当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、2025年3月期を最終年度とした第八次中期経営計画(RISO Vision 25)を策定し、『インクジェット事業を拡大するとともに顧客志向に基づく販売企画体制を構築する』を中期的な経営目標に掲げて運営しております。
当第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期と比べ売上高は前年同期並み、営業利益は減益となりました。
売上高は529億5千5百万円(前年同期比0.0%増)、営業利益は31億9千7百万円(同11.8%減)、経常利益は36億9千1百万円(同2.1%減)となりました。特別利益に退職給付制度改定益4億3千2百万円を計上しました。親会社株主に帰属する四半期純利益は28億4千2百万円(同0.2%増)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間の期中平均為替レートは、1米ドル143.29円(前年同期比6.78円の円安)、1ユーロ155.29円(同14.70円の円安)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりです。
・印刷機器事業
当社グループは、印刷機器事業として、高速カラープリンター「オルフィス」を主としたインクジェット事業とデジタル印刷機「リソグラフ」を主とした孔版事業を行っております。
印刷機器事業は、当第3四半期連結累計期間において、為替の円安影響があったものの、売上高は516億6千9百万円(前年同期比0.1%減)となり、セグメント利益は27億4千7百万円(同12.6%減)と前年同期と比べ減益となりました。日本において2023年4月からの商品価格改定に伴う前倒し需要が前期末にあり、その反動により販売が減少したことが要因です。
日本では、インクジェット事業の売上は前年同期並みとなり、孔版事業の売上は前年同期を下回りました。海外ではインクジェット事業の売上が前年同期を上回りましたが、孔版事業の売上は前年同期を下回りました。日本の売上高は236億8千8百万円(同4.7%減)、米州の売上高は43億円(同4.5%増)、欧州の売上高は126億7千万円(同8.0%増)、アジアの売上高は110億9百万円(同0.1%減)となりました。
・不動産事業
当社グループは、不動産事業として、ビルの賃貸を行っております。
不動産事業の売上高は、8億1千8百万円(前年同期比0.4%減)、セグメント利益は5億7千8百万円(同3.4%減)となりました。
・その他
当社グループは、上記の報告セグメントの他、プリントクリエイト事業、デジタルコミュニケーション事業及びアプリケーションソフトウェア事業を行っております。
その他の売上高は、4億6千7百万円(前年同期比14.0%増)、セグメント損失は1億2千7百万円(前年同期は1億1千6百万円のセグメント損失)となりました。
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は、前連結会計年度末に比べ以下のとおりとなりました。
総資産は22億3千7百万円減少し825億3千5百万円となりました。また、純資産は9億6千3百万円減少し633億3千2百万円となりました。
主な増減内容は、資産の部では、商品及び製品3億1千3百万円、投資有価証券7億4千6百万円がそれぞれ増加し、受取手形及び売掛金33億3千2百万円が減少しました。負債の部では、支払手形及び買掛金1億1百万円が増加し、未払法人税等10億3千6百万円が減少しました。純資産の部では、利益剰余金78億9百万円、自己株式56億8千7百万円がそれぞれ減少し、為替換算調整勘定8億5千2百万円が増加しました。
この結果、自己資本比率は0.9ポイント増加し76.7%となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は33億5千4百万円です。研究開発活動は主に印刷機器事業によるものです。
アプリケーションソフトウェア事業では、2023年10月12日に一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会と共同開発した「ヨミヤス」の提供を開始しました。「ヨミヤス」は情報の「見やすさ・読みやすさ」を検証する有償のクラウドサービスです。
当社は、2023年12月22日に、当社が新たに設立する子会社である理想テクノロジーズ株式会社(以下「理想テクノロジーズ」といいます。)が、東芝テック株式会社(以下「東芝テック」といいます。)及び同社の連結子会社である株式会社テックプレシジョン(以下「TPI」といいます。)が行っているインクジェットヘッド事業(以下「本対象事業」といいます。)を会社分割(吸収分割)の方法により承継する(以下「本吸収分割」といいます。)ことを内容とする契約(以下「本最終契約」といいます。)を東芝テック及びTPIとの間で締結しました。
本吸収分割の概要は次のとおりであります。
(1)本吸収分割の目的
当社グループの主力事業である印刷機器事業では、高速印刷領域に特化した当社独自のインクジェットプリンターを開発・製造・販売しております。2025年3月期を最終年度とする第八次中期経営計画(RISO Vision 25)を策定し、『インクジェット事業を拡大するとともに顧客志向に基づく販売企画体制を構築する』を中期的な経営目標に掲げて運営しております。
本対象事業を承継することにより、当社がすでに保有するプリントシステム及びインクの技術に、新たにインクジェットヘッド技術が加わります。この総合力を発揮し、印刷機器事業の効率的な運営と製品の性能・品質の向上を図ります。また、本対象事業が行っているインクジェットヘッドの販売を新規事業と位置づけ、新たな成長に向けて取り組んでまいります。
当社は、本対象事業を承継するために子会社である理想テクノロジーズを設立し、理想テクノロジーズが東芝テック及びTPIとの間でそれぞれ吸収分割契約(以下、総称して「本吸収分割契約」といいます。)を締結することで、理想テクノロジーズに本対象事業を承継させることを決定しました。
(2)本吸収分割の日程
子会社設立の決定日 |
2023年12月22日 |
本最終契約締結の決定日 |
2023年12月22日 |
本最終契約の締結日 |
2023年12月22日 |
承継会社たる理想テクノロジーズの設立日 |
2024年4月1日 |
本吸収分割契約の締結日 |
(未定) |
本吸収分割の効力発生日 |
2024年7月1日(予定) |
(注)上記の日程は、現時点での予定であり、今後、東芝テック及びTPIと協議の上、上記日程を変更する場合が
あります。
(3)本吸収分割の方式
理想テクノロジーズを承継会社とし、東芝テック及びTPIを分割会社とする吸収分割方式です。
(4)本吸収分割に係る割当ての内容
本吸収分割の対価として、東芝テック及びTPIに総額7,120百万円の金銭を承継会社たる理想テクノロジーズより交付する予定です。
なお、東芝テック及びTPIそれぞれに対する交付金額は、後日締結する本吸収分割契約により確定するので、現時点では確定しておりません。
(5)本吸収分割に係る割当ての内容の根拠等
①割当ての内容の根拠及び理由
本吸収分割において承継会社たる理想テクノロジーズが交付する金銭の算定につきましては、当事者間で協議の
うえ、公正妥当な価格として合意しております。
②算定に関する事項
本吸収分割に関して、算定機関から算定書を取得しておりません。
(6)本吸収分割の当事会社の概要
①分割会社(東芝テック)の概要(2023年9月30日現在)
名称 |
東芝テック株式会社 |
所在地 |
東京都品川区大崎一丁目11番1号 |
代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 錦織 弘信 |
事業内容 |
POSシステム、複合機、オートIDシステム、インクジェットヘッド並びにそれらの関連商品の開発、製造、販売、保守サービス等 |
資本金 |
39,970百万円 |
設立年月日 |
1950年2月21日 |
発行済株式数 |
57,629,140株 |
②分割会社(TPI)の概要(2023年9月30日現在)
名称 |
株式会社テックプレシジョン |
所在地 |
静岡県三島市南町6-78 |
代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 後藤 剛 |
事業内容 |
インクジェットヘッド及び複合機用トナーの製造等 |
資本金 |
10百万円 |
設立年月日 |
1981年4月1日 |
発行済株式数 |
20,000株 |
(7)承継会社(理想テクノロジーズ)の概要
名称 |
理想テクノロジーズ株式会社 |
所在地 |
東京都港区芝五丁目34番7号 |
代表者の役職・氏名 |
代表取締役 大島 健嗣(当社執行役員) |
事業内容 |
インクジェットヘッド及びその関連商品の開発、製造、販売等 |
資本金 |
4億円 |
設立年月日 |
2024年4月1日 |
(8)承継する事業の概要
①承継する事業内容
|
東芝テック |
TPI |
事業内容 |
インクジェットヘッド及びその関連商品の開発、製造、販売等 |
インクジェットヘッドの製造等 |
②承継する事業の経営成績(2023年3月期)
|
東芝テック |
TPI |
売上高 |
5,114百万円 |
2,379百万円 |
営業利益 |
1,016百万円 |
15百万円 |
(注)上記は、東芝テック及びTPIの単体財務諸表上の本対象事業に係る数値を記載したものであり、東芝テック
及びTPI間の内部取引消去は考慮しておりません。
③承継する資産、負債の項目及び帳簿価格(2023年6月30日現在)
東芝テック
資産 |
負債 |
||
流動資産 |
2,261百万円 |
流動負債 |
1,488百万円 |
固定資産 |
859百万円 |
固定負債 |
507百万円 |
合計 |
3,121百万円 |
合計 |
1,995百万円 |
TPI
資産 |
負債 |
||
流動資産 |
786百万円 |
流動負債 |
581百万円 |
固定資産 |
101百万円 |
固定負債 |
- |
合計 |
887百万円 |
合計 |
581百万円 |
(注)上記は、2023年6月30日現在を基準として算出しており、実際に分割する資産及び負債の金額は、後日締結す
る本吸収分割契約の中で分割する資産及び負債の項目が決定した後確定する金額に、効力発生日までの増減を
加味した数値となります。また、上記は、東芝テック及びTPIの単体財務諸表上の本対象事業に係る数値を
記載したものであり、東芝テック及びTPI間の債権債務の相殺消去及び未実現利益の消去は考慮しておりま
せん。なお、上記金額には、本対象事業の対象となる資産及び負債を含めております。