株式会社アダストリア(以下「当社」といいます。)は、2024年3月21日開催の当社取締役会において、当社を株式交換株式完全親会社とし、株式会社ゼットン(以下「ゼットン」といい、当社とゼットンを総称して以下「両社」といいます。)を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本件株式交換」といいます。)を行うことを決議し、同日両社間で本件株式交換に係る株式交換契約(以下「本件株式交換契約」といいます。)を締結いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第6号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
(1)本件株式交換の相手会社についての事項
① 商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号 |
株式会社ゼットン |
本店所在地 |
愛知県名古屋市東区徳川町1001番地 |
代表者の氏名 |
鈴木 伸典 |
資本金の額(2024年1月31日現在) |
90百万円 |
純資産の額(2024年1月31日現在) |
(連結)2,918百万円 (単体)1,459百万円 |
総資産の額(2024年1月31日現在) |
(連結)7,685百万円 (単体)3,807百万円 |
事業の内容 |
飲食店の経営、開発及びコンサルティング |
② 最近3年間に終了した各事業年度の売上、営業利益、経常利益及び純利益
(連結) (単位:百万円)
決算期 |
2022年2月期 |
2023年1月期 |
2024年1月期 |
売上高 |
4,619 |
9,053 |
12,570 |
営業利益(又は営業損失) |
△1,179 |
372 |
203 |
経常利益(又は経常損失) |
263 |
452 |
202 |
親会社株主に帰属する 当期純利益(又は当期純損失) |
582 |
486 |
50 |
(単体) (単位:百万円)
決算期 |
2022年2月期 |
2023年1月期 |
2024年1月期 |
売上高 |
3,856 |
6,742 |
9,342 |
営業利益(又は営業損失) |
△1,337 |
△259 |
159 |
経常利益(又は経常損失) |
105 |
△181 |
158 |
親会社株主に帰属する 当期純利益(又は当期純損失) |
77 |
△141 |
4 |
③ 大株主の氏名又は名称及び発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合
(2024年1月31日現在)
氏名又は名称 |
発行済株式の総数に占める 大株主の持株数の割合(%) |
株式会社アダストリア |
51.00 |
株式会社DDグループ |
12.60 |
稲本 健一 |
2.63 |
鈴木 伸典 |
2.04 |
梶田 知嗣 |
1.36 |
株式会社SKYインベストメント |
1.00 |
ゼットン従業員持株会 |
0.71 |
キーコーヒー株式会社 |
0.66 |
株式会社ノーズ |
0.41 |
株式会社マルト水谷 |
0.38 |
(注)発行済株式の総数に占める持株数の割合については、自己株式を除く発行済株式の総数に基づいて計算しております。
④ 提出会社との間の資本関係、人的関係及び取引関係
資本関係 |
当社はゼットンの普通株式3,289,400株(2024年1月31日現在の発行済株式総数6,449,766株(自己株式を除く)に占める議決権数の割合にして51.00%)を保有しており、同社の連結親会社であります。 |
人的関係 |
当社の役職員2名が、ゼットンの取締役に就任しております。また、当社からゼットンへの出向者の派遣があります。 |
取引関係 |
ゼットンから当社へのシステム開発業務の委託、当社のオフィス内カフェテリア運営のゼットンへの委託、ゼットンによる当社からの店舗運営に必要な商標及び在庫等の取得があります。 |
関連当事者への該当状況 |
ゼットンは当社の連結子会社であり、関連当事者に該当します。 |
(2)本件株式交換における完全子会社化の目的
当社は、当社及びその連結子会社17社、持分法適用関連会社1社(以下総称して「当社グループ」といいます。)により構成され、「Play fashion!」のミッションの下、ファッションを通じて、人々の心を豊かに、幸せにすることを使命としています。当社では、「グローバルワーク」、「ローリーズファーム」、「レプシィム」、「ジーナシス」、「レイジブルー」などのカジュアルファッションブランド、「ニコアンド」、「スタディオクリップ」、「ベイフロー」などのライフスタイル提案型ブランド、「アプレジュール」などのEC専業ブランド、「カオス」及び「カレンソロジー」などの洗練された大人に向けたブランドなど、様々なブランドを展開しております。
一方、ゼットンはゼットン及びその連結子会社1社により構成され、「店づくりは、人づくり。店づくりは、街づくり。」の経営理念の下、「国内商業タウン再生事業」、「海外商業タウン再生事業」及び「公園再生事業」の事業区分にて推し進めております。ゼットンは、今後、中長期的な経営戦略の一つとして、ゼットンが有するブランド力を最大限に活かし、新たなビジネスモデルの構築を行うと同時に、サステナブル戦略に基づく街づくりを、既存事業の磨き込みを軸として、持続可能な社会の実現と永続的な企業価値の向上を目指しております。
当社にとって飲食事業は、衣食住という言葉に表現されるように、消費者のライフスタイルの中で「食」は「衣」と並んで大きな領域であり、アパレルの枠を超えて生活のあらゆる場面で多様なライフスタイルをお客様に提案するために重要な要素であることから、飲食事業の拡大に向けて、既存の経営資源を利用した現状の延長線上での成長ではなく、他社との提携やM&Aによる成長の可能性を幅広く検討しておりました。そして、両社は、当社が飲食事業を立ち上げた2017年10月下旬から、経営テーマに関して議論を行うなど、取締役を中心に交流があったところ、当社がライフスタイル提案を目指す中で、ゼットンのブランドや商品、サービスといったコンテンツは、内装の一つ一つにこだわりを感じさせるクオリティの高い空間デザインを有しているとの評価を行っており、当社がターゲットとする、日常の洋服に気を配るといった消費行動を持つファッション感度の高い消費者層への訴求力があり、こだわりのある内装から醸し出されるスタイリッシュな空気感も当社のブランドとの親和性が高いとの評価も行っておりました。一方、ゼットンにおいても、Park-PFI制度(注)に基づいた公園開発事業や公共施設再開発といったサステナブル戦略を推進していくためには、飲食業で培ってきたノウハウを活かしながらも、他業種との連携なども視野に入れながら、飲食業の枠を飛び越える必要があると独自に認識しておりました。
(注)Park-PFI制度は、2017年の都市公園法改正により新たに設けられた、飲食店、売店等の公園利用者の利便の向上に資する公募対象公園施設の設置と、当該施設から生ずる収益を活用してその周辺の園路、広場等の一般の公園利用者が利用できる特定公園施設の整備・改修等を一体的に行う者を、公募により選定する制度となります。
そして、ゼットンは、新型コロナウイルス感染症の収束後においても、さらなる事業成長及び企業価値向上のためには、他業種も含めた外部連携が必要との認識の下、2021年1月上旬より、独自に他社との資本提携を含めた様々な選択肢の検討を開始し、その後、2021年12月14日付で両社は資本業務提携契約(以下「資本業務提携契約」といいます。)を締結するとともに、2021年12月から2022年2月にかけて実施された第三者割当増資及び公開買付けを経て、当社はゼットンの普通株式3,289,400株(2024年1月31日現在の発行済株式総数 6,449,766株(自己株式を除く)に占める議決権数の割合にして51.00%)を保有するに至り、連結子会社としております。
その後、両社間においては資本業務提携契約に基づいた、①両社それぞれが強みを持つ海外地域における、相互の商品、ブランド、事業の展開、②両社それぞれの既存ブランド事業における、相互の商品、ブランド、事業の展開、③当社グループのECプラットフォーム上におけるゼットン商品の取扱の拡充、④当社グループのオウンドメディアを通じたゼットンのプロモーション活動、⑤ゼットンブランドの雑貨の、当社グループ内での企画・製造、⑥当社グループがこれまで構築してきた商業施設とのコネクションを活用した共同での店舗開発や、海外のゼットンの未進出エリア(中国を含むアジア各国)の開拓、管理部門における人材交流や業務効率化等に関するノウハウの交流といった施策(以下①乃至⑥の施策を総称して「本提携施策」といいます。)について検討を進めてまいりました。
また、新型コロナウイルス感染症による世界的な混乱の収束を経て、ゼットンにおいては成長に資する事業機会、具体例としては(i)コロナ禍が過ぎた後においても外食企業の倒産や経営効率の向上のための店舗閉鎖が増えている背景を踏まえた、コロナ禍前には空テナントとなることがなかった物件及び賃料等の好条件下で内装造作などが既に施された居抜き店舗の紹介増加、(ⅱ)コロナ禍を経て顧客による外食への価値観が見直され、一度の食事利用における消費金額の上昇、(ⅲ)国内のみにとどまらず世界各国から引き合いのあるM&A案件や、Park-PFI制度における協業案件が生じてまいりました。
ゼットンが属する外食産業においては、急激な物価上昇や慢性的な労働力不足、IT活用の遅れなどが引き続き課題となっており、ゼットンにおいてもこれらの課題に対する施策の遂行が急務となっておりました。また、事業機会への投下資金の確保においては、外食産業に対する金融機関への融資姿勢は引き続き慎重であることから、機動的かつ十分な資金を確保するハードルが高い状況にありました。
このような状況を踏まえ、当社としては、本提携施策のみならず上記ゼットンにおける成長に資する事業機会を積極的かつスピーディに推進することは、長期的な両社の企業価値の向上に資すると考えるに至りました。一方、これらの施策は短期的には設備投資や費用の増加を伴い業績や経営指標の低下によりゼットンの少数株主の利益を損なう可能性があり、また、ゼットンにおいては上場企業として親会社である当社から独立した経営が行われ、当社との取引においては利益相反を回避するために慎重な検討を要する点から、積極的かつスピーディな実行が困難な状況にありました。
そこで、当社としてはゼットンを完全子会社化することによりこれらの課題を解決し、中長期的な両社の企業価値の向上を実現できると判断するに至り、2023年11月下旬より両社の間で本件株式交換に関する具体的な協議が開始され、ゼットンにおいては親会社で支配株主である当社との協議開始にともない、下記「(4)④公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置)」に記載のとおり、本件株式交換の公正性を担保するため、本件株式交換の検討にあたり必要となる独立した検討体制の具体的な内容について検討し、当該検討体制を適切に構築した上、本件株式交換に係る具体的検討を開始することといたしました。具体的検討を開始するに際しゼットンは、当社からの提案に対するゼットン取締役会における意思決定過程の公正性、透明性及び客観性の確保並びに意思決定の恣意性の排除を目的として、2023年12月14日に支配株主である当社との間で利害関係を有しない独立した委員から構成される拡大特別委員会(以下「本件拡大特別委員会」といい、詳細については下記「(4)④公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置)」をご参照ください。)を設置し、併せて外部専門家を起用する等の具体的検討に向けた体制を整備いたしました。
その後、当社は2023年12月27日付でゼットンに対し株式交換による完全子会社化を提案する旨の意向表明書を提出しました。
ゼットンは上記体制のもと当社からの提案について慎重に検討した結果、ゼットンは、当社の完全子会社となることで、従来以上に両社の連携を緊密化して、ゼットンの事業を拡大していく機会を図るとともに、資本業務提携契約における施策の実行を更に迅速化し、さらに、当社グループの有する商品開発やマーケティングのノウハウ、人材、資金力、国内外のネットワーク等の経営資源をより一層活用することにより、両社グループの中長期的な視点に立った経営戦略を機動的かつ迅速に実現することが可能となるため、本件株式交換はゼットンの企業価値の向上に資するとの認識に至りました。本件株式交換後の具体的な施策及びそれに基づき顕在化するシナジーとしては、以下のものを想定しております。
(i) 組織強化、採用力の強化、人材の拡充、DX化の推進
ゼットンが直面する現在の好機において、更に事業を拡大していくためには、営業力のバックサポートをする本部オフィス機能強化が必須となっており、採用力の強化、経営管理・店舗開発・バックオフィス業務等における人材やDX化の充実といった課題が生じております。ゼットンが当社の完全子会社となることにより、採用においては当社グループのノウハウやネットワーク並びにブランド力を活用することが可能となり、人材拡充やDX化においては当社グループからの経営管理・マーケティング・財務経理等の人材派遣や、DX化のノウハウを含むシステム基盤等の共有を受けられることが期待されます。
また、ゼットンが今後、ハワイ以外の海外展開やM&Aの推進を行うにあたっても、各国の慣習や法令等に適応したデュー・ディリジェンスやPMIの実行が必要となりますが、米国本土やアジア各国に拠点を有し、豊富なM&Aの実績を有する当社グループの人材やノウハウの共有を受けることにより、高い精度での海外展開・M&Aの遂行が実現できるようになると考えられます。
(ⅱ) 資金調達手段の機動性・条件の向上
コロナ禍の収束後においても、外食産業に対する金融機関への融資姿勢は引き続き慎重であることから、ゼットンにおいては金融機関からの借入れが十分かつタイムリーに行えない状況にありました。また、親会社である当社からのグループファイナンスに関しても、少数株主を有する上場企業として利益相反を回避するために慎重な検討を要します。
ゼットンが当社の完全子会社となることにより、ゼットンは金融機関からの借入れと比較して、アダストリアからのグループファイナンスを機動的かつ好条件で実現できるようになると考えております。
(ⅲ) (ⅱ)の資金調達の機動性の向上にともなう、新規店舗の付加価値向上やPark-PFI制度における入札力の向上
ゼットンが新規出店における物件獲得や内装造作への投資、Park-PFI制度への入札やプロジェクト遂行に際しての投資を行うにあたっては相応の資金負担が生じることになりますが、従来においては金融機関を含め外部資金の調達では機動性等に問題があり、事業キャッシュ・フローからの充当に拠らざるを得なかった状況でした。ゼットンが当社の完全子会社となり、上記(ⅱ)に記載の資金調達手段の機動性の向上が実現できた場合には、従来は取り組むことのできなかった規模の物件の取得や店舗のバリューアップ、Park-PFI制度の入札への参加並びに事業の拡大が可能になると考えております。
(ⅳ) 資本業務提携契約に基づく施策の積極化、機動性の向上
資本業務提携契約に基づく本提携施策の遂行に際しては、両社が独立した上場企業として検討する場合には利益相反等が発生するためにスピード感を持った意思決定を行うことが難しい状況にありました。ゼットンが当社の完全子会社となることにより、両社間の人材交流、情報やノウハウの共有が活発化され、本提携施策のアイデア立案の活発化、協議及び意思決定のプロセスの機動性が、ゼットンが少数株主を有し慎重な判断が必要となる現在と比べ飛躍的に向上することが期待されます。
また、両社は、完全子会社化の方法としては、本件株式交換の対価として当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)がゼットンの少数株主の皆様に交付されることにより、当社株式の保有を通じて、本件株式交換後に想定されている各種施策の実行を通じて期待されるシナジー効果や、シナジー効果の発現による当社グループの事業発展・収益拡大、その結果としての当社株式の価格上昇等を享受する機会をゼットンの少数株主の皆様に対して提供できる一方、流動性の高い当社株式を市場で取引することで随時現金化することも可能であることを踏まえ、本件株式交換のスキームを選択することが望ましいとの判断に至りました。
これらの点を踏まえて、両社において総合的に検討した結果、両社は本件株式交換によりゼットンが当社の完全子会社となることが、両社それぞれの企業価値の向上に資するものであるとの認識で一致したことから、両社において、本件株式交換に係る割当比率を含む諸条件についての検討及び協議を経て合意に至り、2024年3月21日、両社の取締役会において、当社がゼットンを完全子会社とすることを目的として、本件株式交換を実施することを決議し、本件株式交換契約を締結いたしました。
(3)本件株式交換の方法、本件株式交換に係る割当て内容その他本件株式交換の内容
① 本件株式交換の方法
当社を株式交換完全親会社、ゼットンを株式交換完全子会社とする株式交換となります。本件株式交換は当社については会社法第796条第2項の規定に基づく簡易株式交換の手続きにより株式交換の承認を得ずに、ゼットンについては2024年4月25日に開催予定の定時株主総会において承認を受けた上で、2024年6月1日を効力発生日とする予定です。
② 本件株式交換に係る割当ての内容
|
当社 (株式交換完全親会社) |
ゼットン (株式交換完全子会社) |
本件株式交換に係る割当比率 |
1 |
0.36 |
本件株式交換により交付する株式数 |
当社の普通株式:1,137,731株(予定) |
(注1)本件株式交換に係る割当比率
ゼットンの株式1株に対して、当社の株式0.36株を割当て交付します。但し、当社が保有するゼットン株式3,289,400株(2024年1月31日時点)については、本件株式交換による株式の割当ては行いません。
なお、上記株式交換比率(以下「本件株式交換比率」といいます。)は、算定の根拠となる諸条件に重大な変更が生じた場合、両社協議の上、変更することがあります。
(注2)本件株式交換により交付する当社株式数
当社は、本件株式交換に際して、本件株式交換により当社がゼットンの発行済株式(但し、当社が保有するゼットン株式を除きます。)の全部を取得する時点の直前時(以下「基準時」といいます。)におけるゼットンの株主の皆様(但し、当社を除きます。)に対して、その所有するゼットン株式の株式数の合計に本件株式交換比率を乗じた数の当社株式を割当て交付する予定です。なお当社はかかる交付に当たり、その保有する自己株式を充当する予定であり、本件株式交換における割当てに際して新たに株式を発行する予定はありません。また、ゼットンは、本件株式交換効力発生日の前日までに開催する取締役会の決議により、その保有する全ての自己株式(本件株式交換に関して行使される反対株主の株式買取請求に係る株式の買取りによって取得する自己株式を含みます。)を、基準時までに消却する予定です。本件株式交換によって割当て交付する株式数については、ゼットンによる自己株式の消却等の理由により今後修正される可能性があります。
(注3)単元未満株式の取扱い
本件株式交換に伴い当社の単元未満株式(100株未満の株式)を保有することとなる株主の皆様については、当社株式に関する以下の制度をご利用いただくことができます。なお、金融商品取引所市場において単元未満株式を売却することはできません。
単元未満株式の買増制度(1単元(100株)への買増し)
会社法第194条第1項及び当社の定款第8条の規定に基づき、当社の単元未満株式を保有する株主の皆様が、その保有する単元未満株式の数と併せて1単元(100株)となる数の普通株式を当社から買い増すことができる制度です。
単元未満株式の買取制度(1単元(100株)未満株式の売却)
会社法第192条第1項の規定に基づき、当社の単元未満株式を保有する株主の皆様が、その保有する単元未満株式を買い取ることを当社に対して請求することができる制度です。
(注4)1株に満たない端数の取扱い
本件株式交換に伴い、当社株式1株に満たない端数の割当てを受けることとなるゼットンの株主の皆様に対しては、会社法第234条その他の関連法令の規定に従い、その端数の合計数(合計数に1株に満たない端数がある場合は、これを切り捨てるものとします。)に相当する数の当社株式を売却し、かかる売却代金をその端数に応じて当該株主の皆様に交付いたします。
③ 本件株式交換に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
該当事項はありません。
④ その他の本件株式交換契約の内容
当社とゼットンとの間で2024年3月21日に締結した本件株式交換契約の内容は、以下のとおりです。
株式交換契約書
株式会社アダストリア(以下「甲」という。)及び株式会社ゼットン(以下「乙」という。)は、以下のとおり株式交換契約(以下「本契約」という。)を締結する。
第1条(株式交換)
甲及び乙は、本契約に定めるところに従い、甲を株式交換完全親会社、乙を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」という。)を行い、甲は、本株式交換により乙の発行済株式の全部を取得する。
第2条(甲及び乙の商号及び住所)
甲及び乙の商号及び住所は、以下のとおりである。
(1) 甲(株式交換完全親会社)
① 商号:株式会社アダストリア
② 住所:茨城県水戸市泉町三丁目1番27号
(2) 乙(株式交換完全子会社)
① 商号:株式会社ゼットン
② 住所:愛知県名古屋市東区徳川町1001番地
第3条(効力発生日)
本株式交換の効力発生日は、2024年6月1日とする。但し、本株式交換の手続の進行に応じ必要があるときは、会社法第790条の定めるところに従い、甲乙協議の上、これを変更することができる。この場合、乙は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告する。
第4条(本株式交換に際して交付する株式の数及びその割当てに関する事項)
1. 甲は、本株式交換に際して、本株式交換により甲が乙の発行済株式の全部を取得する時点の直前時(以下「基準時」という。)の乙の株主名簿に記録された株主(第7条に基づく乙の自己株式の消却後の株主をいうものとし、甲を除く。以下「基準時株主」という。)に対し、その所有する乙の普通株式に代わり、乙の普通株式数の合計に0.36 を乗じて得られる数の甲の普通株式を交付する。
2. 甲は、本株式交換に際して、基準時株主に対し、その所有する乙の普通株式1株につき、甲の普通株式0.36 株の割合をもって、甲の普通株式を割り当てる。
3. 甲は、本株式交換に際して、基準時株主に割り当てる甲の普通株式の数に1株に満たない端数が生じた場合には、会社法第234条の規定に従い処理する。
第5条(資本金及び準備金の額に関する事項)
本株式交換により、甲の資本金及び準備金の額は増加しない。
第6条(承認の手続)
1. 甲は、会社法第796条第2項の規定により、本契約につき甲の株主総会の決議による承認を得ないで、本株式交換を行うものとする。但し、同条第3項の規定に従い、甲の株主総会の承認を要することとなった場合には、甲は、効力発生日前日までに、甲の株主総会において、本契約の承認に関する決議を求める。
2. 乙は、効力発生日前日までに、乙の定時株主総会において、本契約の承認及び本株式交換に必要な事項に関する決議を求める。
第7条(自己株式の消却)
乙は、効力発生日の前日までに開催される乙の取締役会の決議により、基準時において乙が保有する自己株式(本株式交換に際して行使される会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に応じて取得する自己株式を含む。)の全部について基準時をもって消却するものとする。
第8条(会社財産の管理等)
甲及び乙は、本契約締結日から本株式交換の効力発生日までの間、善良なる管理者の注意をもってそれぞれその業務の執行並びに財産の管理及び運営を行い、その財産及び権利義務に重大な影響を及ぼす行為については、あらかじめ甲乙協議し合意の上、これを行うものとする。
第9条(剰余金の処分)
乙は、本契約締結日から本株式交換の効力発生日までの間、剰余金の配当を行わない。
第10条(本株式交換条件の変更及び本契約の解除)
本契約締結日から本株式交換の効力発生日の前日までの間において、甲又は乙の財産若しくは経営状態に重大な変動を生じた場合、本株式交換の実行に重大な支障となる事態が生じた場合、その他本契約の目的の達成が困難となった場合には、甲乙協議の上、本株式交換条件を変更し、又は本契約を解除することができる。
第11条(本契約の効力)
本契約は、第6条に定める甲及び乙の適法な機関決定又は本株式交換の実行のために必要な関係官庁からの認可・許可・登録・承認等が得られない場合は、その効力を失う。
第12条(協議事項)
本契約に定める事項のほか、本株式交換に関し必要な事項は、本契約の趣旨に従い、甲乙協議の上、これを定める。
第13条(準拠法及び裁判管轄)
本契約は日本国の法律に準拠し、これに従って解釈されるものとする。本契約から生じた、又はこれに関連する当事者間の紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
本契約締結の証として、本書2通を作成し、甲乙記名押印の上、各自1通を保有する。
2024年3月21日
甲:茨城県水戸市泉町三丁目1番27号
株式会社アダストリア
代表取締役社長 木村 治
乙:愛知県名古屋市東区徳川町1001番地
株式会社ゼットン
代表取締役社長 鈴木 伸典
(4)本件株式交換に係る割当ての内容の算定根拠等
① 割当ての内容の根拠及び理由
両社は、上記(2)「本件株式交換による完全子会社化の目的」に記載のとおり、2023年12月に当社からゼットンに対して本件株式交換による完全子会社化の提案が行われ、両社の間で真摯に協議・交渉を重ねた結果、当社がゼットンを完全子会社化することが、両社の企業価値向上にとって最善の判断であると考えるに至りました。
両社は、本件株式交換に用いられる上記「(3)本件株式交換に係る割当ての内容」に記載の本件株式交換比率の算定に当たって、公正性・妥当性を確保するため、それぞれ別個に、両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼することとし、当社は株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)を第三者算定機関に、ゼットンは三田証券株式会社(以下「三田証券」といいます。)をファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選定いたしました。
当社においては、下記「④公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置)」に記載のとおり、第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングから2024年3月19日付で入手した株式交換比率算定書、リーガル・アドバイザーである佐藤総合法律事務所からの助言の結果等を踏まえ、慎重に協議・検討した結果、本件株式交換比率は妥当であり、当社の株主の皆様の利益に資するとの判断に至ったため、本件株式交換比率により本件株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
他方、ゼットンにおいては、下記「④公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置)」に記載のとおり、第三者算定機関である三田証券から2024年3月19日付で受領した株式交換比率算定書、リーガル・アドバイザーである祝田法律事務所からの助言、当社との間で利害関係を有しない独立した委員のみから構成される本件拡大特別委員会からの指示、助言及び2024年3月21日付で受領した答申書の内容等を踏まえて、当社との間で複数回にわたり本件株式交換比率を含む本件株式交換の条件に関して慎重に交渉・協議を重ねた結果、本件株式交換比率は妥当であり、ゼットンの少数株主の皆様の利益に資するものであるとの判断に至ったため、本件株式交換比率により本件株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
両社は、上記のそれぞれにおける検討を踏まえて両社間で交渉・協議を重ねた結果、本件株式交換比率により本件株式交換を行うことが妥当なものであり、それぞれの株主の利益に資するとの判断に至ったため、本件株式交換比率により本件株式交換を行うこととし、2024年3月21日開催の両社の取締役会の決議に基づき、両社間で本件株式交換契約を締結しました。
なお、本件株式交換比率は、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社間で協議の上、変更することがあります。
② 算定に関する概要
イ.算定機関の名称並びに両社との関係
当社の第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングは、両社の関連当事者には該当せず、両社との間で重要な利害関係を有しません。
また、ゼットンの第三者算定機関である三田証券は、両社の関連当事者には該当せず、両社との間で重要な利害関係を有しません。
ロ.算定の概要
両社は、本件株式交換に用いられる株式交換比率の算定にあたって公正性を期すため、当社はプルータス・コンサルティングを、ゼットンは三田証券を第三者算定機関として選定し、それぞれ本件株式交換に用いられる株式交換比率の算定を依頼し、以下の内容を含む株式交換比率算定書を取得いたしました。
プルータス・コンサルティングは、両社の株式価値の算定手法として、両社ともに市場株価が存在していることから市場株価法を、両社いずれについても比較可能な上場類似会社が存在し、類似会社比較法による株式価値の類推が可能であることから、類似会社比較法を、また将来の事業活動の状況を評価に反映するため、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー(以下「DCF法」といいます。)を、それぞれ採用して算定を行いました。
当社の1株当たりの株式価値を1とした場合の各手法による株式交換比率算定結果は、それぞれ以下のとおりです。
採用手法 |
株式交換比率の算定レンジ |
市場株価法 |
0.30~0.37 |
類似会社比較法 |
0.21~0.30 |
DCF法 |
0.15~0.39 |
市場株価法においては、プルータス・コンサルティングは、算定基準日を本件株式交換契約締結日の前営業日である2024年3月19日として、当社及びゼットンの普通株式の、東京証券取引所及び名古屋証券取引所における算定基準日、算定基準日までの1か月間、3か月間及び6か月間における株価終値単純平均値を基に算定しております。
DCF法においては、当社については、当社が作成した2024年2月期から2026年2月期までの財務予測に基づく将来キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって企業価値や株式価値を算定しております。
ゼットンについては、ゼットンが作成した2025年1月期から2029年1月期までの財務予測に基づく将来キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって算定しております。
なお、プルータス・コンサルティングがDCF法による算定の前提としたゼットンの財務予測には、連結営業利益において大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には2026年1月期において、顧客単価の上昇や付加価値向上に伴う売上総利益率の向上、及び出店ペースの落ち着きによる販管費の低下により、連結営業利益が690百万円と対前年比で約130%増益することを見込んでおります。
本件株式交換の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、DCF法による算定の前提とした財務予測には反映しておりません。
プルータス・コンサルティングは、株式交換比率の算定に関して両社から提供を受けた資料及び情報、一般に公開された情報を原則としてそのまま使用し、分析及び検討の対象としたすべての資料及び情報が正確かつ完全であること、株式交換比率の算定に重大な影響を与える可能性がある事実でプルータス・コンサルティングに対して未開示の事実はないこと等を前提としており、これらの資料及び情報の正確性又は完全性に関し独自の検証を行っておらず、またその義務を負うものではありません。プルータス・コンサルティングは両社並びにそれらの関係会社のすべての資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みますが、それに限られません。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、また第三者への評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。プルータス・コンサルティングは、提供された両社の財務予測に関する情報が、それぞれの経営陣による現時点において可能な最善の予測と判断に基づき、合理的に作成されていることを前提としており、当社の同意を得て、独自に検証することなくこれらの情報に依拠しております。プルータス・コンサルティングの算定は2024年3月19日までにプルータス・コンサルティングが入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、プルータス・コンサルティングの算定は、当社の取締役会が株式交換比率を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
一方、三田証券は、両社の株式価値の算定手法として、両社ともに市場株価が存在していることから市場株価法を、また両社の将来の事業活動の状況を算定に反映させる目的から、両社の将来収益に基づき、将来生み出すと見込まれる将来キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより株式価値を算出する評価手法であるDCF法を、それぞれ採用して算定を行いました。なお、類似会社比較法については、ゼットンが属する外食産業は新型コロナウイルス感染症収束後の事業環境の過渡期にあり、ゼットン及び類似会社の直近の業績予想値を踏まえて適切な株式価値を算定することは困難であると判断したことから、採用しておりません。
当社の1株当たりの株式価値を1とした場合の各手法による株式交換比率算定結果は、それぞれ以下のとおりです。
採用手法 |
株式交換比率の算定レンジ |
市場株価法 |
0.30~0.37 |
DCF法 |
0.33~0.39 |
市場株価法においては、三田証券は、算定基準日を本件株式交換契約締結日の前営業日である2024年3月19日として、ゼットン及び当社の普通株式の、名古屋証券取引所及び東京証券取引所における算定基準日、算定基準日までの1か月間、3か月間及び6か月間における株価終値単純平均値を基に算定しております。
DCF法においては、当社については、当社が作成した2024年2月期から2026年2月期までの財務予測に基づく将来キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって算定いたしました。割引率は6.1%~8.1%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率法を採用し、永久成長率は0%として対象者株式の1株当たり株式価値を算定しております。
ゼットンについては、ゼットンが作成した2025年1月期から2029年1月期までの財務予測に基づく将来キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって算定いたしました。割引率は4.9%~6.9%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率法を採用し、永久成長率は0%として対象者株式の1株当たり株式価値を算定しております。
なお、三田証券がDCF法による算定の前提としたゼットンの財務予測には、連結営業利益において大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には2025年1月期及び2026年1月期において、顧客単価の上昇や付加価値向上に伴う売上総利益率の向上、及び出店ペースの落ち着きによる販管費の低下により、対前年度比で大幅な増益を見込んでおります。2025年1月期は連結営業利益が310百万円と対前年比で約53%増益すること、2026年1月期は連結営業利益が1,050百万円と対前年比で約239%増益することを見込んでおります。
本件株式交換の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、DCF法による算定の前提とした財務予測には反映しておりません。
三田証券は、株式交換比率の算定に関して両社から提供を受けた資料及び情報、一般に公開された情報を原則としてそのまま使用し、分析及び検討の対象としたすべての資料及び情報が正確かつ完全であること、株式交換比率の算定に重大な影響を与える可能性がある事実で三田証券に対して未開示の事実はないこと等を前提としており、これらの資料及び情報の正確性又は完全性に関し独自の検証を行っておらず、またその義務を負うものではありません。三田証券は両社並びにそれらの関係会社のすべての資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みますが、それに限られません。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、また第三者への評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。三田証券は、提供された両社の財務予測に関する情報が、それぞれの経営陣による現時点において可能な最善の予測と判断に基づき、合理的に作成されていることを前提としており、ゼットンの同意を得て、独自に検証することなくこれらの情報に依拠しております。三田証券の算定は2024年3月19日までに三田証券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、三田証券の算定は、ゼットンの取締役会が株式交換比率を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
③ 上場廃止となる見込み及びその理由
本件株式交換により、その効力発生日である2024年6月1日(予定)をもってゼットンは当社の完全子会社となり、完全子会社となるゼットンの株式は、名古屋証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て2024年5月30日に上場廃止(最終売買日は2024年5月29日)となる予定です。上場廃止後は、名古屋証券取引所においてゼットンの株式を取引することはできなくなりますが、本件株式交換効力発生日においてゼットンの株主の皆様に割り当てられる当社株式は東京証券取引所プライム市場に上場されているため、一部の株主の皆様においては単元未満株式の割当てのみを受ける可能性があるものの、1単元以上の株式については引き続き金融商品取引所において取引が可能であり、株式の流動性を確保できるものと考えております。
他方、本件株式交換により、当社の単元未満株式を保有することとなる株主の皆様においては、金融商品取引所において当該単元未満株式を売却することはできませんが、上記(3)②(注3)「単元未満株式の取扱い」記載のとおり、当社に対しご所有の単元未満株式の買取りを請求することができます。また、本件株式交換に伴い1株に満たない端数が生じた場合における端数の取扱いの詳細については、上記(3)②(注4)「1株に満たない端数の取扱い」をご参照ください。
なお、ゼットンの株主の皆様は、最終売買日である2024年5月29日(予定)までは、名古屋証券取引所ネクスト市場においてその保有するゼットン株式を従来どおり取引することができるほか、基準時まで会社法その他関係法令に定める適法な権利を行使することができます。
④ 公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置)
両社は、当社が、ゼットン株式3,289,400株(2024年1月31日現在の発行済株式総数 6,449,766株(自己株式を除く)に占める議決権数の割合にして51.00%)を保有しており、ゼットンが当社の連結子会社に該当することから、本件株式交換の公正性を担保する必要があると判断し、以下のとおり公正性を担保するための措置を実施しています。
(公正性を担保するための措置)
イ.独立した第三者算定機関からの株式交換比率算定書の取得
当社は、本件株式交換における株式交換比率の公正性を担保する観点から、上記「②算定に関する概要」の「ロ.算定の概要」のとおり、両社から独立した第三者機関であるプルータス・コンサルティングに株式交換比率の算定を依頼し、その算定結果を参考として、真摯に交渉・協議を行い、本件株式交換比率により本件株式交換を行うことを、2024年3月21日開催の取締役会にて、決議しました。
なお、当社はプルータス・コンサルティングからら株式交換比率の公正性に関する評価(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
ゼットンは、本件株式交換における株式交換比率の公正性を担保する観点から、上記「②算定に関する概要」の「ロ.算定の概要」のとおり、両社から独立した第三者機関である三田証券に株式交換比率の算定を依頼し、その算定結果を参考として、真摯に交渉・協議を行い、本件株式交換比率により本件株式交換を行うことを、2024年3月21日開催の取締役会にて、決議しました。
なお、ゼットンは、三田証券から株式交換比率の公正性に関する評価(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
ロ.独立した法律事務所からの助言
当社は、本件株式交換のリーガル・アドバイザーとして、佐藤総合法律事務所を選定し、本件株式交換の諸手続及び取締役会の意思決定の方法・過程等について、法的な観点から助言を得ております。なお、佐藤総合法律事務所は、両社から独立しており、両社との間で重要な利害関係を有しておりません。
他方、ゼットンは、本件株式交換のリーガル・アドバイザーとして、祝田法律事務所を選定し、本件株式交換の諸手続及び取締役会の意思決定の方法・過程等について、法的な観点から助言を得ております。なお、祝田法律事務所は、両社から独立しており、両社との間で重要な利害関係を有しておりません。
ハ.利害関係を有しない本件拡大特別委員会の設置及び答申書の取得
ゼットンは、2023年12月14日、本件株式交換に係るゼットンの意思決定に慎重を期し、また、ゼットン取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、当該取締役会において本件株式交換を行う旨の決定をすることがゼットンの少数株主の皆様にとって不利益なものでないことを確認することを目的として、いずれも当社と利害関係を有していない、橋本昌司氏(橋本総合法律事務所弁護士)、ゼットンの監査等委員である社外取締役であり名古屋証券取引所に独立役員として届け出ている渡部峻輔氏及び馳雅樹氏、並びにゼットンに常設されている特別委員会(注)の委員である森竹正明氏の4名により構成される本件拡大特別委員会を設置しました。なお、各委員の報酬に関しては、委員のうちゼットンの社外取締役である2名は社外取締役としての報酬に含まれており、その他2名に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず時間単位又は固定額及び超過部分は時間単位での報酬を支払うものとしています。
(注)ゼットンにおいては、関連当事者取引について、少数株主の利益を保護するほか、関連当事者との利益相反リスクについて適切に監視・監督することを目的として、関連当事者取引の必要性、合理性、相当性をゼットンの経営陣や関連当事者から独立した立場で審議し、その結果を取締役会に答申する「特別委員会」と呼称する委員会を従前より常設しております。この特別委員会の構成員は、渡部峻輔氏、馳雅樹氏及び森竹正明氏です。
ゼットンは本件株式交換を検討するに当たって、本件拡大特別委員会に対し、(ⅰ)本件株式交換の目的は合理的と認められるか(本件株式交換がゼットンの企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本件株式交換の条件(本件株式交換における株式交換比率を含む。)の公正性が担保されているか、(ⅲ)本件株式交換において、公正な手続を通じたゼットンの株主の利益への十分な配慮がなされているか、(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)を踏まえ、本件株式交換はゼットンの少数株主にとって不利益でないか、(以下(ⅰ)乃至(ⅳ)を総称して「本件諮問事項」といいます。)について諮問しました。本件拡大特別委員会は、2024年1月11日から2024年3月20日までに、会合を合計13回開催したほか、情報収集を行い、必要に応じて随時協議を行う等して、本件諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。具体的には、まず、ゼットンが選任した第三者算定機関である三田証券及び法務アドバイザーである祝田法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことを確認し、その選任を承認いたしました。その上で、ゼットンからは、ゼットンの事業内容・事業環境、主要な経営課題、本件株式交換によりゼットンの事業に対して想定されるメリット・デメリット、株式交換比率の前提となるゼットンの事業計画の策定手続等について説明を受けたほか、当社から、本件株式交換の目的、本件株式交換に至る背景・経緯、本件株式交換を選択した理由、本件株式交換後の経営方針や従業員の取扱い等について説明を受け、質疑応答を行いました。また、ゼットンの法務アドバイザーである祝田法律事務所から、本件株式交換に係るゼットンの取締役会の意思決定の方法・過程等、本件拡大特別委員会の運用その他の本件株式交換に係る手続面の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置に関して助言を受けるとともに、当社に対する法務デュー・ディリジェンスの結果について報告を受け、質疑応答を行いました。さらに、ゼットンは株式会社AGSコンサルティング(以下「AGSコンサルティング」といいます。)に対して、当社に対する財務・税務デュー・ディリジェンスの実施を依頼し、本件拡大特別委員会は、AGSコンサルティングから財務・税務デュー・ディリジェンスの結果について報告を受け、質疑応答を行いました。並びにゼットンの第三者算定機関である三田証券より本件株式交換における株式交換比率の評価の方法及び結果に関する説明を受け、質疑応答を行いました。なお、本件拡大特別委員会は、当社とゼットンとの間における本件株式交換に係る協議・交渉の経緯及び内容につき適時に報告を受けた上で、当社から本件株式交換比率についての最終的な提案を受けるまで、複数回にわたり交渉の方針等について協議を行い、ゼットンに意見する等しております。
本件拡大特別委員会は、かかる手続を経て、本件諮問事項について慎重に協議及び検討を行い、(ⅰ)本件株式交換は、ゼットンの企業価値の向上に資するものといえ、その目的は正当であり、合理性があると認められる旨、(ⅱ)本件株式交換の条件には公正性が認められる旨、(ⅲ)本件株式交換に係る交渉過程の手続には公正性が認められる旨、及び(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)を踏まえ、本件株式交換の決定がゼットンの少数株主にとって不利益なものではない旨が記載された答申書を、2024年3月21日付で、ゼットンの取締役会に対して提出しております。本件拡大特別委員会の意見の概要については、下記「ニ.当該取引等が少数株主にとって不利益なものではないことに関する、支配株主と利害関係のない者から入手した意見の概要」をご参照ください。
(利益相反を回避するための措置)
令和6年3月21日開催のゼットン取締役会では、ゼットン取締役10名のうち、木村治氏は当社の代表取締役社長を、新谷亮氏は当社の執行役員を兼務していることに鑑み、利益相反を回避する観点から、木村治氏、新谷亮氏を除く他の8名の取締役(監査等委員である者を含みます。)において審議の上、その全員一致で、本件株式交換を行うことの決議を行いました。なお、同じく利益相反を回避する観点から、木村治氏、新谷亮氏は、いずれも本件株式交換に関する協議及び交渉に参加しておりません。
ニ.当該取引等が少数株主にとって不利益なものではないことに関する、支配株主と利害関係のない者から入手した意見の概要
ゼットンは、上記「④公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置)」に記載のとおり、本件株式交換に係るゼットンの意思決定に慎重を期し、また、ゼットン取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、当該取締役会において本件株式交換を行う旨の決定をすることがゼットンの少数株主にとって不利益なものではないことを確認することを目的として、本件拡大特別委員会を設置し、本件諮問事項について諮問いたしました。その結果、本件拡大特別委員会から、2024年3月21日付で、大要以下のとおり答申書を受領いたしました。
(ⅰ)本件株式交換の目的の正当性・合理性(本件株式交換がゼットンの企業価値向上に資するかを含む。)
本件拡大特別委員会が、本件株式交換に至る背景・経緯、本件株式交換のメリット・デメリット等について、両社に対して行ったヒアリング等の内容をまとめると、大要、以下のとおりである。
・ゼットンにおける事業の現状としては、外食産業全般において、多くの企業が事業の縮小及び閉鎖を進める状況にもかかわらず、ゼットンは事業拡大の機会を得ることができており、具体的には、①好条件で物件を獲得していること、②Park-PFI制度を利用した公募は今後も増加する見込みであり、当該案件の獲得が公園再生事業の事業拡大に繋がること、③リアルタイムに店舗の収益状況や顧客状況を可視化し、オペレーションの平準化及び標準化につながるシステム設計を行うことで、従来の飲食企業経営の枠に留まらない事業フレームを構築することができるとの認識を有している。
・他方で、ゼットンとしては、上記の事業拡大の機会を活かし、事業拡大を図っていくためには、いくつかの課題を抱えており、具体的には、①組織強化、採用力の強化、人材の拡充及びDX化が不十分であること、②資金調達の機動性が不十分であること及び③両社の間で締結した資本業務提携契約に基づき、各提携施策を進めているものの、両社が独立した上場企業であり、両社間の取引では利益相反を回避する必要があることから、スピード感を持って遂行できないこと、が課題であると認識している。
・上記のようなゼットンにおける課題認識のもと、ゼットンが、本件株式交換により、当社の完全子会社となることによるメリットとしては、①組織強化、採用力の強化、人材の拡充及びDX化の推進が図られること、②資金調達の機動性の向上が図られること、③新規店舗の付加価値向上やPark-PFI制度における入札力の向上及び④資本業務提携契約に基づく本提携施策の迅速な遂行が図られることが考えられるところ、いずれもゼットンの抱える上記課題の解決に資するものといえ、ゼットンの企業価値向上に資するものと考えられる。
・加えて、上場維持に要する費用が削減でき、当該費用を成長投資や人材に対する投資等へ利活用することも可能となる。
・更に、ゼットンの企業価値を向上させる代替手段として本件株式交換より優位性を有する手段はなく、また、ゼットンの現状を鑑みると本件株式交換による特段のデメリットは想定されない。
以上の内容は、いずれも特段不合理な点は見当たらず、合理的な検討結果と認められるから、本件株式交換はゼットンの企業価値向上に資するものであり、本件株式交換の目的は正当性を有し、かつ合理的であると認められる。
(ⅱ)本件株式交換の条件(本件株式交換における株式交換比率を含む。)の公正性
a 交渉過程の手続の公正性
本件では、独立性のある委員で構成された本件拡大特別委員会は、本件拡大特別委員会が当社からの本件株式交換比率の提案への諾否及び反対提案の内容について述べ、ゼットンは、ゼットン第三者算定機関の助言及び本件拡大特別委員会からの意見・指示を受けながら、ゼットンが当社に返答するというプロセスで行われた。本件拡大特別委員会は、与えられた権限を踏まえて主体的に関与し、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本件株式交換が行われることを目指して複数回に亘り交渉を行った。その結果、当初の当社からの提案に比べ、本件株式交換における交換比率の増加を実現した。かかる経過に照らすと、本件株式交換における株式交換比率の交渉過程における手続の公正性が確保されていたと認められる。
b 株式価値算定と株式交換比率との関係
本件株式交換比率は、ゼットン第三者算定機関である三田証券より受領した2024年3月19日付算定書によれば、2024年3月19日を基準日とする市場株価法の算定結果及びDCF法の算定結果の算定レンジの範囲内にあり、かつ、市場株価法との関係ではレンジの中央値を超える水準となっていることが認められる。また、当社の提案書において参照されている公表日前日の過去1か月の終値の出来高加重平均値でみると、本件株式交換比率に係るゼットン株式に付されたプレミアムは、類似事例における過去1か月の終値の出来高加重平均値に対するプレミアムの平均値及び中央値には至らないものの、他の類似事例でも見受けられる水準のプレミアムが付されていると考えられる。更に、ゼットンが2023年12月14日に公表したゼットンの連結子会社であるZETTON,INC.(米国)が米国救済計画法に基づくレストラン活性化基金設立に伴い受給した820万ドルに関し、米国中小企業庁から受給資格の正当性について調査を受けていることに起因する偶発債務が顕在化する可能性を否定できないという特殊な事情も考慮すれば、本件株式交換比率は、少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
c 本件株式交換に係るスキームの妥当性
当社がゼットンを完全子会社化する方法としては、株式交換のほかに、当社がゼットンの株式を公開買付けすることが考えられるところ、株式交換は、公開買付けと比べ、株式交換によって当社の株式がゼットンの少数株主に交付され、当社株式をゼットンの少数株主が保有することになるが、本件株式交換後に想定されている各種施策の実行を通じて期待されるシナジー効果や、シナジー効果の発揮による当社の事業発展・収益拡大、その結果としての当社株式の株価上昇・配当を享受する機会をゼットンの少数株主に対して提供できるという利点がある。
なお、一般に、株式交換については、株式交換によって、当社の株式がゼットンの少数株主に交付されることから、ゼットンの少数株主は、ゼットンの事業以外の当社の事業に内在するリスクを負わされることになるので、ゼットンと当社のシナジー効果の発揮による当社の株式の株価上昇や配当を享受することが必ずしもできるわけではないとの懸念がある。しかし、少数株主がかかるリスクを重視するのであれば、株式交換後に当社株式を市場で売却し、現金化することが可能であるから、それほど大きな懸念事項とはいえない。
したがって、当社がゼットンを完全子会社化する方法として、公開買付けによらずに株式交換によることが、ゼットンの少数株主にとって不合理なものであるとはいえない。
d 小活
以上を総合的に考慮すると、株式交換比率を含む本件株式交換の条件は公正性が担保されていると考えられる。
(ⅲ)本件株式交換に係る手続(交渉過程及び意思決定に至る過程を含む。)の公正性
本件株式交換がいわゆる「支配株主による従属会社の買収」として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在することを踏まえ、本件株式交換に係る手続の公正性の担保、本件株式交換の実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、ゼットンが実施した対応は大要以下のとおりである。
a 利害関係を有しない特別委員会の設置
ゼットン取締役会は、2023年12月14日、当社から本件株式交換に係る提案を受け、ゼットン取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、ゼットン取締役会において本件株式交換を行う旨の決定をすることがゼットンの少数株主にとって不利益なものでないことを確認することを目的として、本件拡大特別委員会の設置を決定しており、本件株式交換にかかる取引条件が決定される前に設置したものと評価することができる。この点、本件拡大特別委員会の各委員は、社外取締役2名及び社外有識者2名により構成され、また、その報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位での報酬か、又は固定報酬及び超過部分は時間単位での報酬のみであり、本件株式交換の成立等を条件とする成功報酬は含まれていないため、当社及び本取引の成否からの独立性はいずれも認められる。更に、本件拡大特別委員会は、交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保していた。これらの点等に鑑みれば、本件拡大特別委員会は公正性担保措置として有効に機能していたと認められる。
b 外部専門家の専門的助言等の取得
ゼットン取締役会は、意思決定の公正性及び適正性を担保するために、独立したリーガル・アドバイザーである祝田法律事務所からゼットンに対する法務デュー・ディリジェンスの報告結果やその他法的助言・意見等を取得するとともに、独立性が認められるAGSコンサルティングから当社に対する財務・税務デュー・ディリジェンスの報告結果等を取得し、更に、独立した第三者算定機関である三田証券から、ゼットン株式及び当社の株式価値及び本件株式交換比率に関する資料としての2024年3月19日付算定書を取得している。なお、第三者算定機関である三田証券に対する報酬には、本件株式交換の成立を条件とする追加的な成功報酬が含まれているものの、同種の取引において一般的に行われている慣行であり、支払う報酬の水準は、同種の取引と比較しても一般的な範囲内であることから独立性に影響はないと評価することができる。
c 利益相反を回避するための意思決定プロセス
ゼットン取締役10名のうち、木村治氏は当社の代表取締役社長を、新谷亮氏は当社の執行役員を兼務していることに鑑み、利益相反を回避する観点から、木村治氏、新谷亮氏を除く他の8名の取締役(監査等委員である者を含む。)において審議の上、その全員一致で、本件株式交換を行うことの決議を行うことを想定している。
なお、ゼットン株式の価値評価の基礎となる事業計画の作成については、ゼットンの財務を担当しており、作成過程への関与が必須であった新谷亮氏が加わっているものの、同氏は本件株式交換に関してそれ以上の関与はしておらず、とりわけ、本件株式交換に関するゼットンの意思決定には関与していない。
以上を総合的に考慮すると、本件株式交換において、公正な手続を通じたゼットンの少数株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられる。
(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)を踏まえ、本件株式交換はゼットンの少数株主にとって不利益でないか
上記(ⅰ)から(ⅲ)を総合的に考慮すると、本件株式交換についての決定はゼットンの少数株主にとって不利益なものでないと考えられる。
(5)本件株式交換契約の後の株式交換完全親会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純
資産の額及び事業の内容
商号 |
株式会社アダストリア |
本店所在地 |
茨城県水戸市泉町三丁目1番27号 |
代表者の氏名 |
木村 治 |
資本金の額 |
2,660百万円 |
純資産の額 |
現時点では確定しておりません。 |
総資産の額 |
現時点では確定しておりません。 |
事業の内容 |
カジュアル衣料・生活雑貨・服飾雑貨の小売業 |
以 上