第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 基本方針

当社グループは、「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができる未来を創造するために、「リアル(住まい)×テクノロジー」を通じて、不動産取引をより身近なものにすることを目指しています。

我々の理念は、今まで多くの人にとって一生に一度の買い物であると言われてきた住宅を、ライフスタイルの変化に応じて柔軟に住まいを変える、そのような存在に変えることで人々の様々な可能性を広げていきたい、という想いに基づいています。テクノロジーを活用し、我々の目指す未来を創造することで、住まいを通じたより豊かな社会の構築に貢献し、当社グループの企業価値を高めることにつながっていくものと確信しています。当社グループは今後、リアルとして積上げた実績と、最新のテクノロジーの力を掛け合わせることで、顧客の「売りたい」「買いたい」「建てたい」を喚起する有効情報を手軽に提供し、当社グループ自身が相手方となって取引を速やか且つ具体的に実現することで、顧客LTV(ライフ タイム バリュー)(※)を最大に引き上げていきます。不動産取引の現状を変えていくためには先端のテクノロジーを活用していくことが重要であるのと同時に、テクノロジーを適切に活用するためには不動産取引の実態(リアル)に精通していることが必要不可欠です。リアルとテクノロジー、そして2つの役割分担、掛け合わせ方、すべての高度化を目指します。

 

※ 顧客LTVとは、顧客生涯価値を意味し、ある顧客が特定の企業等と取引を開始してから終了するまでの間に当該企業等にどれだけ利益をもたらすかに関する指標です。

 

(2) 経営環境及び経営戦略

日本の住宅市場は、住宅ストックの状況・人口動態及び社会情勢の変化、資材及び人件費等の高騰、サステナビリティ意識の浸透などを背景に今後はマンションカテゴリーにとどまらず、戸建住宅カテゴリーにおいても中古住宅流通市場の重要度は上がっていくものと考えております。そして、2022年の中古マンションの市場規模は2.3兆円(東日本不動産流通機構/レインズの成約価格)、このうち中古住宅買取再販事業の市場規模は7,500億円(リフォーム産業新聞「買取再販年間販売戸数ランキング2023年」のマンション販売戸数と東日本不動産流通機構/レインズの中古マンション首都圏成約物件価格から推計)でありました。このような市場環境を背景に当社グループは中古住宅再生事業を核としてKAITRY事業を運営しております。

KAITRY事業は仕組みの構築、すなわちプラットフォーム『KAITRY』を構築することで事業規模を拡大してきました。今後は「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができる未来に向け、新たな価値提供を実現できる経営基盤の高度化を目指します。

2024年1月12日に公表した「2023年11月期_通期決算説明資料」においては、2024年11月期より始まる3カ年の中期経営計画を、-仕組みを磨き込み理想実現の基盤を築く―としました。当社グループ主力事業である中古住宅再生の事業基盤であり特徴として、全国15拠点で約5,500社の不動産仲介会社、約8,500仲介会社拠点、約23,000人の仲介会社営業員というネットワークを保有していますが、当該ネットワークをさらに拡大していきます。加えて、不動産仲介会社、金融機関、士業への業務支援SaaSサービス、エンド顧客と直接取引を進めるiBuyer(オンライン買取再販)の展開を進めることで、不動産情報と不動産売買を拡大していくシナジーを生み出し、仕入・販売の質的向上を図ってまいります。

またこれら情報と取引(売買)の拡大は事業展開の過程で蓄積してきたデータベース(例:2023年11月期に33,000件超の価格査定を実施)とこれを活用するデータサイエンスやAI等テクノロジーを駆使して取り組んでいきます。査定精度向上、情報の網羅性/見える化向上、社内外リソースを活用したPOC実施による新規事業/プロダクト開発体制強化により、コアコンピタンスの強化を図ることで実現してまいります。

 

 

(中期経営計画における成長戦略上の重要事項)

テーマ

項目

施策

情報量拡大を通じた

仕入の質的向上

ポータルサイト

『KAITRY』の利用度アップ

·広告展開による認知度向上及びフロー顧客獲得

·的確な住み替えタイミングの捕捉によるストック顧客獲得

取引仲介会社/拠点数の拡大

·拠点新設(年間2拠点ペース)

·既存拠点の仲介会社取引増強

SaaSサービスによる

仕入情報の流入増

·HOMENET Proの価格査定取り扱い増による情報流入

·KAITRY professional経由の士業からの仕入情報獲得

販売の質的向上

データサイエンスを駆使した

販売最適化

·独自スコアリングモデルから販売難易度/適性を導出して方針決定

·仕入段階での物件選定へ活用

ポータルサイト『KAITRY』

販売ページの活用

·常時1,000物件を超えるリノベ済マンションの掲載

·『KAITRY』知名度向上によるPV数増強とサイト内回遊の創出

販売活動における

物件情報の提供強化

·HOMENET Proから導出される周辺環境含めた物件情報の提供

·生成AI等活用したエンド顧客がイメージしやすい物件情報の提供

コアコンピタンスの強化

情報網羅性/見える化向上

·データベースの拡張及び現場活用

·質的改善の重要指標の計測とアラート表示

査定精度向上

·査定情報数増強によるAI査定数の積み上げ

実査定との照合による精度検証の継続

新規事業/プロダクト

開発体制強化

·開発チームの増員及び組織強化

·POC実施における社内連携体制の強化

·産学連携の取り組み推進による新規テーマ発掘及び共同研究の実施

 

 


 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として売上高、EBITDA(但し先行費用としての広告宣伝費を除く)を重視しております。また、これらの経営指標に影響するプラットフォーム『KAITRY』における価格査定数、物件仕入数・販売数、取引不動産仲介会社営業員数をKPI(Key Performance Indicators)として重視しております。

当社グループは、リアル(住まい)における収益基盤を持っており、これにテクノロジーを掛け合わせて大きく成長させることを展望しております。これらのKPIをもとに、プラットフォーム『KAITRY』を更に充実させ、仲介会社との取引を拡張し、iBuyer機能により仲介会社経由の中古住宅売買の2倍以上の市場規模が見込まれる住宅保有個人客からの直接買取りを進めます。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題は、以下の項目と認識しております。

① デジタルトランスフォーメーション(DX)の促進

日本の不動産売買において、多くの手続きがオフラインかつ多くのプロセスを介在する業界環境により、煩雑・複雑・不確実・非効率な現状が残されており、DXへの対応が重要であると、当社は認識しております。当社グループではiBuyerプラットフォーム『KAITRY』を中心とした、仲介会社向けの営業支援、個人向けの不動産売買プラットフォームの提供、社内の営業支援をDX化の取り組みを通して行っており、その結果経済産業省が認定する「DX認定事業者」に選定されております。

今後、仕入から販売までビジネスをより進化させるべく社内DXを推し進め、対外的には仲介会社の業務効率化をサポートする情報提供機能「HOMENET Pro」(AI査定や仲介会社として媒介契約取得する武器となる顧客向け物件査定書作成等)や金融機関向けの「KAITRY finance」、士業向けの「KAITRY professional」等の提供を広げることで、不動産に関わる様々なニーズに応えていきます。

 

② 『KAITRY』利用促進のための認知度向上

当社グループが事業を拡大し成長していくためには、『KAITRY』ポータルサイトの利用者数の確保(査定依頼や問い合わせを受けた利用者を新規会員として登録します)が重要であると考えており、そのために『KAITRY』の認知度向上が必要であると考えております。当社グループでは、効果的かつ効率的な新規会員の獲得を行うため、現在行っているオンラインによるターゲティング広告を中心とした手法のほか、TVコマーシャル等によって『KAITRY』の認知度向上を行ってまいります。

 

③ 価格査定の精度向上

当社グループでは物件を仕入れるための価格査定を現状年間33,000件超実施しております。一方でビッグデータを用いたAI査定により導出される査定価格も参考にし、双方を有効に掛け合わせることで真に活用できる、当社グループが買取価格として提示できるAI査定価格として『KAITRY』ポータルサイト等にて活用しております。今後大きな成長を期待できる個人顧客からの直接仕入れ、iBuyer機能を拡充していくためにも、価格査定の精度を更に向上してまいります。

 

④ 中古住宅再生における販売期間の短縮

当社グループは、リノベーション工事により再生した中古マンションが、当初計画どおりに販売が進まない場合、販売用不動産の在庫滞留期間の長期化による商品評価損の計上や運転資金としての有利子負債の増加による財務健全性の悪化に繋がる可能性があります。そのため、仕入から販売までの期間の長期化を未然に防ぐことが課題であると認識しております。この販売期間短縮のため、仕入からリノベーション完了までの工程の見える化、対象物件の早期販売を期待できる仲介会社営業担当のデータベース構築を行う、自社開発した物件管理システム「ホームネットシステム」を用いております。更に物件の特徴や販売開始後の反響や案内の推移から個別物件の販売難易度を評価し、販売方法を選択する独自のスコアリングモデルの開発を進めております。当該スコアリングモデルを実装することで販売期間の短縮、延いては利益率の向上を図ってまいります。

 

⑤ 品質管理の拡充

当社グループでは、お客様が中古住宅を購入する際に抱く物件の品質に対する不安を解消し、安心して暮らせる住宅を提供することが最も大事なことであると認識しております。当社グループでは、内装工事の内容を部位別に明示した「アフターサービス規準」とその部位ごとに一定期間保証する「アフターサービス保証書」といった当社グループ独自の検査・保証を行うことでお客様の笑顔が絶えることのない「安心」「安全」な住まいを提供してまいります。

 

 

⑥ 内部管理体制の強化

当社グループは、コンプライアンス体制の充実を重要課題と位置づけ、内部牽制機能を強化して、不正やミスの起こらない組織作りに取り組んでおります。内部監査を担当する内部監査室、監査役及び監査法人との連携による監査体制の充実を図り、社外監査役を登用して監査体制の強化をしております。

今後、業務の効率性・有効性の改善を進め継続的な成長を持続するため、内部管理体制のさらなる強化を推進してまいります。

 

⑦ 人材の確保と育成

企業が成長する上では、継続的に優秀な人材を確保し、これを育成することが重要であると認識しております。社内教育制度の拡充により社員のスキル習得を支援し、社員一人一人のレベルアップを図るとともに、管理職層の育成を強化して事業拡大に伴う組織体制の整備を進めてまいります。

 

⑧ 財務体質及び資金調達力の強化

当社グループは物件仕入資金を借入金により調達しております。市況の変化に左右されずに安定的な資金調達を行うためには財務基盤の充実が求められます。当社グループの保有する取引データやテクノロジーを活用することでビジネスの量と質を強化し、獲得する収益により財務基盤を充実させ、資金調達力を強化してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(サステナビリティに関する考え方)

当社グループは、リノベーションを施して再生した価値ある中古住宅の提供を通じて、ライフステージにより移り行く「最適な住まい」を提供し続けたいと考えています。そのために、リアルな住まいの提供にテクノロジーの力を掛け合わせ、その機会や情報、気軽な取引手段を提供し、「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができる循環型社会の実現を目指しています。

加えて、当社グループは全国17の都道府県に事業展開しており、地域でのネットワークを強化して取引の活性化や雇用創出に努めており、また地方自治体と空き家問題の解決に向けた協議を行うなど、地域社会の課題解決にも取り組んでいます。

当社グループが目指す未来は、当社グループが持続的な成長を果たしていくことで辿り着ける未来であり、持続可能な社会づくりと密接に、一体となって目指していく未来であると考えております。

 

(サステナビリティへの取組)

(1) ガバナンス

当社グループのサステナビリティに関する重要な課題の特定、見直し、進捗管理については、本部長以上が参加する経営会議にて審議され、取締役会に報告・提言を行っています。取締役会での審議結果は経営戦略やリスク管理・評価に反映され、各部門に周知されてサステナビリティ経営を推し進めています。

 

(2) リスク管理

当社グループのリスク管理は、「リスク管理規程」においてリスクマネジメントに関する基本的な事項を定めています。

具体的には、代表取締役社長を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、3か月ごとに委員会を開催してリスクの認識・評価、対応策の検討を行っております。その結果は取締役会に報告され、監督を受けます。サステナビリティに関するリスクも同様に管理することで、総合的な管理体制を敷いています。

 

(3) 戦略

当社の戦略上重要なサステナビリティに関する課題(マテリアリティ)は以下のとおりです。

マテリアリティ

ESG

対応状況と戦略

循環型社会の実現

E

・築30年以上の中古住宅の再生・提供の推進

・中古住宅の潜在ニーズの掘り起こしによる循環の訴求

・環境対応型物件やリノベーションの開発・普及

地域コミュニティへの貢献

S

・拠点拡大による地域取引の活性化・雇用創出、快適な住まいの提供による地方創生への取組

・自治体や金融機関と提携した空き家対策への取組

人的資本の向上

S

・女性活躍、多様性と多様な価値観を生み出す組織風土創りの推進

・人材育成など各種研修制度の導入、資格支援制度の拡充等によるスキル習得支援

取締役会の透明性・合理性・客観性向上

G

・任意の指名報酬委員会の設置と運営

・社外取締役を含めた取締役会における企業価値向上に繋がる多角的、客観的議論の促進

 

 

① 人材の育成に関する方針、戦略

当社グループでは、人材は今後の事業構想の中で最も大切なもののひとつであると考えます。人材は「資本」であり、その価値を最大限に引き出し、その人材が存分に活躍できる企業文化や体制を整えることによって、当社グループの持続的な成長、そして、企業価値の向上を図っていく方針です。

また、新卒採用を強化することで当社グループの企業文化を創っていく生え抜きの人材を育成し、その育成にはそれぞれの拠点でのOJTに加え、新卒から管理職までの幅広い階層、全国17都道府県に展開する拠点や職種に応じた研修や、それらの垣根を越えた総合的な研修、マネジメント・チームビルディング研修等を通じて、各人の能力・スキル・専門性の向上および人材の定着化を図ります。

 

② 社内環境整備に関する方針、戦略

当社グループの持つ多様性と多様な価値観という強みを最大限発揮するために、人種・ 性別・年齢、宗教、信条、経歴や価値観などにかかわらず、それぞれの個を尊重し、認め合い、そして、社員一人ひとりが、いきいきと働き、プロフェッショナルとして能力を最大限に発揮できるよう、人事制度の不断の見直しや従業員の健康促進にも配慮するなど、健全な組織風土を創っていくことに積極的に取り組んでまいります。

 

(4)指標及び目標

本書提出日現在において、マテリアリティに関する目標値等は定めておりませんが、具体的な指標・目標設定や状況の開示について、今後検討してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針であります

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① 不動産市況等の動向について

当社グループが属する不動産業界は、景気変動、経済情勢、金利動向、地価の動向等の影響を受けやすい特性があり、これら景気変動等が購入層の購買動機に影響し、当社グループの業績や財務状況にも影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、拠点展開とその先の仲介会社ネットワークの拡大、ポータルサイトでのエンド顧客との直接取引推進等により、情報量を増やし、仕入販売の経路多様化を図ることで、市況変動による影響の低減を図っております。

 

② 不動産に係る税制改正等の政策について

景気動向の変化による政府の経済政策の一環として、住宅ローン減税や住宅取得における贈与税の非課税枠等、不動産関連の税制の変更等が行われることがあり、政策の内容によっては、不動産を購入する顧客層の購買動機に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります

 

③ 競合及び価格競争について

当社グループが扱う中古住宅は首都圏及び地方主要都市を、戸建住宅については山口県及び秋田県を中心に展開しております。首都圏及び地方主要都市の中古住宅は、一般的に需要が高く、今後、競合他社の参入状況によって、物件の仕入及び販売数が減少する場合や、価格競争等が生じる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。地方都市の戸建住宅は主に安価な規格住宅を扱う企業の全国展開が続いており、今後、山口県及び秋田県でも土地取得や価格面での競合が一層激しくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります

当社グループは、魅力的な商品(間取り、デザイン、空調等機能や顧客ニーズに沿った価格バランスのよい商品等)の開発やアフターサービスの充実等に努め、また競合他社の動向を的確に把握し、AIによる市場変動モニタリングを行うこと等により、時々の状況に応じた柔軟な仕入及び営業活動を行うことで、リスクの低減に努めております

 

④ AI及びIT業界の動向について

当社グループでは、リアル×テクノロジーによる顧客サービスの充実、具体的には「AIを用いた不動産価格査定」や「ポータルサイトでの不動産直接売買の機会提供」といったサービスを展開しており、経済産業省が定めるDX認定制度に基づき、「DX認定事業者」に認定されておりますが、AIやITテクノロジーを活用したソリューションを提供する企業は益々増えております。これら企業との競合が一層激しくなる場合には、当社グループの業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります

 

 

⑤ 技術革新への対応について

AIやDX、ビッグデータ活用に係る技術は革新スピードが速く、それら技術や知識は常に陳腐化のリスクを伴っております。技術革新への対応が遅れたり、想定を上回る速度での技術革新や新技術の普及が生じた場合には、当社グループが提供するサービスの評価が下がり、業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります

当社は一般社団法人DX不動産推進協会の正規会員として社外に人的ネットワークを広く持ち、また大学研究室との交流や産学共同の開発を行うことで、先端テクノロジーに関する情報収集とその導入を進めております

 

⑥ システム障害について

当社グループが提供するiBuyerプラットフォーム『KAITRY』は相当部分がポータルサイトを通してインターネット上で提供するサービスとなっており、インターネットのシステム障害等によりサービス提供に支障が生じる場合には、業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります

 

⑦ 新型コロナウイルス感染症に係るリスクについて

新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動への影響は収束してきておりますが、今後の状況変化によっては、資材や住宅設備の調達、景気悪化による不動産購買意欲の低下も懸念され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、在庫水準の調整、グループ内融通等で資材・住宅設備の確保に努めており、引き続き感染や感染疑いが生じた場合の対応手順を周知徹底し、リスクに備えております。

 

⑧ 自然災害及び不測の事故等について

当社グループでは、特定の狭いエリアでの事業展開は行わず、広域にわたって事業を展開することにより、特定エリアで発生する落雷、大雨及び地震等の自然災害や、火災、事件、暴動等、不測の事故等によるリスクの分散を図っております。また、原則として、当社グループが保有する不動産については火災保険を付保しており、不測の事態に備えております。しかしながら、万が一、事故・災害等が発生した場合、その発生した地域において当社グループが保有している物件について、滅失、劣化または毀損等が生じたり、保険でカバーできない事故・災害等が発生した場合や、消費者の不動産購入・建築マインドが低下した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 法的規制や免許・許認可事項について

当社グループの事業は、宅地建物取引業法をはじめ、建築基準法、都市計画法、建設業法、建築士法等による法的規制を受けております。当社グループでは、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関連法令の遵守に努めており、現状において当該許認可等が取消となる事由は発生しておりません。今後、これらの関連法令が改廃された場合や新たな法的規制が設けられた場合、又はこれらの法令等の規制について遵守できなかった場合や新たな有資格者等の設置義務が発生する場合には、当社グループの業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループの有する主な許認可は以下のとおりであります。

(株式会社ホームネット)

 

許認可の名称

許認可番号

有効期限

取消条項

宅地建物取引業免許

国土交通大臣(2)

第8603号

自 2019年5月1日

至 2024年4月30日

宅地建物取引業法

第66条

 

 

 

(株式会社ファーストホーム)

 

許認可の名称

許認可番号

有効期限

取消条項

宅地建物取引業免許

山口県知事(05)

第002902号

自 2019年6月4日

至 2024年6月3日

宅地建物取引業法

第66条

一般建設業許可

山口県知事

第018481号

自 2021年9月25日

至 2026年9月24日

建設業法

第29条

一級建築士事務所登録

山口県知事

第2995号

自 2022年5月16日

至 2027年5月15日

建築士法

第26条

 

 

(株式会社サンコーホーム)

 

許認可の名称

許認可番号

有効期限

取消条項

宅地建物取引業免許

秋田県知事(05)

第001873号

自 2022年11月29日

至 2027年11月28日

宅地建物取引業法

第66条

一般建設業許可

秋田県知事

第011735号

自 2022年5月26日

至 2027年5月25日

建設業法

第29条

一級建築士事務所登録

秋田県知事

第17-10A-0502号

自 2022年6月27日

至 2027年6月26日

建築士法

第26条

 

 

(2) 事業に関するリスク

① 棚卸資産の長期在庫について

当社グループは、AIによる市場変動モニタリングや各地域での需要予測、近隣地域環境、お客様のニーズ等を慎重に分析調査を行った上で、物件の仕入、リノベーション、販売を行っております。しかし、不動産市況の悪化等によって物件の販売が滞った場合、物件の保有期間の長期化に繋がる可能性があります。当社グループのビジネスモデルとして、長期在庫となった場合は、物件価格等を見直しての売却や棚卸資産の評価損処理が必要となる場合があるほか、在庫の長期化または滞留在庫の増加による運転資金の増加に伴い有利子負債が増加する等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループではこのリスクに対して、仕入の厳選や販路拡大による販売期間の短縮化を図りつつ、平均販売期間に見合った在庫水準を目安として過度の在庫保有を抑制すること、当社グループ基準で長期在庫と見做す期間を経過している在庫物件について、月2回の社内会議で販売状況と対処事項の確認・指示を行うこと、それらの状況を毎月の定時取締役会へ報告することにより適正在庫の維持に努めております。

 

② リノベーション工事について

当社グループでは、取得した中古住宅のリノベーション工事の多くを外部工事協力会社に外注しており、これによって人件費等の固定費の増加を抑制し、一定の利益水準を確保することを見込んでおります。しかしながら、リノベーション工事の多くを外注先に依存しているため、今後、仕入件数の増加に伴いそれに見合う外注先を十分に確保できなかった場合や、外注先の経営状態の悪化等により工期の遅延が発生して早期の販売活動ができなくなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります

当社グループではこのリスクに対し、外部工事協力会社のネットワーク拡大や工程の見直し・最適化による工事キャパシティ増強を図ること等でリスクの低減に努めております

 

③ 資材価格の高騰について

当社グループが扱う新築戸建住宅は、木材や石油関連の資材を使用しております。このため、市況や為替変動により資材の仕入価格が上昇し、これらのコストダウンや価格転嫁等が難しい場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります

 

④ 住宅の品質管理及び保証について

当社グループではお客様に提供する住宅について品質管理には万全を期しておりますが、販売や引渡を行った物件に重大な瑕疵があるとされた場合には、直接的な原因が当社以外の責任によるものであったとしても、売主、施工会社としての瑕疵担保責任を負う可能性があります。その結果、保証工事費の増加や、当社の信用の棄損等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 有利子負債への依存と資金調達について

当社グループでは、中古住宅物件の仕入資金を主として金融機関からの借入によって調達しているため、有利子負債への依存度は比較的高い水準にあります。今後は自己資本の充実に注力する方針でありますが、経済情勢の変化等によって市場金利が上昇した場合には、支払利息が増加する等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります

また、中古住宅物件の仕入資金を調達する際には、特定の金融機関に依存することなく、個別の物件毎に金融機関に融資を打診しており、現時点では安定的に調達ができております。しかしながら、当社グループの財政状態が著しく悪化する等により当社グループの信用力が低下し、安定的な融資が受けられない等、資金調達に制約を受けた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。更に、物件の仕入資金は、借入期間が概ね1年の短期借入金で調達しているため、不動産市況の低迷等により、想定した期間内で売却できない物件が多発し、リファイナンスができない場合には、当社の資金繰りに影響を及ぼす可能性があります

 

 

2022年11月

2023年11月

期末有利子負債残高(千円)

21,512,800

27,355,780

期末総資産残高(千円)

30,925,758

38,075,042

有利子負債依存度(%)

69.6

71.8

 

 

⑥ 訴訟等について

当社グループは、事業活動の中で生じる各業務について、適法かつ適切な業務処理を行っており、現時点において業績に影響を及ぼす重要な訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、業務手続に適法性や適正性を欠いた場合にはクレーム等を受ける可能性あり、また、それらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。このような訴訟・係争ないしは請求が生じることのないようマニュアルや業務フローを定める等、社内体制の整備に努めてはおりますが、今後そのような事態が発生した場合、その内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります

 

(3) 会社組織に関するリスク

① 人材の確保と育成について

当社グループでは、業務を遂行するうえでは、宅地建物取引業法や民事執行法はもとより不動産に係る幅広い法令や業務に関する知識が求められます。当社グループでは、業容拡大に向け、AI査定モデルを活用した仕入活動の効率化を取り入れつつ、継続的な人材確保に努め、社内教育制度の拡充により社員のスキル習得を支援する他、管理職層の育成を強化し事業拡大に伴う組織体制の整備に努めております

しかしながら、人材の確保・育成が計画通り進まない場合や、社外流出等何らかの事由により既存の人材が業務に就くことが困難になった場合には、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります

 

② 個人情報等の管理について

当社グループは、事業活動を通じてお客様や取引先等の個人情報等を取得しており、また、重要な経営情報等の内部情報を保有しております。中古住宅再生におけるお客様の個人情報とは、不動産売買契約の締結や売買代金の決済、引渡のために必要な情報で、ご本人確認としてお客様の身分証明書等を確認させていただきます。戸建住宅では、身分証明書等の他に、お客様の資産や資金計画に関する情報もご提供いただきます。情報管理につきましては、個人情報管理規程及び情報管理規程を制定、運用して、社員教育の徹底をはかっております。また、管理体制やシステムのセキュリティ対策の強化にも努めております。しかしながら、万が一、当社グループが保有する個人情報等が、何等かの理由で社外に漏洩してしまった場合には当社グループの信用が失墜し、また、損害賠償による損失が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります

 

③ 特定人物への依存について

当社グループの創業者である代表取締役の濱中雄大は、当社グループの事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定など、当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしております。当社グループでは同氏に過度に依存しないように、経営体制の整備、人材の育成を行う等、経営に対するリスクの軽減に努めております

しかしながら、現状では同氏が当社グループの業務を継続することが困難となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) その他のリスク

① 資金使途について

当社株式上場時の公募増資等による資金調達の使途につきましては、KAITRY広告宣伝費用、事業拡大のための人員増強等に充当する予定であります

しかしながら、当社グループが属する業界は事業環境の変化が激しく、その変化に柔軟に対応するため、上記計画以外の使途に充当する可能性があります。また、計画通りに資金を使用した場合においても、期待通りの効果を上げられない可能性があります。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループでは、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、当社及び子会社の役職員に対して新株予約権を付与しており、本書提出日現在における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は6.17%となっております

これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。当社グループはKAITRY事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が第5類感染症に位置づけられたことで一層社会活動の制限が穏和されてきており、インバウンド需要やサービス消費の回復など社会活動の正常化に向けた動きが見られましたが、一方で依然不安定な海外情勢などから資源・エネルギーや原材料価格の上昇、円安や賃上げなどの影響による全体的な商品・サービスの価格上昇等消費の下押しリスクの側面もあり、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。

このような状況のもとで、当社グループは、「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができる未来を創造するために、「リアル(住まい)×テクノロジー」を通じて、不動産取引をより身近なものにすることを目指しています。具体的にはリアル(実取引)で築き上げてきた実績データベースと仲介会社取引ネットワーク、AI査定等テクノロジーといった経営資源を有機的に結び付けたKAITRYプラットフォームを効率的に運用することで差別化を図り事業展開しております。

なお、当社グループの主たる事業である中古住宅再生事業では、主に仲介会社を経由して物件を仕入れてリノベーションを施し、仲介会社を経由して実需購入者へ販売していますが、仲介会社経由のビジネスに加え、ポータルサイト『KAITRY』では一般顧客から直接仕入れに繋げるiBuyer(オンライン買取)機能も提供しています。更に、プラットフォーム内に備わる情報提供機能を外部に有料で提供していくSaaSモデルも展開しています。

また、中古住宅再生事業の属する中古住宅流通市場におきましては、公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によると、2022年12月から2023年11月における首都圏中古マンションの成約件数が、前年同期比406件(1.1%)の増加となりました。一方で同期間の月末時点平均在庫件数は前年同期比7,358件(19.4%)の増加となっております。

このような市場環境の中、中古住宅再生事業を扱う株式会社ホームネットにおいては2023年3月に京都支店、2023年6月に岡山支店を開設し、全国主要都市(15拠点)にて顧客ニーズの強い地域、価格帯、商品内容を分析し、きめ細かな仕入対応と販売供給に努めるとともに、ポータルサイト『KAITRY』の活用促進、仲介会社への情報提供機能の強化を図りました。

一方、注文住宅の業績に関係する住宅業界の動向は、日本銀行による長期金利の変動許容幅の引き上げによる住宅ローン金利の上昇懸念や、建設資材価格の高騰、人手不足による人件費高騰など当業界の収益構造に大きく影響を及ぼしております。

この結果、当連結会計年度における売上高は36,965,282千円(前年同期比95.3%)、営業利益は1,324,958千円(前年同期比56.2%)、経常利益は1,058,645千円(前年同期比48.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は661,667千円(前年同期比47.5%)となりました。

なお、当社グループは住まい・住み替えに関わる全てのプロセス、すなわち住宅購入・売却、建築、住宅リノベーション、不動産賃貸借・開発等を一体として扱うことで、一人ひとりのライフスタイルに合う満足いく住まい・サービスの提供に取り組んでおります。これら事業全体を単一セグメントと捉えておりますので、セグメント別の記載事項はありませんが、参考までに主に中古住宅再生を扱う株式会社ホームネット単体と、主に戸建住宅を扱う株式会社ファーストホーム、株式会社サンコーホームの合算値について記載します。

 

〔株式会社ホームネット(中古住宅再生)〕

物件仕入件数は前連結会計年度の1,256件から1,380件(前年同期比109.9%、契約ベースでは1,348件)に増加し、物件販売件数は前連結会計年度の1,076件から1,022件(前年同期比95.0%、契約ベースでは1,089件)に減少しました。この結果、当連結会計年度における株式会社ホームネットの売上高は27,422,745千円(前年同期比98.4%)、営業利益は944,755千円(前年同期比59.6%)となりました

 

〔株式会社ファーストホーム、株式会社サンコーホーム(戸建住宅)〕

主に戸建住宅を扱う2社の合計引渡件数は前連結会計年度の408件から329件(前年同期比80.6%)に減少しました。この結果、当連結会計年度における合算の売上高は9,522,204千円(前年同期比87.5%) ,営業利益は510,101千円(前年同期比63.2%)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は38,075,042千円となり、前連結会計年度末に比べ7,149,283千円増加致しました。これは主に、販売用不動産が8,460,705千円増加した一方で、仕掛販売用不動産が838,255千円、未成工事支出金が124,997千円、のれんが176,184千円減少した等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は30,954,606千円となり、前連結会計年度末に比べ5,295,232千円増加致しました。これは主に、短期借入金が3,609,679千円、長期借入金(1年内返済予定を含む)が2,032,073千円、買掛金が40,570千円増加した一方で、未払法人税等が374,617千円、未成工事受入金が214,744千円、役員退職慰労引当金が165,000千円減少した等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は7,120,436千円となり、前連結会計年度末に比べ1,854,051千円増加致しました。これは主に、株式上場による新株発行及び新株予約権の行使により資本金が595,923千円、資本剰余金が595,923千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金が661,667千円増加したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます)の残高は5,125,016千円となり、前連結会計年度末に比べ610,802千円の減少となりました。

当連結会計年度末における各活動によるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、6,956,030千円(前年同期は2,553,500千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,148,952千円、販売用不動産の増減額8,147,118千円の増加、仕掛販売用不動産の増減額838,255千円の減少、未成工事支出金の増減額124,997千円の減少、仕入債務の増減額40,570千円の増加等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、523,688千円(前年同期は563,698千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出513,852千円、無形固定資産の取得による支出4,400千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は、6,868,916千円(前年同期は3,934,994千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の借入による収入4,744,500千円、株式の発行による収入1,191,765千円、短期借入金の純増額3,609,679千円等によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績

当社グループが展開する事業領域においては、「生産」を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。

 

b 仕入実績(不動産・工事仕入等実績)

前連結会計年度及び当連結会計年度における仕入実績(販売用不動産仕入、請負・リフォーム工事に係る仕入等)を商品・サービス別に示すと、次のとおりであります。

 

商品・サービスの名称

前連結会計年度

(自 2021年12月1日

  至 2022年11月30日)

当連結会計年度

(自 2022年12月1日

  至 2023年11月30日)

仕入・原価高(千円)

前期比(%)

仕入・原価高(千円

前期比(%)

中古住宅再生

23,275,624

138.2

23,026,051

98.9

戸建住宅

8,278,586

118.2

7,180,670

86.7

その他

369,813

130.2

370,998

100.3

合計

31,924,024

132.3

30,577,719

95.8

 

(注) 上記金額は、販売した商品・サービスに関する、販売用不動産本体価格、請負工事、リフォーム工事資材を含む仕入に係る付随費用等を含んだ原価実績であります。

 

c 受注実績

前連結会計年度及び当連結会計年度間における受注実績を商品・サービス別に示すと、次のとおりであります。

商品・サービスの名称

前連結会計年度

(自 2021年12月1日

  至 2022年11月30日)

当連結会計年度

(自 2022年12月1日

  至 2023年11月30日)

受注高

(千円)

前期比(%)

受注残高

(千円)

前期比(%)

受注高

(千円)

前期比(%)

受注残高

(千円)

前期比(%)

戸建住宅

7,133,223

97.6

4,267,637

93.8

6,451,909

90.4

2,495,274

58.5

合計

7,133,223

97.6

4,267,637

93.8

6,451,909

90.4

2,495,274

58.5

 

(注) 戸建住宅のうち、注文住宅の該当金額を記載しております。

 

d 販売実績

前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績を商品・サービス別に示すと、次のとおりであります。

商品・サービスの名称

前連結会計年度

(自 2021年12月1日

  至 2022年11月30日)

当連結会計年度

(自 2022年12月1日

  至 2023年11月30日)

販売高(千円)

前期比(%)

販売高(千円)

前期比(%)

中古住宅再生

27,756,459

138.2

27,199,216

98.0

戸建住宅

10,479,767

116.6

9,168,307

87.5

その他

559,660

117.5

597,758

106.8

合計

38,795,887

131.3

36,965,282

95.3

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用に影響を与える見積りを必要とする箇所がございます。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内でかつ合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることにご留意下さい。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高

当連結会計年度における売上高は、株式会社ホームネットの中古マンション販売件数が54件減少したこと等により36,965,282千円(前年同期比4.7%減)となりました

b.売上原価

当連結会計年度における売上原価は、売上の減少により30,577,719千円(前年同期比4.2%減)となりました。

c.販売費及び一般管理費、営業利益

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、主に社内体制の強化による人員増加により5,062,603千円(前年同期比12.2%増)、営業利益は1,324,958千円(前年同期比43.8%減)となりました。

d.営業外収益、営業外費用、経常利益

当連結会計年度における営業外収益は218,369千円となりました。これは主に不動産取得税還付金86,915千円、受取配当金78,898千円によるものであります。一方、営業外費用は484,682千円となりました。これは主に支払利息312,216千円、融資手数料99,012千円によるものであります。この結果、経常利益は1,058,645千円(前年同期比51.9%減)となりました。

e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度において、保険解約益97,662千円等の計上があったため、税金等調整前当期純利益は1,148,952千円(前年同期比47.8%減)となりました。法人税等合計487,284千円の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は661,667千円(前年同期比52.5%減)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの分析

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループにおける主な資金需要は、販売用不動産の仕入や、人件費、仕入・販売にかかる手数料、広告宣伝費、物件管理費等の営業費用であります。

当社グループでの販売用不動産の仕入資金については、主に物件毎に短期借入金で調達しており、運転資金の財源については、自己資金及び金融機関からの借入により賄っております。

なお、当連結会計年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は27,355,780千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,125,016千円となっております。

⑤ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、EBITDA(広告宣伝費除く。)、価格査定数、物件仕入数、物件販売数、仲介会社営業員数を重要な指標と位置付けております。各指標の進捗状況については以下のとおりであります。

 

経営指標

前連結会計年度

(自 2021年12月1日

至 2022年11月30日)

当連結会計年度

(自 2022年12月1日

至 2023年11月30日)

 

前年同期比

売上高

38,795百万円

36,965百万円

95.3

EBITDA(広告宣伝費除く)

2,947百万円

1,989百万円

67.5

価格査定数

23,429件

33,222件

141.8

物件仕入数(契約ベース/ 中古マンション・中古戸建)

1,305件

1,348件

103.3

物件販売数(契約ベース/ 中古マンション・中古戸建)

989件

1,089件

110.1

物件販売・引渡数

(新築戸建)

408件

329件

80.6

仲介会社営業員数

17,241名

23,015名

133.5

 

※「EBITDA(広告宣伝費除く)」は税金等調整前当期純利益に特別損益、支払利息、社債利息、減価償却費、のれん償却費、ポイント引当金繰入額、広告宣伝費を加えたものです。先行費用としての広告宣伝費を除く(計算上加算する)ことで利益推移の連続性を確認できる指標としております。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 当社は、2023年8月18日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社ホームネットが、販売用不動産(中古区分マンション)の取得(一部借換えを含む)を目的とした資金の借入を行うことを決議し、2023年8月25日付で以下のとおり金銭消費貸借契約を締結しました。

 

金銭消費貸借契約の概要

(1)

①借入先

株式会社広島銀行

②借入金額

1,000百万円

③借入実行日

2023年8月29日

④借入期間

3年

⑤利率

基準金利+スプレッド

⑥担保の有無

販売用不動産

⑦財務制限条項

(1)株式会社ホームネット単体純資産の前年度末比75%以上維持

(2)株式会社ホームネット単体経常損益が2期連続して損失とならないこと

 

(2)

①借入先

株式会社みずほ銀行

②借入金額

1,152百万円

③借入実行日

2023年8月29日

④借入期間

3年

⑤利率

基準金利+スプレッド

⑥担保の有無

販売用不動産

⑦財務制限条項

(1)連結及び株式会社ホームネット単体純資産の前年度末比75%以上維持

(2)連結及び株式会社ホームネット単体営業損益が2期連続して損失とならないこと

 

(3)

①借入先

株式会社みずほ銀行

②借入金額

847百万円

③借入実行日

2023年9月26日

④借入期間

3年

⑤利率

基準金利+スプレッド

⑥担保の有無

販売用不動産

⑦財務制限条項

(1)連結及び株式会社ホームネット単体純資産の前年度末比75%以上維持

(2)連結及び株式会社ホームネット単体営業損益が2期連続して損失とならないこと

 

 

6 【研究開発活動】

当社は「リアル×テクノロジー」で顧客のライフサイクルやニーズにあった住まい・サービスを提供するKAITRY(カイトリー)事業を展開しています。iBuyer機能で重要なAI査定に関してビッグデータからの査定値と当社グループにおける年間33,000件超の独自査定との関連性・乖離状況の分析や、ポータルサイト『KAITRY』の開発・改良等を行っております。当社グループ内の企画人材やエンジニアを中心に対応しておりますが、当社グループの社内的なDXと外部向けサービス提供は表裏一体であり、これら開発業務を通常業務の一環として行っており、研究開発活動を特定することは困難であります。したがって、研究開発費を区分集計しておりませんので、金額の記載を省略しております