第一部 【証券情報】
第1 【募集要項】
1 【新規発行新株予約権証券(第1回新株予約権証券)】
(1) 【募集の条件】
(注) 1.第1回新株予約権証券(以下、「本新株予約権」といいます。)の発行については、2024年3月21日に開催された当社取締役会決議によるものであります。
2.申込み及び払込みの方法は、本有価証券届出書の効力発生後、払込期日までに当社及び割当予定先との間で本新株予約権に係る総数引受契約(以下、「本新株予約権引受契約」といいます。)を締結し、払込期日までに上記払込取扱場所へ発行価額の総額を払い込むものとします。
3.本有価証券届出書の効力発生後、払込期日までに本新株予約権の割当予定先との間で本新株予約権引受契約を締結しない場合は、本新株予約権に係る割当は行われないこととなります。
4.本新株予約権の募集は、第三者割当の方法によります。
5.本新株予約権の振替機関の名称及び住所は次のとおりであります。
名称:株式会社証券保管振替機構
住所:東京都中央区日本橋兜町7番1号
(2) 【新株予約権の内容等】
(注) 1.本新株予約権の発行により資金調達をしようとする理由
(1) 募集の目的及び理由
ア.当社グループの事業概要
当社は事業持株会社であり、当社グループは、当社及び連結子会社2社(株式会社Cotori、株式会社エコ革)の計3社で構成されております。
当社グループは、「テクノロジーでより面白く、より便利な世の中を創造する」というビジョンのもと、映像ソフトウェア開発・AIといった技術領域や企業向けSaaS、太陽光発電設備の施工販売といったビジネス領域において、お客様にとって最大限の価値を創造できるようなサービスの提供に取り組んでおります。
具体的には、(ア)ITソリューション事業、(イ)SaaS事業、(ウ)再エネソリューション事業の3事業を展開しております。
当社及び連結子会社の位置付け及びセグメントとの関連は、以下のとおりであります。
(注) 1.当社は事業持株会社として、グループ全体の事業戦略策定・実行の他、子会社に対して経理、与信管理等の業務受託を含む経営管理業務を行っております。
2.当社はSaaS事業及びITソリューション事業の金融自動売買システム「SAZANAMI SYSTEM」の提供を行っており、株式会社CotoriではITソリューション事業の受託開発サービス、株式会社エコ革では再エネソリューション事業の太陽光発電設備の施工・販売を行っております。
各事業の内容の詳細は、次のとおりであります。
(ア) ITソリューション事業
主に、①エンターテイメントに関連する映像ソフトウェア開発、②AI等のデジタル技術を利用したシステム・アプリケーション開発の領域において受託開発、及び③金融自動売買システムの販売を行っております。
当社グループは、当社グループの技術者が持つ経験やナレッジを活かし、総合的な視点に立った上でお客様の価値を創出するITサービス企業グループです。
なお、本事業では、主として顧客企業又は一次請け企業との請負契約に基づき、成果物の対価として収益を得ております。
(イ) SaaS事業
当社グループでは、自社プロダクトとして、SaaS(※2)の開発・提供を行っており、当社が販売及びカスタマーサポート業務を、株式会社Cotoriが開発・保守・メンテナンス等の業務を行っております。
本事業では、主として顧客企業から、クラウドで提供するサービスの対価を利用期間に応じて受領しております。売切り型ではなく、継続的なサービスの提供を前提としていることから、継続的に収益が積み上がっていくストック型のビジネスモデルであり、同時に新規契約数の増加により高い成長を目指せるビジネスモデルでもあります。
(ウ) 再エネソリューション事業
当社は、2023年7月27日付で太陽光発電設備の施工・販売を行う再エネソリューション事業を主たる事業とする株式会社エコ革を子会社化したことに伴い、2024年1月期第2四半期連結会計期間より、当社グループが営む事業として再エネソリューション事業が新たに加わりました。
本事業においては、現在社会全体としてSDGsの達成や、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向けた取り組みが注目され、成長が見込まれる同業界において、ドローン(無人航空機)による空撮や3D(3次元)地形データの作成等、最先端のテクノロジーを活用し、長年の実績に基づくワンストップ体制でのサービスを提供しております。
(※1) Sales Enablement
営業組織が「継続的に営業成果を出し続けるための仕組みを構築すること」を指します。
(※2) SaaS
Software as a Serviceの略称であり、ユーザーのコンピューター等にソフトウェアをインスト ールするのではなく、インターネット経由でソフトウェアを利用する形態のサービスを指します。
イ.当社グループの成長戦略及び今回の資金調達について
2024年1月期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症となり、経済社会活動の正常化が進みつつありますが、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料価格の高騰や世界的な物価上昇、円安の進行など先行きは依然として不透明な状況が続いております。また、少子高齢化や人口減少を背景に労働生産性の向上を図っていくことが課題となっており、既存システムの刷新やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進によるIT投資需要が高まっております。
このような環境の下、当社グループは、「テクノロジーでより面白く、より便利な世の中を創造する」というビジョンのもと、映像ソフトウェア開発・AIといった技術領域や企業向けSaaS、太陽光発電設備の施工販売といったビジネス領域において、お客様にとって最大限の価値を創造できるようなサービスの提供に取り組んでまいりました。
当社グループは、ITソリューション事業において、主にエンタメ映像ソフトウェア開発やAI等のデジタル技術を利用したシステム・アプリケーション開発を中心とした売上を計上しました。SaaS事業においては、人材派遣会社向け管理システム「jobs」を中心に販売実績を積み重ねてきました。再エネソリューション事業においては、太陽光発電設備の施工・販売による売上を計上しました。
以上の結果、2024年1月期における当社グループの業績は、売上高7,129,535千円(前年同期比662.90%)、営業利益842,500千円(同498.86%)、経常利益675,170千円(同419.65%)、親会社株主に帰属する当期純利益106,202千円(同142.29%)となりました。
他方で、当社の自己資本比率は、2023年1月期において69.5%でありましたところ、株式会社エコ革の連結子会社化により総資産が増加したことに伴い、2024年1月期における自己資本比率は5.8%となっており、さらなる自己資本の充実を図り財務基盤を強化することは、今後の成長戦略を実行していく上でも、当社における重要な財務課題の1つであると認識しております。
また、当社グループでは、売上高と営業利益を重要な経営指標として管理しております。これらを重視する理由は、企業として一定程度の売上高規模を確立することで、事業基盤の安定性を確保するとともに、安定した利益の成長を継続させることで、新規領域への投資を機動的に行うことが重要であると考えているためであります。また、継続的な利益の確保は安定的なキャッシュ・フローにもつながると考えており、株主への安定的な利益還元を実現するとともに、今後の事業拡大を見据えM&A等への取り組み等についても、資金の状況等を勘案しながら取り組む所存であります。
当社グループの2022年1月期から2024年1月期までの実績及び2025年1月期の計画につきましては、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(将来に関する記述等についての注意点)
上記に記載されている業績予想数値等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
また、当社グループは、2024年3月18日付開示「事業計画及び成長可能性に関する事項並びに決算説明資料」に記載のとおり、以下の成長戦略を掲げております。
1) ITソリューション事業の成長戦略:①事業領域の拡大(AI、DX、その他)、②人員の強化(M&A含む)
当社グループの主要事業であるITソリューション事業が属する受託開発ソフトウェア市場は、今後も着実に成長していくと考えております。エンターテイメントに関連する映像ソフトウェア開発(遊技機向け)の市場規模は、将来的に微減すると予測されるものの、引き続き安定した市場形成が見込まれると考えております。国内のAIビジネス市場については、堅調な成長が見込まれる中、特にAI画像認識市場は急成長が見込まれると考えております。
したがいまして、当社グループといたしましては、①事業領域の拡大(AI、DX、その他)及び②人員の強化(M&A含む)に注力することにより、受注規模の拡大及び自社プロダクトの開発・展開を強化し、収益の安定化を目指してまいります。
今後、当社の既存事業に関連する事業のみならず、シナジー効果等が見込まれ、企業価値向上が見込まれる案件については、異業種であっても積極的にM&Aを行ってまいります。
2) SaaS事業の成長戦略:①売上規模の拡大及びそれに伴う早期の黒字化・先行投資の回収
世界的な物価高騰等の影響下において多くの人材派遣会社がコスト削減を強いられる中、当社の人材派遣会社向け管理システム「jobs」は価格体系において月額3万円であることから、時代の流れやお客様のニーズに合う製品となっており、新規顧客を獲得することができております。今後も労務管理SaaSの市場規模は大きな成長が予測されることから、当該環境を追い風に「jobs」の拡販を図ってまいります。また、統合型マーケティング支援市場についても、引き続き市場規模の成長が予測されることから、当社のSales Enablementツール「Circle」及びその他の新規サービスの開発を推進し、ストック型ビジネスであるSaaS事業の拡大による利益率向上・収益安定化を目指してまいります。
なお、SaaS事業につきましては、現状は新規従業員採用等に伴う費用が先行しておりますが、売上規模の拡大に伴い早期に黒字化することによって、かかる先行投資の回収フェーズに移行するよう努めてまいります。
3) 再エネソリューション事業の成長戦略:①IT技術の活用、②営業力・技術力の強化
固定価格買取制度(FIT)(※3)における太陽光発電に関する買取期間の終了及びNonFIT(※4)への移行により、売電価格が市場価格に左右されることとなり一定の利益減が見込まれるものの、今後、脱炭素社会の実現に向けて太陽光発電システムの社会的ニーズは依然として高く、引き続き市場規模の拡大が見込まれると考えております。
したがいまして、再エネソリューション事業におきましては、当社子会社株式会社エコ革のこれまでの実績を足掛かりとして、当社のIT技術の活用を強みにNonFITの利益率の向上を図り、さらなる受注規模の拡大を目指します。具体的には、当社の技術力・デザイン力を駆使した物件施工前の3Dデータ等に対する画像認識処理及びデザインの技術提供、最適化による提案力の強化、当社の営業販路を活用した売上拡大を図ってまいります。
(※3) 固定価格買取制度(FIT)
再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、電気事業者が一定期間固定価格で買い取ることを義務付ける制度を指します。
(※4) NonFIT
再生可能エネルギーの発電のうち、FIT制度(固定価格買取制度)の適用を受けていない発電設備を指します。
以上のとおり、当社グループといたしましては、今後さらなる事業拡大及び収益力強化を図り、持続的な成長を実現していくためには、事業領域の拡大及び人員の強化を目的とした新規M&A又は戦略的提携を積極的に推進していくことが必要不可欠であると考えております。
したがいまして、今後、当社の既存事業に関連する事業のみならず、シナジー効果等が見込まれ、企業価値向上が見込まれる案件については、異業種であっても積極的にM&Aを行ってまいります。
なお、当社は、2023年7月14日付開示「株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(以下、「2023年7月14日付開示」といいます。)に記載のとおり、さらなる事業拡大及び業績向上を図るため、再エネソリューション事業を営む株式会社エコ革の株式34%を取得し、連結子会社化いたしました。当社は、今後、段階的に株式会社エコ革の株式取得を実施し、最終的には株式会社エコ革の全株式を取得する予定です。当社といたしましては、再エネソリューション事業を今後の当社グループにおける成長の柱となる中核事業の1つと位置付けており、現在、子会社(主に株式会社エコ革)の管理体制を含む当社グループ全体の経営管理体制強化に優先的に取り組んでおります。
他方で、当社は、2024年1月23日付開示「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」に記載のとおり、2023年7月31日付で株式会社OGIXを子会社化いたしましたが、経営資源の選択と集中の観点から当社グループリソースを株式会社OGIX以外に集中すべきと考えたこと、株式会社OGIXとの資本提携を行わずとも両社間での協業体制は継続可能と判断したこと等から、2024年1月23日付で株式会社OGIXの全株式を譲渡することを決議いたしました。
当社グループが今後さらなる事業拡大及び収益力強化を図るためには、既存事業の強化・拡大を図るとともに、今後の当社グループにおける成長の柱となる可能性のある新規事業の発掘・創出を引き続き模索していくことが必要不可欠であると考えております。当社といたしましては、このような既存事業の強化・拡大及び新規事業の発掘・創出のためには、M&A戦略が今後の当社グループの事業拡大における最も重要な成長ドライバーの1つとなるものと捉えております。
したがいまして、既存事業の強化・拡大を図るとともに、今後の当社グループにおける成長の柱となる可能性のある新規事業の発掘・創出を模索していくため、新規M&A又は戦略的提携を積極的に推進し、さらなる事業拡大及び収益力強化を達成してまいりたいと考えております。従前どおり既存事業の収益安定化及び株式会社エコ革のM&A完了に向けて当社経営資源を集中的に投下しつつ、それらと併行して、新規M&A又は戦略的提携については、当社グループリソース及び経営資源の投下先を慎重に見極めながら、既存事業の強化・拡大及び新規事業の発掘・創出に資するか否かという点を重視し、検討を進めるようにいたします。以上のとおり、既存事業の強化・拡大及び新規事業の発掘・創出を両輪として、当社グループ全体の持続的成長を目指してまいります。
なお、これまでの当社のM&A投資実績といたしましては、以下のとおりです。
以上のとおり、当社グループといたしましては、当社グループリソース及び経営資源の投下先を慎重に見極めながら、積極的なM&A又は戦略的提携の推進により、既存事業の強化及び新たな収益機会の獲得を図り、企業価値のさらなる向上を追求してまいりたいと考えております。
したがいまして、今回の資金調達により得た資金は、当社グループにおけるさらなる事業拡大及び収益力強化を目的として、以下のとおり①当社子会社(株式会社エコ革)のM&Aに関する借入金返済資金、②新規M&A又は戦略的提携のための成長投資資金として充当する予定です。
① 当社子会社(株式会社エコ革)のM&Aに関する借入金返済資金
当社は、2023年7月14日付開示に記載のとおり、さらなる事業拡大及び業績向上を図るため、再エネソリューション事業を営む株式会社エコ革の株式34%を取得し、連結子会社化いたしました。
また、2023年7月14日付開示に記載のとおり、株式会社エコ革の株式34%の取得資金1,190百万円につきましては、株式会社東日本銀行より、以下のとおり借入を行っております。
2023年7月14日付開示に記載のとおり、当社子会社(株式会社エコ革)のM&Aにつきましては、今後、段階的に株式会社エコ革の株式取得を実施し、最終的には株式会社エコ革の全株式を取得する予定です。当該追加株式取得につきましては、金融機関からの借入や資本市場からの調達を組み合わせる等の方法により資金手当てを行う方針であり、多様な資金調達方法を検討してまいります。当該株式取得を決定した場合には、適時適切に開示いたします。
今後、当社が株式会社エコ革の株式の追加取得に加え、下記②新規M&A又は戦略的提携のための成長投資を確実に実施していくためには、可能な限り資本バッファーを構築し、十分な有利子負債の調達余力を残しておく必要があります。
したがいまして、今後想定される投資機会に備えて十分な自己資金を確保するとともに、当社グループの財務基盤の強化を図るため、本新株予約権による調達資金のうち1,100百万円を上記借入金1,190百万円の一部返済資金に充当する予定です。
本新株予約権による調達資金の支出予定時期は、2024年4月~2027年4月を予定しており、当該期間において、上記借入金の一部返済を実施する予定です。
なお、当該借入につきましては、株式会社東日本銀行との契約上コベナンツが存在いたしますが、当該コベナンツの各条件について今後交渉・協議を行う予定です。
また、上記借入金の残額90百万円につきましては、今後、原則として手元資金により返済を行っていく予定であり、状況に応じて資本市場からの調達等を含めた多様な資金調達方法を検討いたします。
② 新規M&A又は戦略的提携のための成長投資資金
当社は、今後の当社グループにおける重要な成長戦略の1つとして、新規M&A又は戦略的提携の積極的推進を掲げており、新規M&A又は戦略的提携の実行により、新たな収益機会の獲得を図り、企業価値のさらなる向上を追求してまいりたいと考えております。
他方で、当社は、2023年9月14日付開示「20024年1月期第2四半期報告書の提出遅延及び2024年1月期第2四半期決算短信発表の延期並びに監理銘柄(確認中)への指定見込みに関するお知らせ」に記載のとおり、2024年1月期第2四半期報告書を金融商品取引法第24条の4の7第1項に定める期間内に提出できる見込みのない旨の開示を行ったことから、同日付で当社株式が監理銘柄(確認中)に指定されました(その後、同年10月13日に当該四半期報告書を提出したため、同日付で監理銘柄(確認中)指定を解除されております)。かかる四半期報告書の提出遅延に至った経緯といたしましては、2023年7月に株式会社エコ革及び株式会社OGIXのM&Aを実行したことにより、連結対象会社となった株式会社エコ革が保有する多数の太陽光設備としての土地の時価評価益等に係る期首残高の精査や、対象子会社の四半期連結財務諸表における適切な表示科目の検討等、当該第2四半期報告書の開示内容の追加確認が必要となったこと、また上記M&Aと決算発表までの期間が短い中、偶発的な事情が重なり経理部人員が退職したこと等の理由から、決算数値の確定に時間を要し、当該第2四半期報告書の提出が遅延することとなりました。当社は、このように四半期決算開示及び四半期報告書の提出が遅延したことを厳粛に受け止め、子会社の管理体制を含む経営管理体制強化に優先的に取り組んでおります。具体的には、①当社グループ全体としての経営方針及び内部統制の周知・徹底、②当社グループ全体のコンプライアンス体制の整備・充実、③決算・財務報告プロセスに係る内部統制の強化及び役職員の会計リテラシーの向上、④管理部門の機能強化及び事業部門・子会社との連携強化、⑤人材採用・育成の強化、⑥監査法人との連携強化等に継続的に取り組む所存です。
以上のとおり、当社といたしましては、子会社の管理体制を含む経営管理体制強化への取組みを進めるとともに、従前どおり既存事業の収益安定化及び株式会社エコ革のM&A完了に向けて当社経営資源を集中的に投下しつつ、それらと併行して、新規M&A又は戦略的提携を積極的に推進することにより、既存事業の強化・拡大及び今後の当社グループにおける成長の柱となる可能性のある新規事業の発掘・創出を目指してまいりたいと考えております。
このように当社グループといたしましては、今後さらなる事業拡大及び収益力強化を図り、持続的な成長を実現していくためには、事業領域の拡大及び人員の強化を目的とした新規M&A又は戦略的提携を積極的に推進していくことが必要不可欠であると考えております。とりわけ、当社グループの主要事業であるITソリューション事業のさらなる強化のためには、エンジニア・デザイナー等といった専門性の高い人材の確保及び技術力の強化が必要不可欠であり、技術者の採用・教育の観点からも、かかるM&A戦略が今後の当社グループの事業拡大における最も重要な成長ドライバーの1つになるものと捉えております。
したがいまして、今後、当社グループの既存事業に関連する事業のみならず、シナジー効果等が見込まれ、企業価値向上が見込まれる案件については、異業種であっても積極的にM&Aを行ってまいります。
具体的には、(a)当社グループの主要事業であるITソリューション事業を中心に、エンターテイメントに関連する映像ソフトウェア開発領域や、AI等のデジタル技術を利用したシステム・アプリケーション開発領域、DX開発領域等において優れた技術力を有する企業、(b)エンジニア・デザイナー等といった専門性の高い人材を有する企業、また、(c)異業種であっても当社グループとの事業シナジーが見込まれ、新たな収益機会の創出に資する企業をターゲットとして、幅広く投資検討を行ってまいります。なお、上記(c)につきましては、同業種に限らず、異業種であっても、長年の実績を有する中堅企業や、独自の商品・サービスを有する中堅企業、参入障壁の高い市場において競争優位性を有する中堅企業等で、当社グループのIT技術を活用することにより、より効率的かつ高精度のデータを基に、顧客企業に最適な提案を可能にするなど、当社グループの既存事業と親和性が高くシナジーが期待できる企業や、新たな収益機会としての事業展開が期待できる企業とのM&A又は戦略的提携を想定しております。
かかる新規M&A又は戦略的提携が当社グループの中長期的・持続的成長のための戦略投資であるという観点に鑑みると、金融機関からの借入と併せて資本性資金をも活用することが望ましいと考えられます。したがいまして、新規M&A又は戦略的提携のための成長投資資金につきましては、主に金融機関からの借入又は自己資金を利用するとともに、その一部については資本性資金をも組み合わせた資金手当てを行っていく方針です。
本新株予約権による調達資金の支出予定時期は2024年4月から2027年4月を予定しておりますところ、当該期間において、1案件当たりの投資金額約1百万円~500百万円、1~3件程度の新規M&A又は戦略的提携を実施する計画です。したがいまして、本新株予約権による調達資金のうち342百万円を新規M&A又は戦略的提携のための成長投資資金として充当する予定であり、不足分が生じた場合には自己資金又は借入金を充当する予定です。
当社グループにおいては、日常的に多数の案件情報を入手するよう努めており、今後、当社グループの中長期的成長にとって有益な案件が出てきた場合には、その投資機会を逸することのないよう、かつ相手方との交渉を有利に進める観点からも、十分な自己資金を確保しておくことが必要であると考えております。
以上のとおり、当社グループにおける最も重要な成長戦略の1つであるM&A又は戦略的提携のための成長投資を確実に実行し、さらなる企業価値向上を図るため、今後想定される投資機会に備えて十分な自己資金を確保するとともに、本件増資に伴う純資産の増加により当社グループの財務基盤を強化することを目的として、本新株予約権の発行を決定いたしました。
当社グループは、さらなる流動性の向上及び投資家層の多様化・拡大を図り、持続的な企業成長と中長期的な企業価値の向上により一層努めてまいります。
(2) 資金調達方法の概要
本資金調達は、当社が割当予定先に対し、対象株式数280,000株、行使期間3年間、行使価額が5,300円に固定されている本新株予約権を割り当て(行使価額は修正されません)、割当予定先による本新株予約権の行使に伴って当社が資金を調達する仕組みとなっております。
なお、本新株予約権の行使期間は、2024年4月9日から2027年4月8日までの3年間です。
本新株予約権の概要は以下のとおりです。
上記のとおり、本新株予約権は、行使期間中に行使価額が修正されない固定行使価額型の新株予約権であり、行使価額の水準以上に株価が上昇した場合に当社が資金を調達する仕組みとなっております。
本新株予約権の行使価額は5,300円(本発行決議日前取引日の終値の約106%)であり、現状の株価水準よりも高い水準に設定されております。
このように本新株予約権の行使価額を現状の株価水準よりも高い5,300円に設定したのは、過去の当社株価推移及び現況の事業計画に鑑み、当社事業の成長・拡大に伴う将来の株価上昇を見越して、今後3年間において達成又は維持すべきと当社が考える最低限の目標株価水準を行使価額として設定するとともに、足下での希薄化を防止し、当社の株価上昇タイミングを捉えた資金調達を実現することを企図したことによるものです。
上記「(1) 募集の目的及び理由 イ.当社グループの成長戦略及び今回の資金調達について」においても述べましたとおり、当社グループは、今後も積極的なM&A又は戦略的提携の推進により、新たな収益機会の獲得を図り、企業価値のさらなる向上を追求してまいりたいと考えております。当社グループといたしましては、このような成長戦略を着実に実行していくことで、当社グループの業績及び企業価値が向上し、その結果、当社株価は持続的・段階的な上昇トレンドを実現できるものと予測しております。このような当社予測に鑑み、本新株予約権の行使価額については、上記のとおり今後3年間において達成又は維持すべきと当社が考える当社株価の最低限の目標水準に即し、5,300円に設定することといたしました。
また、上記のとおり、本新株予約権の行使価額を現状株価よりも高い水準に設定していることから、足下での希薄化は生じず、当社事業の成長・拡大に伴う株価上昇タイミングを捉えた資金調達を実現することが可能となっております。
このように、本スキームにおいては、足下での希薄化を回避しつつ、当社グループの業績向上に伴って企業価値が高まり、その結果当社株価が現在よりも高い水準に達した局面において自己資本を増強することが可能な設計となっております。したがいまして、本資金調達は、既存株主の皆様の株式の希薄化を考慮しましても、中長期的に株主価値の向上に寄与するものと判断いたしました。
なお、本新株予約権の行使価額5,300円の設定につきましては、2025年1月期から当社内部の目標として定める2026年1月期・2027年1月期までの今後3か年の事業計画及び目標株価水準等に基づき算出しております。
(3) 資金調達方法の選択理由
当社は、資金調達に際し、間接金融の融資姿勢及び財務状況、今後の事業展開等を勘案し、既存株主の利益に対する影響を抑えつつ自己資本を拡充させることを軸として、直接金融で調達できる方法を検討してまいりました。このため、下記「[他の資金調達方法との比較]」に記載の各項目及び他の手段との比較を行い、また、下記「[本資金調達スキームの特徴]」に記載のメリット及びデメリットを総合的に勘案した結果、割当予定先からの提案である第三者割当による本新株予約権による資金調達を採用いたしました。
本資金調達スキームは、以下の特徴を有しております。
[本資金調達スキームの特徴]
<メリット>
① 対象株式数の固定
本新株予約権の対象株式数は、発行当初から発行要項に示される280,000株で固定されており、将来的な市場株価の変動によって潜在株式数が変動することはありません。そのため、希薄化の規模は予め限定されております。なお、株式分割等の一定の事由が生じた場合には、本新株予約権の発行要項に従って調整されることがあります。
② 株価への影響の軽減及び資金調達額の減少のリスクの軽減
本新株予約権は現在株価よりも高い水準で行使価額が固定されており、当社株価が当該行使価額を上回る局面において資金調達を行うことを想定しております。したがいまして、当社株価が当該行使価額を下回る局面においてはそもそも本新株予約権の行使が行われず、株価低迷を招き得る当社普通株式の市場への供給が過剰となる事態が回避されるとともに、資金調達額の減少リスクを防止する設計となっております。
③ 株価上昇時における行使促進効果
当社株価が本新株予約権の行使価額を大きく上回って推移する局面においては、割当予定先が早期にキャピタル・ゲインを実現すべく速やかに行使を行う可能性があり、これにより迅速な資金調達が実現されます。
④ 取得条項
当社は、本新株予約権の取得が必要と当社取締役会が決議した場合は、本新株予約権の払込期日の翌日以降、会社法第273条及び第274条の規定に従って2週間前までに通知又は公告を行った上で、当社取締役会で定める取得日に、発行価額と同額で、本新株予約権者の保有する本新株予約権の全部又は一部を取得することができます。これにより、将来的に当社の資金ニーズが後退した場合や資本政策方針が変更になった場合など、本新株予約権を取得することにより、希薄化の防止や資本政策の柔軟性が確保できます。
⑤ 行使停止期間
当社は、本新株予約権の行使期間中、随時、合計4回まで、割当予定先に対して本新株予約権の行使の停止を要請する期間(以下、「行使停止期間」といいます。)を定めることができます。当社は、割当予定先に対し、当該期間の初日の5取引日前の日までに行使停止期間を書面で通知することにより、行使停止期間を設定することができます(以下、かかる通知を「行使停止要請通知」といいます。)。1回の行使停止期間は10連続取引日とし、各行使停止期間の間は少なくとも10取引日空けるものとします。また、当社は、割当予定先に対して、別途通知することにより、設定した行使停止期間を短縮することができます。但し、本新株予約権の取得事由が生じた場合には、それ以後取得日までの間は行使停止期間を設定することができず、かつ、かかる通知又は公告の時点で設定されていた行使停止期間は、当該通知又は公告がなされた時点で直ちに終了します。行使停止期間において本新株予約権の行使停止の対象となる新株予約権は、行使停止期間開始日に残存する本新株予約権の全部とします。このように当社が行使停止期間を設定することにより、本新株予約権の行使の数量及び時期を当社が一定程度コントロールすることができるため、資金需要や市場環境等を勘案しつつ、当社の裁量で株価への影響を抑えることが可能となります。また、当社は、割当予定先に対して書面で通知することにより、行使停止要請通知を撤回することができます。当社が割当予定先に対して行使停止要請通知を行った場合又は行使停止要請通知を撤回する通知を行った場合には、適時適切に開示いたします。
⑥ 譲渡制限
本新株予約権は、割当予定先に対する第三者割当の方法により発行されるものであり、かつ本新株予約権引受契約において譲渡制限が付されており、当社の事前の承認なく、割当予定先から第三者へは譲渡されません。
<デメリット>
① 本新株予約権の行使により希薄化が生じる可能性
本新株予約権の対象株式数は発行当初から発行要項に示される280,000株で一定であり、最大増加株式数は固定されているものの、本新株予約権の行使がなされた場合には、発行済株式総数が増加するため希薄化が生じます。
② 当初に満額の資金調達はできないこと
新株予約権の特徴として、新株予約権者による権利行使があって初めて、行使価額に対象株式数を乗じた金額の資金調達がなされます。そのため、本新株予約権の発行時に満額の資金調達が行われるわけではなく、当初に満額が調達される資金調達方法と比べると実際に資金を調達するまでに時間が掛かる可能性があります。
③ 株価低迷時に本新株予約権が行使されず資金調達が困難となる可能性
株価が長期的に行使価額を下回って推移した場合には、割当予定先による本新株予約権の行使が期待できないため、資金調達が困難となる可能性があります。
④ 割当予定先が当社株式を市場売却することにより当社株価が下落する可能性
割当予定先の当社株式に対する保有方針は短期保有目的であることから、割当予定先が本新株予約権を行使して取得した株式を売却することを前提としており、割当予定先による当社株式の市場売却により当社株価が下落する可能性があります。
⑤ 不特定多数の新投資家へのアクセスの限界
第三者割当方式という当社と割当予定先のみの契約であるため、不特定多数の新投資家から資金調達を募るという点において限界があります。
⑥ 割当予定先の取得請求権
当社は、本新株予約権の行使期間の末日に、本新株予約権が残存する場合には、本新株予約権1個当たりその払込金額と同額で、残存する全ての本新株予約権を割当予定先から買い取ります。なお、本新株予約権の行使期間が満了した場合でも、当該取得請求権に基づく当社の支払義務は消滅又は免除されません。したがいまして、当社株価が長期にわたり行使価額を下回る場合等において、行使期間末日までに本新株予約権の行使が完了しなかったときには、本新株予約権の行使による資金調達が行われないことにより、資金調達額が当社の想定額を下回る可能性があり、また、本新株予約権の払込金額と同額の金銭の支払が必要になることにより、本新株予約権による最終的な資金調達額が減少する場合があります。
⑦ 権利不行使
本新株予約権は、割当予定先が本新株予約権の行使を行わない可能性があり、権利が行使されない場合、資金調達額は、当社が想定した額を下回る可能性があります。
⑧ 優先交渉権
当社は、払込期日から、1)本新株予約権の行使期間の満了日、2)当該満了日以前に本新株予約権の全部の行使が完了した場合には、当該行使が完了した日、3)当社が割当予定先の保有する本新株予約権の全部を取得した日のいずれか先に到来する日までの間、割当予定先以外の第三者に対して、株式等を発行又は処分しようとする場合、当該第三者との間で当該株式等の発行又は処分に合意する前に、割当予定先に対して、当該株式等の内容及び発行又は処分の条件を通知した上で、当該株式等の全部又は一部について当該条件にて引き受ける意向の有無を確認する旨が本新株予約権引受契約において定められる予定です。割当予定先がかかる引受を希望する場合には、当社は、当該第三者の代わりに又は当該第三者に代えて、割当予定先に対して当該株式等を当該条件にて発行又は処分するものとします。
[他の資金調達方法との比較]
当社が本資金調達を選択するに際して検討した他の資金調達方法は以下のとおりです。
1) 公募増資
株式の公募増資は、資金調達が当初から実現するものの、同時に1株当たり利益の希薄化を一度に引き起こすため、株価に対する直接的な影響がより大きいと考え、今回の資金調達方法としては適切でないと判断しました。
2) 株主割当増資
株主割当増資では、既存株主持分の希薄化は払拭されますが、調達額が割当先である既存株主参加率に左右されることから、当社の資金需要の額に応じた資金調達が困難であるため、今回の資金調達方法としては適切でないと判断いたしました。
3) 第三者割当による新株発行
新株発行の場合は、発行と同時に資金を調達することができますが、一方、発行と同時に株式の希薄化が一度に起こってしまうため、既存株主様の株式価値へ悪影響を及ぼす懸念があります。割当先が相当程度の議決権を保有する大株主となり、当社のコーポレート・ガバナンス及び株主構成に重要な影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、現時点では適当な割当先が存在しないと判断いたしました。
4) 第三者割当による新株予約権付社債の発行
新株予約権付社債の場合は、発行と同時に資金を調達でき、また株式の希薄化は一気に進行しないというメリットがあります。しかしながら、社債の株式への転換が進まなかった場合、満期時に社債を償還する資金手当てが別途必要になります。資金手当てができなかった場合デフォルトを起こし、経営に甚大な影響を与えるリスクがあります。また、転換又は償還が行われるまで利息負担が生じることにもなります。
5) 行使価額が修正される転換社債型新株予約権付社債(MSCB)の発行
株価に連動して行使価額が修正される転換社債型新株予約権付社債(いわゆるMSCB)の発行条件及び行使条件は多様化していますが、一般的には、転換により交付される株式数が行使価額に応じて決定されるという構造上、転換の完了までに転換により交付される株式総数が確定しないため、株価に対する直接的な影響が大きく、今回の資金調達方法としては適切でないと判断いたしました。
6) 行使価額修正条項付新株予約権(MSワラント)の発行
株価に連動して行使価額が修正される行使価額修正条項付新株予約権(いわゆるMSワラント)による資金調達の場合、一般的には、新株予約権の行使により交付される株式数は固定されているものの、行使価額が変動し下方にも修正されるため、株価が下落した局面において、行使価額の下方修正がなされた場合には、当初予定していた金額の資金を調達することができない可能性があり、また、当社が想定する当社業績及び株価上昇見通しに即した形での資金調達を実現することは困難であると考えられます。一方で、かかる行使価額修正条項付新株予約権による資金調達の場合、株価が上昇した局面においては、株価の上昇に連動して行使価額が修正されることにより、資金調達額が増額される可能性がありますが、あくまで当該時点における現状株価を基準として行使価額の修正がなされるスキームであることから、当社内部の目標として定める今後3か年の事業計画及び目標株価水準等を基軸とした資金調達を実現することは困難であると考えられます。したがいまして、現状の当社の財務戦略・資本政策とは異なるため、今回の資金調達方法としては適切でないと判断いたしました。
7) 新株予約権無償割当による増資(ライツ・オファリング)
いわゆるライツ・オファリングには、金融商品取引業者と元引受契約を締結するコミットメント型ライツ・オファリングと、そのような契約を締結せず、新株予約権の行使が株主の決定に委ねられるノンコミットメント型ライツ・オファリングがありますが、コミットメント型ライツ・オファリングについては、引受手数料等のコストが増大することが予想され、今回の資金調達方法として適当ではないと判断いたしました。また、ノンコミットメント型ライツ・オファリングについては、株主割当増資と同様に、調達額が割当先である既存株主又は市場で新株予約権を取得した者による新株予約権の行使率に左右されることから、ライツ・オファリングにおける一般的な行使価額のディスカウント率を前提とすると当社の資金需要の額に応じた資金調達が困難であるため、今回の資金調達手法としては適切でないと判断いたしました。
8) 金融機関からの借入や社債による調達
現在のわが国においては、比較的低コストで負債調達が可能であり、金融機関からの借入や社債による資金調達は、運転資金や設備投資等の比較的リスクの低い資金の調達として適しているというメリットがあり、引き続き今後の検討対象となり得ます。もっとも、今回の資金使途である①当社子会社(株式会社エコ革)のM&Aに関する借入金返済資金、②新規M&A又は戦略的提携のための成長投資資金については、当社グループの中長期的成長を図ることを前提とした資本性調達をも組み合わせて活用していくことが適しており、また、将来の財務リスクの軽減のため有利子負債の調達余力を十分に残しておく必要があることから、その成長投資資金を全面的に金融機関からの借入等に依存することは適切でないと思料されます。したがいまして、今回の資金調達手法として全面的に負債調達によることは適切でないと判断いたしました。
これらに対し、新株予約権の発行は、一般的に段階的に権利行使がなされるため、希薄化も緩やかに進むことが想定され、既存株主の株式価値への悪影響を緩和する効果が期待できます。また、本新株予約権は、本新株予約権の払込期日の翌日以降、会社法第273条及び第274条の規定に従って2週間前までに通知又は公告を行った上で、当社取締役会で定める取得日に、発行価額と同額で、本新株予約権者の保有する本新株予約権の全部又は一部を取得することができることとなっており、希薄化の防止や資本政策の柔軟性を確保した設計としております。
以上の検討の結果、本新株予約権の発行による資金調達は、上記の他の資金調達方法よりも現実的な選択肢であり、既存株主の利益にもかなうものと判断いたしました。
2.本新株予約権の行使請求及び払込の方法
(1) 本新株予約権を行使する場合、上記「新株予約権の行使期間」欄記載の本新株予約権を行使することができる期間中に上記「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄記載の行使請求受付場所を宛先として、行使請求に必要な事項を通知するものとします。
(2) 本新株予約権を行使する場合、前号の行使請求の通知に加えて、本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額の全額を、現金にて上記「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄に定める払込取扱場所の当社が指定する口座に振り込むものとします。
(3) 本新株予約権の行使の効力は、(1)行使請求に必要な書類が上記「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄第1項「新株予約権の行使請求の受付場所」に到着し、かつ(2)当該本新株予約権の行使に際して出資の目的とされる金銭の全額が上記「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄第3項「新株予約権の行使請求の払込取扱場所」の当社の指定する口座に入金された場合において、当該行使請求書にかかる新株予約権行使請求取次日に発生します。
3.本新株予約権証券の発行及び株式の交付方法
(1) 当社は、本新株予約権にかかる新株予約権証券を発行しません。
(2) 当社は、本新株予約権の行使請求の効力が生じた日の2銀行営業日後の日に、当該本新株予約権者が指定する振替機関又は口座管理機関における振替口座簿の保有欄に振替株式の増加記録を行うことによって株式を交付します。
4.社債、株式等の振替に関する法律の適用等
本新株予約権は、社債、株式等の振替に関する法律に定める振替新株予約権とし、その全部について同法の規定の適用を受けます。また、本新株予約権の取扱いについては、株式会社証券保管振替機構の定める株式等の振替に関する業務規程、同施行規則その他の規則に従います。
(3) 【新株予約権証券の引受け】
該当事項はありません。
2 【新規発行による手取金の使途】
(1) 【新規発行による手取金の額】
(注) 1.払込金額の総額は、本新株予約権の発行価額の総額(13,384,000円)に、本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の合計額(1,484,000,000円)を合算した金額であります。
2.発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。
3.発行諸費用の概算額の内訳は、ストームハーバー証券株式会社への財務アドバイザリーフィー(44,520千円)、株式会社Stewart McLarenへの新株予約権公正価値算定費用(1,000千円)、登録免許税(5,330千円)、調査費用・有価証券届出書作成費用・信託業務事務手数料等(3,665千円)です。
4.本新株予約権の権利行使期間内に行使が行われない場合、当社が取得した本新株予約権を消却した場合及び行使価額が調整された場合には、上記払込金額の総額及び差引手取概算額は減少する可能性があります。
(2) 【手取金の使途】
具体的な使途及び支出予定時期につきましては、以下のとおりです。
(注) 1.本新株予約権の権利行使期間中に行使が行われない場合、当社が取得した本新株予約権を消却した場合及び行使価額が調整された場合には、上記金額は減少する可能性があります。
2.当社は本新株予約権の払込みにより調達した資金を上記の資金使途に充当するまでの間、当該資金は銀行預金等にて安定的な資金管理を図る予定であります。
3.本新株予約権により調達した資金は、原則として、上記表中に記載の①・②の優先順位で順次充当いたします。但し、当該充当順位は、①当該借入のコベナンツの各条件に関する株式会社東日本銀行との協議・交渉状況、②新規M&A又は戦略的提携の検討状況、その他本新株予約権の行使状況等により変化する可能性があり、当該状況に応じて配分して充当いたします
上記「1 新規発行新株予約権証券(第1回新株予約権証券)(2) 新株予約権の内容等 (注)1.本新株予約権の発行により資金調達をしようとする理由 (1)募集の目的及び理由 イ.当社グループの成長戦略及び今回の資金調達について」に記載のとおり、当社グループといたしましては、今後も積極的なM&A又は戦略的提携の推進により、新たな収益機会の獲得を図り、企業価値のさらなる向上を追求してまいりたいと考えております。
したがいまして、今回の資金調達により得た資金は、当社グループにおけるさらなる事業拡大及び収益力強化を目的として、以下のとおり①当社子会社(株式会社エコ革)のM&Aに関する借入金返済資金、②新規M&A又は戦略的提携のための成長投資資金として充当する予定です。
当社は、2023年7月14日付開示「株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(以下、「2023年7月14日付開示」といいます。)に記載のとおり、さらなる事業拡大及び業績向上を図るため、再エネソリューション事業を営む株式会社エコ革の株式34%を取得し、連結子会社化いたしました。
2023年7月14日付開示に記載のとおり、株式会社エコ革の株式34%の取得資金1,190百万円につきましては、株式会社東日本銀行より、以下のとおり借入を行っております。
2023年7月14日付開示に記載のとおり、当社子会社(株式会社エコ革)のM&Aにつきましては、今後、段階的に株式会社エコ革の株式取得を実施し、最終的には株式会社エコ革の全株式を取得する予定です。当該追加株式取得につきましては、金融機関からの借入や資本市場からの調達を組み合わせる等の方法により資金手当てを行う方針であり、多様な資金調達方法を検討してまいります。当該株式取得を決定した場合には、適時適切に開示いたします。
今後、当社が株式会社エコ革の株式の追加取得に加え、下記②新規M&A又は戦略的提携のための成長投資を確実に実施していくためには、可能な限り資本バッファーを構築し、十分な有利子負債の調達余力を残しておく必要があります。
したがいまして、今後想定される投資機会に備えて十分な自己資金を確保するとともに、当社グループの財務基盤の強化を図るため、本新株予約権による調達資金のうち1,100百万円を上記借入金1,190百万円の一部返済資金に充当する予定です。
本新株予約権による調達資金の支出予定時期は、2024年4月~2027年4月を予定しており、当該期間において、上記借入金の一部返済を実施する予定です。
なお、当該借入につきましては、株式会社東日本銀行との契約上コベナンツが存在いたしますが、当該コベナンツの各条件について今後交渉・協議を行う予定です。
また、上記借入金の残額90百万円につきましては、今後、原則として手元資金により返済を行っていく予定であり、状況に応じて資本市場からの調達等を含めた多様な資金調達方法を検討いたします。
上記のとおり、当社グループといたしましては、今後さらなる事業拡大及び収益力強化を図り、持続的な成長を実現していくためには、事業領域の拡大及び人員の強化を目的とした新規M&A又は戦略的提携を積極的に推進していくことが必要不可欠であると考えております。とりわけ、当社グループの主要事業であるITソリューション事業のさらなる強化のためには、エンジニア・デザイナー等といった専門性の高い人材の確保及び技術力の強化が必要不可欠であり、技術者の採用・教育の観点からも、かかるM&A戦略が今後の当社グループの事業拡大における最も重要な成長ドライバーの1つになるものと捉えております。
したがいまして、今後、当社グループの既存事業に関連する事業のみならず、シナジー効果等が見込まれ、企業価値向上が見込まれる案件については、異業種であっても積極的にM&Aを行ってまいります。
具体的には、(a)当社グループの主要事業であるITソリューション事業を中心に、エンターテイメントに関連する映像ソフトウェア開発領域や、AI等のデジタル技術を利用したシステム・アプリケーション開発領域、DX開発領域等において優れた技術力を有する企業、(b)エンジニア・デザイナー等といった専門性の高い人材を有する企業、また、(c)異業種であっても当社グループとの事業シナジーが見込まれ、新たな収益機会の創出に資する企業をターゲットとして、幅広く投資検討を行ってまいります。なお、上記(c)につきましては、同業種に限らず、異業種であっても、長年の実績を有する中堅企業や、独自の商品・サービスを有する中堅企業、参入障壁の高い市場において競争優位性を有する中堅企業等で、当社グループのIT技術を活用することにより、より効率的かつ高精度のデータを基に、顧客企業に最適な提案を可能にするなど、当社グループの既存事業と親和性が高くシナジーが期待できる企業や、新たな収益機会としての事業展開が期待できる企業とのM&A又は戦略的提携を想定しております。
かかる新規M&A又は戦略的提携が当社グループの中長期的・持続的成長のための戦略投資であるという観点に鑑みると、金融機関からの借入と併せて資本性資金をも活用することが望ましいと考えられます。したがいまして、新規M&A又は戦略的提携のための成長投資資金につきましては、主に金融機関からの借入又は自己資金を利用するとともに、その一部については資本性資金をも組み合わせた資金手当てを行っていく方針です。
本新株予約権による調達資金の支出予定時期は2024年4月から2027年4月を予定しておりますところ、当該期間において、1案件当たりの投資金額約1百万円~500百万円、1~3件程度の新規M&A又は戦略的提携を実施する計画です。したがいまして、本新株予約権による調達資金のうち342百万円を新規M&A又は戦略的提携のための成長投資資金として充当する予定であり、不足分が生じた場合には自己資金又は借入金を充当する予定です。
当社グループにおいては、日常的に多数の案件情報を入手するよう努めており、今後、当社グループの中長期的成長にとって有益な案件が出てきた場合には、その投資機会を逸することのないよう、かつ相手方との交渉を有利に進める観点からも、十分な自己資金を確保しておくことが必要であると考えております。
なお、上記②について、新規M&A又は戦略的提携案件が成立・確定した場合又は事実上決定した場合等には、法令等に従い適時適切に開示いたします。他方で、仮に支出予定期間内に具体的な案件について新規M&A又は戦略的提携の実行に至らなかった場合においても、引き続き新規M&A又は戦略的提携の検討を継続する予定であり、現時点では資金使途の変更は予定しておりません。但し、将来において新規M&A又は戦略的提携に関する当社方針に変更が生じた場合など、新規M&A又は戦略的提携の検討・実行を停止することとなった場合には、本資金調達により調達した資金については、代替使途として、ソフトウェア開発資金、システム・アプリケーション開発資金又は人的資本投資資金等に充当する可能性があります。資金使途の変更を行う場合には速やかに開示いたします。
また、本新株予約権の行使による払込みの有無と権利行使の時期は新株予約権者の判断に依存し、また株価が長期的に行使価額を下回る状況等では権利行使がされず、本新株予約権の行使価額は調整される可能性があるため、現時点において調達できる資金の額及び時期は確定したものではなく、現時点において想定している調達資金の額及び支出予定時期に差異が発生する可能性があります。また、本新株予約権が行使されずに調達資金が不足した場合においても、原則として、上記①当社子会社(株式会社エコ革)のM&Aに関する借入金返済、②新規M&A又は戦略的提携のための成長投資を実施していく方針に変更はなく、当該資金使途につき資金が不足する分に関しては、自己資金又は金融機関からの借入金を充当する予定であり、状況に応じて、調達コストを勘案しつつ新たな増資等も含めた追加の資金調達方法を検討することにより不足分を補完する予定です。
第2 【売出要項】
該当事項はありません。