第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症対策としての行動制限解除や、インバウンド需要の増加など、経済活動正常化の進展による景気の緩やかな回復が見られたものの、原材料価格の高止まりや円安を背景とした物価上昇など、先行きは不透明な状況が続いております。

 当社グループが属する情報サービス業界は、生産性の向上を目指して、リモートワーク、クラウド環境の導入、IoT、AI、5G、メタバースなどのデジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するIT投資や、企業防衛のためのセキュリティ対策投資を積極化する企業が増加していることを背景に、市場の成長は堅調に継続するものと認識しております。

 このような状況の下、当社グループの主力サービスであるソフトウェアテストサービスにおきましては、潜在市場規模が大きくまた参入障壁の高いエンタープライズ系(注1)領域の開拓への注力を継続し、売上規模と利益率の向上に努めております。一方で、顕在化するエンジニア不足に対しては、優秀なITエンジニアの積極採用、充実した社内研修メソッドによる未経験人材の早期戦力化、業界別ナレッジ蓄積による人材の高スキル化及び外部人材の有効活用、テスト自動化や管理ツールの活用といった施策の展開を行い、順調に受注案件を積み上げております。

 その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は7,669,776千円(前年同期比17.1%増)と堅調に推移しましたが、成長に向けた人的投資の積極化による採用費及び人件費の増加、事務所拡張移転に伴う地代家賃等の増加、M&Aなど各種政策的投資費用の増加により、営業利益は533,065千円(同34.6%減)、経常利益は533,265千円(同35.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は310,597千円(同45.1%減)となりました。

(注1)エンタープライズ系

企業の業務システムや情報システム、金融機関、病院、鉄道など大規模かつ社会基盤を支える情報システムなどに含まれ、それらの中心となる制御システムの総称

 

 各セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

①ソフトウェアテストサービス事業

 当事業においては、金融機関向けを中心としたエンタープライズ系領域の売上高が堅調に推移した他、新規大型再構築案件の上流工程・PMO(注2)・QMO(注3)や、大型マイグレーション(注4)案件への参画も増加しました。その結果、外部顧客に対する売上高は6,759,863千円(前年同期比13.6%増)と堅調に推移した一方、将来の成長へ向けた投資であるエンジニアの人材採用積極化に伴う採用費、入社時の案件にアサインしない期間の研修費用(新卒・未経験者は2カ月間、経験者は1カ月間)、自社開発ツールの開発費、事務所拡張移転に伴う地代家賃等が増加したことなどにより、セグメント利益は581,634千円(同25.5%減)となりました。

(注2)PMO(Project Management Office)

組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システム

(注3)QMO(Quality Management Office)

組織内における個々の品質管理の支援を横断的に行う部門や構造システム

(注4)マイグレーション

ソフトウェアやシステム、データなどを別の環境に移動したり、新しい環境に切り替えたりすること

 

②Web/モバイルアプリ開発サービス事業

 当事業においては、アプリ開発やセキュリティ・脆弱性診断に係る売上高が増加しました。加えてM&Aにより2社を新規連結したことも売上高の拡大に貢献しております。その結果、外部顧客に対する売上高は886,621千円(前年同期比56.2%増)と伸長しました。一方で開発が一部遅延していることや、のれんの償却費の増加などにより、セグメント利益は13,813千円(同84.6%減)となりました。

 

③オフショアサービス事業

 当事業においては、新規案件の開始により売上高は第2四半期までに比べ増加傾向にあるものの、教育に関する費用が先行発生(第4四半期は解消し収益化見込み)となった結果、外部顧客に対する売上高は23,291千円(前年同期比18.1%減)、セグメント損失は24,145千円(前年同期は5,396千円のセグメント利益)となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は3,285,016千円となり、前連結会計年度末に比べ390,911千円増加いたしました。これは主に現金及び預金の増加251,330千円によるものであります。固定資産は1,826,361千円となり、前連結会計年度末に比べ631,366千円増加いたしました。これは主にのれんの計上等による無形固定資産の増加563,600千円、投資その他の資産の増加39,162千円によるものであります。

 この結果、総資産は5,111,378千円となり、前連結会計年度末に比べ1,022,277千円増加いたしました。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は1,776,693千円となり、前連結会計年度末に比べ127,763千円増加いたしました。これは主に買掛金の減少60,135千円、短期借入金の増加200,000千円及び未払法人税等の減少178,469千円によるものであります。固定負債は613,976千円となり、前連結会計年度末に比べ580,303千円増加いたしました。これは主に長期借入金の増加580,374千円によるものであります。

 この結果、負債合計は2,390,670千円となり、前連結会計年度末に比べ708,066千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は2,720,707千円となり、前連結会計年度末に比べ314,211千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益310,597千円の計上に伴う利益剰余金の増加及び新株予約権の増加3,346千円によるものであります。

 この結果、自己資本比率は53.2%(前連結会計年度末は58.9%)となりました。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は74,601千円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。