当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
世界のエネルギー市場では、新型コロナウイルスからの経済回復の過程において、各国のエネルギー需要が増加する一方、インフレ等に伴いエネルギー価格が高騰化し、更にウクライナ危機を契機に、欧州等におけるエネルギー価格の上昇が顕著となっております。一方、再生可能エネルギー市場では、再エネ導入の遅れなどから炭素系エネルギー回帰の動きが見られつつ、COP27*1において地球温暖化への気候変動対策の強化が改めて課題認識されるなど、カーボンニュートラル*2は世界的かつ長期トレンドとなっております。産業界では、持続可能な社会の実現(SDGs*3)のため、温暖化ガス排出目標(SBT*4)・RE100等の目標を掲げる企業が増加し、ESG投資・グリーンファイナンス等が活発化しております。金融機関や投資家等が、企業に対する投融資を判断するため、気候変動リスク対応に係る情報開示*5の要請も国際的に高まっております。
日本国内においても、2050年カーボンニュートラル*2が宣言され、2030年度の温暖化ガス排出を2013年度比で46%削減、更に50%削減を目指す政府目標のもとで、「第6次エネルギー基本計画」では再生可能エネルギーが主力電源に位置付けられ、再エネ導入に最優先で取り組む方針が示されました。「改正地球温暖化対策推進法」の基本理念にも2050年カーボンニュートラル*2が据えられたほか、「クリーンエネルギー戦略」ではグリーントランスフォーメーション(GX)、カーボンプライシングの導入等が視野に入っております。これらの政府方針等を受けて、大企業を中心に電力の自家消費、蓄電池の利活用や省エネ等の取り組みが進んでいるほか、東京都においては、新築建物に原則として太陽光パネルの設置化、使用済み太陽光パネルの利活用を図る方針であり、全国的な広がりとなることが期待されるなど、再生可能エネルギー関連の投資は今後も継続する見通しです。
当社グループは、再生可能エネルギーの中核的グローバル企業を目標に、太陽光パネル製造事業を営むベトナムのVSUN社の事業拡大、WWB株式会社、株式会社バローズが主に担っているグリーンエネルギー事業を主軸に、事業成長の過程にあります。「グループ中期経営計画」の初年度である2022年6月期の連結売上高は、同計画の最終年度に当たる2024年6月期の数値を前倒しで達成したため、本年9月、同計画の上方修正を発表しました。
当第1四半期連結累計期間においては、太陽光パネル製造事業、グリーンエネルギー事業が引き続き、グループ連結業績を牽引しております。VSUN社において、欧米市場向けのパネル受注が好調に推移している中で、各地域の港湾に係る停滞状況が緩和化され、輸送用コンテナ船往来の円滑化に伴いパネル出荷が促進されております。世界のサプライチェーンは十分な落ち着きを取り戻すには至っていない状況、為替変動も激しい状況に加え、ウクライナ危機がこれらに拍車を掛ける様相を呈している等の不安定な外部環境要素を考慮しつつ、ベトナム国におけるコロナ禍からの回復過程や高騰傾向にある原材料費・輸送費の価格転嫁等も進めたほか、現時点でテスト稼働に入っている第4工場の今後の稼働見込みを踏まえて、通期連結業績予想数値を上方修正しております。
VSUN社のIPOについては、成長資金の獲得、ブランド向上、優秀な人材確保のため、ベトナム「UPCoM店頭市場」への株式上場に向け、株式上場の前提条件となるベトナム証券取引法における公開会社制度への登録完了のため、ベトナム当局へ必要書類の提出等を行い、当局の審査中となっております。株式公開制度への登録は、株式上場の前提となる手続きですが、本件の審査終了後、ベトナム「UPCoM店頭市場」を想定しての株式上場に向けて鋭意取り組む方針です。
グリーンエネルギー事業では、太陽光発電所及び太陽光発電設備に係る物品販売を継続したほか、安定収益確保のため重点施策の自社保有化を引き続き、推進いたしました。当連結会計年度は、2030年グループビジョン(保有発電容量:1GW)の達成に向けた助走期間と位置付け、約4年前より本格的に取り組んできたストック型ビジネスモデルへの転換が功を奏し始め、ストック型収益である売電収入、O&M収入が堅調に推移いたしました。WWB株式会社、株式会社バローズは、PPA事業者として、ノンフィット案件への取り組みを強化すると共に、脱炭素化を目指す企業や自治体等へ積極的にソリューション提案を行い、自家消費案件、ソーラーシェアリングの推進等を図っております。
また、その他事業として、太陽光電力を貯蔵して7日間連続給電を可能とするオプションを2024年に太陽光パネルと同価格での提供等をビジョンとする水素事業の研究開発を推進しております。
当社は、2022年2月、産業機械関連事業における製粉製造設備、配合飼料製造設備の製造販売等を営む明治機械株式会社と資本業務提携契約を締結しております。ソーラーシェアリングシステム*6の販売拡大、東南アジア全域を対象とした機械装置の販売拡大、光触媒活用による安全かつ衛生的な養豚・養鶏場の運営に関してシナジーを見込み、同社顧客に対する光触媒製品等の協働マーケティングを本格的に開始しております。光触媒以外の分野についても、両グループの強みを発揮し得るシナジーの創出・連携営業を加速させ、食に関わるすべての顧客へ付加価値の高い提案を行って参ります。なお、連結財務諸表においては、当第1四半期連結会計期間より、明治機械株式会社の持分法適用に伴う利益の取り込みを開始いたしました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は55,546百万円(前年同四半期比485.2%増)、営業利益は1,506百万円(前年同四半期比491.5%増)、経常利益は1,321百万円(前年同四半期比668.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は451百万円(前年同四半期比42.8%減)となりました。セグメント毎の経営成績については、次の通りです。
1.太陽光パネル製造事業
グローバルに再生可能エネルギー事業を展開する上で、サプライチェーン内にパネル製造機能(自社工場)を持つことはグループの大きな強みであり、競合他社との差別化要因となっております。VSUN社は、ベトナムのバクザン省、バクニン省にパネル製造の自社工場を有していますが、再生可能エネルギーの需要の高まりを背景に受注拡大が続き、足元の生産能力は、高操業の状態が継続していることから、前記のとおり、生産能力増強の設備投資により、第4工場が竣工・テスト稼働を開始し、年間生産能力は従前の2.6GWに、第4工場の2.4 GWを加え、計5.0 GW(おおよそ国内年間設置容量に相当するもの)の生産規模へ拡大しております。
世界の太陽光パネル市場では、中国企業が上位を占める中で、VSUN社は日系資本の世界的な太陽光パネルメーカーへ大きな成長を遂げ、Bloombergの「Tier1リスト」に基づき、生産能力は日系パネルメーカーでおそらく首位にあるものと認識しております。VSUN社は、日本の生産・品質体制を取り入れながら、これまで主に産業用・家庭用太陽光パネルについて、欧州市場向けの製造販売により事業を拡大させてきました。米政権交代の前後からは、米国市場向けのパネル販売が大きく伸長したほか、南米等の地域からの受注も獲得しております。
当第1四半期においては、前記の通り、各地域の港湾に係る停滞状況が緩和化され、輸送用コンテナ船往来の円滑化に伴い、受注残を含むパネル出荷状況が改善・促進いたしました。利益面においては、ベトナム国現地コロナ禍からの回復過程や高騰傾向にある原材料費・輸送費の価格転嫁等も進めております。今後は、第4工場のテスト稼働も踏まえて、生産体制の更なる効率化に取り組むと共に、業容拡充も視野に事業拡大を推進していく方針です。先般、自社セル工場の現地投資環境の把握を主な目的として、当社役員がフートー省への表敬訪問を行い、省長と意見交換を行うなど、投資環境の調査を継続的に行っております。
グローバルサプライチェーン戦略と日本発の品質管理体制のもとで、先進的な自動生産ラインを完備するVSUN社の事業実績が評価され、英国グローバルメディアのAPAC Insiderが授与するAPACビジネスアワードにおいて、「Best International PV Solar Manufacturer-Asia Pacific」賞を受賞しております(本年1月公表)。太陽光モジュールの信頼性・性能試験機関のPV Evolution Labs(PVEL)からは、モジュールの信頼性に関する調査結果を纏めた報告書「PVモジュール信頼性スコアカード」(2022年度版)において、昨年に引き続き、「トップパフォーマー(Top Performer)」の一社に認定されました(本年5月公表)。「PVモジュール信頼性スコアカード」は、PQP(製品認定プログラム)に基づき、独立した第三者としての立場から信頼性評価を行うもので、「トップパフォーマー(Top Performer)」に認定されたことは、モジュールメーカーとしての製造実績と研究開発・技術革新に基づく品質管理が専門的な外部機関から評価されたものと認識しております。
以上の結果、売上高53,250百万円(前年同四半期比619.8%増)、セグメント利益1,175百万円(前年同四半期セグメント損失29百万円)となりました。
2.グリーンエネルギー事業
当社グループでは、低圧発電所を中心とした太陽光発電所の販売、太陽光パネル、PCS、産業用及び住宅用の蓄電池等の太陽光発電設備に係る物品販売をフロー型のビジネスとして行いつつ、近年では、売電収入を原資とする安定収益確保のため、太陽光発電所の完工後も継続して保有するストック型のビジネスモデルを推進しております。これを更に前進させるべく、PPA事業者としてノンフィット案件への取り組みのほか、太陽光発電所を保有する企業や物件仕入・施工管理の強化等を目的としたM&Aを積極的に推進しております。
また、WWB株式会社、株式会社バローズは、脱炭素化を推進している企業、団体、自治体等を対象に積極的な提案を行い、新規事業として自家消費案件、ソーラーシェアリングの導入等を推進しております。
稼働案件については、宮城県の角田市太陽光発電所を始め、福島市大波太陽光発電所、花畑太陽光発電所、長嶺ソーラーファーム、石川県能都町太陽光発電所、島根県邑智郡太陽光発電所、宮之浦太陽光発電所等から売電収入を収受しております。また、発電所の開発状況については、大和町・大衡村太陽光発電所、神栖太陽光発電所等について、計画的に開発・建設を推進しております。O&M収入も安定収益源として定着し、WWB株式会社の実績に加え、株式会社バローズエンジニアリングにおいて、落雷対策に効果のあるアース線配線、施設内カメラの設置によるセキュリティの確保、RPAシステムを通じた異常点探知等のシステム完備により、本事業を引き続き推進しております。その他、脱炭素に向けての目標設定(SBT*4、RE100)など、企業の脱炭素経営の活発化や自治体の再エネ導入への意欲向上から、脱炭素化に対するソリューションの企画・提案力の強化、ノンフィット申請や農業シェアリング案件等の積極的な推進を図っております。
海外事業では、ベトナム、カンボジア、インドネシア、スリランカ、台湾等のアジアその他における旺盛な電力需要に対して、現地企業・総合商社との合弁等による事業参画のほか、環境省実施の2019年度「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」*7の公募案件の採択を受けて、カンボジア国内において日本政府の協力のもと、WWB株式会社は本案件を推進しております。
また、WWB株式会社は、ホテル三日月グループ様が運営されている、複合型リゾート「ダナン三日月ジャパニーズリゾート&スパ / Da Nang Mikazuki Japanese Resorts & Spa」に、設備容量約1MW相当(年間想定電力量:1,444,128MWh)の屋根設置型 太陽光発電設備のEPC事業を担い、グランドオープン後から電力供給が開始されております。当該設備にはVSUN社製造の太陽光パネルが搭載され、ホテル、スパ施設の約35%に相当する電力供給を想定しております。
ファイナンス面については、脱炭素化への取り組みとこれまでの事業実績が評価され、脱炭素化への貢献度に応じて、金利スプレッドが調整されるサステナビリティ・リンク・ローン契約締結により、本年9月、WWB株式会社は運転資金4億円を調達しております。
以上の結果、太陽光発電所の販売及び部材に係る物販1,225百万円、売電及びO&M収入871百万円、その他28百万円を計上し、売上高2,126百万円(前年同四半期比14.8%増)、セグメント利益518百万円(前年同四半期比29.0%増)となりました。
3.IT事業
企業によるDX投資、5Gサービス、クラウドを活用したSaaSがIT市場で注目されており、IoTの浸透によって収集したビッグデータをAIで解析のうえ、業務効率・予測精度を向上させ、単純作業の効率化や人間への提案に転化するなど、新たな事業機会が創出されております。このような市場環境のなか、グループのAbit株式会社では、ナレッジ(情報・知識・経験) の共有や業務プロセスの再構築による労働生産性の向上を目的とした自社製品「KnowledgeMarket®」、Microsoft パートナーとしてMicrosoft 365を活用したDX支援サービス、その他RPA製品を活用した効率化・省力化サービス等のほか、IoTを駆使したデータ計測から最適解を導出する支援等を実施しました。
また、グリーンエネルギーの供給やRE100の推進等に関連して、SDGs*3を志向する企業・自治体等のニーズについては、グリーンエネルギー事業、及びヘルスケア関連の各事業との連携を図り事業を推進しました。同グループの株式会社デジサインでは、強みであるデータセキュリティ技術を活かしたシステム開発や企業のデジタル化/DX支援を進める中で、各種プロフェッショナル人材の紹介サービスを開始しました。また、データセキュリティを啓発するためのオウンドメディア「情報資産管理マガジン」とセキュリティ系商材を中心としたECサイト「Johoいっちば」をオープンいたしました。ビジネスニーズとのマッチング創出を通じ、多くのソリューションを展開/提供していけるよう推進してまいります。
以上の結果、売上高154百万円(前年同四半期セグメント売上高9百万円)、セグメント利益1百万円(前年同四半期比290.1%増)となりました。
4.光触媒事業
グループの日本光触媒センター株式会社は、ISO認証を取得した光触媒製造の自社工場(佐賀県武雄市)を有しており、光触媒の働きにより菌・ウイルス成分を分解・除去し、消臭、大気浄化のほか花粉にも作用して付着物近くの空間浄化等の光触媒効果が長く持続する光触媒剤とその関連製品を製造販売しております。同社は、近年、大手不動産、総合商社、ホテル、大型イベント会場、病院・介護施設等を対象に、温室効果ガスを排出しない“未来の街づくり”や、皆様の生活を支える感染症対策としての「光触媒LIFE」事業を推進しております。本事業は、新規加盟店への研修・サポート体制完備のもとで、フランチャイズ・代理店制度を採用し、加盟店はこれまでに100社を超過しております。
同社が製造する光触媒は、可視光を吸収して接触する有害物質等を分解する可視光応答型の光触媒で、水と酸化チタンを主成分とする安全性と光触媒効果の持続性に大きな特長があります。可視光応答型光触媒に関しては、新型コロナウイルスの不活化が確認されたとの報道や、抗菌ニーズの高まりから、日常生活においても光触媒の利活用を目にする機会が増えております。同社では、コロナ禍の早い段階から抗菌・抗ウイルス製品「blocKIN」を自社開発したのに続き、後継のハイライン製品として、銀イオン配合の「blocKINハイパー」を市場投入しております。また、都市SDGs*3への貢献として、周辺の浄化機能、美観維持等の光触媒効果が持続する点を応用し、建設現場において使用されている「囲い板」の有機系シート素材に光触媒コーティングを可能とする技術を共同で特許化しております。
2022年3月には、アネスト岩田株式会社及び同子会社の株式会社A&Cサービスとの業務提携を行い、スプレーガン等の施工用機材の活用、光触媒の抗菌効果等が持続する高い触媒性能と共に、確立された施工方法の提供による、“3つの品質”を強みに、皆様の安心・安全を支える事業の推進により、持続可能な社会の実現に今後も一層貢献してまいります。
また、これからのライフスタイルマーケットを提案する国際見本市「インテリア ライフスタイル 2022」において、抗菌・抗ウイルス製品「blocKIN」(ブロッキン)各種を出展するなど、普及販促の活動を継続しておりますが、コロナ禍の一時的な落ち着きが見られた状況等を受けて、光触媒事業の業績低迷の一因となりました。この結果、売上高10百万円(前年同四半期比59.2%減)、セグメント損失9百万円(前年同四半期セグメント利益5百万円)となりました。
上記の事業活動のほか、これまでコロナ禍において一定の制約下にありました海外の事業について、アメリカ企業との特定案件に係る商談を進めるなど、海外事業の拡大展開を図っております。また、明治機械株式会社とのシナジー効果として、主要顧客である飼料、製粉、酒造製造工程サイロ、畜産農家等に対し、日本光触媒センター株式会社が製造する光触媒製品等の協働マーケティングを本格的に開始したほか、食品等事業者は、食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年6月13日公布)等に基づく衛生管理対応が求められる中で、顧客は高い関心を示しており、今後一層の事業拡大を図る方針です。光触媒以外の分野においても、シナジーの創出・連携営業を拡大し、食に関わるすべての顧客に付加価値の高い提案を続けて参ります。
【文中注釈】
*1 京都議定書(1997年、COP3)に代わる地球温暖化対策の国際ルールとして、「パリ協定」(2015年、COP21)において、産業革命前からの気温上昇を2度より十分低く保つと共に、1.5度以内の努力目標を掲げている。「グラスゴー気候合意」(2021年、COP26)では1.5度を重視して排出削減へ取り組むことが確認され、COP27(2022年11月)に引き継がれた。
*2 カーボンニュートラルとは、地球全体の温室効果ガスの排出量と、地球全体の森林等による吸収等の量をイコールとすることによって、さらなる地球温暖化を防止していくことをいう。世界各国でカーボンニュートラルが宣言されるなか、日本政府は2020年10月、積極的な温暖化対策が産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長に繋がるとして、2050年カーボンニュートラルを宣言した。
*3 SDGs とは、2015 年国連にて全会一致で採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」であり、2030年を目標年度とする国際的な共通目標をいう。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成される。
*4 SBTとは、パリ協定が求める水準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標をいう。
*5 「コーポレートガバナンス・コード」では、上場会社に経営戦略の開示に当たって、自社のサステナビリティの取り組みを適切に開示すること、特にプライム市場上場会社には気候変動リスク、収益機会が与える影響等に関して、国際的に確立された開示の枠組みのTCFD等の枠組みに基づく開示について規定している。
*6 ソーラーシェアリングシステムとは、ソーラーシェアリングを前提とした太陽光発電設備のことをいう。ソーラーシェアリングとは営農型太陽光発電をいい、農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電設備を設置し、太陽光を農業生産と発電とで共有する取り組みをいう。
*7 「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism: JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」とは、優れた低炭素技術等を活用し、途上国における温室効果ガス排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行う事業をいう。途上国における温室効果ガスの削減と共に、JCMを通じて我が国及びパートナー国の温室効果ガスの排出削減目標の達成を目的に優れた低炭素技術等の初期投資費用の2分の1を上限として補助される。
【グループ中期経営計画について】
再生可能エネルギーの中核的グローバル企業を目指す2030年グループビジョンのもと、当社グループでは、①保有発電容量1GW、②年間製造目標8GWを成長戦略の柱と位置付けております。「中期経営計画(2022-24)」は、それを達成するための助走期間とし、太陽光パネル製造事業、グリーンエネルギー事業を成長軸に据えております。
【社会・環境課題に関する近年の取り組み】
持続可能な開発目標(SDGs)との関連では、当社グループは、「安全・安心」でクリーンなエネルギーを提供し続けることを通じて、SDGs7(エネルギーをみんなにそしてクリーンに)、SDGs11(住み続けられるまちづくりを)、SDGs13(気候変動に具体的な対策を)を中心にコミットしております。また、光触媒事業等のヘルスケア関連の事業において、SDGs3(すべての人に健康と福祉を)についても積極的に取り組んでおります。
また、当社グループは、金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明すると共に、同提言に賛同する企業や金融機関等から構成されるTCFDコンソーシアムに参画しております。
■ 再生可能エネルギーに係る事業実績(VSUN社の太陽光パネル製造事業、WWB株式会社、株式会社バローズによるグリーンエネルギー事業)。
■ 台風による各地の被災・停電等の発生を受けて、折り畳み式軽量のポータブルバッテリー「楽でんくん」をリリース(WWB株式会社が自社開発、熊本県人吉市、宮崎県えびの市、小林市、宮城県角田市、大衡村等へ寄贈)。
■ 光触媒の塗布により殺菌・防虫効果のある、発電するビニールハウス「Maxar® EneZone」等の開発による営農と食の安心・安全確保への貢献(WWB株式会社、日本光触媒センター株式会社)。
■ 次世代エネルギーを担うと期待される水素を活用したエネルギー貯蔵システムの開発(バーディフュエルセルズ合同会社)。
■ 太陽光パネルの廃棄問題に対する貢献、資源の有効活用のため、リサイクル・リユース事業に着手(PV Repower株式会社)。
■ 福島第一原発事故の発生時に寄贈協力を行った三一重工製、大型コンクリートポンプ車(大キリン)に係る交換部品の無償提供、技術協力を実施。近年では、東南アジアへの日本ODA事業におけるインフラ整備への貢献として、コロナ禍においても海外への建設機械投入及びメンテナンス等を継続(WWB株式会社/建機事業)。
■ 港湾地域において、脱炭素化に向けた先導的な取り組みに対して、EV港湾荷役機械等の供給により貢献(WWB株式会社/建機事業)。
■ サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)への達成度に応じて金利スプレッドが調整されるSDGsリーダーズローン契約締結。金融機関と共同で営む活動として、発行額の一部が地域の学校、医療機関、環境保護団体等へ寄付される仕組みのSDGs私募債、CSR私募債を発行。
■ 社外役員として、SDGsの専門家を登用(研究論文、教育研修等多数)。
■ 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言賛同、及びTCFDコンソーシアムへの参画。
■ SDGs関連団体への加盟として、(外務省) JAPAN SDGs Action Platform、(内閣府)地方創生SDGs官民連携プラットフォーム、(JCLP)日本気候リーダーズ・パートナーシップ賛助会員ほか。
■ 啓蒙活動として、長野県及び神奈川県内の中・高校生、都内私立中学校の生徒へのSDGs研修の実施。社会・環境活動イベントへの支援・技術協賛(Peace On Earth、Earth Day等)。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は89,937百万円となり、前連結会計年度末に比べ32,486百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が8,029百万円増加、受取手形及び売掛金が2,667百万円増加、商品及び製品が5,945百万円増加、前渡金が13,184百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は30,806百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,147百万円増加いたしました。これは有形固定資産の「その他」に含まれる建物及び構築物が1,283百万円、建設仮勘定が940百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、120,788百万円となり、前連結会計年度末に比べ35,667百万円増加いたしました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は92,267百万円となり、前連結会計年度末に比べ34,546百万円増加いたしました。これは主に買掛金が5,334百万円増加、短期借入金が6,525百万円増加、契約負債が20,086百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は18,492百万円となり、前連結会計年度末に比べ959百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が1,274百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は、110,760百万円となり、前連結会計年度末に比べ33,586百万円増加いたしました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は10,027百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,080百万円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益451百万円によるもの等であります。
この結果、自己資本比率は5.3%(前連結会計年度末は6.9%)となりました。
当第1四半期連結会計期間において、事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当第1四半期連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は15百万円であります。
再生可能エネルギー業界においては、固定価格買取制度(FIT)の見直しが続いていますが、国内エネルギー供給の一翼を担う長期安定的な主力電源としての役割が期待され、エネルギーミックスの確実な実現と脱炭素化への取り組みを強化する国の方向性が示され、事業分野として今度も拡大していくものと考えられます。当社グループが推進するグリーンエネルギー事業は、ESG投資への関心の高まりや世界的潮流となっているSDGsの趣旨に沿った事業であります。今後も、自社保有に基づく安定収益を確保する収益構造の転換を進め、上場企業としての持続的成長を図っていく方針です。
当社は、2022年6月6日の取締役会において、当社の連結子会社である WWB 株式会社の子会社である株式会社バローズ(以下、「バローズ」という。)が、MCPメザニン5投資事業有限責任組合(以下「MCP メザニンファンド」という。)に対して第三者割当の方法により総額10億円の優先株式(以下、「本優先株式」という。)を発行することを承認し、バローズと MCP メザニンファンドの間で本優先株式の引受に関する投資契約書(以下「本契約」という。)を締結し、2022年7月1日に払込みが完了いたしました。
また2022年6月1日付のバローズの株主総会において10億円の減資(形式的減資)を行うことを決議し、2022年7月31日に実行いたしました。