【連結財務諸表注記】

1.報告企業

キリンホールディングス㈱(以下、当社)は、日本に所在する株式会社であります。当社の登録されている住所は、ウェブサイト(https://www.kirinholdings.com/)で開示しております。

当社及び子会社(以下、当社グループ)は、酒類、清涼飲料、医薬品の製造・販売等を行っております。

 

2.作成の基礎

(1) IFRSに準拠している旨

当社グループの連結財務諸表は連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、連結財務諸表規則第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。

 

(2) 連結財務諸表の承認

当社グループの連結財務諸表は、2024年3月28日において代表取締役社長COO南方健志及び取締役常務執行役員秋枝眞二郎により公表の承認がなされております。

 

(3) 測定の基礎

当社グループの連結財務諸表は注記「3.重要性がある会計方針」に記載している金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。

 

(4) 機能通貨及び表示通貨

当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満の端数は四捨五入して表示しております。

 

(5) 会計上の判断、見積り及び仮定

当社グループの連結財務諸表は、収益及び費用、資産及び負債の測定並びに報告日現在の偶発事象の開示等に関する経営者による会計上の判断、経営者の見積り及び仮定を含んでおります。見積り及び仮定については、実際の結果は、その性質上、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。

見積り及び仮定は、経営者により継続して見直しております。これらの見積り及び仮定の見直しによる影響は、その見積り及び仮定を見直した期間及びそれ以降の期間において認識しております。

当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える会計上の判断については以下のとおりであります。

・ 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損テストにおける資金生成単位又は資金生成単位グループの決定(注記「9.非金融資産の減損」参照)

また当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定は、以下のとおりであります。

・ 有形固定資産、のれん及び無形資産の評価(注記「9.非金融資産の減損」参照)

・ 繰延税金資産の回収可能性(注記「11.法人所得税」参照)

・ 持分法で会計処理されている投資の評価(注記「36.持分法で会計処理されている投資」参照)

 

 

(6) 会計方針の変更

(IAS第12号「法人所得税」の改訂)

当社グループは、当年度より、2023年5月23日に公表された「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号の改訂)」(以下、改訂IAS第12号)を適用しております。当社グループは、改訂IAS第12号に定める例外規定を適用しており、第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に関連する繰延税金資産及び繰延税金負債の認識及び開示を行っておりません。なお、当会計方針の変更による当社グループの連結財務諸表への重要な影響は生じない見込みであります。

 

(7) 表示方法の変更

(連結キャッシュ・フロー計算書)

前年度において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「子会社株式売却損」及び「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「子会社株式の売却による支出」は、金額的重要性が増したため、当年度において独立掲記しております。

この結果、前年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた△34,002百万円は、「子会社株式売却損」250百万円、「その他」△34,251百万円として、また「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた4,612百万円は、「子会社株式の売却による支出」△442百万円、「その他」5,054百万円としてそれぞれ組替えております。

 

 

3.重要性がある会計方針

(1) 連結の基礎

当社グループの連結財務諸表は、当社及び当社の子会社の財務諸表並びに関連会社及び共同支配の取決めの持分相当額を含んでおります。

① 子会社

子会社とは、当社グループにより支配されている企業を言います。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を及ぼす能力を有している場合を言います。

子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、当社グループの連結財務諸表に含まれております。

報告日が異なる子会社の財務諸表は、連結報告日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。子会社に対する所有持分の変動で支配の喪失とならないものは、資本取引として会計処理しております。非支配持分の修正額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。子会社に対する支配を喪失した場合には、当該子会社の資産及び負債、当該子会社に係る非支配持分の認識を中止し、支配喪失後も継続して保持する残余持分について支配喪失日の公正価値で再測定し、生じた利得又は損失は、純損益として処理しております。

当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。

② 関連会社

関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業を言います。

関連会社への投資は、重要な影響力を有することとなった日から、重要な影響力を喪失する日まで、持分法を用いて会計処理しており、取得時に取得原価で認識しております。

SAN MIGUEL BREWERY INC.等の一部の持分法適用会社は、当該持分法適用会社(その親会社を含む。)の所在地もしくは株式を上場する現地の法制度上、又は他の株主との関係等により、当社が当該持分法適用会社の財務情報を入手可能となる時期に制約があるため、報告期間の末日を統一することが実務上不可能な状況にあります。そのため、当該持分法適用会社については、報告日が3ヶ月相違した財務情報に対して、当社の報告日との間に生じた重要な取引及び事象の影響については調整を行った上で、持分法を適用しています。

持分法適用会社との取引から発生した未実現利益は、被投資企業に対する当社グループ持分を上限として投資から控除しております。未実現損失は、減損が生じている証拠がない限り、未実現利益と同様の方法で投資から控除しております。

関連会社に対する重要な影響力を喪失し、持分法の適用を中止する場合は、売却持分に係る売却損益を純損益として認識するとともに、残存している持分について公正価値で再測定し、当該評価差額をその期の純損益として認識しております。

③ 共同支配の取決め

共同支配の取決めとは、複数の当事者が共同支配を有する契約上の取決めを言います。当社グループはその共同支配の取決めへの関与を、当該取決めの当事者の権利及び義務に応じて、共同支配事業(取決めに関連して当社グループが資産への権利を有し、負債への義務を負う場合)と共同支配企業(当社グループが取決めの純資産に対する権利のみを有する場合)に分類しております。当社グループが有する共同支配事業については、共同支配が開始した日から終了する日までの持分に係る資産、負債、収益及び費用を認識し、共同支配企業については、共同支配が開始した日から終了する日までの財務情報に対して持分法によって会計処理しております。

共同支配企業に対する共同支配を喪失した場合には、関連会社と同様に会計処理しております。

④ 企業結合

企業結合は、取得法を適用して会計処理しております。

被取得企業における識別可能な資産及び負債は取得日(被取得企業に対する支配開始日)の公正価値で測定しております。

のれんは、企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日公正価値の合計が、取得日における識別可能な資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定しております。企業結合で移転された対価は、当社グループが移転した資産、引き受けた負債及び発行した資本持分の公正価値の合計で計算しております。

当社グループは非支配持分を公正価値もしくは被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分相当額で測定するかについて、企業結合ごとに選択しております。

企業結合が生じた期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、暫定的な金額で会計処理を行っております。取得日から1年以内の測定期間において、取得日時点で存在した事実及び状況について新しい情報を入手した場合は、暫定的な金額を遡及修正しております。

なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しており、当該取引からのれんは認識しておりません。

また、共通支配下の企業又は事業が関わる企業結合(全ての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的でない企業結合)については、帳簿価額に基づき会計処理しております。

 

(2) 外貨換算

① 外貨建取引

外貨建取引は、取引日の為替レート又はそれに近似するレートで機能通貨に換算しております。

報告日における外貨建貨幣性項目は、報告日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の測定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に再換算しております。

当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。

② 在外営業活動体

在外営業活動体の財政状態計算書の資産及び負債は、その財政状態計算書の日現在の為替レートで、純損益及びその他の包括利益を表示する各計算書の収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、平均為替レートで換算しております。

当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体が処分された場合には、当該営業活動体に関連した換算差額の累計額を処分した期の純損益に振り替えております。

 

(3) 金融商品

① 金融資産(デリバティブを除く)
(ⅰ)当初認識及び測定

  金融資産は償却原価で測定される金融資産、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。当社グループは当初認識においてその分類を決定しております。通常の方法による金融資産の売買は、取引日において認識又は認識の中止を行っております。

(a) 償却原価で測定される金融資産

次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定される金融資産に分類しております。

・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。

・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。

(b) 公正価値で測定される金融資産

償却原価で測定される金融資産以外の金融資産は公正価値で測定される金融資産に分類しております。

公正価値で測定される金融資産のうち売買目的保有でない資本性金融商品については、個々の資本性金融商品ごとに、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する取消不能の指定を行う場合があります。当該指定を行っていない資本性金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類されます。

すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される区分に分類される場合を除き、公正価値に、当該金融資産に直接起因する取引コストを加算した金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含まない営業債権は、取引価格で測定しております。

なお、デリバティブについては「④デリバティブ及びヘッジ会計」に記載しております。

(ⅱ)事後測定

金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。

(a) 償却原価で測定される金融資産

償却原価で測定される金融資産については実効金利法による償却原価により測定しております。

(b) 公正価値で測定される金融資産

償却原価で測定される金融資産以外の金融資産は公正価値で測定しており、公正価値の変動額は、金融資産の分類に応じて純損益又はその他の包括利益で認識しております。なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定された資本性金融商品から生じる配当金については純損益で認識し、公正価値が著しく下落した場合又は認識を中止した場合は、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を利益剰余金に振り替えております。

(ⅲ)認識の中止

金融資産は、キャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は譲渡され、かつ実質的に所有に伴うほとんどすべてのリスクと経済価値が移転した場合に認識を中止しております。

 

② 金融資産の減損

償却原価で測定する金融資産については、予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。予想信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値です。貸倒引当金の変動は純損益に計上しております。

当初認識後は、報告日において、金融資産を次の3つのステージに分類し、それぞれ以下のとおり、予想信用損失を測定しております。

 

説明

予想信用損失の測定方法

ステージ1

金融商品の信用リスクが当初認識時よりも著しく増大していないもの

12ヶ月の予想信用損失

ステージ2

金融商品の信用リスクが当初認識時よりも著しく増大しているもの

全期間の予想信用損失

ステージ3

信用減損の証拠がある金融商品

全期間の予想信用損失

 

当社グループでは、原則として契約で定められた支払期限を30日超過した場合に、金融資産の信用リスクが当初認識時より著しく増大していると判断しており、支払期限を90日超過した場合に債務不履行が生じていると判断しております。債務不履行に該当した場合、又は発行者又は債務者の著しい財政的困難などの減損の証拠が存在する場合、信用減損しているものと判断しております。

なお、上記にかかわらず、重大な金融要素を含んでいない営業債権等は、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております(単純化したアプローチ)。

予想信用損失の測定に当たっては、過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において利用可能な合理的で裏付け可能な情報を用いております。

また、金融資産の全部又は一部分を回収できないと合理的に判断した場合は、金融資産の帳簿価額を直接償却しております。

 

③ 金融負債(デリバティブを除く)
(ⅰ)当初認識及び測定

金融負債は、償却原価で測定される金融負債、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債、金融保証契約負債とに分類しております。当社グループは、金融負債の当初認識時に当該分類を決定しております。

すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定される金融負債については、直接起因する取引コストを控除した金額で測定しております。

なお、デリバティブについては「④デリバティブ及びヘッジ会計」に記載しております。

(ⅱ)事後測定

金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。

(a) 償却原価で測定される金融負債

償却原価で測定される金融負債は、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による利息費用及び認識が中止された場合の利得及び損失は、連結損益計算書において純損益として認識しております。

(b) 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債

 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債は、当初認識後、公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しております。

(c) 金融保証契約

金融保証契約は、当初認識後、以下のいずれか高い方の金額で測定しております。

・上記②「金融資産の減損」に従って算定した貸倒引当金の金額

・当初測定額からIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の原則に従って認識した収益の累計額を控除した額

(ⅲ)認識の中止

金融負債は、義務が履行されたか、免除されたか、又は失効した場合に認識を中止しております。

 

④ デリバティブ及びヘッジ会計

当社グループは、為替リスク、金利リスクや商品価格をそれぞれヘッジするために、為替予約、通貨スワップ、金利スワップ、商品スワップ契約等のデリバティブを利用しております。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定され、その後も公正価値で再測定しております。

デリバティブの公正価値変動額は連結損益計算書において純損益として認識しております。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体の純投資ヘッジの有効部分は連結包括利益計算書においてその他の包括利益として認識しております。

当社グループは、ヘッジ開始時に、ヘッジ会計を適用しようとするヘッジ関係並びにヘッジを実施するに当たってのリスク管理目的及び戦略について、公式に指定及び文書化を行っております。当該文書は、具体的なヘッジ手段、ヘッジ対象となる項目又は取引並びにヘッジされるリスクの性質及びヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際してのヘッジ手段の公正価値変動の有効性の評価方法などを含んでおります。これらのヘッジは、キャッシュ・フローの変動を相殺する上で有効であることが見込まれますが、ヘッジ指定を受けたすべての財務報告期間にわたって実際に有効であったか否かを判断するために、継続的に評価しております。

ヘッジ会計に関する厳格な要件を満たすヘッジは、IFRS第9号に基づき以下のように分類し、会計処理しております。

 

(ⅰ)キャッシュ・フロー・ヘッジ

ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分は連結包括利益計算書においてその他の包括利益として認識し、非有効部分は直ちに連結損益計算書において純損益として認識しております。

その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせる予定取引である場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しております。

予定取引の発生がもはや見込まれない場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を純損益に振り替えております。ヘッジ手段が失効、売却、又は他のヘッジ手段への入替えや更新が行われずに終了又は行使された場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識されていた金額は、予定取引が発生するまで引き続き資本に計上しております。

(ⅱ)在外営業活動体に対する純投資のヘッジ

在外営業活動体に対する純投資から発生する換算差額については、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様の方法で会計処理しております。ヘッジ手段に係る利得及び損失のうち、有効部分は連結包括利益計算書においてその他の包括利益で認識し、非有効部分は連結損益計算書において純損益として認識しております。在外営業活動体の処分時には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を純損益に振り替えております。

 

⑤ 金融商品の公正価値

各報告日現在で活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場における公表価格を参照しております。活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を使用して算定しております。

 

(4) 有形固定資産

有形固定資産の認識後の測定として、原価モデルを採用しております。有形固定資産は取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。

取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体、除去及び原状回復コストの当初見積額等が含まれております。

土地及び建設仮勘定以外の資産の減価償却費は、見積耐用年数にわたり、定額法で計上しております。主な資産の種類別の見積耐用年数は以下のとおりであります。

建物及び構築物

2―65年

機械装置及び運搬具

2―30年

工具器具及び備品

2―20年

 

減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、各期末日に見直し、変更が必要な場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。

 

(5) のれん

企業結合から生じたのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。

のれんは償却を行わず、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、年次及び減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は純損益として認識され、その後の戻入れは行っておりません。

のれんの内部モニタリング単位が変更された場合には、変更後の内部モニタリング単位に従い資金生成単位又は資金生成単位グループにのれんを再配分しております。

なお、のれんの当初認識時点における測定は、「(1) 連結の基礎 ④ 企業結合」に記載しております。

 

(6) 無形資産

無形資産の認識後の測定方法として、原価モデルを採用しております。無形資産は取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、自己創設の過程で生じる従業員給付費用及び消費したサービスに関する費用等が含まれております。

① 個別取得した無形資産

 個別取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。

② 企業結合により取得した無形資産

 企業結合により取得した無形資産は、取得日の公正価値で測定しております。

③ 自己創設無形資産(開発費)

当社グループで発生した研究開発費は、次の資産計上の要件のすべてを満たす開発活動に対する支出を除き、発生時に費用として認識しております。

・使用又は売却に利用できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性

・無形資産を完成させて、使用するか又は売却するという意図

・無形資産を使用又は売却できる能力

・無形資産が可能性の高い将来の経済的便益をどのように創出するのか

・開発を完成させて、無形資産を使用するか又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性

・開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力

 

当社グループにおける、主な無形資産は以下のとおりであります。

(ⅰ) ブランド

ブランドは、取得原価で当初認識しております。ブランドは、原則として正味のキャッシュ・インフローが継続すると期待される期間を予見することができないため、耐用年数の確定できない無形資産として償却は行わず、年次及び減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。

(ⅱ) 販売権

販売権は、取得原価で当初認識しております。販売権は、見積耐用年数(5―20年)にわたり定額法で償却を行っており、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。

(ⅲ) ソフトウェア

ソフトウェアは、取得原価で当初認識しております。ソフトウェアは、見積耐用年数(2―10年)にわたり定額法で償却を行っており、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。

(ⅳ) ソフトウェア仮勘定

制作中のソフトウェアであるソフトウェア仮勘定は、取得原価で認識しております。ソフトウェア完成時にソフトウェアに振替え、見積耐用年数にわたり定額法で償却を行います。年次及び減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。

(ⅴ) その他

その他の無形資産は、取得原価で当初認識しております。その他の無形資産は、耐用年数を確定できるものについては、見積耐用年数にわたり定額法で償却を行っており、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。耐用年数を確定できないものについては、償却は行わず、年次及び減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。

 

償却方法、耐用年数及び残存価額は、各期末日に見直し、変更が必要な場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。

 

(7) リース

リースは、リース開始日において、使用権資産及びリース負債を認識しております。

① 使用権資産

使用権資産は取得原価で当初測定しており、取得原価は、リース負債の当初測定の金額、当初直接コスト、原資産の解体並びに除去及び原状回復コストの当初見積額等で構成されております。

使用権資産の認識後の測定として、原価モデルを採用しております。使用権資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で、対応する原資産が自社所有であった場合に表示される連結財政状態計算書上の表示項目に含めて表示しております。

当初認識後は、原資産の所有権がリース期間の終了時までに移転される場合、又は使用権資産の取得原価が購入オプションを行使することが合理的に確実である場合には、原資産の見積耐用年数で、合理的に確実でない場合にはリース期間と使用権資産の見積耐用年数のいずれか短い期間にわたって定額法により減価償却を行っております。

 

② リース負債

リース負債は、リース開始日現在で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初認識しております。

リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社グループの追加借入利子率を用いており、一般的に当社グループは追加借入利子率を割引率として使用しております。

リース負債は、リース負債に係る金利を反映するように帳簿価額を増額し、支払われたリース料を反映するように帳簿価額を減額することにより事後測定しており、連結財政状態計算書上、その他の金融負債に含めて表示しております。

 

なお、当社グループは短期リース及び少額資産のリースについては、リース料が他の規則的な方法により利用者の便益のパターンがより適切に表される場合を除いて、リース期間にわたり定額法によって費用として計上しております。

 

(8) 法人所得税

 法人所得税は当期税金と繰延税金との合計額であります。

当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、報告日までに制定又は実質的に制定されたものであります。純損益として認識される当期税金には、その他の包括利益又は資本において直接認識される項目から生じる税金及び企業結合から生じる税金を含んでおりません。

繰延税金は、報告日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び税務上の繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、原則として、将来加算一時差異について認識しておりますが、それぞれ以下の場合には繰延税金資産又は負債を計上しておりません。

・のれんの当初認識から一時差異が生じる場合

・企業結合でない取引で、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から一時差異が生じる場合

・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合

・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異に関しては、当社グループが一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合

繰延税金資産及び負債は、報告日までに制定又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいて一時差異が解消されるときに適用されると予想される税率で算定しております。純損益として認識される繰延税金には、その他の包括利益又は資本において直接認識される項目から生じる税金及び企業結合から生じる税金を含んでおりません。

繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上の強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課されている場合、相殺しております。 

なお、法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税法の解釈に基づき税務ポジションが発生する可能性が高い場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識しています。

 

(9) 非金融資産の減損

当社グループは、のれん((5)のれん参照)及び耐用年数が確定できない無形資産((6)無形資産参照)について、少なくとも年1回減損テストを行っており、さらに減損の兆候がある場合には、その都度減損テストを行っております。

当社グループでは、報告日現在で、棚卸資産((10)棚卸資産参照)、繰延税金資産((8)法人所得税参照)、退職給付に係る資産((14)従業員給付参照)を除く非金融資産の減損の兆候の有無を判断しております。なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは別個に認識されておらず、個別に減損テストを実施しておりませんが、持分法適用会社に対する投資の総額を単一の資産として減損の兆候を判定し、減損テストを行っております。

減損の兆候がある場合又は年次で減損テストが要求されている場合には、各資産の回収可能価額の算定を行っております。個別資産についての回収可能価額の見積りが不可能な場合には、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額を見積っております。

資産又は資金生成単位の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額で測定しております。使用価値は、見積った将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定しており、使用する割引率は、貨幣の時間価値、及び当該資産に固有のリスクを反映した利率を用いております。

資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額より低い場合にのみ、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、純損益として認識しております。

過年度に減損損失を認識した、のれん以外の資産又は資金生成単位については、報告日において過年度に認識した減損損失の減少又は消滅している可能性を示す兆候の有無を判断しております。そのような兆候が存在する場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、回収可能価額が帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却累計額又は償却累計額控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入れは、直ちに純損益として認識しております。

 

(10) 棚卸資産

棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で計上しております。取得原価は主として総平均法に基づいて算定されており、購入原価、加工費及び棚卸資産を現在の場所及び状態とするまでに発生したその他のコストが含まれております。正味実現可能価額とは、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要するコストの見積額を控除した額であります。

 

(11) 現金及び現金同等物

現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資であります。

 

(12) 売却目的で保有する資産及び非継続事業

①  売却目的で保有する資産

継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産又は資産グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する資産又は処分グループとして分類し、資産は減価償却又は償却は行わず、又、持分法で会計処理されている投資は、持分法の適用を中止し、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定することとしております。

 

②  非継続事業

当社グループでは、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成単位で、次のいずれかに該当するものは非継続事業として認識することとしております。

・独立の主要な事業分野又は営業地域を表す。

・独立の主要な事業分野又は営業地域を処分する統一された計画の一部である。

・転売のみを目的に取得した子会社である。

非継続事業の税引後損益及び非継続事業を構成する処分グループを処分したことにより認識した税引後の利得又は損失は、連結損益計算書において、継続事業とは区分して非継続事業からの当期利益として表示し、過去の期間に係る開示もこれに従って再表示することとしております。

 

(13) 資本

① 普通株式

普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上しております。普通株式の発行に係る付随費用は、税効果控除後の金額にて資本金及び資本剰余金から控除しております。

 

② 自己株式

自己株式を取得した場合には、その支払対価及び付随費用(税効果控除後)を資本の控除項目として認識しております。

自己株式を売却した場合には、帳簿価額と売却時の対価の差額を資本剰余金として認識しております。

 

③ 配当金

当社の株主に対する配当のうち、期末配当は当社の株主総会により承認された日、中間配当は取締役会により承認された日の属する期間の負債として認識しております。

 

(14) 従業員給付

① 退職後給付

当社グループは、確定給付型及び確定拠出型の年金制度を設けており、確定給付型の制度として、退職一時金制度、確定給付企業年金制度及び厚生年金基金制度を設けております。

確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて個々の制度ごとに算定しております。割引率は、期末日時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。確定給付制度負債(資産)の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定しております。確定給付制度資産又は負債の純額の再測定は、発生した期に一括してその他の包括利益で認識し、利益剰余金へ振り替えております。

確定拠出型の退職給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期に費用として計上しております。

 

② 解雇給付

当社グループは、当社グループが通常の退職日前に従業員の雇用を終了する場合、又は従業員が給付と引き換えに自発的に退職する場合に解雇給付を支給します。当社グループが、従業員を解雇することに関する詳細な公式の計画を有しており、その撤回可能性がない場合には、雇用の終了が確約された時点で解雇給付を費用として計上しております。

 

③ 短期従業員給付

短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。賞与については、当社が従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる金額を負債として計上しております。

 

(15) 引当金

過去の事象の結果として、現在の法的債務又は推定的債務が存在し、当該債務を決済するために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しております。なお、法人所得税に係るものは(8)法人所得税に記載しております。

主な引当金の説明は以下のとおりであります。 

・工場再編損失引当金

国内外の生産拠点の効率化を目的とした工場再編に伴い、一部拠点の固定資産撤去等の方針を決定及び周知しているため、当該撤去に係る費用の合理的な見積額を引当金として計上しております。

支払時期は、将来の事業計画等により影響を受けます。

・資産除去債務

保有する有形固定資産に関し、法令、契約又はこれに準ずるもので当該有形固定資産の除却を要求される場合には、資産除去債務を認識しております。資産除去債務は、資産除去に要するキャッシュ・フローを合理的に見積り、それを将来キャッシュ・フローが発生する時点までの期間に対応した貨幣の時間価値を反映した無リスクの税引前の利率で割り引いて測定しております。

 

(16) 株式に基づく報酬

 役員等に対し、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託、譲渡制限付株式報酬制度、業績連動型株式報酬制度(パフォーマンス・シェア・ユニット)及びファントム・ストック制度を採用しております。

 役員報酬BIP信託及び譲渡制限付株式報酬制度においては、持分決済型の株式に基づく報酬制度として、受領したサービスの対価を付与日における株式の公正価値で測定した上で、付与日から権利確定期間にわたり連結損益計算書において費用として認識し、同額を連結財政状態計算書において資本の増加として認識しております。

 パフォーマンス・シェア・ユニットのうち、持分決済型の株式に基づく報酬については、将来的に付与する株式の公正価値を参照して測定しており、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。現金決済型の株式に基づく報酬については、受領した役務及び発生した負債の公正価値を測定しており、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を負債の増加として認識しております。当該負債の公正価値は期末日及び決済日において再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しております。

 ファントム・ストック制度においては、現金決済型の株式に基づく報酬制度として、要支払額の公正価値を負債として認識し、負債が決済されるまで、当該負債の公正価値の変動を純損益に認識しております。

 なお、役員等に対する持分決済型の株式に基づく報酬制度として、ストック・オプション制度を採用しておりましたが、既に付与されている新株予約権を除いて廃止しております。当該制度のもとで、付与されたストック・オプションについては、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として連結損益計算書において認識し、同額を連結財政状態計算書において資本の増加として認識しております。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデル等を用いて算定しております。

 

(17) 顧客との契約から生じる収益

以下の5つのステップアプローチに基づき、収益を認識しております。

ステップ1:顧客との契約を識別する

ステップ2:契約における履行義務を識別する

ステップ3:取引価格を算定する

ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する

ステップ5:企業の履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する

 

消費税や付加価値税、酒税等については各国の法令や取引実態を総合的に勘案し、税務当局の代理人として取引を行っていると考えられるものについては、取引金額に含んでおりません。

 

① 国内ビール・スピリッツ事業、国内飲料事業及びオセアニア酒類事業

国内ビール・スピリッツ事業、国内飲料事業及びオセアニア酒類事業においては、ビール、洋酒、清涼飲料等の販売を行っております。

このような販売については、顧客へ製商品を引き渡した時点で、製商品への支配が顧客に移転し、履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。

製商品の販売から生じる収益は、販売契約における対価から販売数量や販売金額に基づくリベートや値引きなどを控除した金額で算定しており、顧客に返金すると見込んでいる対価を返金負債として計上しております。当該返金負債の見積りにあたっては、契約条件や過去の実績などに基づく最頻値法を用いております。

製商品の販売契約における対価は、顧客へ製商品を引き渡した時点から主として1~2カ月以内に回収しております。なお、重大な金融要素は含んでおりません。

 

② 医薬事業

医薬事業においては、顧客に対して医薬に関係する製商品の販売及び技術の導出を行っております。

顧客との契約における対価に変動対価が含まれている場合には、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引金額に含めております。

(ⅰ) 製商品の販売から生じる収益

顧客に対する製商品の販売契約については、顧客へ製商品を引き渡した時点で、製商品への支配が顧客に移転し、履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。

製商品の販売から生じる収益は、販売契約における対価から販売数量又は販売金額に基づくリベートや値引きなどを控除した金額で算定しており、顧客に返金すると見込んでいる対価を返金負債として計上しております。当該返金負債の見積りにあたっては、契約条件や過去の実績などに基づく最頻値法を用いております。

製商品の販売契約における対価は、顧客へ製商品を引き渡した時点から主として1年以内に受領しております。なお、重大な金融要素は含んでおりません。

(ⅱ) 技術収入

当社グループは、第三者に開発品の開発、製造及び販売に係る権利の許諾等を認めたライセンス契約に基づき、技術収入として契約一時金、マイルストン収入及びランニング・ロイヤルティ収入を得ております。ライセンス契約には、ライセンスの許諾以外に当社グループによる財又はサービスの提供がない場合と、製造技術や薬剤の提供等の開発協力、規制当局承認対応、共同販売促進等に関して当社グループによる財又はサービスの提供がある場合があります。
 ライセンスの許諾以外の重要な財又はサービスの提供がない場合には、通常、契約一時金はライセンス許諾時点において重要な履行義務の全てが充足されることから、ライセンスを付与した時点で収益を認識しており、開発活動が成功し規制当局の承認が得られたこと等で受領するマイルストン収入は、事後に収益の重大な戻入が生じる可能性を考慮し、規制当局への承認申請等の当事者間で合意したマイルストンが達成される可能性が非常に高くなった時点で収益を認識しております。
 また、ライセンスの許諾を含む複数の重要な財又はサービスの提供がある場合には、単一又は複数の履行義務として識別し、当該履行義務に対して契約一時金及びマイルストン収入からなる取引価格を配分し、契約負債として計上した上で、当該履行義務の充足に従い一定期間にわたって収益として認識しております。ライセンス契約に関連する開発協力等の履行義務は、個々のライセンス契約に応じた適切な進捗度をインプット法により測定しております。

ランニング・ロイヤルティ収入及び製剤の売上高合計が一定額を超えたこと等で受領する販売達成マイルストン収入は、売上高ベース又は使用量ベースのロイヤルティに該当し、契約相手先の売上等を算定基礎として測定し、実際に販売又は使用された時点か、売上高ベース又は使用量ベースのロイヤルティに配分された履行義務が充足された時点のいずれか遅い時点で収益を認識しております。
 ライセンス契約における対価は、ライセンスの付与時点並びにマイルストン達成等の契約に基づく合意時点から主として1年以内に受領しております。なお、重大な金融要素は含んでおりません。

 

(18) 金融収益及び金融費用

金融収益は、主として受取利息、受取配当金、為替差益及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。受取配当金は、当社グループの受領権が確定したときに認識しております。

金融費用は、主として支払利息、為替差損、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等から構成されております。支払利息は、実効金利法により発生時に認識しております。

なお、為替差損益は、純額で「金融収益」又は「金融費用」に計上しております。

 

(19) 政府補助金

政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られたときに公正価値で認識しております。

政府補助金が費用項目に関する場合は、当該補助金で補填することが意図されている関連費用を認識する期間にわたって、規則的に収益として認識しております。資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しております。

 

(20) 借入コスト

意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産に関して、その資産の取得、建設又は製造に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化((4)有形固定資産及び(6)無形資産参照)しております。その他の借入コストはすべて、発生した期間に費用として認識しております。

 

(21) 1株当たり利益

基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。

 

4.未適用の公表済み基準書及び解釈指針

連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、IAS第21号の修正(「交換可能性の欠如」)の適用による影響は検討中であり、現時点では見積もることができません。また、それ以外の基準書の適用による影響は軽微であります。

 

基準書

基準名

発効日

(以後開始年度)

当社グループの適用時期

新設・改訂の概要

IAS第21号

外国為替レート変動の影響

2025年1月1日

2025年12月期

通貨が他の通貨と交換できるかどうかの評価、並びに、交換できない場合に使用すべき為替レート及び提供すべき開示の決定における一貫したアプローチを明確化

 

 

 

5.事業セグメント

(1) 報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっている事業セグメントを基礎に決定しており、「国内ビール・スピリッツ事業」「国内飲料事業」「オセアニア酒類事業」「医薬事業」の4つを報告セグメントとしております。
 「国内ビール・スピリッツ事業」は、麒麟麦酒㈱を統括会社として日本におけるビール、発泡酒、新ジャンル、洋酒他酒類製品の製造・販売を行っております。
 「国内飲料事業」は、キリンビバレッジ㈱を統括会社として日本における清涼飲料の製造・販売を行っております。
 「オセアニア酒類事業」は、LION PTY LTDを統括会社としてオセアニア地域等におけるビール、洋酒等の製造・販売を行っております。
 「医薬事業」は、協和キリン㈱を統括会社として医薬品の製造・販売を行っております。
 また、セグメント情報における会計方針は、当社の連結財務諸表における会計方針と概ね同一であります。
 セグメント間売上収益は、市場実勢価格に基づいております。

 

 

(2) 報告セグメントに関する情報

各報告セグメントに関連する情報を以下に記載しております。

前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他
(注1)

調整額
(注2)

連結

国内ビール・
スピリッツ

国内飲料

オセアニア
酒類

医薬

外部顧客からの
売上収益

663,522

243,257

255,900

397,863

428,925

1,989,468

セグメント間
売上収益

1,976

2,513

91

507

74,819

79,907

665,498

245,770

255,991

398,371

503,744

79,907

1,989,468

セグメント利益(注3)

74,660

18,786

31,545

82,462

37,545

53,838

191,159

 

 

 

 

 

その他の営業収益

29,454

 

 

 

 

 

その他の営業費用

104,594

 

 

 

 

 

金融収益

10,978

 

 

 

 

 

金融費用

6,478

 

 

 

 

 

持分法による投資利益

22,780

 

 

 

 

 

持分法で会計処理されている投資の売却益

48,088

 

 

 

 

 

税引前利益

191,387

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他
(注1)

調整額
(注2)

連結

国内ビール・
スピリッツ

国内飲料

オセアニア
酒類

医薬

セグメント資産

432,140

133,184

546,729

880,281

885,775

335,845

2,542,263

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費
及び償却費

16,409

6,982

15,106

18,319

18,922

10,199

85,937

減損損失(金融
資産を除く)

3,525

17,979

44,696

66,200

減損損失戻入益

231

12,921

13,152

持分法で会計処理されている投資

10,090

8,960

342,714

361,764

資本的支出

17,940

9,326

13,107

33,298

30,421

12,708

116,799

 

(注) 1 「その他」の区分は、国内ワイン事業、北米飲料事業、バイオケミカル事業等を含んでおります。

   2 調整額は以下のとおりであります。

(1) セグメント利益の調整額は、主にセグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない費用が含まれております。当該費用は、主に純粋持株会社である当社のグループ管理費用及び機能分担子会社において発生する複数の報告セグメントに関わる管理費用であります。

(2) セグメント資産の調整額は、セグメント間債権債務消去及び各報告セグメントに配分していない資産が含まれております。当該資産は、主に純粋持株会社である当社及び機能分担子会社の余資運用資金(現金及び預金)、長期投資資金(資本性金融商品)及び管理部門に係る資産等であります。

3 セグメント利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除した金額である事業利益を使用しております。

 

当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他
(注1)

調整額
(注2)

連結

国内ビール・
スピリッツ

国内飲料

オセアニア
酒類

医薬

外部顧客からの
売上収益

684,863

255,028

280,990

441,882

471,630

2,134,393

セグメント間
売上収益

2,148

2,771

86

351

75,840

81,196

687,010

257,799

281,077

442,233

547,470

81,196

2,134,393

セグメント利益(注3)

77,741

16,887

32,398

95,968

32,364

53,863

201,495

 

 

 

 

 

その他の営業収益

28,835

 

 

 

 

 

その他の営業費用

80,036

 

 

 

 

 

金融収益

9,035

 

 

 

 

 

金融費用

10,523

 

 

 

 

 

持分法による投資利益

32,773

 

 

 

 

 

持分法で会計処理されている投資の売却益

15,470

 

 

 

 

 

税引前利益

197,049

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他
(注1)

調整額
(注2)

連結

国内ビール・
スピリッツ

国内飲料

オセアニア
酒類

医薬

セグメント資産

443,135

147,721

607,203

971,375

1,182,039

481,888

2,869,585

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費
及び償却費

17,817

7,073

14,836

20,938

17,244

9,318

87,227

減損損失(金融
資産を除く)

22

10,843

19,122

29,987

減損損失戻入益

64

64

持分法で会計処理されている投資

10,487

1,252

12,357

346,624

370,720

資本的支出

17,864

10,398

15,970

33,273

31,958

10,283

119,745

 

(注) 1 「その他」の区分は、国内ワイン事業、北米飲料事業、バイオケミカル事業等を含んでおります。

   2 調整額は以下のとおりであります。

(1) セグメント利益の調整額は、主にセグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない費用が含まれております。当該費用は、主に純粋持株会社である当社のグループ管理費用及び機能分担子会社において発生する複数の報告セグメントに関わる管理費用であります。

(2) セグメント資産の調整額は、セグメント間債権債務消去及び各報告セグメントに配分していない資産が含まれております。当該資産は、主に純粋持株会社である当社及び機能分担子会社の余資運用資金(現金及び預金)、長期投資資金(資本性金融商品)及び管理部門に係る資産等であります。

3 セグメント利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除した金額である事業利益を使用しております。

 

(3) 地域別に関する情報

① 売上収益

(単位:百万円)

 

前年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当年度
(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

日本

1,159,427

1,183,300

オセアニア

184,343

213,876

アメリカ

459,346

539,076

その他

186,353

198,140

合計

1,989,468

2,134,393

 

(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

② 非流動資産

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

日本

486,545

482,720

オセアニア

300,413

463,968

アメリカ

202,612

229,863

その他

67,572

118,904

合計

1,057,142

1,295,455

 

    (注)  非流動資産は、金融商品、繰延税金資産、退職給付に係る資産は含んでおりません。

 

(4) 主要な顧客に関する情報

外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先は、次のとおりです。

(単位:百万円) 

 

関連するセグメント名

前年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当年度
(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

三菱食品㈱

国内ビール・スピリッツ、国内飲料、その他

220,074

230,872

 

 

 

6.有形固定資産

(1) 帳簿価額の調整表

「有形固定資産」の帳簿価額の増減、取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりであります。

① 帳簿価額

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置及び
運搬具

工具器具及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2022年1月1日残高

202,700

163,794

49,451

80,527

37,387

533,859

取得

8,206

11,307

8,427

33

65,748

93,722

企業結合による取得

5,982

7,567

914

1,667

16,129

建設仮勘定からの

振替

14,256

26,017

7,352

2

△47,627

減価償却費

△22,549

△29,622

△16,001

△332

△68,505

減損損失

△14,123

△13,070

△2,987

△2,372

△1,586

△34,137

減損損失の戻入

209

2,850

32

3,090

処分

△1,738

△353

△463

△1,171

△120

△3,845

売却目的で保有する資産への振替

△215

△2,899

△75

△32

△456

△3,677

為替換算差額

8,965

9,383

666

3,883

1,094

23,992

その他の増減

2,307

△999

△268

△1,014

△11

15

2022年12月31日残高

204,001

173,974

46,102

80,471

56,095

560,642

取得

10,632

14,135

9,622

36

56,362

90,786

企業結合による取得

8,129

3,968

768

3,442

815

17,123

建設仮勘定からの

振替

25,708

35,297

8,676

1,403

△71,084

減価償却費

△22,474

△30,199

△15,922

△298

△68,893

減損損失

△5,999

△10,302

△1,424

△98

△510

△18,332

処分

△826

△1,847

△448

△1,338

△138

△4,597

為替換算差額

6,103

7,832

397

2,438

1,494

18,264

その他の増減

△1,722

△324

35

△332

277

△2,065

2023年12月31日残高

223,553

192,534

47,807

85,723

43,311

592,928

 

有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」として、処分から生じる利得又は損失は、連結損益計算書の「その他の営業収益」、「その他の営業費用」として表示しております。

なお、減損損失及び減損損失の戻入については注記「9.非金融資産の減損」に記載しております。

また、上記には使用権資産の帳簿価額を含んでおります。使用権資産の帳簿価額の増減については「18.リース」に記載しております。

 

② 取得原価

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置及び
運搬具

工具器具及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2022年1月1日残高

571,659

927,641

183,749

83,764

39,863

1,806,676

2022年12月31日残高

600,718

947,984

189,666

84,728

58,333

1,881,429

2023年12月31日残高

641,170

985,789

197,516

91,633

45,834

1,961,942

 

 

③ 減価償却累計額及び減損損失累計額

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置及び
運搬具

工具器具及び
備品

土地

建設仮勘定

合計

2022年1月1日残高

368,959

763,847

134,298

3,237

2,476

1,272,817

2022年12月31日残高

396,718

774,011

143,564

4,257

2,238

1,320,787

2023年12月31日残高

417,617

793,255

149,709

5,910

2,523

1,369,014

 

 

7.のれん

(1) 帳簿価額の調整表

「のれん」の帳簿価額の増減、取得原価及び減損損失累計額は、以下のとおりであります。

① 帳簿価額

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

期首残高

264,225

289,526

企業結合による取得

25,119

72,673

減損損失

△12,874

売却目的で保有する資産への振替

△1,726

為替換算差額

14,782

28,369

期末残高

289,526

390,568

 

減損損失については注記「9.非金融資産の減損」に記載しております。

 

② 取得原価及び減損損失累計額

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

取得原価

323,451

403,442

減損損失累計額

33,925

12,874

 

 

 

8.無形資産

(1) 帳簿価額の調整表

「無形資産」の帳簿価額の増減、取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりであります。

① 帳簿価額

(単位:百万円)

 

ブランド

販売権

ソフトウェア

ソフトウェア
 仮勘定

その他

合計

2022年1月1日残高

40,187

35,009

23,633

51,482

46,030

196,341

取得

11

40

1,131

8,578

11,735

21,495

企業結合による取得

13,810

35

13,845

償却費

△19

△6,412

△10,580

△422

△17,433

減損損失

△1,464

△25

△17,589

△19,078

減損損失の戻入

7,284

2,704

9,988

処分

△1

△1

△2,127

△9

△12

△2,149

売却目的で保有する資産への振替

△7,287

△10

△7

△2,876

△10,180

科目振替

52,642

△52,642

為替換算差額

5,631

1,033

839

148

243

7,894

その他の増減

207

△44

74

△60

177

2022年12月31日残高

59,616

29,866

64,058

7,607

39,753

200,900

取得

65

4,386

769

15,044

8,695

28,959

企業結合による取得

64,162

971

252

28,935

94,320

償却費

△25

△5,654

△11,551

△1,104

△18,334

減損損失

△1,240

△682

△146

△9,567

△11,636

処分

△1

△1

△267

△71

△5

△346

科目振替

9,825

11,073

△11,073

△9,825

為替換算差額

5,972

1,296

1,175

35

1,109

9,587

その他の増減

△2

59

41

△9

0

89

2023年12月31日残高

129,787

38,537

65,586

11,638

57,991

303,540

 

無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」として、処分から生じる利得又は損失は、連結損益計算書の「その他の営業収益」、「その他の営業費用」として表示しております。

なお、減損損失及び減損損失の戻入については注記「9.非金融資産の減損」に記載しております。

 

② 取得原価

(単位:百万円)

 

ブランド

販売権

ソフトウェア

ソフトウェア
 仮勘定

その他

合計

2022年1月1日残高

69,251

120,644

87,288

51,482

86,197

414,863

2022年12月31日残高

68,508

118,675

136,929

7,631

77,715

409,458

2023年12月31日残高

138,997

140,628

146,814

11,809

87,699

525,947

 

 

 

③ 償却累計額及び減損損失累計額

(単位:百万円)

 

ブランド

販売権

ソフトウェア

ソフトウェア
 仮勘定

その他

合計

2022年1月1日残高

29,065

85,635

63,655

40,167

218,522

2022年12月31日残高

8,891

88,810

72,871

25

37,962

208,559

2023年12月31日残高

9,210

102,091

81,228

171

29,707

222,407

 

 

(2) 研究開発費及びソフトウェア開発費

期中に費用認識した研究開発費は、前年度及び当年度においてそれぞれ74,289百万円及び84,920百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上しております。なお、期中に費用認識したソフトウェア開発費は、前年度及び当年度においてそれぞれ7,096百万円及び286百万円であり、連結損益計算書の「その他の営業費用」に計上しております。

 

9.非金融資産の減損

(1) 資金生成単位

当社グループは投資の意思決定単位である各社の事業を資金生成単位としております。なお、のれんについては、内部管理目的でモニタリングする単位をもって資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。また、遊休資産については個別の物件を資金生成単位とし、本社・厚生施設等については独立したキャッシュ・フローは生み出しませんが、他の資金生成単位から生じるキャッシュ・フローに寄与していることから全社資産としております。

 

(2) 減損損失

前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

減損損失のセグメント別内訳は、以下のとおりであります。 

 

(単位:百万円)

 セグメント

減損損失額

主な資産の種類

国内ビール・スピリッツ

 

国内飲料

 

オセアニア酒類

3,525

建物及び構築物・機械装置及び運搬具・ソフトウェア

医薬

17,979

建設仮勘定・ソフトウェア仮勘定・その他の無形資産

その他

44,696

建物及び構築物・機械装置及び運搬具・工具器具及び備品・土地・建設仮勘定・のれん・ソフトウェア・ソフトウェア仮勘定・その他の無形資産

合計

66,200

 

 

医薬事業において、ザンデリシブ(開発番号:ME-401)の日本以外での共同開発中止の決定に伴う無形資産(仕掛研究開発費)の減損損失14,330百万円を計上しました。回収可能価額は使用価値に基づいており、その価値をゼロとしております。

 

その他事業にはバイオケミカル事業が含まれております。当年度において、新型コロナ及び地政学リスクの顕在化に起因した世界的な原燃料高騰影響による収益性悪化などを受け、同事業に係る事業用資産について減損テストを実施しました。この結果、当年度において、バイオケミカル事業に係る非流動資産の減損損失42,957百万円を計上しました。当該減損損失42,957百万円の主な内訳は、のれん12,874百万円、建物及び構築物11,351百万円、機械装置及び運搬具11,305百万円であります。

なお、回収可能価額は、使用価値を基に測定しており、当該使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された事業計画を基礎とした5ヵ年のキャッシュ・フロー見積額を現在価値に割り引いて算定しております。割引率は、当該資金生成単位の税引前の加重平均資本コストを基礎とした6.1%を使用しております。

当該事業計画には、主力製品及び新製品に関する市場規模の拡大及び市場シェア獲得等の重要な仮定が含まれております。

 

これらの減損損失については、経営活動全般に跨る費用など、いずれの機能にも結び付かない性質の費用と考えられるため、その他の営業費用に計上しております。

 

 

当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

減損損失のセグメント別内訳は、以下のとおりであります。 

 

(単位:百万円)

 セグメント

減損損失額

主な資産の種類

国内ビール・スピリッツ

 

国内飲料

 

オセアニア酒類

22

機械装置及び運搬具

医薬

10,843

建物及び構築物・販売権・その他の無形資産

その他

19,122

建物及び構築物・機械装置及び運搬具・工具器具及び備品・土地・建設仮勘定・ソフトウェア・ソフトウェア仮勘定・その他の無形資産

合計

29,987

 

 

医薬事業において、バルドキソロンメチル(開発番号:RTA 402)の開発中止の決定に伴う無形資産(仕掛研究開発費)の減損損失8,275百万円を計上しました。回収可能価額は使用価値に基づいており、その価値をゼロとしております。

 

その他事業にはバイオケミカル事業が含まれております。当年度において、ユーティリティコストの高騰や競争環境の激化、新規素材の各国認証取得時期の不透明性などを受け、同事業に係る事業用資産について減損の兆候があると判断し、減損テストを実施しました。この結果、当年度において、バイオケミカル事業に係る非流動資産の減損損失15,670百万円を計上しました。当該減損損失15,670百万円の主な内訳は、機械装置及び運搬具8,644百万円、建物及び構築物4,162百万円であります。

当年度におけるバイオケミカル事業の戦略見直し及びヒトミルクオリゴ糖(以下、HMO)の上市を受け、HMO事業を新たな資金生成単位として設定しております。これにより、バイオケミカル事業に係る事業用資産の資金生成単位は、従来のファインケミカル事業(以下、FC事業)及び合成原薬事業から、FC事業、HMO事業及び合成原薬事業へ当年度より変更しております。

なお、FC事業及びHMO事業に係る資金生成単位の回収可能価額は、使用価値を基に測定しており、当該使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された事業計画を基礎とした資産の残存耐用年数におけるキャッシュ・フロー見積額を現在価値に割り引いて算定しております。割引率は、当該資金生成単位の税引前の加重平均資本コストを基礎とした割引率を使用しており、FC事業に係る割引率は5.1%、HMO事業に係る割引率は8.8%です。合成原薬事業については継続的に営業利益を計上していることから減損テストを実施しておりません。

 

これらの減損損失については、経営活動全般に跨る費用など、いずれの機能にも結び付かない性質の費用と考えられるため、その他の営業費用に計上しております。

 

(3) 減損損失戻入益

前年度において、ミャンマー酒類事業の譲渡プロセスの過程で、過去の期間に認識した減損損失が減少している可能性を示す兆候が識別されたことから、回収可能価額の見積りを行いました。この結果、前年度において、ミャンマー酒類事業に係るのれんを除く非流動資産の減損損失戻入益12,921百万円をその他の営業収益に計上しました。

なお、回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値を基に測定しており、当該処分コスト控除後の公正価値は、譲渡プロセスの過程で合意した譲渡価額を基に算定しております。この公正価値測定は用いた評価技法への重要なインプットに基づきレベル3に分類しております。

 

 

(4) のれん及び耐用年数が確定できない無形資産を含む資金生成単位(単位グループ)の減損テスト

減損テストの際に当社グループの資金生成単位又は資金生成単位グループに配分された、のれん及び耐用年数が確定できない無形資産の主なもの(減損損失認識後)は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

のれん

ブランド

のれん

ブランド

オセアニア酒類事業

192,509

52,984

213,465

60,728

医薬事業

93,157

97,847

その他

75,321

61,944

 

当社グループは、企業結合により生じたLION PTY LTD(オセアニア酒類事業)が保有するブランドを資産計上しております。

LION PTY LTDが保有するブランドは、主にオセアニア地域において、今後も長期にわたって当社グループに経済的便益をもたらすものと期待されていることから、耐用年数が確定できない無形資産として分類しております。

なお、その他には、当年度取得したBlackmores Limitedに関する残高を計上しております。詳細は「38.企業結合」をご参照ください。

 

主要なのれん及び耐用年数が確定できない無形資産に対する減損テストは、以下のとおり行っております。

  ① オセアニア酒類事業

 回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値を基に測定しております。

処分コスト控除後の公正価値の算定は、類似企業の事業に関する相場価額に基づいて算定しております(マーケット・アプローチ)。公正価値の算定は、算定対象となる事業に関する将来の計画等の判断と仮定が必要になりますが、これらは現時点で合理的であると判断される一定の前提に基づいております。この公正価値測定は用いた評価技法への重要なインプットに基づきレベル3に分類しております。

回収可能価額は当該資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、回収可能価額の算定に用いた類似企業の事業に関する相場価額等について合理的な範囲で変動があった場合にも、回収可能価額が帳簿価額を下回ることはないと考えております。

 

② 医薬事業

回収可能価額は、使用価値により測定しております。

使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された事業計画を基礎とした3ヵ年のキャッシュ・フロー見積額を現在価値に割り引いております。税引前の割引率は資金生成単位の加重平均資本コストを基礎に10.6%と算定しております。

回収可能価額は当該資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、回収可能価額の算定に用いた将来キャッシュ・フロー、割引率等について合理的な範囲で変動があった場合にも、回収可能価額が帳簿価額を下回ることはないと考えております。
 

 

10.その他の金融資産

(1) 各年度の「その他の金融資産」の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

株式

55,935

60,896

デリバティブ資産

1,511

2,202

社債

28,510

23,511

その他

27,788

29,612

貸倒引当金

△1,989

△1,932

合計

111,756

114,290

非流動資産

103,380

105,346

流動資産

8,376

8,944

 

 (注)1 連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しております。

2 株式はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に、デリバティブ資産は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に、その他は主に償却原価で測定される金融資産にそれぞれ分類しております。

 

(2) 各年度のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の主な銘柄、及び公正価値等は、以下のとおりであります。取引・協業関係の構築・維持・強化を目的に保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定しております。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

市場性あり

32,864

33,105

市場性なし

23,071

27,791

合計

55,935

60,896

 

 

 

上記のうち、主な市場性のある銘柄の公正価値は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

㈱すかいらーくホールディングス

5,090

 6,883

東海旅客鉄道㈱

4,435

 4,905

㈱ハイデイ日高

2,136

 3,144

Ardelyx.inc

1,087

2,506

チムニー㈱

1,139

 1,451

ロイヤルホールディングス㈱

1,188

 1,322

㈱帝国ホテル

1,300

 1,283

㈱大庄

1,043

 1,235

㈱木曽路

738

 903

㈱リンガーハット

732

 784

 

 

市場性のない銘柄は、主に日本国内の事業における取引先等への投資により構成されております。日本国内の事業における前年度及び当年度の公正価値の合計額はそれぞれ22,046百万円及び26,338百万円で在ります。

 

(3) 保有資産の効率化及び有効活用を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の売却(認識の中止)を行っております。各年度の売却時点での公正価値及び資本でその他の包括利益として認識されていた累積損益は、以下のとおりであります。

 

 

 

(単位:百万円)

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

公正価値

資本でその他の包括利益
として認識されていた
累積損益(注)

公正価値

資本でその他の包括利益
として認識されていた
累積損益(注)

7,369

2,565

7,989

5,055

 

(注) 資本でその他の包括利益として認識されていた累積損益は、認識の中止を行った場合に利益剰余金に振り替えております。

 

(4) 担保資産 

各年度の担保資産残高は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

その他の金融資産(流動資産)(注)

300

300

合計

300

300

 

(注) 関税法・消費税法に基づく納期限延長制度を利用する際の担保として供託しているものであります。

 

 

11.法人所得税

(1) 連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債

各年度の連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債の金額は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

繰延税金資産

111,330

109,322

繰延税金負債

13,564

38,871

純額

97,766

70,451

 

 

(2) 繰延税金残高の増減

各年度の繰延税金残高の増減は、以下のとおりであります。

前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

(単位:百万円)

 

1月1日現在の残高(純額)

純損益で
認識された額

その他の

包括利益で

認識された額

その他(注1)

12月31日現在の残高(純額)

退職給付に係る資産及び負債

18,324

171

△2,048

38

16,486

未払費用

13,690

1,307

475

15,472

棚卸資産

24,383

△439

1,837

25,781

税務上の繰越欠損金

12,818

△10,927

△54

1,837

有形固定資産及び無形資産

△9,177

2,774

△3,693

△10,096

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の評価差額

△6,954

△511

1,403

△6,062

その他

45,665

7,115

696

873

54,348

合計

98,748

1

△1,864

880

97,766

 

(注) 1 その他には在外営業活動体の換算差額が含まれております。

 

当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

1月1日現在の残高(純額)

純損益で
認識された額

その他の

包括利益で

認識された額

企業結合に
よる取得

その他(注1)

12月31日現在の残高(純額)

退職給付に係る資産
及び負債

16,486

△1,552

△2,766

34

△26

12,176

未払費用

15,472

4,970

737

609

21,788

棚卸資産

25,781

△1,645

497

450

25,084

税務上の繰越欠損金

1,837

3,811

50

1,591

7,289

有形固定資産及び
無形資産

△10,096

△7,958

△26,401

2,961

△41,494

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の評価差額

△6,062

△3,449

2,048

△7,463

その他

54,348

△22

513

1,372

△3,140

53,071

合計

97,766

△2,395

△5,702

△23,711

4,493

70,451

 

(注) 1 その他には在外営業活動体の換算差額が含まれております。

 

 

 

繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮しております。認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の予測に基づき、回収される可能性が高いと考えております。

 

(3) 未認識の繰延税金負債

当社グループが一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な将来に一時差異が解消しない可能性が高い場合には、当該一時差異に関連する繰延税金負債を認識しておりません。繰延税金負債として認識されていない子会社、関連会社に対する投資及び共同支配に対する持分に係る一時差異の総額は、前年度末及び当年度末現在、それぞれ520,111百万円632,520百万円であります。

 

(4) 未認識の繰延税金資産

当社グループがその便益を利用するために必要となる将来の課税所得を稼得する可能性が高くないため、以下の項目については繰延税金資産を認識しておりません。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

将来減算一時差異

162,237

153,718

税務上の繰越欠損金

21,243

112,408

 

  繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の金額と繰越期限は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

1年目

28

57

2年目

51

26

3年目

14

6,191

4年目

6,774

1,021

5年目以降

10,245

10,945

繰越期限なし

4,131

94,168

合計

21,243

112,408

 

 

(5) 法人所得税費用

各年度の法人所得税費用の内訳は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当期税金費用

47,617

44,215

繰延税金費用

△1

2,395

法人所得税費用

47,615

46,611

 

 

 

(6) 実効税率の調整表

当社グループは、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎とした法定実効税率は、前年度、当年度ともに30.6%であります。ただし、在外子会社については、その所在地における法人税等が課されております。

各年度の法定実効税率と平均実際負担税率との調整は、以下のとおりであります。

(単位:%)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

法定実効税率

30.6

30.6

(調整)

 

 

 課税所得計算上加減算されない損益による影響

0.2

2.4

 持分法による投資損益

△3.6

△5.1

 未認識の繰延税金資産の増減

2.9

△2.8

 子会社の適用税率との差異

△3.4

△0.6

 税額控除

△2.7

△3.0

税効果を計上した関係会社留保利益

0.6

0.3

のれんの減損

2.1

 その他

△1.7

1.9

平均実際負担税率

24.9

23.7

 

 

 

12.棚卸資産

各年度の「棚卸資産」の内訳は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

商品及び製品

199,878

228,717

仕掛品

32,448

33,185

原材料及び貯蔵品

57,845

69,081

合計

290,171

330,984

うち、12ヶ月を超えて
販売される予定の棚卸資産

38,709

48,493

 

 

費用として計上された棚卸資産の評価損は、前年度、当年度それぞれ10,845百万円7,609百万円であります。

評価減した金額は連結損益計算書の「売上原価」に含まれております。

 

13.営業債権及びその他の債権

各年度の「営業債権及びその他の債権」の内訳は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

受取手形及び売掛金(営業債権)

390,734

425,308

未収入金

19,900

21,167

貸倒引当金

△1,465

△1,535

合計

409,168

444,940

 

(注)1 連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しております。

  2 営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定される金融資産に分類しております。

 

14.現金及び現金同等物

前年度及び当年度の「現金及び現金同等物」の内訳は「現金及び預金(預入期間が3ヶ月を超える定期預金を除く)」であり、連結財政状態計算書における「現金及び現金同等物」の金額と連結キャッシュ・フロー計算書における「現金及び現金同等物」の金額は一致しております。また、「現金及び現金同等物」は、償却原価で測定される金融資産に分類しております。

 

当社の連結子会社であるKirin Holdings Singapore Pte. Ltd.は、ミャンマー中央銀行の通達による預金引出制限の影響等により、同社が保有する一部の現金及び現金同等物の利用に一定の制限を受けております。当年度の現金及び現金同等物には、同社が保有する現金及び現金同等物の内、その利用に一定の制限を受けている23,190百万円が含まれております。

 

15.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債

売却目的で保有する資産及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債の内訳は、以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

 

 前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

売却目的で保有する資産

 

 

 有形固定資産

3,677

のれん

1,726

 無形資産

10,180

  持分法で会計処理されている投資

4,004

棚卸資産

5,230

営業債権及びその他の債権

1,255

その他の金融資産(流動)

948

その他の流動資産

1,379

現金及び現金同等物

25,484

 その他

238

合計

50,117

4,004

売却目的で保有する資産に直接関連する負債

 

 

繰延税金負債

1,603

 営業債務及びその他の債務

1,743

 その他の金融負債(流動)

1,890

 その他の流動負債

2,309

 その他

571

合計

8,116

 

 

(前年度)

売却目的で保有する資産及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債は、主にミャンマー酒類事業の連結子会社の資産及び負債から構成されております。前年度において株式譲渡の可能性が非常に高くなったことに伴い、売却目的で保有する資産及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債に分類しております。

売却目的で保有する資産に関連するその他の資本の構成要素は、△19,393百万円です。また、現金及び現金同等物には、ミャンマー中央銀行の通達による預金引出制限の影響等により、その利用に一定の制限を受けている18,092百万円が含まれております。

なお、ミャンマー酒類事業の連結子会社の株式譲渡手続は2023年1月23日に完了しております。

 

(当年度)

重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

 

 

 

 

 

16.払込資本及びその他の資本

(1) 資本金及び剰余金

各年度の発行済株式数の増減、各年度末の授権株式数は、以下のとおりであります。

(単位:千株)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

期首の発行済株式数

914,000

914,000

増減

期末現在の発行済株式数-全額払込済み

914,000

914,000

期末現在の授権株式数

1,732,026

1,732,026

 

 

当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であります。

 

資本剰余金及び利益剰余金の主な内容は、以下のとおりであります。

我が国の会社法では、資本剰余金に含まれる資本準備金及び利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、各年度に剰余金の配当により減少する剰余金の10分の1を、資本準備金又は利益準備金として積立てることが規定されています。
 また、会社法上の分配可能額は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計原則に準拠して記帳された会計帳簿上の資本剰余金及び利益剰余金に基づいて算定されますが、資本準備金及び利益準備金は当該分配可能額から控除されます。

 

(2) 自己株式

  各年度の自己株式数の増減は、以下のとおりであります。

(単位:千株)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

期首の自己株式

80,414

104,172

増減

23,757

△45

期末の自己株式

104,172

104,126

 

 

当社の自己株式は、当社グループが保有する当社株式の取得原価からなります。

前年度自己株式の増減の内訳は、次のとおりであります。

・自己株式の取得:23,715千株

・単元未満株式の買取:55千株

・単元未満株式の売却:△1千株

役員報酬BIP信託が保有する株式の払出し:△12千株

 

前年度期末の自己株式は、役員報酬BIP信託が保有する株式1,966千株が含まれております。

 

当年度自己株式の増減の内訳は、次のとおりであります。

・単元未満株式の買取:10千株

・単元未満株式の売却:△1千株

役員報酬BIP信託が保有する株式の払出し:△55千株

 

当年度期末の自己株式は、役員報酬BIP信託が保有する株式1,911千株が含まれております。

 

(3) その他の資本の構成要素の内容及び目的

① 在外営業活動体の換算差額

在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体の財務諸表の換算から生じた為替換算差額であります。

② キャッシュ・フロー・ヘッジ

キャッシュ・フロー・ヘッジは、キャッシュ・フロー・ヘッジに利用されたヘッジ手段の公正価値の純変動額の累積額のうち、ヘッジが有効な部分からなり、ヘッジされたキャッシュ・フローが純損益に影響を与える際に純損益で認識されます。

③ その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の公正価値の純変動

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の公正価値の評価差額であります。

④ 確定給付制度の再測定

確定給付制度の再測定とは、数理計算上の差異、制度資産に係る収益(利息収益に含まれる金額を除く)及び資産上限額の影響(利息収益に含まれる金額を除く)の変動額であります。また、数理計算上の差異とは、確定給付制度債務に係る実績による修正(期首における数理計算上の仮定と実績の結果との差異)及び数理計算上の仮定の変更による影響額であります。これらについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えております。

 

(4) 配当

配当金支払額は、以下のとおりであります。

決議

株式の種類

配当金の総額
(百万円)(注)

1株当たり
配当金額

基準日

効力発生日

2022年3月30日

定時株主総会

普通株式

27,104

32円50銭

2021年12月31日

2022年3月31日

2022年8月8日

取締役会

普通株式

26,751

32円50銭

2022年6月30日

2022年9月5日

2023年3月30日

定時株主総会

普通株式

29,630

36円50銭

2022年12月31日

2023年3月31日

2023年8月8日

取締役会

普通株式

28,007

34円50銭

2023年6月30日

2023年9月5日

 

 (注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式に対する配当金が含まれており、その額は2022年3月30日定時株主総会決議分が13百万円、2022年8月8日取締役会決議分が64百万円、2023年3月30日定時株主総会決議分が72百万円、2023年8月8日取締役会決議分が66百万円になります。

 

基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるものは、以下のとおりであります。

決議

株式の種類

配当金の総額
(百万円)(注)

1株当たり
配当金額

基準日

効力発生日

2024年3月28日

定時株主総会

普通株式

29,630

36円50銭

2023年12月31日

2024年3月29日

 

(注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式に対する配当金70百万円が含まれております。

 

 

17.社債及び借入金(その他の金融負債を含む)

金融負債の内訳

各年度の「社債及び借入金」及び「その他の金融負債」の内訳は、以下のとおりであります。

 

 

前年度
(2022年12月31日)
(百万円)

当年度
(2023年12月31日)
(百万円)

平均利率
(%)

(注3)

返済期限

社債(1年以内に償還予定のものを除く)(注4)

204,415

267,216

0.36

2025年2月28日~

   2039年9月5日

1年以内に償還予定の社債(注4)

54,962

29,981

0.17

2024年9月5日

長期借入金(1年以内に返済予定のものを除く)

204,246

288,509

 0.50

2025年2月25日~
   2033年1月18日

1年以内に返済予定の長期借入金

38,991

69,991

 0.17

 2024年2月26日~

  2024年12月6日

短期借入金

2,506

701

 5.17

コマーシャル・ペーパー

18,000

0.00

受入保証金(注2)

44,886

482

1.09

未払費用

28,757

29,858

デリバティブ負債(注1)

3,327

4,875

リース負債

81,900

76,682

その他

30,615

32,737

合計

712,607

801,031

非流動負債

538,324

638,638

流動負債

174,283

162,393

 

(注) 1 デリバティブ負債は、公正価値で測定される金融負債に、デリバティブ負債及びリース負債以外の金融負債は、償却原価で測定される金融負債に分類しております。

2 現金担保として差入を受けたものであり、返済期限は設定されておりません。

3 平均利率は期中平均残高により算定しております。

4 社債の発行条件の要約は以下のとおりであります。

 

 

会社名

銘柄

発行
年月日

前年度
(2022年12月31日)
(百万円)

当年度
(2023年12月31日)
(百万円)

利率
(%)

償還期限

当社

当社
第10回無担保社債

2015年
3月2日

14,982

14,990

0.603

2025年
2月28日

当社

当社
第11回無担保社債

2018年
12月6日

24,977

2023年
12月6日

当社

当社

第12回無担保社債

2019年
9月5日

29,955

29,981

0.080

2024年
9月5日

当社

当社

第13回無担保社債

2019年
9月5日

29,903

29,918

0.230

2029年
9月5日

当社

当社
第14回無担保社債

2019年
9月5日

9,943

9,946

0.510

2039年
9月5日

当社

当社
第15回無担保社債

2020年
6月4日

29,984

2023年
6月2日

当社

当社
第16回無担保社債

2020年
6月4日

9,977

9,986

0.180

2025年
6月4日

当社

当社
第17回無担保社債

2020年
6月4日

9,960

9,965

0.370

2030年
6月4日

当社

当社
第18回無担保社債

2020年
11月27日

9,969

9,980

0.110

2025年
11月27日

当社

当社
第19回無担保社債

2021年
6月3日

39,897

39,927

0.090

2026年
6月3日

当社

当社
第20回無担保社債

2021年
6月3日

29,910

29,927

0.180

2028年
6月2日

当社

当社
第21回無担保社債

2022年
6月7日

19,919

19,938

0.290

2027年

6月7日

当社

当社
第22回無担保社債

2023年
10月26日

39,859

0.673

2028年

10月26日

 

 

会社名

銘柄

発行
年月日

前年度
(2022年12月31日)
(百万円)

当年度
(2023年12月31日)
(百万円)

利率
(%)

償還期限

当社

当社
第23回無担保社債

2023年
10月26日

19,919

0.996

 

2030年

10月25日

当社

当社
第24回無担保社債

2023年
10月26日

32,861

1.318

 

2033年

10月26日

合計

 

 

259,377

297,197

 

 

 

 

18.リース

(1)リース活動

当社グループは、主に事業所及び倉庫の不動産等について、リース契約を締結しております。

当社グループにおいては、リース条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっております。延長オプション及び解約オプションは、主に事業所及び倉庫に係る不動産リースに含まれており、その多くは、1年間ないし原契約と同期間にわたる延長オプション、また、6ヶ月前までに相手方に書面をもって通知した場合に早期解約を行うオプションとなっております。なお、これらのオプションは、リース契約主体が不動産を事業に活用する上で、必要に応じて使用されております。

また、グループ中のリースの一部は、棚卸資産の数量に連動する倉庫料や、店舗から生み出される売上に連動する不動産賃借料に係る変動支払条件を含んでおります。変動支払条件は、支払賃料を不動産のキャッシュ・フローと連動させ、固定費を最小限にするために使用されております。

 

(2) 使用権資産

前年度及び当年度の使用権資産の帳簿価額及び減価償却費の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

有形固定資産

無形資産

合計

建物及び
構築物

機械装置及び
運搬具

工具器具及び
備品

土地

ソフトウェア

2022年1月1日残高

58,045

9,187

8,665

7,344

2,111

85,353

取得

6,388

3,093

2,270

7

91

11,849

減価償却費及び償却費

△13,108

△2,076

△3,321

△332

△833

△19,671

減損損失

△2,181

△458

△73

△2,711

売却目的で保有する資産への振替

△18

△32

△50

その他

3,541

△672

△39

598

△7

3,421

2022年12月31日残高

52,667

9,075

7,574

7,513

1,362

78,191

取得

5,755

1,607

4,412

269

12,043

企業結合による取得

1,869

149

217

2,235

減価償却費及び償却費

△12,392

△2,159

△4,067

△298

△749

△19,666

減損損失

△5

△5

その他

276

△336

7

305

253

2023年12月31日残高

48,176

8,335

8,138

7,520

882

73,050

 

 

(3) リース負債

前年度末及び当年度末におけるリース負債の期日別残高は、以下のとおりであります。

前年度(2022年12月31日)

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上の
キャッシュ・フ
ロー

1年以内

1年超
2年以内

2年超
3年以内

3年超
4年以内

4年超
5年以内

5年超

リース負債

81,900

92,604

19,084

15,102

11,780

7,920

6,321

32,397

 

 

当年度(2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上の
キャッシュ・フ
ロー

1年以内

1年超
2年以内

2年超
3年以内

3年超
4年以内

4年超
5年以内

5年超

リース負債

76,682

87,534

19,407

15,445

10,328

6,446

4,969

30,938

 

 

(4) 連結損益計算書に計上された金額

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

リースに係る支払利息

1,599

1,487

変動リース

533

681

短期リース

2,038

1,998

少額リース

1,382

1,221

 

 

(5) 連結キャッシュ・フロー計算書に計上された金額

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額

24,939

24,008

 

 

 

19.従業員給付

(1) 確定給付制度

当社グループは、確定給付型の制度として、退職一時金制度、確定給付企業年金制度及び厚生年金基金制度を設けております。

確定給付制度における給付額は、勤続した年数に稼得したポイントや退職時の支給率、勤続年数、退職前の最終平均給与、その他の条件に基づき設定されております。

なお、通常の退職日前における従業員の退職に際して、退職加算金を支払う場合があります。

確定給付制度は、法令に従い、当社グループ、又は当社グループと法的に分離された年金基金により運営されております。

当社グループ、又は年金基金の理事会及び年金運用受託機関は、制度加入者の基金のため忠実にその業務を遂行することが法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っております。

制度資産の運用にあたっては、外部機関により年金ALM(資産・負債の総合管理)を実施して最適アセットミックスを策定しております。最適アセットミックスでは、リスク、期待収益率及び投資資産別の資産構成割合を設定し、その割合を維持することにより運用を行っております。

また、当社グループ及び年金基金は、法令の定めに従い、将来の給付発生に対する充当や積立不足がある場合の年金財政の均衡保持を目的として、定期的に財政検証を行うとともに、年金拠出額の再計算を行っております。

当社グループの主要な制度は、投資リスク、金利リスク、インフレリスク、寿命リスク等のリスクに晒されております。

 

① 確定給付制度債務の調整表

確定給付制度債務の現在価値の期首及び期末残高の調整表は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

1月1日残高

291,603

260,681

当期勤務費用

10,862

9,927

利息費用

1,869

3,055

再測定損失(収益)

 

 

 人口統計上の仮定の変更

△766

△2,162

 財務上の仮定の変更

△24,952

△2,636

 実績修正

△710

4,119

過去勤務費用

△26

△1,160

為替換算差額

2,995

1,120

制度からの支払

△17,944

△17,489

企業結合及び処分の影響額

△118

制度移管(注)

△2,351

その他の増減

100

3

12月31日残高

260,681

255,340

 

 

(注) 「制度移管」は、主にメルシャン㈱が企業年金基金を解散してキリングループ確定拠出制度へ移行したことによる減少です。

 

確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前年度末10.9年、当年度末10.5年であります。

 

② 制度資産の調整表

制度資産の公正価値の期首及び期末残高の調整表は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

1月1日残高

250,801

224,223

利息収益

1,561

2,764

再測定損失(収益)

 

 

 制度資産に係る収益(利息収益を除く)

△19,254

8,361

為替換算差額

2,274

843

事業主による制度への拠出

5,330

7,572

制度からの支払

△13,692

△12,652

制度移管(注)

△2,769

その他の増減

△29

△79

12月31日残高

224,223

231,031

 

 

(注) 「制度移管」は、主にメルシャン㈱が企業年金基金を解散してキリングループ確定拠出制度へ移行したことによる減少です。

 

当社グループは、2024年12月期に3,608百万円の掛金を拠出する予定であります。

 

③ 確定給付制度債務及び制度資産

確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値と連結財政状態計算書に計上された確定給付負債(資産)の純額との関係は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

確定給付制度債務の現在価値

260,681

255,340

制度資産の公正価値

△224,223

△231,031

合計

36,458

24,308

退職給付に係る負債

58,084

55,228

退職給付に係る資産

△21,626

△30,920

 

(注) 退職給付に係る資産は、連結財政状態計算書上、「その他の非流動資産」に含まれております。

 

④ 制度資産の主な内訳

各年度の制度資産合計に対する主な内訳は、以下のとおりであります。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

活発な市場における公表市場価格があるもの

活発な市場における公表市場価格がないもの

活発な市場における公表市場価格があるもの

活発な市場における公表市場価格がないもの

資本性金融商品

44,666

47,073

負債性金融商品

85,317

93,647

一般勘定

59,411

57,580

その他

34,829

32,731

合計

129,984

94,240

140,720

90,311

 

 

⑤ 数理計算上の仮定に関する事項

各年度の数理計算の仮定の主なものは、以下のとおりであります。

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

割引率(加重平均値)

1.5

1.6

 

 

重要な数理計算上の仮定が0.5%変動した場合に、確定給付制度債務に与える影響は、以下のとおりであります。なお、その他の変数は一定であることを前提としております。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

割引率

0.5%の上昇

△10,157

△9,706

0.5%の低下

13,394

13,074

 

 

(2) 確定拠出制度

当社及び一部の連結子会社では確定給付型の年金制度の他、確定拠出型の年金制度を設けております。

確定拠出制度に関して費用として計上した金額は、前年度において16,209百万円、当年度において17,500百万円であります。

なお、上記には公的制度に関して費用として認識した金額を含んでおります。

 

(3) 従業員給付費用

連結損益計算書に含まれる従業員給付費用は、前年度において287,843百万円、当年度において318,729百万円であります。従業員給付費用には、賃金及び給与、従業員賞与、法定福利費及び退職後給付に係る費用などを含めております。退職後給付に係る利息費用及び利息収益は純額を「金融費用」に、過去勤務費用は「その他の営業費用」及び「その他の営業収益」に含めており、それ以外の従業員給付に係る費用は、「売上原価」、「販売費及び一般管理費」、「その他の営業費用」に含めて表示しております。

 

 

20.引当金

「引当金」の内訳及び増減は、以下のとおりであります。

当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

工場再編損失引当金

資産除去債務

その他

合計

1月1日残高

361

3,411

2,491

6,263

増加額

275

7,400

7,675

減少額(目的使用)

△533

△5,160

△5,693

減少額(戻入)

110

△145

△35

為替換算差額

30

19

210

259

12月31日残高

390

3,282

4,797

8,469

非流動負債

3,223

1,093

4,316

流動負債

390

59

3,703

4,153

 

(注) 引当金の説明については、注記「3.重要性がある会計方針」に記載しております。

 

21.営業債務及びその他の債務

各年度の「営業債務及びその他の債務」の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

支払手形及び買掛金

120,456

137,263

未払金

77,223

85,579

返金負債

67,505

83,827

合計

265,185

306,670

 

(注) 営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定される金融負債に分類しております。

 

22.その他の負債

各年度の「その他の非流動負債」及び「その他の流動負債」の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

未払酒税

69,262

70,003

契約負債(注)

35,666

27,706

その他

100,174

112,115

合計

205,102

209,824

非流動負債

27,572

19,921

流動負債

177,530

189,904

 

(注) 契約負債の期首残高のうち認識した収益の金額は、前年度において9,479百万円、当年度において8,265百万円であります。また、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の金額は、前年度において24,010百万円、当年度において34,212百万円であり、主なものは、マイルストン収入及びランニング・ロイヤルティ収入であります。

 

23.売上収益

(1) 売上収益の分解とセグメント収益との関連

(単位:百万円)

 

前年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当年度
(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

国内ビール・スピリッツ

663,522

684,863

国内飲料

243,257

255,028

オセアニア酒類

255,900

280,990

医薬

397,863

441,882

その他

 

 

 

国内ワイン

55,653

57,510

 

北米飲料

216,165

250,142

 

バイオケミカル

45,948

48,224

 

その他

111,158

115,754

 

合計

428,925

471,630

連結

1,989,468

2,134,393

 

 

(2) 履行義務の充足時期

技術収入に関する契約等における残存履行義務に配分した取引価格の総額及び収益の認識が見込まれる期間は、以下のとおりであります。なお、実務上の便法を使用しているため、当初の予想残存期間が1年以内の取引は含めておりません。

(単位:百万円)

 

前年度

(2022年12月31日)

当年度

(2023年12月31日)

1年以内

10,559

9,344

1年超2年以内

8,280

8,936

2年超3年以内

8,276

9,015

3年超

8,551

411

合計

35,666

27,706

 

 

 

24.販売費及び一般管理費

各年度の「販売費及び一般管理費」の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当年度
(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

販売促進費・広告宣伝費

166,032

165,765

従業員給付費用

215,128

233,901

運搬費

59,378

55,700

研究開発費

74,271

84,895

減価償却費及び償却費

41,862

42,674

その他

157,884

179,036

合計

714,554

761,971

 

 

25.その他の営業収益

各年度の「その他の営業収益」の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当年度
(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

有形固定資産及び無形資産売却益

9,512

6,119

子会社株式売却益(注)

14,822

減損損失戻入益

13,152

64

その他

6,789

7,830

合計

29,454

28,835

 

(注)当年度における子会社株式売却益14,822百万円には、残存持分を支配喪失日現在の公正価値で再評価したことによる利益7,252百万円が含まれております。

 

26.その他の営業費用

各年度の「その他の営業費用」の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当年度
(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

減損損失

66,200

29,987

事業構造改善費用(注1)

742

2,784

ソフトウェア開発費

7,096

286

有形固定資産及び無形資産除売却損

5,040

2,755

子会社株式売却損(注2)

250

19,358

その他

25,266

24,865

合計

104,594

80,036

 

(注)1 前年度における事業構造改善費用は、連結子会社における特別退職金等742百万円を計上したものです。当年度における事業構造改善費用は、連結子会社における特別退職金等2,784百万円を計上したものです。

2 注記「28.キャッシュ・フロー」の(子会社株式の売却による支出)をご参照ください。

 

 

27.金融収益及び金融費用

各年度の「金融収益」及び「金融費用」の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当年度
(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

受取利息(注1)

4,040

3,546

受取配当金(注2)

457

574

為替差益(純額)

5,281

4,307

その他

1,200

608

金融収益合計

10,978

9,035

支払利息(注1)

4,894

5,932

条件付対価に係る公正価値変動額

659

3,944

その他

925

647

金融費用合計

6,478

10,523

 

(注)1「受取利息」及び「支払利息」は、主に償却原価で測定される金融資産及び金融負債から発生しております。

 2「受取配当金」はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品から発生しております。

 

28.キャッシュ・フロー

(1) 財務活動に係る負債の調整表

 財務活動に係る主な資産及び負債の増減は、以下のとおりであります。

前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

(単位:百万円)

 

2022年
1月1日
残高

財務活動によるキャッシュ・フローからの変動

非資金取引等

2022年

12月31日

残高

取得

為替換算差額

公正価値の

変動

その他

短期借入金

9,052

△6,083

△462

2,506

コマーシャル・ペーパー

73,009

△55,009

18,000

長期借入金(注)

230,137

4,167

8,860

73

243,237

社債(注)

239,274

19,909

195

259,377

リース負債(注)

90,158

△19,387

10,324

3,866

△3,062

81,900

負債をヘッジするのに利用されるデリバティブ

2,793

△4,072

1,279

 

(注)  1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。

 

当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

2023年
1月1日
残高

財務活動によるキャッシュ・フローからの変動

非資金取引等

2023年

12月31日

残高

取得

企業結合
による取得

為替換算差額

その他

短期借入金

2,506

△1,900

95

701

コマーシャル・ペーパー

18,000

△18,000

長期借入金(注)

243,237

107,993

5,927

1,264

78

358,499

社債(注)

259,377

37,625

195

297,197

リース負債(注)

81,900

△18,621

10,993

2,113

2,829

△2,531

76,682

 

(注)  1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。

 

(2) 子会社株式の売却による支出

当年度において、当社の連結子会社であるKirin Holdings Singapore Pte. Ltd.は、2023年1月23日に、Myanmar Brewery Limited(MBL)及びMandalay Brewery Limited(MDL)をMBL及びMDLに譲渡(MBL及びMDLによる自己株式取得)し、MBL及びMDLに対する支配を喪失しました。

 支配喪失時の資産及び負債の内訳並びに売却による支出額と売却損益の関係は以下のとおりであります。なお、売却損は「その他の営業費用」に計上しております。

 

(単位:百万円)

受取対価

20,478

支配喪失時の資産及び負債の内訳

 

 非流動資産

14,095

 流動資産

34,296

 非流動負債

1,823

 流動負債

6,294

子会社株式売却損

19,358

 

 

受取対価

20,478

支配喪失時に保有していた現金及び現金同等物

25,484

子会社株式の売却による支出

5,006

 

 

 

29.その他の包括利益

各年度の「その他の包括利益」に含まれている、各包括利益項目別の当期発生額及び純損益への組替調整額、並びに税効果の影響は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当年度
(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

その他の包括利益を通じて

公正価値で測定する資本性

金融商品の公正価値の純変動

 

 

当期発生額

2,449

11,303

税効果調整前

2,449

11,303

税効果額

△511

△3,449

税効果調整後

1,937

7,854

確定給付制度の再測定

 

 

当期発生額

7,174

9,040

税効果調整前

7,174

9,040

税効果額

△2,048

△2,766

税効果調整後

5,126

6,273

在外営業活動体の換算差額

 

 

当期発生額

48,389

73,837

組替調整額

250

19,288

税効果調整前

48,639

93,125

税効果額

税効果調整後

48,639

93,125

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

当期発生額

△14,118

3,835

組替調整額

11,822

△5,449

税効果調整前

△2,295

△1,614

税効果額

696

513

税効果調整後

△1,600

△1,100

持分法によるその他の包括利益

 

 

当期発生額

21,512

7,519

組替調整額

451

△2,308

税効果調整前

21,963

5,211

税効果額

税効果調整後

21,963

5,211

 その他の包括利益合計

 

 

当期発生額

65,406

105,533

組替調整額

12,523

11,531

税効果調整前

77,929

117,064

税効果額

△1,864

△5,702

税効果調整後

76,065

111,362

 

 

30.1株当たり利益

(1) 基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎

基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。

① 親会社の普通株主に帰属する利益(基本的)

(単位:百万円)

 

前年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当年度
(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

親会社の所有者に帰属する当期利益

111,007

112,697

親会社の普通株主に帰属しない金額

親会社の普通株主に帰属する当期利益

111,007

112,697

 

 

② 加重平均普通株式数(基本的)

(単位:千株)

 

前年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当年度
(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

加重平均普通株式数

821,755

809,853

 

 

(2) 希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎

希薄化後1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益及びすべての希薄化潜在的普通株式の影響を調整した加重平均普通株式数に基づき、以下のように算定しております。

① 親会社の普通株主に帰属する当期利益(希薄化後)

(単位:百万円)

 

前年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当年度
(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

親会社の普通株主に帰属する当期利益

111,007

112,697

子会社及び関連会社が発行する潜在株式に係る調整額

△15

△6

希薄化後普通株主に帰属する当期利益

110,992

112,691

 

 

② 加重平均普通株式数(希薄化後)

(単位:千株)

 

前年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当年度
(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

加重平均普通株式数(基本的)

821,755

809,853

希薄化効果の影響

加重平均普通株式数(希薄化後)

821,755

809,853

 

 

 

31.株式に基づく報酬

(1) 株式に基づく報酬制度の内容

当社は、当社の社外取締役を除く国内の取締役及び執行役員(以下、取締役等)を対象に、報酬制度の安定的で効率的な運営及び当社の取締役等の中長期的な業績向上と企業価値増大へのインセンティブ確保のために、業績連動型報酬制度として、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託の仕組みを導入しております。

当社の子会社である協和キリン㈱は、同社取締役等に対する持分決済型の株式に基づく報酬制度として譲渡制限付株式報酬制度、持分決済型及び現金決済型の株式に基づく報酬制度として業績連動型株式報酬制度(パフォーマンス・シェア・ユニット)、同社グループの一部の従業員に対する現金決済型の株式に基づく報酬制度としてファントム・ストック制度をそれぞれ採用しております。

 

(2) 役員報酬BIP信託

① 制度内容

当社が金員を拠出して設定する信託が、当該金員を原資として当社株式を取得し、原則として、当社の株式交付規程に従ってポイントの付与を受けた取締役等に対して、当該取締役等が各業績評価期間の開始から3年が経過した後の一定の時期に所定の受益者確定手続きを行うことにより、当社株式及び換価処分対象となる当社株式に係る換価処分相当額の金銭(以下、「当社株式等」という)の交付及び給付を行う制度であります。当該取締役等に対して交付及び給付が行われる当社株式等については、1ポイントを1株に換算しますが、そのうち当社の株式交付規程に定める換価処分対象となる当社株式については換価処分金相当額の金銭として給付されます。

 

② 期中に付与されたポイント数と公正価値

 

前年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

付与日

2022年3月30日

2023年3月30日

付与ポイント数

276,489

225,531

付与日の公正価値 (円)

1,853.5

2,109.5

 

(注)付与日の公正価値は、付与日の当社株式の株価に近似していると判断されたことから、付与日の株価を使用して算定しております。

 

(3) 譲渡制限付株式報酬制度

① 制度内容

当制度の下では、一定期間継続して当社の子会社である協和キリン㈱の取締役等を務めることを条件として、同社から支給された金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込み、同社の普通株式について発行を受けることとなります。
 譲渡制限付株式報酬での同社の普通株式の発行に当たっては、同社と対象取締役等の間において、①一定期間、本株式に係る第三者への譲渡、担保権の設定その他一切の処分を禁止すること、②一定の事由が生じた場合には、同社が本株式を無償取得すること等をその内容に含む契約が締結されることを条件とします。

 

② 期中に付与された株式数と公正価値

 

前年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

付与日

2022年4月14日

2023年4月13日

付与数 (株)

60,113

70,908

公正価値 (円)

3,140

2,838

 

 

 

(4) 業績連動型株式報酬制度(パフォーマンス・シェア・ユニット)

① 制度内容

当社の子会社である協和キリン㈱は、報酬の付与において、連続する3事業年度を業績評価期間として、業績目標の達成度合いに応じて増減する業績連動型株式報酬制度(パフォーマンス・シェア・ユニット)を導入しております。
 当該制度は、同社の取締役及び執行役員を対象としております。業績評価期間開始時に「基準となる交付株式数」を取締役会決議により決定し、業績評価期間終了後に、「基準となる交付株式数」に業績目標達成度を0%から150%の範囲で乗じ、その約半分を株式、残りを現金として、毎年一定の時期(通常は4月)に取締役等に交付及び支給する設計であります。
 当該制度に関する負債の帳簿価額は、前年度末において87百万円、当年度末において83百万円であります。

 

② 期中に存在するパフォーマンス・シェア・ユニット

 

前年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

基準交付株式数 (株)

基準交付株式数 (株)

期首残高

36,343

71,918

付与

35,575

41,015

増加その他

交付及び支給

減少その他

期末残高

71,918

112,933

加重平均公正価値 (円)

3,143

3,032

 

(注)当該制度における公正価値は、当該制度の対象期間開始当初の同社取締役会決議の日の前営業日における、同社株式の市場価値を基礎として算定し、予想配当を考慮に入れた修正は行っておりません。

 

(5) ファントム・ストック

当社の子会社である協和キリン㈱及び同社の一部の子会社は、報酬の付与において、権利確定時の同社株式の株価を基礎とした金額を現金で決済するファントム・ストック制度を導入しております。

当該制度は、同社グループの一部の従業員を対象としております。権利確定条件は、付与日以降、原則として3年間勤続していることとなっております。なお、当該制度は、同社株式の株価を基礎として報酬額が決定され、支払いがなされるものであるため、行使価格はありません。

当該制度に関する負債の帳簿価額は、前年度末において708百万円、当年度末において401百万円であります。

 

(6) ストック・オプション

① 制度内容

当社の子会社である協和キリン㈱は、2019年度まで、ストック・オプション制度を採用しており、全て持分決済型の株式に基づく報酬であります。ストック・オプションとして発行する新株予約権は、同社の株主総会において承認された内容に基づき、同社の取締役会決議により、同社の取締役及び執行役員並びに同社の子会社の一部取締役に対して付与されております。被付与者が取締役又は執行役員を解任された場合は、当該新株予約権は消滅します。また、被付与者の任期満了前に退任日が到来した場合、新株予約権の数は在任月数に応じて調整されます。行使期間は、割当契約に定められており、3年から20年であります。なお、被付与者がその地位を喪失した場合、もしくはその期間内に行使されない場合は、当該新株予約権は消滅します。

 

 

② ストック・オプションの数及び加重平均行使価格

 

前年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

 

株式数
(株)

加重平均行使価格
(円)

株式数
(株)

加重平均行使価格
(円)

期首未行使残高

203,900

110,200

付与

行使

△93,700

△63,300

失効又は満期消滅

期末未行使残高

14,000


 

期末行使可能残高

96,200

46,900

 

(注) 1  期中に行使されたストック・オプションの権利行使日時点の加重平均株価は、前年度において2,894円、当年度において 2,870円であります。

2  未行使のストック・オプションの加重平均残存期間は前年度において2.8年、当年度において0.9年であります。

 

(7) 連結損益計算書に計上された金額

上記の株式報酬制度に係る費用は以下のとおりです。当該費用は、連結損益計算書上「販売費及び一般管理費」に計上しております。

(単位:百万円) 

 

前年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

持分決済型

516

541

現金決済型

603

170

合計

1,119

711

 

 

 

32.金融商品

(1) 資本管理

当社グループは、企業価値の最大化に向けて、株主還元と財務健全性・柔軟性の確保に重点をおいた最適な資本構成を維持することを資本管理の基本方針としております。シナジーの創出、CSV経営の推進、資産の圧縮などにより、収益性・効率性の向上を目指し、創出したキャッシュ・フローは事業投資や設備投資、株主還元及び有利子負債の返済に充当します。

 

(2) リスク管理に関する事項

当社グループは、事業活動を行うに当たり、信用リスク、流動性リスク及び市場リスク等の財務上のリスクに晒されており、これらのリスクを低減するために、一定の方針等に基づきリスク管理を行っております。

また、当社グループは、デリバティブの利用を財務上のリスクをヘッジする目的とした利用に限定しており、投機目的では利用しておりません。

 

(3) 信用リスク

① 信用リスク管理

当社グループは、営業債権(受取手形及び売掛金)、その他の債権(未収入金)及びその他の金融資産(差入保証金等)について信用リスクに晒されています。

当社及び一部の子会社は、債権管理規程に従い、これらの金融資産について、各営業部門において主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。

デリバティブ取引の利用にあたっては、取引相手先を高格付を有する金融機関に限定しているため、信用リスクはほとんどないと認識しております。

なお、当社グループは、特定の相手先又はその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクを負っておりません。

 

② 信用リスク

各年度末における、金融資産のステージ別の帳簿価額(貸倒引当金控除前)は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

営業債権及びその他の債権

410,633

446,474

償却原価で測定されるその他の金融資産

 

 

 ステージ1の金融資産

51,815

49,228

 ステージ2の金融資産

886

789

 ステージ3の金融資産

545

601

 

報告日現在における、保有する担保の評価額を考慮に入れない場合の最大の信用リスク額は、信用リスクに晒されている金融資産の帳簿価額により表されております。保証として保有している担保は主に営業保証金であります。

また、当社グループでは、営業債権等及びステージ1の金融資産の予想信用損失は、過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて集合的に評価し、ステージ2及びステージ3の金融資産の予想信用損失は、過去の信用損失の実績及び将来の経済状況等の予測を加味した上で個別に評価しております。

 

上記金融資産に対する貸倒引当金の増減表は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

営業債権及び
その他の債権

償却原価で測定されるその他の金融資産

単純化したアプローチを適用した金融資産に係る貸倒引当金

ステージ1の金融資産に係る貸倒引当金

ステージ2の金融資産に係る貸倒引当金

ステージ3の金融資産に係る貸倒引当金

2022年1月1日残高

1,517

598

895

561

繰入額(純額)

394

△45

13

8

目的使用

△624

△21

その他

177

3

0

△23

2022年12月31日残高

1,465

556

886

545

繰入額(純額)

321

△19

24

28

目的使用

△232

△0

△95

その他

△19

5

△27

28

2023年12月31日残高

1,535

542

789

601

 

 

保証債務については、以下のとおり表示されている保証債務の残高が、当社グループの信用リスクに係る最大エクスポージャーとなります。

(単位:百万円)

 

前年度

(2022年12月31日)

当年度

(2023年12月31日)

 従業員の銀行借入等

114

76

 

なお、当該保証債務契約の履行により発生しうる損失に係る債務保証損失引当金は、金額的に重要性がないと見込まれるため、計上しておりません。

 

(4) 流動性リスク

① 流動性リスク管理

当社グループは、財務上のリスク管理規程に基づき、年度事業計画に基づく資金調達計画を策定しております。その上で、資金調達環境の悪化等により発生する流動性リスクに備えるため複数の金融機関からのコミットメント・ラインの取得、直接調達と間接調達そして短期と長期の適切なバランスなどにより当該リスクを管理しております。

 

② 金融負債の期日別残高

各年度末における金融負債の期日別残高は、以下のとおりであります。

前年度(2022年12月31日)

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上の
キャッシュ・フロー

1年以内

1年超
2年以内

2年超
3年以内

3年超
4年以内

4年超
5年以内

5年超

営業債務及び
その他の債務

265,185

265,185

265,185

社債及び借入金

523,121

529,899

116,256

120,146

65,604

65,463

60,378

102,052

デリバティブ
負債

3,327

3,327

2,925

402

その他の
金融負債(流動)

39,330

39,330

39,330

受入保証金

44,886

47,550

444

444

444

444

444

45,330

 

 

当年度(2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上の
キャッシュ・フロー

1年以内

1年超
2年以内

2年超
3年以内

3年超
4年以内

4年超
5年以内

5年超

営業債務及び
その他の債務

306,670

306,670

306,670

社債及び借入金

656,397

677,058

103,723

73,430

67,521

62,436

102,335

267,612

デリバティブ
負債

4,875

4,875

4,848

27

その他の
金融負債(流動)

38,881

38,881

38,881

受入保証金

482

511

5

5

5

5

5

487

 

 

 

(5) 市場リスク管理

① 為替変動リスク管理

当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、機能通貨以外の通貨で実施する取引や、在外営業活動体の財務諸表を日本円に換算し連結する際に、当社グループの資本が為替変動の影響を受けるリスクに晒されております。為替変動リスクを管理するため為替予約や通貨スワップ等を利用しヘッジしております。

当社グループは主に、ミャンマーチャット及び米ドルとユーロの為替リスク(当社グループ各社が各機能通貨で実施する取引に係るものを除く)に晒されております。

当社グループの主な為替変動リスクのエクスポージャー(純額。△は負債)は、以下のとおりであります。なお、デリバティブ取引により為替変動リスクがヘッジされているものを除いております。

 

 

前年度

(2022年12月31日)

当年度

(2023年12月31日)

ミャンマーチャット

19,111,578

チャット

343,259,396

チャット

米ドル

173,146

千米ドル

91,704

千米ドル

ユーロ

44,230

千ユーロ

△13,816

千ユーロ

 

 

当社グループが報告日現在において保有する外貨建金融商品について、日本円がミャンマーチャット及び米ドルとユーロに対して10%通貨安となった場合に、税引後利益に与える影響は、以下のとおりであります。

なお、機能通貨建の金融商品、及び在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。また、その他の変動要因は一定であることを前提としております。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

ミャンマーチャット

100

1,924

米ドル

1,740

914

ユーロ

433

△149

 

 

② 金利変動リスク

当社グループは報告日現在において変動金利の金融商品を保有しておらず、金利変動リスクはありません。

 

③ 価格変動リスク

当社グループでは、資本性金融商品(株式)から生じる株価変動リスクに晒されております。保有している資本性金融商品については、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握するとともに、発行体が取引先企業である場合には、当該企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。

当社グループが、報告日現在において保有する資本性金融商品について、報告日における市場価格が1%上昇した場合の、その他の包括利益(税効果考慮前)が受ける影響は、前年度329百万円、当年度331百万円であります。

なお、その他の変動要因は一定であることを前提としております。

当社グループは、アルミニウムやオイル等の商品価格変動リスクに晒されておりますが、商品スワップ等を利用しヘッジしております。報告日現在において、上記の価格が1%変動した場合の、税引前利益に与える影響額に重要性はありません。

また、当社グループの商品価格変動リスクのエクスポージャーに重要性はありません。

 

なお、当社グループは、ヘッジ対象とヘッジ手段との経済的関係性について、関連するキャッシュ・フローの金額及び発生時期等に基づいて判断しております。また、当社グループが現在ヘッジ会計を適用しているヘッジ関係においては、ヘッジ手段とヘッジ対象の重要な条件は一致しております。

 

(6) デリバティブ取引及びヘッジ会計

① ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引

ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引の契約額等及び公正価値は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

契約額等

公正価値

契約額等

公正価値

先物為替予約取引

137,922

△213

210,202

388

通貨スワップ取引

790

△21

商品先物取引

1,227

82

合計

138,712

△234

211,429

469

 

 

② ヘッジ会計

ヘッジ手段として指定した項目は以下のとおりであります。

なお、デリバティブの帳簿価額は、連結財政状態計算書上「その他の金融資産」又は「その他の金融負債」に計上された金額であり、満期までの期間が1年超の金額は非流動資産又は非流動負債に分類しております。

前年度(2022年12月31日)

(単位:百万円)

 

想定元本

帳簿価額

ヘッジ非有効部分を

認識する基礎として用いたヘッジ手段の公正価値の

変動

総額

うち1年超

資産

負債

キャッシュ・フロー・ヘッジ

為替リスク

 

 

 

 

 

為替予約取引

40,440

7,473

621

1,112

△12,942

商品価格リスク

 

 

 

 

 

商品スワップ取引

 (オイル)

1,510千

リットル

-千

リットル

54

△70

商品スワップ取引・商品先物取引

 (アルミニウム他)

52千トン

15千トン

157

1,194

△1,275

 

為替予約における平均レートは、1米ドル当たり138.70円、1ユーロ当たり142.53円、1豪ドル当たり92.22円であります。

 

 

当年度(2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

想定元本

帳簿価額

ヘッジ非有効部分を

認識する基礎として用いたヘッジ手段の公正価値の

変動

総額

うち1年超

資産

負債

キャッシュ・フロー・ヘッジ

為替リスク

 

 

 

 

 

為替予約取引

97,119

1,829

318

3,158

3,939

商品価格リスク

 

 

 

 

 

商品スワップ取引

 (オイル)

1,736千

リットル

416千

リットル

6

50

商品スワップ取引・商品先物取引

 (アルミニウム他)

35千トン

8千トン

173

482

△154

 

為替予約における平均レートは、1米ドル当たり140.28円、1ユーロ当たり153.85円、1豪ドル当たり94.45円であります。

 

ヘッジ会計を適用した結果として連結包括利益計算書に影響を与えた結果は以下のとおりであります。

前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

 

(単位:百万円)

 

その他の包括利益に

認識されたヘッジ手段の価値の変動

純損益に

振り替えた金額

振替により

純損益における
影響を受けた表示科目

ヘッジ対象の

資産の取得価額に

振り替えた金額

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

為替リスク

△12,935

12,043

金融収益

商品価格リスク

△1,183

△221

売上原価

 

純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。

 

当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

 

(単位:百万円)

 

その他の包括利益に

認識されたヘッジ手段の価値の変動

純損益に

振り替えた金額

振替により

純損益における
影響を受けた表示科目

ヘッジ対象の

資産の取得価額に

振り替えた金額

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

為替リスク

3,939

△98

売上原価

△6,257

商品価格リスク

△104

906

売上原価

 

純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。

 

(7) 金融商品の公正価値

金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを以下のように分類しております。

レベル1:

活発な市場における公表価格により測定された公正価値

レベル2:

レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値

レベル3:

観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値

 

公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、報告期間の末日時点で発生したものとして認識しております。

 

① 公正価値の測定方法

各金融商品の公正価値の測定方法は、以下のとおりであります。

(長期借入金)

長期借入金の公正価値については、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。

(社債)

社債の公正価値については、元利金の合計額を当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。

(デリバティブ)

デリバティブの公正価値については、為替レート及び金利等の市場データに基づいて取引先金融機関等が算定した価格に基づいております。

(株式)

株式の公正価値については、上場株式については取引所の市場価格、非上場株式については類似会社の市場価格に基づく評価技法等を用いて算定しております。

 

② 償却原価で測定される金融商品

各年度末における償却原価で測定される金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。

前年度(2022年12月31日)

(単位:百万円)

 

帳簿価額

公正価値

レベル1

レベル2

レベル3

合計

長期借入金(注)

243,237

241,251

241,251

社債(注)

259,377

255,643

255,643

 

(注) 1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。

 

当年度(2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

帳簿価額

公正価値

レベル1

レベル2

レベル3

合計

長期借入金(注)

358,499

357,879

357,879

社債(注)

297,197

296,196

296,196

 

(注) 1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。

 

償却原価で測定される短期金融資産、短期金融負債については、公正価値は帳簿価額と近似しております。

 

③ 公正価値で測定される金融商品

各年度末における公正価値で測定される金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。

 

前年度(2022年12月31日)

(単位:百万円)

 

公正価値

レベル1

レベル2

レベル3

合計

資産:

 

 

 

 

デリバティブ資産

1,511

1,511

株式

32,864

23,071

55,935

その他

192

2,851

3,043

合計

32,864

1,703

25,922

60,489

負債:

 

 

 

 

デリバティブ負債

3,327

3,327

その他

11,511

11,511

合計

3,327

11,511

14,838

 

 

当年度(2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

公正価値

レベル1

レベル2

レベル3

合計

資産:

 

 

 

 

デリバティブ資産

2,202

2,202

株式

33,105

27,791

60,896

その他

74

△1,799

△1,725

合計

33,105

2,276

25,992

61,373

負債:

 

 

 

 

デリバティブ負債

4,875

4,875

その他

16,310

16,310

合計

4,875

16,310

21,185

 

(注)1 各年度において、レベル1、2の間の振替はありません。

2 レベル3の株式に係る公正価値の測定は、関連する社内規程に従い実施しております。公正価値の測定に際しては、対象となる金融商品の性質、特徴及びリスクをもっとも適切に反映できる評価技法及びインプットを用いております。

また、経常的に公正価値で測定されるレベル3に分類される株式の公正価値の測定に関する重要な観察可能でないインプットは、営業利益倍率及び非流動性ディスカウントであります。公正価値は営業利益倍率の上昇(低下)により増加(減少)し、非流動性ディスカウントの上昇(低下)により減少(増加)します。

レベル3に分類される株式について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の公正価値の増減は重要ではありません。

 

 

各年度における、レベル3に分類された金融資産の増減は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

期首残高

26,120

25,922

利得及び損失合計

1,110

3,717

純損益(注1)

320

726

その他の包括利益(注2)

791

2,990

購入

2,873

1,372

売却

△56

△1

その他

△4,125

△5,017

期末残高

25,922

25,992

 

(注) 1 純損益に含まれている利得及び損失は、報告日時点の純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に関するものであります。これらの損益は「金融収益」「金融費用」に含まれております。

2 その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、報告日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に関するものであります。これらの損益は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の公正価値の純変動」に含まれております。

 

 

 (8) 金融資産・負債の相殺

当社は、金融機関とキャッシュプーリング契約を締結しており、当該キャッシュプーリング契約により認識した金融資産・負債について相殺する法的に強制可能な権利を有しており、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有しております。

上記キャッシュプーリング契約により認識した前年度末及び当年度末における金融資産及び金融負債はそれぞれ以下のとおりです。

 

前年度(2022年12月31日)

(単位:百万円) 

 

 認識した総額

 相殺した金額

財政状態計算書に

表示している純額

<金融資産>

現金及び現金同等物

52,920

△48,431

4,489

<金融負債>

社債及び借入金

48,431

△48,431

 

 

当年度(2023年12月31日)

(単位:百万円) 

 

 認識した総額

 相殺した金額

財政状態計算書に

表示している純額

<金融資産>

現金及び現金同等物

218,727

△211,942

6,785

<金融負債>

社債及び借入金

211,942

△211,942

 

 

 

33.関連当事者

(1) 関連当事者との取引

重要性のある関連当事者との取引はありません。

 

(2) 主要な経営幹部に対する報酬

各年度の主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

短期従業員給付

1,002

1,058

株式に基づく報酬

257

346

合計

1,260

1,403

 

 

34.子会社一覧

当社の連結子会社は「第1 企業の概況 4.関係会社の状況」に記載しております。 

 

 当連結会計年度における連結子会社の異動は次のとおりです。

     取得・設立等により連結子会社とした会社の数:42

     清算・売却等により減少した会社の数:19

 

 

35.非支配持分

当社グループにおける重要な非支配持分がある子会社は協和キリン㈱であり、その要約財務情報等は以下のとおりであります。なお、要約財務情報はグループ内取引を消去する前の金額であります。

 

(1) 一般的情報

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

非支配持分割合

46.26%

46.28%

非支配持分の累積額
(単位:百万円)

251,632

290,586

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

非支配持分に配分された純損益 

24,783

37,574

非支配持分に支払った配当 

11,682

13,428

 

 

(2) 要約財務情報

① 要約連結財政状態計算書

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

非流動資産合計

355,088

372,215

流動資産合計

542,189

611,124

資本合計

720,223

793,815

非流動負債合計

67,229

56,287

流動負債合計

109,825

133,237

 

 

② 要約連結損益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

売上収益

398,371

442,233

当期利益

53,573

81,188

 

 

③ 要約連結包括利益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

その他の包括利益

△2,918

21,008

包括利益合計

50,654

102,196

 

 

④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー(純額)

48,672

115,694

投資活動によるキャッシュ・フロー(純額)

△17,185

△20,382

財務活動によるキャッシュ・フロー(純額)

△29,032

△32,678

 

 

36.持分法で会計処理されている投資

各年度の持分法で会計処理されている投資の帳簿価額は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

共同支配企業

△15,271

△13,322

関連会社

361,764

370,720

合計

346,493

357,398

 

 

(1) 重要な関連会社

当社グループにおける重要な関連会社はSAN MIGUEL BREWERY INC.(報告日9月30日)及び㈱ファンケル(報告日12月31日)であります。

 

① SAN MIGUEL BREWERY INC.

SAN MIGUEL BREWERY INC.は、フィリピンを中心にビールの製造及び販売を行っており、当社グループは今後も成長を続ける東南アジアビール市場における事業基盤の強化を図り、グループの成長ドライバーとしていきます。

SAN MIGUEL BREWERY INC.の要約財務情報と当社グループの持分の帳簿価額との調整表は以下のとおりであります。なお、財政状態計算書項目については9月30日の財務情報、損益計算書及び包括利益計算書項目については、同社の9月30日に終了する報告期間の12ヶ月の財務情報を記載しております。

 

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

所有持分割合

48.55%

48.55%

非流動資産合計

260,706

308,749

流動資産合計

97,614

120,056

非流動負債合計

80,524

109,077

流動負債合計

46,609

61,059

資本

231,187

258,670

 非支配持分

10,409

9,861

 非支配持分控除後の資本

220,778

248,809

資本の当社グループの持分

107,188

120,797

のれん及び連結調整

81,784

81,855

持分の帳簿価額

188,972

202,652

 

 

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

売上収益

317,006

366,852

継続事業からの純損益

53,695

63,050

 親会社の所有者に帰属する持分

52,379

62,451

 非支配持分

1,316

600

その他の包括利益

28,391

12,211

 親会社の所有者に帰属する持分

28,391

12,211

 非支配持分

包括利益合計

82,086

75,261

 親会社の所有者に帰属する持分

80,770

74,662

 非支配持分

1,316

600

当社グループの持分:

 

 

 継続事業からの純損益

25,430

30,320

 その他の包括利益

13,784

5,928

 包括利益合計

39,214

36,248

 のれん及び連結調整

98

71

 当社グループの持分合計

39,312

36,319

当社グループが受け取った配当金

18,693

22,639

 

 

② ㈱ファンケル

㈱ファンケルは、日本を中心に化粧品・健康食品の研究開発、製造及び販売を行っており、当社グループは同社と経営資源を活用し合うことでシナジーを創出し、事業を育成・拡大していきたいと考えております。

㈱ファンケルの要約財務情報と当社グループの持分の帳簿価額との調整表は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

所有持分割合

32.70%

32.69%

非流動資産合計

252,592

246,877

流動資産合計

58,753

65,069

非流動負債合計

78,634

76,995

流動負債合計

16,746

17,616

資本

215,964

217,336

資本の当社グループの持分

70,620

71,047

のれん及び連結調整

57,836

57,851

新株予約権

△200

△175

持分の帳簿価額

128,257

128,723

持分の公正価値(注)

106,285

93,750

 

(注) 投資の市場価格に基づく公正価値であり、公正価値ヒエラルキーはレベル1であります。

 

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

売上収益

104,075

108,057

継続事業からの純損益

3,091

5,202

その他の包括利益

188

16

包括利益合計

3,279

5,217

当社グループの持分:

 

 

 継続事業からの純損益

1,013

1,701

 その他の包括利益

62

5

 包括利益合計

1,075

1,706

 のれん及び連結調整

 当社グループの持分合計

1,075

1,706

当社グループが受け取った配当金

1,348

1,347

 

 

(2) 個々に重要性のない共同支配企業及び関連会社

個々に重要性のない共同支配企業及び関連会社に対する当社グループの持分の帳簿価額は、以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

共同支配企業

△15,271

△13,322

関連会社

44,536

39,346

合計

29,265

26,024

 

売却目的で保有する資産に分類された関連会社は含めておりません。

 

個々に重要性のない共同支配企業及び関連会社における継続事業からの純損益、その他の包括利益及び包括利益合計に対する持分は、以下のとおりであります。

 

① 個々には重要性のない共同支配企業

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当社グループの持分:

 

 

 継続事業からの純損益

4,324

1,460

 その他の包括利益

121

53

 包括利益合計

4,444

1,513

 

 

② 個々には重要性のない関連会社

(単位:百万円)

 

前年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当社グループの持分:

 

 

 継続事業からの純損益

△7,987

△708

 その他の包括利益

9,064

△847

 包括利益合計

1,076

△1,555

 

 

(3) 関連会社に対する投資に係る減損

当年度において、㈱ファンケルに対する投資の公正価値が取得原価を下回る長期にわたる下落が発生したことから、減損の兆候が存在すると判断し、減損テストを実施しました。この結果、回収可能価額が帳簿価額を上回ったことから、減損損失は認識しておりません。

なお、回収可能価額は、使用価値を基に測定しており、当該使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フロー見積額を現在価値に割り引いて算定しております。

当該事業計画には、中国等からのインバウンド需要回復の影響、国内通販チャネル及び海外市場における販売拡大等の重要な仮定が含まれております。

 

 

37.コミットメント

各年度における、報告日後の資産の取得に係るコミットメントは、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前年度
(2022年12月31日)

当年度
(2023年12月31日)

有形固定資産の取得

42,961

43,244

無形資産の取得

255,973

161,849

合計

298,934

205,093

 

 

(注) 上記の金額は、医薬事業における開発品又は製品の導入契約に係る開発・販売目標の達成に伴うマイルストンペイメントの最大支払額が含まれております。マイルストンの達成は不確実性が非常に高いため、実際の支払額は大幅に異なる可能性があります。

 

38.企業結合

(1) 企業結合の概要

当社は、2023年8月10日付で、豪州子会社であるKirin Holdings Australia Pty Ltd及びKirin Health Science Australia Pty Ltdを通じて、Blackmores Limitedの議決権100%を取得し、同社に対する支配を獲得しました。

 

①被取得企業の名称、事業内容

被取得企業の名称

Blackmores Limited

事業内容

サプリメント等の栄養補助食品の製造・販売

 

 

②企業結合の主な理由

本件株式取得により、当社ヘルスサイエンス事業の商品ラインアップやケイパビリティの充実、展開地域の拡大を図ります。さらに、Blackmoresが販売網を有するアジア・パシフィックの数億人の顧客へのアクセス、同社が把握している消費者ニーズ、国ごとに異なる規制への同社の深い理解等を活用することで、課題解決提案力をさらに高めていきます。これらを通じて、BtoB及びBtoC領域でヘルスサイエンス事業を進化させ、同事業の継続的な成長、ひいては、より多くの健康に関する社会課題を解決してまいります。

 

③取得日

2023年8月10日

 

④取得企業が被取得企業の支配を獲得した方法

現金を対価とする株式の取得

 

⑤取得した持分比率

100%

 

⑥取得対象子会社に関する子会社取得の対価の額

161,407百万円

 

(2) 取得した資産及び受け入れた負債

  (単位:百万円)

項目

金額

流動資産

33,524

非流動資産

105,963

資産合計

139,487

流動負債

13,050

非流動負債

30,646

負債合計

43,697

純資産

95,791

 

当連結会計年度末において、企業結合日に受け入れた資産及び引き受けた負債の金額等については、企業結合日における識別可能資産及び負債の特定を精査中であり、取得価額の配分が完了していないため、暫定的な会計処理を行っております。

 

(3) 取得により生じたのれん

  (単位:百万円)

項目

金額

取得の対価

161,407

当社グループが取得した識別可能な純資産の公正価値

94,722

取得により生じたのれん

66,684

 

当連結会計年度末において、発生したのれんの金額については、企業結合日における識別可能資産及び負債の特定を精査中であり、取得価額の配分が完了していないため、暫定的な会計処理を行っております。また、のれんは、今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力から発生したものであります。

 

(4) 取得の対価と子会社株式の取得による支出額の関係

  (単位:百万円)

項目

金額

取得の対価

161,407

現金及び現金同等物で構成される取得の対価

161,407

被取得企業が保有していた現金及び現金同等物

4,818

子会社株式の取得による支出

156,589

 

 

  (5) 取得関連費用

取得関連費用として、その他の営業費用に2,997百万円計上しております。

 

(6) 当社グループに与える影響

取得日以降に、Blackmores Limitedから生じた売上収益は31,987百万円、当期利益は1,481百万円であります。また、当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の当連結会計年度の売上収益及び当期利益はそれぞれ2,164,355百万円及び150,068百万円(プロフォーマ情報)であります。

なお、当該プロフォーマ情報は監査証明を受けておりません。

 

 

39.後発事象

(株式取得による会社等の買収/Orchard Therapeutics plc社の株式取得(子会社化)について)

 当社の連結子会社である協和キリン㈱(以下「協和キリン」という。)は、2023年10月5日開催の取締役会において、英国のバイオ医薬品企業Orchard Therapeutics plc (以下「Orchard社」という。)の発行済株式の100%を取得することを決議し、英国2006年会社法に基づくスキーム・オブ・アレンジメント手続きによるOrchard社の全発行済株式の買収は2024年1月24日に完了しました。この買収により、Orchard社は協和キリンの完全子会社となりました。

 

(1)株式取得の目的及び理由

 本件株式取得は、協和キリンが2030年に向けたビジョンの実現に向けたマテリアリティ(重要経営課題)として選定している「革新的な医薬品の創出」のための重要なステップとなります。Orchard社が開発した遺伝子治療のアプローチは、患者さん自身の造血幹細胞の遺伝子を改変し投与することを特徴としており、一度の投与で遺伝性疾患の根本的な原因を治す可能性があります。Orchard社は、造血幹細胞遺伝子治療(hematopoietic stem cell gene therapy、以下「HSC-GT」という。)のリーディング・プロバイダーとして、すでに欧州でライソゾーム病の適応を有するHSC-GTの製品を上市、また米国でも承認審査中であり、本領域において着実に実績を積んでいる会社です。協和キリンは、自社のバイオ医薬品に対する強みとOrchard社が持つ細胞遺伝子治療研究に関する強みを掛け合わせることで、将来のアンメットメディカルニーズを満たす医薬品の開発及びLife-changingな価値の創出を目指します。

 

(2)株式取得した会社の名称、事業内容、規模

① 名称

Orchard Therapeutics plc

② 所在地

245 Hammersmith Road, 3rd Floor London W6 8PW United Kingdom

③ 代表者の役職・氏名

Chief Executive Officer

Bobby Gaspar

④ 事業内容

造血幹細胞遺伝子治療(HSC-GT)の開発・商業化

⑤ 資本金

29,463千米ドル(2023年9月30日現在)

⑥ 設立年

2015年

 

 

(3)株式取得の時期

 2024年1月24日

 

(4)取得した株式の数、取得価額

① 異動前の所有株式数

0株

(議決権の数:0個)

(議決権所有割合:0%)

② 取得株式数

22,817,354株(議決権の数:18,246,822個)

③ 取得価額

1ADS当たり16.00米ドル、約387.6百万米ドル(約574億円)

④ 異動後の所有株式数

22,817,354株(議決権所有割合:100%)

 

(注)1  1米ドル=148円で計算しております。

  2  取得株式数は普通株式を全てADSに変換した前提です。取得価額は全発行済普通株式、ADS、オプション、Restricted Stock Unit等その他証券に関する支払いを行うために要する金額です。また、FDAによるOTL-200の米国販売承認が得られた場合には、株主は追加で1ADS当たり1.00米ドルを受領する権利を持ちます。条件が達成された場合には追加で1.00米ドルを支払い、取得価額は1ADS当たり17.00米ドル、約477.8百万米ドル(約707億円)となります。

 

 

40.追加情報

(セグメント区分の変更)

当社グループの報告セグメントの区分は、当年度において「国内ビール・スピリッツ事業」「国内飲料事業」「オセアニア酒類事業」「医薬事業」としておりましたが、翌年度より「酒類事業」「飲料事業」「医薬事業」「ヘルスサイエンス事業」に変更することとしました。
 当社グループは、長期経営構想「KV2027」において、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」ことを目指しています。その実現に向けて、ヘルスサイエンス領域を食領域と医領域に続く当社の第3の柱にすべく取り組んでおり、当年度において豪州企業Blackmores Limitedの議決権100%を取得し、同社に対する支配を獲得しました。同社の買収を機に、ヘルスサイエンス領域の事業規模をより拡大させていきます。これに当たり、2023年11月20日の取締役会において当社グループにおける内部モニタリング単位を翌年度より変更することを決議いたしました。

以上より、翌年度より報告セグメントを「酒類事業」「飲料事業」(食領域)、「医薬事業」(医領域)、及び「ヘルスサイエンス事業」(ヘルスサイエンス領域)の単位に区分して開示することとするものであります。

なお、変更後のセグメント区分によった場合の当年度の報告セグメントごとの売上収益及び利益又は損失の金額に関する情報は以下のとおりであります。
 
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

 その他

 (注1)

調整額
 (注2)

連結

酒類

飲料

医薬

ヘルスサイエンス

外部顧客からの
 売上収益

1,045,138

516,171

441,882

103,354

27,847

2,134,393

セグメント間
 売上収益

2,336

2,771

351

4,694

66,241

△76,393

1,047,473

518,942

442,233

108,048

94,089

△76,393

2,134,393

セグメント利益(△は損失)
(注3)

119,939

52,358

95,968

△12,535

△60

△54,175

201,495

 

(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。

     2 調整額は以下のとおりであります。

  セグメント利益(△は損失)の調整額は、主にセグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない費用が含まれております。当該費用は、主に純粋持株会社である当社のグループ管理費用及び機能分担子会社において発生する複数の報告セグメントに関わる管理費用であります。

3 セグメント利益(△は損失)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除した金額である事業利益を使用しております。