リスクが存在し、これらのリスクに対処できないことなどにより事業推進が困難となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(12)資本業務提携及びM&Aについて
当社は、リソースの強化及び収益獲得機会の拡大を目的に企業買収や業務提携を実施しております。対象となる企業については十分な審査によるリスクの把握に努めておりますが、買収後に不測の債務などが発生した場合や業績が悪化した場合、買収時に想定した当社事業との相乗効果が十分に得られなかった場合、当社グループの業績、または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)内部統制について
当社は、グループを通じて内部統制強化のための連携を行い、当社グループに属する企業への監視や助言を継続的に行っておりますが、事業の急速な拡大等、なんらかの事情により当社が子会社の状況を十分に把握できない場合や、内部管理体制の構築が追い付かないという状況が生じた場合、社会的信用を失墜させ、当社グループの業績、または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社を設立した兼元謙任は設立以来代表取締役社長に就き、当社グループの経営方針及び経営戦略全般の決定、その遂行において重要な役割を果たしております。また、取締役副社長である福田道夫は兼元を補佐し当社グループの事業実現の原動力となっております。
当社グループでは、取締役会等の経営組織の整備、経営幹部役職員の育成及び権限移譲による業務執行体制の構築等により、両氏に過度に依存しない体制の構築を図っておりますが、何らかの理由により両氏が業務を執行できない事態となった場合、当社グループの事業戦略及び業績その他に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループは今後も、新機能追加によるサービスの強化や、コミュニティサイトの運営により蓄積された様々なコンテンツ、運営ノウハウ、システムノウハウをサービス化して販売するための新たなシステム開発を進めていく方針であります。
今後の事業成長を確たるものにするためには、優秀な人材を十分に確保し、育成することが重要であると考えておりますが、これらの体制構築が順調に進まない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
楽天株式会社は、平成29年6月30日現在、当社発行済株式総数の18.3%を保有する主要株主であり、当社のその他の関係会社に該当します。当社は同社に対しサービスを提供しております。
Microsoft Corporationは、平成29年6月30日現在、当社発行済株式総数の10.3%を保有しており、当社の主要株主であります。
株式会社インプレスホールディングスは、平成29年6月30日現在、当社発行済株式総数の5.0%を保有しており、当社の大株主であります。
これら株主の意向によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、役員、従業員に対し、ストック・オプション制度を採用しております。今後についてもストック・オプション制度の利用を検討する可能性があり、現在付与している新株予約権に加えて、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合、発行株式の株式価値が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末現在における新株予約権による潜在株式数は171,900株であり、発行済株式総数8,732,200株の2.0%に相当します。
該当事項はありません。
インターネット関連技術は技術革新の進歩が著しく、またそれに応じて業界標準及び利用者ニーズが急速に変化するため、新技術も相次いで登場しております。そこで当社グループの研究開発活動は、ユーザー満足度の向上に資するため、これらの新技術への対応を随時進行しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は91,763千円であり、全社共通の費用として管理しております。
当連結会計年度における流動資産は、現金及び預金の減少があったものの、主に受取手形及び売掛金の増加により、当連結会計年度末残高1,280,363千円(前連結会計年度比8,238千円増加)となりました。
固定資産においては、当連結会計年度末残高570,603千円(前連結会計年度比55,632千円増加)となっております。これは主に、投資有価証券の増加によるものであります。
当連結会計年度における流動負債は、主に前受金及び預り金が減少したことから、当連結会計年度末残高310,097千円(前連結会計年度比37,749千円減少)となりました。
固定負債においては、当連結会計年度末残高49,294千円(前連結会計年度比7,105千円減少)となっております。これは主に、長期借入金の減少によるものであります。
当連結会計年度における純資産の部は、主に利益剰余金の増加により、当連結会計年度末残高1,491,574千円(前連結会計年度末比108,726千円増加)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントごとの売上高
当連結会計年度における売上高は、企業向けサービスが堅調に推移したことに加え、広告売上の減少があったもののAI関連サービスなどの売上があったこと等により、2,411,724千円(前連結会計年度比0.1%増)となりました。
当連結会計年度における営業利益は、各事業での費用の圧縮等により、167,891千円(前連結会計年度比8.3%増)となりました。
当連結会計年度における経常利益は、主に為替差益の計上により、182,882千円(前連結会計年度比28.9%増)となりました。
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、主に固定資産の減損損失及び投資有価証券の評価損等の特別損失の計上により162,439千円(前連結会計年度比201.6%増)となりました。
「第2 事業の状況 1 業績等の概況 (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。