当社グループは、「“SUCCESS PARTNER”私たちは商環境の創造を通じて社会の繁栄に貢献します」を企業理念としております。『SUCCESS PARTNER』とは、クライアントの繁栄を叶えていくことであり、同時に、クライアントのお客様である生活者の充実感にも応えていく存在だと認識しております。また、『SUCCESS PARTNER』とは、短期的な利益を追求するだけではなく、つねにお客様や社会全体の未来にも眼を向けていかなければならない存在であるべきだと考えます。この企業理念を根底に、コロナ禍を経た新しい時代を生きるための長期的な経営方針として、MISSION・VISION・VALUEを作成いたしました。“未来にやさしい空間を”(ミッション)を社員一人ひとりが仕事に取り組む際の指針とし、当社にしかできない新しい魅力や価値提供を行う仕事に誇りを持ち“GOOD ETHICAL COMPANY”(ビジョン)となれるようグループ一丸となって挑み続けます。
当社グループでは、企業理念実現のために、中期経営計画を定めております。
中期経営計画
2022年から3か年の中期経営計画は、企業改革のテーマとして取り組んできた「エシカルとデジタル」を当社ブランディングの中核価値とし、業界での新しい波となるべく“Make a New Wave!”をスローガンとして当社の社会における新しい役割を探求するものです。コロナ禍を経た商業関連市場の変化に対応するため、環境をおもいやるデザインや資材、工法などを積極的に提案することにより新たな付加価値を創造します。またここ数年、空間デザインへのニーズが高まっているオフィス、教育、ヘルスケアなど非商業領域においても、環境への負荷を低減するエシカルデザインの提唱を進めてまいります。海外事業においては、新組織として海外統括本部を設置し、“SEMBA One Asia”をテーマにアジア圏での経営基盤を整え、各海外グループ会社のリソース(人・設備・パートナー・資金・情報等)の共有を図り、当社成長エンジンとして事業全体の売上拡大に努めてまいります。
今後の見通しにつきましては、物価上昇と海外景気悪化という強い逆風に加え、新型コロナウイルス感染症の完全な収束が未だ見通せないなど先行き不透明な状況が続くことが予想されます。
当社グループを取り巻く事業環境におきましては、国内では社会経済活動の正常化に伴う国内外への人流の増加により、集客に対しての投資が停滞していた流通・小売業などの商業領域の多くの業種業態及び顧客において投資計画の再開や、中国においてはゼロコロナ政策の終了に伴う行動制限の撤廃による社会経済活動の復調が想定されます。また、引き続きサステナビリティやSDGsを意識し、次の世代に向けた持続可能な社会づくりへの関心を持つ顧客も増えてきており、投資計画においても影響を及ぼすことが想定されます。
このような状況のもと、当社グループでは、2022年12月期から3か年の中期経営計画は、“Make a New Wave!”をスローガンに「エシカルとデジタルの実装」「新たな市場の開拓」「SEMBA One Asia」「変化を支えるダイバーシティ戦略」の4つを重点施策とし、業界での新しい波となるべく当社の社会における新しい役割を探求しております。
引き続き、環境をおもいやるデザインや資材、工法などを積極的に提案するエシカルデザインにより新たな付加価値を創造し新たな市場の開拓を進めてまいります。海外事業においては、海外統括本部を中心に、“SEMBA One Asia”をテーマにアジア圏での経営基盤を整え、当社成長エンジンとして事業拡大に努めてまいります。また、持続的に企業価値を高めていくためには人材戦略こそが重要とし、1月から人事部をHRBP(Human Resource Business Partner)部に改組、一人ひとりの社員の成長を企業の価値とする経営視点で人的資本経営を行ってまいります。
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの事業は、流通・小売業界を主要顧客とする受注事業であるため、顧客の投資動向に大きな影響を受けます。これらの顧客の投資計画は足元の販売状況により決定されるため、比較的短いサイクルにより変更される傾向にあります。また、Eコマースの定着やキャッシュレス化の浸透、さらには新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、実店舗における販売が縮小傾向にあり、各顧客の投資回収に関する環境が厳しさを増しております。
当社グループの役職員は専門性と経験ノウハウを持って変化する時代や環境に適応した空間提案や効率的かつ迅速なサービス提供はできるものの、顧客の短期的な投資計画の変更に対応しきれずに業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業活動を営む上で建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、建築士法、下請法、独占禁止法等様々な法規制の適用を受けており、その遵守を義務づけられております。
当社グループではこれらの法規制を遵守すべく、PRODUCTION本部を中心に社内ルールやモニタリング体制の整備を図るとともに、内部統制強化の観点で内部監査室を設置するなどコンプライアンスを重視した経営を行っており、現状において当該許認可等が取消しとなる事由は発生しておりません。今後、これらの法規制が改廃された場合のほか、何らかの事情により法律に抵触する事態が生じた場合には、業務遂行に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
主要な許認可規制
しかしながら、当該各種法令の改廃や新たな法的規制が導入された場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、品質・環境・安全衛生に関する管理を重要な経営課題と位置付け、船場会を初めとする協力企業と一体となり安全大会や事業所安全衛生協力会を開催し、その体制整備と社員教育に取り組んでおります。
品質管理につきましては、現場工事の技術上の管理を主任技術者や監理技術者が担当し技術水準を確保するなど徹底した品質・工程管理に努めておりますが、制作物に品質上の欠陥などが生じた場合には社会的信用が低下するほか、損害賠償責任などの発生により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
環境保全につきましては、店舗の改装や展示会等の撤去に伴い発生する残材等を処分する際には、産業廃棄物処理法を初めとする法令を遵守し、適正な処理を行うよう委託処理業者の管理の徹底に努めておりますが、委託処理業者による不法投棄が行われた場合には、処理業者のみならず、当社グループの社会的信用が低下することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
安全衛生につきましては、制作・施工現場における事故を防止するため、危険や有害要因の除去等、適切な管理に努めておりますが、事故等が発生した場合には、社会的信用が低下することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 人材の確保及び育成について
当社グループの業務においては、役職員の創造性が現在の高い競争力の源泉となっていると考えております。当社グループは、役職員が創造性を発揮し、活躍しやすい環境を整えながら、継続的に創造性の高い優秀な人材の確保に努めております。また、業務遂行の中で専門知識やノウハウを伝達することを通じて、役職員が様々な状況に対応できるような能力を獲得する機会を提供しております。
当社グループとしては、引き続き、このような人事、教育制度により、優秀な人材を確保して役職員の創造力を活用するとともに、役職員、会社双方にノウハウの蓄積を図る方針ですが、当社グループが業容拡大に向けて優秀な人材の採用及び育成に十分対応できない場合や、何らかの理由により優秀な人材が多数流出する等発生した場合、当社グループの成長力や競争力に影響を受ける可能性があります。
(5)特定販売先への依存について
当社グループの事業は、主として日本の流通・小売業界における多数の取引先によって構成されており、その取引先には大手の商業施設運営会社や百貨店・量販店等が含まれます。その中で、当社グループのイオングループに対する売上割合は、当連結会計年度において、全売上高の約14%を占めております。割合は縮小傾向にあるものの、今後、イオングループにおいて、当社グループの予想を超えた設備投資抑制が行われた場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、災害発生時に備え、BCPに基づいて役職員の安全性確保や事業の継続のための措置についてマニュアル制定や社内教育実施等を行うことで、可能な限り、業務運営に支障なく事業継続できるよう対策を講じております。
しかしながら、当社グループ自身で回避できない地震、津波、台風等の自然災害、重篤な疫病・感染症等の蔓延、及び突発的な他所の火災・事故の影響等が発生し、当社グループ及び協力企業の設計・制作業務等の中断や業務遅延等の影響が生ずる可能性があります。そのような場合に、受注の大幅な減少やコスト増加、納期遅延など、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、役職員、顧客及び顧客の消費者情報等の個人情報を入手・保管しており、個人情報保護規程を制定し、運用管理には細心の注意を払っております。
しかしながら、何らかの要因により情報が流出した場合、当該個人に対する損害賠償責任及び社会的な責任を負うこととなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業活動を行う過程で、顧客や協力企業等の取引先から情報を取得し守秘義務を負うことがあり、情報セキュリティ管理規程を制定し、情報管理に細心の注意を払っております。
しかしながら、自然災害や事故等により重要な情報が消失又は漏洩した場合、当該取引先に対する損害賠償責任及び社会的な責任を負うこととなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、アジア圏(香港、台湾、シンガポール、中国、ベトナム、マレーシア)において現地に事業所を構え業務を行っております。それぞれの国への進出後、経営ノウハウを蓄積し積極的に現地スタッフを雇用するなど、商慣行、法規制、雇用環境等の違いに配慮した事業運営を行っておりますが、何らかの事情によりこれらに大きな変更が生じた場合には、業務に重要な影響が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、期首早々から首都圏及び地方都市部に発出された新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置が3月末をもって解除されるなど社会活動制限も緩和され、社会経済活動の正常化への歩みが確実に進み景気の持ち直しが期待されるも、一方では世界的なエネルギー価格・原材料価格の上昇、各国の金融政策の方針転換等による金融資本市場の変動に伴う物価上昇や先行きのインフレ懸念等、中長期的な消費マインドへ影響を与える動きもみられ、先を見通すことが難しい1年となりました。
当社グループを取り巻く事業環境におきましては、従前から計画されていた大型複合施設の新・改装等の開発計画が予定どおりに進捗するなど一時期の停滞状況からは持ち直し始めておりますが、世界的なインフレ圧力の高まりを受けての景気減速懸念や、資材価格等の上昇による採算面での厳しさが増すなど、予断を許さない状況で推移してまいりました。
このような状況の下、当社グループは、当年度からスタートした中期経営計画“Make a New Wave!”のもと、コロナ禍を経た商業関連市場の変化に対応するため、環境をおもいやるデザインや資材、工法などを積極的に提案することによる新たな付加価値の創造、環境への負荷を低減するエシカルデザインの提唱によりオフィス、教育、ウェルビーイングなどの新たな市場の開拓に取り組んでまいりました。海外事業においては、海外統括本部の設置により、“SEMBA One Asia”をテーマにアジア圏での海外基盤を整え、各海外グループ会社のリソース(人・設備・パートナー・資金・情報等)の共有を図り、事業拡大に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の営業概況につきましては、国内では地方都市部において大型複合施設の新・改装や中期経営計画の戦略の一つである新たな市場の開拓による大型のグランピング施設や企業PR施設、オフィス及び公共施設等の案件の獲得により、売上高は19,360百万円(前期比118.7%)となりました。また海外では、中国での感染症拡大抑制策等の影響もあり一部開発案件の遅延があったものの、長期にわたる大型開発案件の進捗もあり、売上高は3,449百万円(前期比116.4%)となりました。グループ全体としましては、売上高は22,810百万円(前期比118.4%)となりました。
また、利益面におきましては、上記のとおり売上高の増加による利幅拡大、継続して取り組む工事原価の低減及びデジタル・トランスフォーメーション推進による働き方の変革や業務の効率化・改善により利益率が向上した結果、営業利益は776百万円(前期比167.5%)、経常利益は736百万円(前期比156.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は451百万円(前期比152.2%)となりました。
なお、当社グループは商環境創造事業のみの単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
当社グループは、商環境創造事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載に代えて、市場分野別の受注実績及び販売実績を記載しております。
① 生産実績
当社グループにおいては、生産実績を定義することが困難であるため、記載を省略しております。
当連結会計年度における市場分野別受注実績を示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における市場分野別販売実績を示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における地域ごとの販売実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 1.販売高は顧客の所在地を基礎とし、国内又は海外に分類しております。
2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当社グループは、厳しい事業環境の中、健全経営の維持を目指し、総資産が17,348百万円、総負債が6,123百万円、純資産が11,225百万円、自己資本比率が64.7%、1株当たり純資産が1,092.02円となり、前連結会計年度末に比べ自己資本比率は0.1%の増加、1株当たり純資産は32.22円の増加となりました。
(総資産)
総資産は、前連結会計年度末と比較し543百万円増加し、17,348百万円となりました。これは現金及び預金の増加が912百万円あったこと、売上債権の減少が738百万円あったこと、棚卸資産の減少が137百万円あったこと、その他流動資産の増加が543百万円あったこと等によります。
負債は、前連結会計年度末と比較し178百万円増加し、6,123百万円となりました。これは仕入債務の減少が430百万円あったこと、仕掛案件に係る契約負債(前連結会計年度末は前受金)の増加が431百万円あったこと、未払法人税等の増加が174百万円あったこと、未払消費税等の増加が101百万円あったこと、退職給付債務に係る負債の減少が196百万円あったこと等によります。
純資産は、前連結会計年度末と比較し364百万円増加し、11,225百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益を451百万円計上し、新株の発行による資本金及び資本剰余金の増加が56百万円あったこと、剰余金の配当を256百万円行ったこと、その他の包括利益累計額の増加が113百万円あったこと等によるものであります。
詳細は連結株主資本等変動計算書をご参照下さい。
(3) キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは1,280百万円(前連結会計年度は536百万円の獲得)となりました。
主な要因は、税金等調整前当期純利益が834百万円あったことと、減価償却費が135百万円あったこと、売上債権及び契約資産の減少による資金の増加が786百万円あったこと、前渡金の増加による資金の減少が452百万円あったこと、仕入債務の減少による資金の減少が462百万円あったこと、契約負債の増加による資金の増加が429百万円あったこと、法人税等の支払による支出が132百万円あったこと等によります。
投資活動によって使用したキャッシュ・フローは204百万円(前連結会計年度は16百万円の獲得)となりました。
主な要因は、有形固定資産の取得による支出が66百万円あったこと、無形固定資産の取得による支出が82百万円あったこと、短期貸付金の純増額による支出が94百万円あったこと等によります。
財務活動によって使用したキャッシュ・フローは255百万円(前連結会計年度は192百万円の使用)となりました。
主な要因は、配当金の支払による支出が256百万円あったこと等によります。
以上の結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は9,561百万円と905百万円の増加となりました。
当社グループの資金需要の主なものとして、工事設計施工に係る工事原価、販売費及び一般管理費等の営業費用があります。これらの資金需要は売上代金の回収にて獲得した自己資金にて充当しております。
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は9,561百万円と当社グループの事業活動を推進する上で十分な流動性を確保しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成において、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。