当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスク発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
なお、継続企業の前提に関する重要事象等は、引き続き以下のとおり存在しております。
(継続企業の前提に関する重要事象等)
当社グループは当第3四半期連結累計期間において、営業損失269百万円を計上する結果となりました。主力事業であるスパンクリート事業においては、5期連続の営業損失を計上しております。
このような状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループは当該状況を解消すべく以下のとおり、対応策に取り組んでおります。
<対応策>
① 販売価格の改定および付加価値のある製品開発
② 効率的な組織運営とコストの最適化
③ 外部企業とのアライアンスによる組織力の強化
セグメント別の取り組みは次のとおりであります。
<スパンクリート事業>
① 原材料およびエネルギー費、輸送費の価格上昇に対応した販売価格の適正改定
② 新たな販路を構築し、マンション・大型倉庫・工場・学校・病院の床材拡販に注力し、工場の操業度及び利益の確保に努める
③ 改良新製品研究開発への注力
④ 原材料の値上げに対する仕入れ取引先へのきめ細かな対応
⑤ 生産コストダウンへ向けた継続的な活動と新規テーマの探索
⑥ 生産数量の増減に備えた協力会社との連携推進
⑦ 相対的に利益率の高い製品の販売拡大
⑧ サステナビリティの一環として、カーボンニュートラルを実現する製品開発の推進
<不動産事業>
① 賃貸物件の新規購入の検討
② 賃貸物件3棟の高稼働率の確保
<プレキャスト事業>
① 事業継続の見極め
なお、2023年12月末時点において、2,044百万円の現金及び預金を有しており、当面の経営に支障をきたさない資金を確保しております。
以上より、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国の経済は、社会経済活動の正常化、国内労働賃金の引き上げにより、緩やかな回復傾向が続いております。また、2024年度の実質GDPの伸び率は鈍化するものの前年度からの緩やかな景気回復が続くものと予測されております。一方で、円安の進行、海外諸国の金融政策転換など、景気減速懸念の要因があり、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
この間、建設市場におきましては、受注競争の激化や建設資材の高騰などにより、建設コストが大きく上昇しており、収益が低下傾向にあります。当社では原材料価格の上昇について販売価格への転嫁を進めておりますが、案件毎の厳しい対応を迫られており、厳しい市場環境が続いております。
このような状況下で当社の当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高1,499百万円(前年同四半期比8.6%減)、営業損失269百万円(前年同四半期は営業損失301百万円)、経常損失259百万円(前年同四半期は経常損失297百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失257百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失277百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① スパンクリート事業
当事業は、受注案件の工程遅延が発生しており、販売金額・数量共に低迷が続いております。その結果、売上高は873百万円(前年同四半期比29.6%減)、セグメント損失272百万円(前年同四半期はセグメント損失223百万円)となりました。
② 不動産事業
当事業は、オフィスビル3棟は高稼働率を維持し、安定的に推移しているものの一部テナントの退去があり、売上高163百万円(前年同四半期比7.7%減)、セグメント利益83百万円(前年同四半期比5.2%減)となっております。
③ プレキャスト事業
当事業は、主な契約先からの安値受注を余儀なくされた案件の影響により、その結果、売上高463百万円(前年同四半期比106.7%増)、セグメント損失81百万円(前年同四半期はセグメント損失165百万円)となっております。なお、プレキャスト製品の製造及び販売を行う合弁会社である岩瀬プレキャスト株式会社について、解散に向けて合弁相手先である東急建設株式会社と協議を開始いたしました。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は受取手形及び売掛金並びに契約資産が増加したものの、現金及び預金の減少により、前連結会計年度末に比べ379百万円減少し、2,853百万円となりました。
固定資産は投資有価証券の増加により、前連結会計年度末に比べ6百万円増加し、3,815百万円となりました。
この結果、総資産は、6,669百万円となり、前連結会計年度末に比べ373百万円減少いたしました。
流動負債は工事未払金及び受注損失引当金が増加したものの、短期借入金及び買掛金の減少により、前連結会計年度末に比べ115百万円減少し、713百万円となりました。
固定負債は再評価に係る繰延税金負債及び長期預り敷金の増加により、前連結会計年度末に比べ42百万円増加し、446百万円となりました。
この結果、負債は1,160百万円となり、前連結会計年度末に比べ73百万円減少いたしました。
純資産は前連結会計年度末に比べ300百万円減少し、5,508百万円となりました。
これは主に四半期純損失292百万円計上したことによるものであります。なお、2023年6月23日開催の第61回定時株主総会決議に基づき2023年8月31日付で資本金の額の減少及び剰余金の処分による欠損填補を実施し、資本金が3,195百万円減少、その他資本剰余金が2,698百万円増加、繰越利益剰余金が496百万円増加しております。
この結果、自己資本比率は82.9%(前連結会計年度末は82.3%)となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。また、新たに対処すべき課題もありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、5百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間における、スパンクリート事業の生産、受注及び販売の実績は、生産数量74,603㎡、受注数量130,654㎡、販売(売上)数量65,967㎡、受注残高数量75,798㎡となりました。
プレキャスト事業の生産、受注及び販売の実績は、生産数量2,504㎥、受注数量28㎥、販売(売上)数量3,440㎥となりました。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営戦略の現状と見通しに重要な変更はありません。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当第3四半期連結累計期間において、経営者の問題認識と今後の方針について重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、新たに締結した経営上の重要な契約は次のとおりであります。
契約会社名 |
相手方の名称 |
契約の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
株式会社スパンクリートコーポレーション |
MUCC商事 株式会社 |
取引基本契約 |
製造する製品の販売に関する 基本契約 |
2023年10月1日から 2024年8月31日 以後、1年毎に自動更新 |
(注)MUCC商事株式会社は、宇部建設資材販売株式会社が三菱商事建材株式会社のセメント等販売事業を吸収合併し設立された会社であり、上記契約は当該吸収合併に伴い契約が承継されたものであります。