当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、主に当第3四半期連結累計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
① 有価証券上場規程等の違反による制裁
当社は東京証券取引所スタンダード市場に上場しております。有価証券上場規程に違反すると処分を受ける場合があります。悪質なケースでは上場廃止となる場合もあり、会社法、金融商品取引法、民法及び刑法等による責任について問われる場合もあります。当社グループは事業に関連する各種制度・法令改正の情報を日々のモニタリングや弁護士及び公認会計士等から収集を図り、必要に応じて適切なアドバイスを基に事前の対策を講じる体制を構築しております。
② 自主規制団体による制裁
連結子会社であるPersonal Capital株式会社は、貸金業法に違反があった場合、行政処分や刑事罰が科せられます。その対策としては、貸金業法を遵守し、法令等に関する最新情報の収集と正確な知識の習得に努めるとともに、法令等違反行為を防止するための適切な社内管理体制を構築しております。
③ 紛議及び訴訟
当社グループは、国民経済における資金の運用・調達の場である資本市場の担い手として、国民から信頼される健全な社会常識と倫理感覚を常に保持し、求められる専門性に対応できるよう、不断の研鑽に努めております。
基本的に法令、自主規制等のルールに沿った取引であっても、現場において意思疎通を欠くと、お客様の苦情につながり、結果的に紛議となる場合があります。その場合、紛議解決のための協議和解金や訴訟の場合の支払い命令等により、費用が発生する場合があります。
なお、2023年12月末において、商品先物取引の受託に関し、当社グループを被告とする損害賠償請求事件は全て終結しております。
④ 子会社に関連する事業等のリスク
当社グループのPersonal Capital株式会社は貸金業法に基づく貸金業を営んでおり、主力業務の不動産担保融資事業は、不動産市況が悪化した場合、担保不動産の価格下落による担保不足の貸付債権の増加リスク、債務者の返済能力の低下による支払遅延リスクや貸倒リスクが高まることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況について
当社グループは、2021年3月期に事業譲渡を行い営業収益の90%以上を占めていた貴金属先物事業の喪失、早期退職者募集等による従業員数の95%減少、本社を除く全営業店(10店舗)の閉鎖などにより、従前の企業活動を継続することが困難な状況にあり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループは、当該状況を解消すべく、金投資に興味のある富裕層向けサービスの開発、クラウドバンクグループとの金地金共同事業の強化、Kinka(BVI),Ltd.、一般社団法人ゴールド基金及び合同会社ゴールド・マネジメントの計3社における海外の金投資需要の取り込みによる金地金事業のさらなる収益化を図ってまいります。また、当第1四半期連結会計期間に貸金業を展開するPersonal Capital株式会社を当社グループに迎え、当社グループ全体の業績回復を図ってまいります。
また、当社グループは当第3四半期連結会計期間末に現金及び預金として約31億円保有し、純資産も約53億円となっており、コスト削減の効果も表れていることから、当面の事業の展開・継続をはかるに足る十分な現金及び預金を有しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
文中の将来に関する事項は、主に当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におきましては、全世界的な消費者物価の上昇は落ち着きを取り戻しつつあるものの、主要各国の政策金利の高止まりが長期化するとの見方から、世界経済は先行き不透明な状況が続いております。我が国の経済においても、円安による輸入コストの上昇やエネルギー価格の高止まり等から景気の先行き懸念が強まっています。
また、地政学リスクの高まりや急激な金融引き締めによるリセッションの不安から、金を始めとした実物資産へ投資資金の流入が続いており、国内金価格は史上最高値を更新するなど金への投資家の関心が増しているものの、高値警戒感から購入を控える動きも起こっています。
このような市場環境から、当社グループでは金地金の直接売買、日本クラウド証券株式会社との共同事業でインターネットでの金の売買及び積み立て投資を積極的に進め、金に対する幅広い投資ニーズに対応できる販売体制を構築しております。また、2023年1月からはKinka(BVI),Ltd.において金の価格と連動する暗号資産「Kinka」の販売を開始しております。
また、Personal Capital株式会社を連結子会社に加え、収益の増加に取り組んでおります。
以上の結果、売上高は3,207,469千円(前年同四半期比0.1%増)となり、売上総利益は378,053千円(前年同四半期比18.5%増)となりました。前期に引き続き経営効率化を行ったものの、営業損失は38,569千円(前年同四半期は営業損失245,146千円)となりました。経常利益については55,117千円(前年同四半期は経常損失266,664千円)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は403,478千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失112,295千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
①金地金事業
当第3四半期連結累計期間における金地金事業の売上高は2,859,521千円(前年同四半期比2.2%減)、セグメント損失は1,240千円(前年同四半期はセグメント損失17,274千円)となりました。
②投資・金融サービス事業
当第3四半期連結累計期間における投資・金融サービス事業の売上高は243,327千円(前年同四半期比6.5%減)、セグメント利益は111,663千円(前年同四半期比36.1%減)となりました。
③ノンバンク事業
当第3四半期連結累計期間におけるノンバンク事業の売上高は99,583千円、セグメント利益は63,409千円となりました。
財政状態については、以下のとおりであります。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末より3,953,060千円減少し、5,487,200千円となりました。これは主に証券業における預託金が460,007千円、証券業における信用取引資産が542,083千円、証券業における短期差入保証金が4,017,675千円減少したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末より4,668,999千円減少し、116,902千円となりました。これは主に証券業における信用取引負債が542,086千円、証券業における預り金110,850千円、証券業における受入保証金が3,966,087千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末より715,939千円増加し、5,370,297千円となりました。これは主に自己株式の減少により純資産が245,979千円増加したこと及び、親会社株主に帰属する四半期純利益403,478千円を計上したことによるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当社グループは当第3四半期連結累計期間において、ノンバンク事業を行うPersonal Capital株式会を取得し、投資・金融サービス事業を行う第一プレミア証券株式会社の譲渡を行いました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題については、次の通りであります。当社グループは第一プレミア証券株式会社の売上増加を目指しておりましたが、第一プレミア証券株式会社を譲渡したことに伴い、当第3四半期連結累計期間末をもって、投資・金融サービスセグメントを廃止しております。なお、金地金の対面販売は第一商品株式会社が行います。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、第一プレミア証券株式会社を譲渡しました。これにより、従業員は前連結会計年度末より「金地金事業」で3名、「投資・金融サービス事業」で18名、全社(共通)で14名減少しております。
(6)販売の実績
当第3四半期連結累計期間の販売実績は「第2(事業の状況)2(経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は健全な財務基盤の確保を重視しており、運転資金及び設備資金全般につきましては、主に内部資金から充当しております。
当社は、2023年12月25日開催の取締役会において、2023年12月26日を効力発生日として、当社の連結子会社である第一プレミア証券株式会社の株式の全部を譲渡することを決議し、同日に株式譲渡契約を締結いたしました。なお、これに伴い第一プレミア証券株式会社は2023年12月31日に連結子会社から除外されております。
契約の概要は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。