【連結財務諸表注記】
1. 報告企業
NISSHA株式会社(以下、「当社」という。)は日本国に所在する株式会社で、その登記している本社の住所は京都市中京区です。
当社の連結財務諸表は12月31日を期末日とし、当社および子会社(以下、「当社グループ」という。)、ならびに当社グループの関連会社に対する持分により構成されています。当社グループは、産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジーおよびその他これらに附帯する事業を行っています。
当社グループの事業内容および主要な活動は、注記「4.事業セグメント」に記載しています。
2. 作成の基礎
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表規則」に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。
連結財務諸表は、連結財政状態計算書における以下の項目等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
・デリバティブについては公正価値で測定しています。
・公正価値で測定し、その変動を純損益で認識する金融商品については、公正価値で測定しています。
・公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識する金融商品については、公正価値で測定しています。
・確定給付に係る資産または負債は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して測定しています。
当社グループの連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に注釈のない限り、百万円未満の端数を切り捨てて表示しています。
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っています。実際の業績は、これらの見積りと異なる場合があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間および将来の会計期間において認識されます。
当連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与えている会計上の判断および翌連結会計年度の連結財務諸表において重要な修正をもたらすリスクのある会計上の見積りは、次のとおりです。
・連結の範囲-「3.重要性のある会計方針 (1) 連結の基礎」
・収益認識のタイミング-「3.重要性のある会計方針 (17) 収益認識」
・非金融資産の減損-「3.重要性のある会計方針 (11) 非金融資産の減損」「11.のれんおよび無形資産」「13.非金融資産の減損」
・繰延税金資産の回収可能性-「3.重要性のある会計方針 (19) 法人所得税」「16.法人所得税」
・確定給付制度債務の測定-「3.重要性のある会計方針 (13) 従業員給付」「22.退職後給付」
・金融商品の公正価値測定-「3.重要性のある会計方針 (4) 金融商品」「34.金融商品」
連結財務諸表の承認日までに新設または改訂が行われた主な公表済み基準書および解釈指針のうち、当連結会計年度末において未適用の主な基準書は次のとおりです。なお、これらの新設・改訂の適用による当社グループの財政状態および経営成績に与える影響は調査中であり、現時点では見積ることができません。
3. 重要性のある会計方針
子会社とは、当社グループが支配している企業をいいます。
当社グループが被投資企業への関与から生じる変動リターンに晒されている、または変動リターンに対する権利を有する場合で、かつ被投資企業に対するパワーにより、当該リターンの金額に影響を及ぼす能力を有している場合に、被投資企業を支配していると判断しています。
子会社については、当社グループが支配を獲得した日を取得日とし、その日より当社グループが支配を喪失する日まで連結しています。子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、当該子会社の財務諸表の修正を行っています。
子会社に対する所有持分の変動で支配の喪失とならないものは、資本取引として会計処理しています。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されています。
連結財務諸表の作成にあたり、当社グループ内の債権債務残高および内部取引高、ならびに内部取引により生じた未実現損益を消去しています。
子会社の決算日はすべて当社と同じ決算日です。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループがその財務および経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業をいいます。
当社グループが重要な影響力を有しているかどうかの判定にあたっては、議決権の保有状況(被投資会社の議決権の20%以上50%以下を直接的または間接的に所有している場合は、当該企業に対して重要な影響力を有していると推定する)、実質的に行使可能な潜在的議決権の存在、あるいは全取締役のうち当社グループより派遣されている社員が占める割合等の諸要素を総合的に勘案して決定しています。
関連会社については、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって処理しています。関連会社の会計方針が当社グループが採用する会計方針と異なる場合は、当社グループが採用する会計方針と整合させるため、修正を加えています。持分法の下では、投資額は当初は原価で測定し、それ以後は、関連会社の純資産に対する当社グループの持分の取得後の変動に応じて投資額を変動させています。その際、関連会社の純損益のうち当社グループの持分相当額は当社グループの純損益に認識しています。また、関連会社のその他の包括利益のうち当社グループの持分相当額は当社グループのその他の包括利益に認識しています。重要な内部取引に係る利益は、関連会社に対する持分比率に応じて消去しています。
関連会社の決算日はすべて当社と同じ決算日です。
企業結合は取得法を用いて会計処理しています。
移転対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債および発行した資本持分の取得日の公正価値の合計額で測定しています。
被取得企業における識別可能な資産、負債および偶発負債は、以下を除いて、取得日の公正価値で測定しています。
・繰延税金資産(または繰延税金負債)および従業員給付契約に関連する資産または負債は、それぞれIAS第12号「法人所得税」およびIAS第19号「従業員給付」に従って認識し測定しています。
・被取得企業の株式に基づく報酬取引に係る負債もしくは資本性金融商品、または被取得企業の株式に基づく報酬取引の取得企業の株式に基づく報酬取引への置換えに係る負債もしくは資本性金融商品は、IFRS第2号「株式に基づく報酬」に従って認識し測定しています。
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って取得日に売却目的保有に分類された非流動資産または処分グループは、当該基準書に従って測定しています。
のれんは、移転対価が取得日時点における識別可能な資産および負債の正味価額を上回る場合に、その超過額として測定しています。この差額が負の金額である場合には、直ちに純損益として認識しています。
企業結合が生じた報告期間末までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、会計処理が完了していない項目は暫定的な金額で測定しています。取得日から1年以内の測定期間に入手した新しい情報が、取得日時点で認識した金額の測定に影響を及ぼすものである場合には、取得日時点で認識した暫定的な金額を遡及修正しています。
企業結合を達成するために発生した取得関連コストは、発生時に費用として認識しています。なお、非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しているため、当該取引からのれんは認識していません。
外貨建取引は、取引日における為替レートまたはそれに近似するレートにより各グループ会社の機能通貨に換算しています。外貨建の貨幣性資産および負債は、決算日の為替レートにより各グループ会社の機能通貨に換算しています。当該換算および決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に対する投資、およびキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しています。
在外営業活動体の資産および負債は決算日の為替レートにより、収益および費用は、著しい変動のない限り期中平均レートにより、それぞれ円貨に換算しており、その換算差額はその他の包括利益として認識しています。在外営業活動体を処分し、支配または重要な影響力を喪失する場合には、当該営業活動体に関連する累積換算差額を処分した期の純損益として認識しています。
(ⅰ) 当初認識および測定
当社グループは、営業債権及びその他の債権を、これらの発生日に当初認識しています。その他のすべての金融資産は、当社グループが当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しています。
当初認識時において、すべての金融資産は公正価値で測定していますが、純損益を通じて公正価値で測定する資産に分類される場合を除き、公正価値に当該金融資産の取得に直接起因する取引コストを加算した金額で測定しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取引コストは、純損益に認識しています。
(ⅱ) 分類および事後測定
当社グループは、保有する金融資産を、(a)償却原価で測定する金融資産、(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、(c)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品、(d)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類しています。この分類は、当初認識時に決定しており、金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる金融資産を償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的とする事業モデルにおいて保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本および元本残高に係る利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
当初認識後、償却原価で測定する金融資産については実効金利法を用いて算定し、減損損失を控除しています。実効金利法による受取利息は、金融収益として純損益で認識しています。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
次の条件がともに満たされる負債性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
・当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的とする事業モデルにおいて保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本および元本残高に係る利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
当初認識後は公正価値で測定し、事業的な変動のうち、為替差損益、減損利得または減損損失、実効金利法に基づく受取利息は純損益に認識し、その他の変動は、その他の包括利益に含めて認識しています。認識を中止したときに、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額をその他の資本の構成要素から純損益に組替調整額として振り替えています。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
当社グループは、資本性金融商品に対する投資について、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行っており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
当初認識後は公正価値で測定し、事後的な変動はその他の包括利益に含めて認識しています。認識の中止をしたときに、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額をその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産からの配当金は、投資の払い戻しであることが明らかな場合を除き金融収益として純損益で認識しています。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記の償却原価で測定する金融資産またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
なお、当社グループは、当初認識時において、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産として、取消不能の指定を行ったものはありません。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値で認識し、取引コストは発生時に純損益で認識しています。
当初認識後は、公正価値で測定し、事後的な変動は、配当金や受取利息を含めて純額で純損益に認識しています。
(ⅲ) 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産等に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しています。
当社グループは、期末日ごとに、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しています。
金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12カ月の予想信用損失と同額で測定しています。一方で、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しています。
契約上の支払期日より30日超の経過があった場合には、原則として信用リスクの著しい増大があったものとしています。信用リスクが著しく増加しているか否かの評価を行う際には、契約上の支払期日の経過情報のほか、当社グループが合理的に利用可能かつ裏付け可能な情報を考慮しています。
ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権等については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
金融商品の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っています。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・報告日時点において過大なコストまたは労力を掛けずに利用可能である、過去の事象、現在の状況、ならびに将来の経済状況の予測についての合理的で裏付け可能な情報
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は純損益で認識し、認識した貸倒引当金を減額する事象が発生した場合は、貸倒引当金戻入額を純損益で認識しています。
(ⅳ) 金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、または当社グループが金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合にのみ金融資産の認識を中止しています。
(ⅰ) 当初認識および測定
金融負債は当初認識時に(a)償却原価で測定する金融負債と(b)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しています。金融負債は、当社グループが当該金融負債の契約当事者になる取引日に当初認識しています。償却原価で測定する金融負債は、公正価値に当該金融負債に直接起因する取引コストを減算した金額で当初測定していますが、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、公正価値で当初測定しています。
(ⅱ) 分類および事後測定
(a) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しています。実効金利法に基づく支払利息は、金融費用として純損益に認識しています。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、当初認識後は公正価値で測定し、事後的な変動は純損益で認識しています。
(ⅲ) 金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、または失効となったときに認識を中止しています。
金融資産および金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的に強制可能な権利を有し、かつ純額で決済するかまたは資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額表示しています。
当社グループは、主として、為替変動によるリスクを回避するために、為替予約および通貨スワップ、金利変動によるリスクを回避するために、金利スワップを利用しています。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定し、その後も公正価値で再測定しています。デリバティブの公正価値の変動はすべて純損益で認識しています。
上記デリバティブについて、ヘッジ会計を適用しているものはありません。従って、デリバティブ金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産または金融負債に分類しています。
金融商品の公正価値は、市場価格等の市場の情報や、適切な評価技法を使用して算定しています。
公正価値の測定に使用されるインプットは、以下の3つのレベルがあります。
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3カ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しています。
棚卸資産は、購入原価、加工費および棚卸資産が現在の場所および状態に至るまでに発生したその他のすべてのコストを含んでいます。
また、正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価および販売に要する見積コストを控除して算定しています。
各棚卸資産の評価方法は、次のとおりです。
主として個別法
移動平均法
主として総平均法
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した価額で計上しています。
償却可能有形固定資産の減価償却はそれぞれの耐用年数にわたる定額法によっています。
減価償却の算定に用いた耐用年数は概ね次のとおりです。
建物及び構築物 15~50年
機械装置及び運搬具 5~10年
工具、器具及び備品 2~10年
取得原価には、当該資産の取得に直接付随するコスト、解体・除去および設置場所の原状回復コストの当初見積額、ならびに資産計上の要件を満たす借入コストを含めています。
有形固定資産に対する修繕および維持のための日常的な保守コストは、発生時に費用計上しています。
有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産項目として計上しています。
有形固定資産の認識の中止から生じる利得または損失は、当該資産の認識の中止時に純損益に含めています。
資産の減価償却方法、耐用年数および残存価額は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用します。
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した価額で計上しています。
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの耐用年数にわたって、定額法により償却しています。
主要な無形資産の耐用年数は概ね次のとおりです。
ソフトウエア 5年
顧客関係資産 8~17年
技術資産 15年
耐用年数および償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
耐用年数を確定できない無形資産および未だ使用可能でない無形資産については、償却を行わず、少なくとも年に1回、または減損の兆候が存在する場合にはその都度、個別にまたは各資金生成単位で減損テストを実施しています。
無形資産の認識の中止から生じる利得または損失は、当該資産の認識の中止時に純損益に含めています。
当初認識時点におけるのれんの測定については「(2) 企業結合」に記載のとおりです。
のれんについては取得原価から減損損失累計額を控除して測定し、その償却を行わず、少なくとも年に1回、または減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。
当社グループは、契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転するかどうかを検討することにより、当該契約がリースまたはリースを含んだものであるかを判定しています。
リース契約の借手である場合、原則として使用権資産と対応するリース負債を認識しています。短期リース(リース期間が12カ月以内)および原資産が少額であるリースについては、リース料をリース期間にわたり定額法等により費用として認識しています。
使用権資産は、開始日において取得原価で測定しています。リース負債は、開始日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しています。現在価値の測定にあたって、計算利子率が容易に算定できない場合には、同種の資産を取得する目的で同一条件の借入をするために支払わなければならないであろう追加借入利子率を利用しています。
リースの開始日後、使用権資産は、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除して測定し、開始日から使用権資産の耐用年数またはリース期間の終了時のいずれか早い方まで減価償却しています。リース負債は、実効金利法に基づくリース負債に係る利息や、支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減しています。
リース期間の変化があった場合やリースの条件変更が行われたが独立したリースとして会計処理されない場合等、リース負債を再測定し、使用権資産を修正しています。
リース契約の貸手である場合、リースはオペレーティング・リースまたはファイナンス・リースのいずれかに分類しています。原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合には、ファイナンス・リースに分類し、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するものではない場合には、オペレーティング・リースに分類しています。ファイナンス・リースかオペレーティング・リースかの分類は、契約の形式ではなく、取引の実質に応じて判定しています。
(ⅰ) ファイナンス・リース
リースの開始日において、ファイナンス・リースに基づいて保有している資産は、正味リース投資未回収額に等しい金額で債権として表示しています。ファイナンス・リースに係るリース収益は、「(17)収益認識 ②ファイナンス・リース(貸手)の収益」に記載しています。
(ⅱ) オペレーティング・リース
オペレーティング・リースに係るリース収益は、「(17)収益認識 ③オペレーティング・リース(貸手)の 収益」に記載しています。
棚卸資産や繰延税金資産を除く非金融資産については、報告期間の期末日において、減損の兆候の有無を評価し、兆候が存在する場合は、当該資産または資金生成単位(あるいはそのグループ)の回収可能価額を見積っています。のれんおよび耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無に関わらず、少なくとも年1回定期的に減損テストを実施しています。
資産または資金生成単位(あるいはそのグループ)の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、使用価値は、当該資産または資金生成単位(あるいはそのグループ)の見積将来キャッシュ・フローを、貨幣の時間価値および固有のリスクを反映した税引後の割引率により現在価値に割り引いています。他の資産または資産グループからのキャッシュ・インフローとは概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の識別可能な資産グループを資金生成単位としています。企業結合により取得したのれんは、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位に配分し、当該資金生成単位について減損テストを実施しています。資産または資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、減損損失を純損益に認識します。
各報告期間の期末日において、過去に認識した減損損失がもはや存在しないか、または減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しています。このような兆候が存在する場合は、資産の回収可能価額の見積りを行っています。見積られた回収可能価額が資産の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れています。戻入れ後の帳簿価額は、過去において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の帳簿価額(減価償却累計額控除後または償却累計額控除後)を超えない範囲で認識しています。減損の戻入額は純損益として認識しています。
なお、のれんについて認識した減損損失を戻入れることはしていません。
当社グループは、過去の事象の結果として現在の法的または推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に引当金を認識しています。
引当金は、期末日における現在の債務を決済するために要する支出の最善の見積額により計上しています。貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に固有のリスクを反映させた割引率で割り引いた現在価値により測定しています。割引計算を行った場合、時の経過による引当金の増加額は金融費用として認識しています。
当社グループは、退職後給付制度として、確定給付制度および確定拠出制度を採用しています。
(i) 確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値および関連する当期勤務費用ならびに過去勤務費用を、予測単位積増方式を使用して制度ごとに個別に算定しています。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の利回りに基づき算定しています。
確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額を、負債または資産として認識しています。確定給付制度が積立超過である場合には、確定給付資産の純額は、将来掛金の減額の形で利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としています。
当期勤務費用、過去勤務費用および確定給付負債(資産)の純額に係る利息の純額は純損益として認識しています。確定給付負債(資産)の純額の再測定は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識した後、直ちに利益剰余金に振り替えています。
(ⅱ) 確定拠出制度
確定拠出制度の退職給付に係る費用は、従業員が関連するサービスを提供した期間に費用として認識しています。
短期従業員給付については、割引計算は行わず、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用処理しています。
当社グループが従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的および推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合、支払われると見積られる額を負債として認識しています。
退職後給付以外の長期従業員給付は、従業員が過年度および当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を現在価値に割り引いて算定しています。
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領することに合理的な保証が得られた場合に公正価値で認識しています。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを費用として認識する期間にわたって、規則的に収益として認識しています。
また、資産に関する政府補助金は、資産の取得原価から補助金の額を控除して、資産の帳簿価額を算定しています。
当社が発行する資本性金融商品は、発行価額を資本金および資本剰余金に認識しています。また、その発行に直接起因する取引コストは資本剰余金から控除しています。
自己株式を取得した場合には、取得原価で認識し、資本から控除して表示しています。また、その取得に直接起因する取引コストは、資本から控除しています。
自己株式を処分した場合、受取対価を資本の増加として認識し、帳簿価額と受取対価との差額は資本剰余金に含めています。
当社グループは、取締役(社外取締役は除く)、執行役員、社員および当社子会社の一部の取締役、社員に対して、持分決済型および現金決済型の株式報酬制度を採用しています。
持分決済型の株式報酬は、受領した役務の対価を付与日における資本性金融商品の公正価値で測定しています。測定された役務の対価は費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
現金決済型の株式報酬は、受領した役務および発生した負債を当該負債の公正価値で測定し、権利確定期間にわたって費用として認識され、同額を負債の増加として認識しています。なお、負債は決済されるまで、その公正価値を各四半期末日および決済日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しています。
企業に現金または他の資産で決済する負債が発生している場合にはその範囲で現金決済型の報酬取引として、そのような負債が発生していない場合には、その範囲で持分決済型の報酬取引として処理しています。
当社グループでは、IFRS第9号に基づく利息および配当収益等を除き、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財またはサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(または充足するに応じて)収益を認識する。
当社グループの製品(注記「25.売上高」参照)は顧客に納品することを約束した製品等について、契約条件に照らし合わせて顧客が当該製品に対する支配を獲得したと認められる時点が契約の履行義務の充足時期であり、顧客への製品の到着時、検収時や貿易上の諸条件等に基づき売上高を認識しています。なお、財またはサービスに対する支配が一定の期間にわたり顧客に移転する要件を満たす請負契約等に基づく履行義務については、発生したコストなどのインプット法に基づく進捗度に応じて、一定期間にわたり売上高を認識しています。
また、収益は、返品、リベートおよび割引額を差し引いた純額で測定しています。
物品の販売契約における対価は、物品に対する支配が顧客に移転した時点から主として1年以内に回収しています。なお、重大な金融要素は含んでいません。
ファイナンス・リースに係るリース収益は、当社グループの正味リース投資未回収額に対して一定の期間利益率を反映する方法で認識しています。
オペレーティング・リースに係るリース収益は、リース期間にわたって定額法により認識しています。
適格資産(意図された使用または販売が可能になるまでに相当の期間を必要とする資産)の取得、建設または生産に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価に含めています。その他のすべての借入コストは、発生した期間に純損益に認識しています。
法人所得税費用は、当期税金と繰延税金の合計として表示しています。これらは、企業結合に関連するものおよびその他の包括利益または資本に直接認識される項目を除き、純損益として認識しています。
当期税金は、税務当局に対する納付または税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。税額の算定に使用する税率および税法は、決算日までに制定または実質的に制定されたものです。
繰延税金は、決算日における資産および負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異等に基づいて認識しています。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除および繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じる可能性が高い範囲において認識しています。繰延税金負債は、原則として、すべての将来加算一時差異について認識しています。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産または負債を認識していません。
・のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異
・取引時に、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えず、かつ、同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引(企業結合取引を除く)によって発生する資産および負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、または当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異に関しては、一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産および負債は、決算日までに制定または実質的に制定されている税率および税法に基づいて、当該資産が実現する年度または当該負債が決済される年度に適用されると予想される税率で測定しています。
当社および一部の国内連結子会社は、グループ通算制度を適用しています。
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する純損益を、その期間の自己株式を調整した基本的加重平均発行済普通株式数で除して計算しています。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在的普通株式の影響を調整して計算しています。
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し、費用を発生させる事業活動の構成単位です。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分および業績の評価を行うために、当社の取締役会が定期的にレビューしています。
非流動資産(または処分グループ)の帳簿価額が、継続的使用よりも、主として売却取引により回収される場合には、当該資産(または処分グループ)を売却目的で保有する資産に分類しています。
売却目的で保有する資産は、「帳簿価額」と「売却コスト控除後の公正価値」のいずれか低い金額で測定しており、売却目的で保有する資産に分類後の有形固定資産および無形資産については、減価償却または償却は行っていません。
(会計方針の変更)
単一の取引から生じた資産および負債に係る繰延税金の会計処理の明確化
従来は、企業結合以外の取引で、かつ会計上または税務上のいずれかの損益にも影響を及ぼさない取引における資産または負債の当初認識に係る一時差異に対しては、繰延税金負債または繰延税金資産を認識していませんでしたが、IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)の適用により、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせる取引に関する当初認識時の会計処理が明確化され、当該将来加算一時差異と将来減算一時差異について繰延税金負債および繰延税金資産を連結財政状態計算書にそれぞれ認識する方法に変更しました。
なお、当該基準の適用による連結財務諸表への重要な影響はありません。
「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」に関連する繰延税金資産および繰延税金負債の認識および情報開示に対する一時的な例外規定
当社グループは、当連結会計年度より「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」(IAS第12号「法人所得税」の改訂)を適用しています。本改訂は、OECDが公表したBEPSの第2の柱モデルルール(グローバル・ミニマム課税ルール)を導入するために制定された、または実質的に制定された税法から生じる法人所得税にIAS第12号が適用されることを明確化しました。一方、本改訂は、グローバル・ミニマム課税ルールから生じる法人所得税に関する繰延税金資産および負債を認識および開示しないことを要求する一時的な例外措置を定めています。
当社グループは、IAS第12号で定められる例外措置を適用し、グローバル・ミニマム課税ルールから生じる法人所得税に関する繰延税金資産および負債について認識および開示を行っていません。
4. 事業セグメント
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、製品・サービス別の事業部を置き、各事業部は取り扱う製品・サービスについて国内および海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。
従って、当社グループは事業部を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「産業資材」「ディバイス」および「メディカルテクノロジー」の3つを報告セグメントとしています。
「産業資材」は加飾フィルム・加飾成形品・蒸着紙・サステナブル成形品などの生産・販売をしています。「ディバイス」はフィルムタッチセンサー、ガスセンサーなどの生産・販売をしています。「メディカルテクノロジー」は低侵襲医療用手術機器、医療用ウェアラブルセンサー、単回使用心電用電極などの製品を手がけており、欧米を中心に大手医療機器メーカー向けの開発製造受託(CDMO)を展開するとともに、自社ブランド品を製造・販売しています。
(報告セグメントの変更等に関する事項)
当連結会計年度より、当社グループ内の業績管理区分の一部見直しに伴い、従来「その他」に計上していた一部連結子会社のセグメント区分を「ディバイス」の区分に変更しています。なお、前連結会計年度のセグメント情報については変更後の区分により作成したものを記載しています。
報告されている各事業セグメントの会計処理の方法は、「3.重要性のある会計方針」における記載と同一です。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。セグメント間の売上高は市場実勢価格に基づいています。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、情報コミュニケーション、医薬品製造業等を含んでいます。
2.調整額は次のとおりです。
(1) セグメント利益(△損失)の調整額△1,886百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用等が含まれています。全社費用等は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費および為替差損益です。
(2) セグメント資産の調整額80,060百万円は、報告セグメントに配分していない現金及び現金同等物、投資有価証券、全社(研究開発・管理)の有形固定資産等80,253百万円およびセグメント間の債権債務消去額△193百万円です。
(3) 減価償却費及び償却費の調整額373百万円は、全社(研究開発・管理)の有形固定資産等に係るものです。
(4) 有形固定資産、無形資産および使用権資産の増加額の調整額435百万円は、全社(研究開発・管理)の設備投資額です。
3.セグメント利益(△損失)は、連結損益計算書の営業利益(△損失)と調整を行っています。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、情報コミュニケーション、医薬品製造業等を含んでいます。
2.調整額は次のとおりです。
(1) セグメント利益(△損失)の調整額△2,963百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用等が含まれています。全社費用等は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費および為替差損益です。
(2) セグメント資産の調整額67,782百万円は、報告セグメントに配分していない現金及び現金同等物、投資有価証券、全社(研究開発・管理)の有形固定資産等67,889百万円およびセグメント間の債権債務消去額△107百万円です。
(3) 減価償却費及び償却費の調整額378百万円は、全社(研究開発・管理)の有形固定資産等に係るものです。
(4) 有形固定資産、無形資産および使用権資産の増加額の調整額303百万円は、全社(研究開発・管理)の設備投資額です。
3.セグメント利益(△損失)は、連結損益計算書の営業利益(△損失)と調整を行っています。
(3) 報告セグメントごとの売上高、利益または損失、資産、その他の項目の金額に関する情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注) 1. 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
2. アイルランドの外部顧客への売上高は、主として(6)主要な顧客ごとの情報に記載されているAPPLE OPERATIONS LIMITEDに対するものです。
(注) 1. 金融商品、繰延税金資産、退職給付に係る資産および保険契約から生じる権利は含んでいません。
2. 資産の所在地を基礎として、国または地域に分類しています。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注) 1. 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
2. アイルランドの外部顧客への売上高は、主として(6)主要な顧客ごとの情報に記載されているAPPLE OPERATIONS LIMITEDに対するものです。
(注) 1. 金融商品、繰延税金資産、退職給付に係る資産および保険契約から生じる権利は含んでいません。
2. 資産の所在地を基礎として、国または地域に分類しています。
主要な顧客に対する売上高の内訳は次のとおりです。
(注) (5)地域ごとの情報①外部顧客への売上高におけるアイルランド、米国、日本で計上されています。
5. 企業結合等
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
6. 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は次のとおりです。なお、連結財政状態計算書の「現金及び現金同等物」の残高と連結キャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」の残高は、一致しています。
7. 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は次のとおりです。
(注) 1.営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
2.連結財政状態計算書においては、貸倒引当金控除後の金額で表示しています。
3.信用リスク管理は、注記「34.金融商品」に記載しています。
8. 棚卸資産
棚卸資産の内訳は次のとおりです。
(注) 1.前連結会計年度および当連結会計年度に売上原価として費用認識した棚卸資産の金額は、それぞれ150,593百万円および134,154百万円です。
2.前連結会計年度および当連結会計年度において、正味実現可能価額で棚卸資産を評価したことにより、それぞれ854百万円および847百万円の評価減を計上しています。
3.前連結会計年度および当連結会計年度において、認識した評価減の戻入額に重要性はありません。
4. 負債の担保として供している棚卸資産については注記「18.社債及び借入金」に記載しています。
9. その他の資産
その他の流動資産およびその他の非流動資産の内訳は次のとおりです。
10. 有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額は次のとおりです。
(注) 1.有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の売上原価、販売費及び一般管理費、その他の費用に含めています。
2.建設中の有形固定資産に関する支出額は、上記の中で、建設仮勘定として記載しています。
3.科目振替は、主に建設仮勘定から本勘定への振替です。
4. 負債の担保として供している有形固定資産については注記「18.社債及び借入金」に記載しています。
11. のれんおよび無形資産
のれんおよび無形資産の取得原価、償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額は次のとおりです。
(注) 1.無形資産の償却費は、連結損益計算書の売上原価、販売費及び一般管理費に含めています。
2. 減損損失については、注記「13.非金融資産の減損」に記載しています。
3.科目振替は主にその他に含まれるソフトウエア仮勘定から本勘定への振替です。
4.資産認識基準を満たさない研究開発費は、発生時に費用として認識し、販売費及び一般管理費(注記26参照)に計上しています。前連結会計年度および当連結会計年度において費用認識した研究開発費は、それぞれ3,973百万円および4,656百万円です。
5. 負債の担保として供している無形資産については注記「18.社債及び借入金」に記載しています。
減損の兆候の有無に関わらず、少なくとも年に1回定期的に減損テストを実施しています。
各資金生成単位に配分した主なのれんおよび耐用年数を確定できない無形資産の帳簿価額は、次のとおりです。
前連結会計年度および当連結会計年度において重要なものは、2015年8月のNissha Metallizing Solutions N.V.およびその子会社、2016年9月のGraphic Controls Holdings, Inc.およびその子会社の取得により発生したものです。
(注) 商標権は、事業が継続する限り基本的に存続するため耐用年数を確定できないと判断しています。
それぞれの資金生成単位の回収可能価額の算定に用いた主要な仮定等の情報は次のとおりです。
回収可能価額は使用価値に基づいて算定し、資金生成単位の帳簿価額と比較しています。のれんを含む資金生成単位の使用価値はマネジメントが承認した5カ年分の事業計画を基礎とし、それ以降の年度は販売国別の成長率をもとに算定した将来キャッシュ・フローの割引現在価値として算定しています。なお、使用価値の算定については外部の評価専門家よりレポートを入手しています。
上記の事業計画には、需要動向や製品開発の状況に基づく地域別・製品群別の販売予測および主要原材料である基材(紙)の価格推移などの不確実性を伴う要素が含まれています。また、使用価値の算定における成長率および割引率は、経済状況や金利変動等の外部環境の変化の影響を受けることから不確実性が高く、変動する可能性があります。このため、経営環境の著しい変化等により事業計画の見直しが必要となった場合、また、経済状況や金利変動等の外部環境の変化により成長率および割引率が著しく変動した場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
将来キャッシュ・フローの見積りに使用した成長率は前連結会計年度において3.4%、当連結会計年度において4.4%です。
また、割引率は税引後の加重平均資本コストを基礎として算定しており、使用した割引率は前連結会計年度において13.1%、当連結会計年度において15.6%です。
前連結会計年度において、金利変動に伴う割引率の上昇を受けて回収可能価額が低下したため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失1,461百万円を認識しています。
当連結会計年度において、販売国のインフレ率等に起因する割引率の上昇を受けて回収可能価額が低下したため、のれんの帳簿価額の全額に相当する減損損失2,692百万円を認識しています。
回収可能価額は使用価値に基づいて算定し、資金生成単位の帳簿価額と比較しています。のれんおよび商標権を含む資金生成単位の使用価値はマネジメントが承認した5カ年分の事業計画を基礎とし、それ以降の年度は資金生成単位が属する市場の長期期待成長率をもとに算定した将来キャッシュ・フローの割引現在価値として算定しています。なお、使用価値の算定については外部の評価専門家よりレポートを入手しています。
上記の事業計画には、需要動向を踏まえた地域別・製品群別の販売予測および製造コストの価格推移などの不確実性を伴う要素が含まれています。また、使用価値の算定における成長率および割引率は、経済状況や金利変動等の外部環境の変化の影響を受けることから不確実性が高く、変動する可能性があります。このため、経営環境の著しい変化等により事業計画の見直しが必要となった場合、また、経済状況や金利変動等の外部環境の変化により成長率および割引率が著しく変動した場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
将来キャッシュ・フローの見積りに使用した成長率は前連結会計年度において4.0%、当連結会計年度において4.0%です。
また、割引率は税引後の加重平均資本コストを基礎として算定しており、使用した割引率は前連結会計年度において10.6%、当連結会計年度において11.2%です。
当連結会計年度末において、回収可能価額は帳簿価額を6,685百万円上回っており、仮に成長率が1.9%下落した場合、または割引率が1.1%上昇した場合に減損損失が発生するものと推定しています。
なお、上記の減損損失発生の余裕度に関する推定は、成長率の下落および割引率の上昇がそれぞれ単独で発生するとの仮定に基づき記載しています。
連結財政状態計算書に計上されている重要な無形資産は次のとおりです。
顧客関係資産の帳簿価額は前連結会計年度末1,841百万円、当連結会計年度末1,816百万円であり、残存償却年数は8年です。技術資産の帳簿価額は前連結会計年度末1,439百万円、当連結会計年度末1,377百万円であり、残存償却年数は6年です。
帳簿価額は前連結会計年度末1,643百万円、当連結会計年度末1,439百万円であり、残存償却年数は8年です。
帳簿価額は前連結会計年度末1,224百万円、当連結会計年度末1,175百万円であり、残存償却年数は24年です。
12. リース
使用権資産の増加額は注記「32.キャッシュ・フロー情報」に記載しています。
また、使用権資産の減価償却費は次のとおりです。
当社グループは、ファイナンス・リースの貸手として、当社グループが使用していない建物を賃貸しています。なお、原資産に関するリスク管理として、定期的に信用リスクのモニタリングを実施しています。
13. 非金融資産の減損
当社グループは、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行い、処分予定資産(廃棄・売却等により処分が予定されている資産)、遊休資産については個別物件ごとにグルーピングを行っています。
企業結合により取得したのれんは、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位に配分し、当該資金生成単位について減損テストを実施しています。
当社グループは、資産または資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に減損損失を認識しています。減損損失は、連結損益計算書のその他の費用(注記「28.その他の収益およびその他の費用」参照)に含まれています。
なお、各報告セグメントごとの発生額は注記「4.事業セグメント」に記載のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(のれん)
産業資材事業のNissha Metallizing Solutions N.V.およびその子会社を資金生成単位とするのれんについて、金利変動に伴う割引率の上昇を受けて回収可能価額が低下したため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失1,461百万円を認識しています。
回収可能価額の算定方法、回収可能価額の算定に用いた主要な仮定等の情報については、注記「11.のれんおよび無形資産 (2)のれんおよび耐用年数を確定できない無形資産の減損テスト」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(のれんおよび無形資産)
産業資材事業のNissha Metallizing Solutions N.V.およびその子会社を資金生成単位とするのれん、技術資産、顧客関係資産について、販売国のインフレ率等に起因する割引率の上昇を受けて回収可能価額が低下したため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、それぞれ減損損失2,692百万円、12百万円、16百万円を認識しています。
のれんの減損テストにおける回収可能価額の算定方法、回収可能価額の算定に用いた主要な仮定等の情報については、注記「11.のれんおよび無形資産 (2)のれんおよび耐用年数を確定できない無形資産の減損テスト」をご参照ください。
また、技術資産、顧客関係資産の減損テストにおける回収可能価額の算定方法、回収可能価額の算定に用いた主要な仮定等の情報はのれんの減損テストで使用したものと同一です。
14. 持分法で会計処理されている投資
個々に重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額は次のとおりです。
個々に重要性のない関連会社の財務情報は次のとおりです。
15. その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は、次のとおりです。
(注) その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定した資本性金融商品の個別銘柄と公正価値は、注記「34.金融商品」に記載のとおりです。
16. 法人所得税
繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳および増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注) IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)の適用により、当該将来加算一時差異と将来減算一時差異について繰延税金負債および繰延税金資産を連結財政状態計算書にそれぞれ認識する方法に変更したことに伴い、遡及修正しています。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金および将来減算一時差異
(注) 繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額と繰越期限は次のとおりです。
上記にはグループ通算制度の適用外である、地方税(住民税および事業税)にかかる繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額を含めていません。当連結会計年度末現在の地方税(住民税および事業税)にかかる繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額は、それぞれ住民税分3,954百万円、事業税分4,008百万円です。
当社グループの子会社の投資に係る将来加算一時差異について、繰延税金負債を認識していない金額は、前連結会計年度末30,618百万円、当連結会計年度末32,165百万円です。
これは、当社グループが一時差異の取り崩しの時期をコントロールすることが可能であり、一時差異が予測可能な期間内に解消しない可能性が高いためです。
なお、当社グループは、IAS第12号の繰延税金に関する要求事項について、2023年5月にIASBが公表した一時的な例外を適用しています。したがって、当社グループは、第2の柱の法人税に関連する繰延税金資産および繰延税金負債を認識することも情報の開示もしていません。
法人所得税費用の内訳は次のとおりです。
(注) 1.前連結会計年度および当連結会計年度において、当期税金費用の減額に使用した、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益の額は、それぞれ2,288百万円および632百万円です。
2.前連結会計年度および当連結会計年度において、繰延税金費用の減額に使用した、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益の額は、それぞれ498百万円および384百万円です。
3.繰延税金費用には、繰延税金資産の評価減または以前に計上した評価減の戻入により生じた費用の額が含まれています。これに伴う前連結会計年度および当連結会計年度の繰延税金費用の増減額に重要性はありません。
当社は、主に法人所得税、住民税および損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として法定実効税率を計算しています。前連結会計年度および当連結会計年度の法定実効税率は30.5%となっています。
ただし、海外子会社についてはその所在地の税率を使用しています。
法定実効税率と平均実際負担税率との差異要因は次のとおりです。
2023年3月28日、当社が設立されている日本国政府は、2024年4月1日から施行される第2の柱の税法を制定しました。この法律の下では、親会社は、実効税率が15%未満である子会社の利益に対して課税されるトップアップ税を、日本国で支払うことが要求されます。現在、当社グループは第2の柱の税法が将来の財務業績に与える影響の評価を継続していますが、2023年12月31日現在では、当社グループの業績に与える影響は軽微であると判断しています。
17. 営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は次のとおりです。
(注) 営業債務及びその他の債務は償却原価で測定する金融負債に分類されます。
18. 社債及び借入金
(注) 1. 平均利率は、当連結会計年度末の残高に対する加重平均利率を記載しています。
2. 返済期限は、当連結会計年度末残高に関するものを記載しています。
なお、担保に供している資産および担保に係る債務の内訳は次のとおりです。
(注) 1. 上記の担保に供している資産のうち12,360百万円は、当社の米国の連結子会社における金融機関からのコミットメントライン契約(外貨建)10百万米ドルに対して提供した担保資産です。
2. 上記のほか、連結上消去されている関係会社株式(前連結会計年度5,981百万円、当連結会計年度5,978百万円)、営業債権及びその他の債権等(前連結会計年度6,303百万円、当連結会計年度9,358百万円)を担保に供しています。
3. 担保に供している資産は、連結子会社における金融機関からの一部の借入金に対するものであり、返済期限の到来した借入金の元本および利息の返済がなされず債務不履行等となった場合、金融機関は当該担保を処分し、借入返済額に充当する権利を有すること等が規定されています。
19. その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、次のとおりです。
20. 引当金
引当金の内訳は次のとおりです。
(注) その他は主に製品保証引当金によるものです。
引当金の増減内容は次のとおりです。
① 資産除去債務
当社グループが使用する事業拠点に対する原状回復義務に備えて、過去の実績に基づき将来支払うと見込まれる金額を計上しています。これらの費用は主に1年以上経過した後に支払われることが見込まれていますが、今後の事業計画の推移等により影響を受けます。
② リストラクチャリング引当金
前連結会計年度末の引当金は「産業資材」セグメントの欧州の連結子会社において発生すると見込まれるリストラクチャリング費用に関連するものです。
21. その他の負債
その他の流動負債およびその他の非流動負債の内訳は、次のとおりです。
22. 退職後給付
当社および一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度および確定拠出制度を採用しています。積立型の確定給付制度は、確定給付企業年金法に基づく規約型企業年金制度であり、ポイント制に基づいた一時金または年金を支給しています。規約型企業年金制度は、労使合意の確定給付企業年金規約の下に、運用受託機関に制度資産の管理運用を委託することによって運営されています。
また、確定給付企業年金法に従い、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、少なくとも5年ごとに掛金の再計算を行うことが規約で規定されています。
非積立型の確定給付制度は、退職一時金制度であり、ポイント制に基づいた一時金または給与と勤務期間に基づいた一時金を支給しています。
当社および一部の連結子会社は確定給付制度により、投資リスク、金利リスク、寿命リスク等の数理計算上のリスクに晒されています。
確定給付制度の連結財政状態計算書上の金額は、次のとおりです。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、それぞれ10.4年および10.3年です。
翌連結会計年度の拠出額は29百万円と予想しています。
(注) 1.生命保険の一般勘定は、生命保険会社が主として元本と利息を保証している一般勘定において制度資産を運用しているものです。
2.主なものは、ドイツにおける制度資産であり、保険契約等から成り立っています。
制度資産の運用にあたっては、給付の支払いを将来にわたり確実に行うため、許容できるリスクの元で長期的に見て可能な限りの総合収益を上げることを目的としています。この運用目的を達成するため、制度資産が長期にわたり維持すべき資産の構成割合(以下、「政策的資産構成割合」という。)の期待収益率を収益目標と定めています。政策的資産構成割合は、3~5年以上の中長期的観点から策定し毎年検証を行い、策定時の諸条件が変化した場合は必要に応じて見直しを行うものとしています。
運用にあたってはリスク管理の基本としてリスク・リターン等の特性が異なる複数の資産クラスに分散投資することとしています。運用状況の管理は、四半期ごとの運用受託機関からの制度資産の運用に関する報告や、運用受託機関に対する定量・定性評価等を通して行っています。
確定給付制度債務の現在価値の測定上使用した重要な数理計算上の仮定(加重平均値)は次のとおりです。
重要な数理計算上の仮定に関する感応度の分析は次のとおりです。
本分析においては、その他の変数は一定であることを前提としています。
上記の感応度分析において、いくつかの仮定には相関性があり、それぞれの仮定の変化が独立して生じることはまれであるため、確定給付制度債務の現在価値の実際の変化を表さない場合があります。さらに、上記の感応度分析においては、連結財政状態計算書に認識される退職給付に係る負債(資産)を算定するときと同じように、確定給付制度債務の現在価値は報告期間の末日時点で予測単位積増方式によって算定しています。
連結会社は、確定拠出制度への拠出額として、前連結会計年度において2,462百万円、当連結会計年度において3,271百万円の費用を認識しています。
なお、上記には公的制度に関して費用として認識した金額を含んでいます。
23. 資本金およびその他の資本項目
(注) 前連結会計年度および当連結会計年度における授権株式数になります。
発行済普通株式数および資本金等の残高の増減は、次のとおりです。
(注) 1.当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式です。
2.資本剰余金の前連結会計年度における期中増減は、主に自己株式の持株会への売却および株式報酬取引(注記33参照)によるものです。
3.資本剰余金の当連結会計年度における期中増減は、主に自己株式の持株会への売却および株式報酬取引(注記33参照)によるものです。
自己株式数および残高の増減は、次のとおりです。
(注) 1.前連結会計年度における期中増減は、主に取締役会決議による自己株式の取得および持株会への売却によるものです。
2.当連結会計年度における期中増減は、主に取締役会決議による自己株式の取得および株式給付信託(BBT)の受益者に対する交付によるものです。
資本剰余金は、資本取引から生じた金額のうち資本金に含まれない金額で構成されています。支配が継続される子会社に対する持分変動も資本取引として扱っています。
会社法では、株式の発行に対しての払込みまたは給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されています。資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
利益剰余金は、当連結会計年度および過年度に純損益として認識されたものおよびその他の包括利益から振替えられたものからなります。
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金および利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当することができ、また株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の評価差額です。
確定給付制度における数理計算上の仮定の変更および実績修正による影響額、制度資産に係る収益(利息費用(純額)に含めた金額を除く)等で構成されています。なお、発生時に、その他の包括利益で認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額です。
24. 配当金
配当金の支払額は、次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注) 1.2022年2月14日取締役会決議による配当金の総額には、㈱日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社の株式に対する配当金11百万円が含まれています。
2.2022年2月14日取締役会決議の1株当たり配当額は、特別配当10円を含んでいます。
3.2022年8月8日取締役会決議による配当金の総額には、㈱日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社の株式に対する配当金6百万円が含まれています。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注) 1.2023年2月14日取締役会決議による配当金の総額には、㈱日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社の株式に対する配当金13百万円が含まれています。
2.2023年8月8日取締役会決議による配当金の総額には、㈱日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社の株式に対する配当金12百万円が含まれています。
また、配当の効力発生日が翌年度となるものは、次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注) 2023年2月14日取締役会決議による配当金の総額には、㈱日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社の株式に対する配当金13百万円が含まれています。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注) 2024年2月14日取締役会決議による配当金の総額には、㈱日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社の株式に対する配当金11百万円が含まれています。
25. 売上高
前連結会計年度および当連結会計年度の連結損益計算書に計上している「売上高」193,963百万円および167,726百万円は、主に「顧客との契約から認識した収益」です。それ以外の源泉から認識した収益は、貸手としてのリース(オペレーティング・リース取引、ファイナンス・リース取引)に係るものであり、その金額に重要性がないため、(2)の収益の分解に含めて開示しています。
当社グループは、注記「4.事業セグメント」に記載のとおり、産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジーの3つを報告セグメントとしています。また、売上高は製品群別に分解しています。これらの分解した売上高と各報告セグメントの売上高との関係は次のとおりです。
なお、当連結会計年度において、報告セグメントの区分を一部変更しており、前連結会計年度の数値については、変更後の区分により作成した数値を記載しています。詳細は、注記「4.事業セグメント」の「報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
産業資材は、さまざまな素材の表面に付加価値を与える独自技術を有するセグメントです。プラスチックの成形と同時に加飾や機能の付与を行うIMD、IMLおよびIMEは、グローバル市場でモビリティ、家電製品などに広く採用されています。また、金属光沢と印刷適性を兼ね備えた蒸着紙は、飲料品や食品向けのサステナブル資材としてグローバルベースで業界トップのマーケットシェアを有しています。
ディバイスは、精密で機能性を追求した部品・モジュール製品を提供するセグメントです。主力製品であるフィルムタッチセンサーはグローバル市場でタブレット、業務用端末(物流関連)、モビリティ、ゲーム機などに幅広く採用されています。このほか、気体の状態を検知するガスセンサーなどを提供しています。
メディカルテクノロジーは、医療機器やその関連市場において高品質で付加価値の高い製品を提供し、人々の健康で豊かな生活に貢献することを目指すセグメントです。幅広い診療領域で使われる低侵襲医療用の手術機器や医療用ウェアラブルセンサーなどの製品を手がけており、現在は欧米中心に大手医療機器メーカー向けの開発製造受託(CDMO)を展開するとともに、医療機関向けに自社ブランド品を製造・販売しています。
これらは、注記「3.重要性のある会計方針」に記載した方針に従って、会計処理しています。履行義務に係る対価は、履行義務を充足してから1年以内に回収しているため、重大な金融要素は含まれないものとして処理しています。また、前連結会計年度および当連結会計年度において、顧客との契約の獲得または履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。なお、実務上の便法を適用し、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、契約の獲得の増分コストを発生時に費用として認識しています。
契約残高の内訳は次のとおりです。顧客との契約から生じた債権は営業債権及びその他の債権に含まれている受取手形及び売掛金(注記7参照)です。なお、契約資産の金額に重要性はありません。また、契約負債は、当社グループの製品の販売取引において、検収時等、顧客が当該製品の支配を獲得する時点より前に顧客から受け取った前受金です。
(注) 1.前連結会計年度に認識した収益のうち、期首現在の契約負債残高に含まれていたものは616百万円です。
2.当連結会計年度に認識した収益のうち、期首現在の契約負債残高に含まれていたものは391百万円です。
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を適用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しています。また、顧客企業との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
26. 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は次のとおりです。
27. 従業員給付費用
従業員給付費用は、前連結会計年度において37,893百万円、当連結会計年度において39,363百万円です。
従業員給付費用には、給与、賞与、退職給付に係る費用、法定福利費および福利厚生費などを含めており、連結損益計算書の売上原価および販売費及び一般管理費、その他の費用に計上しています。
また、上記の従業員給付費用には主要な経営幹部への報酬が含まれています。主要な経営幹部への報酬は、注記 「35.関連当事者」に記載しています。
28. その他の収益およびその他の費用
その他の収益およびその他の費用の内訳は次のとおりです。
(注) 1. 政府補助金
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
主に「産業資材」セグメントの連結子会社であるNissha Metallizing Solutions S.r.l.において、エネルギー価格高騰に対する政府の支援を受けたことによるものです。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
主に「産業資材」セグメントの連結子会社であるNissha Metallizing Solutions S.r.l.において、エネルギー価格高騰に対する政府の支援を受けたことによるものです。
2.債務免除益
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
「メディカルテクノロジー」セグメントの連結子会社において、過年度に取得した事業に対する取得対価(未払金)の減額を受けたことによるものです。
3.条件付対価に係る公正価値変動額
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
主にNissha Metallizing Solutions GmbHの買収に係るものです。
4.減損損失
注記「13.非金融資産の減損」をご参照ください。
5.リストラクチャリング費用
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
主に「産業資材」セグメントの連結子会社であるNissha Precision Technologies Malaysia Sdn. Bhd.における構造改革に関連するものです。
6.関係会社清算損
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
「産業資材」セグメントの連結子会社であるNissha GSI Technologies, Inc.の清算に伴う損失です。
7.工場閉鎖損失
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
「メディカルテクノロジー」セグメントの連結子会社における欧州の生産拠点統合に係るものです。
8.遊休資産諸費用
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
「ディバイス」セグメントにおける稼働率が低い国内生産拠点の休眠に伴う、当該設備の減価償却費等に係るものです。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
「ディバイス」セグメントにおける稼働率が低い国内生産拠点の休眠に伴う、当該設備の減価償却費等に係るものです。
29. 金融収益および金融費用
金融収益および金融費用の内訳は次のとおりです。
30. その他の包括利益
その他の包括利益の各項目別の当期発生額および純損益への組替調整額、ならびに税効果額(非支配持分含む)は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
31. 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益(△損失)および希薄化後1株当たり当期利益(△損失)ならびにその算定上の基礎は、次のとおりです。
(注) 希薄化後1株当たり当期利益(△損失)については、潜在株式が存在しないため記載していません。
32. キャッシュ・フロー情報
重要な非資金取引(現金及び現金同等物の使用を必要としない投資および財務取引)は次のとおりです。
財務活動に係る主な負債の増減は、次のとおりです。
(注) 1年内返済予定の長期借入金を含んでいます。
33. 株式報酬
当社グループは、株式報酬制度として、株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust))制度、株式給付信託(J-ESOP)制度、株式給付信託(従業員持株会処分型)制度およびストック・オプション制度を導入しています。
株式報酬制度は、持分決済型株式報酬または現金決済型株式報酬として会計処理しています。株式報酬費用および株式報酬から生じた負債の認識額は次のとおりです。
株式報酬費用
(注) 株式報酬費用は、売上原価および販売費及び一般管理費に含めて表示しています。
株式報酬から生じた負債
当社は、取締役(社外取締役は除く)、執行役員および当社子会社の一部の取締役(以下、「取締役等」という。)に対して、持分決済型と現金決済型を併用した株式報酬制度(以下、「本制度」という。)を採用しています。
本制度は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式を株式給付信託(BBT)を通じて取得し、取締役等に対して、当社および当社子会社が定める役員株式給付規程に従って、当社株式および当社株式を時価で換算した金額相当の金銭(以下、「当社株式等」という。)が信託を通じて給付される株式報酬制度です。なお、取締役等には、各事業年度に関して、役員株式給付規程に基づき定まる数のポイントが付与され、取締役等が当社株式等の給付を受ける時期は、原則として、役員株式給付規程に定める3事業年度ごとの所定の時期において同規程の定めに従い所定の受益者確定手続を行った日または取締役等を退任する日のいずれか早い日以降の同規程の定める日となります。
信託に残存する当社株式は、資本に自己株式として計上しています。当該自己株式の株式数は、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、それぞれ253,800株、248,304株です。
前連結会計年度および当連結会計年度に付与されたポイントの加重平均公正価値は、それぞれ1,582円、1,698円です。付与されたポイントの公正価値は、付与日の株価に近似していることから、付与日の株価を使用しています。
当社の一部の子会社は、従業員等に対して株式報酬制度を採用しています。本報酬制度は、従業員等に、当該子会社の普通株式を取得するストック・オプションおよびストック・オプションの行使により発行した株式を子会社が買い取るプットオプションを付与することにより、ストック・オプションの行使価格と権利行使日の株価の差額を現金で支払うものです。当該制度は、2016年12月以降4年間にわたって権利が付与された制度、および2020年12月に権利が付与された制度があります。いずれも付与日から3年間にわたって権利が確定します。なお、前連結会計年度では権利行使期間を付与日から10年間としていましたが、当連結会計年度において権利行使期間の見直しを行い、付与日から7年間に変更しています。
(注) 1.前連結会計年度末および当連結会計年度末における株式報酬制度の加重平均残存期間は、それぞれ7年、2年です。
2.期中に権利が行使されたストック・オプションの権利行使日時点における加重平均株価は、付与された株式が非上場であるため、把握できません。
前連結会計年度および当連結会計年度において付与されたストック・オプションの各測定日における加重平均公正価値はそれぞれ55,309円および67,962円です。
期中に付与されたストック・オプションの測定日時点の公正価値は、以下の前提条件に基づき、ブラック・ショールズ・モデルを用いて評価しています。
(注) 予想ボラティリティは、予想残存期間に対応する期間の過去の株価実績を基にして算定しています。
当社は一定の要件を満たした当社および一部の当社子会社の社員(以下、「対象社員」という。)に対して、持分決済型の株式報酬制度(以下、「本制度」という。)を採用しています。
本制度は、あらかじめ当社が定める株式給付規程に基づき、一定の要件を満たした対象社員に対し当社株式を給付するインセンティブ・プランです。
当社は、対象社員に対し個人の貢献度等に応じてポイントを付与し、一定の条件により受給権を取得したときに当該付与ポイントに相当する当社株式を給付します。対象社員に対し給付する株式については、㈱日本カストディ銀行に設定される信託E口にあらかじめ拠出した金銭により将来分も含め取得し、信託財産として分別管理されるものとします。
② 信託に残存する自社の株式
信託に残存する当社株式は、資本に自己株式として計上しています。当該自己株式の株式数は、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、それぞれ120,364株、119,764株です。
④ 付与されたポイントの公正価値
前連結会計年度および当連結会計年度に付与されたポイントの加重平均公正価値は、それぞれ1,215円、1,267 円です。付与されたポイントの公正価値は、対象社員が受給予定者となった日の株価に近似していることから、当該日の株価を使用しています。
当社は、社員に対するインセンティブ・プランとして、「株式給付信託(従業員持株会処分型)」(以下、「本制度」という。)を採用しています。
本制度は、NISSHA社員持株会(以下、「持株会」という。)に加入するすべての社員を対象に、当社株式の株価上昇メリットを還元するインセンティブ・プランです。
㈱日本カストディ銀行に設定される信託E口において、今後持株会が購入することが見込まれる数に相当する当社株式をあらかじめ一括して取得し、以後、持株会の株式購入に際して当社株式を売却していきます。信託E口による持株会への当社株式の売却を通じて、信託終了時までに、信託財産内に株式売却益相当額が累積した場合には、かかる金銭を残余財産として、受益者適格要件を充足する持株会加入者に分配します。
当該分配については、現金決済型取引として処理され、負債の公正価値は信託契約の条件を考慮したうえで、期末日ごとに、信託期間満了時の見積キャッシュ・フローの割引現在価値で測定されます。
信託に残存する当社株式は、資本に自己株式として計上しています。当該自己株式の株式数は、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、それぞれ19,100株、95,500株です。
本制度に係る負債の金額は、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ1百万円、2百万円です。負債の公正価値は、以下の前提条件に基づき、モンテカルロ・シミュレーションで見積られています。
(注) 予想ボラティリティは、予想残存期間に対応する期間の過去の株価実績を基にして算定しています。
34. 金融商品
当社グループは、持続的な成長を通じて企業価値向上を実現するため、安定的な財務基盤の構築および維持することを資本管理の基本方針としています。
当社グループが資本管理において用いる主な指標等は、次のとおりです。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
(注) 親会社所有者帰属持分比率:資本(親会社の所有者に帰属する持分)/負債及び資本合計
リスク管理方針
当社グループの事業活動は、事業環境・金融市場環境による影響を受けます。事業活動の過程で保有する金融商品は固有のリスクに晒されます。
リスクには、主に①市場リスク((a)為替リスク、(b)価格リスク、(c)金利リスク)、②信用リスク、③流動性リスクが含まれます。これらのリスクを軽減するために、リスク管理を行っています。
当社グループは、資金運用については安全性の高い金融資産を中心とし、また資金調達については主に銀行借入や社債発行によっています。経営環境を十分に考慮し、その都度最適な資金調達を行う方針です。デリバティブは為替変動によるリスクを回避するために利用し、投機的な取引は行わない方針です。デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限や限度額等を定めた社内規程に基づき、決裁者の承認を得て行っています。
当社グループは、グローバルに事業を展開していることから生じている外貨建の営業債権債務は為替の変動リスクに晒されていますが、一部については先物為替予約を利用してヘッジを行っています。なお、これらのデリバティブ取引について、ヘッジ会計は適用していませんが、これらの取引が為替変動による影響を有効に相殺しているものと判断しています。
なお、当連結会計年度末における為替予約により実質的に円貨が固定された部分を除いた営業債権債務の米ドルの為替変動リスクに対するエクスポージャーは、14,209百万円(前連結会計年度末は、22,247百万円)です。米ドル以外の為替変動リスクに晒されているエクスポージャーに重要性はありません。
為替の感応度分析
当社グループが保有する金融商品において、他のすべての変数が一定であると仮定した上で、機能通貨(円)が米ドルに対して1%円高になった場合の連結損益計算書の税引前利益に与える影響は、次のとおりです。なお、機能通貨建ての金融商品、および在外営業活動体の資産および負債を円貨に換算する際の影響は含んでいません。
当社グループは、業務上の関係を有する企業の上場株式を保有しているため、資本性金融商品の価格変動リスクに晒されており、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務内容を把握し、保有状況を継続的に見直しています。
なお、当連結会計年度末における上場株式の価格変動リスクに対するエクスポージャーは、13,809百万円(前連結会計年度末は、11,022百万円)です。
資本性金融商品の感応度分析
当社グループの上場株式の価格変動リスクに対する感応度分析は次のとおりです。この分析は、他の変数が一定であると仮定した上で、上場株式の株価が10%下落した場合に連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果考慮前)に与える影響を示しています。
当社グループの有利子負債のうち変動金利によるものは、金利の変動リスクに晒されています。
金利変動リスクを低減するため、変動金利の有利子負債について、金利変動の継続的なモニタリングを行っています。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の金利変動リスクに対するエクスポージャーは、22,404百万円(前連結会計年度末は、24,570百万円)です。
金利リスク感応度分析
当社グループが保有する金融商品において、金利が1%上昇した場合の連結損益計算書の税引前利益に与える影響は次のとおりです。
金利変動の影響を受ける金融商品を対象としており、為替変動の影響等その他の要因は一定であることを前提としています。
当社グループの営業債権及びその他の債権およびその他等は、信用リスクに晒されています。信用リスクは、顧客や取引先(金融機関等を含む)が契約上の債務に関して債務不履行になり、当社グループに財務上の損失を発生させるリスクです。
当社グループは、事業および国・地域ごとの与信管理規程に従い、与信限度額を設定するとともに、営業債権について営業部門および財務部門が取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引先ごとに期日管理および残高管理を通じて、財務状態の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っています。デリバティブの利用にあたっては、信用リスクを軽減するために、格付けの高い金融機関とのみ取引を行っており、信用リスクは極めて僅少であると認識しています。
営業債権については、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しています。営業債権以外の債権等については、使用リスクが当初認識時以降に著しく増大していない場合には、12カ月の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定し、決済日を経過した等の場合には、信用リスクが当初認識時以降に著しく増大したものとして、全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しています。
予想信用損失の測定にあたり、原則として、営業債権については、信用リスクの程度に応じてグルーピングし、グループごとに過去の信用損失の実績に将来の状況の予測を反映した引当率を算定し債権残高に乗じています。信用リスクが当初認識時以降に増大していない営業債権以外の債権等については、同種の資産グループごとに過去の信用損失の実績に将来の状況の予測を反映した引当率を算定し債権等の残高に乗じています。信用リスクが当初認識時以降に増大した営業債権以外の債権等および信用減損している資産については、当該資産から将来受け取ると見込まれるキャッシュ・フローを当初認識時の実効金利で割り引くことにより算定した金額と帳簿価額の差額として算定しています。なお、営業債権等について、その全部または一部について回収ができない、または回収が極めて困難であると判断される場合に、信用減損しているものと判定しています。
連結財政状態計算書に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値です。なお、当連結会計年度末における営業債権のうち、3,868百万円(前連結会計年度末は、4,857百万円)は、当社グループの主要な顧客であるAPPLE OPERATIONS LIMITEDおよびそのグループ会社に対するもので、これ以外に、単独の相手先またはその相手先が所属するグループに対する信用リスクの著しい集中はありません。
営業債権及びその他の債権(貸倒引当金控除前)および貸倒引当金の変動は、次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
12カ月の予想信用損失に等しい金額で測定する債権と常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定する債権の信用リスクの程度に応じた区分は概ね同一です。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
12カ月の予想信用損失に等しい金額で測定する債権と常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定する債権の信用リスクの程度に応じた区分は概ね同一です。
当社グループは、金融負債の返済義務の履行ができなくなる流動性リスクに晒されています。
そのため、財務部門が適時に資金繰計画を作成・更新するとともに、日本国内のグループ会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の導入による当社への資金フローの集約などにより、流動性リスクを管理しています。
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は次のとおりです。なお、リース負債の期日別残高は、注記「12.リース」に記載しています。
公正価値の見積り
当社グループは、主な金融資産および金融負債の公正価値について次のとおり決定しています。金融商品の公正価値の見積りにおいて、市場価格が入手できる場合は市場価格を利用しています。市場価格が入手できない金融商品の公正価値に関しては、適切な評価方法により測定しています。
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務、短期借入金)
これらは短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっています。
(その他の金融資産およびその他の金融負債)
市場性のある資本性金融商品(上場株式)の公正価値は、期末日の市場価格により測定しています。市場価格の入手できない資本性金融商品(市場価格のない株式)および純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類した負債性金融商品(優先株式等)の公正価値は、割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法、類似会社の市場価格に基づく評価技法、純資産価値に基づく評価技法等により測定しています。これら以外の金融資産および金融負債は、短期間で決済されるため、公正価値が帳簿価額と近似しています。市場価格の入手できないこれらの金融商品の公正価値測定に当たって用いた観察可能でないインプットのうち主なものは、類似会社比較法における評価倍率です。公正価値は、評価倍率の上昇(低下)により増加(減少)します。
(デリバティブ資産および負債)
デリバティブ資産および負債は、決算日現在の同一の条件に基づくデリバティブ取引の市場相場により測定しています。
(条件付対価)
企業結合による条件付対価は、企業結合における取得日時点の公正価値で測定しています。条件付対価が金融負債の定義を満たす場合は、その後の各報告日において公正価値で再測定しています。公正価値は、シナリオ・ベース・メソッド、またはモンテカルロ・シミュレーション・モデルを基礎として算定しており、主な仮定として、各業績目標の達成可能性、将来業績予測および割引率が考慮されています。公正価値は、割引率の上昇(低下)により、減少(増加)します。
(長期借入金)
長期の借入金については、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて測定する方法によっています。
(社債)
社債については、期末日の市場価格により測定しています。
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は次のとおりです。いずれも公正価値のヒエラルキーはレベル2に分類しています。帳簿価額が公正価値に近似する金融商品は、開示を省略しています。
以下の表では、公正価値で測定する金融商品に関する分析を示しています。それぞれのレベルは、注記「3.重要性のある会計方針」に記載しています。なお、レベル間の振替は、振替を生じさせた事象または状況の変化の日に認識しています。
上記の金融資産および金融負債は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産(流動)」、「その他の金融資産(非流動)」、「その他の金融負債(流動)」および「その他の金融負債(非流動)」に含まれています。
上記の金融資産および金融負債は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産(流動)」、「その他の金融資産(非流動)」、「その他の金融負債(流動)」および「その他の金融負債(非流動)」に含まれています。
レベル3に分類される金融商品については、当社グループで定めた評価方針および手続に基づき、当社の最高財務責任者が評価の実施および評価結果の分析を行っています。
レベル3に分類される公正価値測定について、金融資産の期首残高から期末残高への調整表は次のとおりです。
(注) 1.利得および損失合計に含まれる純損益は、連結損益計算書の「金融収益」および「金融費用」に含まれています。前連結会計年度および当連結会計年度の利得および損失合計に含まれる純損益のうち、各期末日現在で保有している純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関連する未実現損益の変動に起因する額は、それぞれ45百万円および△133百万円です。
2.利得および損失合計に含まれるその他の包括利益は、決算日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものです。これらの利得および損失のうち税効果控除後の金額は、「その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動額」に含まれています。
3.その他は主として償還および為替換算差額です。
レベル3に分類される公正価値測定について、金融負債の期首残高から期末残高への調整表は次のとおりです。
(注) 1.利得および損失合計に含まれる純損益のうち、時間的価値の変動に基づく部分は連結損益計算書の「金融費用」として、時間的価値以外の変動に基づく部分は「その他の収益」または「その他の費用」として計上しています。前連結会計年度および当連結会計年度の利得および損失合計に含まれる純損益のうち、各期末日現在で保有している純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に関連する未実現損益の変動に起因する額は、それぞれ△16百万円および0百万円です。
2.その他は主として為替換算差額です。
当社グループでは、取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融商品に対する投資について、その保有目的を鑑み、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に指定しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定された資本性金融商品に対する投資の主な銘柄の公正価値は次のとおりです。
前連結会計年度末(2022年12月31日)
当連結会計年度末(2023年12月31日)
(注) 当社グループは、主として取引関係の見直しを目的に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品を売却により処分し、認識を中止しています。
当社グループでは、その他の包括利益を通じて測定する資本性金融商品の公正価値の変動による累積利得または損失は、投資を処分した場合等に利益剰余金に振り替えることにしています。
前連結会計年度および当連結会計年度において、利益剰余金へ振り替えたその他の包括利益の累積利得または損失(税引後)は、それぞれ1,440百万円、242百万円です。これは主として、取引関係の見直しにより売却したことからその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に分類している有価証券としての認識を中止したものです。
同一取引相手先に対して認識した金融資産および金融負債の相殺に関する情報は、次のとおりです。
(注) 強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金額に重要性はありません。
35. 関連当事者
関連当事者との取引は市場価格を勘案し、一般的取引条件と同様の価格に基づいており、重要な取引(連結財務諸表において消去されたものを除く)はありません。
主要な経営幹部に対する報酬は、次のとおりです。
36. 重要な子会社
「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しています。
個々に重要性のある非支配持分を有する子会社はありません。
37. コミットメント
有形固定資産および無形資産の取得に関するコミットメントは、次のとおりです。
38. 偶発負債
該当事項はありません。
39. 後発事象
社債の発行
当社は、2024年1月19日開催の取締役会において、以下のとおり国内無担保普通社債の発行に関する包括決議を行いました。
(1) 募集社債の総額の上限 100億円(この範囲で複数回の発行が可能)
(2) 募集社債の償還期限 10年以内
(3) 募集社債の利率の上限 年率2.0%
(4) 募集社債の払込金額 募集社債の金額100円につき金100円
(5) 発行時期 2024年1月19日から2025年1月19日まで
取得による企業結合
当社は、2023年12月4日開催の取締役会において、メディカルテクノロジー事業の連結子会社であるGraphic Controls Acquisition Corp.およびNissha Medical Technologies (Wisconsin), LLC(以下、NMT LLC)を通じて、Isometric Intermediate LLC(通称 Isometric Micro Molding)の持分を取得し、Isometric Intermediate LLCおよびその傘下にあるグループ会社(以下、Isometric)を子会社化することを決議し、2024年3月1日付で持分の取得を完了しました。
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称および取得する事業の内容
② 企業結合を行う主な理由
当社のメディカルテクノロジー事業は、医療機器やその関連市場において、高品質で付加価値の高い製品をグローバルに提供しています。同事業の主力分野である開発製造受託(CDMO(※1))は、低侵襲医療用の手術機器や医療用ウェアラブルセンサーなどを中心に、大手医療機器OEMから設計・開発・製造まで一貫して受託するビジネスモデルを展開しています。
当社では医療機器のCDMO市場の潜在的な成長性を認識しており、事業の成長を牽引する主力分野として医療機器のCDMOに注力しています。医療機器の絶え間ないイノベーションに対応する能力の強化・拡充を図り、低侵襲医療用の手術機器など既存分野でのパイプライン(※2)の確保・拡大に加え、手術支援ロボットなどの新たな領域での事業機会の探索を推し進めています。
Isometricは、マイクロ成形(※3)に関連する独自の金型および成形加工の技術を活用し、小型・精密部品(マイクロ成形品)を医療機器や医薬品などの市場向けに提供しています。同社はマイクロ成形における30年以上の実績を通して、設計・開発から成形品の製造およびアセンブリー(組み立て)を担うソリューションプロバイダーとして、お客さまの信頼を獲得しています。同社は、当該分野において、部品間やロット間のばらつきを制御する金型製作や成形加工、CTスキャンを含む高度な測定技術、3D印刷の開発支援、アセンブリーの自動化に関する技術など、内部の技術や専門知識を生かし、独自のポジションを築いています。同社は、内視鏡用処置具などの低侵襲医療用の手術機器や、診断機器、マイクロ流路デバイス、医療用ウェアラブルデバイス、眼科用インプラント、患者さまのモニタリング機器向けなど幅広い用途にマイクロ成形品を提供し、それら医療機器の小型化に貢献しています。医療機器の小型化は、低侵襲医療用の手術機器などの当社の既存領域だけでなく、手術支援ロボットなどの新規領域でも広く求められています。当社は、今回の持分取得を通して、Isometricの部品の小型化に関する設計・開発能力や、マイクロ成形の加工技術(シリコンゴムの成形や2色成形などを含む)を獲得することで、医療機器の革新に貢献します。
※1 CDMO:Contract Design/Development and Manufacturing Organization
※2 パイプライン:量産に向けて開発を進めている製品
※3 マイクロ成形:マイクロメートル単位の寸法精度で微細形状を形成する射出成形
③ 取得日
2024年3月1日
④ 企業結合の法的形式
現金を対価とする持分の取得
⑤ 結合後の企業の名称
変更はありません。
⑥ 取得する議決権比率
75.53%
⑦ 取得企業を決定するに至った主な根拠
現金を対価とした持分の取得により、当社が議決権比率を75.53%所有するためです。
(2)取得原価の算定等に関する事項
① 被取得企業の取得原価及び対価の種類ごとの内訳
持分の取得対価 70,192千米ドル(アーンアウト最大6,500千米ドルを含む。)
② 主要な取得関連費用の内容および金額
アドバイザリー費用等(概算額) 1,500千米ドル
(3)取得原価の配分に関する事項
① 発生するのれんの金額、発生原因、償却方法および償却期間
現時点では確定していません。
② 企業結合日に受け入れる資産および引き受ける負債の額ならびにその主な内訳
現時点では確定していません。
40. 連結財務諸表の承認
2023年12月期連結財務諸表は、2024年3月21日に当社代表取締役社長兼最高経営責任者鈴木順也および常務執行役員兼最高財務責任者神谷均によって承認されています。