第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて新たに識別した事業上のリスクは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)採用単価の高騰及び人件費の高騰

全体的な賃上げ圧力がかかる環境下においては、採用単価、派遣労働者単価、有資格者人件費高騰が予想されることから、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)法改正による原価変動

定期的に見直される建築基準法、建設業法の改正による、労務管理等の変更等により、工期の長期化や、配置人員の増加等で原価が高騰する可能性があります。原価の高騰分を請負金額に反映できない場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)品質管理について

品質管理には万全を期しておりますが、契約不適合責任等による損害賠償が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)労働災害及び事故の発生について

工事施工にあたっては、労働災害および事故の発生を防ぐべく対策を講じておりますが、万が一、人身や施工物にかかわる重大な事故が発生した場合は、売上高・利益の減少、採算性の悪化等、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)取引先の信用リスクについて

建設業界では、一契約における請負金額が大きく、また支払条件によっては工事代金の回収に期間を要する場合があります。当社グループでは、与信管理の徹底により貸倒れ防止に努めておりますが、取引先の急激な経営状況の悪化等により資金の回収不能や工期の遅延等が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、前会計年度まで2期連続して営業損失を計上し、当第3四半期連結累計期間においても営業損失を計上していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在していると認識しております。

このような中、当社グループは、抜本的な固定費削減策、FCの自動化を含む生産性の向上を進めることで事業の収益性を高め、また自動倉庫システムの販売促進などの新たなビジネスモデルの構築により、当該重要事象の早期解消を目指しております。

資金面につきましては、引き続き取引金融機関と緊密に連携・情報交換を行っており、将来必要となる資金についてもご支援いただけるような良好な関係を継続できるよう対応してまいります。また、金融機関以外からの調達についても適宜検討を進めていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 当社は、当第3四半期連結会計期間より四半期連結財務諸表を作成しているため、前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度末との比較分析は行っておりません。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限が緩和されたことを受け経済活動の正常化が進み、景気は回復傾向にあります。一方で、国際情勢の悪化等による原材料価格及びエネルギー価格の高騰や円安による物価の上昇など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 このような状況のもと、当社は「私たちは、常に顧客視点で変化を先取りし、社会インフラとして成長し続けるEコマースの進化に貢献します」をパーパスとして、多様なお客様のニーズに寄り添った対応をより深い次元で実現することに取り組んでおります。

 当社は2000年の創業以来、通販物流代行サービスを提供してきました。現在は、これまでに培ったEコマース領域でのナレッジを活かし、クライアントをトータル支援するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスとコンサルティング・人材育成サービスを提供しております。

 当社グループが事業を展開するEコマース業界は急速な市場拡大を遂げており、ロジスティックスの出荷数や在庫過多などの流通上の課題を抱えていることや解決のプロセスもより複雑化しているため、EC事業全体の戦略見直しや提案力が求められています。これらに対応すべく当社グループでは、クラウドビッグデータを基盤にした、当社のWMSなどの社内システムにある貴重な情報資産を活用したBIレポートや分析レポートを導入するなど、DX推進の取り組みを強化しております。分析力を強化して、顧客企業視点での課題の把握及び改善提案を行うことにより、顧客企業と伴走し、顧客企業のEC事業成功を支援する真のBPOパートナーとしての成長を目指してまいります。

 当第3四半期連結累計期間の売上高は概ね順調に推移し、9,882,036千円となりました。販売費及び一般管理費については、体制強化に向けた積極的な人員拡充に係る採用費及び人件費や、業務効率改善を目的とした営業支援システムの導入等によるシステム関連費用の計上により、818,627千円となりました。

 以上の結果、営業損失は559,258千円、経常損失は552,633千円となりました。さらに、投資有価証券売却益82,647千円を特別利益に、フルフィルメントセンターの閉鎖等に伴う移転費用19,562千円を特別損失に計上し、税金等調整前四半期純損失は489,949千円、親会社株主に帰属する四半期純損失は503,311千円となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 なお、当第3四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第3四半期連結累計期間の分析は、変更後の区分に基づいております。

 

(1)BPOサービス事業

 売上高につきましては、業務改善と坪稼働率向上により、2023年12月度に過去最多の出荷件数を記録しました。セグメント利益につきましては、体制強化に向けた積極的な人員拡充に係る採用費及び人件費や、業務効率改善を目的とした営業支援システムの導入等によるシステム関連費用を計上しました。これらの結果、売上高は9,414,177千円、セグメント利益は169,810千円となりました。

 

(2)ファシリティ事業

 建築部門は10月時点で計画どおり進捗しました。内装部門は、既存顧客のスポット対応等により大きく伸長しました。太陽光事業部門は、昨年から計画されていた案件が本格的に稼働を開始し大きく伸長しました。これらの結果、売上高は474,161千円、セグメント利益は1,646千円となりました。

 

② 財政状態の分析

(資産の部)

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、5,929,838千円となりました。主な内訳は、現金及び預金772,279千円、売掛金及び契約資産1,977,134千円、前払費用573,934千円、敷金及び保証金1,435,532千円であります。

 

(負債の部)

 当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、5,056,956千円となりました。主な内訳は、買掛金1,176,279千円、未払金1,387,302千円、長期借入金1,001,057千円であります。

 

(純資産の部)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、872,882千円となりました。主な内訳は、資本金599,419千円、資本剰余金519,419千円、利益剰余金△278,914千円であります。

 この結果、自己資本比率は、14.5%となりました。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分

析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 (第三者割当による第6回新株予約権の発行)

 当社は、2023年10月13日開催の取締役会において、マイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社を割当先とする第三者割当による第6回新株予約権の発行を決議し、2023年10月30日にコミットメント条項付き第三者割当て契約を締結しております。