当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、ユーザーの要求する性能の製品を、タイミング良く、適切な価格で提供することを目指しております。そのような活動をすることで、最終的に社会に貢献することにつながると考えております。そのためには、全社員が先端の技術・情報を得るために、常に社是である「挑戦」の気持ちを持って行動しなければならないと考えております。今後もこの基本方針のもとに、多角的・グローバルな事業展開を積極的に行い、業績の向上を図り、企業価値を高めてまいります。
(2)経営戦略等
当社グループといたしましては、半導体製造装置及び搬送機器のプロセス機器事業を主体にしつつ、将来を見据えた事業展開を考えております。
プリント基板製造装置(メッキ処理装置、回路形成装置など)の製造・販売を行っている株式会社ファシリティと紫外線照射装置の製造・販売を行っている株式会社クォークテクノロジー、これらの会社の技術や設備を活用し、半導体製造装置の共同開発、シナジー効果による成長を目指します。
将来にわたる成長を実現させるための施策として、独自性のある装置(性能、コスト、サービス)を着実に作り上げることに全力を傾け、顧客ニーズに対応し売上高を伸ばしてまいります。さらに、事業を見据えた研究開発に焦点を絞り、その効率を高め将来の収益確保を実践してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの目標とする経営指標は以下のとおりであります。
|
2023年12月期 実績 |
2025年12月期 目標 |
売上高 |
28,161百万円 |
40,600百万円 |
経常利益 |
3,890百万円 |
5,000百万円 |
なお、上記の数値は、2023年2月13日に公表いたしました「タツモグループ中期経営計画(TAZMO Vision 2025)」における将来に関する前提・見通し・計画に基づくものであり、実際の業績は今後さまざまな要因によって異なる可能性があります。
(4)経営環境
当社グループが属する半導体業界におきましては、リモートワークの普及などに伴い増加していたスマートフォンやパソコン向けの半導体需要は減少したものの、電気自動車向けや家電製品、電気器具に安定した電源を供給するインバータ等のパワー半導体の需要拡大に伴い、パワー半導体メーカーの設備投資が継続されると予想しております。
このような状況のもとで、近年は半導体関連機器を中心とした事業を展開していますが、ユーザーのニーズの変化や技術革新のスピードは速く、安定した業績を残すためには厳しい環境であることに変わりはありません。当社グループはユーザーの要求する性能の製品を、適切なタイミング・適正な価格で提供するため、技術部門とともに営業活動を行い、新規装置等の開発も進めてまいります。このような活動をすることで、安定した業績が残せる企業を目指してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの属している半導体業界では、経営環境や需要供給の関係で好不況の波が激しく、当社グループの業績が大きく変化してきました。また、微細化への対応や多岐にわたる技術の採用に応える必要があります。そのためユーザーのニーズに対応した半導体製造装置や搬送装置などの当社製品を、タイムリーに供給できる体制が必要となり、これらに対して当社グループは、設計の見直しや生産管理の徹底により短納期を実現し、ベトナムなど海外子会社の生産体制を活用して一層のコストダウンを図り、経営環境の変化に強い体質を作る必要があります。
開発型企業として、顧客の要望を製品にして提供するのではなく、顧客のニーズを早く掴んで提案するビジネスの比率を高める必要があると考えております。そのためには、研究開発に力を入れ、高品質で付加価値の高い製品を提供し、業績を安定させつつ、新たな事業に進出し成長させたいと考えております。2011年から2014年までの業績不振の反省を活かし、受注段階から利益優先の営業を実施し、全ての部門で確実に利益を上げ、自己資本を充実させて、好不況の波にも耐えられる企業体力をつけることを目指してまいります。
企業価値の向上を図るため、CSR(企業の社会的責任)を重視した経営が不可欠と認識し、コーポレート・ガバナンス並びにその基盤となる内部統制システムの更なる強化に向けた取組みを推し進め、より透明性の高い経営に努めてまいります。
当社グループにおきましては、2023年2月13日に発表いたしました「タツモグループ中期経営計画(TAZMO Vision 2025)」に基づき事業を展開してまいりました。半導体メーカーの設備投資は堅調に推移したこと等により、2023年12月期において当初の計画数値に対し、売上高は計画達成できませんでしたが、経常利益は計画を上回る結果を達成することができました。また、2024年12月期においても、電気自動車向けや家電製品、電気器具に安定した電源を供給するインバータ等のパワー半導体の需要拡大に伴い、パワー半導体メーカーの設備投資が継続されると予想しています。当社グループといたしましては2023年12月期の結果と現在の経営環境を踏まえ、継続的な売上拡大、利益拡大に努めてまいります。
当社グループは財務体質と経営基盤の強化を図るとともに、株主の皆様に対する利益還元を重要課題の一つとして位置づけております。内部留保資金は研究開発や財務体質の強化に充当しながら、業績、今後の事業計画、配当性向などを総合的に勘案し、安定的な配当を継続実施することを基本として、配当性向20%の実現を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、サスティナビリティに関する取り組みについて、サスティナビリティ委員会を設立し、ESGに関する事項や中長期の目標や施策などを議論し、また全社での取り組みを監督する体制を整えております。同委員会は代表取締役社長を委員長とし、取締役、品質保証部長、総務部長をメンバーとし、総務サスティナビリティ課を事務局とした体制により、社会課題解決と企業成長を両立させ、持続可能な未来を実現することを指針に取り組みを行っております。また、気候変動に係る取り組みについては、TCFDの枠組みを参考に、気候変動が当社の事業に与えるリスク・機会を把握、分析し、適切なリスクマネジメントを行い、これを事業戦略に反映させるとともに、適切な情報開示に努めてまいります。当社は、事業を通じて、地球温暖化の原因とされているCO2等の温室効果ガス排出の削減に貢献しながら、持続的な成長を目指してまいります。TCFDの枠組みに基づく情報開示の内容については、サスティナビリティ委員会が主導して毎年見直しを行い、内容の充実を図ります。また、その内容や方針等を弊社ホームページに開示しております。
開示場所アドレス:https://tazmo.co.jp/tcfd/
(1)ガバナンス
当社では、社会課題解決と企業成長を両立させ持続可能な未来を実現するためサスティナビリティ委員会を設置しました。サスティナビリティ委員会では、取締役会と連携しながら、推進施策の決定や全社の取り組みの監視を行っています。
環境に対する取り組みについては、サスティナビリティ委員会にて方針を決定、温室効果ガス排出量など環境に関連する状況を部門長会議などを通じて各部長やグループ会社へ共有を行い、全社での進捗状況の監視や取締役会への報告等を行っています。
サステナビリティ委員会の概要
委員長/議長 |
代表取締役社長 |
担当役員 |
総務担当取締役 |
事務局 |
総務部 総務サスティナビリティ課 |
委員会構成メンバー |
取締役 |
議論内容 |
1.サスティナビリティの基本方針、中長期目標、推進施策、 |
開催頻度 |
年2回(4月、10月) |
(2)戦略
当社は、将来の気候変動に対するリスクや機会を分析し、各リスクや機会が当社へ与える財務の影響について特定を行いました。リスクがもたらす影響を回避し、機会がもたらす恩恵を享受していく対応策については、現在実践中あるいは計画中の内容も含め、今後整理・検討してまいります。
今般特定したリスクや機会、及び対応策については、定期的な見直しを行うことで、気候変動に関する変化へ機動的に対応してまいります。
(シナリオ分析の検討ステップ)
シナリオ分析を以下のステップで行い、気候変動に対するリスクや機会を特定し、財務への影響を評価致しました。
①分析対象範囲・シナリオの特定
気候変動の影響を特定するため、分析対象の企業と事業、シナリオ及び分析の時間軸について特定しました。
対象の企業:タツモ単体
対象の事業:プロセス機器事業
シナリオ:気温上昇1.5℃シナリオ/4℃シナリオ
※主な参考資料 IEA World Energy Outlook 2021/IPCC Global Warming of 1.5 ºC
分析の時間軸:2023年
②リスク項目の列挙及び事業インパクトの評価
気候変動により生じると想定されるリスクと機会、財務への影響を考慮し大・中・小で評価を行いました。
リスク・機会項目 |
内容 |
内容詳細 |
財務への影響 |
||
移 行 リ ス ク |
政策と法 |
炭素価格の導入 |
炭素価格の導入により、事業活動に必要なエネルギーコスト及び調達品の価格が増加するリスクがある。 |
コスト増 |
小 |
CO2排出量削減目標の達成 |
国、業界団体等が定めるCO2排出量削減目標を達成するため、設備投資コスト及び運用コストが増加するリスクがある。 |
設備投資増 |
小 |
||
テクノロジー |
クリーンエネルギー技術の普及 |
クリーンエネルギー技術の普及と化石燃料の使用制限により、再エネ発電の設備投資コストが増加するリスクがある。 |
コスト増 |
小 |
|
市場 |
需要の変化 |
市場価格の変化や顧客ニーズの変化により製造コストが増加及び売上が減少するリスクがある。 |
売上減 |
中~大 |
|
評判 |
顧客の評判の低下 |
気候変動への対策が不十分な場合、環境サプライチェーンが変化し受注が減少するリスクがある。 |
売上減 |
中~大 |
|
株価の影響 |
気候変動への対策が不十分な場合、株価が低下するリスクがある。 |
売上減 |
中~大 |
||
物 理 リ ス ク |
急性リスク:異常気象の激甚化 |
水害、浸水の被害 |
製造拠点や事業所/営業所での事業活動が停滞するリスク、及び設備修復コストが増加するリスクがある。 |
売上減 |
大 |
サプライチェーンの分断 |
気象災害により物流網が崩壊し、調達や販売等のサプライチェーンが分断されるリスクがある。 |
売上減 |
中~大 |
||
従業員の被災・通勤/移動の困難 |
気象災害により、従業員の被災や通勤/移動への影響が発生し、事業活動が停滞するリスクがある。 |
売上減 |
小 |
||
慢性リスク:平均気温の上昇 |
外気温の上昇 |
製造、保管、物流および事業所における温度管理にかかる費用が増加するリスク、製品の品質低下のリスクがある。 |
コスト増 |
小 |
|
主に飛行機輸送において貨物の積載重量制限が課される等、調達や海外販売を含む物流に影響を与えるリスクがある。 |
コスト増 |
小 |
|||
機 会 |
エネルギー |
再生可能エネルギーの普及 |
分散型クリーンエネルギー技術の向上により、エネルギーコストの削減、及びエネルギー供給の安定化を実現する機会がある。 |
コスト減 |
小 |
製品とサービス |
新しい製品・サービスの開発 |
原材料価格や顧客の環境対応へのニーズの変化を想定した製品の改善や新規製品・サービスの提供により収益拡大の機会がある。 |
売上増 |
中~大 |
|
市場 |
新たな市場や拡大する市場への参入 |
低炭素経済への移行に向けた低炭素商品やサービス、物理的リスクの管理・対策に役立つ商品やサービスの需要拡大によって生まれる新たな市場への参入の機会がある。 |
売上増 |
中~大 |
リスク・機会項目 |
内容 |
内容詳細 |
財務への影響 |
||
機 会 |
レジリエンス |
各種気候関連のリスク・機会への管理・対応能力の向上 |
気候リスク評価、リスク分散対策など、気候変動への計画的な対応により、事業安定化および強靭な経営・事業基盤の構築、それによる外部評価の向上や株価上昇の機会がある。 |
売上増 |
小 |
(リスクと機会に対する当社の対策)
・自家消費型太陽光発電設備の設置(本社、井原第1・第3・第5工場の各屋上)
2023年2月から着工し、2023年9月には上記工場における自家消費型太陽光発電設備の施工完了、2023年10月より稼働しております。消費電力の一部を太陽光由来の電力を用いることで、よりクリーンな製造を実現してまいります。
・全社照明設備のLED化の推進
2022年12月より順次LED化を進め、2023年7月に施工完了いたしました。省電力化を推進することで、化石由来の電力使用量を低減してまいります。
・再生可能エネルギー由来の電力などへの切り替え
・設備更新などによる電力効率化への取り組み
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は次のとおりであります。
●人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針
当社は人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげるべく、社是にある「挑戦」をキーワードに好奇心やチャレンジ精神旺盛で、何でも興味が持てる人材の育成を目指しています。全社員を対象とした教育体制を整備するとともに、当社の中核人材となる役員や管理職への登用は、性別や国籍などに関わらず、実績や能力、資質、リーダーシップなど、総合的な判断のもと登用を決定しており、今後も多様性を勘案した取り組みを実施するとともに、適任であると認めた人材を登用していく方針です。
人材育成につきましては、社内に人財開発プロジェクトを立ち上げ、総務部内の総務人事課が社員教育の充実を図るべく取り組んでおります。管理職教育につきましては多様性をも考慮し、社員全員がキャリアアップの機会を持ち、個々の育成に重点を置いた教育の充実を進めております。
●社内環境整備に関する方針
顧客へ価値ある製品・サービスを提供し続けるため、社員一人一人が会社の理念、製品サービスに共感し、日々の仕事にやりがいや貢献意欲を持って仕事に取り組むことができる社内環境の整備を行っていく方針です。
社内環境整備につきましては、社員がその能力を発揮し、仕事と生活の調和を図り働きやすい雇用環境整備を行うため、行動計画を策定し推進しています。また、新卒及び中途採用者の女性割合の向上・子の介護休暇制度の拡充・有給取得率・育児休業取得率の向上のみならず、従業員エンゲージメント向上の取り組みを進めております。
なお、人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに目標及び実績は「(4)指標及び目標」に記載しております。
(3)リスク管理
当社では、事業継続に係る様々なリスクを全社リスクマネジメントの枠組みで分析・対応策の検討を行っており、気候変動に係るリスク管理についてはこの枠組みの中で、サスティナビリティ委員会が主導的に関与し、管理する運用としています。
サスティナビリティ委員会では気候変動関連のリスクを定期的に評価し、事業に与える影響を取締役会に報告します。サスティナビリティ委員会の報告を踏まえ、担当部署にリスク対策を含む事業戦略・中期計画の作成を指示します。
(人的資本に関するリスク管理)
日本国内では、少子高齢化により労働人口が減少すると見込まれています。特に当社のある岡山県などの地方では高齢化が急速に進んでおり、計画通りの事業拡大や継続、生産活動に必要な人材確保が困難になる可能性があります。人材確保に関しては、総務部内の総務人事課が各部門から定期的に必要な職種などをヒアリングし、性別や国籍に関係なく多様な人材を採用できるよう募集地域を拡大して活動しております。
また、当社では今後15年ほどの間に、60歳以上になる社員が毎年平均で10数名おり、若手社員の教育と同時に、シニア層の持つ技術や経験を活用及び伝承していく体制の整備が急務だと認識し、人財開発プロジェクトにて対応していきます。
(4)指標及び目標
当社は、事業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を目指しております。自社のCO2排出量を継続的に把握し、削減目標を達成するために環境へ配慮した施策を引き続き実行していきます。
なお、CO2排出量の把握については、今年度は自社単体での開示を行い、今後は順次当社グループ全体の排出量の把握に努め、グループ一体での排出量削減の取り組みを行ってまいります。
(CO2排出量の把握)
当社は、自社内でのCO2排出量を継続的に把握することで事業活動が与える環境への負荷を認識し、取り組みに反映することで負荷の軽減に努めてまいります。
CO2排出量実績
算定対象会社:タツモ株式会社
(単位:t-CO2)
|
2021年度 |
2022年度 |
Scope1 |
231.7 |
209.9 |
Scope2 |
3,227.2 |
3,519.1 |
Scope1+2計 |
3,458.9 |
3,729.0 |
※CO2の排出量の算定には、地球温暖化対策推進法に基づく排出係数を使用。
(CO2排出量削減目標の設定)
当社では、現中期経営計画期間(2022年~2024年)の中でのCO2排出量の削減目標を定めています。今後も、カーボンニュートラルを見据えた持続可能な事業活動を達成するため、削減に取組んでまいります。
CO2排出量削減目標
2024年度までにCO2総排出量の20%削減(2020年度比)
※2020年度総排出量・・・ 3,648(t-CO2)
「人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針」は「 (2)戦略」に記載しております。また、当該方針に関する指標の内容並びに目標及び実績は次のとおりであります。
≪人的資本に関する指標及び目標≫
当社における人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する指標の目標及び実績は、次のとおりであります。採用した労働者に占める女性の割合、男性の育児休業取得率など一定程度確保されているものと考えておりますが、引き続き体制整備と取り組みの強化に努めてまいります。
なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。
指 標 |
目標 2026年12月期 |
実績 2023年12月期 |
社員一人当たりの教育研修時間数 |
25時間以上 |
22.2時間 |
採用した労働者に占める女性労働者の割合 |
15%以上 |
25.0% |
男性の育児休業取得率 |
50%以上 |
66.6% |
有給休暇取得率 |
70%以上 |
67.5% |
当社グループの事業を取り巻くさまざまなリスクに的確に対応するため、各担当部署または各委員会において、規則・ガイドラインの制定、研修の実施、マニュアルの作成等を行い、組織横断的リスク状況の監視及び全社的対応は総務部が行い、リスク対応に向けた体制の構築を行っております。新たに生じたリスクについては、取締役会においてすみやかに対応責任者となる取締役を定めております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性のあると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業界景気変動リスク
当社グループは、プロセス機器事業(半導体製造装置・液晶製造装置)及び表面処理用機器事業を主体に事業展開しております。この業界につきましては、循環的な市況変動が大きい市場であります。特に半導体製造装置・液晶製造装置は、需要動向に大きな影響を受け、技術革新が速くユーザーニーズが複雑・多様にわたるため、市況及びそれに連動した価格変動があった場合や極端な競合状況に陥った場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
半導体の需要については、短期的には、需要と供給のバランスにより半導体の市場規模は一時的に縮小することもありますが、中長期的には、電気自動車向けや家電製品、電気器具に安定した電源を供給するインバータ等のパワー半導体の需要拡大に伴い、市場規模は拡大するものと考えられます。外部環境の変化については、定期的にユーザー情報を取得しております。また、必要に応じ外部調査機関を通じ市場動向を把握し、迅速に対応できるように努めております。
(2) 研究開発リスク
当社グループは、技術革新の激しい半導体・液晶業界において競争力を維持するため、ユーザーニーズを的確に捉えた製品の研究開発に努めております。しかし、技術革新やユーザーニーズの変化を予測することは容易ではなく、研究開発において経営資源を投入したにもかかわらず、予期せぬ理由で十分な成果が得られない場合があり、その結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
研究開発については、充分な検討を行って計画しておりますが、需要や開発時期など当初の計画との乖離が生じた場合、開発の見直しを行っております。
(3) 為替変動リスク
当社グループは、今後もマーケット拡大が期待されるアジア、北米地域における事業拡大を図っており、アジア地域に生産・販売拠点を、北米地域に販売拠点を有しております。為替変動の影響を回避するために、主に円建て取引を行っています。予想を超えた為替相場の変動により、海外ユーザーの設備予算に影響が生じ、結果的に受注価格等に大幅な変動が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) 調達リスク
当社グループは、材料は材料メーカーや商社等から、また、半製品は外注先から調達しておりますが、その特殊性から、仕入先・外注先や品目の切替えが容易に出来ないものも含まれております。
日頃から複数の調達先を確保すること等により安定的な調達に努めておりますが、市場変動等何らかの事由により材料や半製品の供給が不足し、調達コストの上昇や納期遅延等の支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) 知的財産リスク
当社グループは、事業活動を展開する上で多数の知的財産権を保有しているとともにライセンスを供与しております。また、必要または有効と認められる場合には、第三者の知的財産権を使用するために相手方からライセンスを取得します。それらの権利保護、維持または取得が予定通り行われなかった場合には、知的財産を巡る紛争・訴訟において当社グループが当事者となる可能性があります。その結果、費用負担等が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社は、知的財産権管理の担当部署により、特許等の維持管理を行うために、事業部と連携して調査や知的財産権の侵害の防止に努めております。
(6) 品質リスク
当社グループの製品は先端分野で使用されるため、新規開発技術も多く存在し、予期せぬ欠陥や不具合の発生により、多額の費用負担発生、損害賠償請求、顧客の信用喪失による売上減少等を招いた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループは、品質管理体制の構築により製品・サービスの品質向上や教育訓練に努めております。また、製造物賠償については保険に加入しております。
(7) 自然災害・事故リスク
当社グループは、国内外に生産拠点を置いていますが、主要工場は岡山県井原市に集中しております。地震等の自然災害や火災・爆発等の不慮の事故が発生した場合には、生産活動の停止に伴う出荷の遅延、さらには修復・生産工場等の代替に伴う費用負担が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社は、事業の中断を最小限に抑えるため、事業継続計画を策定しております。
(8) 情報漏洩リスク
当社グループは、事業活動に関連してさまざまな機密情報や個人情報を保有しております。社内規程の整備や管理強化によって、情報漏洩の防止に努めておりますが、不正なアクセスやサイバー攻撃等の予期せぬ事態によって情報漏洩が発生した場合、多額の費用負担や企業イメージの悪化により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
社内情報など、重要な情報の取り扱いについては、内部情報管理規程や個人情報管理規程を制定し適切に情報の管理をしております。また、定期的に総務部電算システム課により最新のセキュリティや機密情報の取扱教育が行われ、各個人の情報取扱いが強化される体制になっております。
(9)法的リスク
当社グループは、事業活動を展開する世界各国において、事業・投資の許認可、輸出入制限での政府規制の適用を受けております。これらの規制に重大な変更があり、その内容を把握していなかった場合、また、これらの法規制を遵守できない場合、社会的信用の低下、損害賠償の発生による費用負担等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
法令や規制については、事案発生時に外部専門家に相談できる体制にしております。
(10)海外での事業活動リスク
当社グループは、アジア地域において生産および販売活動、北米地域において販売活動を行っております。しかし、海外の事業活動には、通常、政治状況の急変、予期しない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、人材の確保困難、テロ・戦争、自然災害等のリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化した場合、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、海外のグループ会社と情報交換を行い、リスクの早期把握に努めております。
(11)検収売上時期の変動に関する影響
当社グループの主力事業である半導体製造装置、表面処理用機器に関しては、受注生産によっており、納品から顧客による動作・品質の確認が終了(検収)し売上計上するまでの期間は、案件によっては1年を超えるものがある等、比較的長期間に亘ります。このため、顧客の事情等、何らかの理由で受注、納品から顧客の検収までの期間が当初予定よりも長くなる場合があります。とりわけ、大型案件の場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
契約に基づき顧客と営業が情報共有して、工程に遅延が発生しないよう注視する体制にしております。
(12) 仕様変更に伴う追加コストのリスク
当社グループの主力事業である半導体製造装置、表面処理用機器に関しては、受注生産によっており、新規開発要素が多く含まれるため、当初の見積以上に作業工数が発生する場合や取引先との条件・仕様変更に伴う追加コスト等を取引先に請求できない場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
上記の内容にならないように、営業は技術者を同行させるなどして、早期に仕様の確定をさせる体制にしております。
(13) 減損損失のリスク
当社グループの固定資産の時価が著しく低下した場合や収益性が悪化した場合には、固定資産減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び業績に重大な影響を与える可能性があります。
当社では、事業計画や予実管理を通して、業績の推移のモニタリングを行っており、早期に減損の兆候の把握に努めております。
(14) 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産に対して、将来の課税所得の予測等に照らし、定期的に回収可能性の評価を行っております。しかし、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達等により課税所得の見積りの変更が必要となった場合や、税率の変動を伴う税制の変更等があった場合には、繰延税金資産が減額され、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(15) 企業買収リスク
当社グループは、事業戦略の一環として、新規事業領域への進出・ビジネス基盤の獲得・既存事業の競争力強化等を目的として入念なデューデリジェンスを行ったうえでの企業買収を行う可能性があります。しかし、買収後に当初期待した成果を上げられない、あるいは事業環境等の変化により想定したシナジー効果が得られなかった場合等には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
(16) 配当政策のリスク
当社グループは、今後の業績・財務状況を勘案しつつ配当による株主への利益還元に努める方針としております。今後につきましても会社業績の動向に応じて株主への利益還元に取り組む方針でありますが、当社の事業が計画通りに進展しない場合や、業績が悪化した場合には配当を行わない、或いは公表している配当の予定額を減ずる可能性があります。
(17) 人材の採用及び育成のリスク
当社グループは、事業の拡大のために優秀な人材の採用・育成が重要であると認識しております。しかし、日本国内では、少子高齢化により労働人口が減少すると見込まれています。特に当社のある岡山県などの地方では高齢化が急速に進んでおり、事業拡大に応じた人材の確保又は社内での育成ができなかった場合、計画通りに当社の事業拡大ができなくなり、財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
このような状況の中、総務部内の総務人事課が募集地域を拡大して、性別や国籍に関係なく多様な人材を採用できるような体制にしております。
また、当社では今後15年ほどの間に、60歳以上になる社員が毎年平均で10数名おり、若手社員の教育と同時に、シニア層の持つ技術や経験を活用及び伝承していく体制の整備が急務だと認識し、人財開発プロジェクトにて社内研修や人事制度の充実を図っていきます。
(1)経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
イ.経営成績
当連結会計年度における経営環境は、社会が新型コロナウイルス感染症との共存を図る中で経済活動の正常化が進んだ一方、地政学リスクの高まり、原材料の高騰や不安定な為替相場など、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社グループが属する半導体業界におきましては、パワー半導体向けの貼合装置及び剥離装置の引き合いは強いものの、リモートワークの普及などに伴い増加していたスマートフォンやパソコン向けの半導体需要が減少し、設備投資が鈍化する動きが見られました。このような状況のなか当社グループは、中長期的な成長に向けて、顧客ニーズに対応した装置の開発や生産活動に注力してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は281億61百万円(前年同期比15.6%増)となりました。利益面では、利益率の高い装置が売上計上されたことや、原価低減活動の効果により、営業利益36億54百万円(前年同期比30.2%増)、経常利益38億90百万円(前年同期比23.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益23億56百万円(前年同期比4.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(プロセス機器事業)
半導体装置部門につきましては、パワー半導体向け装置の需要が堅調であり、売上高は67億73百万円(前年同期比12.9%増)となりました。
搬送装置部門につきましては、生産効率の改善により、売上高は79億36百万円(前年同期比11.2%増)となりました。
洗浄装置部門につきましては、装置の検収遅れはあるものの概ね計画通りに進み、売上高は49億54百万円(前年同期比72.9%増)となりました。
コーター部門につきましては、フラットパネルディスプレイ関連のメーカーによる設備投資が鈍化していることから、売上高は27億74百万円(前年同期比13.1%減)となりました。
以上の結果、プロセス機器事業の売上高は224億37百万円(前年同期比16.9%増)、営業利益37億15百万円(前年同期比41.0%増)となりました。
(金型・樹脂成形事業)
金型・樹脂成形事業につきましては、コネクターメーカーの在庫調整が長引いており、売上高は14億56百万円(前年同期比4.0%増)、営業損失29百万円(前年同期は11百万円の営業利益)となりました。
(表面処理用機器事業)
表面処理用機器事業につきましては、利益率の低い装置の売上が多かったことから、売上高は42億67百万円(前年同期比13.4%増)、営業損失22百万円(前年同期は1億75百万円の営業利益)となりました。
ロ.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は394億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ75億15百万円増加しました。主な要因は、「現金及び預金」の増加17億58百万円、「受取手形及び売掛金」の増加11億78百万円、「仕掛品」の増加39億79百万円によるものであります。
有形固定資産は70億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億39百万円増加しました。主な要因は、「建物及び構築物」の増加1億48百万円、「機械装置及び運搬具」の増加3億35百万円、「その他」の増加2億78百万円によるものであります。
無形固定資産は1億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ40百万円減少しました。主な要因は、「ソフトウェア」の減少32百万円によるものであります。
投資その他の資産は8億42百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億82百万円減少しました。主な要因は、「繰延税金資産」の増加1億47百万円、「投資有価証券」の減少3億35百万円によるものであります。
これらの結果、当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末に比べ80億31百万円増加し、474億28百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は213億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億16百万円増加しました。主な要因は、「短期借入金」の増加11億57百万円、「契約負債」の増加15億54百万円によるものであります。
固定負債は59億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億68百万円増加しました。主な要因は、「長期借入金」の増加24億32百万円によるものであります。
これらの結果、当連結会計年度の負債総額は、前連結会計年度末に比べ54億85百万円増加し、273億33百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は200億95百万円となり、前連結会計年度に比べ25億46百万円増加しました。主な要因は、「利益剰余金」の増加20億45百万円、「為替換算調整勘定」の増加2億67百万円によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ17億46百万円増加し、当連結会計年度末には67億71百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は3億50百万円(前年同期比76.9%減)となりました。これは、税金等調整前当期純利益35億49百万円、契約負債の増加15億6百万円を主とする資金の増加と、売上債権の増加19億40百万円、棚卸資産の増加40億23百万円、法人税等の支払8億19百万円を主とする資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は12億58百万円(前年同期比87.8%増)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による資金の減少12億33百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は32億11百万円(前年同期比21.6%減)となりました。これは、主に長期借入金の返済による資金の減少21億10百万円と、長期借入れによる資金の増加52億円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
プロセス機器事業 (千円) |
15,004,953 |
114.4 |
|
|
半導体装置部門 (千円) |
3,346,682 |
105.7 |
|
搬送装置部門 (千円) |
5,133,487 |
104.4 |
|
洗浄装置部門 (千円) |
3,934,000 |
176.5 |
|
コーター部門 (千円) |
2,590,782 |
92.3 |
金型・樹脂成形事業 (千円) |
1,276,891 |
109.3 |
|
表面処理用機器事業 (千円) |
3,485,922 |
121.8 |
|
合 計 (千円) |
19,767,767 |
115.3 |
(注)金額は製造原価によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
||||
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
||
プロセス機器事業 |
24,143,808 |
98.4 |
31,340,805 |
105.8 |
|
|
半導体装置部門 |
13,878,160 |
126.9 |
17,415,144 |
168.9 |
|
搬送装置部門 |
6,281,858 |
69.5 |
4,364,311 |
72.5 |
|
洗浄装置部門 |
2,543,985 |
72.3 |
6,234,128 |
72.1 |
|
コーター部門 |
1,439,802 |
140.6 |
3,327,221 |
71.4 |
金型・樹脂成形事業 |
1,286,544 |
93.3 |
156,228 |
47.9 |
|
表面処理用機器事業 |
4,390,085 |
46.5 |
8,487,172 |
101.5 |
|
合計 |
29,820,438 |
84.3 |
39,984,206 |
104.3 |
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
プロセス機器事業 (千円) |
22,437,594 |
116.9 |
|
|
半導体装置部門 (千円) |
6,773,039 |
112.9 |
|
搬送装置部門 (千円) |
7,936,371 |
111.2 |
|
洗浄装置部門 (千円) |
4,954,116 |
172.9 |
|
コーター部門 (千円) |
2,774,067 |
86.9 |
金型・樹脂成形事業 (千円) |
1,456,778 |
104.0 |
|
表面処理用機器事業 (千円) |
4,267,046 |
113.4 |
|
合 計 (千円) |
28,161,419 |
115.6 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
a.財政状態
財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ロ.財政状態」に記載のとおりであります。
b.経営成績
経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 イ.経営成績」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する分析は、次のとおりであります。
(プロセス機器事業)
当セグメントの当連結会計年度における売上高は224億37百万円(前年同期比16.9%増)、営業利益37億15百万円(前年同期比41.0%増)となりました。
スマートフォンやパソコン向けの半導体需要は減少したものの、パワー半導体向け装置の需要は堅調であり、当初の計画数値に対し売上高は計画を下回ったものの、利益は計画を上回ることができました。
また、受注面では半導体メーカーの設備投資が鈍化した影響を受けたものの、当セグメント全体では前年実績を上回る受注残高となっております。
(金型・樹脂成形事業)
当セグメントの当連結会計年度における売上高は14億56百万円(前年同期比4.0%増)、営業損失29百万円(前年同期は11百万円の営業利益)となりました。
コネクターメーカーの在庫調整が長引いていることから、当初の計画数値に対し売上、利益ともに計画を下回りました。また、受注面においても前年を下回る受注残高となっております。
(表面処理用機器事業)
当セグメントの当連結会計年度における売上高は42億67百万円(前年同期比13.4%増)、営業損失22百万円(前年同期は1億75百万円の営業利益)となりました。
利益率の低い装置の売上が多かったことから、当初の計画数値に対し売上、利益ともに計画を下回りました。一方、受注面においては前年と同水準の受注残高を確保しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性にかかる情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、装置を生産するにあたり、原材料、外注費などの資金需要に対して、自己資金を基本としておりますが、不足分は金融機関からの借入金により調達しております。製造設備等の設備資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入金を基本としておりますが、金利動向や市場環境、資本の効率化に配慮し、株式・社債の発行により資金調達を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、期末日の資産・負債の計上及び会計期間の収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや仮定を行う必要があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております要因が考えられます。特に、当社グループの主要事業でありますプロセス機器事業及び表面処理用機器事業におきましては、業界の設備動向に大きく影響を受け、経営成績は不安定な状況で推移しております。
このような状況を脱するために、半導体関連装置、液晶製造装置等以外の事業の確立を目指し、日々研究開発に取り組んでおります。事業の多角化と競合他社との差別化を図り、さらなる成長を目指してまいります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、当社のプロセス機器事業において、継続的な技術革新・新製品の開発と、顧客の要求・依頼事項に対応するための技術開発を中心に行っております。
半導体関連としては、塗布装置、先端パッケージ向け装置、枚葉洗浄装置などの半導体プロセス装置、新規ウェーハ搬送機構やナノインプリント関連装置の開発をしており、早期に収益事業として確立してまいります。
半導体事業・液晶から培ったコア技術をベースに、製造装置の開発を今後も継続してまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、プロセス機器事業の装置の開発を中心に