【要約四半期連結財務諸表注記】
1.報告企業
当社は、日本に所在する株式会社であり、その本社は愛知県豊田市に登記されています。当第3四半期連結会計期間(2023年12月31日に終了した3ヶ月間)および当第3四半期連結累計期間(2023年12月31日に終了した9ヶ月間)の要約四半期連結財務諸表は、トヨタならびに関連会社および共同支配企業に対する持分により構成されています。
当社および当社の関係会社は主にセダン、ミニバン、コンパクト、SUV、トラック等の自動車とその関連部品・用品の設計、製造および販売を世界的規模で行っています。また、当社および当社の関係会社が製造する自動車および他の製品の販売を補完するための金融ならびに車両のリース事業を、主として販売代理店およびその顧客に対して行っています。
2.作成の基礎
トヨタの要約四半期連結財務諸表は、四半期連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしており、同規則第93条の規定によりIAS第34号に準拠して作成しています。要約四半期連結財務諸表は、連結会計年度の連結財務諸表で要求されるすべての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものです。
当要約四半期連結財務諸表は、2024年2月6日に取締役会にて承認されています。
トヨタの要約四半期連結財務諸表は、公正価値で測定する金融商品、退職給付に係る負債等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
トヨタの要約四半期連結財務諸表の表示通貨は、当社の機能通貨である日本円であり、百万円未満を四捨五入しています。各数値の合計が合計額と一致しない場合があります。
3.重要性がある会計方針
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
トヨタは、IFRSに準拠した要約四半期連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債および収益・費用の報告額ならびに偶発資産・偶発債務の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っています。実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、これらの見積りおよび仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した報告期間およびその影響を受ける将来の報告期間において認識しています。
本要約四半期連結財務諸表における重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断は、原則として前連結会計年度にかかる連結財務諸表と同様です。
5.セグメント情報
以下に報告されているオペレーティング・セグメントは、そのセグメントの財務情報が入手可能なもので、その営業損益がマネジメントによって経営資源の配分の決定および業績の評価に定期的に使用されているものです。
トヨタの世界的事業の主要部分は、自動車および金融で成り立っています。自動車セグメントでは、セダン、ミニバン、コンパクト、SUV、トラック等の自動車とその関連部品・用品の設計、製造および販売を行っています。金融セグメントでは、主として当社および当社の関係会社が製造する自動車および他の製品の販売を補完するための金融ならびに車両のリース事業を行っています。その他セグメントでは、情報通信事業等を行っています。
(2)報告セグメントの収益および業績
前第3四半期連結累計期間(2022年12月31日に終了した9ヶ月間)
(単位:百万円)
当第3四半期連結累計期間(2023年12月31日に終了した9ヶ月間)
(単位:百万円)
前第3四半期連結会計期間(2022年12月31日に終了した3ヶ月間)
(単位:百万円)
当第3四半期連結会計期間(2023年12月31日に終了した3ヶ月間)
(単位:百万円)
各セグメントにおける会計方針は、トヨタの要約四半期連結財務諸表における会計方針と一致しています。事業別セグメント間取引は、通常の業務上行う取引条件で行っています。
(3)地域に関する情報
前第3四半期連結累計期間(2022年12月31日に終了した9ヶ月間)
(単位:百万円)
当第3四半期連結累計期間(2023年12月31日に終了した9ヶ月間)
(単位:百万円)
前第3四半期連結会計期間(2022年12月31日に終了した3ヶ月間)
(単位:百万円)
当第3四半期連結会計期間(2023年12月31日に終了した3ヶ月間)
(単位:百万円)
(注)「その他」は、中南米、オセアニア、アフリカ、中東からなります。
上記の金額は、当社または連結子会社の所在国の位置を基礎とした地域別に集計されています。所在地間取引は、通常の業務上行う取引条件で行っています。
(4)外部顧客の所在地別営業収益
トヨタは、IFRSで要求される情報に加え、財務諸表利用者に有用な情報を提供するため、当該情報を開示しています。
(注)「その他」は、中南米、オセアニア、アフリカ、中東ほかからなります。
6.公正価値測定
トヨタはIFRSに基づき、公正価値の測定を、それに用いたインプットの観察可能性および重要性によって以下の3つのレベルに分類しています。
レベル1:活発な市場における同一資産および負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接または間接的に使用して測定した公正価値
レベル3:観察不能なインプットを用いて測定した公正価値
(2)公正価値の測定方法
資産および負債の公正価値は、関連市場情報および適切な評価方法を使用して決定しています。
資産および負債の公正価値の測定方法および前提条件は、次のとおりです。
現金同等物は、契約上の満期が3ヶ月以内のマネー・マーケット・ファンド等から構成されています。通常の事業において、ほとんどすべての現金及び現金同等物は極めて流動性が高く、購入時点から満期日までの期間が短期であり、その公正価値は帳簿価額と近似しています。
②営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務
これらの公正価値は、短期間で決済されるため、帳簿価額と近似しています。
③金融事業に係る債権
金融事業に係る債権の公正価値は、期限前返済率、予想信用損失および担保価値など、社内の仮定を用いて、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより見積もっています。
金融事業に係る債権の公正価値は、これらの観察不能なインプットを利用しているため、レベル3に分類しています。
④その他の金融資産
(公社債)
公社債には国債等が含まれ、2023年3月31日および2023年12月31日現在、その構成割合は、それぞれ国内債券30%、米国・欧州などの海外債券70%、および国内債券31%、米国・欧州などの海外債券69%となっています。これらは主に、それぞれ同一資産の市場価格により測定しています。
(株式)
株式は2023年3月31日および2023年12月31日現在、それぞれ86%および84%が日本市場の上場株式です。これ らは主に、それぞれ同一資産の市場価格により測定しています。したがって、活発な市場のある株式はレベル1に分類しています。
活発な市場のない株式の公正価値は、マーケットアプローチ等に基づく評価等を用いて測定しています。したがって、活発な市場のない株式はレベル3に分類しています。
レベル3に区分された株式の公正価値の測定に関する重要な観察不能なインプットは、類似企業の株価純資産倍率および割引キャッシュ・フロー法に用いられる割引率等です。公正価値は類似企業の株価純資産倍率の上昇(低下)、割引率の低下(上昇)により増加(減少)します。なお、観察不能なインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に見込まれる公正価値の増減は重要ではありません。
これらの見積りに当たっては、それぞれの場合に照らして妥当と思われる評価方法に基づいていますが、発行企業の財務状況および将来の展望、取引の成否等の重要な仮定に対する不確実性や、異なる仮定および見積方法を用いることにより、公正価値が大きく変化することがあります。
レベル3に区分された株式は、トヨタの連結決算会計方針に従い、トヨタの担当部門が四半期ごとに入手可能な情報を用いて測定し、公正価値の変動の根拠と併せて上位者に報告がなされています。
⑤デリバティブ金融商品
トヨタは、金利および為替の変動によるリスクを管理するために、先物為替予約取引、通貨オプション取引、金利スワップ取引、金利通貨スワップ取引および金利オプション取引等のデリバティブ金融商品を利用しています。デリバティブ金融商品は主に、金利、為替レートなどの観察可能な市場情報および契約条項を利用した標準的な評価手法を用いて測定しており、測定に重要な判断を必要としません。これらのデリバティブ金融商品はレベル2に分類しています。観察可能な市場情報を入手できない場合には、取引相手から入手した価格やその他の市場情報により測定し、観察可能な市場情報を用いて当該価格の変動の妥当性を検証しています。これらのデリバティブ金融商品はレベル3に分類しています。また、倒産確率などを用い、取引相手およびトヨタの信用リスクを考慮して測定しています。
⑥有利子負債(短期借入債務および長期借入債務)
特別目的事業体を通じて行った証券化取引に基づく担保付きの借入金(以下、証券化に基づく借入金という。)を除く、短期借入債務および長期借入債務(1年以内に返済予定の長期借入債務を含む)の公正価値は、類似した負債をトヨタが新たに借入れる場合に適用される利率を用いて、将来キャッシュ・フローを現在価値に割引くことにより見積もっています。当該観察可能なインプットの利用により、公正価値はレベル2に分類しています。
証券化に基づく借入金の公正価値は、主として直近の市場レートおよび支払期日が類似する債務の信用スプレッドに基づいて見積もられます。また、トヨタは証券化された原債権に対して支払われるキャッシュ・フローのタイミングを見積もるために、期限前返済率や予想信用損失など、社内の仮定も用います。証券化に基づく借入金の公正価値については、これらの観察不能なインプットを利用している場合、レベル3に分類しています。
トヨタが継続的に公正価値で測定している金融商品は次のとおりです。なお、公正価値のレベル間振替は、振替を生じさせた事象または状況の変化の日に認識されています。
レベル3に分類された継続的に公正価値で測定している金融資産および負債の変動の内訳は次のとおりです。
なお、公社債、株式およびデリバティブ金融商品の純損益計上額は金融事業にかかる取引を除き、要約四半期連結損益計算書上、それぞれ「その他の金融収益」および「その他の金融費用」に含めて計上しています。金融事業にかかる取引については、それぞれ「金融事業に係る金融収益」および「金融事業に係る金融費用」に含めて計上しています。
上記のデリバティブ金融商品は、資産と負債(△)を合計して純額で表示しています。
2022年12月31日および2023年12月31日に終了した9ヶ月間における「その他」には、外貨換算調整額が含まれています。
(5)償却原価で測定する金融資産および金融負債
償却原価で測定している金融資産および金融負債の帳簿価額と公正価値は次のとおりです。
上記の表には、償却原価で測定する金融資産および金融負債のうち、帳簿価額が公正価値と近似するものを含めていません。
7.配当金
配当金支払額は、次のとおりです。
前第3四半期連結累計期間(2022年12月31日に終了した9ヶ月間)
当第3四半期連結累計期間(2023年12月31日に終了した9ヶ月間)
8.営業収益
外部顧客向け営業収益の事業別・商品別内訳は次のとおりです。
9.1株当たり情報
基本的および希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する四半期利益の差異の調整は次のとおりです。
10.キャッシュ・フローに関する補足情報
前第3四半期連結累計期間および当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローの「その他」には、定期預金の純増減額(△は増加)がそれぞれ165,863百万円および△2,088,534百万円含まれています。
11.偶発債務
トヨタは、トヨタの製品販売にあたり、販売店と顧客が締結した割賦契約について、販売店の要請に応じ顧客の割賦債務の支払いに関し保証を行っています。顧客が必要な支払いを行わない場合には、トヨタに保証債務を履行する責任が発生します。
将来の潜在的保証支払額は、2023年12月31日現在、最大で3,530,875百万円です。トヨタは、保証債務の履行による損失の発生に備え未払費用を計上しており、2023年12月31日現在の残高は、13,719百万円です。保証債務を履行した場合、トヨタは、保証の対象となった主たる債務を負っている顧客から保証支払額を回収する権利を有します。
トヨタと他の自動車メーカーは、タカタ製エアバッグ問題に関し、メキシコ、オーストラリア、イスラエル、ブラジルおよびアルゼンチンの集団訴訟で名前を挙げられていました。ブラジル、アルゼンチンの集団訴訟は係属中です。メキシコ、オーストラリアおよびイスラエルの集団訴訟は解決済です。
トヨタは、オーストラリアにおいて、特定の車両モデルの排ガス浄化フィルターに欠陥があるとの主張に基づく経済的損失に関する集団訴訟で被告として名前を挙げられています。2022年4月7日に一審において、また2023年3月27日に控訴審において、特定の車両モデルに関する車両価値毀損等を認める判決を受けました。トヨタは控訴審判決を不服として上告しました。なお、車両価値毀損以外の経済的損失については引き続き一審で係争中です。トヨタは、本件の結果として要約四半期連結財務諸表に計上すべき引当金を算定する際に、当訴訟の法的および事実上の状況、控訴審の判決内容、弁護士の見解等の様々な要素を考慮しています。当訴訟に関わる発生可能性の高い経済的な便益の流出の見積りは、トヨタの連結の財政状態、経営成績、キャッシュ・フローにとって重要ではありません。ただし、現時点で、最終的な結果とそれに伴う金銭的負担を確実に予測することはできません。
2020年4月、トヨタは、タイ子会社に関する贈賄禁止違反の可能性について米国証券取引委員会および司法省に報告し、調査に協力しています。本件に関する調査の結果、民事罰、刑事罰、罰金、その他の制裁を課せられ、または訴訟を提起される可能性があります。現時点で、本件の範囲、期間、結果を予測することはできません。
この他にも、トヨタに対して、知的財産訴訟や、米国における人身傷害や死亡に関わる訴訟および請求を含む、様々な訴訟や請求があり、また、トヨタは行政調査の対象となる場合もあります。
トヨタは、上述の訴訟等に関して見積計上した金額以上の合理的な可能性がある損失の範囲を現時点で予測することはできません。その理由は以下のとおりです。(1)多くの訴訟手続が証拠収集の段階にあること、(2)関連する多くの事実関係が確定される必要があること、(3)申し立ての法的根拠および性質が不明であること、(4)申し立てや上訴に対する今後の裁判所の判断が不明であること、(5)同種の他の案件の結果が様々で、意味ある指針となるような十分な類似性を見出せないことによります。そのため、解決のため協議を行っているこれらの訴訟および調査等の結果により、見積計上した金額以上の損失が生じた場合、トヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。