第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、企業理念「Technology × Human = Future Creation(ITと人財(※注)で未来を創造する)」に基づき、主に人財を育成し、拡充することによってシステムソリューションサービス事業を拡大させ、発展し続けていくことを目指しております。また、その過程においては、安定的な利益の確保と持続的な成長の維持との均衡を重視しており、これらを通して企業価値を高め、長期にわたって顧客企業、株主、従業員を含むステークホルダーの期待に応えることを基本方針としております。

 

中長期ビジョンとしては、「答えを創る次世代の経営課題コンサルティング企業」として技術力・規模ともにシステムソリューションサービス業界の首位グループとなることを掲げております。これを実現するためには、「業界有数の人財数」、「業界有数の技術力」、「オリジナルの制度に基づく人財育成力」のすべてを充足させることが必要と考えており、今後もこれらの指標の向上に努めてまいります。

 

※注:当社グループは1974年に創業して以来、約半世紀に渡ってITというツールを通じて、人としてのあり方を追求してきたグループです。

ひとりの人間がひとりで成し遂げられることにはおのずと限界があります。

ひとりの人間が何かを思い、共感する仲間を集め、お互いを高めあうことで、成し遂げられることには無限の可能性が広がってきます。

また、成し遂げたことを自分ひとりで喜ぶのではなく仲間と分かち合うことでその喜びは何倍にも膨らむもの、と考えております。

そのため当社グループでは、何よりも「人」を一番の財産と考え『人財』と表現しております。

一人一人が力を合わせ、人を育てることに喜びを感じ、成果を分かち合うことに喜びを感じ、また人のために自分が頑張る・頑張れる…そんな考え方・活力を持った企業グループに成長していると考えております。

上記の考えに基づき、当社グループにおける正式な表記とさせていただいておりますことから、対外的に発信する情報の中でも、同表記を統一的に用いております。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、サービスの競争力を維持し、財務活動を含めた全事業の業績を向上させていくことが重要であると認識していることから、中期利益計画策定にあたり重視している経営指標は当社グループのエンジニアの保有人数と稼働率と平均契約単価としており、前連結会計年度より向上させることを目安としております。

 エンジニアの保有人数については、新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴い一時的に採用を抑制したものの、緊急事態宣言の解除以降、経済活動が徐々に再開したことから、概ね計画通りの水準となりました。

 稼働率については、新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴い、技術者派遣需要が停滞したことから一時的に低下しました。

 平均契約単価についても同様に、新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴い案件の延期等が発生したものの、経済活動が再開したことから概ね計画通りの水準となりました。

 

 

(保有人数と稼働率推移)

回次

第3期

第4期

第5期

第6期

第7期

決算年月

2019年9月

2020年9月

2021年9月

2022年9月

2023年9月

保有人数

(人)

677

709

721

762

758

稼働率

(%)

99.1

96.1

97.7

98.8

98.9

(保有人数は、各連結会計年度末におけるグループ全体のエンジニア数。稼働率は、株式会社ブレーンナレッジシステムズ、株式会社シー・エル・エスおよび株式会社セイリング、株式会社ヒューマンベースの月中稼働者(在籍者のうち顧客企業の業務に就業中のエンジニア)の人件費合計を同4社の月末時点総人件費で除した値の通年平均)

 

(平均契約単価推移)

回次

第3期

第4期

第5期

第6期

第7期

決算年月

2019年9月

2020年9月

2021年9月

2022年9月

2023年9月

(株)ブレーンナレッジシステムズ

(千円)

504

527

546

564

596

(株)シー・エル・エス

(千円)

624

663

700

702

718

(株)セイリング

(千円)

514

541

544

550

(平均契約単価は、エンジニア一人当たり月単位の単価を指しております。なお、(株)セイリングは2019年10月にグループ化したため第4期・2020年9月期以降の数値を記載しております。)

 

(3)経営戦略等

 当社グループは、2019年7月に設立した株式会社アセットコンサルティングフォース、および2019年10月にシステム開発後の保守運用を主とする株式会社セイリング、2021年10月にERP(エンタープライズ・リソース・プランニング、統合基幹業務システム)領域におけるシステムコンサルティング・開発を主とする株式会社ヒューマンベース、2022年4月にシステムサポートデスクの運営受託等を主とする株式会社コスモピアがグループ入りしたことにより、上流工程から最終工程まで全工程において派遣を通じたソフトウエア開発における技術の提供が可能になりました。この独自のグループ体制を活かし、幅広い業界に対する上流工程の開拓と、システム開発全行程への人材サービス提供を目標として、以下の経営戦略に取り組んでおります。

 

①システム開発の各工程に派遣可能なエンジニア集団の保有

子会社6社を通して当社グループ内で、コンサルティングから運用保守までシステム開発全工程に必要なエンジニアを保有しております。上流から下流まで、それぞれ各工程に対して人材派遣を通したフレキシブルなエンジニアの提供が可能となっております。現在主力とする派遣業における、エンジニアの技術力底上げを通じたより上流の工程の案件参画拡大に加え、今後は子会社の株式会社アセットコンサルティングフォースを中心に、コンサルティング業など利益率の高いシステム開発の上流工程領域の獲得拡大も目指します。

 

②案件参画を通じた人材の教育効果・単価向上・受注拡大の好循環

独自のグループ体制により、案件を通した人材の技術力を底上げ・それに伴う契約単価向上を目指します。案件参画と教育効果の好循環により、当社グループエンジニアの成長を促進させます。

 

 以下a~dの好循環により、売上・利益の継続的な成長を目指します。

 

a 案件参画

システム開発のより上流工程から案件に参画します。

b エンジニアの効率配置/教育体制と質の同時確保

参画した案件について、全国6拠点の営業拠点を活用し、人員が必要な工程にフレキシブルにエンジニアをアサインすることが可能な体制となっております。また、経験値の低いエンジニアを、上流エンジニアと一緒により上の工程に派遣する育成体制をとっております。

また、独自の教育プログラム(=スキルアッププロジェクト。初級・中級・上級編に分かれており、スキマ時間での学習が可能であり、専任トレーナーが個々人に就くことで学習効率を向上)も保有しております。

c エンジニアのスキルアップ

bでより上流の工程に挑戦したエンジニアは、システム開発の流れを俯瞰して経験でき、自身のスキルアップにもつなげることができます。各種研修やグループオリジナルのeラーニング、研究会・勉強会によるマネジメントや最新技術を研究する機会の提供など、独自の教育プログラムも拡充しております。

d 各エンジニアの業務範囲拡大による量と質の拡大とそれによる単価向上

cを通したエンジニアのスキルアップにより、上流工程に対応可能なエンジニアが増加します。これによりエンジニアの単価が上昇するとともに、より収益性の高い案件への参画が可能となります。

 

 

③幅広い業種・案件に対応できる独立系の強みと、保守運用による継続的な収益計上

 特定の業界や取引先、開発領域に依存せず、幅広い案件に対応可能な体制を構築することで、不測の経済環境の変化にも強い企業体質を醸成しております。長い業界経験に基づく実績・マーケティングによりクライアントから高い信頼を獲得することで、継続的な新規取引先の拡大にも努めております。

 また、単発の開発受注だけではなく、開発後の保守運用を当社グループとして一貫で受注し、その後の改修・更新案件を継続的に獲得することで、安定収益を積み上げることを目指しております。

 

(4)経営環境

 当社グループを取り巻く環境としては、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けの変更や行動制限の撤廃に伴う社会経済活動の正常化により、一部業種では緩やかな景気回復の動きが見られたものの、ロシア・ウクライナ情勢による地政学リスクの高まり、及び欧米におけるインフレ加速に伴う政策金利の引き上げ等により、急速な円安の進行やエネルギーや原材料価格の高騰が懸念されるなど、景気の先行きに関しては不透明な状況が続いております。一方、働き方改革を契機に業務効率化を目的とした新規システムの受注が堅調であり、ソフトウエアやIaaS(*1)がIT市場の拡大を牽引し、国内企業のIT投資額は2022年には12兆4,000億円の市場規模になると予想されています(「国内企業のIT投資実態と予測2020(株式会社矢野経済研究所)」)。一方で、ITエンジニアの供給不足数は今後も増加傾向にあり、IT人材の不足人数は2030年には2020年比で約1.5倍となる見通しです(「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果(2019年度版)(経済産業省)」)。新型コロナウイルス感染症の拡大によるテレワークへのシフト本格化、経済産業省によるデジタルトランスフォーメーション(*2)の推進、菅内閣によるデジタル庁新設、2025年問題もIT需要の拡大に拍車をかけており、エンジニアの教育・派遣、SES(*3)等によるIT人材サービス拡充の必要性が一層高まっております。

 さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、顧客のニーズ多様化やシステム開発予算縮小に伴って案件が細分化し、大手SIerだけでは契約単価・人材確保の面から対応しきれないケースが増加しており、顧客の現場に常駐し、顧客のニーズに沿ったシステムを設計・開発するマイクロサービス(*4)の需要が高まっていると考えております。

 

 

*1. Infrastructure as a Serviceの略。インターネットを経由して、CPUやメモリなどのハードウェア、サーバーやネットワークなどのITインフラを提供するサービス。

 

*2. 企業がデータやデジタル技術を活用し、業務やビジネスを変革すること。業務プロセスをデジタル化するデジタイゼーションと、ビジネスモデルそのものをデジタル化するデジタライゼーションに分類される。

 

*3.System Engineering Service の略。顧客先に、技術的な支援を行うサービス。

 

*4. アプリケーション開発の手法またはアーキテクチャ。アプリケーションの構成要素を独立したサービス群へと分け、連携させる手法。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの主力事業であるシステムソリューションサービス事業は、現段階においては派遣契約に基づく技術者派遣によるサービス提供が中心でありますが、コンサルタントやエンジニアが持つ経営課題解決能力・システム開発能力を顧客企業に提供することによって成り立つ人財価値提供型のビジネスモデルです。そのため、高いスキルや生産性を持つ人財シェアを高め、かつ総量を確保することが事業拡大のために重要となります。そこで、当社グループでは人財数・技術力・人財育成力を課題とし、主に下記の取り組みを行っております。

① 業界有数の人財数:中途採用市場が活性化しており、近年は競争激化の影響で採用数が鈍化していることを踏まえ、媒体広告や宣伝等に投下する費用を増加して候補者へのアプローチを広く、深くしていくとともに、成果報酬型採用等のエージェントを活用した採用活動も積極的に行ってまいります。

② 業界有数の技術力:当社グループ全体で注力している人脈活用による新規取引先の拡大と、取引先峻別によりコンサルタントやエンジニアの付加価値提供先の選択肢が増加し、かつ参画するプロジェクトの内容の高度化が進んでおります。高度なプロジェクトにおける現場経験を積むことに伴って、当社グループに帰属するコンサルタントやエンジニアの技術力が向上し、当社グループの人財のうちコンサルタント、プロジェクトマネージャー及びプロジェクトリーダーが占める割合を向上させていくことにより、業界有数の技術力を実現できるものと考えております。

③ オリジナルの制度に基づく人財育成力:成果ではなく成果を生み出す行動を重視した人事制度の制定・改善や管理監督者を対象としたマネジメント研修の継続実施、24時間・場所を選ばずスキマ時間での学習が可能な当社グループオリジナルの階層別eラーニングカリキュラムや対話を重視した研究会・勉強会の補助等社内教育プログラムの拡充等により順調に進捗しているため、こうした取り組みを今後も継続してまいります。

 

また、当社グループの今後の更なる成長のために、下記の取り組みを推進してまいります。

① 「マーケティング×機動力×エンジニアスキル」を活かしたグループ体制の確立:当社グループは、自社内でコンサルティングから保守運用までシステム開発の全工程に対応可能な、独自のグループ体制を構築しています。大手SIerとともに上流工程を担当しクライアントの真のニーズに応えるマーケティング、グループ内の豊富なエンジニア人財を活用し開発実行を支援できるエンジニアスキル、これらの人財を案件に応じて迅速に揃えることができる機動力を活かし、大手SIerの案件獲得から開発実行フェーズまでフレキシブルにサポート可能な「パートナー」として、システムソリューションサービス業界におけるポジショニングの確立を目指しております。

② グループ内の全国拠点を活用した受注力・収益力向上:主力とする派遣事業以外にも、首都圏のPM/PLクラスを中心とするチームが案件を獲得し、準委任契約で担当しております。開発工程以降については請負契約にて実施し、グループ内の地方拠点のエンジニアも活用します。全国の稼働状況を見ながら適宜適切にエンジニアをアサインすることで、グループ全体の受注力・収益力の向上を目指します。

③ M&Aを活用したインオーガニック成長:システムソリューションサービス業界では、中小企業を中心に企業再編が進んでおり、買収機会が豊富にあります。当社グループはこれまで十分な検討の上、慎重に投資判断を行い、PMI(*)を早期に実現する戦略的なM&Aによる非連続の成長に取り組んでまいりました。今後もそのノウハウを活かし、グループ全体として高稼働率・高収益率を維持しつつも成長に資することが可能な企業を選別して、非連続の成長も目指してまいります。

 

*. Post Merger Integrationの略。M&A成立後の経営統合を実行するプロセス。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、「Technology × Human = Future Creation(ITと人財で未来を創造する)」という企業理念のもと、グループ全体の企業価値向上を図るため、将来に向けた成長基盤の拡充と人財の育成を掲げ、成長戦略の推進に日々取り組んでいます。こういった事業活動を通じて、社会が求める高品質なサービスの提供と人材育成が、持続可能な社会の発展に貢献できると考えております。

 当社は、現状ではサステナビリティに係る基本方針を定めておりませんが、サステナビリティに関する課題について、当社が具体的に対処すべき課題を明確にし、その具体的な対処法をリスク管理と収益化の観点を含め、開示できるような取り組みを、継続的に検討してまいります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループでは、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めておらず、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、及び管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続等の体制をその他のコーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりませんが、当社が置かれている経営環境を踏まえ、サステナビリティに関連するリスク及び機会について、重要性に応じてグループ経営戦略会議で識別・監視し、取締役会に報告を行う体制としております。

 詳細は、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

(2)戦略

 当社グループでは、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の戦略における喫緊の重要性を鑑みた記載はいたしません。

 なお、当社グループにおける人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針としては、中核人材の登用等における多様性の確保の重要性を認識しております。その確保に向けた具体的な目標設定と、中長期的な人材育成方針及び社内環境整備方針の作成・実施については、今後、必要に応じて検討し、取り組みを進めてまいります。

 当社グループは1974年に創業して以来、約半世紀に渡ってITというツールを通じて、人としてのあり方を追求してきたグループです。

ひとりの人間がひとりで成し遂げられることにはおのずと限界があります。

ひとりの人間が何かを思い、共感する仲間を集め、お互いを高めあうことで、成し遂げられることには無限の可能性が広がってきます。

また、成し遂げたことを自分ひとりで喜ぶのではなく仲間と分かち合うことでその喜びは何倍にも膨らむもの、と考えております。

そのため当社グループでは、何よりも「人」を一番の財産と考え『人財』と表現しております。

一人一人が力を合わせ、人を育てることに喜びを感じ、成果を分かち合うことに喜びを感じ、また人のために自分が頑張る・頑張れる…そんな考え方・活力を持った企業グループに成長していると考えております。

 そのため、当社グループは、成果ではなく成果を生み出す行動を重視した人事制度の制定・改善や管理監督者を対象としたマネジメント研修の継続実施、24時間・場所を選ばずスキマ時間での学習が可能な当社グループオリジナルの階層別eラーニングカリキュラムや対話を重視した研究会・勉強会の補助等社内教育プログラムの拡充等により順調に進捗しているため、こうした取り組みを今後も継続してまいります。

 また、当社において、従業員が働きやすい就業環境を確保するために行っている取り組みは以下の通りです。

 

安全で働きやすい職場環境

企業が成長・発展し続けるためには、従業員が健全な状態で、安心して働ける職場環境を整備することが重要です。当社では、安全衛生管理体制をはじめ、過重労働の防止に関する施策として、健康診断及びメンタルヘルスケアを実施することで安全で働きやすい職場環境づくりを進めています。

 

ハラスメント対策

従業員が職場内でハラスメント被害にあったり、みかけたりした場合には、上席への報告に加え、内部通報制度として複数の窓口に相談できる体制を整えております。

 

 

プライバシーの保護

社員の個人情報について適正に取得するとともに、適切な管理を行い、その取り扱いに際しては関係法令を遵守するとともに、社員のプライバシー保護に対して慎重かつ細心の注意を払うよう努めております。

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連のリスク管理における詳述な記載は省略いたします。なお、今後、リスク管理に係る方針について、必要に応じて検討し、具体的な取り組みを進めていくこととしておりますが、サステナビリティ関連のリスク及び機会について、グループ経営戦略会議において当社グループに関連するものを識別・評価し、その結果、当社の経営に重要な影響を与える内容について管理するとともに、重要性に応じて、取締役会に報告および対処を行うようにしております。

 現状のリスク管理は、コーポレート・ガバナンスの範疇と体制にて行われており、詳細は、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

(4)指標及び目標

 当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の指標及び目標の記載はいたしません。

 また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、労働者の男女の賃金の差異を指標として用いておりますが、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、当該指標に関する目標は定めておりません。

 なお、当該指標の実績の詳細は、「第1企業の概況 5従業員の状況(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。

 

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性がある主要なリスクは以下のとおりであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をしてまいります。また、当社グループとして必ずしも重要な事業上のリスクに該当しないと考える事項につきましても、投資者の判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解するうえで重要であると考えられるものについては、投資者に対する積極開示の観点から記載しております。当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)自然災害等によるリスク

 当社グループは、地震、台風、火災、洪水等の災害、地球温暖化等の気候変動の進行による影響を受けた場合、戦争、テロ行為、コンピュータウイルスによる攻撃等が起こった場合や、それにより情報システム及び通信ネットワークの停止または誤作動が発生した場合、また、強力な新型インフルエンザ等の感染症が流行した場合等には、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、当社グループの事業活動が制限され、業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)法的規制等に関するリスク

 当社グループは、主力であるシステムソリューションサービス事業では労働者派遣法など、様々な法令の規制を受けております。社会情勢の変化に応じてこれらの法制度の改正、強化、解釈の変更などが想定されます。当社グループは、諸法令に対し、遵法を旨として経営にあたっておりますが、その対応により新たな負担の発生や事業展開の変更を求められることも予測され、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 当社グループが提供するサービスであるシステムソリューションサービス事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(労働者派遣法)に基づいた一般労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っております。労働者派遣法では、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、当社グループが一般労働者派遣事業主としての欠格事由(労働者派遣法第6条)、及び、当該事業許可の取消事由(同法第14条)に該当した場合には、厚生労働大臣が事業許可の取消、業務の停止を命じることができる旨を定めております。現時点において認識している限りでは、当社グループにおいてはこれらの法令に定める欠格事由及び取消事由に該当する事実はありません。しかしながら将来、何らかの理由により許可の取消等が発生した場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたすとともに、事業遂行に支障が生じ、業績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

 また、2012年10月1日に施行された労働者派遣法改正法が当社グループの業績に与える影響は限定的でありましたが、今後の動向によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 当社グループは前述の労働者派遣法の他、職業安定法、労働基準法等の労働関連法令等により、規制を受けております。法令の変更、新法令の制定、又は解釈の変更等が生じた場合、当社グループの事業が制約されることが考えられます。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、そのような事象が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

リスクへの対応策として当社管理本部にて顧問弁護士と連携し、法的規制の動向については常に注視し、臨機応変に対応できる体制を取っております。

 

(許認可等の状況)

許認可等の名称

有効期限

許認可等
の番号

規制法令

所轄官庁等

取消事由等

株式会社ブレーン

ナレッジシステムズ

労働者派遣事業許可

2022年4月1日~

2027年3月31日

派13-313966

労働者派遣法

厚生労働省

労働者派遣法第6条に定められている条項に抵触した場合

株式会社

シー・エル・エス

労働者派遣事業許可

2021年3月1日~

2026年2月28日

派13-309737

労働者派遣法

厚生労働省

労働者派遣法第6条に定められている条項に抵触した場合

株式会社セイリング

労働者派遣事業許可

2021年1月1日~

2025年12月31日

派13-300401

労働者派遣法

厚生労働省

労働者派遣法第6条に定められている条項に抵触した場合

株式会社ヒューマンベース

労働者派遣事業許可

2021年8月1日~

2026年7月31日

派27-303500

労働者派遣法

厚生労働省

労働者派遣法第6条に定められている条項に抵触した場合

株式会社コスモピア

労働者派遣事業許可

2022年3月1日~

2027年2月28日

派13-040279

労働者派遣法

厚生労働省

労働者派遣法第6条に定められている条項に抵触した場合

 

(3)企業の買収等に関するリスク

 当社グループでは、通常の営業活動によるシェア拡大に加え、事業拡大への経営資源を取得するために、企業の買収等も積極的に推進しておりますが、それらを実施する場合には、対象となる企業の財務内容や事業についてデューデリジェンスを行い、事前にリスクを把握するとともに、収益性や投資回収の可能性について検討しています。

 しかしながら、国内外の経済環境の変化等の理由から、当社グループが企業の買収等を行った後の経営、事業、資産等に対して、十分なコントロールを行えない可能性があります。また、買収等した企業の顧客基盤や人財が流出する可能性もあり、当初に期待したシナジーを得られない可能性もあります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、これらの場合、当社グループが既に投資した投資額を十分に回収できないリスクが存在し、当初の期待どおりに事業を展開できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 さらに、当社グループが、ビジネスパートナーと合弁会社の設立や事業提携を行う場合において、当社グループが投資先を実質的に支配することや、重要な意思決定を行うことが難しい場合があるというリスクが存在し、当初の期待どおりに事業を展開できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

リスクへの対応策として、対象企業の峻別に努めております。また、当該対象企業については外部機関を活用した十分な調査の実施、買収メリット等を総合的に勘案し検討しております。買収後はDay100プラン※作成・実行など十分なPMIを行い、速やかなリスク低減に努めております。

※買収した企業のクロージング後約3か月間(100日間)の統合基本計画

 

(4)人財の確保に関するリスク

 当社グループの事業は、意欲と技術的専門性を有した技術者により支えられており、優秀な人財の確保と育成、また定着率が最も重要な命題となります。人財の確保については、少子高齢化による労働人口の減少、理系離れ等による専門教育を受けた新規学卒者数の減少により、中長期的には人財の確保が困難になることが予測され、またネットへの悪意ある書き込みといった風評被害等が起こった場合、採用に影響を与える懸念があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、採用において計画どおり必要とする人財を確保できない場合や離職により技術社員が大幅に減少した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

リスクへの対応策として、成果ではなく成果を生み出す行動を重視した人事制度の策定・改善や管理監督者を対象としたマネジメント研修の継続実施、24時間・場所を選ばずスキマ時間での学習が可能な当社グループオリジナルの階層別eラーニングカリキュラムや対話を重視した研究会・勉強会の補助等、社内教育プログラムの拡充等が順調に進捗していると考えられるため、こうした取り組みを今後も継続してまいります。

 

(5)技術者派遣事業を取り巻く環境に関するリスク

 当社グループの主要事業であるシステムソリューションサービス事業は、派遣先となる大手製造業やIT関連企業の業績動向に大きく影響を受けます。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、長期にわたる景気低迷や経済環境の変化等により、取引先企業業績の悪化に伴う設備投資の抑制や研究開発の削減が長期に続いた場合、大規模な自然災害や事故等で事業活動の停止もしくは事業継続に支障をきたす事態が発生した場合、また取引先企業の開発拠点につき海外移転等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

リスクへの対応策として、取引先は特定の業種に偏ることなく多岐に渡るため、リスクの低減は一定程度図られているものと考えておりますが、取引先の分散をより進めることで更なる低減に取り組んでまいります。

 

(6)同業他社との競合に関するリスク

 当社グループの主要事業であるシステムソリューションサービス事業は、市場に多数の事業者が存在しますが、将来、社会情勢の変化などにより労働者派遣法及び関係諸法令の変化に伴って業界再編が予測されます。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、このような環境下において、景気後退、同業他社間における価格競争の結果として取引単価が低迷した場合、また多くの待機状況が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7)経済の影響によるリスク

 当社グループの事業は、国内外の経済、景気動向及び主要顧客である大手システム開発企業各社の需要の動向に影響を受ける可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、国内外の景気の大幅な落ち込みによる大手システム開発企業各社からの受注の減少などが起きた場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8)のれんに関するリスク

 当社グループは、のれんを計上しております。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、のれんの対象会社における経営成績悪化等により減損の兆候が生じ、回収可能価額がのれんの帳簿価額を下回る場合には、のれんの減損処理を行う必要が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9)有利子負債に関するリスク

 当社グループは、事業基盤と収益力の拡充による中長期的な企業価値の向上のため、企業の買収等を中心とした投資を実施しております。当連結会計年度末における当社グループ連結総資産に占める有利子負債残高(借入金等)の割合は21.6%の水準であります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、今後、企業買収等により借入金等が増加した場合、有利子負債残高が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10)資金調達に関するリスク

 当社グループは、必要な事業資金の一部は、金融機関からの借入等により調達しております。

 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、今後、当社グループの経営成績、財政状態の悪化や金融情勢の変化等により、思うように必要な資金調達ができない場合、当社グループの事業展開及び財政状態等に影響を与える可能性があります。

 

(11)訴訟等に関するリスク

 当社グループは、法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンス体制及び内部統制システムの強化を経営上の重要課題のひとつとして位置付け、当社及びグループ各社の役員及び従業員等に対して適切な指示、指導を実施し、反社会的勢力との関係遮断や不正行為の防止・発見のために必要な予防策を講じています。

 しかしながら、当社グループ及び役員、従業員等の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、従業員その他第三者との予期せぬトラブルないし訴訟等が発生する可能性があります。また、特許権等の知的財産権についても訴訟のリスクがあるものと考えております。

 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、係る訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、多大な訴訟対応費用の発生やブランドイメージの悪化等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(12)情報システムに関するリスク

 当社グループの事業活動において、情報システムの重要性が増大しております。当社グループでは、情報システムの安定的運用に努めており、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、自然災害、事故、コンピュータウイルス、不正アクセス、その他の要因により情報システムに重大な障害が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(13)情報漏洩に関するリスク

 当社グループは、業務に関連して顧客の研究開発等の機密情報を知り得る可能性があります。また、技術者を含む従業員や、採用応募者の個人情報を大量に保有しております。これらの情報資産の保護や漏洩リスクを回避するため、情報セキュリティ規程を定め、関連規程を整備・運用し、教育研修等を通じて、機密情報及び個人情報の適正な取扱いを浸透させています。
 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、何らかの理由により機密情報及び個人情報の外部への漏洩、消失、不正利用等が発生した場合、当社グループの信用失墜、損害賠償請求の発生等により、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(14)品質や納期に関するリスク

 当社グループの売上につきましては、品質管理を徹底し、きめ細かな対応を行うよう努めております。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、顧客の要望による仕様変更やトラブル等により納期が遅れた場合、売上の計上が遅れ、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(15)新株予約権の行使による株式の希薄化に関するリスク

 当社は、役員及び従業員に対する長期的なインセンティブとしてストック・オプション制度を導入しております。

 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合、既存の株主が有する株式価値が希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。

 なお、当社は今後もストック・オプション制度を活用していく方針であります。

 

(16)配当政策に関するリスク

 当社の利益配分につきましては、2024年9月期からスタートする中期経営計画の策定に伴い、当社グループの企業価値向上に向けた財務戦略の一環として、利益の再投資による株主価値の向上を図るとともに、事業環境、業績及び財務状況等を総合的に勘案したうえで、株主への利益還元を行うことを基本方針としております。具体的には、配当は連続増配を維持すること、総還元性向(*)は、親会社株主に帰属する当期純利益の30%以上を維持すること、安定的な配当実施と併せて資本効率の向上を目的として機動的な自己株式取得等を行うことを想定し、持続的な業績向上を通じた利益配分の増加に努めます。前事業年度においては1株当たり50.00円の配当を実施しましたが、上記方針に基づき、当事業年度の配当につきましては、1株当たり51.00円の配当を実施することを決定しました。この結果、配当性向は72.9%(連結配当性向19.3%)となりました。

 しかしながら、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、重要な事業投資を優先する場合やキャッシュ・フローの状況によっては、配当を実施しない、あるいは予定していた配当を減ずる可能性があります。

(*)総還元性向=(配当+自己株式取得)÷親会社株主に帰属する当期純利益

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態の状況

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ427百万円増加し、2,963百万円(前連結会計年度末比16.9%増)となりました。契約資産の減少125百万円、のれんの償却に伴うのれんの減少99百万円等により減少した一方で、現金及び預金の増加347百万円、投資有価証券の増加123百万円、事業拡大に伴う売掛金の増加113百万円、貯蔵品の増加45百万円等により増加しております。

 負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ281百万円増加し、1,901百万円(前連結会計年度末比17.4%増)となりました。借入金の返済に伴う短期借入金の減少100百万円等により減少した一方で、長期借入金の増加113百万円、未払費用の増加102百万円等により増加しております。

 純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ146百万円増加し、1,061百万円(前連結会計年度末比16.0%増)となりました。自己株式の取得等に伴う自己株式の増加186百万円等により減少した一方で、利益剰余金の増加352百万円により増加しております。

 

②経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けの変更や行動制限の撤廃に伴う社会経済活動の正常化により、一部業種では緩やかな景気回復の動きが見られたものの、ロシア・ウクライナ情勢による地政学リスクの高まり、及び欧米におけるインフレ加速に伴う政策金利の引き上げ等により、急速な円安の進行やエネルギーや原材料価格の高騰が懸念されるなど、景気の先行きに関しては不透明な状況が続いております。

 一方、当社グループの主要顧客である大手システム開発企業各社における受注環境は、デジタル化による業務プロセスの効率化や変革を目指すDX(デジタル・トランスフォーメーション)需要を背景として、引続き堅調に推移しており、当該案件を推進できるIT人財やDX人財に対するニーズも力強く推移していることから、当社グループの事業活動も順調に推移しているものと認識しております。

 そうした状況の中、当社グループは、コンサルティング・受託開発領域への積極投資による技術力の向上、また、技術者派遣においては、案件に係る商流の改善や技術者の技術向上を図ることで派遣単価の改善に努め、新規顧客を開拓することで技術者の稼働率の維持、改善に努めてまいりました。

 このような事業環境のもと、当社グループは中長期的な経営戦略として、将来に向けた成長基盤の拡充と人財の育成を掲げ、「業界有数の人財数」、「業界有数の技術力」、「オリジナルの制度に基づく人財育成力」の醸成に努めており、従業員を財産と考える当社グループは、優秀な人財を獲得することに止まらず、既存従業員への還元・急激な物価上昇等への対応として平均給与を引き上げるなど、「人的資本経営」を重視することによるオーガニック成長を推進してまいりました。さらには、M&Aの活用に加え、2023年2月7日付で日鉄ソリューションズ株式会社、2023年4月25日付で株式会社アドバンスト・メディアと資本業務提携を締結するなど、インオーガニックでの非連続的な成長の実現にも積極的に取り組んでまいりました。

 以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は6,486百万円(前期比11.8%増)、売上総利益は1,964百万円(前期比10.8%増)と堅調に推移しました。また、販売費及び一般管理費も、M&A付随費用やストック・オプション制度の導入に関わるコンサルティング費用などの前年同期に発生した一過性費用が一巡したこと等で抑制され、営業利益は697百万円(前期比28.0%増)、経常利益は701百万円(前期比28.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は438百万円(前期比27.8%増)となりました(子会社別の売上高は、株式会社ブレーンナレッジシステムズ:3,513百万円、株式会社シー・エル・エス:1,292百万円、株式会社アセットコンサルティングフォース:645百万円、株式会社セイリング:471百万円、株式会社ヒューマンベース:291百万円、株式会社コスモピア:562百万円となっており、グループ内取引の相殺消去前の数値を記載しております。)。

 なお、当社グループはシステムソリューションサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ347百万円増加し、1,020百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びこれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、722百万円の収入(前年同期は373百万円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払額253百万円、貯蔵品の増加額45百万円を計上した一方で、税金等調整前当期純利益701百万円があったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、169百万円の支出(前年同期は335百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出151百万円があったこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、206百万円の支出(前年同期は211百万円の支出)となりました。これは主に短期借入れによる収入700百万円、長期借入れによる収入344百万円があった一方で、短期借入金の返済による支出800百万円、2022年12月15日開催の第6回定時株主総会決議に基づく自己株式の取得等による支出215百万円、長期借入金の返済による支出148百万円、配当金の支払額86百万円があったことによるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループで行う事業(システムソリューションサービス事業)は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。

 

b.受注実績

 当社グループで行う事業(システムソリューションサービス事業)は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはシステムソリューションサービス事業の単一セグメントであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

  至 2023年9月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

システムソリューションサービス事業

6,486,545

111.8

合計

6,486,545

111.8

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。また、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。また、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績

(売上高)

 当社グループは、コンサルティング・受託開発領域への積極投資による技術力の向上、また、技術者派遣においては、案件に係る商流の改善や技術者の技術向上を図ることで派遣単価の改善に努め、新規顧客を開拓することで技術者の稼働率の維持、改善に努めてまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は6,486,545千円となり、前連結会計年度に比べ11.8%増加いたしました。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は4,521,872千円となり、結果として売上総利益は1,964,672千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費の主な項目として、給料及び手当401,668千円(売上比6.2%)、支払手数料122,858千円(売上比1.9%)を計上した結果、販売費及び一般管理費合計で1,266,783千円(売上比19.5%)となりました。

結果として、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引きました営業利益は697,888千円(売上比10.8%)となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

営業外収益で9,768千円(売上比0.2%)、営業外費用で6,564千円(売上比0.1%)を計上しました。結果として経常利益は701,093千円(売上比10.8%)となりました。

 

(法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税等合計で262,662千円(売上比4.0%)を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は438,431千円(売上比6.8%)となりました。

 

b. 財政状態

 当連結会計年度末における総資産は、2,963,290千円となりました。

 当連結会計年度末における負債は、1,901,413千円となりました。

 当連結会計年度末における純資産は、1,061,877千円となりました。

主な増減内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。

以上の結果、財務指標としては、流動比率が154.8%、自己資本比率が35.5%になっております。

 

 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループは事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。当社の運転資金需要のうち主なものは、人材採用のための採用費、採用したエンジニアの人件費等があり、主な資金の源泉は、営業活動による純現金収入及び借入によります。当社グループでは、継続して売上高が増加しているため、万一不足が見込まれる運転資金は銀行からの長期借入金及び短期借入金を活用して手当てしております。

 当社グループでは過去の業績の拡大とそれにより発生した資金需要等を勘案し、事業拡大に必要となる資金は借入等を効率的に活用して調達する予定であります。

 

 ④経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 ⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)日鉄ソリューションズ株式会社との資本業務提携契約

 当社は、2023年2月7日開催の取締役会において、日鉄ソリューションズ株式会社との間で資本業務提携契約を締結することを決議し、同日付で本資本業務提携契約を締結しました。

 

(2)株式会社アドバンスト・メディアとの資本業務提携契約

 当社は、2023年4月25日開催の取締役会において、株式会社アドバンスト・メディアとの間で資本業務提携契約を締結することを決議し、同日付で本資本業務提携契約を締結致しました。

 

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。