当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行したことにより経済活動が正常化に向かい景気回復の兆しが見え始めているものの、世界情勢の緊迫化は依然として続いており、エネルギー問題や原材料等の高騰、更には円安の影響を受け、引き続き、不確実性の高い状況で推移しております。
このような状況の下、当社グループにおける主な取り組みとしては、2023年11月20日付にて、株式会社Waqoo(以下、当社という。)を株式交換完全親会社、セルプロジャパン株式会社(以下、セルプロジャパンという。)を株式交換完全子会社とする株式交換契約を両社間において締結いたしました。当該契約締結を通じ、当社とセルプロジャパンは再生医療領域における血液由来加工の受託サービスの製販一体の連携強化を目指すと共に、化粧品等の商品企画領域においても、セルプロジャパンが事業展開する化粧品・原料事業と緊密に連携を図り、同社が保有する技術や知見等を最大限に活用することで、効果・効能の高い商品開発の実現が可能になると考えております。今後、当社とセルプロジャパンは、各社が抱える課題等を適宜把握した上で、その課題を柔軟かつ迅速に解決する体制を構築するなど、グループ一体となり中長期的な企業価値の向上をより一層図ってまいります。
なお、当社の主力事業であるD2C事業、並びに今後の当社グループを牽引するメディカルサポート事業における、各セグメントの概況については、以下のとおりです。
(D2C事業)
D2C事業については、育毛・発毛促進に特化した薬用炭酸ヘッドスパ育毛剤「sodatel(ソダテル)」の販売強化に向けて、商品特性に合った効率的かつ効果的な広告媒体の選定、継続率向上を目指した各種CRM施策の強化、並びに「sodatel(ソダテル)」と既存商品とのクロスセル販売等、各種施策を積極的に推進してまいりました。
また、既存の主力商品である「HADA NATURE(肌ナチュール)」については、新規顧客開拓の広告宣伝費を抑制する一方、ロイヤルカスタマーに対する各種施策が奏功し、継続率は想定通り高止まりし推移いたしました。この結果、同事業における当第1四半期連結累計期間の売上高は381,509千円(前年同期比20.12%減)、セグメント利益は53,952千円(前年同期比71.15%減)となりました。
(メディカルサポート事業)
メディカルサポート事業については、引き続き、血液由来加工の受託サービスの導入に向けて、全国のクリニック等に向けて積極的に営業提案を推進した結果、新規提携医院数の獲得及び加工受託件数は順調に増加して推移いたしました。今後、同事業の成長発展には提携医院数における受注率の向上が重要になることから、既に提携しているクリニックへの訪問頻度を増やし、医院長様並びに患者様からのご要望等を丁寧に拾い上げ、それをサービスの向上に繋がる施策や投資等を積極的に推進してまいりました。この結果、同事業における当第1四半期連結累計期間の売上高は64,368千円(前年同期比423.15%増)、セグメント損失は61,545千円(前年同期はセグメント利益3,312千円)となりました。
以上の結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の売上高は445,878千円(前年同期比8.98%減)、営業損失は113,299千円(前年同期は営業利益79,434千円)、経常損失は109,798千円(前年同期は経常利益83,906千円)、又は親会社株主に帰属する四半期純損失は110,388千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益67,981千円)となりました。なお、当第1四半期連結累計期間においては、セルプロジャパンの業績は加味されておりません。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は1,526,528千円となり、前連結会計年度末に比べ34,637千円の減少となりました。これは主に、売掛金の増加14,728千円、現金及び預金の減少33,752千円、商品の減少17,333千円によるものであります。
当第1四半期連結会計期間末における固定資産は12,105千円となり、前連結会計年度末に比べ8,161千円の減少となりました。これは主に、長期貸付金の減少260,447千円、貸倒引当金の減少253,520千円によるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は604,301千円となり、前連結会計年度末に比べ100,958千円の増加となりました。これは主に、短期借入金の増加60,000千円、1年内返済予定の長期借入金の減少15,027千円、未払金の増加56,955千円によるものであります。
当第1四半期連結会計期間末における固定負債は270,214千円となり、前連結会計年度末に比べ34,986千円の減少となりました。これは、長期借入金の減少によるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は664,118千円となり、前連結会計年度末に比べ108,770千円の減少となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失110,388千円を計上した結果、利益剰余金が減少したことによるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社は、2023年11月20日開催の当社取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、セルプロジャパン株式 会社 (以下「セルプロジャパン」といいます。)を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といい ます。)を行うことを決議し、同日付で、両社の間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます。)を締結い たしました。
(1)本株式交換の目的
当社は、「テクノロジーの力で自国の未来に希望を創る」のミッションを掲げ、その実現に向けて
D2C(Direct to Consumer)事業を確立し、化粧品分野において主力オリジナルブランドの「HADA NATURE(肌ナ
チュール)」の企画・開発を行い、自社のECサイト等を通じて一般消費者に直接販売しております。創業来、
お客様の反応や要望等をダイレクトに汲み取り、それを商品の企画・開発に効果的に活用できる仕組みの構築
を含むマーケティングを得意としており、かつ、新しい事業等の創造、いわゆる、ビジネスディベロップメン
トも強みとしております。
直近では、2022年8月に、当社の主要株主及び筆頭株主である相川佳之氏が代表を務めるSBCメディカルグル
ープ株式会社(以下「SBCメディカルグループ」といいます。)と業務提携契約を締結し、当社の主力オリジナ
ルブランドである「HADA NATURE」の商品をSBCメディカルグループへ販売しております。その一方で、当社が
SBCメディカルグループの保有する医療美容の各種商品を仕入れ、当社のECサイト等を通じ一般消費者に直接販
売すること、並びに、従来の化粧品分野のみならず医療美容領域への商品を拡充し多角展開を図るべく商品企
画につきましては、引き続き、両社間において協議を重ねております。さらに同年11月には、主力のD2C事業に
次ぐ新たな事業の柱であるメディカルサポート事業を強固にするべく、SBCメディカルグループとの間にて再生
医療領域に重点を置いた業務提携契約を締結いたしました。
なお、当社では、2023年8月24日付け「特別損失の計上及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載
のとおり、メディカルサポート事業の一環として子会社の株式会社Waqooメディカルサポートを通じて医療領
域への人的支援及び広告・マーケティング支援を展開しておりましたが、当社の独力による展開には限界があ
り、グループ内における事業領域の最適化を図るために事業の一部サービスについて縮小せざるを得ず、特別
損失を計上するに至りました。このように、当社にとって、メディカルサポート事業の強化は急務の経営課題
であったところ、SBCメディカルグループとの間の業務提携契約の締結を機に、更なる事業の発展が必要である
と考えております。
一方、セルプロジャパンは、幹細胞や幹細胞から分泌される生理活性物質(上清液やエクソソーム等)の解
析及び臨床研究をよりスピーディーに行ない、科学的根拠を根付かせるとともに、再生医療の発展に貢献し、
日本の再生医療を世界へ届けるという高い志の下、2019年に設立いたしました。同社代表取締役社長の佐俣文
平氏は、再生医療領域における研究者として様々な疾患に対する研究開発を加速してきた一方、経営者として
も新しい医療のカタチを創り、多様なニーズに応えるための経営基盤の創造を目指すなど、言わば“研究者と
経営者の二刀流”に挑戦しております。
セルプロジャパンでは、主に「再生医療関連事業」「分析・加工受託事業」及び「化粧品・原料事業」の3
つの事業を展開しており、それらすべての事業活動基盤は、再生医療研究とそれを支える技術開発にありま
す。日本では2014年に再生医療等安全性確保法が施行され、再生医療を取り巻く日本の環境は世界をリードす
るものとなりました。また、再生医療に対する社会的認知度及び社会的意義の意識が一層高まり、今後、優れ
た効果・効能を有する開発製品の上市が続くものと期待されており、再生医療市場は、2050年には世界で38兆
円、国内で2.5兆円の市場規模(*)へと伸長するとも予測されていることから、セルプロジャパンが担う役割
はますます重要になってくると考えられます。
(*出典:2020年3月経済産業省第1回再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業複数課題プ
ログラム中間評価検討会資料)
現在、当社とセルプロジャパンは、上述のSBCメディカルグループとの業務提携を通じ、再生医療領域におけ
る「血液由来加工」の受託サービスにおいて連携して取り組んでおります。具体的には、当社では各医療機関
から「血液由来加工」の申し込みを取り次ぎ、医療機関からお預かりした検体をセルプロジャパンが運営する
細胞加工センターへ配送手配等を行う役割を、一方のセルプロジャパンでは、同社固有の技術を用い検体の加
工及び冷凍保存を行い、その後、各医療機関の求めに応じ同社で保管する検体を各医療機関に配送手配等を実
施する役割を、それぞれが担っております。このように、当社とセルプロジャパンは、同サービスを展開する
上で重要なパートナーシップを既に構築しております。
しかしながら、両社が中長期的な企業価値向上をより一層図るためには、各社が抱える課題等を把握し、そ
の課題を柔軟かつ迅速に解決できるような体制を構築すべきとも考えております。例えば「血液由来加工」の
受託サービスにおいては、一つのサービスを分業的な役割分担の下で展開していることから、時間的・コスト
的なロスが生じる等、その課題は大きく浮き彫りになっており、両社にとって負担や制約にも繋がっておりま
す。現状のまま、当社の販売機能とセルプロジャパンの製造機能が、単独かつ独立した会社として個別に成長
を追求するのではなく、両社が一体となって戦略的なグループ経営を通じ、両社の有する経営資源を有効活用
し、各種課題解決に向けて協働することが両社における企業価値向上に資するものとも考えております。再生
医療領域における「血液由来加工」の受託販売サービスのみを展開する当社にとっては、セルプロジャパンが
保有する製造技術・ノウハウ等を取り込み、製造技術と販売サービスを一気通貫にする、いわば、”製販一
致”の実現はかねてより悲願でもありました。
またその一方、当社が展開するD2C事業においても好影響が見込まれると考えております。具体的には、当社
での化粧品等の商品企画において、セルプロジャパンが事業展開する「化粧品・原料事業」と密に連携を図る
とともに同社が保有する技術や知見等を最大限に活用することで、効果・効能の高い商品開発が可能となりま
す。また、商品完成に要する時間や過程においても格段の効率化が図れ、開発した商品は当社のD2C事業を通
じ、得意とするマーケティング力を駆使しタイムリーに一般消費者に販売ができる等、様々なシナジー効果が
両社に現れると考えられます。
上述の当社とSBCメディカルグループとの2022年11月の業務提携以降、当社よりSBCメディカルグループに対
し、同社の子会社であるセルプロジャパンの当社子会社化の実現に向けて打診をしておりました。
その後、SBCメディカルグループとは良好かつ前向きな議論を重ねて、セルプロジャパンの技術力と当社の販
売企画力及び上場企業としての信頼を背景に、両社が一体となり再生医療をテーマとした商品・サービス等が
世の中に周知され発展していくことの大義に対して一定以上の理解が得られたことにより、本件の検討が前進
いたしました。
セルプロジャパンとしても、「血液由来加工」におけるスピーディーな課題解決の実現のみならず、上場企
業のグループ傘下に加わることにより得られる信頼の下、再生医療領域の事業を更に深耕・発展させ、かつ
「化粧品・原料事業」を通じ消費者・患者・医療機関に向けた網羅的なサービスの構築や付加価値のある化粧
品・医療品等を提供できるようしていくためには、当社とセルプロジャパンの両社がこれまで以上に連携を深
め、一体経営を構築することが不可欠であるとの認識に至り、2023年8月からセルプロジャパンを当社の完全
子会社とするための検討を両社間にて進めてまいりました。
完全子会社化の方法としては、当社のキャッシュポジション等に鑑み完全子会社化に際して資金流出が生じ
ないこと、本株式交換の対価として当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)がセルプロジャパンの
株主に交付されることにより、当社株式の保有を通じて、本株式交換後に当社とセルプロジャパンの利害を共
通化した上で実行することが想定されている各種施策により生じることが期待される効果や、そのような効果
の発現によるセルプロジャパンの事業発展・収益拡大、その結果としての当社株式の株価上昇等を享受する機
会を両社の株主に対して提供できると考えたことから、当社及びセルプロジャパンは株式交換のスキームを選
択することが望ましいと判断いたしました。
なお、SBCメディカルグループは、当社の議決権を直接保有しておりませんが、SBC メディカルグループの代
表取締役であり、SBCメディカルグループの株式100%を保有する相川佳之氏が当社の議決権を32.88%保有して
いることから、SBCメディカルグループは当社のその他の関係会社に該当します。また、SBCメディカルグルー
プはセルプロジャパンの親会社となります。
(2)本株式交換の要旨
①本株式交換の方法
本株式交換は、当社を株式交換完全親会社、セルプロジャパンを株式交換完全子会社とする株式交換です。
本株式交換は、当社においては2023年12月21日に開催の第18回定時株主総会、セルプロジャパンにおいて
は同日開催の臨時株主総会の決議による本株式交換契約の承認を受けた上で、2024年1月1日を効力発生
日として行いました。
②本株式交換に係る割当の内容
③本株式交換に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
該当事項はありません。
(3)本株式交換に係る割当ての内容の根拠及び理由
当社は、本株式交換比率の決定に当たって公正性及び妥当性を確保するため、当社及びセルプロジャパンならびにSBCメディカルグループから独立した第三者算定機関としてマクサス・コーポレートアドバイザリー株式会社を選定いたしました。
当社においては、第三者算定機関であるマクサス・コーポレートアドバイザリーから2023年11月17日付で取得した株式交換比率算定書、当社がセルプロジャパンに対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて、慎重に協議・検討した結果、本株式交換比率は妥当であり、当社の株主の皆様の利益に資するとの結論に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
(4)株式交換完全親会社となる会社の概要