(注) 1.当社は、2023年10月6日付の当社取締役会決議により、下記「募集又は売出しに関する特別記載事項 [株式発行プログラムの内容等](1) 本プログラムの内容」に記載の一連の当社普通株式の第三者割当増資を行う株式発行プログラム(割当可能当社普通株式総数6,000,000株)(以下「本プログラム」といいます。)の導入及び本有価証券届出書により募集する当社普通株式(以下「本株式」といいます。)の発行につき決議しております。本株式は、本プログラムに基づく第5回の割当(以下「第5回割当」といいます。)として、EVO FUND(以下「割当予定先」といいます。)を割当予定先として、発行されるものです。
2.振替機関の名称及び住所
名称 株式会社証券保管振替機構
住所 東京都中央区日本橋兜町7番1号
3.発行数は本有価証券届出書提出日時点の暫定的な割当数量であり、最終的な各割当数量は1,200,000株から2,500,000株の範囲内で、かつ本プログラムに基づき発行される株式数の累計が6,000,000株を超えない範囲で、割当決議日前に割当予定先が当社に対し通知することにより決定するものとされております。
(注) 1.本株式の募集は第三者割当の方法によります。
2.上記の発行価額の総額及び資本組入額の総額は、本有価証券届出書提出日の直前取引日までの10取引日間において取引所により発表された当社普通株式の普通取引の終値の単純平均値に相当する金額(小数第1位切捨て)(368円)に基づいた見込額であり、実際の金額は、本株式の発行条件を決定する日(以下、本新株式(下記「4 新規発行による手取金の使途 (1) 新規発行による手取金の額」において定義いたします。)の発行条件の決定日と個別に又は総称して「割当決議日」といいます。)における取締役会決議(以下、本新株式の割当決議日における割当決議と個別に又は総称して「割当決議」といいます。)に基づき、本株式に係る割当決議日(2024年4月3日)の直前取引日(同日を含みます。)までの10取引日間において株式会社東京証券取引所(以下「取引所」といいます。)が発表する当社普通株式の普通取引の終値の単純平均値に相当する金額(小数第1位切捨て)に基づいて決定される予定です。
3.発行価額の総額は、会社法上の払込金額の総額であり、資本組入額の総額は、会社法上の増加する資本金の額の総額であります。また、増加する資本準備金の総額についても、実際の金額は割当決議に基づき、本株式に係る割当決議日(2024年4月3日)の直前取引日(同日を含みます。)までの10取引日間において取引所が発表する当社普通株式の普通取引の終値の単純平均値に相当する金額(小数第1位切捨て)に基づいて決定される予定です。
4.発行数は本有価証券届出書提出日時点の暫定的な割当数量であり、最終的な各割当数量は1,200,000株から2,500,000株の範囲内で、かつ本プログラムに基づき発行される株式数の累計が6,000,000株を超えない範囲で、割当決議日前に割当予定先が当社に対し通知することにより決定するものとされております。
(注) 1.第三者割当の方法により行うものとし、一般募集は行いません。
2.割当予定先との間で、本株式に係る第三者割当契約を締結する予定です。払込期日までに、割当予定先との間で第三者割当契約を締結しない場合は、本株式の第三者割当増資(以下「本第三者割当増資」といいます。)は行われないこととなります。
3.発行価格及び資本組入額は、下記「募集又は売出しに関する特別記載事項 [株式発行プログラムの内容等](1) 本プログラムの内容」に記載のとおり、本株式に係る割当決議により決定する予定です。発行価格は、本株式に係る割当決議日(2024年4月3日)の直前取引日(同日を含みます。)までの10取引日間において取引所が発表する当社普通株式の普通取引の終値の単純平均値に相当する金額(小数第1位切捨て)に基づいて決定される予定です。
4.発行価格は、会社法上の払込金額です。資本組入額は、会社法上の増加する資本金の額です。
5.申込方法は、総数引受契約を締結し、払込期日に後記払込取扱場所へ発行価額の総額を払い込むものとします。
該当事項はありません。
(注) 1.2023年10月6日において、第5回割当により発行される株式の他、下記「募集又は売出しに関する特別記載事項」で詳述する第1回割当乃至第4回割当により発行される株式の発行(以下、本株式とあわせて、個別に又は総称して「本新株式」といいます。)についても決議しておりますが、上記の金額は、本株式に係る払込金額を記載しております。本株式及び本新株式の発行に伴う払込金額の総額(見込額)は1,611,300,000円です。当該払込金額の総額(見込額)に関して、割当ごとの内訳(第5回割当は見込額)は以下のとおりとなっており、第5回割当の発行につき1,050,000株の割当を前提とし、その発行価額は、本有価証券届出書提出日の直前取引日(同日を含みます。)までの10取引日間において取引所により発表された当社普通株式の普通取引の終値の単純平均値に相当する金額(小数第1位切捨て)(368円)であると仮定したうえで算出しております。なお、第5回割当に係る実際の割当株式数は、各割当決議日までに、1,200,000株から2,500,000株の範囲内で、かつ本プログラムに基づき発行される株式数の累計が6,000,000株を超えない範囲で、割当決議日前に割当予定先が当社に対し通知することにより決定するものとされております。また、第5回割当に係る実際の発行価額は、各割当決議日の前取引日(同日を含みます。)までの10取引日間において取引所が発表する当社普通株式の普通取引の終値の単純平均値に相当する金額(小数第1位切捨て)となる予定です。
① 第1回割当により発行される株式に係る払込金額の総額 379,200,000円
② 第2回割当により発行される株式に係る払込金額の総額 313,200,000円
③ 第3回割当により発行される株式に係る払込金額の総額 276,000,000円
④ 第4回割当により発行される株式に係る払込金額の総額 256,500,000円
⑤ 第5回割当により発行される株式に係る払込金額の総額 386,400,000円
2.発行諸費用の概算額は、本プログラム全体に要する発行諸費用の概算額の5分の1に相当する金額であります。
3.本プログラム全体に要する発行諸費用の概算額の内訳は、弁護士費用・届出書データ作成料、法務局登記費用、その他諸費用(司法書士費用・信用調査費用等)です。
4.発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。
本プログラムにより調達される手取金の使途につきましては、次のとおりの具体的な使途を予定しております。なお、上記の資金使途に充当するまでの間、当該資金は銀行預金で保管する予定です。
(注) 上記記載は、本プログラム全体で調達される手取金の使途について記載しております。本プログラムの詳細については、下記「募集又は売出しに関する特別記載事項 [株式発行プログラムの内容等]」をご参照ください。上記で記載しております本プログラム全体で調達される手取金については、本プログラム全体における払込金額の総額の見込額1,611,300,000円から、本プログラム全体に要する発行諸費用の概算額24,400,000円を差し引いた金額である1,586,900,000円として記載しております。なお、本プログラム全体における払込金額の総額の見込額1,611,300,000円のうち、第5回割当の払込金額については、本有価証券届出書提出日の直前取引日(同日を含みます。)までの10取引日間において取引所により発表された当社普通株式の普通取引の終値の単純平均値に相当する金額(小数第1位切捨て)(368円)に基づいた見込額です。実際には、第5回割当の払込金額は、当該割当に係る割当決議日の直前取引日(同日を含みます。)までの10取引日間において取引所が発表する当社普通株式の終値の単純平均値に相当する金額(小数第1位切捨て)として確定され、当該払込金額の確定及び本新株式の発行数の確定によって本プログラムによる調達資金の総額、発行諸費用の概算額及び差引手取概算額は増加又は減少することがあります。
(募集の目的及び理由)
当社は、下記「(資金調達の目的)」に記載の資金調達を行うために、様々な資金調達方法を検討いたしましたが、本プログラムによる資金調達方法を選択した理由につきましては、「募集又は売出しに関する特別記載事項 [株式発行プログラムの内容等](2) 本プログラムによる資金調達方法を選択した理由」に記載のとおりであり、本スキームが当社の資金調達ニーズに最も合致していると判断いたしました。そのため、本第三者割当増資により資金調達を行おうとするものであります。
(資金調達の目的)
<当社の事業目的、経営戦略>
当社は、元米国アムジェン社(注1)本社副社長で、同社の日本法人であるアムジェン株式会社(現在は武田薬品工業株式会社が全事業を譲受)の創業期から約12年間社長を務めた吉田文紀が、2005年3月に設立した医薬品企業です。
経営理念は「共創・共生」(共に創り、共に生きる)で表され、患者さんを中心として医師、科学者、行政、資本提供者を「共創・共生」の経営理念で結び、アンメット・メディカル・ニーズ(Unmet Medical Needs)(注2)に応えていくことにより、社会的責任及び経営責任を果たすことを事業目的としています。
(注1) バイオ医薬品業界最大手。1980年、米国カリフォルニア州サウザンド・オークスにおいて、AMGen(Applied Molecular Genetics Inc.)として設立。日本においては、1993年5月にアムジェン株式会社として業務を開始しました。なお、2008年2月に武田薬品工業株式会社がアムジェン株式会社の株式を100%取得後、現在は武田薬品工業株式会社が全事業を譲受しています。
(注2) アンメット・メディカル・ニーズ(Unmet Medical Needs)とは、未だ満たされない医療上の必要性を意味し、患者さんや医師から強く望まれているにもかかわらず有効な既存薬や治療がない状態を指します。
がん及び血液領域における希少疾病分野(注3)の研究開発の多くは、欧米を中心に、大手製薬企業よりもむしろ、多くの大学・研究所、バイオベンチャー企業により創薬研究・新薬開発が活発に行われ、海外では既に数々の有用な新薬が医療の現場に提供されています。しかし、これらの分野は開発に高度の専門性が求められることから、開発の難度も高く、また大手の製薬企業が事業効率の面、採算面で着手しにくいため日本を初めとして、世界各国において手掛けられていない空白の治療領域となっています。当社は、極めて医療上のニーズは高いものの、新薬の開発が遅れている空白の治療領域をビジネスチャンスと捉え、特に、高い専門性が求められ難度が高いために参入障壁の高いがん及び血液領域を中心とした日本初のスペシャリティ・ファーマ(注4)です。当社は、大型新薬(いわゆる売上高が1,000億円を超える「ブロックバスター」)の追求ではなく、マーケットは相対的に小規模でも医療ニーズの高い希少疾病分野を中心とした新薬開発に取り組み、これらの医薬品及び新薬候補品を数多く保有することにより、強固なパイプライン・ポートフォリオを構築し、高付加価値で高収益を達成し、持続性のある事業展開を進めています。
当社は、このような空白の治療領域を埋めるための新薬の開発・提供を行うことを企業使命として設立されました。新薬が開発されないことで治療上の問題を抱えている患者さんに対して、短期間で開発をし、迅速に治療薬をお届けすることを最優先に考え、医療への貢献、そして医薬品業界の健全な発展に寄与することにより、企業使命の実現と企業としての持続的成長との両立の道を目指しています。
(注3) 希少疾病分野とは、患者数が少ない疾病分野のことで、この分野に対する医薬品は希少疾病用医薬品(Orphan Drug:オーファンドラッグ)と呼ばれます。厚生労働省はオーファンドラッグ制度を設定し、我が国において患者数が5万人未満の重篤な疾病であること、医療上特にその必要性が高いこと等をその指定の基準としています。当該指定を受けると、申請から承認までの期間が短縮され、再審査期間が最長10年になる等の優遇措置があります。
(注4) スペシャリティ・ファーマとは、得意分野において国際的にも一定の評価を得る研究開発力を有する新薬開発企業をいいます(2007年「新医薬品産業ビジョン」(厚生労働省)の定義による。)。
創薬系事業の特徴として、新薬の開発は長期間にわたり膨大な先行投資を強いられるものの、その研究開発の成功確率は極めて低いことが知られています。一般に、研究所において何らかの生物・生理活性(注5)が認められた化合物が新薬として承認にいたる確率は、2万分の1~2万5千分の1(出典:日本製薬工業協会「製薬産業テキストブック2020-2021」)と言われています。また、日本の薬価制度は2018年に抜本的に見直され、薬価引き下げが毎年実施されるようになったこと等もあり、承認された新薬の収益性を長期的に維持することが厳しくなっています。当社は、このような創薬系事業の難しさを踏まえた事業モデルを構築しています。
当社では、開発に係る様々なリスクと費用を軽減するとともに、開発候補品の臨床試験を迅速・確実に進め、開始から承認取得までの期間を短縮するために、主として既にヒトでPOC(Proof Of Concept)(注6)が確立され、前臨床試験データと臨床試験データがある化合物を対象としています。これらの化合物の探索は当社独自の探索ネットワークと評価ノウハウを活用して、社内の経験を有した専門スタッフによる第1次スクリーニングにより絞り込みを最初に行います。その後、科学的諮問委員会(Scientific Advisory Board:以下「SAB」といいます。)(注7)において、第一線で関連分野における治療の研究に携わる経験豊かな社外専門家の厳密な評価を受けたうえで、当社において最終的な導入候補品を決定いたします。
社内外の専門家による、こうした「目利き」のプロセスを経て、当社はがん及び血液領域を中心として、製薬企業、バイオベンチャー企業等から主にヒトでPOCが確立された開発品の日本及びアジア諸国、さらには欧米を含むグローバルの開発・製造・販売権を継続的に確保することにより、持続性のある事業を展開しています。そのような、開発の成功確率が高く、事業性のある、魅力的な開発候補品を導入するためには、この「目利き」の力に加え、がん及び血液という開発の難度が高い治療領域における当社の開発力について、開発候補品の提供者であるライセンサーから高い評価を得ることも導入の成否を決める重要なポイントとなります。そのためには、①適切な治験計画の策定、②治療対象となる適切な治験患者の選定、③その領域における医学専門家と公正な関係を維持・構築できる、専門性の高い優秀な開発スタッフが必要となります。これらの総和が開発力となり、開発を着実に、かつ迅速に実行することが可能となります。抗がん剤SyB L-0501での実績として、がん及び血液分野で実績のある大手製薬企業の開発部門で経験を積んだ人材を中心に構築された当社の開発チームが、2005年のライセンス導入から2009年の承認申請までを僅か4年間という短期間で達成し、ライセンサー、パートナー企業、導入候補先企業から高い評価を得て、その後の当社の導入候補品検討数の増加及び複数パイプラインの導入に繋がりました。
なお、開発につきましては、基本的な開発戦略の中枢となる臨床試験のデザイン、海外の試験との連携、医学専門家との調整等は当社が主体となって手掛け、定型的な開発業務は、外部資源であるCRO(Contract Research Organization受託臨床試験実施機関)(注8)へ業務委託し、製造についてはライセンス供給元又は当社が信頼する国内外の製薬企業へ業務委託を行います。
販売につきましては、2008年8月に締結した事業提携契約に基づき、エーザイ株式会社を通じて国内販売を行っていました。事業提携契約が2020年12月に満了となることから、2018年10月よりトレアキシン®(注9)の国内販売について自社による販売体制構築の準備を開始しました。具体的には、がん及び血液領域に精通した自社MR(Medical Representative)(注10)を中核とした全国営業体制の構築と流通及び物流機能の整備を推進するとともに、営業戦略・企画の策定及び市場調査を行うマーケティング体制を強化することによって、関係治療領域におけるKOL(Key Opinion Leader)(注11)との良好な関係を構築し、的確な医療ニーズの把握と市場調査を行い、各種データ及びノウハウの蓄積を図る体制を整え、2020年12月の契約満了時に予定どおり自社販売体制へ移行しました。
(注5) 生理活性とは、化学物質が生体の特定の生理的調節機能に対して作用する性質のことです。この生理活性の作用を持つ化学物質を疾病治療に応用したものが医薬品となります。
(注6) POC(Proof of Concept)とは、新薬候補物質の有効性や安全性を臨床で確認し、そのコンセプトの妥当性を検証することを意味します。
(注7) 科学的諮問委員会(SAB:Scientific Advisory Board)とは、世界中から集まる膨大な新薬候補を元に、医療ニーズの高さや収益性などリスクバランスのとれたポートフォリオを、それぞれの専門の立場から意見や提言を交え徹底的に議論したうえで、パイプライン戦略を構築する、当社の重要な評価機関です。当社では、SABを年2~3回開催し、世界中から優れた実績と経験をもつ臨床医・基礎科学者の方々に、当社の創薬研究及び新薬開発のアドバイザーとして参画いただいています。
(注8) CRO(Contract Research Organization)とは、製薬企業が、自社で実施する開発業務を遅滞なく進めるために、一部の業務について委託を行う機関です。委託業務の内容としては、治験が実施計画書どおりに遂行されているかをモニタリングするモニター業務や、臨床データを管理するデータ管理業務などがあります。
(注9) トレアキシン®(開発コード:SyB L-0501、一般名:ベンダムスチン塩酸塩又はベンダムスチン塩酸塩水和物)
(注10) MR(Medical Representative)とは、自社医薬品に関する情報の専門家として医療機関を訪問し、医療関係者と面談することにより、医薬品の品質・有効性・安全性等に関する情報の提供・収集・伝達を主な業務とする医療情報担当者をいいます。
(注11) KOL(Key Opinion Leader)とは、担当領域の治療において他の医師に影響力を持つ医師のことをいいます。
当社は、上記の事業を成功させるために、主に以下の5つの事業戦略を展開しています。
(a) ポストPOC戦略による開発リスクの軽減
当社の導入候補品(注12)は、主として既にヒトでPOCが確認されていることを原則としています。従って、臨床開発ステージが比較的後期段階にある候補品か、既に海外で上市されている製品が対象となります。これらの導入候補品は既に海外で先行して開発が行われており、新薬としてヒトでの有効性・安全性が確認されていることから、開発リスクを軽減でき、また、先行している海外の治験データを活用することにより日本を含め世界各国における開発期間を短縮するとともに開発コストを低減し、成功確率を高めることが可能となります。
(注12) 導入候補品とは、当社の開発候補品として他社より開発権等の権利取得を検討している化合物を指します。
(b) 高度な探索及び評価能力による、優れたパイプラインの構築
当社の新薬サーチエンジンは、製薬企業及びバイオベンチャー企業等との多様なネットワークによって構築され、膨大な化合物の中から、社内の専門家による厳正な評価を経て、有望な導入候補品が抽出されます。これらの導入候補品はさらに、第一線で研究に携わる経験豊かな専門家により構成されるSABに諮られ、そのアドバイスと評価を受けたうえで導入候補品を決定しています。この開発品導入決定までの高度なスクリーニングプロセスは、既に海外において有効性・安全性が確認された開発品を導入するポストPOC戦略と相まって開発リスクの軽減と開発期間の短縮につながることになり、また、候補品が医療の現場において求められるものかどうかの医療ニーズの充足度に対する理解、及び上市後の収益予測の精度向上に貢献しています。
(c) ラボレス・ファブレス戦略(注13)による固定費抑制
当社は、一切の研究設備や生産設備を保有していません。研究設備・生産設備はともに固定費発生源の代表格ですが、当社はこれらを一切保有せずに、開発候補品の探索及び導入後は、開発品の開発戦略策定と実行等の付加価値の高い業務に専念し、そのほかに必要とされる定型的な開発業務は外注しています。これにより低コストの医薬品開発を実現するとともに、財務戦略の機動性を確保しています。
(注13) ラボレス・ファブレス戦略とは、ラボラトリー(laboratoryless:実験室や研究所)とファブ(fabrication facility:工場)をレス(less:持たない)することを意味し、研究設備・生産設備や人員を調達・保有するリスクを回避し、限られた経営資源を企画・開発、デザイン・マーケティングなど高付加価値分野に特化・集中する戦略です。
(d) ブルーオーシャン戦略(注14)による高い事業効率の実現
海外で標準治療薬として使用されている製品が日本では使用できない、又は海外で新薬として承認された製品が5年近くも遅れて日本で承認される、いわゆるドラッグ・ラグの問題が深刻化しており、がん患者の難民という言葉も生まれています。このドラッグ・ラグは、当社の戦略的開発領域である難治性のがん及び血液疾患領域で特に目立っています。特に抗がん剤の市場自体は大きく、また高齢化に伴い現在も拡大傾向にあるものの、抗がん剤の対象疾患は多岐にわたり、がん腫により細分化されているため、各々のがん腫でみると対象患者数が多くはない治療領域が数多く存在します。これらの領域での新薬の開発には、極めて高い専門性が求められ、開発の難度が高い半面、大手の製薬企業では採算性などの問題から開発に着手しにくいことがその理由の一つといわれています。しかし、ひとたび、そうした領域において新薬の承認を取得し上市できれば、競合が少ないため、これらの領域で適応拡大・新製品上市を着実に積み上げていくことで、高成長・高収益を実現できるものと考えています。
(注14) ブルーオーシャン戦略とは、競合との熾烈な競争により限られたパイを奪い合う市場(レッドオーシャン)を避け、市場を再定義し、競合のいない未開拓な市場(ブルーオーシャン)を創造することで、顧客に高付加価値を与えつつ利潤の最大化を目指す戦略です。
(e) アジアからグローバル展開へ
当社はこれまで日本を中心としたアジア各国を対象に事業を展開してまいりました。しかしながら、日本の医療を取り巻く環境が大きく変わっていく中、アジアに留まっていては大きな発展は望めません。そのため、グローバルな展開を視野に入れた開発候補品の探索及び評価を実施しています。2019年9月にはキメリックス・インク社(Chimerix, Inc. 本社:米国ノースカロライナ州)との間で抗ウイルス薬ブリンシドフォビルに関しての独占的グローバルライセンス契約を締結し、当社は天然痘疾患を除く全ての疾患を対象とした世界全域における開発・販売に加えて製造を含む独占的権利を取得しました。
2021年3月に、主に小児対象(成人も含みます。)の造血幹細胞移植後の播種性アデノウイルス(AdV)感染症を対象とする第Ⅱ相臨床試験を開始するため、米国食品医薬品局(FDA)にInvestigational New Drug(IND)Application(治験許可申請)を行いました。本開発プログラムについては、2021年4月に、FDAからファスト・トラック(Fast track)指定を受けており、2021年8月には第1例目(FPI: First Patient In)の投与を開始しました。さらに、2022年1月に英国医薬品庁に治験申請を提出しました。
アデノウイルス(AdV)感染症を対象とする試験により得られた有効性と安全性に関する知見に基づき、造血幹細胞移植後の各種dsDNAウイルス(注15)感染症に対する効果を検討し、抗マルチウイルス感染症へ対象領域を拡大し、さらには腎臓移植を含む臓器移植分野、がん領域等の対象領域拡大の可能性を追求することで、市場の拡大とBCVの事業価値の最大化を目指しています。
(注15) dsDNAウイルス:CMV(サイトメガロウイルス)、AdV(アデノウイルス)、EBV(エプスタイン・バール・ウイルス、HV(ヘルペスウイルス)、BKV(BKウイルス)、パピローマウイルス及び天然痘ウイルスなどアデノウイルス科、ポリオーマウイルス科、パピローマウイルス科、ポックスウイルス科を含みます。
<当社グループのパイプラインの進捗状況>
当社グループは現在開発中のパイプラインとして、SyB L-0501、SyB L-1101、SyB C-1101、SyB L-1701及びSyB L-1702、SyB V-1901を有しています。今後も開発候補品を継続的に導入することにより、パイプラインのより一層の拡充及びリスク・リターンのバランスのとれたパイプライン・ポートフォリオを構築してまいります。
① 抗がん剤SyB L-0501(FD製剤)/SyB L-1701(RTD製剤)/SyB L-1702(RI投与))(一般名:ベンダムスチン塩酸塩又はベンダムスチン塩酸塩水和物、製品名:トレアキシン®)
SyB L-0501の主成分であるベンダムスチン塩酸塩(一般名)は、ドイツにおいて非ホジキンリンパ腫(注16)、多発性骨髄腫及び慢性リンパ性白血病の治療薬(商品名「リボムスチン®」)として長年使用されている抗がん剤です。この製品の導入の背景としては、再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の患者さんには、この分野には優れた薬剤がなく、まさしく当社の企業使命である、空白の治療領域を対象とした薬剤であること、また当社の強みである分野(血液がん)であることが導入の決め手となりました。
2018年7月には日本血液学会が発行した造血器腫瘍診療ガイドラインにトレアキシン®とリツキシマブの併用療法(BR療法)が新たに収載され、既承認(再発・難治性の非ホジキンリンパ腫(低悪性度NHL)及びマントル細胞リンパ腫(MCL)、未治療(初回治療)の低悪性度NHL及びMCL並びに慢性リンパ性白血病(CLL))の全ての適応症において、標準的治療の選択肢として推奨されることになりました。これにより名実ともにトレアキシン®が悪性リンパ腫における標準療法として位置づけられています。
既に承認を取得した適応症に続き、再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(r/r DLBCL)を対象とするBR療法による第Ⅲ相臨床試験については、試験成績の主要評価項目である奏効率において期待奏効率を上回る良好な結果が得られたことを基に、2020年5月に製造販売承認事項一部変更承認申請し、2021年3月に承認を取得しました。
2017年9月にイーグル・ファーマシューティカルズ社(Eagle Pharmaceuticals, Inc. 本社:米国ニュージャージー州、以下「イーグル社」といいます。)との間で日本における独占的ライセンス契約を締結したトレアキシン®液剤(RTD製剤及びRI投与(注17))については、RTD製剤は2020年9月に製造販売承認を取得し、2021年1月より販売を開始しました。RI投与につきましては、安全性に関する臨床試験が終了し、2021年5月に一変承認申請を完了し、2022年2月に承認を取得しました。
RTD製剤は、従来の凍結乾燥注射剤に比べて、手動による煩雑な溶解作業が不要で、そのために要する時間を短縮することができ、医療従事者の負担を大幅に低減することが可能となります。また、RI投与は、投与時間が、従来のFD製剤及びRTD製剤の1時間に対して大幅に短縮されるため患者さんと医療従事者の負担を大幅に低減することが可能となることから大きな付加価値を提供することができます。
(注16) 非ホジキンリンパ腫とは、白血球の中のリンパ球ががん化した悪性腫瘍である悪性リンパ腫のうち、ホジキンリンパ腫以外の総称です。日本人の悪性リンパ腫では、大半を非ホジキンリンパ腫が占めています。
(注17) RTD製剤及びRI投与は、従来のFD製剤(凍結乾燥注射剤)とは異なり既に液化された製剤です。RTD製剤(Ready To Dilute)は調剤作業を大幅に低減し、さらに急速静注であるRI投与(Rapid Infusion)により点滴時間を従来の1時間から大幅に短縮することにより、FD製剤に比べ患者さんの負担を大幅に軽減し、さらには医療従事者に大きな付加価値を提供することが可能になります。
② 抗がん剤SyB L-1101(注射剤)/SyB C-1101(経口剤)(一般名:Rigosertib Sodium<リゴセルチブナトリウム>)
リゴセルチブ注射剤については、導入元であるオンコノバ・セラピューティクス社(Onconova Therapeutics Inc. 本社:米国ペンシルベニア州、以下「オンコノバ社」といいます。)が、現在の標準治療である低メチル化剤による治療において効果が得られない、治療後に再発した、又は低メチル化剤に不耐容性を示した高リスク骨髄異形成症候群(高リスクMDS)における全生存期間を主要評価項目として、国際共同第Ⅲ相臨床試験(INSPIRE試験)を実施いたしましたが、2020年8月に医師選択療法との比較において主要評価項目を達成しなかったことを発表しました。当社は日本における臨床開発を担当しており、INSPIRE試験の追加解析から得られた知見を今後のリゴセルチブの開発に活用するための検討を進めています。
③ 抗ウイルス薬SyB V-1901(一般名:Brincidofovir<ブリンシドフォビル>)
当社は2019年9月にキメリックス社との間で抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの注射剤及び経口剤(SyB V-1901、以下各々「IV BCV」及び「Oral BCV」といいます。)に関しての独占的グローバルライセンス契約を締結し、天然痘疾患を除く全ての疾患を対象としたBCVの世界全域における開発・販売に加えて製造を含む独占的権利をキメリックス社から取得しています。
「空白の治療領域」でアンメット・メディカル・ニーズの高い造血幹細胞移植後のアデノウイルス(AdV)感染症を対象に、日本・アメリカ・ヨーロッパを中心としたIV BCVのグローバル開発を優先的に進めることを決定しました。2021年3月に、主に小児対象(成人も含む。)のアデノウイルス感染症を対象とする第Ⅱ相臨床試験を開始するため、米国食品医薬品局(FDA)に治験許可申請(Investigational New Drug(IND) Application)を行いました。本開発プログラムについては、2021年4月にFDAからファストトラック指定を受けています。2023年5月、当試験において、ブリンシドフォビル注射剤がヒトPOC(Proof of Concept)を確立しました。当試験は現在実施中で、2023年6月末現在、症例登録数(累計)は27症例となっています。腎移植後のBKウイルス(BKV)感染症は、腎機能低下や移植腎の喪失(グラフトロス)など深刻な経過を辿ることがあり、レシピエント、ドナー、医療者、また社会にとって深刻な結果を招く疾患ですが、2022年5月には独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に、2022年8月にはオーストラリア保健省薬品・医薬品行政局(TGA:Therapeutic Goods Administration)に、それぞれ腎移植後のBKウイルス感染症患者を対象とした第Ⅱ相臨床試験の治験計画届を提出し、オーストラリアにおける第1例目の投与を開始しました。一方、同試験は2025年の終了を計画しておりましたが、計画に対して症例集積に遅れが生じたことから、再度研究者の方々とプロトコルの修正の検討を行います。
本剤は既にキメリックス社による欧米における臨床試験においてOral BCVが高活性の抗ウイルス効果を示し、また広域のスペクトラムを有することが確認されており、各種dsDNAウイルスに対する幅広い抗ウイルス活性は、IV BCVに関しても造血幹細胞移植後の各種ウイルス感染症の予防及び治療に対する有効性と安全性が期待されます。
<当社グループの第二の創業期と今後の経営戦略>
当社は、2022年2月10日付2021年12月期決算短信〔日本基準〕(非連結)(以下「2022年2月10日付決算短信」といいます。)においてお知らせしたとおり、経営の最重要課題であった黒字化を達成し、売上高8,256百万円、当期純利益2,032百万円、現金及び預金は2021年12月末現在で3,860百万円を計上いたしました。また、2023年2月9日付2022年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)においてお知らせしたとおり、引き続き黒字を継続し、売上高10,008百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,179百万円、現金及び預金は2022年12月末現在で6,282百万円を計上いたしました。
当社は、経営の最重要課題であった黒字化を達成いたしましたが、2022年からは第二の創業期と位置づけ、中長期の経営目標である真のグローバル・スペシャリティファーマの実現に向けて、①ブリンシドフォビル(BCV)の開発推進によるトレアキシン®の次の製品の上市、②シンバイオファーマ・USA(SPU)の本格稼働による事業のグローバル化、③経営戦略本部の設置による製品ポートフォリオの拡充、④国内外のアカデミアとの共同研究の推進による新治療法の開発を重要な経営戦略としています。
① ブリンシドフォビルの開発推進によるトレアキシン®の次の製品の上市に向けては、下記の適応症や治療領域で治験を開始又は治験の準備等を進めています。一つは、造血幹細胞移植後を含む小児対象(成人も含みます。)のアデノウイルス(AdV)感染症を対象とする第Ⅱ相臨床試験が、米国において2021年8月には第1例目(FPI: First Patient In)の投与を開始しました。また、造血幹細胞移植後のサイトメガロウイルス感染症を対象とした臨床開発の準備を行っています。他方、EBウイルス関連疾患である難病の多発性硬化症などについても開発を視野に入れて取り組んでいます。さらに、ブリンシドフォビルは高い抗ウイルス作用に加え、抗腫瘍効果も期待されています。シンガポール国立がんセンターやカリフォルニア大学サンフランシスコ校脳神経外科脳腫瘍センターとの共同研究等を通じて、難治性脳腫瘍、EBウイルス陽性リンパ腫等、がん領域における新規適応症の探索も行っています。
② シンバイオファーマ・USA(SPU)の本格稼働による事業のグローバル化に向けては、2023年8月にステファン・ベルティエ薬学博士(Stephane Berthier, PharmD)をシンバイオファーマUSA CEO兼社長として選任、また2023年9月にはGlobalチーフ・メディカル・オフィサー(CMO)として、エヌケチ・アジィ医学博士(Nkechi Azie, MD)を当社の経営陣に迎え入れ、グローバル開発体制の大幅な拡充を行い、シンバイオファーマUSAを国際臨床試験の推進役として、BCVのグローバル開発計画を進めてまいります。
③ 経営戦略本部の設置による製品ポートフォリオの拡充に向けては、ブリンシドフォビルのグローバル開発を進展に伴い事業化・商業化に向けたグローバルパートナリングを推進するとともに、従来からの取り組みである複数のライセンス案件の検討を進め、新規開発候補品のライセンス権利取得に向けた探索評価の実施を通じて、収益性と成長性を兼ね備えたバイオ製薬企業として中長期的な事業価値の創造を目指しています。
④ 国内外のアカデミアとの共同研究の推進による新治療法の開発においては、前述のブリンシドフォビルの共同研究に加えて、トレアキシン®に関しては、京都大学との共同研究等に積極的に取り組み、新たな可能性を探索しています。また、トレアキシン®とリゴセルチブに関しては、東京大学などとの共同研究を通じて、両化合物あるいは他の既存薬との併用により新たな有用性を見出すとともに新規適応症の探索を行っています。
これらの戦略を実現するために、トレアキシン®の収益で、販売費や人件費など一般管理費を賄う一方で、長期的に多額な費用が必要となる研究開発投資には、戦略的なパートナーシップの構築や長期資金の調達などの手段を適時適切に選択することが必要となりますが、直近の外部環境は新型コロナウイルスの度重なる感染拡大や世界的な物価上昇に端を発する米国始め主要各国の利上げに加えて、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う安全保障環境の激変により金融マーケットの不透明さが大きく増していること等勘案し、来年度以降に必要な資金調達の実施が計画どおりとならない可能性を鑑み、今般資金調達を行うことが、財務基盤を強固で安定的なものとし、経営戦略で目指す真のグローバル・スペシャリティファーマ実現の蓋然性を高め、企業価値向上に資するものと考えています。なお調達した資金は、上記に記載したとおり、抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの開発資金及び長期的な成長機会を確保するための新規ライセンス導入やこれを目的とするM&A等資金に充当いたします。また、当該目的については、第58回新株予約権の発行による資金で充当する予定でしたが、行使価額が市場価格を上回っていて行使が進んでいないことから、今回の資金調達によって実施いたします。なお、第58回新株予約権の行使価額は、本プログラムによる各回の割当に係る払込金額が、各回の割当に係る払込期日において有効な行使価額を下回る場合には、行使価額は当該払込金額と同額に調整されます。第58回新株予約権の行使価額の調整の詳細につきましては、2022年5月16日付で公表いたしました「第三者割当による新株式及び第58回新株予約権の発行に関するお知らせ」(以下「前回資金調達に関するプレスリリース」といいます。)をご参照ください。
(手取金の具体的な使途)
調達資金の使途の詳細は以下のとおりです。
① 抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの開発資金(直接経費)
抗ウイルス薬の開発資金の内訳は、2019年9月に新規導入した注射剤ブリンシドフォビル(IV BCV)の開発資金のうち、直接経費として、米国において進めている造血幹細胞移植後のアデノウイルス感染症を適応症とする開発の第Ⅱ相臨床試験に係る経費、腎臓移植後のBKウイルス感染症を適応症とする開発では、オーストラリアと日本の治験に係る経費、造血幹細胞移植後サイトメガロウイルス感染症については第Ⅰ相臨床試験の実施に係る経費等に対する開発の支出を見込んでおります。このうち、2023年10月から2024年6月までの支出658百万円は本新株式の発行により調達する資金を充当いたします。
② 抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの開発資金(間接経費)
注射剤ブリンシドフォビル(IV BCV)の開発が複数の適応症で進展することに伴う人員や組織等の増強、及び米国子会社であるシンバイオファーマUSAの本格稼働に伴いCEOやグローバルCMOを新たに採用するなど、今後も組織強化のため間接経費としての支出を見込んでおります。このうち、2023年10月から2024年6月までの支出742百万円は本新株式の発行により調達する資金を充当いたします。
③ 長期的な成長機会を確保するための新規ライセンス導入やM&A等の投資資金
当社は常に中長期的な視点に立ち、収益性と成長性を兼ね備えたバイオ製薬企業へと成長を図るため、新薬開発候補品のライセンス権利取得に向けて探索評価を継続して実施しており、常時、複数のライセンス候補案件を検討しております。今後の導入品につきましては、2023年9月末時点で、SABでの評価により審議済みであり、導入の是非について社内で具体的な検討を行っており、ライセンス導入費用や諸経費として2023年10月から2024年6月までの支出186百万円を見込んでおります。
長期的な成長機会を確保するための新規ライセンス導入やこれを目的とするM&A等の投資はライセンス案件が合意に至るタイミングで調達した資金をまず充当し、予定調達金額を超える部分は自己資金で充当することになります。なお、現時点においてM&Aの案件は具体的に予定されておらず、資金調達額や調達時期は本プログラムに基づく資金調達の進捗状況により影響を受けることから、上記資金使途及びその内訳については変更される可能性があります。
また、株価や出来高によっては本プログラムに基づく資金調達の一部が行使されない可能性を含んでおります。
このように本プログラムに基づく資金調達によって十分な資金を調達することができなかった場合には、①抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの開発資金(直接経費)、②抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの開発資金(間接経費)及び③長期的な成長機会を確保するための新規ライセンス導入やM&A等の投資の順序で充当し、さらに別途の手段による資金調達の実施又は事業計画の見直しを行う可能性があります。資金使途及びその内訳の変更や別途の資金調達の実施、事業計画の見直しを行った場合、その都度、速やかに開示を行います。
なお、上記の資金使途に充当するまでの間、当該資金は当社預金口座で保管する予定です。
以上の資金使途を目的として、当社は2023年10月6日に本プログラムの導入を決定いたしました。
<前回のファイナンスの調達状況及び充当状況>
(第58回新株予約権)
該当事項はありません。
本プログラムは、割当予定先との間で株式発行プログラム設定契約に基づき総計6,000,000株の当社普通株式を上限として、割当予定先に対する第三者割当により当社普通株式を発行することを可能とするものです。
本プログラムのもとで、割当予定先は、本プログラムに基づき当社普通株式の割当がなされた場合、原則これを引き受ける意向を有している旨を表明しております。割当予定先に引受義務はないため、払込みがなされないリスクは排除できませんが、割当予定先が過去同様の他社事例において払込みを放棄した事例がないことから、払込みの確度は十分に高いものと判断しております。もっとも、下記第1回割当乃至第5回割当の各回の割当が実行されるかどうかは、当該割当に係る割当決議日において割当制限事由(本株式の発行に係る有価証券届出書等の開示書類において虚偽記載等がある場合、本株式の募集のために当社によって作成された開示書類以外の文書、図画、音声その他の資料において虚偽記載等がある場合、開示されている直近の監査済財務諸表の期末日以降に当社及びその企業集団の財政状態及び経営成績に重大な悪影響をもたらす未開示の事態が生じている場合、本第三者割当増資が当社若しくは割当予定先の内部規則又は当社若しくは割当予定先が既に締結している契約に抵触する場合、本第三者割当増資に重大な影響を与える可能性のある当社又はその子会社を当事者とする訴訟等の手続きが進行している場合、金融商品取引法第166条第2項所定の重要事実等の公表されていない事実又は事態であって、それらが公表された場合には当社の株価に重大な影響を及ぼすおそれのある事実又は事態が存在する場合、当社が本プログラムで企図されている取引を専門家の助言に基づく自らの判断及び責任によらず、割当予定先又はその関係会社に依拠している場合、株式発行プログラム設定契約締結日前5年間以内に行った直近の株券等の第三者割当に際して開示又は公表された当該株券等の割当先の保有又は処分に関する方針とその後の割当先の当該株券等の保有又は処分に関する行動が矛盾している場合、当社又は割当予定先並びにその役員等が反社会的勢力に該当する場合、割当決議日において対応する回の割当に係る本株式の発行価額が割当予定先に特に有利でないと判断している旨の監査等委員会からの意見が取得出来ていない場合等の一定の場合をいいます。)が存在するかどうかにより左右されます。すなわち、当該割当に係る割当決議日において割当制限事由が存在する場合は、当社は、当該割当に係る割当決議を行わず、その時点で当該割当に係る有価証券届出書を取り下げ、当該割当を行いません。その場合には、当社は再度当該割当に係る当社普通株式の発行を検討いたします。また、本プログラムのもとで、当社は、資本政策の変更が必要になった場合に、各回の割当に係る割当決議日から11取引日前までに割当予定先に対し通知することにより、当該割当に係る割当決議を行わないことができます。
本プログラムにおいて割当可能な当社普通株式の総数は最大で6,000,000株であり、第1回割当から第5回割当までの最大5回の割当により発行されます。2023年10月6日付の当社取締役会決議により、本プログラム導入及び以下の表に記載された払込期日及び割当数量による、第1回割当乃至第5回割当に係る株式の発行が決議されております。なお、各回の割当に係る割当決議日は、以下の表に記載のとおりです。各回の割当については、以下の表に記載される各回の割当に係る割当決議によって、当該割当の発行条件が確定し、当該割当に係る有価証券届出書による届出の効力発生後に、当社と割当予定先との間で当該割当に係る第三者割当契約が締結されます。各回の発行価額は、各割当に係る割当決議日の直前取引日(同日を含みます。)までの10取引日間において取引所が発表する当社普通株式の普通取引の終値の単純平均値に相当する金額(小数第1位切捨て(但し、かかる10取引日間において終値が存在しない日が存在する場合は割当予定先が当該日を発行価額の計算に算入するか否かを判断することが出来ます。))となりますが、かかる価額の決定方法は、一時点の株価よりも、一定程度の期間において平準化された株価を用いることを割当予定先から希望され、当社としても数ヶ月間にわたっての大規模な資金調達であることから、各回発行価額は割当決議日前の平準化された株価を用いることが本プログラムの条件として合理性があると考えて採用いたしました。なお、株式発行プログラム設定契約を事前に割当予定先と契約するのは、第1回乃至第5回割当を行うための前提条件を当社及び割当予定先の間で事前に設定し、各回の割当において契約内容を協議する手間を省くためになります。
(注) 第5回割当の割当数量は本有価証券届出書提出日時点の暫定的な割当数量であり、最終的な各割当数量は1,200,000株から2,500,000株の範囲内で、かつ本プログラムに基づき発行される株式数の累計が6,000,000株を超えない範囲で、各回の割当に係る割当決議日前に割当予定先が当社に対し通知することにより決定するものとされております。なお、割当予定先は、市場動向によって総合的な判断により、割当予定先が引き受ける株式数を決定するとのことです。
当社は様々な資金調達方法を比較・検討してまいりましたが、下記のとおり、割当予定先から提案を受けた本プログラムによる資金調達手法(以下「本スキーム」といいます。)が、今後の事業運営を行ううえで必要となる資金を、新株予約権等を用いた、株価推移や割当先の裁量によって行使が判断される手法と比べ相当程度高い蓋然性をもって調達することが可能となる点で企業の継続性と安定性に資する資金調達方法であるとともに、株価に対する一時的な影響を抑制することができる点においても当社のファイナンスニーズに最も合致していること、本スキームでは当初の取締役会決議により5回の新株発行を一連のプログラムとして条件(算式)まで決定し、開示もまとめて行うことから、個別の新株発行を5回行う場合と比較して、資金調達の全体像がわかり易く、また必要となる期間及び費用の観点からも優れていると考えられることから、総合的な判断により、本スキームを採用することを決定しました。
本スキームには以下のようなメリット及びデメリットがあります。
[メリット]
① 蓋然性の高い資金調達
本プログラム(対象となる普通株式6,000,000株)は、原則割当予定先が引き受ける意向を有していることにより、原則として2024年4月19日までに全て発行され、必要となる資金を相当程度高い蓋然性をもって調達することが可能となります。
② 最大交付株式数の限定
本プログラムにより発行される当社普通株式数は6,000,000株で固定されており、株価動向にかかわらず、最大交付株式数が限定されております。その為、希薄化率が当初予定より増加することはありません。
③ 株価上昇時の調達額増額
本プログラムは各割当における発行価額がその時の時価に応じて決定されるため、株価が上昇した場合には資金調達額が増額されます。
④ 希薄化発生時期の分散
本プログラムでは5回に分けて新株が発行されるため、一度に大規模な希薄化を起こさず、その時期を分散させることができ、市場に与える影響を抑える事ができます。
⑤ 発行時期が原則固定されていること
本プログラムにおいては、原則として本日開示したとおりの日程にて新株が発行されます。その為、新株予約権等による新株の発行時期が不確定なスキームと比較して、発行タイミングの透明性は高いと考えられます。
⑥ 資本政策の柔軟性が確保されていること
資本政策の変更が必要になった場合、当社の判断により、各回の割当に係る割当決議日から11取引日前までに割当予定先に対し通知することにより、当該割当に係る割当決議を行わないことができ、資本政策の柔軟性を確保できます。
[デメリット]
① 当初に満額の資金調達はできない
本プログラムの特徴として、5回に分けて、発行価額に発行の対象となる株式数を乗じた金額の資金調達がなされます。そのため、本プログラムの導入当初に満額の資金調達が行われるわけではありません。
② 資金調達額が減少する可能性
本プログラムは各割当における発行価額がその時の時価に応じて決定されるため、株価が長期的に発行当初の株価を下回り推移する状況等では、調達額が発行当初の株価に基づき想定される金額を下回る可能性があります。また、当社がインサイダー情報を保有している場合等の割当制限事由が存在する場合には、かかる回号の割当が行われず、資金調達額は減少する可能性があります。
③ 割当予定先が当社普通株式を市場売却することにより当社株価が下落する可能性
割当予定先の当社普通株式に対する保有方針は短期保有目的であることから、割当予定先が取得した株式は市場外での相対取引の売却先が存在する場合を除き、原則市場で売却される予定です。現在の当社普通株式の流動性も鑑みると、割当予定先による当社普通株式の売却により当社株価が下落する可能性があります。
④ 不特定多数の新投資家へのアクセスの限界
第三者割当方式という当社と割当予定先のみの契約であるため、不特定多数の新投資家から資金調達を募ることによるメリットは享受できません。
公募増資による新株発行は、資金調達が一度に可能となるものの、同時に1株当たり利益の希薄化をも一度に引き起こすため、株価に対する一時的かつ直接的な影響が大きいことから、資金調達方法として適当でないと判断いたしました。また、現時点での当社の業績動向や財務状況等に照らした場合には、当社普通株式の引受けを行ってくれる証券会社を見つけることは困難と考えられ、実際にかかる提案を証券会社からは受けておりません。
株主割当増資では希薄化懸念は払拭されますが、近年において実施された事例が乏しく、既存株主の参加率が不透明であることから、本スキームと比べて必要資金を調達できない可能性が高く、また、参加率を上げるために払込金額を低く設定した場合には株価に大きな悪影響を与える可能性も否定できないことから、資金調達方法として適当でないと判断いたしました。
第三者割当によって一度に新株を発行する調達手法は、当社にとって有効な方法となり得ますが、現実的にそのような手法で、本スキームと同規模の金額を引受けて頂ける投資家を見つけることは困難であると考えており、また実際に見つけられておりません。
転換社債型新株予約権付社債は、発行当初に資金調達が可能となるものの、その全額が当初負債となり、その後の転換状況も株価に依拠することとなります。株価の状況等により行使が進まなければ、負債であるため、当社の財務の健全性を害することから今回の資金調達方法として適当ではないと判断いたしました。
行使価額が固定された新株予約権は、株価上昇時にその上昇メリットを当社が享受できず、一方で株価下落時には行使が進まず資金調達が困難となるため、資金調達の確実性は本スキームと比較して低いと考えられます。その為、今回の資金調達方法として適当でないと判断いたしました。
株主全員に新株予約権を無償で割当てることによる増資、いわゆるライツ・イシューには当社が金融商品取引業者と元引受契約を締結するコミットメント型ライツ・イシューと、当社が金融商品取引業者との元引受契約を締結せず新株予約権の行使は株主の決定に委ねられるノンコミットメント型ライツ・イシューがありますが、コミットメント型ライツ・イシューについては国内で実施された実績が乏しく、当社においても現時点では実施の目処は立っておりません。他方でノンコミットメント型のライツ・イシューについては、上記①(b)の株主割当増資と同様に、既存株主の参加率及び資金調達の蓋然性が不透明である他、参加率を上げるために払込金額を低く設定した場合には株価に大きな悪影響を与える可能性も否定できないことから、今回の資金調達方法として適当でないと判断いたしました。
借入又は社債による資金調達では、調達額が全額負債となるため、今回の資金調達方法として適当ではないと判断いたしました。
本スキームは、一定期間において当社の株価に連動して株式の発行価額が決定される点において、経済的にMSCB等と類似しております。しかしながら、MSCB等は株価が下限行使価額を下回った場合には行使が期待できず、また、MSCB等の行使の判断は原則、割当先の裁量であり、また行使の時期についても不透明であるため、予め発行時期を決定している本スキームの方が今回の資金調達方法として適当であると考えております。
上記「4 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途(募集の目的及び理由)」のとおり、当社にとって、本プログラムに基づき調達する資金は、抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの開発及び長期的な成長機会を確保するための新規ライセンス導入やこれを目的とするM&A等を実現するための施策を迅速に実施することによって新製品の上市を目的とするものであり、これをできる限り確実に推進するためには、蓋然性の高い資金調達手法をとる必要があります。当社としては、資金調達の蓋然性に重点を置いて様々な手法を検討してまいりました。
このような中で、割当予定先から本プログラムに基づく当社普通株式の第三者割当による資金調達の提案を受け、上記に記載した各資金調達手法のメリット・デメリットも勘案したうえで、本プログラムによる資金調達の実施を決定しました。なお、当社は、割当予定先以外の証券会社又は投資家候補者からは、当社普通株式の発行による資金調達の具体的な提案は受けておりません。
本プログラムの内容については、割当予定先と当社との間の真摯な協議を通じて決定されました。具体的には、6,000,000株の当社普通株式の割当株式総数は、希薄化の規模や既存株主への影響度を勘案しながら、当社の現在の株価水準を前提とした場合に、上記「4 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途」に記載した資金調達目的を達成するために適切な株式数として、当社の要望に基づき設定されました。他方、下記「第3 第三者割当の場合の特記事項 1 割当予定先の状況 (4) 株券等の保有方針」に記載のとおり、割当予定先は、本プログラムを通じて発行される当社普通株式の保有方針については短期保有目的であり、割当予定先は取得した当社普通株式を市場もしくは市場外の相対取引等で売却することを前提としているとのことです。そのため、割当予定先としては、1回の割当で保有することになる当社普通株式の数は、当社の株価にできる限り影響を与えず、無理なく市場等を通じて売却することができる数量であることが必要であるとのことでした。そこで、割当予定先と当社とは、その協議を通じて、現在の当社普通株式の流動性等を勘案し、約6ヶ月という期間で資金調達を完了させる代わりに、割当予定先の要望を反映して5回に分割して割当を行うことを決定いたしました。
[本プログラムの概要]
※ 各割当に係る割当決議日において割当制限事由が存在する場合には、当社は当該割当に係る割当決議を行うことはできません。
※ 第5回割当の割当数量は本有価証券届出書提出日時点の暫定的な割当数量であり、最終的な各割当数量は1,200,000株から2,500,000株の範囲内で、かつ本プログラムに基づき発行される株式数の累計が6,000,000株を超えない範囲で、各回の割当に係る割当決議日前に割当予定先が当社に対し通知することにより決定するものとされております。
(注) 割当予定先の概要及び提出者と割当予定先との間の関係の欄は、2023年7月31日現在におけるものです。
当社は、当社の企業価値の向上及び事業の発展のための機動的かつ確実な資金調達方法について、複数検討してまいりました。そのような状況の中、当初2023年7月に割当予定先の関連会社であるEVOLUTION JAPAN証券株式会社から本スキームによる調達の提案を受けました。当該提案を当社内にて協議・検討した結果、本スキームが、当社の今後の事業運営を行ううえで必要となる資金を相当程度高い蓋然性をもって調達できることが可能となるとともに、株価に対する一時的な影響を抑制することができる点において、当社のファイナンスニーズにより合致していると判断しました。また、割当予定先についても当社内にて協議・検討した結果、過去の投資実績等から、割当予定先として適当であると判断しました。その結果、本スキームの採用及びEVO FUNDを割当予定先とすることを決定いたしました。なお、当社は、CVI Investments,Inc.との間で2022年5月16日付で締結した買取契約において、ロックアップ条項を合意しておりますが、本第三者割当増資は、当該ロックアップ条項に該当しないと判断しております。当該ロックアップ条項の詳細につきましては、前回資金調達に関するプレスリリースをご参照ください。
割当予定先は、上場株式への投資を目的として2006年12月に設立されたファンド(ケイマン諸島法に基づく免税有限責任会社)であります。
割当予定先の関連会社であるEVOLUTION JAPAN証券株式会社が、関連企業の買受けの斡旋業の一環として今回の資金調達のアレンジャー業務を担当しました。EVOLUTION JAPAN証券株式会社は英国領ヴァージン諸島に所在するタイガー・イン・エンタープライズ・リミテッド(住所:Craigmuir Chambers, PO Box 71, Road Town, Tortola VG1110, British Virgin Islands 代表取締役:マイケル・ラーチ、リチャード・チゾム)の100%子会社であります。
(注) 本株式に係る割当は、日本証券業協会会員であるEVOLUTION JAPAN証券株式会社の斡旋を受けて、割当予定先に対して行われるものであり、日本証券業協会の定める「第三者割当増資等の取扱いに関する規則」(自主規制規則)の適用を受けて募集が行われるものです。
1,050,000株
割当予定先は、純投資を目的としており、取得する当社普通株式を原則として長期間保有する意思を有しておらず、市場動向に応じて適宜本株式を売却していく予定である旨、及び割当予定先の真の保有株式数を不明確にするような取引(例えば、機関投資家及び金融機関に対して本プログラム期間中においてスワップ取引等を行う行為)を行わない旨を口頭にて確認しております。なお、当社は、割当予定先から、割当予定先が発行日より2年以内に本新株式の全部又は一部を譲渡した場合には、直ちにその内容を当社に書面で報告する旨、当社が当該報告内容を取引所に報告する旨及び当該報告内容が公衆縦覧に供されることに同意する旨の確約書を取得する予定です。
なお、本新株式の発行に伴い、割当予定先は、当社株主であり、かつ当社代表取締役社長兼CEOである吉田文紀氏と株券貸借契約を締結し(契約期間:2023年10月6日~2024年5月2日、貸借株数:1,179,700株、貸借料:年率0%、担保:無し)、当社普通株式について借株を行い、ヘッジ目的で売付けを行う場合があります。
割当予定先は、各回の割当により発行される当社普通株式の数量の範囲内でヘッジ目的で行う売付け以外の本件に関わる空売りを目的として、当社普通株式の借株は行いません。当社が割当予定先との間で締結する株式発行プログラム設定契約においては、割当予定先が各回の割当により発行される当社普通株式の数量の範囲内でヘッジ目的で行う売付け以外の本件に関わる空売りを目的として当社普通株式の借株を行わない旨を定めます。
割当予定先の保有財産の裏付けとなる複数のプライム・ブローカーの2023年7月31日時点における現金・有価証券等の資産から借入等の負債を控除した純資産の残高報告書を確認しており、払込期日において本株式の払込金額(発行価額)の総額の払込みに要する資金は充分であると判断しております。
当社は、EVOLUTION JAPAN証券株式会社により紹介されたEVO FUND及びその100%出資者かつ役員であるマイケル・ラーチ氏、並びに役員であるリチャード・チゾム氏について反社会的勢力等と何らかの関係を有していないか、過去の新聞記事やWEB等のメディア掲載情報の検索により割当予定先が反社会的勢力でない旨を確認いたしました。また、割当予定先からは、反社会的勢力との間において一切関係ない旨の誓約書の提出を受けております。
さらに慎重を期すため、企業調査、信用調査を始めとする各種調査を専門とする第三者調査機関である株式会社JPリサーチ&コンサルティング(住所:東京都港区虎ノ門三丁目7番12号 代表取締役:古野啓介)にEVO FUND及びその100%出資者であるマイケル・ラーチ氏、並びに役員であるリチャード・チゾム氏について調査を依頼しました。そして、同社の保有するデータベースとの照合等による調査を行った結果、現時点において、当該割当予定先、その出資者及び役員に関する反社会的勢力等の関与事実がない旨の報告書を受領いたしました。
以上から総合的に判断し、当社は割当予定先、その出資者及び役員については、反社会的勢力との関係がないものと判断し、反社会的勢力と関わりがないことの確認書を取引所に提出しております。
該当事項はありません。
本新株式の各回の割当に係る発行価額は、各割当に係る割当決議日の直前取引日(同日を含みます。)までの10取引日間において取引所が発表する当社普通株式の普通取引の終値の単純平均値に相当する金額(小数第1位切捨て)として確定されます。なお、本株式の各回の割当に係る発行価額が割当決議日の直前取引日における終値の90%を下回る可能性は否定できません。発行価額決定の期間を10取引日間とした点は、割当予定先から、割当決議日の直前営業日終値といった特定の一時点を基準とするのではなく一定程度の期間において平準化した株価を用いることで、一時的な株価変動要因を排除できるため、より客観的で合理的であること、その一方で直近1ヶ月、直近3ヶ月、直近6ヶ月といった期間と比較して計5回の調達のスケジュールをできるだけ短期間に実施することが可能であるとの双方を検討した結果として提案を受け、当社が受諾いたしました。
上記の事情に加え、発行価額の算定方法の決定にあたっては、当社は割当予定先との間で、当社の業績動向や財務状況等を検討し、当社株式の流動性や近時の株価及びそれらの形成過程の分析等をも勘案しながら、真摯に協議交渉いたしました。その結果、当社といたしましては、直近の株価が現時点における当社の客観的企業価値を適正に反映しているものの、当社の業績動向、財務状況及び株価動向(過去6ヶ月におけるボラティリティは32.77%)等を前提とすると、割当予定先が本第三者割当増資で保有することとなる当社株式の数量を前提に負担することになるリスクに一定程度の配慮をせざるをえず、また、資金調達の必要性、及び現時点において当社普通株式の第三者割当による資金調達方法を提案しているのが割当予定先のみであることから、上記のとおり株式の発行及び価格決定のタイミングを分散することといたしました。
本新株式の発行は、当社の事業状況・財務状況を勘案しても、当社の業績改善及び企業価値向上の実現を目的としており、事業戦略上不可欠であると考えており、かつ、いわゆる有利発行には該当しないものと判断しております。当社は、上記払込金額の算定根拠に関し、各回の割当に係る割当決議が日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」が定める「株式の発行に係る取締役会決議」に該当すると考えており、かかる決議の直前取引日までの一定期間の終値平均値の100%を発行価額とする各回の割当に係る本新株式の発行は、「第三者割当増資の取扱いに関する指針」の趣旨を踏まえ、一定の配慮をしていると考え、割当予定先と十分に協議の上、決定いたしました。
本件に関し、当社監査等委員会(3名のうち3名が社外取締役)も、上記算定根拠による発行価額の決定においては、当社株式の価値を表す客観的な指標である市場価格を基準にしており、また、本第三者割当増資の実施の必要性とともに、当社の業績動向や財務状況、現在の株式市場の状況及び当社の株価の推移状況、本第三者割当増資により発行される株式数等を考慮すると、上記算定方法は適正であると判断され、さらに、日本証券業協会の指針も勘案されていることから、上記発行価額は割当予定先に特に有利でないと判断しております。なお、各割当決議日に決定される払込金額について、当社監査等委員会から改めて意見を取得する予定です。
上記「募集又は売出しに関する特別記載事項 [株式発行プログラムの内容等](1) 本プログラムの内容」に記載のとおり、本プログラムに基づき新たに発行される当社普通株式の数は最大6,000,000株(議決権数60,000個)であり、2023年6月30日現在の当社発行済株式総数39,840,556株(当社議決権数393,555個)に対して15.06%(議決権15.25%)の希薄化が生じます。
しかしながら、本プログラムによる資金調達により取得した資金を、上記「第1 募集要項 4 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途」に記載の使途に充当することで、今後の成長分野への投資を実現していくとともに、財務基盤の安定を図る方針であり、その結果、当社の企業価値及び株式価値の向上に繋がるものと考えており、本プログラムにおける一連の第三者割当増資による希薄化の規模は合理的であると判断しました。
また、当社普通株式の過去6ヶ月における1日当たり平均出来高は430,364株であり、円滑に市場で売却できるだけの十分な流動性を有しておりますが、本プログラムに基づく発行株式数の上限である6,000,000株を、本有価証券届出書提出日から第5回割当に係る払込期日までの期間131取引日で売却するとした場合の1取引日当たりの株数は45,802株(直近平均6ヶ月平均出来高の10.64%)であるため株価に与える影響は限定的なものと考えております。加えて、当社の事業運営を行ううえで必要となる資金を相当程度高い蓋然性をもって調達できることが可能となります。
該当事項はありません。
上記「募集又は売出しに関する特別記載事項 [株式発行プログラムの内容等](1) 本プログラムの内容」に記載のとおり、本プログラムに基づき新たに発行される当社普通株式の数は最大6,000,000株(議決権数60,000個)です。これらが全て同時に発行されたと仮定した場合の第三者割当後の大株主の状況は以下のとおりです。ただし、上記「募集又は売出しに関する特別記載事項 [株式発行プログラムの内容等](1) 本プログラムの内容」に記載のとおり、本プログラムにおいて、当社普通株式は、第1回割当から第5回割当に分けて発行されるものであるため、これらが全て同時に発行されることはありませんし、また各回の割当に関して、当該割当に係る割当制限事由が存在する場合には、当該割当については当社普通株式が発行されないことになるため、本プログラムによる当社普通株式の第三者割当後の大株主の状況は以下の記載と異なることがあります。
(注) 1.割当前の「所有株式数」及び「総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、2023年6月30日現在の株主名簿上の株式数により作成しております。
2.割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合は、2023年6月30日時点の総議決権数(393,555個)に、本プログラムにより発行される株式数を全て保有するものと仮定した場合に増加する議決権数(60,000個)を加えた数で除して算出した数値であり、表示単位未満の端数は四捨五入して表示しております。
3.割当予定先は、本プログラムにより発行される株式の保有方針として、長期間保有する意思を表明しておりません。
なお、本第三者割当増資により新たに発行される本株式の数は1,050,000株(議決権数10,500個)であり、それに基づく第三者割当後の大株主の状況は以下のとおりです。但し、かかる数字は見込みの数字であり、実際に発行される本株式の数は、本株式に係る割当決議日までに、1,200,000株から2,500,000株の範囲内で、かつ本プログラムに基づき発行される株式数の累計が6,000,000株を超えない範囲で、割当予定先が当社に対し通知することにより決定するものとされております。
(注) 1.割当前の「所有株式数」及び「総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、2023年6月30日現在の株主名簿上の株式数により作成しております。
2.割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合は、2023年6月30日時点の総議決権数(393,555個)に、本株式の発行により増加する議決権数(10,500個)を加えた数で除して算出した数値であり、表示単位未満の端数は四捨五入して表示しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
会社の概況及び事業の概況等金融商品取引法第5条第1項第2号に掲げる事項については、以下に掲げる書類をご参照下さい。
事業年度 第19期(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)2024年3月22日関東財務局長に提出
2 【臨時報告書】
1の有価証券報告書提出後、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年3月25日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2の規定に基づく臨時報告書を2024年3月22日に関東財務局長に提出
1の有価証券報告書提出後、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年3月25日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書を2024年3月25日に関東財務局長に提出
上記に掲げた参照書類としての有価証券報告書に記載された「事業等のリスク」について、当該有価証券報告書の提出日以後、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年3月25日)までの間において生じた変更その他の事由はありません。
また、当該有価証券報告書には将来に関する事項が記載されていますが、当該事項は本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年3月25日)現在において変更の必要はなく、また新たに記載すべき将来に関する事項もないと判断しております。
シンバイオ製薬株式会社 本店
(東京都港区虎ノ門四丁目1番28号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
該当事項はありません。
該当事項はありません。