第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

回                   次

第44期

第45期

第46期

第47期

第48期

決     算     年     月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

売上高

(千円)

18,020,279

17,774,555

16,836,117

15,533,287

23,269,002

経常利益

(千円)

1,758,660

709,465

999,730

1,283,695

1,765,112

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

1,158,579

357,510

609,456

1,060,019

1,182,939

包括利益

(千円)

1,158,579

357,510

609,456

1,060,019

1,182,939

純資産額

(千円)

9,894,946

10,066,523

10,301,793

11,056,333

12,076,934

総資産額

(千円)

19,293,753

20,070,765

20,050,696

28,976,914

30,976,423

1株当たり純資産額

(円)

1,169.65

1,192.45

1,248.99

1,356.38

1,465.49

1株当たり当期純利益

(円)

137.08

42.34

73.56

129.61

143.79

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

136.60

42.25

73.22

129.01

143.72

自己資本比率

(%)

51.3

50.1

51.4

38.1

39.0

自己資本利益率

(%)

12.3

3.6

6.0

9.9

10.2

株価収益率

(倍)

6.7

17.3

11.2

6.4

7.0

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

419,952

916,543

1,704,534

9,267,929

11,690

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

70,915

287,541

51,167

266,777

765,600

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

984,130

952,823

608,166

7,971,036

302,650

現金及び現金同等物の
期末残高

(千円)

3,958,686

3,707,424

4,752,625

3,188,955

2,714,315

従業員数

(名)

182

182

187

179

187

 

(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第47期の期首から適用しており、第47期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

回                   次

第44期

第45期

第46期

第47期

第48期

決     算     年     月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

売上高

(千円)

16,266,923

16,111,690

15,529,561

15,309,935

23,265,044

経常利益

(千円)

1,752,909

671,285

993,286

1,303,949

1,767,809

当期純利益

(千円)

1,172,998

177,344

603,521

1,053,355

1,186,142

資本金

(千円)

814,067

818,435

820,801

833,723

860,878

発行済株式総数

(株)

8,456,300

8,468,300

8,474,800

8,510,300

8,584,900

純資産額

(千円)

10,092,423

10,083,835

10,313,170

11,061,048

12,084,852

総資産額

(千円)

19,028,555

19,838,823

19,674,848

28,981,389

30,983,387

1株当たり純資産額

(円)

1,193.00

1,194.51

1,250.37

1,356.96

1,466.45

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

23.00

25.00

26.00

28.00

33.00

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益

(円)

138.79

21.00

72.85

128.80

144.18

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

138.30

20.96

72.51

128.20

144.11

自己資本比率

(%)

53.0

50.8

52.4

38.2

39.0

自己資本利益率

(%)

12.2

1.8

5.9

9.9

10.3

株価収益率

(倍)

6.6

34.9

11.3

6.4

7.0

配当性向

(%)

16.6

119.0

35.7

21.7

22.9

従業員数

(名)

154

160

168

179

187

株主総利回り

(%)

115.1

96.1

110.1

114.4

140.5

(比較指標:TOPIX)

(%)

(118.1)

(126.8)

(143.0)

(139.5)

(178.9)

最高株価

(円)

972

927

908

921

1,098

最低株価

(円)

682

560

722

787

800

 

(注)1.選択した株価指数は、TOPIX(東証株価指数・配当込み)を選択しております。

2.最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第47期の期首から適用しており、第47期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

当社は、戦後の日本の復興のなかでも比較的遅れていた「住」の部分において、「人々に安く広く良質な住宅を提供し、快適な空間を創造していきたい」というビジョンのもと、1976年2月、株式会社サンセイサービスとして、東京都中央区銀座7丁目にて設立されました。

設立当初は、不動産の売買仲介及びマンション・アパ-ト・ビル等の賃貸、仲介事業のみでありましたが、業容の拡大に伴い「不動産販売事業」を開始いたしました。1991年からは、一般的な不動産業者があまり取引対象としてこなかった底地の取扱いを開始しております。

当社設立以後の企業集団に係る経緯は、次の通りであります。

 

年      月

概        要

1976年2月

不動産の売買仲介及びマンション・アパート・ビル等の賃貸、仲介事業を目的として、株式会社サンセイサービス(現 株式会社サンセイランディック)を東京都中央区に設立

1976年3月

宅地建物取引業免許を取得(東京都知事(1)30441号)

1976年9月

本店を東京都目黒区祐天寺へ移転

1987年3月

商号を株式会社サンセイ(現 株式会社サンセイランディック)に変更

1991年6月

底地の取扱いを開始

1993年8月

東京都千代田区に不動産販売・仲介事業を目的として、株式会社サンセイ住宅販売(連結子会社株式会社サンセイコミュニティ)を設立

1997年2月

本店を東京都千代田区神田淡路町へ移転、商号を株式会社サンセイランディックに変更

2002年1月

経営権の強化のため、株式会社サンセイコミュニティを完全子会社化

2002年4月

大阪府大阪市西区に大阪支店(現 関西支店)、北海道札幌市中央区に札幌支店を設置

2002年5月

宅地建物取引業免許を国土交通大臣免許に変更(国土交通大臣(1)第6282号)

2002年11月

本店を東京都千代田区神田鍛冶町へ移転

2004年8月

福岡県福岡市中央区に福岡支店を設置

2005年3月

東京都千代田区に戸建分譲を目的として、株式会社One’s Life ホーム(連結子会社)を設立し、建築事業を開始

2007年12月

愛知県名古屋市中区に名古屋営業所(現 名古屋支店)を設置

2008年1月

当社において底地の管理業務「オーナーズパートナー」を開始

2009年1月

本店を東京都千代田区神田司町へ移転

2009年12月

経営権の強化のため、株式会社One’s Life ホームを完全子会社化

2011年3月

神奈川県横浜市西区に横浜支店を設置

2011年12月

大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場

2013年7月

株式会社サンセイコミュニティを吸収合併

2014年1月

東京証券取引所市場第二部へ市場変更

2014年12月

東京証券取引所市場第一部に銘柄指定

2015年1月

宮城県仙台市若林区に仙台支店を設置

2016年5月

本店を東京都千代田区丸の内へ移転

2018年7月

京都府京都市中京区に京都支店を設置

2019年10月

東京都千代田区に資金調達等を目的として、株式会社サンセイランディックファンディング(現 連結子会社)を設立

2020年5月

横浜支店を本店営業部に統合

2021年11月

東京都千代田区に宿泊施設の運営を目的として、八幡平観光活性化合同会社(現 連結子会社)を設立

2022年3月

株式会社One’s Life ホームの全株式を譲渡

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からスタンダード市場へ移行。

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社2社(株式会社サンセイランディックファンディング、八幡平観光活性化合同会社)により構成されており、旧借地法・借家法(注1  以下、「旧法」という。)の適用される底地等に係る「不動産販売事業」を主たる業務として行っております。当社グループの事業の内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。

 

「不動産販売事業」

当事業におきましては、当社が、主にひとつの不動産に複数の権利者がいるため、自由な活用が制限されていたり、資産価値が低くなっている物件を土地所有者から買取り、権利関係を調整(以下、「権利調整」※という。)することにより、不動産の価値を高めた上で販売する事業を行っております。物件情報は不動産仲介業者等からの紹介によって収集しており、物件の法的規制や権利関係などの調査を実施し、土地所有者と仕入交渉を行って物件を買取っております。

なお、当事業において取扱う具体的な物件は以下の通りでありますが、案件によって単体の場合と、①~③が混在している場合があります。

※以下の「①底地」「②居抜き」文中の下線部が、当社による権利調整に該当します。

① 底地

底地とは、主に「借地権負担付土地」であり、土地所有者が第三者に土地を貸し、賃借料(以下「地代」という。)収入を得ている土地を指します。一般的な土地には、土地所有者に「土地の所有権と利用権」(以下、「完全所有権」という。)がありますが、土地所有者が、その土地を第三者に貸し、第三者がその土地に家を建てると、当該第三者は、地代を支払う義務を負う代わりに「土地の利用権」(「借地権」)を得ます(以下、この第三者を「借地権者」という。)。一方、土地所有者は、土地の利用権を一時的に失った状態となり、「土地の所有権と地代徴収権」(「底地権」)を持つことになります。

当社は、主に旧法が適用される底地を土地所有者より買取り、隣地との境界確定、借地区画ごとの分筆や借地権者との交渉の後、借地権者のニーズに合わせて、以下のように対応します。

イ  借地権者への底地の販売(借地権者の完全所有権化)

ロ  借地権者からの借地権の買取り等による当社の完全所有権化後、不動産仲介業者を通じての不動産会社や事業会社、個人に販売

このように、当社が当事者(土地所有者)として様々な権利を適切に調整することで、借地権者との間におけるトラブルを回避し、満足頂けるようなソリューションを提供しております。また、当社が取得した底地を販売するまでの期間は、借地権者から地代を得ております。

② 居抜き

居抜きとは、老朽化して十分に収益を上げることができないアパートやビルなどの借家権付土地建物のことをいいます。

当社は、土地建物所有者より居抜きを買取り、借家権者(その建物の一部を借りている建物賃借人)に退去の依頼をして、必要に応じて新しい移転先の紹介や移転費用の負担などを行った上で(以下、「明渡し交渉」という。)、賃貸借契約を合意解約して当社の完全所有権とします。借家権者の退去後、空き物件となった土地建物(必要に応じて建物解体後の更地)を、不動産仲介業者を通じて不動産会社や事業会社、個人に販売しております。

③ 所有権

所有権とは、土地建物に係る所有者の完全所有権のことであり、当社が所有者から所有権物件を買取り、不動産仲介業者を通じて不動産会社や事業会社、個人に販売しております。

 

当社は、東京本社を含め札幌支店・仙台支店・武蔵野支店・名古屋支店・京都支店・関西支店・福岡支店の全国8ヶ所に営業拠点を設け、底地及び居抜きを主体に取扱う不動産会社として、積極的に事業を展開しております。

不動産の売買の他に、不動産の仲介、土地活用のコンサルティングサービスや、地代の集金業務の代行や土地賃貸借契約期間の更新手続など、土地所有者から土地賃貸管理業務を一括して請け負うサービスである「オーナーズパートナー」(注2)を展開しております。また、オフィスビル・マンション・アパート等の賃貸不動産を所有し、賃料収入を得ております。

 

(注1) 「旧借地法・借家法」について

わが国の近代における土地所有制度の歴史的変革は、明治政府により実施された土地の自由売買容認と地租改正に始まります。しかし当時は、税負担が大きく、借地形態での居住が中心であり、土地所有者の権利が強い時代でした。明治から大正にかけて、農村部から都市部への人口流入が進む中で、借地権者の権利保護が求められるようになり、1921年に借地法・借家法が制定されました。そして、1923年に発生した関東大震災により、多くの被災者が発生しましたが、迅速かつ円滑な復興を目的として、翌年、借地借家臨時処理法を制定し、被災前の借家権者であった者に借地権者の権利を主張できるようにしました。これにより、借地の供給が大幅に増加したといえます。この後も都市部への人口流入が続いて不動産価格の高騰がおき、賃借人の保護を行う必要が高まったため、1941年に借地法・借家法の改正がなされ、土地所有者側の正当な事由なしに土地賃貸借契約解約の申入れ、更新の拒絶ができなくなりました。

戦後においても、戦後復興を進めるため罹災法(罹災都市借地借家臨時処理法)が制定され、借地の供給がなされました。高度経済成長期には地価の大幅な上昇を招いたことや都市部への人口流入が続いたこともあり、住宅難の時代が続きました。また、多くの借地権建物も老朽化が進み、建替えの必要があるが、土地所有者が建替えを認めないなど問題が発生したことから、1966年に借地法・借家法の改正がなされ、借地権者の建替え、増改築に関して、土地所有者が承諾を出さない場合は、借地権者は裁判所から地主の承諾に代る許可をとれるという内容が盛り込まれました。

このような経過を辿った末に、1992年に土地所有者と借地権者・借家権者の権利関係を有期の契約とする「定期借地権」の新しい概念が盛り込まれた借地借家法の新法が施行されました。

旧法は、戦前戦後の混乱の中で、借地や借家が大量に発生した事情や、道路の問題や隣地境界、契約内容、権利関係の不明朗さが残されたまま、土地の需要の拡大に取り込まれてしまった経緯があります。

1992年の新法施行以後に借地契約が成立した借地は新法の適用となりましたが、日本全国には現在でも旧法が適用される相当数の借地が存在することが推測されます。特に、戦前戦後の混乱期に生じた底地は、現在、相続等による権利継承が行われる時期にきていることや現代の状況に見合わない旧法の解消を求めることなどが、底地の流動化の大きな要因となっております。

 

(注2) 「オーナーズパートナー」について

土地所有者の底地管理・運営のサポートを目的として、地代集金・滞納督促連絡・土地賃貸借契約期間の更新手続など、土地賃貸管理業務を一括して請け負うサービスです。

底地は、長い年月の間、土地を貸し借りしていることにより、契約内容が曖昧なまま、土地所有者・借地権者ともに世代交代が進み権利関係が複雑化していることや、経済情勢の変化に対応した地代改定が行われていないなど、底地を資産として有効に活用できていないケースが多く見受けられます。当社が土地所有者を代行して借地権者の管理を行うことにより、土地所有者の管理に係る負担が軽減されるとともに、底地の有効な資産活用が可能となります。

 

 

不動産販売事業の標準的な流れは以下の通りとなります。

それぞれ単体の場合と、底地・居抜き・所有権が混在している場合があります。

 


 

 

不動産販売事業における底地を仕入れた場合の流れ・権利調整方法は、以下のようになります。

 

 


 

(注1)接道義務とは、建築基準法第43条において、原則、建築物の敷地は幅員4m以上の道路(同法第42条第1項に規定する道路)に2m以上接しなければならないとされています。

(注2)位置指定道路とは、建築基準法第42条1項5号に定められる特定行政庁から道路位置の指定を受けた私道のことです。

 

 

 

4 【関係会社の状況】

名称

(連結子会社)

住所

資本金又は
出資金
(千円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
(被所有)割合
(%)

関係内容

㈱サンセイランディックファンディング

東京都千代田区

3,000

不動産販売事業

100.0

当社の事業に関するファンド組成業務を請負っております。

役員の兼任1名

八幡平観光活性化合同会社

東京都千代田区

10,000

不動産販売事業

100.0

 

役員の兼任1名

 

(注)「主要な事業の内容」欄には、事業の内容に記載された名称を記載しております。

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2023年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

不動産販売事業

131

全社(共通)

56

合計

187

 

(注)1.従業員数は就業人員であります。

2.全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員であります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2023年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

187

38.7

8.9

7,614

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

不動産販売事業

131

全社(共通)

56

合計

187

 

(注)1.従業員数は就業人員であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合

 

2023年12月31日現在

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

22.2%

 

(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出したものであります。