【要約四半期連結財務諸表注記】
1.報告企業
カヤバ株式会社(以下、「当社」)は、日本に所在する株式会社です。当社及び子会社(以下、「当社グループ」)の主な事業内容は、油圧緩衝器・油圧機器の製造・販売並びに各事業に関連するサービス業務等を行っております。
なお、当社は2023年10月1日付でKYB株式会社からカヤバ株式会社へ商号変更しております。
2.作成の基礎
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、四半期連結財務諸表規則第1条の2「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、同第93条の規定によりIAS第34号に準拠して作成しています。
要約四半期連結財務諸表は、年次連結財務諸表で要求されている全ての情報が含まれていないため、前連結会計年度の当社グループの連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。
当社グループの2023年12月31日に終了する要約四半期連結財務諸表は、2024年2月9日に当社代表取締役社長執行役員兼COO 川瀬正裕及び取締役専務執行役員兼CFO 齋藤考によって承認されております。
要約四半期連結財務諸表は、公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として測定しています。
要約四半期連結財務諸表の表示通貨は、当社の機能通貨である日本円であり、百万円未満を四捨五入しています。
3.重要性がある会計方針
当社グループの要約四半期連結財務諸表において適用する重要性がある会計方針は、前連結会計年度の連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。
なお、当第3四半期連結累計期間の法人所得税費用は、見積平均年次実効税率を基に算定しています。
4.重要な会計上の見積り及び判断
要約四半期連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行うことが義務付けられています。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
本要約四半期連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積り及び判断は、前連結会計年度に係る連結財務諸表と同様であります。
5.セグメント情報
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、製品・サービス別に事業本部又は事業部を置き、各事業本部又は事業部は、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しておりますので、事業セグメントは「AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業」、「HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業」、「航空機器事業」、「特装車両事業」及びそのいずれにも属さない「その他」によって区分しております。
このうち、「特装車両事業」及び「その他」については、報告セグメントにおける量的基準等を勘案した結果、「その他」に含めて開示しております。したがって、当社グループは、「AC事業」、「HC事業」及び「航空機器事業」の3つを報告セグメントとしております。
「AC事業」は、四輪車用・二輪車用油圧緩衝器及びパワーステアリング製品を主とする四輪車用油圧機器等を生産しております。「HC事業」は、建設機械向けを主とする産業用油圧機器、舞台機構、艦艇機器、免制振装置等を生産しております。「航空機器事業」は、航空機用の離着陸装置、操舵装置、制御装置等を生産しております。
なお、各セグメントにおける主要製品は、下記のとおりであります。
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、注記「3.重要性がある会計方針」における記載と同一であります。
報告セグメントの損益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
セグメント間の内部売上高及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
前第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない特装車両事業及びその他を含んでおります。
2.セグメント損益の調整額55百万円は、セグメント間取引消去であります。
当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない特装車両事業及びその他を含んでおります。
2.セグメント損益の調整額△16百万円は、セグメント間取引消去であります。
第1四半期連結会計期間より、当社グループ再編に伴いセグメント管理区分の見直しを行った結果、従来「その他」に含まれていたその他製品の一部を「AC事業」に含めて開示しております。
このため、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを記載しております。
6.有形固定資産、のれん及び無形資産
有形固定資産、のれん及び無形資産の帳簿価額の増減は、以下のとおりです。
7.引当金
引当金の内訳は、以下のとおりです。
(注)1.製品保証引当金については、製品の品質保証費用の支払に備えるため、過去の発生実績に基づく連結会計年度の売上高に対応する発生見込額に、発生した品質保証費用の実状を考慮した保証見込額を加えて計上しており、当該製品保証引当金の当第3四半期連結会計期間の残高は、2,835百万円(前連結会計年度2,847百万円)であります。
(注)2.2019年3月期において、当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。
当第3四半期連結会計期間においては、2023年12月31日時点で交換が未完了の不適合品及び性能不明品(性能検査記録のデータ書き換え有無が確認できないもの)の全数(免震用オイルダンパー55本、制振用オイルダンパー355本の合計410本)を対象として、交換用免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等を製品保証引当金に計上しており、当該製品保証引当金の当第3四半期連結会計期間の残高は、2,867百万円(前連結会計年度4,445百万円)であります。
(注)3.その他には、訴訟や補償などの支払に備えた引当金が含まれておりますが、当社及び当社子会社の立場が著しく不利になる可能性があるため、IAS第37号第92項に従い個別に記載しておりません。
8.配当金
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間における配当金支払額は、以下のとおりです。
前第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
配当金支払額
当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
配当金支払額
9.売上高
当社グループの事業は、AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業、HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業、航空機器事業及びその他により構成されており、当社グループでは、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループでは、これらの事業を通じて得られる収益を売上高として表示しています。また、売上高は主要な製品別に分解しています。これらを分解した売上高と注記「5.セグメント情報」で記載しているセグメント別の売上高との関連は、以下のとおりです。
(注)金額は、外部顧客への売上高で表示しています。
10.その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりです。
(注) 当第3四半期連結累計期間において、免震・制振用オイルダンパーの不適合品の交換工事等が進捗したことに伴い、免震・制振用オイルダンパー事案に係る製品保証引当金の繰入及び取崩額を製品保証引当金繰入額として計上し、当第3四半期連結累計期間に追加的に発生した交換工事に要する費用及び対応部の人件費等の諸費用を製品保証対策費として計上しております。
11.1株当たり四半期利益
基本的及び希薄化後1株当たり四半期利益の算定上の基礎は、以下のとおりです。
12.金融商品
公正価値で測定される金融商品について、測定に使用したインプットの観察可能性及び重要性に応じた公正価値測定額を、レベル1からレベル3まで分類しております。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における相場価格
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
前連結会計年度(2023年3月31日)
当第3四半期連結会計期間(2023年12月31日)
公正価値ヒエラルキーのレベル間での振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識することとしております。なお、前連結会計年度及び当第3四半期連結累計期間において、上記のレベル間での振替はありません。
デリバティブの公正価値については、取引先金融機関等から提示された価格等に基づき測定しております。公正価値ヒエラルキーのレベル2及びレベル3に区分される公正価値評価の方法は、当該非上場株式及び出資金は割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法等により算定しております。また、会員権については、活発でない市場における同一資産を基に評価しています。事後の公正価値の変動をその他の包括利益として計上しております。
前連結会計年度及び当第3四半期連結累計期間において、レベル3に分類される金融商品の重要な増減はありません。
償却原価で測定される金融資産及び金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しております。
13.偶発負債
建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為に関連して訴訟を提起されている案件もありますが、当社の立場が著しく不利な立場になる可能性があるため、IAS第37号第92項に従い、個別に記載しておりません。
なお、本件の詳細については、「7.引当金」に記載のとおりです。
14.後発事象
該当事項はありません。